JP2005089465A - リモナンアルコール、即ち[3−(4’−メチルシクロヘキシル)ブタノール、をベースとする低い凝固点のカルボン酸エステル - Google Patents

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Abstract

【課題】 潤滑剤もしくは可塑剤として特に良好な結果を持って使用することができそして再生性原料をベースとするカルボン酸エステルおよびその製法の提供。
【解決手段】 この課題はリモナンアルコールの[3−(4’−メチルシクロヘキシル)ブタノール]をベースとし、低い凝固点を持つジカルボン産エステル、それを製造する方法、潤滑剤または可塑剤としてのそれの用途およびこのジカルボン酸エステルをベースとする潤滑剤および可塑剤によって解決される。

Description

本発明は、リモナンアルコールをベースとするカルボン酸、その製造方法並びにその用途に関する。
カルボン酸エステルには、産業上、広範な様々の用途、例えば可塑剤、潤滑剤及び着臭剤などの用途がある。モノカルボン酸とモノアルコールからなる簡単なカルボン酸エステルから始まってモノ−及びポリ官能性アルコールとのモノ−及びジカルボン酸の混合物からなる複雑なエステル油に至る多種の様々なエステルが工業界において使用されている。適当な原料を選択することによって、沸点もしくは粘度などの物理的物性を意図的に調節することや、加水分解安定性または酸化分解安定性などの化学的特性に顧慮することができる。特定の用途工業上の問題の解決にもカルボン酸エステルを意図的に適応させることもできる。
カルボン酸エステルの使用法に関する包括的な概要は、例えば、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、1988、VCH; 第A11巻、第191〜193頁、第A15巻、第438〜440頁、第A20巻、第439〜458頁、Common Fragrance and Flavor Materials、Wiley−VCH2001に記載されている。
潤滑剤としてカルボン酸エステルを使用することは、産業上大きな意味がある。“潤滑剤”という用語は、厳密な意味では、滑り要素または回転要素の潤滑に使用される材料のみを包含する。産業上多くの用途に使用されている潤滑剤は、主に、鉱油か、または完全合成もしくは部分合成材料から構成される。鉱油をベースとする潤滑剤は、極めて多方面に使用することができる。これらは、高温及び低温下での潤滑及び動力伝達に利用されるばかりでなく、熱伝導及び絶縁にも利用される。鉱油製品が不十分にしか満足させえない要求には、潤滑油様の特性を持つ合成液が、技術的により良好な解決をもたらし得る。合成に基づく油は、ほぼ均一な物質から制御された条件下で製造されそして種々の分類の化学物質に属することができる。
エステル油は、特に重要な分類の化合物である。これらは、例えば航空機においてタービンモーター油及び精密機械油として、またはグリースもしくは武器用油として相当に使用されている。これらのエステル油は、酸もしくは酸無水物、特にモノ−もしくはジカルボン酸と、アルコール、特にモノ−、ジ−、トリ−もしくはテトラアルコールとを反応させることによって製造される。
エステルの工業的に重要な原料は、例えば、炭素原子数が5〜10の脂肪族モノカルボン酸である。ジカルボン酸としては、例えばアジピン酸、アゼライン酸またはセバシン酸が工業的な量で入手することができる。アルコールとしては、2−エチルヘキサノールなどの脂肪族アルコールの他に、なかでも、多価アルコール、例えばエチレングリコール及びそれのオリゴマー類のジ−、トリ−もしくはテトラエチレングリコール、プロピレングリコール及びそれのオリゴマー類、プロパンジオール−1,3、ブタンジオール−1,4、ヘキサンジオール−1,6、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン及びペンタエリトリトールなどが使用される。
現代の潤滑剤の開発及びそれらの正しい適用は、経済的な影響の程度が非常に大きい。それぞれの課題に適合する最適な潤滑剤は、エネルギーの節約、摩耗の減少、短縮されたメンテナンス時間及びより長いオーバーホール間隔によって、かなりの節約をもたらす。それゆえ、日常的及び工業的に既に多数の製品が導入されてはいるものの、向上された特性を有する新規の潤滑剤に対する要望がなおある。特にエステル化合物の粘度−および凝固点挙動には多くの用途にとって低温での重大な性質がある。いわゆる動的粘度値はDIN 51562/ASTM D445に従い測定される。エステルの冷間挙動は凝固点または流動点によって説明される。それらの測定は一般にASTM D97に従って行われる。
