JP3247511B2 - 医薬用組成物 - Google Patents

医薬用組成物

Info

Publication number
JP3247511B2
JP3247511B2 JP22194393A JP22194393A JP3247511B2 JP 3247511 B2 JP3247511 B2 JP 3247511B2 JP 22194393 A JP22194393 A JP 22194393A JP 22194393 A JP22194393 A JP 22194393A JP 3247511 B2 JP3247511 B2 JP 3247511B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drug
coating
water
surfactant
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP22194393A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0776517A (ja
Inventor
浩也 菅尾
剛士 松下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP22194393A priority Critical patent/JP3247511B2/ja
Publication of JPH0776517A publication Critical patent/JPH0776517A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3247511B2 publication Critical patent/JP3247511B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薬物の不快な味を軽減
し、かつ用時水に懸濁した後も長時間薬物の不快な味の
漏出を抑制するとともに、消化管に移行した際の薬物の
溶出を速やかに達成することにより、薬物のバイオアベ
イラビリティ(生物学的利用率)を損なうことのない医
薬用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】医薬品が苦味などの不快な味を有する場
合、患者が散剤、粒剤、ドライシロップ剤として服用す
ることは多大な苦痛となり、特に小児は吐き出したりし
てコンプライアンス上好ましいとは言えない。
【0003】ドライシロップ剤は処方、服用の簡便さか
ら小児用剤形として選択されるが、用時水に懸濁した
後、長時間薬物の不快な味の漏出を抑制するとともに、
消化管に移行した際の薬物の溶出を速やかに達成したも
のは、これまで開発されていないのが現状である。従
来、医薬品において、苦味を有する物質の苦味を軽減さ
せる方法として、硬化油およびマクロゴールまたはこれ
に界面活性剤を添加した組成物を溶融し、これに苦味を
有する物質を懸濁させ、噴霧、固化して得られる細粒
が、主薬の溶出性を低下させることなく苦味を抑制でき
る旨が特開昭54−95719号公報に掲載されてい
る。また、薬物を溶融したステアリン酸中に分散し、二
重ノズルを用いて噴霧、固化させる方法が、特開昭63
−303928号公報に掲載されている。
【0004】しかしながら、これらの技術が代表する従
来技術においては、口中で1分程度のマスキングが可能
であり、散剤、粒剤として利用することは可能である
が、水易溶性で不快な味を有する薬物の散剤化、粒剤
化、ドライシロップ剤化に最適な技術とは言い難いもの
であった。特に、従来技術においては、噴霧、固化して
得られる造粒物は通常その大きさ、形状が不均一であ
り、また突起、窪み等がある(表面積が大きい)ため、
造粒物の表面を全て被覆するために多量のマスキング基
剤(被覆剤)が必要となり、高投与量の抗生物質のドラ
イシロップ剤化に適するものではなかった。また、マス
キングを十分に行うため多量の被覆剤により造粒物を被
覆すると、消化管での速やかな薬物の溶出が行われず、
バイオアベイラビリティの低下を招くという問題があっ
た。このように、従来においては、水懸濁後服用するド
ライシロップ剤において、水懸濁後長時間の苦味マスキ
ングおよび消化管内における薬物の速やかな溶出を考慮
した技術は開発されていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、薬物の不快
な味を軽減させ、用時水に懸濁して服用が可能であり、
かつ消化管での溶出性に優れた医薬用組成物を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、水易溶性で不快な味を有する薬物
