JP2005087016A - 魚醤油およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 安価で入手容易な原料を利用して、従来の製法及び設備をそのまま使用でき、臭気を改善することができ、用途が格段に拡大できる魚醤油を提供する。
【解決手段】 主要原料を魚介類、食塩及び清酒粕として醗酵熟成させて成る魚醤油としたことを特徴としたものである。清酒粕を原料中5〜20重量%とするのが好ましく、また原料に耐塩性酵母菌および/または耐塩性乳酸菌を添加したものとしてもよい。
【選択図】 なし
【解決手段】 主要原料を魚介類、食塩及び清酒粕として醗酵熟成させて成る魚醤油としたことを特徴としたものである。清酒粕を原料中5〜20重量%とするのが好ましく、また原料に耐塩性酵母菌および/または耐塩性乳酸菌を添加したものとしてもよい。
【選択図】 なし
Description
本発明は魚介類(その残渣を含む)を原料とする魚醤油およびその製造方法に関するものである。
魚介類(イカ、イワシ、ハタハタ、イカナゴ等)又はその内臓等の残渣に食塩を加え長期間漬け込んで製造する魚醤油がある。
この魚醤油は、原料に含まれる消化酵素により分解され液状となったものを加熱処理、滓引き等の操作の後製品としている。
この魚醤油は、原料に含まれる消化酵素により分解され液状となったものを加熱処理、滓引き等の操作の後製品としている。
しかし、魚醤油は、原料由来の不快臭が製品に残存するため、旨味は豊富であるもの一般向けではないという点が指摘されている。
これまで、この不快臭を除去あるいは低減化するため、麹や乳酸菌或いは酵母を用いる方法が提案されているが、特殊な設備を必要としたり、あるいは高度な技術を要する等、一般的には利用が困難である。
特開平08−256727
特開平09−191850
特開平11−318383
これまで、この不快臭を除去あるいは低減化するため、麹や乳酸菌或いは酵母を用いる方法が提案されているが、特殊な設備を必要としたり、あるいは高度な技術を要する等、一般的には利用が困難である。
これまでの魚醤は原料に由来する不快臭のため一部の地域で伝統的に少量が生産され利用されてきたのみである。
しかし旨味が豊富に含まれることから調味料としての価値は高い。
しかし旨味が豊富に含まれることから調味料としての価値は高い。
本発明は安価で入手容易な原料を利用して、従来の製法及び設備をそのまま使用でき、臭気を改善することができ、用途が格段に拡大できる魚醤油を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は主要原料を魚介類、食塩及び清酒粕として醗酵熟成させて成る魚醤油としたことを特徴とするものである。
清酒粕を原料中5〜20重量%とするのが好ましく、また原料に耐塩性酵母菌および/または耐塩性乳酸菌を添加したものとしても良い。
清酒粕を原料中5〜20重量%とするのが好ましく、また原料に耐塩性酵母菌および/または耐塩性乳酸菌を添加したものとしても良い。
本発明に係る魚醤油は、混合した清酒粕によりアルコール類及びエステル類が多く含まれることとなり、これらの成分が原料由来の不快臭をマスキングすることとなり、結果として不快臭をあまり感じさせないものと思われる。このアルコール類及びエステル類は大豆を用いた醤油に多く含まれる成分でもある。
清酒粕に加え耐塩性酵母菌や耐塩性乳酸菌を混合することによっても臭気の改善は同様となるのであるが、アミノ酸組成や有機酸組成の異なる魚醤油を得ることが可能となる。
清酒粕に加え耐塩性酵母菌や耐塩性乳酸菌を混合することによっても臭気の改善は同様となるのであるが、アミノ酸組成や有機酸組成の異なる魚醤油を得ることが可能となる。
使用する原料の魚介類にはその残渣も含み、イカ、イワシ、ハタハタ、イカナゴ、サバ等の多獲性魚類やオキアミや近海アミ等も使用することが出来る。
清酒粕は新鮮な状態のものが好ましいことは言うまでもなく、粕漬けや焼酎原料用以外にはあまり用途がなく、安価でかつ入手することが容易である。
用いる原料全体に対して食塩は18〜20重量%とすると目的の達成により有効であり、酵素分解中の防腐および耐塩性微生物の増殖作用をなす。耐塩性酵母菌や耐塩性乳酸菌は特に限定されない。
清酒粕は新鮮な状態のものが好ましいことは言うまでもなく、粕漬けや焼酎原料用以外にはあまり用途がなく、安価でかつ入手することが容易である。
用いる原料全体に対して食塩は18〜20重量%とすると目的の達成により有効であり、酵素分解中の防腐および耐塩性微生物の増殖作用をなす。耐塩性酵母菌や耐塩性乳酸菌は特に限定されない。
以上の説明にあるように、本発明によれば清酒粕を用いることで、原料の魚介類あるいは特にその残渣由来の不快臭の少ない魚醤油を得ることが出来るという優れた効果がある。
伝統的な魚醤油の品質を改善し付加価値を高めることによりこれまで以上に広く魚醤油を使用する場が増加するものと期待できる。
伝統的な魚醤油の品質を改善し付加価値を高めることによりこれまで以上に広く魚醤油を使用する場が増加するものと期待できる。
そして、これまで生産量に比べ利用率が極めて低く、産業廃棄物として処理されていた清酒粕の新たな用途を開いたもので、容易かつ安価に入手可能であると共に、従来の製造方法で既存の設備をそのまま使用できる利点も有するものである。
原料の仕込み等はこれまでの方法と大差がなく、魚介類(イカ、イワシ、ハタハタ、イカナゴ等)又はその内臓等の残渣に食塩、清酒粕を加え、更に必要により耐塩性酵母菌および/または耐塩性乳酸菌を添加し、長期間常温で漬け込んで、原料に含まれる消化酵素により分解され液状となったものを加熱処理、滓引き等の後、製品としての魚醤油を得るのである。
イカの内臓1.8kgと清酒粕0.2kg、食塩0.4kgを混合して仕込みをなし、約1年間常温にて醗酵熟成させ、下層に溜まった液体を分離し加熱処理後沈殿物を除去し魚醤油を得た。
実施例1の仕込み時に耐塩性酵母菌を加え、約1年間常温にて醗酵熟成させ、下層に溜まった液体を分離し加熱処理後沈殿物を除去し魚醤油を得た。
実施例1の仕込み時に耐塩性乳酸菌を加え、約1年間常温にて醗酵熟成させ、下層に溜まった液体を分離し加熱処理後沈殿物を除去し魚醤油を得た。
実施例1の仕込み時に耐塩性酵母菌及び耐塩性乳酸菌を加え、約1年間常温にて醗酵熟成させ、下層に溜まった液体を分離し加熱処理後沈殿物を除去し魚醤油を得た。
比較例として、イカの内臓2.0kgと食塩0.4kgを混合し手仕込みをなし、約1年間常温にて醗酵熟成させ、下層に溜まった液体を分離し加熱処理後沈殿物を除去し魚醤油を得た。
これらの魚醤油を官能検査したところ、比較例1がイカ魚醤油特有の臭気を呈するものであったのに対し、実施例1,2,3及び4は特有の臭気が低く、大豆を用いた醤油様の香りが含まれていた。
臭気成分については実施例1,2,3及び4のサンプルで、比較例1のサンプルには少ないアルコール類及びエステル類が多く含まれていることがわかった。これらの成分が原料由来の不快臭をマスキングすることにより、結果として不快臭をあまり感じさせないものと思われる。このアルコール類及びエステル類は大豆を用いた醤油に多く含まれる成分でもある。
また、味わいについてはいずれのサンプルも十分な旨味を呈していた。
次の簡易表は各サンプルの旨味成分を判断する一つの指標であるアミノ酸含有量を示し、市販品1及び市販品2は市販されているイカ魚醤油9品の最小値及び最大値のアミノ酸含有量を示したものである。
次の簡易表は各サンプルの旨味成分を判断する一つの指標であるアミノ酸含有量を示し、市販品1及び市販品2は市販されているイカ魚醤油9品の最小値及び最大値のアミノ酸含有量を示したものである。
実施例1 71.8
実施例2 61.0
実施例3 62.9
実施例4 73.9
比較例1 81.5
市販品1 50.1
市販品2 92.3
(単位はmmol/100ml)
実施例2 61.0
実施例3 62.9
実施例4 73.9
比較例1 81.5
市販品1 50.1
市販品2 92.3
(単位はmmol/100ml)
アミノ酸含有量の多いものは市販品2及び比較例1のサンプルである。
実施例1,2,3及び4のサンプルについては比較例1等よりアミノ酸含有量が少ないが、これは原料の一部に清酒粕を用いたことと、添加した酵母菌等によるアミノ酸の取り込みによるためであると考えられる。
しかし、実施例1乃至4の各サンプルにおいても十分な旨味を有することは上記の官能検査結果で説明したとおりであり、市販品1のアミノ酸含有量の値からも、最もアミノ酸含有量の少ない実施例2のサンプルであっても調味料としての呈味性を十分に有していることがわかる。
実施例1,2,3及び4のサンプルについては比較例1等よりアミノ酸含有量が少ないが、これは原料の一部に清酒粕を用いたことと、添加した酵母菌等によるアミノ酸の取り込みによるためであると考えられる。
しかし、実施例1乃至4の各サンプルにおいても十分な旨味を有することは上記の官能検査結果で説明したとおりであり、市販品1のアミノ酸含有量の値からも、最もアミノ酸含有量の少ない実施例2のサンプルであっても調味料としての呈味性を十分に有していることがわかる。
Claims (5)
- 主要原料を魚介類、食塩及び清酒粕として醗酵熟成させて成ることを特徴とする魚醤油。
- 清酒粕を原料中5〜20重量%とした請求項1記載の魚醤油。
- 原料に耐塩性酵母菌および/または耐塩性乳酸菌を添加した請求項1又は2記載の魚醤油。
- 魚介類に食塩及び清酒粕を加えて混合して仕込み、常温で長期間発酵醸成させることを特徴とする魚醤油の製造方法。
- 耐塩性酵母菌および/または耐塩性乳酸菌を添加して仕込んだ請求項4記載の魚醤油の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003321171A JP2005087016A (ja) | 2003-09-12 | 2003-09-12 | 魚醤油およびその製造方法 |
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JP2005087016A true JP2005087016A (ja) | 2005-04-07 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011120484A (ja) * | 2009-12-08 | 2011-06-23 | Tablemark Co Ltd | 新規魚介調味料及びその製造方法 |
-
2003
- 2003-09-12 JP JP2003321171A patent/JP2005087016A/ja active Pending
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