同様に、可塑剤としてのカルボン酸エステルの使用も、経済的に非常に重要である。可塑剤は、プラスチック、被覆材、シーリング材及びゴム製品で広範囲にかつ多様に使用されている。これらは、化学的な反応を起こすことなく、好ましくはそれらの溶解力及び膨潤力によって高分子量熱可塑性物質と物理的な相互作用を起こす。それによって、熱可塑性領域が、元のポリマーと比較してより低温側にシフトされた均一な系が生ずる。すなわち、その結果、それらの機械的特性が最適化され、例えば変形性、弾性、強度が高まりそして硬度が低減する。可塑剤に出来るだけ広い用途範囲を開くためには、該可塑剤は一連の基準を満たさなければならない。理想的には、これらは、無臭でかつ無色であり、そして光、低温及び高温に対し安定しているのがよい。更に、これらが、耐水性、難燃性及び低揮発性でありかつ健康に有害でないことも期待される。更に、可塑剤の製造は、簡単で、かつ衛生上の要求を満足するために、廃棄物、例えばリサイクルできない副生成物や有害物質を含む廃水の発生を避けて行われなければならない。
最も重要な可塑剤には、ジ−もしくはポリカルボン酸と可塑剤用アルコール、すなわち炭素原子数約6〜20個のの直鎖状のもしくは分枝した第一アルコールとのエステルが包含される。なお、このエステルは、単独の化合物としてまたは混合物として使用される。嵩張ったエステル系可塑剤としては、特に、PVCの可塑化のためにフタル酸のエステルが使用される。
G−エステルとも略される、特殊な種類のエステル系可塑剤は、アルコール成分としてジオールまたはエーテルジオール、すなわちエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びテトラエチレングリコールを含む。
潤滑剤の場合と同様に、個々の応用技術上の問題に対応した現代の可塑剤の開発は、経済的に非常に重要である。多数の製品が市場に導入されてはいるが、向上した特性を有しそして個々の課題に最適に対応した可塑剤を求める要望がある。
エステル化合物の性能を先覚に調整するという努力の他に、エステル化合物の原料、即ち酸成分および/またはアルコール成分を再生原料から製造する努力およびこの原料に石油ベースに比較してより大きな重みを与える努力がなされてきた。かゝるエステル化合物および潤滑剤としてのそれらの用途の例はオレイン酸をベースとするネオペンチル−、トリメチロールプロパン−またはペンタエリスリトールエステル、例えばCognis社のEdenor(R) PDOまたはEdenor(R) 2742がある。
それゆえ、本発明の課題は、潤滑剤もしくは可塑剤として特に良好な結果を持って使用することができそして再生性原料をベースとするカルボン酸エステルを提供することである。また同様に、本発明は、再生原料をベースとする、容易にかつ十分な量を安価なコストで入手できる材料から、このようなカルボン酸エステルを製造することを可能にする方法を提供するということも課題としている。この関係において、そのエステル化工程が簡単な技術的手段で実現することができそして高価なもしくは特別な装置を必要としないことが特に価値があることである。
本発明は、以下の一般式
Figure 2005089465
[式中、Aは、−(CH2 x −であり、そしてxは1〜10である]
で表されるカルボン酸エステルに関する。
新規のエステル化合物中のアルコール成分としてリモナンアルコール、即ち[3−(4’−メチルシクロヘキシル)ブタノール]が使用される。アルコール成分としてのリモナンアルコールの製造はリモネンのハイドロホーミングによって行われる。リモネンは安価にかつ大量に入手できそしてエーテル性油、例えばオレンジ油または松葉油から製造される。リモネンは洗剤の香り付けに並びに塗料および被覆剤工業において使用されている。Rh−触媒の存在下に実施されるリモネンのハイドロホーミングは非常に高収率でリモネンアルデヒド、即ち[3−(4’−メチル−3−シクロヘキセニル−1)ブチルアルデヒドをもたらす。合成ガスとのその反応は、一般的に、慣用の有機溶剤、例えばシクロヘキサン、トルエンまたはn−ヘキサン中で、80〜150℃の温度及び10〜30MPaの圧力下に、配位子としての公知の有機リン(III)化合物、例えばトリフェニルホスフィンの存在下に行われる。リモネンアルデヒドは、蒸留による後処理によって、粗ヒドロホルミル化生成物から得られ、次いで、慣用の水素化触媒の存在下に、高められた圧力及び高められた温度下にリモナンアルコールに転化する。工業的に通例の水素化触媒、例えば担体に担持されたもしくは担体なしの金属触媒、例えば触媒活性金属として例えばニッケル、パラジウムまたは銅を含むものが使用される。更に、場合によっては、促進剤、例えばジルコニウムもしくはマンガンを加えることもできる。慣用の担体材料は、二酸化ケイ素または酸化アルミニウムである。
