JP2005082594A - 苦味を隠蔽する薬理組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 多孔質吸収剤に吸収された、水溶性の苦味を持つ薬理的に活性な化合物および風味-隠蔽用のコーティングからなる粒子を含む製剤、特に粉剤を提供することにある。
【解決手段】 多孔質の吸収剤に吸収された、水溶性の薬理的に活性な化合物および該薬物を担持した多孔質の吸収剤を包む被膜を含有し、該被膜が、製薬上許容される界面活性剤と、製薬上許容される油、脂肪、ワックス、脂肪アルコールまたは脂肪酸もしくはこれらの混合物からなる群から選択される、苦味-マスキング剤との混合物を含むことを特徴とする製剤。
【選択図】図1

Description

本発明は、多孔質吸収剤に吸収された、水溶性の苦味を持つ薬物および風味を隠蔽するためのコーティングを含む製剤、特に粉剤に係り、ここで該コーティングは、製薬上許容される界面活性剤と、苦味-マスキング剤との混合物を含み、該苦味-マスキング剤は、製薬上許容される油、脂肪、ワックス、脂肪アルコールまたは脂肪酸から選択される。これら開示される製剤により、極めて強力な苦い風味を持つ薬理的に活性な化合物、特にエピナスチン、キニーネまたはアセトアミノフェンの苦味を隠蔽することができる。これら製剤は、多数の製薬上の投与剤形、好ましくはドライシロップの調製に適している。
薬剤組成物が、苦い風味を持つ場合、これらを甘味剤と混合して、その苦味を隠蔽することができる。しかし、しばしば該甘味剤は、エピナスチン、キニーネ-塩酸塩または硫酸塩、またはアセトアミノフェン等の極めて苦味の強い物質の苦味を隠蔽する程に、十分な効果を持たない。
化学的には3-アミノ-9,13b-ジヒドロ-1H-ジベンズ-[c,f]-イミダゾール-[1,5-a]-アゼピンとして知られるエピナスチンおよびその酸付加塩類は、EP 0,035,749の基礎をなす、ドイツ特許出願P 30 08 944.2に初めて記載された。
化学的に、エピナスチンはアミノ塩基であり、立体化学的特長を反映していない、以下の式で表される:
Figure 2005082594
特にエピナスチンは、アレルギー、痛み、特に慢性的な痛みおよび炎症に起因する痛み、偏頭痛、喘息、鼻炎、結膜炎および/または気管支炎の治療に使用されている(EP-B-0,035,749; EP 1000263)。特に、エピナスチンは、アレルギー、皮膚炎、鼻炎、結膜炎、気管支炎、皮膚疾患の喘息の治療に使用されている。
エピナスチンは、日本においては、ブランド名「アレシオン(AlesionTM)」の下で市販されており、また最もしばしばその抗-ヒスタミン作用のために使用されている。
もう一つの興味深い薬理的に活性な物質は、キニーネである。キニーネはキノリン-アルカロイドであり、従ってこれもアミノ塩基である。キニーネは、従来および今でさえも、マラリアの治療に利用されており、これは解熱、鎮痛、筋肉弛緩作用を持ち、また陣痛(出産)誘発剤としても利用できる。キニーネが苦い風味を持つことは周知であり、従ってある種の清涼飲料用の添加物としても利用されている。
その苦味特性のために、薬剤の苦味を評価するための基準物質としても利用されている。
苦味の隠蔽に関連して、多くの試みがなされている。例えば、米国特許第4,797,288号は、咀嚼しまたは飲み込むことのできる、乳化剤の疎水性マトリックス、脂肪酸、天然ワックス、合成ワックス、およびこれらの混合物から選択される、100℃以下の融点を持つ、食用材料を含む、薬剤放出系を開示している。このマトリックスは、脂肪酸とワックスとの組み合わせからなるコーティングによって覆われている。そのコーティングの程度は、200〜400質量%であり、これはその薬効の低下をもたらす。使用された高いコーティング率および該マトリックスにおいて使用された材料のために、その薬物放出速度は、遅延されるものと予想される。
PCT-特許出願WO 02/45693は、苦味を隠蔽した製剤を記載しており、これはトリグリセリド、脂肪アルコール、部分グリセリドおよび脂肪酸エステルからなる群から選択される、1またはそれ以上の賦形剤で構成される、賦形剤マトリックス中に均一に分散された、活性成分を含む。
欧州特許455,391号は、流動床内で製造された、ポリグリセロールエステルと、薬理的に活性な物質との顆粒剤を開示している。該流動床は加熱されており、また該物質は、該ポリグリセロールエステルが溶融し、かつその粒子が凝集するまで、該加熱された流動床内で混合される。
米国特許第5,399,357号は、ポリグリセロールの脂肪酸エステルおよびミクロクリスタリンワックスとからなる処方物を開示している。この薬物の溶解速度は、遅延され、結果的に身体内での迅速な薬物作用にとっては不適当な、長期に及ぶ放出をもたらす。ここで特許請求されている系は、マトリックスであって、コーティングではない。