を含有した粒子径50ないし250μmであるワックス
状物質からなる微小球形粒子に、疎水性物質及び/又は
水不溶性高分子の組み合わせである(a)ステアリン酸
及び界面活性剤、(b)ステアリン酸、界面活性剤、及
び胃溶性高分子もしくは腸溶性高分子、あるいは(c)
硬化油及び胃溶性高分子もしくは腸溶性高分子、のいず
れかからなる被膜を被覆してなる被覆粒子を含有するこ
とを特徴とするドライシロップ剤が提供される。
【0007】本発明に係るドライシロップ剤は、水に分
散後数時間〜数日間薬物の不快な味を充分マスキング
し、pH依存型溶解性高分子の被覆により薬物のバイオ
アベイラビリティを損なうことなく、酸性あるいはアル
カリ溶液中で速やかに溶出するものである。本発明で
は、水易溶性で不快な味を有する薬物を含有した粒子径
50ないし250μmであるワックス状物質からなる微
小球形粒子に、疎水性物質及び/又は水不溶性高分子の
組み合わせである(a)ステアリン酸及び界面活性剤、
(b)ステアリン酸、界面活性剤、及び胃溶性高分子も
しくは腸溶性高分子、あるいは(c)硬化油及び胃溶性
高分子もしくは腸溶性高分子、のいずれかからなる被膜
を被覆してなる被覆粒子を使用することにより、ドライ
シロップ剤を得ることが可能となる。更に、水易溶性で
不快な味を有する薬物を含有した粒子径50ないし25
0μmであるワックス状物質からなる微小球形粒子を使
することにより、均一な厚みの被膜層を被覆すること
が可能となり、被覆にムラがなく効率よく一定の品質を
有するドライシロップ剤を得ることが可能となる。ま
た、本発明のドライシロップ剤の製剤化工程中、薬物は
水または有機溶媒と触れることが抑制されるため、水ま
たは有機溶媒により容易に分解したり変化する薬物に有
用である。
【0008】以下、本発明の医薬用組成物について詳細
に説明する。本発明において適用可能な、また好ましく
適用できる薬物としては、水に易溶性で不快な味を有す
るもの、あるいは水または有機溶媒により容易に分解し
たり変化するもの、さらにはこれら両方の短所を有する
もの、例えば、塩化ベルベリン、ジギトキシン、スルピ
リン、塩酸エチレフリン、塩酸ジルチアゼム、塩酸プロ
プラノロール、クロラムフェニコール、アミノフィリ
ン、エリスロマイシン、ジョサマイシン、クラリスロマ
イシン、フェノバルビタール、パントテン酸カルシウ
ム、塩酸インデロキサジン、塩酸アミノグアニジン、
3,4’−ジデオキシ−マイカミノシルタイロノライド
(特開平2−275894号を参照)等が挙げられる。
【0009】本発明において、微小球形粒子は薬物を含
有するが、薬物と共に微小球形粒子を構成する基剤とし
てワックス状物質を用いることが好ましい。使用するワ
ックス状物質としては、通常医薬品添加物として使用さ
れている融点が40〜90℃のもので、薬物を溶融また
は分散後、微小球形粒子に形成され得るものであれば特
に制限されない。例えば、硬化ヒマシ油、硬化大豆油、
硬化ナタネ油等の各種硬化油;ステアリルアルコール、
セタノール等の高級アルコール;ステアリン酸、パルミ
チン酸等の高級脂肪酸;カルナウバロウ、牛脂、蜜ロ
ウ、さらし蜜ロウ等の植物性または動物性脂肪またはロ
ウ;マクロゴール2000、マクロゴール4000、マ
クロゴール6000、マクロゴール20000等のポリ
エチレングリコール類;ソルビタン脂肪酸エステル、シ
ョ糖脂肪酸エステル、高級脂肪酸モノグリセライド、ポ
リオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン、
ポリオキシプロピレングリコール、ラウリル硫酸ナトリ
ウム等の界面活性剤が挙げられる。
【0010】本発明において微小球形粒子の基剤として
使用するワックス状物質の量としては、薬物を溶融また
は分散し得る量であれば特に制限されない。しかしワッ
クス状物質を多量に使用する場合、1回当たりの服用量
も増加するため多量の服用を必要とする薬物には不適で
ある。好ましくは薬物1重量部に対してワックス状物質
0.25〜10重量部、更には0.5〜2重量部が好適
である。ワックス状物質が0.25重量部未満では、薬
物を溶融または分散させるに十分量とは言い難い。また
ワックス状物質が10重量部を越える量では、前記理由
により好ましくない。
【0011】次に、本発明において、微小球形粒子を被
覆する被膜成分として使用する水不溶性高分子として
は、通常医薬品添加物として使用されている胃溶性又は
腸溶性のpH依存型溶解性高分子で、有機溶媒に可溶で
あれば特に制限されない。例えば、メタアクリル酸コポ
