JP2005089399A - トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−2−カルボン酸エステルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 エキソ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−エンド−2−カルボン酸エステル/エンド−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−エキソ−2−カルボン酸エステルの構成比が1.0以上のトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−2−カルボン酸エステルの製造方法を提供すること。
【解決手段】 HFの存在下、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3−エンを一酸化炭素と反応させてアシルフロライドを得、次いでアルコールと反応させてエキソ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−エンド−2−カルボン酸エステル/エンド−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−エキソ−2−カルボン酸エステルの構成比が1.0以上のトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−2−カルボン酸エステルを製造する方法において、前記アシルフロライドを製造するに際し、原料のトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3−エンを、その100質量部に対し、脂肪族炭化水素類60〜230質量部で希釈して使用する。
【選択図】 なし
【解決手段】 HFの存在下、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3−エンを一酸化炭素と反応させてアシルフロライドを得、次いでアルコールと反応させてエキソ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−エンド−2−カルボン酸エステル/エンド−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−エキソ−2−カルボン酸エステルの構成比が1.0以上のトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−2−カルボン酸エステルを製造する方法において、前記アシルフロライドを製造するに際し、原料のトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3−エンを、その100質量部に対し、脂肪族炭化水素類60〜230質量部で希釈して使用する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、エキソ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−エンド−2−カルボン酸エステル/エンド−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−エキソ−2−カルボン酸エステルの構成比が1.0以上であって、香気性に優れ、香料又は香料成分として有用なトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−2−カルボン酸エステルを効率よく、工業的に有利に製造する方法に関する。
モノオレフィン類よりカルボン酸エステルを製造する方法としては、コッホ反応により強酸中でオレフィン類と一酸化炭素及び水を反応させ、これにより得られるカルボン酸を酸触媒中でエステル化する方法が知られている。
トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−2−カルボン酸のエステル(以下、TCDCEと称することがある。)を製造する場合には、一般にジシクロペンタジエン(以下、DCPDと称することがある。)を水素化して得られるトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3−エン(ジヒドロジシクロペンタジエン、以下、DHDCPDと称すことがある。)を硫酸等の強酸中で一酸化炭素及び水と反応させてトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−2−カルボン酸(以下、TCDCと称することがある。)とし、これをエステル化する方法が採られる。
トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−2−カルボン酸のエステル(以下、TCDCEと称することがある。)を製造する場合には、一般にジシクロペンタジエン(以下、DCPDと称することがある。)を水素化して得られるトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3−エン(ジヒドロジシクロペンタジエン、以下、DHDCPDと称すことがある。)を硫酸等の強酸中で一酸化炭素及び水と反応させてトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−2−カルボン酸(以下、TCDCと称することがある。)とし、これをエステル化する方法が採られる。
しかしながら、シクロオレフィン類は、カルボニル化反応において重合し易く、TCDCを高い収率で得ることができない。このため、TCDCを高収率で得る方法として、DCPDとギ酸を反応させた後水添して得られるトリシクロ[5.2.1.02,6]デク−8−イルホルメートと無機強酸性触媒を接触させながら反応させる方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。ところがこのカルボン酸合成方法では、硫酸、HF等の強酸を大量に消費するために経済的とは言えない。