米国特許第6,485,742号は、微粉砕された粒子状の処方物を開示しており、これは疎水性のホットメルト-脂質製の少なくとも1層のコーティング層で覆われた、親水性材料製のコア物質で構成される。
これらの開示は、風味の隠蔽された化合物を提供するが、これらは、通常コーティングのために複雑な製造工程および/または特別に設計された装置を使用する。従って、このような試みの工業化は、高価な製品をもたらす。このように、極度に苦い風味を持つ薬物の苦味を隠蔽するのに有用で、かつ工業生産の容易な処方物に対する需要がある。
驚いたことに、製薬上許容される界面活性剤と、製薬上許容される油、脂肪、ワックス、脂肪アルコールまたは脂肪酸からなる群から選択される、苦味-マスキング剤(または隠蔽剤)との混合物が、極度に苦い風味を持つ水溶性の薬理的に活性な化合物、例えばエピナスチン、キニーネまたはその塩酸塩もしくは硫酸塩、またはアセトアミノフェンの苦味を隠蔽できることを見出した。
従って、本発明の課題は、多孔質吸収剤に吸収された、水溶性の苦い風味を持つ薬理的に活性な化合物および風味-隠蔽用のコーティングからなる粒子を含む、製剤、特に粉剤を提供することにあり、該製剤において該コーティングは、製薬上許容される界面活性剤と、苦味-マスキング剤との混合物を含み、該苦味-マスキング剤は、製薬上許容される油、脂肪、ワックス、脂肪アルコールまたは脂肪酸からなる群から選択される。
一局面において、本発明は、以下のような製剤を提供する:
a) 多孔質の吸収剤に吸収された、水溶性の薬理的に活性な化合物、好ましくはエピナスチン、キニーネ-塩酸塩もしくは硫酸塩、またはアセトアミノフェンおよび
b) 該薬物を担持した多孔質の吸収剤を覆うコーティング混合物を含有し、該被膜が、少なくとも1種の製薬上許容される界面活性剤と、少なくとも1種の苦味-マスキング剤との混合物を含み、該苦味-マスキング剤が、製薬上許容される油、脂肪、ワックス、脂肪アルコールまたは脂肪酸もしくはこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする製剤。
第二の局面において、本発明は、製剤の製法を提供し、該方法は以下の工程を含む:
a) 該水溶性の薬理的に活性な化合物、好ましくはエピナスチン、キニーネ-塩酸塩もしくは硫酸塩、またはアセトアミノフェンを、溶媒に溶解する工程、
b) 該工程a)で得られる溶液に、多孔質吸収剤を浸漬して、該薬理的に活性な化合物を該吸収剤に吸収させる工程、
c) 該溶媒を除去する工程、
d) 少なくとも1種の苦味-マスキング剤と、少なくとも1種の製薬上許容される界面活性剤とを混合する工程、および
e) 該工程d)のコーティング混合物を、該工程c)で得られる粒子に添加する工程。
第三の局面において、本発明は、上記製剤を含有する、錠剤、ドライシロップ等の薬理的処方物を提供する。
本発明による製剤の極めて望ましい利点の一つは、エピナスチンまたはキニーネ等の極めて高い苦味を持つ、薬理的に活性な化合物でさえも、これら処方物により隠蔽できることにある。
苦味-隠蔽コーティングが、該薬理的に活性な化合物と水との接触を防止し、かつ該薬理的に活性な化合物の溶出を延期し、しかも該苦味-マスキング剤が、舌の味覚受容体に対する、元の物質の刺激を妨害するものと推定される。この仮説によれば、多くの水溶性成分の苦味が、この技術を利用することにより抑制できる。更に、本発明の風味-マスキング剤の製法に関連して、この方法は、極めて単純であり、また必要とされる装置は、極一般的なものである。当分野において公知の方法と比較して、これは、工業的生産が極めて容易である。
本発明の範囲内において、「製剤(preparation)」なる用語は、風味隠蔽用のコーティングで覆われた、薬物を担持する多孔質吸収剤からなる粒子を意味し、該風味隠蔽用のコーティングは、少なくとも1種の界面活性剤と少なくとも1種の苦味-マスキング剤との混合物を含む。
本発明の範囲内において、「エピナスチン」なる用語は、ドイツ特許出願P 30 08 944.2に初めて記載された、遊離塩基としての中和型または製薬上許容されるその塩としての、3-アミノ-9,13b-ジヒドロ-1H-ジベンズ-[c,f]-イミダゾール-[1,5-a]-アゼピンを含み、該塩は塩酸塩、臭化水素酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩、スルホン酸塩、フマール酸塩、マレイン酸塩、硫酸塩、およびリン酸塩、を包含するが、これらに制限されない。
その製造方法は、EP 0496306号またはWO 01/40229に記載されている。