リマーE、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテ
ート等の胃溶性高分子;ヒドロキシプロピルメチルセル
ロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
スアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセ
ルロース、メタアクリル酸コポリマーL、メタアクリル
酸コポリマーLD等の腸溶性高分子が挙げられる。
【0012】同様に、本発明の被膜成分として使用する
疎水性物質としては、通常医薬品添加物として使用され
ているもので、有機溶媒に可溶なものであれば特に制限
されない。例えば、硬化ヒマシ油、硬化大豆油、硬化ナ
タネ油等の各種硬化油;ステアリン酸、パルミチン酸等
の高級脂肪酸;ステアリルアルコール、セタノール等の
高級アルコール等が挙げられる。
【0013】ここで使用する有機溶媒としては、水不溶
性高分子および疎水性物質が溶解するものであれば特に
制限されないが、例えばジクロロメタン、ジクロロエタ
ン、クロロホルム、メタノール、エタノール、イソプロ
パノール、ブタノール、ジエチルエーテル、アセトン、
テトラヒドロフラン、酢酸エチル等が挙げられる。更
に、使用する水不溶性高分子、疎水性物質により溶解度
が異なるため、適宜有機溶媒を選択する必要があるが、
使用する有機溶媒の量は自然環境保護の観点から可能な
限り抑制する必要があるため、有機溶媒に対して5%以
上の溶解度を有するものが好ましい。
【0014】本発明においては、被膜成分として界面活
性剤を含有させることが好ましい。界面活性剤として
は、通常医薬品添加物として使用されているものであれ
ば特に制限されない。例えば、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、ショ糖脂肪酸エステル、高級脂肪酸モノグリセライ
ド、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレングリコール、ラウリル硫酸ナ
トリウム等が挙げられる。これら界面活性剤の添加目的
としては、高濃度被覆成分液からの疎水性物質の析出防
止、微小球形粒子への被膜性改善(均一な膜厚による削
れ防止)、噴霧法による被覆工程におけるスプレーガン
の目詰まり防止等が挙げられる。
【0015】被膜成分として使用する界面活性剤の量と
しては、上記目的を達成し得る量であれば特に制限され
ない。しかし、被膜性等を考慮したとき、疎水性物質及
び/または水不溶性高分子からなる被膜の量に対して界
面活性剤0.01〜10重量%が好ましい。更に0.1
〜1.0重量%が好適であり、0.25〜0.75重量
%が最適である。界面活性剤が0.01重要%未満ある
いは10重量%超の場合においては前記目的の被膜性に
問題がある。
【0016】本発明において微小球形粒子を被覆する被
膜量としては、最低量微小球形粒子を被覆する量であれ
ば特に制限されない。しかし、水懸濁後、薬物の不快な
味を抑制し、更に消化管において薬物の速やかな溶出を
達成し、かつ被膜の均一な被覆厚さを達成する量として
は、微小球形粒子に対して被膜成分10〜100重量%
が好ましく、更に20〜50重量%が好適である。
【0017】本発明では上記のとおり、薬物を含有する
微小球形粒子を用いるものであるが、微小球形粒子とし
ては、均一な粒子径を有するものであれば特に制限され
ない。ここで、均一な粒子径とは実質的に均一であれば
よく、また後続の製剤化工程を考慮すると、粒子径及び
粒度分布としては50〜250μmの範囲が好ましく、
100〜200μmが更に好適である。この粒子径の場
合には、口中における違和感を回避することが可能であ
る。
【0018】本発明においては、均一な粒子径を有する
微小球形粒子を用いることが極めて重要である。即ち、
微小球形粒子に、ステアリン酸及び界面活性剤、ステア
リン酸、界面活性剤、及び胃溶性高分子もしくは腸溶性
高分子、あるいは硬化油及び胃溶性高分子もしくは腸溶
性高分子、からなる被膜を造粒機、特に流動層造粒機を
用いて被覆する場合、微小球形粒子の粒子径が均一でな
いと、被覆層の厚さが不均一になり易く、その結果苦み
のマスキング度合および溶出速度が粒子間で異なるとい
う事態が生じる。なお、本発明でいう「長時間」とは、
本発明に医薬組成物を水に分散した場合にも苦み成分の
実質的な溶出を認めない時間である、12時間以上を意
味する。また、本発明でいう、「速やかな」とは日本薬
局方溶出試験法第2法により、崩壊試験法第1液または
第2液を用いて試験を行うとき、薬物の75%溶出時間
が、49.9分以内であることを意味する。