上記の水素化反応は、70〜150℃の範囲の通常の温度条件及び2〜30MPaの範囲の通例の圧力条件下に行われる。水素化は高収率で進行する。それによって、技術的に簡単な方法で、安価に、リモナンアルコールをを新規カルボン酸エステルの製造に利用することができる。
ジカルボン酸としては、なかでも、脂肪族の典型物、すなわちマロン酸(x=1)、コハク酸(x=2)、グルタル酸(x=3)、アジピン酸(x=4)、アゼライン酸(x=7)、セバシン酸(x=8)及び1,12−ドデカン二酸(x=10)が使用される。これらの脂肪族ジカルボン酸の単純な典型物は、工業的な規模で入手することができるか、または公知の方法に従い製造することができる。
カルボン酸によるアルコールの直接的なエステル化は、有機化学の基本的な操作に属する。反応速度を高めるために、この反応は通常は触媒の存在下に行う。反応体の一つを過剰に使用すること及び/または反応中に生ずる水を除去することは、質量作用の法則に対応する平衡を、反応生成物、すなわちエステル側にシフトさせることを保証する。すなわち、高い収率が達成される。
エステル形成の際に生ずる反応水の除去のためには、様々な方法が知られている。好ましくは、水と不混和性の溶剤の存在下での共沸蒸留、不活性ガスの導入下での反応混合物の加熱、減圧下または乾燥剤の存在下での原料のアルコールとカルボン酸との反応が使用される。
特に、共沸蒸留による水の除去が、エステルの製造の際の平衡状態の調節に有効であることが判った。通常は、共沸混合物形成剤としては、妥当な価格で工業的な規模で入手できる有機溶剤が使用される。しかし、水と共沸混合物を形成する適当な沸点を有するものであれば、どのような他の有機物質でも適している。使用される共沸剤の例は、ヘキサン、1−ヘキセン、シクロヘキサン、トルエン、ベンゼンである。
水を完全に除去するのに必要な添加溶剤の量は、エステル化反応の化学量論に応じて計算される水の生成量及び二元共沸混合物の組成から簡単に求めることができる。共沸剤を過剰に、有利には、理論計算量よりも50〜200重量%多い割合で使用することが有効であることが判明した。留去された共沸剤/水混合物を収集・分離することによって、反応の進行を簡単に追跡することができる。共沸混合物から分離された共沸剤は、直接、すなわち精製段階を介在させることなく、反応系に戻すことができる。
リモネンアルコールとカルボン酸との反応は、触媒を使用せずに行うことができる。この態様の反応は、エステルの不所望な汚染をまねく恐れのある異物を反応混合物に加えずに済むという利点がある。ただし、この態様では、一般的により高い反応温度を維持しなければならない。なぜならば、そうしないと、十分な速度、すなわち経済的に許容可能な速度を持って反応を進めることを保証できないからである。この関係においては、反応温度の上昇がエステルの熱分解を招く恐れがあることに留意すべきである。それゆえ、反応を容易にしそして反応速度を高める触媒の使用は依然として避けられない。しばしば、触媒は、同時にリモナンアルコールの反応成分でもある酸が過剰であってもよい。更に通例のエステル化触媒は反応速度に影響を与える慣用のエステル化触媒、例えば鉱酸、例えば硫酸、リン酸、ポリリン酸またはそれらの酸性塩、トリアルキル−もしくはトリアリールホスフェート、蟻酸、メタンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸が好適である。
触媒の使用量は、幅広い範囲に及び得る。触媒は、使用されるジカルボン酸を基準として1〜10モル%の量で使用することができる。しかし、触媒を更に多量に使用してもそれによる地役が殆どないので、触媒濃度は、使用されるジカルボン酸を基準として、通常は2〜8モル%、好ましくは3〜6モル%である。場合によっては個々の場合について予備実験を行うことによって、触媒なしで比較的高温でもしくは触媒を用いて比較的低温で実施するかを決定するのが有利である。
エステル化は、リモナンアルコール及び酸を化学量論量で用いて行うことができる。しかし、好ましくは、最終的にできるだけ完全な転化を達成するために、リモナンアルコールを過剰に使用するのが有利である。