次にTCDCを香料として利用するためにはエステル化を行う必要がある。一般に、三級カルボン酸のエステル化は困難であり、特にTCDCの場合には立体障害の影響が大きい。このため、TCDCから酸ハライドを導いた後に、アルコールとエステル化する方法が開示されているが(例えば、特許文献2参照)、この方法は高価なハロゲン化剤を大量に使用するので経済的な方法とは言えない。また、TCDCにエステル化剤として硫酸ジアルキルを作用させてエステル化を行っているが(例えば、特許文献2、特許文献3参照)、これら硫酸ジアルキルは高価である上、反応により生成する水により分解を起こすという問題がある。
これらの問題点を解決する方法として、例えば下記のスキーム1に示したルートにより、HF中でDHDCPDと一酸化炭素及びアルコールを反応させ、カルボニル化反応とエステル化反応を同時に起こすことにより高収率にTCDCEを得る方法が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
また、このTCDCEには、下記のスキーム2に示したようにエキソ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−エンド−2−カルボン酸エステル/エンド−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−エキソ−2−カルボン酸エステルの構造異性体が存在し、それぞれ若干異なった香りを有する(以下、エステル基に着目し、エキソ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−エンド−2−カルボン酸エステルをEndo体、エンド−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−エキソ−2−カルボン酸エステルをExo体と称することがある。)。
前記特許文献2には、TCDCEのEndo体はレモン様の、果実様の、木様の(Citrus−Fruity−Woody)香りを持ち、Exo体は、新鮮な木様の、土様の(Fresh−Wood−Earthy)香りを有すること、ならびにエチルエステル体が最も香りが強く好ましいと記載されている。
TCDCEを香料として用いる場合には、Endo体/Exo体の比が1.0以上であることが特に望まれているが、上記文献中には、この異性体比の制御方法に関しては精密蒸留で分けることができるとされているのみで、反応条件による制御方法に関しては何の知見も開示されていない。精密蒸留でこれらエステルの混合物を分ける方法では、不要留分の有効利用が図られない限り経済的な方法とは言えない。
TCDCEを香料として用いる場合には、Endo体/Exo体の比が1.0以上であることが特に望まれているが、上記文献中には、この異性体比の制御方法に関しては精密蒸留で分けることができるとされているのみで、反応条件による制御方法に関しては何の知見も開示されていない。精密蒸留でこれらエステルの混合物を分ける方法では、不要留分の有効利用が図られない限り経済的な方法とは言えない。
また、反応条件による制御ではなく、原料のDHDCPDの異性体比をエキソ−DHDCPD/エンド−DHDCPD比として8/92以上とすることにより、エキソ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−エンド−2−カルボン酸エステル(Endo体)含有量を高めうることが開示されている(例えば、特許文献5参照)。しかしながら、このようなDHDCPDを得るためには、エキソ体含有量の高いDCPDを入手する必要があるが、一般に入手可能なDCPD中のエキソ体/エンド体比はせいぜい0.5/99.5であり、エキソ体含有量の高いDCPDの入手は困難である。
さらに、前記特許文献4に記載の方法は、カルボン酸を分離することなく、in situにエステルを得ることができ、しかもHF触媒の回収も容易なことから工業的に実施する上で有望な方法であるが、Endo体/Exo体比1.0以上の異性体比を得ようとすると、−10℃以下の低温の反応温度、かつHF/DHDCPDのモル比で15倍以上の条件が必要なことが、本発明者らの研究で分かった。しかし、その条件では反応収率が低く、また触媒のHFを大量に使用するため生産性が著しく低くなり、工業的に実施するのは困難な方法であることが判明した。
本発明は、このような状況下で、Endo体/Exo体比が1.0以上であって、香気性に優れ、香料又は香料成分として有用なトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−2−カルボン酸エステルを効率よく、工業的に有利に製造する方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、HF触媒を用いてDHDCPと一酸化炭素及びアルコールからEndo体/Exo体比1.0以上のTCDCEを製造する方法について検討を行った結果、上記特許文献4記載の方法のように、カルボニル化とエステル化を同時に起こす方法でEndo体/Exo体比1.0以上のTCDCEを製造しようとした場合に収率が低下する原因は、系内で生成したエステルや未反応アルコールのためにHFの酸強度が低下することにあることが分かった。
そこで、カルボニル化とエステル化の工程を分離することにより、HFの酸強度を維持し、その方法で収率を向上する方法について鋭意検討を行った結果、カルボニル化反応の際に、原料のDHDCPDを、特定の量の脂肪族炭化水素類で希釈して使用することにより、Endo体/Exo体比1.0以上のTCDCEが高収率に得られることが分かった。
そこで、カルボニル化とエステル化の工程を分離することにより、HFの酸強度を維持し、その方法で収率を向上する方法について鋭意検討を行った結果、カルボニル化反応の際に、原料のDHDCPDを、特定の量の脂肪族炭化水素類で希釈して使用することにより、Endo体/Exo体比1.0以上のTCDCEが高収率に得られることが分かった。