【0019】本発明の製剤化は、例えば以下の方法によ
り行なうことが可能である。まず、薬物を、溶融した融
点40〜90℃のワックス状物質中に溶融または分散さ
せる。次いで、この溶融液を適当な液送ポンプを用いて
高速で回転するディスク上に滴下する。滴下された液は
ディスクの遠心力により飛散し、落下途中に冷却固化し
微小球形粒子が得られる。次に、微小球形粒子を流動層
造粒機中で流動させながら、被膜成分を含む液をスプレ
ーガンから噴霧する。微小球形粒子に被膜成分を被覆し
た後、更に通常医薬品添加物として使用されている各種
添加剤を加えて造粒し、各種製剤を得る。
【0020】
【発明の効果】本発明に係るドライシロップ剤は、水懸
濁後数時間〜数日間の長時間・長期間にわたる味のマス
キング、消化管内における溶出性、バイオアベイラビリ
ティに優れている。また、その他にも以下に述べる優れ
た効果を奏する。(1) 薬物は水又は有機溶媒を使用せず、微小球形粒子
に含有されるため、これらの溶媒に不安定な薬物にも適
用可能である。(2) 微小球形粒子の粒子径を任意に調節可能であり
ライシロップ剤等に特に適用可能である。(3) 均一の粒子径を有する微小球形粒子を用いるた
め、被覆にムラがなく効率よく一定の品質を有する医薬
用組成物が得られる。(4) 微小球形粒子を被覆する成分の種類、比率および
被覆量を調節することにより、水懸濁後のマスキングの
程度(懸濁後何時間マスキングさせるか)及び消化管に
おける溶出性を自由に調節可能である。従って、ドライ
シロップ剤として最適な粒子径、被膜厚さ等を選択、制
御することができる。(5) 微小球形粒子の粒子径は好ましくは250μm以
下であり、口中における違和感を回避することが可能で
ある。
【0021】
【実施例】以下、本発明に係るドライシロップ剤の製造
方法について実施例を挙げて具体的に説明するが、本発
明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0022】[予備試験]本発明の目的を達成し得るド
ライシロップ製剤の製造方法を追究するために、まず官
能試験により苦味の閾値を求めた。
【0023】(苦みのin vitro評価) 1)3,4’−ジデオキシ−マイカミノシルタイロノライ
ド(以下、薬物Xと略す。)単独での苦み閾値試験 精製水で充分に口をゆすいだ後、薬物Xの水溶液(25
〜200μg/ml)10mlを口に含んだ。約10秒
後に口内の内容物を吐き出し口をゆすいだ。この時の味
に対する官能評価を行った。評価は以下の段階に分けて
行った。結果を表1に示す。 1:水と同じ味。 2:水と差が認められる。 3:僅かに苦みを感じる。 4:苦みを感じる。 5:苦みを強く感じる。 閾値試験結果:表1の結果から、薬物X単独での苦み閾
値は50μg/ml程度と判断した。
【0024】
【表1】
【0025】2)矯味剤を加えた場合の苦み閾値試験 薬物Xの水溶液(200〜1000μg/ml)8ml
に精製白糖2.5g、サッカリンナトリウム1mgを加
え、1)と同様の実験を行った。評価は以下の5段階に分
けて行った。結果を表2に示す。 1:極めて甘い。 2:甘い。 3:僅かに苦みを感じる。 4:苦みを感じるが我慢できる。 5:我慢できない。 閾値試験結果:矯味剤を加えた場合の苦み閾値は300
μg/ml程度と判断した。
【0026】
【表2】
【0027】(実施例1)塩酸アミノグアニジン500
gを約80℃で溶融させたステアリン酸(63ステアリ
ン、川研ファインケミカル製)500g中に添加し、ホ
モジナイザーを用いて分散した。この分散液を高速で回
転するディスク上に滴下、飛散させ微小球形粒子約95
0gを得た。この微小球形粒子に、63ステアリン 1
0%(以下、%はすべて重量%を示す。)、ショ糖脂肪
酸エステル(リョートーシュガーエステルS−370F
三菱化成製)0.5%の2成分を含有する塩化メチレ
ン溶液を噴霧して、25、40、50%コート品を得
た。
【0028】日本薬局方溶出試験法第2法により、試験
液として崩壊試験法第2液(pH6.8)を500ml
用いて、100回転で試験を行った。別にコート粒子を
薬物として300mg相当量とり、水10mlを加えて
振とう、分散した後冷蔵庫中で保存した。1〜3日後、
この分散液をミリポアフィルター(φ=0.45μm)
でろ過し、測定波長210nmで吸光度測定して、薬物
溶出量を求めた。同時に分散液を口に含み、味の官能試
験を行った。その結果を表3に示す。
【0029】
【表3】
【0030】[実験例] (実験方法)実施例1で得られた微小球形粒子(未コー
ト品)について、日本薬局方溶出試験法第2法により試
験を行った。試験液として、崩壊試験法第1液(pH