「キニーネ」および「アセトアミノフェン」なる用語は、中和型または製薬上許容されるその塩としての、これら薬物を意味する。
第一の局面に関連して、本発明は以下のものを含む製剤を提供する:
一局面においては、以下のような製剤を提供する:
a) 多孔質の吸収剤に吸収された、水溶性の薬理的に活性な化合物、好ましくはエピナスチン、キニーネ-塩酸塩もしくは硫酸塩、またはアセトアミノフェンおよび
b) 該薬物を担持した多孔質の吸収剤を覆うコーティング混合物を含有し、該コーティングが、少なくとも1種の製薬上許容される界面活性剤と、少なくとも1種の苦味-マスキング剤との混合物を含み、該苦味-マスキング剤が、製薬上許容される油、脂肪、ワックス、脂肪アルコールまたは脂肪酸もしくはこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする製剤。
該薬理的に活性な化合物を吸収する、該多孔質の吸収剤に関連して、原理的には、該薬物を吸収できる任意の製薬上許容される吸収剤を、使用することができる。適当な吸収剤の例は、アルミノメタ珪酸マグネシウム、無水珪酸、炭酸カルシウム、水和二酸化ケイ素、珪酸マグネシウム、医療用炭素、シリカゲル、ミクロクリスタリンセルロース、澱粉、水酸化アルミニウムゲル、アルミニウムヒドロキシクロライド(aluminum hydroxychloride)、アルミノ珪酸マグネシウム、カルボキシメチル澱粉ナトリウムまたはこれらの混合物からなる群から選択される。アルミノメタ珪酸マグネシウムの使用が好ましい。
該苦味を隠蔽するコーティングに適した、製薬上許容される油、脂肪、ワックス、脂肪アルコールまたは脂肪酸もしくはこれらの混合物からなる群から選択される、該苦味-マスキング剤に関連して、例えば亜麻仁油、キリ油、大豆油、ピーナッツ油、ゴマ油、パーム油、乳脂肪、菜種油、コーン油、カルナウバロウ、綿実油、エステル化コーン油、オレンジ油、アーモンド油、ベニバナ油脂肪酸、酢酸トコフェロール、カミツレ油、水添大豆油、ステアリン酸、ベニバナ油、硬質脂肪、ツバキ油、ヌカ油、ヒマシ油、ココナッツ油、オリーブ油、ワセリン、オクチルデシルトリグリセリド、カカオバター、中鎖脂肪酸トリグリセリド、スクアラン、オレイン酸、クローブ油、サラシミツロウ、麦芽油、ステアリルアルコールまたはこれらの混合物を使用することができる。中鎖脂肪酸トリグリセリドの使用が好ましい。
該苦味-マスキング剤との組み合わせにおいて適した、該製薬上許容される界面活性剤に関連して、任意の低HLB(親水性-疎水性バランス)の界面活性剤、例えばアルキルアリルポリエーテルアルコール、脂肪酸の蔗糖エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン水添ヒマシ油、脂肪酸のプロピレングリコールエステル、ラウリル硫酸塩、ステアリン酸塩、脂肪酸のソルビタンエステル、脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、脂肪酸のポリオキシエチレングリセロールエステル、脂肪酸のグリセロールエステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、脂肪酸のポリオキシエチレンソルビトールエステル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、アルキルアリルスルホン酸塩、ココナッツ脂肪酸ジエタノールアミド、または脂肪酸のポリオキシエチレンソルビタンエステル、またはこれらの混合物を使用することができる。脂肪酸の蔗糖エステルの使用が好ましい。
この製剤において、該エピナスチンまたはその塩の量は0.1〜20質量%なる範囲、好ましくは0.5〜10質量%なる範囲、より好ましくは2〜5質量%なる範囲、および最も好ましくは2.5質量%又は5質量%なる範囲内にある。
キニーネまたはアセトアミノフェンを含む好ましい製剤において、該薬理的に活性な化合物の量は、1〜30質量%なる範囲、およびより好ましくは5〜10質量%なる範囲内にある。
苦味を隠蔽するのに十分な、該コーティング混合物の適当な量を決定するために、該コーティング混合物(該苦味-マスキング剤と該界面活性剤との混合物)の様々な含有率を持つ製剤を調製し、その風味をテストした(実施例4参照)。その結果は、該薬物担持吸収剤に対する該コーティング混合物の比が、0.5〜1.2なる範囲、好ましくは0.7〜1.2または0.8〜1.2なる範囲にあるべきであることを示す。この比を高め、かつ該粒子を覆うために、より多くの該コーティング混合物を用いた場合、得られる製剤が、スラリーになる危険性が生じる。他方、該コーティング混合物の量を減じた場合、その苦味を十分に隠蔽しない危険性がある。しかし、該コーティング混合物の量の、薬物を担持した粒子の量に対する最適の比は、使用する薬理的に活性な化合物に依存し、該吸収剤および使用する該コーティング剤の吸収容量は、日常的な実験によって、当業者によって決定できる。
該コーティング混合物中の該界面活性剤の適当な量を決定するために、様々な界面活性剤の含有率を持つ製剤を調製して、その風味についてテストした(実施例5参照)。これらの結果は、該界面活性剤の量が、該コーティング混合物の3質量%以上、かつ50質量%以下とすべきであることを示す。この界面活性剤の量は、該コーティング混合物の、好ましくは5〜20質量%、より好ましくは10〜20質量%、最も好ましくは9〜10質量%または10〜11質量%なる範囲にある。しかし、該コーティング混合物における該界面活性剤の量の最適な比は、該苦味-マスキング剤、該薬理的に活性な化合物および勿論使用する該界面活性剤に依存し、日常的な実験によって、当業者によって決定できる。
本発明によれば、製剤は、該薬物担持吸収剤に対する該コーティング混合物の比が、0.5〜1.2なる範囲にあることが好ましい。好ましくは、このような製剤において、該薬物担持吸収剤に対する該コーティング混合物の比は、0.7〜1.2または0.8〜1.2なる範囲にあり、かつ該コーティング混合物中の該界面活性剤の含有率は、3質量%以上である。より好ましくは、このような製剤において、該薬物担持吸収剤に対する該コーティング混合物の比は、0.7〜1.2または0.8〜1.2なる範囲にあり、かつ該コーティング混合物中の該界面活性剤の含有率は、5〜20質量%または10〜20質量%なる範囲にある。特に好ましいのは、該薬物担持吸収剤に対する該コーティング混合物の比が、0.7〜0.9なる範囲または0.9であり、かつ該コーティング混合物中の該界面活性剤の含有率が、9〜10質量%または10〜11質量%なる範囲にある製剤である。特別に好ましいものは、該薬物担持吸収剤に対する該コーティング混合物の比が、0.7〜0.9なる範囲にあり、かつ該コーティング混合物中の該界面活性剤の含有率が、9〜10質量%なる範囲にある製剤である。
第二の局面において、本発明は、製剤の製法を提供し、該方法は以下の工程を含む:
a) 該水溶性の薬理的に活性な化合物、好ましくはエピナスチン、キニーネ-塩酸塩もしくは硫酸塩、またはアセトアミノフェンを溶媒に溶解する工程、
b) 該工程a)で得られる溶液に、多孔質吸収剤を浸漬して、該薬理的に活性な化合物を該吸収剤に吸収させる工程、
c) 該溶媒を除去する工程、
d) 少なくとも1種の苦味-マスキング剤と、少なくとも1種の製薬上許容される界面活性剤とを混合する工程、および
e) 該工程d)のコーティング混合物を、該工程c)で得られる粒子に添加する工程。
本発明の製剤は、好ましくは以下の段階を経て製造される。該薬理的に活性な化合物を適当な溶媒(例えば、エピナスチン塩酸塩については、エタノール)に溶解する。原理的には、該多孔質吸収剤粒子を破壊しない、あらゆる溶媒を使用できる。適当な溶媒は水、アセトン、エタノール、メタノール、イソプロパノールおよびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。次の段階として、該多孔質吸収剤粒子を、この溶液と共にインキュベート(例えば、ブレンダー内で混合、造粒機内で噴霧)して、該活性な成分を該多孔質吸収剤(例えば、アルミノ珪酸マグネシウム)に吸収させる。該多孔質吸収剤粒子が、該薬理的に活性な化合物の溶液/懸濁液と共にインキュベートした後に、該薬物担持粒子を乾燥させる必要がある。該薬物担持粒子の乾燥は、当業者には公知の従来の方法に従って行うことができる。例えば、この乾燥は、凍結乾燥、トレー乾燥、対流式乾燥、マイクロ波乾燥、接触乾燥、赤外輻射による乾燥、流動床乾燥等の任意の適当な方法で実施できる。乾燥時間、乾燥温度および乾燥サイクルの数等のパラメータは、使用する溶媒および該薬理的に活性な化合物、許容残留水分等に適合させる必要がある。この方法の詳細は、当業者には公知であり、例えばPharmazeutische Technologie, 第13章, p.414-443 (Springer-Verlag, ベルリン、ハイデルベルグ、NY、1998)に記載されている。
このようにして調製し、乾燥した薬物担持吸収剤粒子を、該乾燥した薬物担持吸収剤粒子の粉末に、該苦味-マスキング剤と製薬上許容される界面活性剤との混合物を添加し、十分に混合することにより、該風味隠蔽層で覆う。該苦味-マスキング剤が、室温にて液体である場合には、温度制御することなしに、遊星型ミキサまたは高剪断式ミキサを使用できる。該コーティング混合物の含有率があまり高くない場合、V-字型、W-コーン型またはドラム-型等の通常のブレンダーも適している。該苦味-マスキング剤が室温にて固体である場合、該コーティング段階前に、これを溶融する必要があり、また該粒子は、そのコーティング後に冷却する必要がある。
この段階後に、該コーティング粒子は、典型的に通常の方法で、他の成分と共に、造粒することができる。
該薬物を担持し、かつコーティングした本発明の製剤は、経口投与剤形となるように配合されるものであり、即ち該製剤は、種々の製薬上許容される不活性担体と共に、錠剤、ペレット、サシェット、カプセル剤、ロゼンジ、トローチ、硬質キャンディー、粉剤、噴霧剤、水性懸濁剤、エリキシル、シロップ、ドライシロップ等に処方することができる。ここで、好ましい投与剤形は、ドライシロップ、サシェット、粉剤およびカプセル剤である。特に好ましくは、ドライシロップとして与えられる。
このような適当な担体は、固体希釈剤またはフィラー、無菌水性媒体および種々の無毒の有機溶媒を含む。更に、このような経口薬剤処方物は、通常甘味付与および香味付与の目的で使用されている型の、様々な試薬によって、適当に甘味付与および香味付与し得る。一般に、本発明の製剤は、所定の単位用量を与えるのに十分な量の、全組成物の質量基準で、約0.5〜約90%なる範囲の濃度にて、このような経口投与剤形中に存在する。
経口投与のためには、種々の賦形剤、例えばラクトース、ミクロクリスタリンセルロース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウムおよび燐酸カルシウムを含む錠剤を、様々な崩壊剤、例えば澱粉および好ましくはポテトまたはタピオカもしくはコーン澱粉、アルギン酸およびある種の複合シリケートと、結合剤、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、スクロース、ゼラチン、澱粉およびアカシアゴムと共に使用できる。更に、潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルクまたは同様な型の組み合わせも、軟質および硬質ゼラチンカプセル剤におけるフィラーとして使用でき、これらはラクトース、乳糖並びに高分子量ポリエチレングリコールを含むことができる。経口投与のために、水性懸濁液および/またはエリキシルが望ましい場合、その必須の活性成分を、様々な甘味剤または香味剤、着色物質または染料、および必要ならば乳化剤および/または水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンおよび種々の同様なその組み合わせと組み合わせることができる。
懸濁液、シロップ、またはドライシロップの場合、適当な賦形剤は、特に懸濁液、シロップ、またはドライシロップを製造するために通常使用されている賦形剤である。本発明にとって、特に適したものは、濃厚な基剤の製造を可能とする賦形剤、例えば増粘剤および/またはバインダである。本発明の増粘剤およびバインダの例は、ザンタンゴム、置換セルロース、ポリビニルピロリドン(ポリビドン型)、シート状シリケート、アルギン酸塩またはアルギン酸である。所望により、2種またはそれ以上の異なる増粘剤の混合物を使用することも可能である。この増粘剤の割合は、ドライシロップ、シロップまたは懸濁液に付与すべき所定の粘度またはコンシステンシーに依存する。ドライシロップ、シロップまたは懸濁液を基準とする、ザンタンゴムの割合は、通常0.1〜1質量%なる範囲にある。置換セルロースの割合は、該セルロースの粘度レベルに依存し、また通常は、ドライシロップ、シロップまたは懸濁液を基準として、0.1〜10質量%なる範囲にある。列挙できる本発明の置換セルロースの例は、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロースまたはメチルセルロースもしくはヒドロキシプロピルセルロースである。
ポリビニルピロリドン(ポリビドン型)の割合は、ドライシロップ、シロップまたは懸濁液を基準として、通常0.1〜10質量%、好ましくは1〜5質量%なる範囲、より好ましくは2質量%である。シート状シリケート、例えばビーガム(Veegum)またはベントナイトを単独で、または水溶性増粘剤との組み合わせとして使用できる。従って、増粘剤の全割合は、有利には、ドライシロップ、シロップまたは懸濁液を基準として、0.1〜7質量%なる範囲にある。アルギン酸塩またはアルギン酸は、通常、ドライシロップ、シロップまたは懸濁液を基準として、0.1〜10質量%なる範囲の割合で添加される。更に、使用可能な製薬上の賦形剤は、不溶性の架橋されたポリビニルピロリドン(クロスポリビドン)およびミクロクリスタリンセルロースである。この場合、浮遊性の沈殿物の生成および該製剤粒子の凝集妨害が観測される。個々の活性成分単位に対するクロスポリビドンの割合は、有利には1:1〜0.5:1(質量基準)なる範囲内にある。ミクロクリスタリンセルロースもこの目的にとって適しており、その使用割合は、通常ドライシロップ、シロップまたは懸濁液を基準として、0.5〜5質量%なる範囲にある。
本発明のドライシロップ、シロップまたは懸濁液中に存在し得る、他の適当な賦形剤は、例えば香味物質(例えば、香料および甘味料)、バッファー物質、保存剤またはその他の乳化剤である。香料は、通常0.05〜1質量%なる割合で添加される。他の香味物質の例は、クエン酸等の酸、グリチルリチン酸モノアンモニウム、サッカリン、エリスリトール、アスパルテーム、ナトリウムシクラメートまたはマルトール等の甘味料であって、これらは所定の意図する結果に応じて添加される。本発明の好ましい態様において、該甘味料としてのエリスリトールは、該ドライシロップ中に、90質量%まで、好ましくは60〜80%、より好ましくは65〜75%、最も好ましくは75質量%なる量で存在する。第二の甘味料として、アスパルテームを添加することも好ましい。アスパルテームの量は、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは5質量%である。更に、0.05〜2質量%、好ましくは0.1〜1質量%なる範囲の量で、グリチルリチン酸モノアンモニウムを添加することも好ましい。乳化剤の例は、レシチン、ラウリル硫酸ナトリウム、ツイーン(Tween)またはスパン(Span)である。これらは、通常0.01〜5質量%なる範囲の割合で添加される。好ましくは、ラウリル硫酸ナトリウムを、0.1〜2.5質量%、より好ましくは1質量%なる量で使用する。保存剤、例えば安息香酸、その塩、メチル4-ヒドロキシベンゾエート、プロピル4-ヒドロキシベンゾエート、ソルビン酸またはその塩を添加することも可能である。その割合は、使用する保存剤に依存し、また通常はドライシロップ、シロップまたは懸濁液を基準として、0.1〜4質量%なる範囲にある。
該経口投与剤形は、当業者には公知の方法で作られる。復元性の粉末(ドライシロップ)を製造する場合、好ましくは該製剤と増粘剤および/またはバインダと、適当な場合には、更に賦形剤との混合物を作る。この復元用の粉末混合物を、投与の直前に、適当量の水と混合する。
特に、ドライシロップは、以下の工程(図1参照)に従って製造できる:
a) 該水溶性の活性化合物、好ましくはエピナスチン、キニーネ-塩酸塩または流酸塩、またはアセトアミノフェンを、溶媒に溶解する工程、
b) 該工程a)で得られる溶液に、多孔質吸収剤を浸漬して、該薬理的に活性な化合物を該吸収剤に吸収させる工程、
c) 該溶媒を除去する工程、
d) 少なくとも1種の苦味-マスキング剤と、少なくとも1種の製薬上許容される界面活性剤とを混合する工程、
e) 該工程d)で得たコーティング混合物を、該工程c)で得た粒子に添加する工程、および
f) 該工程e)で得られた製剤を、他の成分と共に、常法に従って造粒する工程。
本発明の製剤および投与剤形は、該エピナスチン、キニーネおよびアセトアミノフェンを使用して治療および予防できるものと考えられる、あらゆる疾患、特にアレルギー、痛み、特に慢性的な痛みおよび炎症に起因する痛み、偏頭痛、喘息、鼻炎、結膜炎、皮膚疾患、および/または気管支炎、好ましくはアレルギーの治療および予防のために使用できる。該投与剤形は、通常該特定の疾患を治療するための用量で、該特定の活性成分を含む。
従って、本発明は、上記本発明の製剤の使用、即ちアレルギー、痛み、特に慢性的な痛みおよび炎症に起因する痛み、偏頭痛、喘息、鼻炎、結膜炎、皮膚疾患、および/または気管支炎、好ましくはアレルギーの予防および/または治療用の医薬製造におけるその使用に係る。更に、本発明はまたアレルギー、痛み、特に慢性的な痛みおよび炎症に起因する痛み、偏頭痛、喘息、鼻炎、結膜炎、皮膚疾患および/または気管支炎、好ましくはアレルギーを予防および/または治療する方法にも関連し、この方法は治療上有効な量の製剤または経口服用剤形を、このような治療を必要とする対象に投与することを含む。
以下本発明を実施例に従って説明するが、本発明はこれら実施例によって制限されない。これら実施例において、特に述べない限り、全ての部は、質量%であると理解すべきである。
実施例1:ドライシロップ
Figure 2005082594
調製
該ドライシロップを、以下のようにして調製する(図1参照)。
該エピナスチン塩酸塩を、エタノールに溶解した(工程1)。得られた溶液を、該多孔質吸収剤である、アルミノメタ珪酸マグネシウムに添加し、十分に混合した(工程2)。引き続き、該混合物を80℃に加熱することによって、エタノールを除去した(工程3)。
該コーティング混合物を調製するために、該界面活性剤および中鎖脂肪酸トリグリセリドを十分に混合した(工程4)。
該工程4のコーティング混合物を、工程3で得られる粉末に添加し、十分に混合した。
最後に、得られたこの製剤を、常法に従って、上記他の成分と共に造粒した。
実施例2:サンプル(粉末製剤)の風味
以下の製剤を、実施例1に従って製造し、引き続きその風味につきテストした:
サンプル1:エピナスチン塩酸塩
サンプル2:アルミノメタ珪酸マグネシウムに吸収させた、エピナスチン塩酸塩
サンプル3:コーティング混合物で覆ったサンプル2
Figure 2005082594
結果:サンプル1およびサンプル2は、サンプル3よりも明らかに苦味が強かった。このコーティング混合物は、エピナスチン塩酸塩の苦味を、有意に抑制している。
実施例3:サンプルの風味
以下の製剤を、実施例1に従って製造し、引き続きその風味につきテストした:
サンプル4:エピナスチン塩酸塩
サンプル5:エピナスチン塩酸塩ドライシロップ+苦味を隠蔽する基本的処方物
サンプル6:苦味を隠蔽していない、エピナスチン塩酸塩ドライシロップ
Figure 2005082594
結果:サンプル4は、より一層苦味が強く、またサンプル6は、サンプル5よりも苦味が強い。このコーティング混合物は、エピナスチン塩酸塩の苦味を、有意に抑制している。
実施例4:油、脂肪、ワックス、または脂肪アルコールの含有率の決定:
Figure 2005082594
結果:サンプル10は、上記混合工程後にスラリーとなった。従って、該油の量が過剰であると考えられる。一方、サンプル7は明らかにサンプル8およびサンプル9よりも苦味が強かった。この場合、該界面活性剤を含む油の適量は、薬物担持吸収剤の量に対して、0.5〜1.2なる範囲にあると考えられる。しかし、該界面活性剤を含む油の適量は、吸収剤の吸収能力に依存する。
実施例5:界面活性剤の含有率に関する研究
Figure 2005082594
結果:サンプル11は、明らかに苦味が強く、またサンプル12は、サンプル13〜サンプル15よりも僅かに苦味が強い。これらの結果は、該油中の該界面活性剤の適当な含有率が、この場合には、該油に対して、3%を越える値であることを示唆している。
ドライシロップの製造工程を示す、工程系統図である。

Claims (21)

  1. a) 多孔質の吸収剤に吸収された、水溶性の薬理的に活性な化合物、および
    b) 薬物を担持した多孔質の吸収剤を覆うコーティングを含有し、コーティングが、製薬上許容される界面活性剤と、製薬上許容される油、脂肪、ワックス、脂肪アルコールまたは脂肪酸もしくはこれらの混合物からなる群から選択される、苦味-マスキング剤との混合物を含むことを特徴とする、製剤。
  2. 薬理的に活性な化合物が、エピナスチン、キニーネ、およびアセトアミノフェンからなる群から選択される、請求項1記載の製剤。
  3. 薬理的に活性な化合物が、エピナスチン塩酸塩である、請求項1または2記載の製剤。
  4. 多孔質吸収剤が、アルミノメタ珪酸マグネシウム、無水珪酸、炭酸カルシウム、水和二酸化ケイ素、珪酸マグネシウム、医療用炭素、シリカゲル、ミクロクリスタリンセルロース、澱粉、水酸化アルミニウムゲル、アルミニウムヒドロキシクロライド、アルミノ珪酸マグネシウム、カルボキシメチル澱粉ナトリウムまたはこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜3の何れか1項に記載の製剤。
  5. 苦味マスキング剤が、亜麻仁油、キリ油、大豆油、ピーナッツ油、ゴマ油、パーム油、乳脂肪、菜種油、コーン油、カルナウバロウ、綿実油、エステル化コーン油、オレンジ油、アーモンド油、ベニバナ油脂肪酸、酢酸トコフェロール、カミツレ油、水添大豆油、ステアリン酸、ベニバナ油、硬質脂肪、ツバキ油、ヌカ油、ヒマシ油、ココナッツ油、オリーブ油、ワセリン、オクチルデシルトリグリセリド、カカオバター、中鎖脂肪酸トリグリセリド、スクアラン、オレイン酸、クローブ油、サラシミツロウ、麦芽油、ステアリルアルコールまたはこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜4の何れか1項に記載の製剤。
  6. 界面活性剤が、アルキルアリルポリエーテルアルコール、脂肪酸の蔗糖エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン水添ヒマシ油、脂肪酸のプロピレングリコールエステル、ラウリル硫酸塩、ステアリン酸塩、脂肪酸のソルビタンエステル、脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、脂肪酸のポリオキシエチレングリセロールエステル、脂肪酸のグリセロールエステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、脂肪酸のポリオキシエチレンソルビトールエステル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、アルキルアリルスルホン酸塩、ココナッツ脂肪酸ジエタノールアミド、または脂肪酸のポリオキシエチレンソルビタンエステル、またはこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜5の何れか1項に記載の製剤。
  7. エピナスチンまたはその塩の量が、0.1〜20質量%なる範囲、好ましくは0.5〜10質量%なる範囲、より好ましくは2〜5質量%なる範囲、および特に好ましくは2.5〜5質量%なる範囲内にある、請求項1〜6の何れか1項に記載の製剤。
  8. キニーネまたはその塩の量が、1〜30質量%なる範囲、および好ましくは5〜10質量%なる範囲内にある、請求項1〜6の何れか1項に記載の製剤。
  9. アセトアミノフェンまたはその塩の量が、1〜30質量%なる範囲、および好ましくは5〜10質量%なる範囲内にある、請求項1〜6の何れか1項に記載の製剤。
  10. 薬物担持吸収剤に対するコーティング混合物の比が、0.5〜1.2なる範囲、好ましくは0.7〜1.2なる範囲にある、請求項1〜9の何れか1項に記載の製剤。
  11. 界面活性剤の量が、コーティング混合物の3質量%以上であり、好ましくは界面活性剤の量が、5〜20質量%なる範囲およびより好ましくは9〜10質量%なる範囲内にある、請求項1〜10の何れか1項に記載の製剤。
  12. 薬物担持吸収剤に対するコーティング混合物の比が、0.5〜1.2なる範囲内にあり、かつコーティング混合物中の界面活性剤の含有率が、3質量%以上である、請求項1〜11の何れか1項に記載の製剤。
  13. 薬物担持吸収剤に対するコーティング混合物の比が、0.7〜0.9なる範囲内にあり、かつコーティング混合物中の界面活性剤の含有率が、9〜10質量%なる範囲内にある、請求項1〜12の何れか1項に記載の製剤。
  14. 請求項1〜13の何れか1項に記載の製剤を含むことを特徴とする、経口投与剤形。
  15. 投与剤形が液剤である、請求項14記載の経口投与剤形。
  16. 投与剤形が、ドライシロップである、請求項14記載の経口投与剤形。
  17. 請求項1〜13の何れか1項に記載の製剤の、アレルギー、痛み、特に慢性的な痛みおよび炎症により引起される痛み、偏頭痛、喘息、鼻炎、結膜炎、皮膚疾患、および/または気管支炎、好ましくはアレルギーを予防および/または治療するための医薬処方物の製造における使用。
  18. アレルギー、痛み、特に慢性的な痛みおよび炎症により引起される痛み、偏頭痛、喘息、鼻炎、結膜炎、皮膚疾患、および/または気管支炎、好ましくはアレルギーを予防および/または治療する方法であって、請求項1〜13の何れか1項に記載の製剤または請求項14〜16の何れか1項に記載の経口投与剤形の、治療上有効な量を、このような治療を必要とする対象に、投与することを特徴とする、上記方法。
  19. 請求項1〜13の何れか1項に記載の製剤の製法であって、
    a) 水溶性の薬理的に活性な化合物を、溶媒に溶解する工程、
    b) 工程a)で得られる溶液に、多孔質吸収剤を浸漬して、薬理的に活性な化合物を吸収剤に吸収させる工程、
    c) 溶媒を除去する工程、
    d) 苦味-マスキング剤と、製薬上許容される界面活性剤とを混合する工程、および
    e) 工程d)のコーティング混合物を、工程c)で得られる粒子に添加する工程、を含むことを特徴とする、上記方法。
  20. 請求項1〜13の何れか1項に記載の製剤を、少なくとも1種の製薬上許容される不活性な賦形剤と混合することを特徴とする、経口投与剤形の製造方法。
  21. ドライシロップの製造方法であって、
    a) 水溶性の薬理的に活性な化合物を、溶媒に溶解する工程、
    b) 工程a)で得られる溶液に、多孔質吸収剤を浸漬して、薬理的に活性な化合物を吸収剤に吸収させる工程、
    c) 溶媒を除去する工程、
    d) 苦味-マスキング剤と、製薬上許容される界面活性剤とを混合する工程、
    e) 工程d)のコーティング混合物を、工程c)で得られる粒子に添加する工程、および
    f) 工程e)で得られる製剤を、他の成分と共に、常法に従って造粒する工程、
    を含むことを特徴とする、上記方法。
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