JP2005082736A - シーラント用樹脂組成物、シーラントフィルムおよびその用途 - Google Patents

シーラント用樹脂組成物、シーラントフィルムおよびその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】優れたヒートシール性とイージーピール性を持ち、かつ低いシール温度でも高いシール強度が発現するシーラント用樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】メルトフローレートが1〜50(g/10分)、密度が0.900〜0.940(g/cm)であり、かつ特定のメルトテンション値を持つエチレン系重合体(A)10〜60重量%、グラフト変性オレフィン系重合体(B)1〜60重量%、およびメルトフローレートが0.01〜10(g/10分)、密度が0.880〜0.925(g/cm)のブテン系重合体(C)10〜70重量%から形成されるシーラント用樹脂組成物である。この組成物から得られるフィルムは、包装用フィルムのシーラント層として好適である。
【選択図】なし

Description

本発明はシーラント用樹脂組成物、ヒートシール性およびイージーピール性を兼ね備えたシーラントフィルム、さらにはそのシーラントフィルムを用いた積層体フィルムおよび容器に関する。
近年の食の多様化に伴い、様々な包装材料が提案されている。中でも、イージーピール性を有する容器は、即席麺、ヨーグルト容器、菓子容器、その他の食品容器として広く用いられている。イージーピール性を有するシーラントフィルムには、密封性とイージーピール性という相反する性能を、同時に満足することが要求されている。さらには、食品容器の多様化によって、様々なヒートシール強度を有するシーラントフィルムの開発が所望されている。例えば、熱に弱い食品を包装する際、内容物保護のため比較的低温でヒートシールする必要がある。そのような用途に対しては、低温でのヒートシールでも強いシール強度が発現でき、しかもイージーピール性を示すようなシーラントフィルムが求められている。また、例えばポリエチレンフィルムでコートした紙カップ容器の蓋材の場合では、紙カップでの紙剥けを防止するため、比較的低いシール強度が要求される。
一方、内容物の汚染防止および商品の外観などの点から、シール面を剥離した時に剥離跡(糸引き)が残らないことは勿論のこと、糸引き現象そのものが発生しないよう要求されている。
特開平10−337829号公報には、低密度ポリエチレンとポリブテン−1から形成される易開封性フィルムが開示されている。しかしながら、同公報によって得られるシーラントフィルムは、低温でシールした場合のシール強度が不十分であるという問題点があった。(特許文献1)
特開2002−146343号公報には、低密度ポリエチレンとポリブテン−1からなる糸引き性の改良された易開封性フィルムが開示されている。しかしながら、同公報によって得られるシーラントフィルムでは、シール強度が強く、イージーピール性が不充分であった。(特許文献2)
特開平11−58642号公報には、低密度ポリエチレン、ポリブテン−1およびエチレン−αオレフィン共重合体ゴムからなる糸引き性の改良された易開封性フィルムが開示されている。しかしながら同公報による方法では、シール強度が高く、イージーピール性も不充分で、使用できる用途も限られている。(特許文献3)
特開平10−337829号公報 特開2002−146343号公報 特開平11−58642号公報
本発明は、ヒートシール強度とイージーピール性とのバランスに優れ、特には最適シール温度が広く、糸引きの発生が無いシーラントフィルムを得ることのできるシーラント用樹脂組成物、その組成物から得られるシーラントフィルム、およびそれを用いた積層体フィルムおよび容器の提供を目的とする。
すなわち本発明は、メルトフローレート(MFR、ASTM D1238、190℃、2.16kg荷重)が1〜50(g/10分)、密度(ASTM D1505)が0.900〜0.940(g/cm)であり、かつメルトテンション(MT)とメルトフローレート(MFR)とが次の関係式
40×(MFR)-0.67 ≦ MT ≦ 250×(MFR)-0.67
を満たすエチレン系重合体(A)10〜60重量%、
グラフト変性オレフィン系重合体(B)1〜60重量%、および
メルトフローレート(MFR、ASTM D1238、190℃、2.16kg荷重)が0.01〜10(g/10分)、密度(ASTM D1505)が0.880〜0.925(g/cm)のブテン系重合体(C)10〜70重量%
から形成されるシーラント用樹脂組成物に関する。
さらに本発明は、上記本発明の樹脂組成物からなるシーラントフィルムであり、および該シーラントフィルムから形成される積層体および容器に関する。
本発明のシーラント用樹脂組成物は、それから得られるフィルムがヒートシール性とイージーピール性とのバランスに優れており、かつ、糸引きを発生させることなくより低いシール強度を達成できるため、食品包装用容器に好適に使用できる。
本発明は、エチレン系重合体、グラフト変性エチレン重合体およびブテン系重合体から構成される樹脂組成物、またその組成物を用いたシーラントフィルム、積層体フィルム、および容器に関する。次にそれらの各構成について具体的に説明する。