1.2)、第2液(pH6.8)および精製水を500
ml用いて100回転で行った。 (結果・考察)溶出試験の結果、いずれの試験液におい
ても、約3分で薬物溶出量は100%を示した。この実
験結果から、水懸濁後数分で口中において不快な味を呈
することが予想された。しかしながら、微小球形粒子
(コート品)の味の官能試験の結果が示すとおり、本発
明では水懸濁後3日経過したものにおいても苦みは認め
られず、本発明は有用性が高いことが明白である。
【0031】(実施例2)実施例1と同様の方法で製造
した微小球形粒子に、硬化ナタネ油(ラブリーワックス
103 フロイント産業製)9%、ポリビニルアセター
ルジエチルアミノアセテート(AEA 三共)1%の2
成分を含む塩化メチレン溶液を噴霧して、100%コー
ト品を得た。日本薬局方溶出試験法第2法により、試験
液として崩壊試験法第1液(pH1.2)及び水500
mlを用いて、100回転で試験を行った。その結果を
図1に表す。
【0032】(実施例3)薬物X 500gを約80℃
で溶融させた63ステアリン750g中に添加、ホモジ
ナイザーを用いて分散した。その後、実施例1と同様の
方法により50、55%コート粒子を得た。次いで、以
下の処方製造法により10%ドライシロップとした。
【0033】50%コート粒子を用いた場合 50%コート粒子150g(薬物Xの40g相当量)に
流動化剤である軽質無水ケイ酸(アドソリダー101
フロイント産業製)1.5g,賦形剤である精製白糖2
33.9g、造粘剤であるカルボキシメチルセルロース
のナトリウム塩(CMC−Na、第一工業製薬製)8g
を加え混合する。この混合粉末を流動層造粒機を用いて
造粒する。結合剤としてHPC−SL(日本曹達製)1
0g、界面活性剤であるSLS(日光ケミカルズ製)
0.6g、甘味剤であるアスパルテーム(味の素製)
1.6g、酸味剤である酒石酸1.2g、色素である黄
色5号アルミニウムレーキ(三栄化学工業製)0.4g
を水に溶解または分解させて100gとしたものを用い
る。乾燥後、軽質無水ケイ酸0.4g、香料であるオレ
ンジミクロン(高砂香料工業製)0.4gを混合し、全
量400gの10%ドライシロップとする。
【0034】55%コート粒子を用いた場合 55%コート粒子155g(薬物Xの40g相当量)に
軽質無水ケイ酸1.55g、精製白糖227.85g、
その他の添加剤は上記と同一量加えて全量400gの1
0%ドライシロップとする。日本薬局方溶出試験法第2
法により、試験液として崩壊試験法第2液(pH6.
8)を500ml用いて、100回転で試験を行った。
別に10%ドライシロップ1gをとり、水4mlを加え
て振とう、分散し、冷蔵庫中で保存した。1〜14日
後、この分散液をミリポアフィルター(φ=0.45μ
m)でろ過し、測定波長281nmで吸光度測定して、
薬物溶出量を求めた。同時に分散液を口に含み、味の官
能試験を行った。結果を表4に示す。
【0035】
【表4】
【0036】(実施例4)実施例3と同様の方法で微小
球形粒子を製造した後、63ステアリン10%、ショ糖
脂肪酸エステル0.5%、メタアクリル酸コポリマーL
(オイドラギットL,ローム・ファーマ社製)2%の3
成分を含有するメタノール溶液を噴霧して、40%コー
ト品を得た。次いで、実施例3と同様の方法で10%ド
ライシロップを製造した。日本薬局方溶出試験法第2法
により、試験液として崩壊試験法第2液(pH6.8)
を500ml用いて、100回転で試験を行った。別に
10%ドライシロップ1gをとり、水4mlを加えて振
とう、分散し、冷蔵庫中で保存した。1〜12時間後、
この分散液をミリポアフィルター(φ=0.45μm)
でろ過し、測定波長281nmで吸光度測定して、薬物
溶出量を求めた。同時に分散液を口に含み、味の官能試
験を行った。結果を表5に示す。
【0037】
【表5】
【0038】上記実施例に示す通り、製剤を水に分散し
た後の薬物溶出量の測定結果から、本発明の製剤は、シ
ロップ剤として調製した場合、調製後12時間〜2週間
苦みを隠ぺいできることが明らかとなった。このこと
は、シロップの調製を服用毎に行う必要がなく、数日分
を一度に調製し保存することが可能であることを示す。
このことは実用性を考慮した場合、非常に有益である。
【0039】
【0040】
【0041】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2における溶解量を示すグラフである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 47/44 A61K 47/30 A61K 9/50

