JP2005079122A - 結晶性薄膜の作製方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】非晶質薄膜を基板上に堆積し、ついで非晶質薄膜の結晶化温度以上の温度で熱処理して結晶性薄膜を作製する方法において、該非晶質薄膜の結晶化温度以下で軟化する材料からなる薄膜を該非晶質薄膜上にコーティングした後に熱処理し、ついでそのコーティングされた薄膜を除去することを特徴とする結晶性薄膜の作製方法。非晶質薄膜は気相法もしくは液相法により基板上に堆積される。非晶質薄膜としては酸化物、窒化物もしくはシリコンが挙げられる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、結晶性薄膜の作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
透明導電性酸化膜に代表される薄膜表面のナノレベルでの表面平坦化(平滑化)は、表示デバイス等の微細化および多層配線プロセスの進展とともに特性向上に不可欠である。しかしながら、従来、ナノレベルで平坦な結晶性薄膜を得るためには、高温で成膜した後、化学的研磨等の研磨手段によるのが通常である。低温で成膜すると、一般的に表面は平坦であるが、結晶化せずに非晶質膜となる。高温で成膜すると結晶粒の成長により表面がかなり荒れ、研磨してもナノレベルで平坦な膜表面は得られにくい。また、低温で成膜した後に熱処理しても結晶粒の成長により同様のことが生じ、ナノレベルで平坦な膜表面は得られにくい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ナノレベルで平坦な結晶性薄膜を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、非晶質薄膜を基板上に堆積し、ついで熱処理して結晶性薄膜を作製する方法において、該非晶質薄膜の結晶化温度以下で軟化する材料からなる薄膜を該非晶質薄膜上にコーティングした後に熱処理し、ついでそのコーティングされた薄膜を除去することを特徴とする結晶性薄膜の作製方法を要旨とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の結晶性薄膜の作製方法においては、非晶質薄膜を基板上に堆積し、非晶質薄膜の結晶化温度以下で軟化する材料からなる薄膜をその非晶質薄膜上にコーティングした後に熱処理し、ついでそのコーティングされた薄膜を除去する。
【0006】
非晶質薄膜としては通常、酸化物、窒化物もしくはシリコンが挙げられる。この酸化物としては特に制限されないが、SnO2、In2O3、ZnO、TiO2、CeO2、WO3等の半導体、SiO2、Ta2O5、Al2O3、Y2O3、Sm2O3等の絶縁材料、BaTiO3、SrTiO3、PbTiO3、CaTiO3等の誘電体、その他超電導体等が挙げられる。窒化物としてはSi3N4等が挙げられる。これらの非晶質薄膜は気相法もしくは液相法により基板上に堆積される。
【0007】
基板としては、目的に応じてセラミック、ガラス、プラスチック、シリコン、金属等から選ばれる。この気相法は常法によることができ、たとえばマグネトロンスパッタリング、反応性スパッタリング等のスパッタ法、電子ビーム蒸着法等の蒸着法等が好適に用いられる。堆積条件は、実質的に非晶質薄膜を形成する条件であれば特に制限されない。また、液相法としてはゾル−ゲル法が好適に使用され、通常、成分元素の金属アルコキシドをアルコール等の溶媒に溶かした原料溶液を、スピンコーティング法もしくは浸漬法等により基板に塗布し、乾燥後に仮焼して非晶質薄膜を得る。
【0008】
非晶質薄膜の厚さは目的に応じて選ばれるが、通常 1nm〜100μm程度である。
【0009】
非晶質薄膜の結晶化温度以下で軟化する材料としては、ソーダ石灰ガラス等の各種のガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等のポリマー、もしくはFe−Co−Ni−P、Zr−Al−Ni−Cu等の金属ガラス、から選ばれるのが通常である。好適には、非晶質薄膜の結晶化温度以下で軟化する材料としては結晶化温度未満、さらに好ましくは結晶化温度より30℃以上低い温度で軟化する材料が使用され、各種のガラスが最も好適に使用される。これらの材料からなる薄膜(通常、厚さ1nm〜10nm程度)をその非晶質薄膜上にコーティングした後に熱処理すると、熱処理温度以下で軟化する材料の粘性的な流動により非晶質薄膜の表面粒成長が抑制される。
【0010】
熱処理温度は、非晶質薄膜を結晶化して結晶性薄膜を形成するのに十分な温度から選ばれ、非晶質薄膜の種類、その製法等により異なるが、たとえば100〜1000℃程度の範囲から選ばれるのが通常である。したがって、非晶質薄膜の結晶化温度以下で軟化する材料も、100〜1000℃程度の範囲で軟化点を有するものから選択される。
【0011】
本発明においては、上記の熱処理時に高温状態で非晶質薄膜表面をガラス等の高い粘性の薄膜(融液)が濡らしているので、表面での自由な結晶粒成長が抑制されるために平坦な結晶膜表面が得られると推測される。
【0012】