さらに、希釈に用いる溶媒種について検討を行った結果、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンを用いた場合に、他の溶媒を用いる場合に比べて収率が特に向上することが判明した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)HFの存在下、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3−エンを一酸化炭素と反応させてアシルフロライドを得、次いでアルコールと反応させてエキソ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−エンド−2−カルボン酸エステル/エンド−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−エキソ−2−カルボン酸エステルの構成比が1.0以上のトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−2−カルボン酸エステルを製造する方法において、前記アシルフロライドを製造するに際し、原料のトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3−エンを、その100質量部に対し、脂肪族炭化水素類60〜230質量部で希釈して使用することを特徴とするトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−2−カルボン酸エステルの製造方法、及び
(2)希釈に使用する脂肪族炭化水素類が、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンである上記(1)のトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−2−カルボン酸エステルの製造方法、
を提供するものである。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)HFの存在下、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3−エンを一酸化炭素と反応させてアシルフロライドを得、次いでアルコールと反応させてエキソ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−エンド−2−カルボン酸エステル/エンド−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−エキソ−2−カルボン酸エステルの構成比が1.0以上のトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−2−カルボン酸エステルを製造する方法において、前記アシルフロライドを製造するに際し、原料のトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3−エンを、その100質量部に対し、脂肪族炭化水素類60〜230質量部で希釈して使用することを特徴とするトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−2−カルボン酸エステルの製造方法、及び
(2)希釈に使用する脂肪族炭化水素類が、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンである上記(1)のトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−2−カルボン酸エステルの製造方法、
を提供するものである。
本発明の方法によれば、Endo体/Exo体比が1.0以上であって、香気性に優れ、香料又は香料成分として有用なトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−2−カルボン酸エステルを効率よく、工業的に有利に製造することができる。
本発明の方法において、原料として用いられるトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3−エン(DHDCPD)は、その由来については特に制限はなく、いかなる方法により得られたものであってもよいが、通常DCPDを常法に従って水素化することにより、調製される。
本発明の方法においては、前記のDHDCPDを原料として用い、カルボニル化反応によりアシルフロライドを得、次いでこのアシルフロライドをエステル化して、TCDCEを製造する。すなわち、DHDCPDのカルボニル化とアシルフロライドのエステル化は、それぞれ別工程で実施される。
本発明の方法においては、前記のDHDCPDを原料として用い、カルボニル化反応によりアシルフロライドを得、次いでこのアシルフロライドをエステル化して、TCDCEを製造する。すなわち、DHDCPDのカルボニル化とアシルフロライドのエステル化は、それぞれ別工程で実施される。
DHDCPDのカルボニル反応は、HF触媒の存在下で一酸化炭素の加圧下に実施される。この際、一酸化炭素中には窒素やメタン等の不活性ガスが含まれていてもよい。一酸化炭素分圧については特に限定されないが、通常0.5〜5MPa程度である。一酸化炭素分圧が上記範囲にあると、カルボニル化反応が十分に進行し、不均化や重合などの副反応が抑制され、しかもあまり大きな設備費を必要としない。好ましい一酸化炭素分圧は1〜3MPaの範囲である。
この際、HF触媒としては、実質的に無水のものが好ましく用いられる。HFの使用量は、カルボニル化反応が十分に進行し、かつ不均化や重合などの副反応を抑制しうると共に、HFの分離費用や装置容積効率などの点から、原料DHDCPDに対して、通常4〜25倍モル程度、好ましくは5〜15倍モルの範囲で選定される。
本発明においては、カルボニル化反応は、0〜90℃の範囲の温度で行うのが有利である。この範囲の温度でカルボニル化反応を実施することにより、重合生成物の副生及びTCDCE異性体の副生による収率の低下を抑制することができる。好ましい反応温度は20〜70℃の範囲で選定される。
この際、HF触媒としては、実質的に無水のものが好ましく用いられる。HFの使用量は、カルボニル化反応が十分に進行し、かつ不均化や重合などの副反応を抑制しうると共に、HFの分離費用や装置容積効率などの点から、原料DHDCPDに対して、通常4〜25倍モル程度、好ましくは5〜15倍モルの範囲で選定される。
本発明においては、カルボニル化反応は、0〜90℃の範囲の温度で行うのが有利である。この範囲の温度でカルボニル化反応を実施することにより、重合生成物の副生及びTCDCE異性体の副生による収率の低下を抑制することができる。好ましい反応温度は20〜70℃の範囲で選定される。
本発明においては、カルボニル化に供給する原料DHDCPDは、DHDCPD及びHFに対して不活性な溶媒にて希釈して使用する。希釈溶媒にはHF中でのDHDCPD重合に対する抑制効果があるが、希釈溶媒に脂肪族炭化水素類、好ましくは炭素数5〜10の脂肪族炭化水素類、特にトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンを用いてカルボニル化反応を行うことにより、高収率でアシルフロライドが得られることが判明した。
このトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンは、DCPDの2つの二重結合を全て水添することにより得られるものであるが、HF中でのDHDCPDのカルボニル化反応時にも少なからず生成する化合物であり、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンを希釈溶媒として用いた場合に特にアシルフロライドの収率が上がる理由は、上記HF中での原料DHDCPDの重合抑制効果の他に、カルボニル化反応時のトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン副生を抑制するためであると考えることができる。
希釈溶媒として使用するトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンは、DCPDを全水添して取得して使用してもよいし、反応で副生するものを回収して使用してもよい。
このトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンは、DCPDの2つの二重結合を全て水添することにより得られるものであるが、HF中でのDHDCPDのカルボニル化反応時にも少なからず生成する化合物であり、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンを希釈溶媒として用いた場合に特にアシルフロライドの収率が上がる理由は、上記HF中での原料DHDCPDの重合抑制効果の他に、カルボニル化反応時のトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン副生を抑制するためであると考えることができる。
希釈溶媒として使用するトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンは、DCPDを全水添して取得して使用してもよいし、反応で副生するものを回収して使用してもよい。
本発明において、原料DHDCPDの稀釈に用いられる脂肪族炭化水素類の量は、収率改善効果、溶媒の分離回収費用、装置の容積効率などを考慮すると、DHDCPD100質量部に対し、60〜230質量部、好ましくは70〜150質量部の範囲で選定される。
このカルボニル化の反応の形式には特に制限はなく、半連続式、連続式等のいずれの方法でもよい。
また、カルボニル化反応で生成したアシルフロライドの異性体比が所望の異性体比より低い場合には、カルボニル化工程の後に別途異性化工程を設け、HF中でアシルフロライドの異性化を行って異性体比の調整を行うことができる。この異性化は、例えばカルボニル化反応液を、一酸化炭素加圧下で加熱することにより行うことができる。この際、一酸化炭素分圧としては、通常0.5〜5MPa程度、好ましくは1〜3MPaであり、反応温度は、通常40〜90℃程度、好ましくは40〜70℃の範囲で選定される。
このカルボニル化の反応の形式には特に制限はなく、半連続式、連続式等のいずれの方法でもよい。
また、カルボニル化反応で生成したアシルフロライドの異性体比が所望の異性体比より低い場合には、カルボニル化工程の後に別途異性化工程を設け、HF中でアシルフロライドの異性化を行って異性体比の調整を行うことができる。この異性化は、例えばカルボニル化反応液を、一酸化炭素加圧下で加熱することにより行うことができる。この際、一酸化炭素分圧としては、通常0.5〜5MPa程度、好ましくは1〜3MPaであり、反応温度は、通常40〜90℃程度、好ましくは40〜70℃の範囲で選定される。
このようにしてカルボニル化反応で生成したアシルフロライドは、引き続きアルコールと反応させて、TCDCEに誘導される。この際アシルフロライドを一旦分離したのち、再度HF触媒下にアルコールとエステル化してもよいが、通常は、HF触媒が入ったままのアシルフロライド合成液をそのままアルコールと反応させTCDCEを製造する方法が採られる。この際、アシルフロライド合成液に所定量のアルコールを添加することが好ましく、アルコール中にアシルフロライド合成液を添加する方法では過剰のアルコール中にHFが共存することとなるので水を生成する危険性が高い。本系内で水が生成すると腐食性が著しく増大しプロセス上の障害を招く。
本発明において使用されるアルコールとしては、炭素数1、2又は3の低級アルコール、すなわちメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールが好ましく用いられる。
このエステル化反応は、生成したエステルの分解抑制や、添加したアルコールの脱水反応による水の副生の抑制などの面から、通常20℃以下、好ましくは−20〜10℃の範囲の温度で実施される。
このようにして得られたエステル化生成物からHFを留去したのち、蒸留などの常法に従い精製することにより、Endo体/Exo体比が1.0以上のTCDCEを得ることができる。
本発明において使用されるアルコールとしては、炭素数1、2又は3の低級アルコール、すなわちメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールが好ましく用いられる。
このエステル化反応は、生成したエステルの分解抑制や、添加したアルコールの脱水反応による水の副生の抑制などの面から、通常20℃以下、好ましくは−20〜10℃の範囲の温度で実施される。
このようにして得られたエステル化生成物からHFを留去したのち、蒸留などの常法に従い精製することにより、Endo体/Exo体比が1.0以上のTCDCEを得ることができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
ナックドライブ式攪拌機と上部に3個の入口ノズル、底部に1個の抜き出しノズルを備え、ジャケットにより内部温度を制御できる内容積500mlのステンレス製オートクレーブを用いて実験を行った。
まずオートクレーブ内部を一酸化炭素で置換した後、フッ化水素100g(5.0モル)を導入し50℃に設定し、一酸化炭素で2MPaまで加圧した。
反応温度を50℃に保持し、かつ反応圧力を2MPaに保ちながら、DHDCPD83.8g(0.62モル)を溶解させたn−ヘプタン溶液209.5g(DHDCPD:ヘプタン質量比=100:150)をオートクレーブ上部より供給しカルボニル化によりアシルフロライドを合成した。DHDCPDの供給終了後、一酸化炭素の吸収が認められなくなるまで約10分間攪拌を継続した。
次に、反応温度を−10℃に冷却し、エタノール28.8g(0.62モル)をオートクレーブ上部より供給して、攪拌下にて1時間エステル化を行った。
反応液をオートクレーブ底部より氷水中に抜き出し油相と水相を分離した後、油相を2質量%水酸化ナトリウム水溶液100mlで2回、蒸留水100mlで2回洗浄し、無水硫酸ナトリウム10gで脱水した。得られた液を内部標準法によりガスクロマトグラフィーで分析した。その結果、TCDCE収率63.5%(DHDCPD基準)、Endo体/Exo体比=1.60の反応成績が得られた。
実施例1
ナックドライブ式攪拌機と上部に3個の入口ノズル、底部に1個の抜き出しノズルを備え、ジャケットにより内部温度を制御できる内容積500mlのステンレス製オートクレーブを用いて実験を行った。
まずオートクレーブ内部を一酸化炭素で置換した後、フッ化水素100g(5.0モル)を導入し50℃に設定し、一酸化炭素で2MPaまで加圧した。
反応温度を50℃に保持し、かつ反応圧力を2MPaに保ちながら、DHDCPD83.8g(0.62モル)を溶解させたn−ヘプタン溶液209.5g(DHDCPD:ヘプタン質量比=100:150)をオートクレーブ上部より供給しカルボニル化によりアシルフロライドを合成した。DHDCPDの供給終了後、一酸化炭素の吸収が認められなくなるまで約10分間攪拌を継続した。
次に、反応温度を−10℃に冷却し、エタノール28.8g(0.62モル)をオートクレーブ上部より供給して、攪拌下にて1時間エステル化を行った。
反応液をオートクレーブ底部より氷水中に抜き出し油相と水相を分離した後、油相を2質量%水酸化ナトリウム水溶液100mlで2回、蒸留水100mlで2回洗浄し、無水硫酸ナトリウム10gで脱水した。得られた液を内部標準法によりガスクロマトグラフィーで分析した。その結果、TCDCE収率63.5%(DHDCPD基準)、Endo体/Exo体比=1.60の反応成績が得られた。
実施例2
HF中でDHDCPDのカルボニル化反応において副生するトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンを、蒸留により回収した。この蒸留により回収されたトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンはエキソ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンとエンド−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンの約1:1の混合物であり、0℃でも固化しないものであった。
得られたトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン異性体混合物とDHDCPDとを質量比150:100で混合した液209.5g(DHDCPDとして83.8g(0.62モル))を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。得られた液を内部標準法によりガスクロマトグラフィーで分析した結果、TCDCE収率70.2%(DHDCPD標準)、Endo体/Exo体比=1.45の反応成績が得られた。
HF中でDHDCPDのカルボニル化反応において副生するトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンを、蒸留により回収した。この蒸留により回収されたトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンはエキソ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンとエンド−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンの約1:1の混合物であり、0℃でも固化しないものであった。
得られたトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン異性体混合物とDHDCPDとを質量比150:100で混合した液209.5g(DHDCPDとして83.8g(0.62モル))を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。得られた液を内部標準法によりガスクロマトグラフィーで分析した結果、TCDCE収率70.2%(DHDCPD標準)、Endo体/Exo体比=1.45の反応成績が得られた。
比較例1
DHDCPD83.8g(0.62モル)を溶媒の希釈なしに用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られた液を内部標準法によりガスクロマトグラフィーで分析した結果、TCDCE収率39.2%(DHDCPD基準)、Endo体/Exo体比=2.10の反応成績が得られた。
DHDCPD83.8g(0.62モル)を溶媒の希釈なしに用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られた液を内部標準法によりガスクロマトグラフィーで分析した結果、TCDCE収率39.2%(DHDCPD基準)、Endo体/Exo体比=2.10の反応成績が得られた。
比較例2
DHDCPD83.8g(0.62モル)を溶解させたアセトン溶液209.5g(DHDCPD:アセトン質量比=100:150)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られた液を内部標準法によりガスクロマトグラフィーで分析した結果、TCDCE収率20.5%(DHDCPD基準)、Endo体/Exo体比=1.10の反応成績が得られた。
DHDCPD83.8g(0.62モル)を溶解させたアセトン溶液209.5g(DHDCPD:アセトン質量比=100:150)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られた液を内部標準法によりガスクロマトグラフィーで分析した結果、TCDCE収率20.5%(DHDCPD基準)、Endo体/Exo体比=1.10の反応成績が得られた。
実施例3
カルボニル化の反応温度を30℃に変えた以外は実施例2と同様にカルボニル化反応を行った。得られた反応液の一部を冷却したエタノール中にサンプリングし、水を加え、油相と水相とを分離した。油相を中和・水洗した後、得られた油相をガスクロマトグラフィーで分析したところ、Endo体/Exo体比は0.53であった。
引き続き、反応圧力を2MPaに保ちながら反応液温度を45℃に昇温し、4時間この温度を維持した。4時間保持後、反応液温度を−10℃に冷却し、エタノールをオートクレーブ上部より28.8g(0.62モル)供給して、攪拌下にて1時間エステル化を行った。
エステル化反応後、実施例1と同様の後処理を行い、得られた液を内部標準法によりガスクロマトグラフィーで分析した結果、TCDCE収率74.4%(DHDCPD基準)、Endo体/Exo体比=1.29の反応成績が得られた。
以上の結果をまとめて表1に示す。
カルボニル化の反応温度を30℃に変えた以外は実施例2と同様にカルボニル化反応を行った。得られた反応液の一部を冷却したエタノール中にサンプリングし、水を加え、油相と水相とを分離した。油相を中和・水洗した後、得られた油相をガスクロマトグラフィーで分析したところ、Endo体/Exo体比は0.53であった。
引き続き、反応圧力を2MPaに保ちながら反応液温度を45℃に昇温し、4時間この温度を維持した。4時間保持後、反応液温度を−10℃に冷却し、エタノールをオートクレーブ上部より28.8g(0.62モル)供給して、攪拌下にて1時間エステル化を行った。
エステル化反応後、実施例1と同様の後処理を行い、得られた液を内部標準法によりガスクロマトグラフィーで分析した結果、TCDCE収率74.4%(DHDCPD基準)、Endo体/Exo体比=1.29の反応成績が得られた。
以上の結果をまとめて表1に示す。
表1に示すように、本発明の方法を採用することにより、Endo体/Exo体比1.0以上のTCDCEを高収率で得ることができる。特に希釈溶媒としてトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンを用いることで収率が向上する。
本発明の方法で得られたEndo体/Exo体比が1.0以上のTCDCEは、優れた香気性を有し、香料又は香料成分として好適に用いられる。
Claims (2)
- HFの存在下、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3−エンを一酸化炭素と反応させてアシルフロライドを得、次いでアルコールと反応させてエキソ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−エンド−2−カルボン酸エステル/エンド−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−エキソ−2−カルボン酸エステルの構成比が1.0以上のトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−2−カルボン酸エステルを製造する方法において、前記アシルフロライドを製造するに際し、原料のトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3−エンを、その100質量部に対し、脂肪族炭化水素類60〜230質量部で希釈して使用することを特徴とするトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−2−カルボン酸エステルの製造方法。
- 希釈に使用する脂肪族炭化水素類が、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンである請求項1記載のトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−2−カルボン酸エステルの製造方法。
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