リモナンアルコールと酸との反応は、使用する材料に依存して、約80〜140℃の範囲で行う。反応は、常圧で160〜200℃の温度で完了させることができる。この温度は、遵守するのが有利である規準値である。例えば、特殊な場合において十分に速い反応速度が達成されるかまたは部分的な転化のみが望まれるような場合には、より低い温度でも十分であり得る。また、とりわけ色に悪影響を及ぼす分解生成物の発生を考慮しないならば、より高い温度を使用することも可能である。低減された圧力または高められた圧力の使用も排除されないが、これは特殊な場合に限られる。
反応の終了後に生ずる反応混合物は、所望の反応生成物としてのエステルの他に、場合によっては未反応の原料、特に、アルコール過剰で作業した場合は過剰のリモナンアルコールを含む。後処理のためには、反応流出物から慣用の方法に従い触媒を除去する。触媒が固体として、例えば硫酸水素塩の形で存在する場合は、常温または150℃までの温度で生成物を慣用の濾過器で濾過する。濾過は、通例の濾過助剤、例えば酸化アルミニウム、シリカゲル、珪藻土、活性炭によって補助することができる。次いで、過剰及び未反応の原料を留去する。酸性成分の最後の残部を除去するためには、アルカリ性試薬、例えば炭酸ナトリウム水溶液または水酸化ナトリウム水溶液での処理を準備してもよい。相を分離した後は、不活性ガスを生成物に導入するかまたは減圧することによってエステルを乾燥する。触媒が反応混合物中に溶解して存在する場合(例えば、硫酸やパラトルエンスルホン酸の場合)は、場合によっては前もって濾過した後に、なお存在する原料を先ず留去し、その上でアルカリ性試薬で処理する。場合によってはその生成物を続く乾燥段階の前に水蒸気蒸留に付す。
所定の用途目的において必要とされる場合は、エステルの単離の後に精製段階、例えば減圧下での分別蒸留段階を行ってもよい。
上記エステル化反応は、化学工業にとって代表的な反応装置中でバッチ式でもしくは連続的に行うことができる。加熱装置及び共沸混合物形成剤を供給するための装置を備えた攪拌式反応器が有利であることが実証された。
本発明のエステル化合物は、低温で使用できるがそれにもかかわらず高分子量を有している潤滑剤として優れた粘度挙動および冷間挙動に特徴がある。更に本発明のエステルは再生原料のリモネンから容易に入手できる。同様に多くの通例の高分子量熱可塑性合成樹脂のための可塑剤としても適している。
以下の実施例を本発明を説明するために使用するが、本発明はこれらに限定されない。
ジ−(3−(4’−メチルシクロヘキシル)ブチル)−マロン酸エステルの製造
マロン酸72.8g(0.7mol)、3−(4’−メチルシクロヘキシル)ブタノール279.3g(1.6mol)、p−トルエンスルホン酸1水和物6.6g(0.035mol)及びトルエン50gを、攪拌機、内部温度計及び水分離器を備えた1L三首フラスコ中に仕込み、そして還流下に加熱する。60分のうちに26.2gの水が循環系から除去される。反応混合物の温度は、反応の最後までに176℃に上昇する。反応混合物を室温まで冷却し、そして苛性ソーダ水溶液(1重量%濃度)18.6g並びに水64.3gと混合する。相を分離した後、有機相を全部で227.2gの水で二度洗浄する。二度の相分離の後に有機相(394.5g)を208℃の頂部温度および100Paの圧力下に分別蒸留する。92.6%の純度のエステル(221.8g)が単離される。これは、理論値の77.1%の収率に相当する。
ジ−(3−(4’−メチルシクロヘキシル)ブチル)−コハク酸エステルの製造
コハク酸82.7g(0.7mol)、3−(4’−メチルシクロヘキシル)ブタノール279.3g(1.6mol)、p−トルエンスルホン酸1水和物6.6g(0.035mol)及びトルエン50gを、攪拌機、内部温度計及び水分離器を備えた1L三首フラスコ中に仕込み、そして還流下に加熱する。60分のうちに26.8gの水が循環系から除去される。反応混合物の温度は、反応の最後までに178℃に上昇する。反応混合物を室温まで冷却し、そして苛性ソーダ水溶液(1重量%濃度)15.8g並びに水85.3gと混合する。相を分離した後、有機相を全部で224.4gの水で二度洗浄する。二度の相分離の後に有機相(430.5g)を205℃の頂部温度および100Paの圧力下に分別蒸留する。91.0%の純度のエステル(252.0g)が単離される。これは、理論値の85.7%の収率に相当する。
ジ−(3−(4’−メチルシクロヘキシル)ブチル)−グルタル酸エステルの製造
グルタル酸92.5g(0.7mol)、3−(4’−メチルシクロヘキシル)ブタノール279.3g(1.6mol)、p−トルエンスルホン酸1水和物6.6g(0.035mol)及びトルエン50gを、攪拌機、内部温度計及び水分離器を備えた1L三首フラスコ中に仕込み、そして還流下に加熱する。60分のうちに26.5gの水が循環系から除去される。反応混合物の温度は、反応の最後までに176℃に上昇する。反応混合物を室温まで冷却し、そして苛性ソーダ水溶液(1重量%濃度)11.0g並びに水74.1gと混合する。相を分離した後、有機相を全部で268.4gの水で二度洗浄する。二度の相分離の後に有機相(384.5g)を207℃の頂部温度および100Paの圧力下に分別蒸留する。90.9%の純度のエステル(244.0g)が単離される。これは、理論値の80.0%の収率に相当する。
ジ−(3−(4’−メチルシクロヘキシル)ブチル)−アジピン酸エステルの製造
アジピン酸102.3g(0.7mol)、3−(4’−メチルシクロヘキシル)ブタノール279.3g(1.6mol)、p−トルエンスルホン酸1水和物6.6g(0.035mol)及びトルエン50gを、攪拌機、内部温度計及び水分離器を備えた1L三首フラスコ中に仕込み、そして還流下に加熱する。60分のうちに、27.2gの水が循環系から除去される。反応混合物の温度は、反応の最後までに184℃に上昇する。反応混合物を室温に冷却し、そして苛性ソーダ水溶液(1重量%濃度)16.1g並びに水106.4gと混合する。相を分離した後、有機相を全部で245.3gの水で二度洗浄する。二度の相分離の後に有機相(410.5g)を210℃の頂部温度および100Paの圧力下に分別蒸留する。91.7%の純度のエステル(290.0g)が単離される。これは、理論値の91.4%の収率に相当する。
ジ−(3−(4’−メチルシクロヘキシル)ブチル)−セバシン酸エステルの製造
セバシン酸161.8g(0.8mol)、3−(4’−メチルシクロヘキシル)ブタノール290.2g(1.6mol)、p−トルエンスルホン酸1水和物7.6g(0.040mol)及びトルエン50gを、攪拌機、内部温度計及び水分離器を備えた1L三首フラスコ中に仕込み、そして還流下に加熱する。60分のうちに30.2gの水が循環系から除去される。反応混合物の温度は、反応の最後までに186℃に上昇する。反応混合物を室温に冷却し、そして苛性ソーダ水溶液(1重量%濃度)162.2gと混合する。相を分離した後、有機相を全部で911.9gの水で二度洗浄する。二度の相分離の後に有機相(435.9g)を240℃の頂部温度および100Paの圧力下に低沸点成分を除く。薄層蒸発器において240℃のジャケット温度および100Paの圧力下に蒸留した後に、95.6%の純度のエステル(321.8g)が単離される。これは、理論値の7 9%の収率に相当する。
表1:エステル化合物の性質
Figure 2005089465
流動点の測定: ASTM D97に従う。
再生原料のリモネンをベースとして、容易に実施できる二段階法を経てリモナンアルコールから、高分子量にも係わらず優れた粘度および冷間特性に特徴のあるジカルボン酸エステルが得られる。

Claims (6)

  1. 一般式
    Figure 2005089465
    [式中、Aは、−(CH2 x −であり、そしてxは1〜10である]
    で表されるカルボン酸エステル。
  2. xが1、2、3、4、7、8または10を意味する、請求項1に記載のカルボン酸エステル。
  3. 請求項1のカルボン酸エステルを製造する方法において、3−(4’−メチルシクロヘキシル)ブタノールと一般式
    Figure 2005089465
    [式中、Aは請求項1に記載した意味を有する。]
    で表されるジカルボン酸または一般式
    Figure 2005089465
    [式中、Aは請求項1に記載した意味を有する。]
    で表されるその酸無水物とを、反応の過程で生じる水を除去するための共沸剤の存在下に共沸混合物としてかつ場合によっては触媒の存在下に反応させ、過剰のおよび未反応の原料を分離し、酸性成分を除くためにアルカリ性試薬で処理し、場合によっては次いで水蒸気蒸留しそして最後に乾燥するかまたは分別蒸留することを特徴とする、上記製造方法。
  4. 請求項1のカルボン酸エステルの、潤滑剤としてのまたは熱可塑性合成樹脂の可塑剤としての用途。
  5. 請求項1の化合物をベースとする潤滑剤。
  6. 請求項1の化合物をベースとする可塑剤。
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