ついで、本発明によれば上記熱処理後に、コーティングされた薄膜の除去はエッチングにより行われる。エッチングとしてはドライエッチング、もしくはたとえばリン酸を用いるウェットエッチングが好適である。
【0013】
さらに、本発明によれば、非晶質薄膜の表面形状を維持したままで結晶性薄膜を形成しうるので、たとえば溝を有するような、微細で複雑な形状の結晶性薄膜作製にも最適である。
【0014】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されない。
実施例1〜3および比較例1〜3
極めて平坦なサファイア基板上にパルスレーザー堆積(PLD)法を用いて、極めて平坦な非晶質ITO(Snドープ酸化インジウム)を得た。すなわち、波長248nmのKrFエキシマレーザー(3J/cm2、5Hz)を超高真空内(背圧1.0×10−8Torr)に置かれたITO焼結体ターゲット上に、レンズで集光照射し、約30nm堆積することにより得られた(基板温度は室温)。この非晶質ITOの表面粗さを示す指数RMS(平均二乗粗さ)は0.16nmと非常に平坦な値を示した。ついで、非常に平坦な結晶性ITOの作製を目的として、超高真空中、700℃で1時間、熱処理したところ、図2の原子間力顕微鏡写真に示されるように粒成長して結晶化した表面が観察され、非常に平坦な結晶性ITOは作製されなかった(RMS値は3.11nmであった。)(比較例1)。
【0015】
そこで、PLD法(レーザーエネルギー密度4J/cm2、1Hz)によりソーダ石灰ガラス(軟化点550℃)(組成:SiO270.6wt%;Na2O14.0wt%;CaO10.2wt%;Al2O32.6wt%;Fe2O30.15wt%;MgO0.5wt%;K2O1.8wt%;およびSO30.12wt%)の超薄膜(厚さ4nm)を非晶質ITOの表面に室温で被覆し、その後、超高真空中、700℃(結晶化温度以上)で3時間熱処理して結晶性ITOを得、ついでソーダ灰ガラス超薄膜のみをウェットエッチング(エッチング液としてリン酸を使用)により除去した。その結果、図1の原子間力顕微鏡写真に示されるように結晶性ITOの表面はサファイア基板のステップ形状を維持し、また表面粗さRMSも0.26nmと非常に平坦な表面形状が確認された。熱処理による結晶化はX線回折構造分析を用いて確認した。その結果、ガラス薄膜の被覆後に熱処理したITOは、表面平坦性を維持したまま、ガラス薄膜の被覆無しの熱処理の場合と同様な結晶性を有しており、結晶性であり、かつナノレベルで平面平坦なITO薄膜が作製されていることが確認された(実施例1)。
【0016】
実施例1と同様にして、CeO2(実施例2)およびTiO2(実施例3)について平面平坦な結晶性薄膜が得られた。表面粗さRMS値はそれぞれ0.33nmおよび0.17nmであった。なお、比較例1と同様にガラス薄膜を行わないで得られたCeO2(比較例2)およびTiO2(比較例3)の表面粗さRMS値は、それぞれ1.52nmおよび1.28nmであった。
【0017】
【発明の効果】
本発明によれば、ナノレベルで平坦な結晶性薄膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた結晶性ITO薄膜の原子間力顕微鏡写真(結晶の粒子構造)を示す。
【図2】比較例1で得られた結晶性ITO薄膜の原子間力顕微鏡写真(結晶の粒子構造)を示す。
Claims (7)
- 非晶質薄膜を基板上に堆積し、ついで非晶質薄膜の結晶化温度以上の温度で熱処理して結晶性薄膜を作製する方法において、該非晶質薄膜の結晶化温度以下で軟化する材料からなる薄膜を該非晶質薄膜上にコーティングした後に熱処理し、ついでそのコーティングされた薄膜を除去することを特徴とする結晶性薄膜の作製方法。
- 非晶質薄膜が気相法もしくは液相法により基板上に堆積される請求項1記載の結晶性薄膜の作製方法。
- 非晶質薄膜が酸化物、窒化物もしくはシリコンである請求項1もしくは2記載の結晶性薄膜の作製方法。
- 非晶質薄膜の結晶化温度以下で軟化する材料からなる薄膜がガラス、ポリマーもしくは金属ガラスから選ばれる請求項1〜3のいずれか記載の結晶性薄膜の作製方法。
- 熱処理時に、非晶質薄膜の結晶化温度以下で軟化する材料の粘性的な流動により非晶質薄膜の表面粒成長が抑制される請求項1〜4のいずれか記載の結晶性薄膜の作製方法。
- 熱処理温度が100〜1000℃の範囲から選ばれる請求項1〜5のいずれか記載の結晶性薄膜の作製方法。
- コーティングされた薄膜の除去がエッチングにより行われる請求項1〜6のいずれか記載の結晶性薄膜の作製方法。
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JP2003209686A JP2005079122A (ja) | 2003-08-29 | 2003-08-29 | 結晶性薄膜の作製方法 |
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- 2003-08-29 JP JP2003209686A patent/JP2005079122A/ja active Pending
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