JP2007330206A - 漬物用床もしくは漬物用調味料、および漬物製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶岩粉末、溶岩粒もしくは火山灰を配合することによって、ぬか味噌臭くない漬物用床、もしくは腐敗しにくい漬物用調味料(漬液)を提供することを目的としてなされたものである。
【解決手段】この発明にかかる請求項1の漬物用床もしくは漬物用調味料は、溶岩粉末、溶岩粒もしくは火山灰を配合したことを特徴としている。
請求項2では、ぬかもしくはおから等の漬物用床、塩その他の漬物用調味料に溶岩粉末、溶岩粒もしくは火山灰を配合したことを特徴としている。
請求項3では、有用微生物として、乳酸菌もしくは酵母菌の少なくとも何れか一方を含んでいることを特徴としている。
請求項4の漬物製造方法は、漬物素材を、溶岩粉末、溶岩粒もしくは火山灰を配合してなる漬物用床もしくは漬物用調味料に漬け込んだ後、取り出すことを特徴としている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、野菜等の漬物を漬けるための床もしくは漬物用調味料、およびそれらを利用した漬物の製造方法に関するものである。
従来より、野菜等の漬物を漬けるための床としては、古来よりぬか床が知られており、ぬか床を用いると、ぬかの味が風味を醸しだして非常に風味のある漬物を得ることができる。
また漬床材料としては、糠以外にも、麹、味噌、酒粕、からし、昆布、おからなどがあり、漬液材料としては、醤油、もろみ、みりん、米酢、梅酢などがある。漬床も漬液も、そのものだけで使用される場合は少なく、その他の材料と混ぜ合わせたり、その他の調味料や香辛料を加えて使用される。
また、登録実用新案第3020237号公報(特許文献1参照)および特開平7−241164号公報(特許文献2参照)のように、おが屑等を含ませた漬床又は漬液に漬物原料を漬け込む方法、特開平5−176675号公報(特許文献3参照)のように、麦飯石粉末と米ぬかとからなるぬか漬け用床材、特開2006−115757公報(特許文献4参照)のように、ぬかに代えて粉炭を用いた漬物用床等が提案されている。
登録実用新案第3020237号公報 特開平7−241164号公報 特開平5−176675号公報 特開2006−115757公報
上述したように従来のぬか床は、人によっては、そのぬか味噌臭さを嫌う人もあり、また、一般家庭においては、ぬか床を用いた漬物容器の近辺に発散する臭いを嫌う人もある。
以上のような理由によって、ぬか味噌臭くない漬物用床が望ましいが、上記おが屑や麦飯石粉末、粉炭等においても漬物らしさや風味等においてそれぞれ一長一短があり、そのために一般家庭での漬物づくりが普及しないという現状がある。
漬液による浅漬けにおいても、健康に留意して塩分を控えると、腐敗が生じてしまうという問題があった。
そこで、この発明は、溶岩粉末、溶岩粒もしくは火山灰を配合することによって、ぬか味噌臭くない漬物用床もしくは腐敗しにくい漬物用調味料(漬液)を提供することを目的としてなされたものである。
すなわち、溶岩は人間の生体にとって極めて良好なミネラルバランスを有している。そして、溶岩粉末、溶岩粒もしくは火山灰等が含まれた状態で野菜等を漬け込むことにより、従来のように塩分を多量に使用する必要がない。
表1に溶岩、特に富士山系の溶岩(溶岩を漬け込んだ水)のミネラルバランスを示す。
Figure 2007330206
そして、塩分の過剰摂取によって引き起こされる高血圧症を予防し、また溶岩等に含まれるミネラル成分と遠赤外線の作用によって人間の生体に必要な各種の菌(善玉菌)を活性化し、人体に障害を引き起こす可能性のある菌(悪玉菌)を殺菌して人間の生体をより活性化することができる漬物を提供することが可能となる。
表2および表3、図1および図2に各種細菌に対する殺菌効果のデータを示す。
Figure 2007330206

Figure 2007330206
この発明にかかる請求項1の漬物用床もしくは漬物用調味料は、溶岩粉末、溶岩粒もしくは火山灰を配合したことを特徴としている。