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水易溶性で不快な味を有する薬物を分散
    した粒子径50ないし250μmであるワックス状物質
    からなる微小球形粒子に、(a)ステアリン酸及び界面活性剤、 (b)ステアリン酸、界面活性剤、及び胃溶性高分子も
    しくは腸溶性高分子、あるいは (c)硬化油及び胃溶性高分子もしくは腸溶性高分子、 のいずれか からなる被膜を被覆してなる被覆粒子を含有
    することを特徴とするドライシロップ剤
  2. 【請求項2】 水易溶性で不快な味を有する薬物が抗生
    物質であり、ワックス状物質が硬化油または高級脂肪酸
    であり、界面活性剤がショ糖脂肪酸エステルである請求
    項1記載の製剤
  3. 【請求項3】 微小球形粒子の重量に対し、被膜を10
    〜100重量%被覆させた請求項1または2記載の
JP22194393A 1993-09-07 1993-09-07 医薬用組成物 Expired - Fee Related JP3247511B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22194393A JP3247511B2 (ja) 1993-09-07 1993-09-07 医薬用組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22194393A JP3247511B2 (ja) 1993-09-07 1993-09-07 医薬用組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0776517A JPH0776517A (ja) 1995-03-20
JP3247511B2 true JP3247511B2 (ja) 2002-01-15