エチレン系重合体(A)
本発明の樹脂組成物におけるエチレン系重合体(A)としては、ASTM D1238に準じ190℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(以下MFRと略記する)が1〜50、好ましくは3〜40(g/10分)であり、密度(ASTMD1505)が0.900〜0.940、好ましくは0.900〜0.930(g/cm)であり、かつメルトテンション(MT)とメルトフローレート(MFR)とが次の関係式
40×(MFR)-0.67 ≦ MT ≦ 250×(MFR)-0.67
を満たすエチレン系重合体(A)を満たしている。ここで、MTおよびMFRは、いずれも190℃で測定した値である。メルトテンション(MT)は、溶融させたエチレン系重合体を一定速度で延伸したときの応力を測定することによって求められる値である。具体的には、東洋精機製MT測定機を用い、樹脂温度190℃、押出速度15mm/分、巻取速度15m/分、ノズル径2.09mmφ、ノズル長さ8mmの条件で測定した値である。
MFRが上記範囲にあり、MTが上記関係式の範囲内にあることで、エチレン系重合体の溶融張力を高め、成形性が良好となる。
本発明の組成物に使用されるエチレン系重合体(A)は、前記の物性を満たしている限り、ラジカル触媒を用いて高圧下で製造されたいわゆる高圧法ポリエチレンであっても、あるいはチーグラー触媒またはメタロセン触媒を用い、エチレンとα−オレフィン等のコモノマーの存在下、中低圧下で製造されたいわゆる中低圧ポリエチレンであってもよい。高圧法ポリエチレンでは、分子鎖中に長鎖分岐が存在し、これにより高い溶融張力を示すことから、本発明においては好ましく使用できる。
また、本発明の組成物に使用されるエチレン系重合体(A)は、本発明におけるシーラントフィルムとしての特性を損なわない限り、エチレンと少量の酢酸ビニル等の不飽和カルボン酸との共重合体であっても良い。

グラフト変性オレフィン系重合体(B)
本発明の樹脂組成物における(B)成分として使用されるグラフト変性オレフィン共重合体は、オレフィン系重合体(B−1)を極性基を有するビニル化合物によってグラフト変性した変性体である。オレフィン系重合体(B−1)としては、プロピレン系(共)重合体、ブテン系(共)重合体やエチレン系(共)重合体を挙げることができる。これらの中で、エチレンと炭素数3〜20、好ましくは3〜10までのα―オレフィンとを共重合することによって得られるランダム共重合体が好ましい。その分子構造は、直鎖状であってもよいし、長鎖または短鎖の側鎖を有する分岐状であってもよい。α―オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンが挙げられ、好ましくは1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンである。共重合体中のα−オレフィン含量としては、5〜50モル%、通常7〜30モル%である。
オレフィン系重合体(B−1)のMFR(ASTM D1238、190℃、2.16kg荷重)は0.5〜50、好ましくは1〜45、さらに好ましくは2〜40(g/10分)であり、密度(ASTMD1505)が0.960(g/cm)未満、好ましくは0.850〜0.930(g/cm)である。さらに好ましいオレフィン系重合体(B−1)の例としては、密度が0.850〜0.900(g/cm)であり、かつ示差走査熱量分析(DSC)で求められる融点が90℃未満または融点が観測されない非晶性であるエチレンと炭素数3〜10までのα―オレフィンとを共重合することによって得られるランダム共重合体である。
上記エチレン・α−オレフィンランダム共重合体の製造法については特に制限はないが、チーグラー・ナッタ触媒、あるいはメタロセン触媒の存在下、エチレンとα−オレフィンとを共重合することによって製造することができる。
さらに、本発明においては、密度および/またはMFRの異なる数種類のエチレン・α−オレフィンランダム重合体をブレンドした組成物で使用することもできる。
本発明において使用されるグラフト変性オレフィン系重合体(B)は上記オレフィン系重合体(B−1)を極性基を有するビニル化合物でグラフト変性することで得られる。極性基を有するビニル化合物としては、酸、酸無水物、エステル、アルコール、エポキシ、エーテル等の酸素を含有する極性基を有するビニル化合物、イソシアネート、アミド等の窒素を含有する極性基を有するビニル化合物、ビニルシラン等のケイ素を含有する極性基を有するビニル化合物を挙げることができる。
これらの中でも酸素を含有する極性基を有するビニル化合物が好ましく、不飽和エポキシ単量体、不飽和カルボン酸およびその誘導体が好ましい。
不飽和エポキシ単量体としては不飽和グリシジルエーテル、不飽和グリシジルエステル(例えばグリシジルメタクリレート)等が挙げられる。
不飽和カルボン酸の例としては、アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸およびナジック酸TM(エンドシス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン2,3−ジカルボン酸)などが挙げられる。
不飽和カルボン酸の誘導体としては、例えば上記不飽和カルボン酸の酸ハライド物、アミド化合物、イミド化合物、酸無水物、およびエステル化合物などを挙げることができる。具体的には塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエートなどが挙げられる。
これらの中で、不飽和カルボン酸またはその酸無水物が好適であり、特にマレイン酸、ナジック酸TMまたはこれらの酸無水物が好適であ。
グラフト変性オレフィン系重合体(B)は、従来公知の方法、例えば次のような方法を用いて製造することができる。
・ 前記オレフィン系重合体(B−1)を押出機等で溶融させて不飽和カルボン酸等を添加してグラフト変性する方法。
・ 前記オレフィン系重合体(B−1)を溶剤に溶解させて不飽和カルボン酸等を添加してグラフト変性する方法。
いずれの方法においても、上記不飽和カルボン酸等を効率良くグラフトさせるためにラジカル開始剤の存在下でグラフト反応を行うのが好ましい。
ラジカル開始剤としては有機ペルオキシド、アゾ化合物などが使用される。具体的には、ベンゾイルペルオキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどの有機ペルオキシド、アゾビスイソブチルニトリル、ジメチルアゾイソブチレート等のアゾ化合物などが挙げられる。
これらのラジカル開始剤は、オレフィン系重合体(B−1)100重量部に対して、通常0.001〜1重量部、好ましくは0.003〜0.5重量部、さらに好ましくは0.05〜0.3重量部添加して用いられる。
上記のようなラジカル開始剤の存在下または非存在下にてグラフト反応させる際の反応温度は、通常60〜350℃、好ましくは150〜300℃の範囲に設定される。
なお、上記オレフィン重合体(B−1)にグラフトされる不飽和カルボン酸またはその誘導体のグラフト位置に制限はなく、グラフト変性オレフィン系重合体を構成するオレフィン系重合体の任意の炭素原子に不飽和カルボン酸またはその誘導体が結合していればよい。
グラフト変性量としては、0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜10重量%、さらに好ましくは0.1〜7重量%である。
ブテン系重合体(C)
本発明の樹脂組成物において使用されるブテン系重合体(B)としては、1−ブテン単独重合体、あるいは1−ブテンと1−ブテンを除く炭素数2〜20、好ましくは2〜10のα−オレフィンとの共重合体である。α−オレフィンの具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンが挙げられ、好ましくはエチレン、プロピレンである。ブテン系重合体中の1−ブテン含有量としては、60〜100、好ましくは70〜100(モル%)である。
ブテン系重合体の密度は、0.880〜0.925、好ましくは0.885〜0.920(g/cm3)である。この密度範囲にあると、粘着性が小さいことから、フィルムから容器を製造する際に、ロール等の装置へのフィルムの付着が少なく、高い充填速度で内容物を充填することが可能である。
また、MFR(190℃)は0.01〜10、好ましくは0.05〜8、より好ましくは0.1〜7(g/10分)の範囲にある。この範囲内にあると、成形機のモーターに過大な負荷を与えることなく、高い成形スピードでフィルムを成形することができる。
このようなブテン系重合体は、特公昭64−7088号公報、特開昭59−206415号公報、特開昭59−206416号公報、特開平4−218508号公報、特開平4−218607号公報、特開平8−225605号公報等に記載された、立体規則性触媒を用いた重合方法で製造することが出来る。本発明において使用されるブテン系重合体は、1種類であっても、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。

樹脂組成物
本発明の樹脂組成物は、エチレン系重合体(A)とグラフト変性オレフィン系重合体(B)およびブテン系重合体(C)からなり、その混合割合は、(A)が10〜60、好ましくは15〜55重量%、(B)が1〜60、好ましくは3〜50重量%、(C)が10〜70、好ましくは20〜60重量%の範囲にある。ここで、(A)、(B)および(C)の合計量は100重量%である。各成分の割合がこの範囲内にあると、その組成物から得られるフィルムは、シール強度とイージーピール性とのバランスに優れており、実用上好適な易開封性容器が得られる。
本発明の樹脂組成物の特徴として、ある特定の性質を持つグラフト変性オレフィン系重合体を、樹脂組成物の構成成分として使用することにある。前記のようなグラフト変性オレフィン系重合体を使用することで、低いシール温度でも、シール強度とイージーピール性とのバランスに優れたフィルムとなる。さらには、従来よりも低いシール強度でも糸引きの発生が無く、良好なイージーピール性が発現する。またグラフト変性オレフィン系重合体の量により、最適シール温度を制御することが可能なため、多様な特性をもつ易開封容器に対応できる。
本発明においては、本発明の樹脂組成物としての性能を損なわない範囲で、必要に応じて酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、結晶核剤等の添加物を含んでいてもよい。
また、前記各成分および必要に応じて各種添加剤を、例えばヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、タンブラーミキサー等の混合機でブレンドした後、一軸ないしは二軸の押出機を用いてペレット状として後述のフィルム成形に使用することも可能であるが、前記成分をブレンドした状態でフィルム成形機に供することも可能である。

シーラントフィルム
本発明の樹脂組成物からフィルム成形することによって、イージーピール性を必要とする包装材のシーラントフィルムを製造することができる。フィルムの成形は、キャスト成形法であってもインフレーション成形法であってもよく、通常樹脂温度180〜240℃の条件で均一膜厚の良好なフィルムを製造することができる。フィルムの厚みは、通常3〜100μm、好ましくは5〜80μmの範囲である。

積層体フィルム
前記シーラントフィルムは、それ単独で使用することも可能であるが、基材フィルムに積層した積層体フィルムの構成で、一般に包装フィルムまたは包装シートとして使用される。
基材フィルムとしては、特に限定されるものではないが、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、スチレン系樹脂のフィルム、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステルのフィルム、ナイロン6やナイロン6,6のようなポリアミドのフィルム、またはこれらの延伸フィルム、ポリオレフィンフィルムとポリアミドフィルムやエチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムのようなガスバリヤー性のある樹脂フィルムとの積層フィルム、アルミニウム等の金属箔、あるいはアルミニウムやシリカ等を蒸着させた蒸着フィルムや紙等が、包装材の使用目的に応じて適宜選択使用される。この基材フィルムは、1種類のみならず、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
シーラントフィルム層は、積層体フィルムの少なくとも一方の最外層に位置するので、その製造にあたり、基材フィルム上に前記本発明の樹脂組成物を直接押出ラミネーションしたり、基材フィルムとシーラントフィルムとをドライラミネーションしたり、あるいは両層を構成する樹脂を共押出する方法を採用することができる。
積層体フィルムの一実施態様として、シーラントフィルム層/ポリオレフィンフィルム層/他のフィルム層の構成を挙げることができる。ここで、他のフィルム層としては、前記したポリスチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリオレフィンフィルムとガスバリヤー性樹脂フィルムとの積層フィルム、アルミニウム箔、蒸着フィルム、および紙からなる群から選ばれる層を挙げることができる。
ポリオレフィン層と他のフィルム層とが充分な接着強度で接合できない場合には、シーラントフィルム層/ポリオレフィンフィルム層/接着層/他のフィルム層の構成にすることができる。接着層としては、ウレタン系やイソシアネート系接着剤のようなアンカーコート剤を用いたり、不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンのような変性ポリオレフィンを接着性樹脂として用いると、隣接層を強固に接合することができる。

容器
前記した積層体フィルムのシーラントフィルム層同士を向かい合わせ、あるいは積層体フィルムのシーラントフィルム層と他のフィルムとを向かい合わせ、その後、外表面側から所望容器形状になるようにその周囲の少なくとも一部をヒートシールすることによって、容器を製造することができる。また周囲を全てヒートシールすることにより、密封された袋状容器を製造することができる。この袋状容器の成形加工を内容物の充填工程と組み合わせると、すなわち、袋状容器の底部および側部をヒートシールした後内容物を充填し、次いで上部をヒートシールすることで包装体を製造することができる。従って、この積層体フィルムは、スナック菓子等の固形物、粉体、あるいは液体材料の自動包装装置に利用することができる。
また、積層体フィルムないしシートを、または他のフィルムないしシートを予め真空成形や圧空成形等によりカップ状に成形した容器、射出成形等で得られた容器、あるいは紙基材から形成された容器等に内容物を充填し、その後本発明の積層体フィルムを蓋材として被覆し、容器上部ないし側部をヒートシールすることにより、内容物を包装した容器が得られる。この容器は、即席麺、味噌、ゼリー、プリン、スナック菓子等の包装に好適に利用される。
次に実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1]
スクリュー系65mmφの押出機を兼ね備えたダイ幅500mmの押出ラミネーション装置を使用し、層構成がPET/LDPE(12μm/30μm)からなる積層体のLDPE層側に、以下に記載したシーラント樹脂組成物を樹脂温度260℃、引取り速度80m/minの条件で、シーラント厚みが20μmとなる様、押出ラミネーションすることによってPET/LDPE/シーラント(12μm/30μm/20μm)の層構成からなるフィルムを作成した。得られたフィルムのヒートシール強度、イージーピール性および糸引き性を以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
シーラント樹脂組成物 : 高圧法ポリエチレン(0.917g/cm、MFR(190℃)7.2g/10分、MT 28mN)30重量%、無水マレイン酸グラフト変性エチレン・1−ブテン共重合体(MEBR−1、密度0.896g/cm、MFR(190℃)11g/10分、1−ブテン含量11モル%、融点82℃、無水マレイン酸グラフト変性量0.75重量%)30重量%、およびブテン系重合体成分として1−ブテン重合体(PB−1、密度0.907g/cm、MFR(190℃)0.2g/10分、1−ブテン100モル%)40重量%からなる組成物。

(1)ヒートシール強度:15mmの短冊状試験片を2枚作成し、シール層同士を向かい合わせ、所定の温度で、圧力0.2MPa、シール時間1.0秒の条件でヒートシールを行った。その後、層間を180度方向に300mm/分の速度で剥離させ、その時の剥離強度を測定し、その値をヒートシール強度(N/15mm)とした。
(2)イージーピール性:ヒートシール強度測定後に、フィルムサンプルを観察し、フィルムが伸ばされたり、切れたりしていなかった場合を○とした。それに対し、フィルムが伸ばされたり、切れたりした場合を×とした。
(3)糸引き性:ヒートシール強度測定後のフィルムサンプルのシール面を観察し、シール面およびその周辺に糸状に樹脂が付着した場合を×とし、糸状樹脂が見られない場合を○とした。

[実施例2、比較例1]
シーラント層として用いた高圧法ポリエチレン、無水マレイン酸グラフト変性エチレン・1−ブテン共重合体および1−ブテン系重合体を表1記載の樹脂組成とした以外は、実施例1と同様にしてフィルムの評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2005082736
表1に示した結果から明らかなように、本発明のフィルムは、ヒートシール性とイージーピール性のバランスに優れ、従来よりも低いシール強度領域でも糸引き性が良好であった。
本発明のシーラント用樹脂組成物は、それから得られるフィルムがヒートシール性とイージーピール性とのバランスに優れており、かつ、糸引きを発生させることなくより低いシール強度を達成できるため、食品包装用容器に好適に使用できる。

Claims (7)

  1. メルトフローレート(MFR、ASTM D1238、190℃、2.16kg荷重)が1〜50(g/10分)、密度(ASTM D1505)が0.900〜0.940(g/cm)であり、かつメルトテンション(MT)とメルトフローレート(MFR)とが次の関係式
    40×(MFR)-0.67 ≦ MT ≦ 250×(MFR)-0.67
    を満たすエチレン系重合体(A)10〜60重量%、
    グラフト変性オレフィン系重合体(B)1〜60重量%、および
    メルトフローレート(MFR、ASTM D1238、190℃、2.16kg荷重)が0.01〜10(g/10分)、密度(ASTM D1505)が0.880〜0.925(g/cm)のブテン系重合体(C)10〜70重量%
    から形成されるシーラント用樹脂組成物。
  2. 前記エチレン系重合体が、高圧法ポリエチレンであることを特徴とする請求項1記載のシーラント用樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の樹脂組成物からなり、その厚さが3〜100μmであるシーラントフィルム。
  4. 請求項3に記載のシーラントフィルムの層と、ポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリオレフィンとガスバリヤー性樹脂フィルムとの積層フィルム、アルミ箔、紙、および蒸着フィルムとからなる群から選ばれる少なくとも一つのフィルム層とを含む積層体であることを特徴とする積層体フィルム。
  5. 請求項3に記載のシーラントフィルムの層と、ポリオレフィンフィルム層と、ポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリオレフィンとガスバリヤー性樹脂フィルムとの積層フィルム、アルミ箔、紙、および蒸着フィルムとからなる群から選ばれる少なくとも一つのフィルム層とが、この順に積層されていることを特徴とする積層体フィルム。
  6. 請求項4または5に記載の積層体フィルムのシーラントフィルム層面同士を合わせ、その少なくとも一部がヒートシールされていることを特徴とする容器。
  7. 請求項4または5に記載の積層体フィルムのシーラントフィルム層と、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、およびポリプロピレンからなる群から選ばれる樹脂の成形体とを向かい合わせ、その少なくとも一部がヒートシールされていることを特徴とする容器。
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