請求項2では、ぬかもしくはおから等の漬物用床、塩その他の漬物用調味料に溶岩粉末、溶岩粒もしくは火山灰を配合したことを特徴としている。
請求項3では、有用微生物として、乳酸菌もしくは酵母菌の少なくとも何れか一方を含んでいることを特徴としている。
請求項4の漬物製造方法は、漬物素材を、溶岩粉末、溶岩粒もしくは火山灰を配合してなる漬物用床もしくは漬物用調味料に漬け込んだ後、取り出すことを特徴としている。
この発明の漬物用床もしくは漬物用調味料によれば、溶岩粉末、溶岩粒もしくは火山灰を配合しているので、この溶岩粉末、溶岩粒もしくは火山灰がぬか床の臭みを取り、野菜等の素材を漬けると、素材の色が鮮やかで優れた保存性と、優れた味覚の漬物が得られる。
同様に漬物用調味料(漬液)に野菜等の素材を漬けると、塩分を控え気味に調合した調味料であっても腐敗することがなく、防腐剤を使用しないで済むのでより安全性が高く、健康に配慮した漬物を提供することができる。
しかも、溶岩粉末、溶岩粒もしくは火山灰に含まれる天然のミネラル分を間接的に摂取することができる。さらに溶岩粉末、溶岩粒もしくは火山灰を極めて微細なものとすることにより、漬物を洗浄した際に残った場合であってもまったく違和感なく漬物を食することができる。
また、この発明の漬物製造方法によれば、漬物素材を、溶岩粉末、溶岩粒もしくは火山灰を配合してなる漬物用床に漬け込んだ後に取り出すので、上記効果を奏する漬物を得ることができる。
以下に、この発明にかかる漬物用床もしくは漬物用調味料、および漬物製造方法の実施の形態を実施例に基いて詳細に説明する。
この発明においては、ぬか床に約1〜30重量%の溶岩粉末、溶岩粒もしくは火山灰を配合し、該配合物に栄養源となるブドウ糖、乳酸菌、および酵母菌の少なくともいずれかひとつを添加し、前記該配合物にこれらの有用微生物を繁殖させて溶岩粉末、溶岩粒もしくは火山灰の配合物を基材とした漬物用床を作る。
このようにして作った溶岩粉末、溶岩粒もしくは火山灰を用いた漬物用床に、大根、きゅうり、なす等の野菜等の物品を素材として漬け込み、漬物をつくる。
従来のようにぬかを用いた漬物用床の場合には、漬け込んだ物品が薄黄色を呈するようになるが、この原因は、乳酸によるものと考えられる。しかし、この発明のように、溶岩粉末、溶岩粒もしくは火山灰を配合すると、溶岩粉末、溶岩粒もしくは火山灰による化学的吸着作用等により、乳酸の発生を抑えるせいか、ぬか床の臭みが極めて少なくなる。
すなわち、溶岩粉末、溶岩粒もしくは火山灰の持つ脱臭効果により、漬物容器の近辺での臭いの発散を抑制できる。
また、大根を漬けると真っ白い状態のままの漬物ができ、なすの紫色や、きゅうりの緑色等が何れも鮮やかであり新鮮である。
なお、野菜の脱水作用により、床の表面に水が滲出することがあるが、この滲出した水は無色透明な綺麗な水であるので、取り除けば良い。
なお、基材にはぬかやおからを用いた従来の漬物用の漬物床に約1〜30重量%の溶岩粉末、溶岩粒もしくは火山灰を配合させて、ぬかやおからと溶岩粉末、溶岩粒もしくは火山灰とを混在させた床とすることが望ましい。
さらには、溶岩粉末、溶岩粒もしくは火山灰とともに、溶岩の塊や火山礫等を、ぬか床に配合してもよい。
また例えば野沢菜漬の場合、漬けおけ内に所定の深さに水を入れ、塩分濃度約3%前後になる量の塩ととうがらしを入れた上、野沢菜の束を2、3段ごとに互い違いになるよう漬けおけ内に敷く。その上に塩と唐辛子をまんべんなく振りかけ、野沢菜の束をその上に積み重ねる。この作業を繰返して落としぶたをしてその上に重石を置く。
なお、上記塩ととうがらしに対して約1〜30重量%の溶岩粉末、溶岩粒もしくは火山灰を配合して投入することが望ましい。
さらには、溶岩粉末、溶岩粒もしくは火山灰とともに、溶岩の塊や火山礫等を、漬けおけ内に投入してもよい。
約1〜30重量%の溶岩粉末、溶岩粒もしくは火山灰と、残部米ぬかとしてなるぬか床の配合物8リットル、酵母菌として生ビールを2リットル、および水道水を沸騰させてカルキ分を抜いて冷ました水を少々加えて水分調整をし、さらに市販されている複数種類の乳酸菌を計65グラム、無添加の良質な味噌を50グラム、ブドウ糖を100グラム、そしてオリゴ糖を100グラム配合して、よく攪拌して漬物用床を作る。
このようにして作った漬物用床を複数の容器に分配する。
分配したひとつの容器には、塩度約20%の梅干しを漬けて2カ月後に開封した。その結果、保存性は良好で、塩味は強いが美味しい梅干し漬けが得られた。
また漬物用床周辺ではぬか床のにおいはほとんど感じなかった。
分配した別の容器には、スライスした大根を漬けて、2カ月後に開封した。その結果、保存性は良好で、塩味はほとんどなく、大根の風味が素晴らしく、大根の色彩も鮮やかな大根漬けが得られた。
なお、以上の野菜素材をぬか床から取り出すときに梅の皮が破れたり、また、溶岩粉末、溶岩粒もしくは火山灰が付着することを防止するために、梅干し等の物品は、通水性の高い袋に入れてまとめ漬けする方が好ましい。
以上のように、この発明による漬物用床に大根、なす、きゅうり、にんにく、ごぼう等を漬けて2カ月後に取り出すと、優れた保存性が得られるとともに、大根の白色、なすの紫色、きゅうりの緑色等の素材の色が鮮やかに得られ、にんにくやごぼうも新鮮であり、漬ける前とほとんど変わりの無い外観が得られる。
また、溶岩粉末、溶岩粒もしくは火山灰を用いたので、付着した溶岩粉末、溶岩粒もしくは火山灰も簡単に水で洗い流すことができる。
予め野沢菜10kg、塩300g、とうがらしみじん切り(適宜)を用意しておく。
その上で漬けおけ内に2〜3cmの深さまで水を入れ、塩分濃度約3%前後になる量の塩と、とうがらし少々を入れた上、野沢菜の束を2、3段ごとに互い違いになるよう漬けおけ内に敷く。その上に残った塩ととうがらしをまんべんなく振りかけ、野沢菜の束をその上に積み重ねる。この作業を繰返して落としぶたをしてその上に野沢菜の1.5倍の重石を置く。
なお、上記塩ととうがらしからなる漬物用調味料に対して約1〜30重量%の溶岩粉末、溶岩粒もしくは火山灰を配合したものを漬けおけ内に投入する。
こうしておくと、1週間から10日ほどで食することができるようになる。
この発明による溶岩粉末、溶岩粒もしくは火山灰を配合した漬物用床もしくは漬物用調味料には、野菜素材のみならず牛肉や豚肉を布で巻いて漬け込んだり、梅以外の果実や魚類、その他の食品素材を適宜漬け込んで好みの漬物を得ることができる。
各種細菌に対する殺菌効果のデータを示すグラフである。 各種細菌に対する殺菌効果のデータを示すグラフである。

Claims (4)

  1. 溶岩粉末、溶岩粒もしくは火山灰を配合したことを特徴とする漬物用床もしくは漬物用調味料。
  2. ぬかやおから等の漬物用床、塩その他の漬物用調味料に溶岩粉末、溶岩粒もしくは火山灰を配合したことを特徴とする漬物用床もしくは漬物用調味料。
  3. 有用微生物として、乳酸菌もしくは酵母菌の少なくとも何れか一方を含んでなることを特徴とする請求項1または2の何れか1項に記載の漬物用床もしくは漬物用調味料。
  4. 漬物素材を、溶岩粉末、溶岩粒もしくは火山灰を配合してなる漬物用床もしくは漬物用調味料に漬け込んだ後に取り出すことを特徴とする漬物の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012183006A (ja) * 2011-03-04 2012-09-27 Kyoto Prefecture 漬物の製造方法および漬物
JP2013159593A (ja) * 2012-02-08 2013-08-19 Yogan Kenkyusho:Kk 溶岩粉末及び火山灰を用いた生体内の有毒物質及び放射性物質の無毒化方法及び汚染された田畑の改善方法
JP2014087281A (ja) * 2012-10-30 2014-05-15 Urata Kk 漬物床及び漬物の製造方法
KR101423547B1 (ko) 2012-12-13 2014-08-01 재단법인 제주테크노파크 용암해수 소금의 제조 방법 및 그 소금을 이용한 절임 식품의 제조 방법

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