Family

ID=16774591

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22194393A Expired - Fee Related JP3247511B2 (ja) 1993-09-07 1993-09-07 医薬用組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3247511B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2529731A1 (en) 2011-06-01 2012-12-05 Nitto Denko Corporation Particulate preparation and method for producing the same
US8420115B2 (en) 2004-06-03 2013-04-16 Taisho Pharmaceutical Co., Ltd. Oral preparations and process for production thereof

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100359252B1 (ko) * 1999-12-21 2002-11-04 주식회사 엘지생명과학 항원을 포함하는 고체상 미세입자 및 이를 포함하는 제제
JP4706096B2 (ja) * 2000-10-23 2011-06-22 大正製薬株式会社 不快な味を呈する塩基性薬物配合製剤
JP2002138034A (ja) * 2000-10-27 2002-05-14 Kyoto Pharmaceutical Industries Ltd 苦味マスキングチュアブル錠およびその製造方法
FR2821745B1 (fr) * 2001-03-09 2004-07-02 Ethypharm Lab Prod Ethiques Granules et granules enrobes au gout masque
JP4310605B2 (ja) 2001-05-25 2009-08-12 大塚製薬株式会社 医薬用組成物
JP4808612B2 (ja) * 2003-04-25 2011-11-02 田辺三菱製薬株式会社 アルキレンジオキシベンゼン誘導体を含む経口投与用組成物
JP4575654B2 (ja) * 2003-09-05 2010-11-04 エスエス製薬株式会社 溶解性と流動性を改善した医薬組成物
JP4945917B2 (ja) * 2005-01-19 2012-06-06 大正製薬株式会社 薬物含有コーティング用核粒子
JP5132090B2 (ja) * 2006-06-16 2013-01-30 東和薬品株式会社 塩酸エピナスチンドライシロップ剤
JP5676251B2 (ja) * 2008-04-01 2015-02-25 サントリーホールディングス株式会社 油脂コーティング粉末の顆粒

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8420115B2 (en) 2004-06-03 2013-04-16 Taisho Pharmaceutical Co., Ltd. Oral preparations and process for production thereof
EP2529731A1 (en) 2011-06-01 2012-12-05 Nitto Denko Corporation Particulate preparation and method for producing the same

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0776517A (ja) 1995-03-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR950005864B1 (ko) 서방성 제제 및 그의 제조방법
US4716041A (en) Diffusion coated multiple-units dosage form
AU623177B2 (en) Granular pharmaceutical formulations
US20070148235A1 (en) Pharmaceutical composition
PL175569B1 (pl) Środki farmaceutyczne o szybkim uwalnianiu substancji czynnej i wysokiej biodostępności, o smaku maskowanym i sposób wytwarzania środków farmaceutycznych o szybkim uwalnianiu substancji czynnej i wysokiej biodostępności, o smaku maskowanym.
JPH08505841A (ja) 味を隠された医薬材料
JP3247511B2 (ja) 医薬用組成物
JP2001172201A (ja) 経口投与形のための味をマスキングするコーティングとしてのフィルム被覆の使用、経口投与形及びその製造法
KR100943347B1 (ko) 의약용 조성물
AU2004251541B2 (en) Sustained drug-release particles and process for producing the same
JPH04312524A (ja) 徐放性製剤およびその製造法
EP0862421B1 (en) Prompt-release pharmaceutical compositions
JP4779970B2 (ja) 経口製剤およびその製造方法
KR100913281B1 (ko) 서방 제제 및 그의 제조 방법
JP3466921B2 (ja) 味マスキング医薬製剤
JP2892858B2 (ja) 放出制御製剤およびその製造法
JP4716063B2 (ja) 不快味マスキング粒子及びこれを含有する経口製剤
KR100187540B1 (ko) 속방성 피복 제제 및 이의 제조방법
JP2002003366A (ja) 固形薬剤用水系コーティング剤組成物
JP6733499B2 (ja) ソリフェナシン含有医薬組成物とその製造方法
JP3628401B2 (ja) 無溶媒腸溶性コーティング剤された腸溶性製剤
KR20120135063A (ko) 입자 제제 및 그 제조 방법
JP2005343800A (ja) 被覆カフェイン粒子、固形製剤および眠気防止薬
EP4051231A1 (en) Oral pharmaceutical composition comprising a melt-agglomerated active ingredient core
JPH0761962B2 (ja) 被覆細粒剤の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20011023

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071102

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081102

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091102

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091102

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees