JP2004315527A - 2−ヒドロキシメチルノルボルナンに基づくカルボン酸エステル - Google Patents

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Abstract


【課題】潤滑剤もしくは可塑剤として特に良好な結果を持って使用することができるカルボン酸エステルを提供する。
【解決手段】以下の一般式[式中、Aは−(CH2 x −であり、xは1〜10である]で表されるカルボン酸エステル。
Figure 2004315527

2−ヒドロキシメチルノルボルナンを、特定のジカルボン酸または特定の酸無水物と、反応中に生ずる水を共沸混合物として除去するための添加溶剤の存在下及び場合によっては触媒の存在下に反応させ、過剰及び未反応の原料を除去し、酸性成分を除去するためにアルカリ性試薬で処理し、場合によっては次いで水蒸気蒸留を行い、そして最後に乾燥及び/または分別蒸留することによって製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、2−ヒドロキシメチルノルボルナンに基づく新規のカルボン酸エステル、それの製造方法及び使用方法に関する。
カルボン酸エステルには、産業上、幅の広い様々な用途、例えば可塑剤、潤滑剤及びフレグランスなどの用途がある。モノカルボン酸とモノアルコールからなる単一のカルボン酸エステルから始まってモノ−及びポリ官能性アルコールとのモノ−及びジカルボン酸の混合物からなる複雑なエステル油に至る多種の様々なエステルが産業的に使用されている。適当な原料を選択することによって、沸点もしくは粘度などの物理的物性を目的通りに調節することや、耐加水分解安定性または耐酸化分解安定性などの化学的特性に顧慮することができる。特定の応用技術上の問題の解決に合わせてカルボン酸エステルを目的通りに適応させることもできる。
カルボン酸エステルの使用法に関する包括的な概要は、例えば、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、1988、VCH; 第A11巻、第191〜193頁、第A15巻、第438〜440頁、第A20巻、第439〜458頁、Common Fragrance and Flavor Materials、Wiley−VCH2001に記載されている。
潤滑剤としてのカルボン酸エステルの使用は、産業的な重要性が大きい。“潤滑剤”という用語は、厳密な意味では、滑り要素または回転要素の潤滑に使用される材料のみを包含する。産業上多くの用途に使用されている潤滑剤は、主に、鉱油か、または完全合成もしくは部分合成材料から構成される。鉱油に基づく潤滑剤は、極めて多方面に使用することができる。これらは、高温及び低温下での潤滑及び動力伝達に利用されるばかりでなく、熱伝導及び絶縁にも利用される。鉱油製品が不完全にしか満たせない要求には、潤滑油様の特性を持つ合成液が、技術的により良好な解決策を与え得る。合成に基づく油は、ほぼ均一な物質から制御された条件下で製造されそして種々の部類の化学物質に属することができる。
エステル油は、特に重要な部類の化合物であり、これらは、例えば航空機においてタービンモーター油及び精密機械油として、またはグリースもしくは武器用油として大規模に使用されている。これらのエステル油は、酸もしくは酸無水物、特にモノ−もしくはジカルボン酸と、アルコール、特にモノ−、ジ−、トリ−もしくはテトラアルコールとを反応させることによって製造される。
酸の工業的に重要な原料は、例えば、炭素原子数が5〜10の脂肪族モノカルボン酸である。ジカルボン酸としては、例えばアジピン酸、アゼライン酸またはセバシン酸が工業的な量で入手することができる。アルコールとしては、2−エチルヘキサノールなどの脂肪族アルコールの他に、就中、多価アルコール、例えばエチレングリコール及びそれのオリゴマー類のジ−、トリ−もしくはテトラエチレングリコール、プロピレングリコール及びそれのオリゴマー類、プロパンジオール−1,3、ブタンジオール−1,4、ヘキサンジオール−1,6、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン及びペンタエリトリトールなどが使用される。
現代の潤滑剤の開発及びそれらの正しい使用は、経済的な影響範囲が非常に大きい。個々の使用目的に最適に適合された潤滑剤は、エネルギーの節約、摩耗の減少、短縮されたメンテナンス時間及びより長いオーバーホール間隔によって、かなりの節約をもたらす。それゆえ、日常的及び工業的に既に多数の製品が導入されてはいるものの、向上された特性を有する新規の潤滑剤に対する要望がなおある。
同様に、可塑剤としてのカルボン酸エステルの使用も、経済的に非常に重要である。可塑剤は、プラスチック、被覆材、シーリング材及びゴム製品に広範囲にかつ多様に使用されている。これらは、化学的な反応を起こすことなく、好ましくはそれらの溶解力及び膨潤力によって高分子量熱可塑性物質と物理的な相互作用を起こす。それによって、熱可塑性領域が、元のポリマーと比較してより低温側にシフトされた均一な系が生ずる。すなわち、その結果、それらの機械的特性が最適化され、例えば変形性、弾性、強度が高まりそして硬度が低減する。可塑剤に出来るだけ広い応用範囲を開くためには、一連の基準を満たさなければならない。理想的には、これらは、無臭でかつ無色であり、そして光、低温及び高温に対し安定しているのがよい。更に、これらが、耐水性、難燃性及び低揮発性でありかつ健康害でないことも期待される。また更に、可塑剤の製造は、簡単で、かつ環境保護の点での要求を満たすために、廃棄物、例えばリサイクルできない副生成物や有害物質を含む廃水の発生を避けて行われなければならない。
最も重要な可塑剤には、ジ−もしくはポリカルボン酸と可塑剤アルコール、すなわち約6〜20個の炭素原子を有する非分枝状もしくは分枝状第一アルコールとのエステルが包含される。なお、このエステルは、単独の化合物としてまたは混合物として使用される。エステル系可塑剤としては、特に、PVCの可塑化用のアジピン酸、アゼライン酸及びセバシン酸のエステルが使用される。
G−エステルとも略される、特殊な部類のエステル系可塑剤は、アルコール成分としてジオールまたはエーテルジオール、すなわちエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びテトラエチレングリコールを含む。
潤滑剤の場合と同様に、個々の応用技術上の問題に対して適合した新しい可塑剤の開発が、経済的に非常に重要である。多数の製品が市場に導入されてはいるが、向上した特性を有しそして個々の課題に最適に適合された可塑剤に対する要望があることは非常に重要である。
それゆえ、本発明の課題は、潤滑剤もしくは可塑剤として特に良好な結果を持って使用することができるカルボン酸エステルを提供することである。また同様に、本発明は、容易にかつ十分な量を妥当なコストで入手できる原料から、このようなカルボン酸エステルを製造することを可能にする方法を提供するという課題にも基づくものである。これに関連して、そのエステル化工程が簡単な技術的手段で実現することができそして高価なもしくは特別な装置を必要としないことが特に価値があることである。
本発明は、以下の一般式
Figure 2004315527
[式中、Aは、−(CH2 x −であり、そしてxは1〜10である]
で表されるカルボン酸エステルに関する。
アルコール成分としての2−ヒドロキシメチルノルボルナンの製造は、ノルボルネンをヒドロホルミル化することによって行われる。ノルボルネンは、なかでも、シクロオレフィンコポリマーの製造に工業的に使用されている、安価にかつ多量に入手できるオレフィンである。Rh触媒の下に行われるこのノルボルネンのヒドロホルミル化は、非常に高い収率で2−ホルミルノルボルナンを与える。合成ガスとのその反応は、一般的に、慣用の有機溶剤、例えばシクロヘキサン、トルエンまたはn−ヘキサン中で、80〜150℃の温度及び10〜30MPaの圧力下に、配位子としての公知の有機リン(III)化合物、例えばトリフェニルホスフィンの存在下に、均一相で行われる。2−ホルミルノルボルナンは、蒸留して仕上げ処理することによって、粗製ヒドロホルミル化生成物から得られる。次いで、2−ホルミルノルボルナンを、慣用の水素化触媒の存在下に、高められた圧力及び高められた温度下に水素と反応させて2−ヒドロキシメチルノルボルナンに転化する。工業的に通例の水素化触媒、例えばキャリア含有もしくはキャリア不含の金属触媒を使用することができる。この際、前記金属触媒は、触媒活性金属として例えばニッケル、パラジウムまたは銅を含む。更に、場合によっては、促進剤、例えばジルコニウムもしくはマンガンを加えることもできる。慣用のキャリア材料は、二酸化ケイ素または酸化アルミニウムである。
上記の水素化は、70〜150℃の範囲の通常の温度条件及び2〜30MPaの範囲の通例の圧力条件下に行われる。水素化は高収率で進行する。それによって、技術的に簡単な方法で、安価に、2−ヒドロキシメチルノルボルナンを新規カルボン酸エステルの製造に利用することができる。
ジカルボン酸としては、なかでも、脂肪族の典型物、すなわちマロン酸(x=1)、コハク酸(x=2)、グルタル酸(x=3)、アジピン酸(x=4)、アゼライン酸(x=7)、セバシン酸(x=8)及び1,12−ドデカン二酸(x=10)が使用される。これらの脂肪族ジカルボン酸の単純な典型物は、工業的な規模で入手することができるか、または公知の方法に従い製造することができる。
カルボン酸によるアルコールの直接的なエステル化は、有機化学の基本的な操作に属する。反応速度を高めるために、この反応は通常は触媒の存在下に行う。反応体の一つを過剰に使用すること及び/または反応中に生ずる水を除去することは、質量作用の法則に対応する平衡を、反応生成物、すなわちエステル側にシフトさせることを保証する。すなわち、高い収率が達成される。
エステル形成の際に生ずる反応水の除去のためには、様々な方法が知られている。好ましくは、水と不混和性の溶剤の存在下での共沸蒸留、不活性ガスの導入下での反応混合物の加熱、減圧下または乾燥剤の存在下での原料のアルコールとカルボン酸との反応が使用される。
特に、共沸蒸留による水の除去が、エステル系可塑剤の製造の際の平衡状態の調節に有効であることが判明した。通常は、共沸混合物形成剤としては、妥当な価格で工業的な規模で入手できる有機溶剤が使用される。しかし、水と共沸混合物を形成する適当な沸点を有するものであれば、どのような他の有機物質でも適している。使用される添加溶剤の例は、ヘキサン、1−ヘキセン、シクロヘキサン、トルエン、ベンゼンである。
水を完全に除去するのに必要な添加溶剤の量は、エステル化反応の化学量論に応じて計算される水の生成量及び二元共沸混合物の組成から簡単に求めることができる。添加溶剤を過剰に、有利には、理論計算量よりも50〜200重量%多い割合で使用することが有効であることが判明した。留去された添加溶剤/水混合物を貯留及び分離することによって、反応の進行を簡単に追跡することができる。共沸混合物から分離された添加溶剤は、直接、すなわち精製段階を介在させることなく、反応に戻すことができる。
2−ヒドロキシメチルノルボルナンとカルボン酸との反応は、触媒を使用せずに行うことができる。この態様の反応は、エステルの不所望な汚染をまねく恐れのある異物を反応混合物に加えずに済むという利点がある。ただし、この態様では、一般的により高い反応温度を維持しなければならない。なぜならば、そうしないと、十分な速度、すなわち経済的に許容可能な速度を持って反応が進行することを保証できないからである。これに関連して、反応温度の上昇は、エステルの熱分解を招く恐れがあることに留意すべきである。それゆえ、反応を容易にしそして反応速度を高める触媒の使用を常に避けられるわけではない。しばしば、触媒は、同時に2−ヒドロキシメチルノルボルナンの反応成分でもある酸の過剰量であることができる。他のものとしては、反応速度に影響を与える慣用のエステル化触媒、例えば鉱酸、例えば硫酸、リン酸、ポリリン酸またはそれらの酸性塩、トリアルキル−もしくはトリアリールホスフェート、蟻酸、メタンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸が好適である。
触媒の使用量は、幅広い範囲に及び得る。触媒は、反応混合物を基準にして0.01重量%の量でもまたは5重量%の量でも使用することができる。しかし、触媒を多量に使用しても利点は殆どないため、触媒濃度は、各々反応混合物を基準にして、通常は0.01〜1.0重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%である。場合によっては個々の場合について予備実験を行うことによって、触媒なしで比較的高温でもしくは触媒を用いて比較的低温で作業するかを決定するのが有利である。
エステル化は、2−ヒドロキシメチルノルボルナン及び酸を化学量論量で用いて行うことができる。しかし、好ましくは、最終的にできるだけ完全な転化を達成するために、2−ヒドロキシメチルノルボルナンが過剰に使用される。
2−ヒドロキシメチルノルボルナンと酸との反応は、使用する材料に依存して、約80〜140℃の範囲で起こる。反応は、約200℃までの温度で完了させることができる。これらの温度値は、有利には遵守される規準値である。例えば、特殊な場合において十分に速い反応速度が達成されるかまたは部分的な転化のみが望まれるような場合には、より低い温度でも十分であり得る。また、とりわけ色に悪影響を及ぼす分解生成物の発生を考慮しないならば、より高い温度を使用することも可能である。低められた圧力または高められた圧力の使用も排除されないが、これは特殊な場合に限られる。
反応の後に生ずる反応混合物は、所望の反応生成物としてのエステルの他に、場合によっては未反応の原料、特に、アルコール過剰で作業した場合は過剰の2−ヒドロキシメチルノルボルナンを含む。仕上げのためには、反応器からの排出物から慣用の方法に従い触媒を除去する。触媒が固形物、例えば硫酸水素塩の形で存在する場合は、常温または150℃までの温度下に生成物を慣用の濾過器で濾過する。濾過は、通例の濾過助剤、例えばセルロース、シリカゲル、珪藻土、木粉によって補助することができる。次いで、過剰及び未反応の原料を留去する。酸性成分の最後の残部を除去するためには、アルカリ性試薬、例えば炭酸ナトリウム水溶液または水酸化ナトリウム水溶液での処理を設けることもできる。相を分離した後は、得られた粗製生成物を分別蒸留する。触媒が反応混合物中に溶解して存在する場合(例えば、硫酸やパラトルエンスルホン酸の場合)は、場合によっては前もって濾過した後に、なお存在する原料を先ず留去し、そうした上でアルカリ性試薬で処理し、そして減圧下に粗製エステルを分画する。
仕上げ工程の更に別の態様では、アルカリ処理及び相分離の後に、例えば、不活性ガスを生成物に導通するか、減圧するかまたは固形の乾燥剤、例えば硫酸ナトリウムもしくは硫酸マグネシウムを加えることによって、生じたエステルを乾燥する。この際、乾燥剤は、乾燥後に濾別される。場合によっては、最後の乾燥段階の前に生成物を水蒸気蒸留に付す。
予定された使用目的において必要とされる場合は、エステルを単離した後に、更に精製段階、例えば減圧下での分別蒸留段階を設けてもよい。
上記エステル化反応は、化学工業に典型的な反応装置中でバッチ式にもしくは連続式に行うことができる。加熱装置及び共沸混合物形成剤を供給するための装置を備えた攪拌釜が首尾よく使用し得ることが判明した。
本発明のエステルは、全ての通例の高分子量熱可塑性プラスチックのための可塑剤として極めて適している。また同様に、潤滑剤としても優れて使用することができる。
以下の例は、本発明を例示するものであるが、本発明はこれらの例に限定されない。
例1
ジ−(ノルボルン−2−イル−メチル)−マロン酸エステルの製造
マロン酸82.2g(0.79mol)、2−ヒドロキシメチルノルボルナン218.3g(1.73mol)、p−トルエンスルホン酸4.2g(0.022mol)及びトルエン50gを、攪拌機、内部温度計及び水分離器を備えた1L三首フラスコ中に仕込み、そして還流下に加熱する。2時間のうちに、27.4gの水が循環系から除去される。得られた反応混合物を、室温まで冷却し、そして苛性ソーダ水溶液(1%濃度)107.9gと混合する。相を分離した後、311.9gの有機相が残り、これを次いで水239.3gで洗浄する。再び相を分離した後、有機相(306.4g)を分別蒸留する。174℃の塔頂温度及び100Paの圧力下に、96.3%の純度のエステル(233.3g)が単離される。これは、理論値の88.8%の収率に相当する。
例2
ジ−(ノルボルン−2−イル−メチル)−コハク酸エステルの製造
例1に従い、コハク酸93.3g(0.79mol)、2−ヒドロキシメチルノルボルナン218.3g(1.73mol)、p−トルエンスルホン酸4.2g(0.022mol)及びトルエン50gを反応させる。2時間のうちに、29.1gの水が循環系から除去される。得られた反応混合物を室温に冷却し、そして苛性ソーダ水溶液(1%濃度)161.7gと混合する。相を分離した後、321.0gの有機相が残り、次いでこれを水243.3gで洗浄する。再び相を分離した後、有機相(291.7g)を分別蒸留する。187℃の塔頂温度及び100Paの圧力下に、98.1%の純度を有するエステル(237.5g)が単離される。これは、理論値の88.2%の収率に相当する。
例3
ジ−(ノルボルン−2−イル−メチル)グルタル酸エステルの製造
例1に従い、グルタル酸104.3g(0.79mol)、2−ヒドロキシメチルノルボルナン218.3g(1.73mol)、p−トルエンスルホン酸4.2g(0.022mol)及びトルエン50gを反応させる。2時間のうちに、水27.6gが循環系から除去される。得られた反応混合物を室温に冷却し、そして苛性ソーダ水溶液(1%濃度)96.7gと混合する。相を分離した後、358.0gの有機相が残り、次いでこれを水241.0gで洗浄する。再び相を分離した後、有機相(338.0g)を分別蒸留する。184〜186℃の塔頂温度及び100Paの圧力下に、98.7%の純度を有するエステル(241.6g)が単離される。これは、理論値の86.6%の収率に相当する。
例4
ジ−(ノルボルン−2−イル−メチル)アジピン酸エステルの製造
例1に従い、アジピン酸115.4g(0.79mol)、2−ヒドロキシメチルノルボルナン218.3g(1.73mol)、p−トルエンスルホン酸4.2g(0.022mol)及びトルエン50gを反応させる。2時間のうちに、水28.2gが循環系から除去される。得られた反応混合物を室温まで冷却し、そして苛性ソーダ水溶液(1%濃度)88.3gと混合する。相を分離した後、353.8gの有機相が残り、次いでこれを水241.7gで洗浄する。再び相を分離した後、有機相(366.8g)を分別蒸留する。184〜186℃の塔頂温度及び100Paの圧力下に、98.9%の純度のエステル(247.6g)が単離される。これは理論値の85.5%に相当する。
例5
ジ−(ノルボルン−2−イル−メチル)−セバシン酸エステルの製造
例1に従い、セバシン酸159.8g(0.79mol)、2−ヒドロキシメチルノルボルナン218.3g(1.73mol)、p−トルエンスルホン酸4.2g(0.022mol)及びトルエン50gを反応させる。2時間のうちに、水29.1gが循環系から除去される。得られた反応混合物を室温まで冷却し、そして苛性ソーダ水溶液(10%濃度)13.5gと混合する。相を分離した後、404.7gの有機相が残り、次いでこれを合計で682.0gの水で三回洗浄する。再び相を分離した後、有機相(381.8g)を分別蒸留する。220〜222℃の塔頂温度及び100Paの圧力下に、98.9%の純度のエステル(281.2g)が単離される。これは、理論値の84.1%の収率に相当する。

Claims (4)

  1. 以下の一般式
    Figure 2004315527
    [式中、Aは−(CH2 x −であり、xは1〜10である]
    で表されるカルボン酸エステル。
  2. xが1、2、3、4、7、8または10であることを特徴とする、請求項1のカルボン酸エステル。
  3. 2−ヒドロキシメチルノルボルナンを、以下の一般式
    Figure 2004315527
    で表されるジカルボン酸、または以下の一般式
    Figure 2004315527
    で表される酸無水物(なお、上記両式中、Aは請求項1に記載の意味を有する]と、反応中に生ずる水を共沸混合物として除去するための添加溶剤の存在下及び場合によっては触媒の存在下に反応させ、過剰及び未反応の原料を除去し、酸性成分を除去するためにアルカリ性試薬で処理し、場合によっては次いで水蒸気蒸留を行い、そして最後に乾燥及び/または分別蒸留することによって、請求項1のカルボン酸エステルを製造する方法。
  4. 潤滑剤としてまたは熱可塑性プラスチックの可塑剤として請求項1のカルボン酸エステルを使用する方法。
JP2004117440A 2003-04-15 2004-04-13 2−ヒドロキシメチルノルボルナンに基づくカルボン酸エステル Withdrawn JP2004315527A (ja)

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