JP2005076191A - 石積構造物の耐震装置及び石積構造物における石材連結工法 - Google Patents

石積構造物の耐震装置及び石積構造物における石材連結工法 Download PDF

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Abstract

【課題】 地震力の作用によっても倒壊の恐れがなく、又、組み立て施工の容易な石積構造物の耐震装置を提供する。
【解決手段】 最下端の芝台3と、最上端の竿石6を含む複数個の石材5を積重して全体を連結棒7で一体化した墓石2を、固定部材10を用いて基礎11に固定する。竿石6の下面部中央に雌ネジ部19を埋設し、他の石材の中央には、上下方向に貫通する連結孔17を設ける。上下連通した連結孔に挿通させた連結棒7の上端の雄ネジ部66を、雌ネジ部19に螺合させる。芝台3の連結孔17の下端で突出した連結棒下端の雄ネジ部67にナット69を螺合し締め付けることにより、複数個の石材を連結一体化する。石材の積重に際しては、下の石材に突設した位置決め軸35の突出部分を、上の石材の位置決め孔29に着脱可能に挿入する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、石材を積み上げて構成された墓石や灯籠、石碑等の石積構造物が、地震力で倒壊するのを防止し得る石積構造物の耐震装置に関するものである。
石材を順次積重して構成された墓石や灯籠等の石積構造物は、石材相互を面接触状態に積み重ねただけでは、地震力が特に大きい場合に倒壊しやすい問題があった。そのため、かかる墓石類の倒壊を防止するための手段として、特開平10−37532号公報や特開平9−137638号公報が開示する耐震装置が提案されている。
前者の耐震装置は、図41に示すように、基礎a上に下台bを載置する共に該下台b上に中台cを載置し、又、該中台c上に上台dを載置すると共に該上台d上に竿石eを載置して構成されており、前記基礎aの4隅に立設された支持通しボルトfが、前記下台bと中台cの4隅に上下貫設された挿通孔g,gに挿通せしめられ、該中台cの上面hに凹設された凹部iで突設されたボルト上端のネジ軸部にナットkが螺合され締め付けられると共に、該凹部iを覆い隠すように前記上台dが載置される如くなされていた。又、前記上台dと前記竿石eに上下貫設された、連通する貫通孔m,mに、連結棒nが挿通せしめられると共に、該連結棒nの上下端の雄ネジ部p,qが、前記下の貫通孔mの下端と前記上の貫通孔mの上端で突出される如くなされていた。そして、該突出した雄ネジ軸p,qにナットt、uを螺合し締め付けることにより、前記中台cの天井部vと前記上台dと前記竿石eの全体を一体化する如くなし、これによって墓石wの全体を一体化し、墓石の耐震性を向上させんとするものであった。
ところで、かかる耐震装置によるときは、前記連結棒nを通す貫通孔mが最上段の石材(竿石e)の上端xで開口するので、該連結棒nの上端の雄ネジ部pに締め付けられた前記ナットtが露出して墓石の美観を損なう問題があった。そこで、これを防ぐために、図42に拡大して示すように、該ナットtを納める凹部yを竿石eの上端面に凹設する共に、該ナットtを覆うようにキャップzを被せ、且つ、水密性を高めるために内部にモルタルa1を充填することが行われていた。
しかしながら、このようにキャップzを被せ、且つ、水密性を高めるためにモルタルa1を充填したとしても、長期間の内に雨水がモルタルの硬化部分b2に染み込んで貫通孔m内に進入する事態が生じ、前記連結棒nの腐食を招いて墓石の耐震性を劣化させる問題が発生した。又、前記中台cと前記上台dとの接触部分c1からも雨水が進入して、前記天井部vに設けられた前記貫通孔gに雨水が進入することにより、前記支持通しボルトfの腐食を招いて墓石の耐震性を劣化させる問題が発生した。
又、竿石eの前記凹部yに水分が溜まり易いことから、前記キャップzの周りに苔が生えたり、汚れた水が竿石eの上面d1から側面e1に流れる等して、該竿石を汚損し、墓石の美観を損なう問題があったため、定期的に清掃しなければならないが、その汚れが落ちにくい問題があった。
更に、この様に竿石eに貫通孔mを設けたり、キャップzを被せることは、当該墓石が耐震設計であることを殊更に印象付けることとなり、墓石の外観を不自然なものとする問題もあった。
又、地震力で傾いた墓石の基礎部分を改修せんとする場合や耐震連結装置の修理に際して、前記連結棒nの上端のナットtを取り外して前記竿石e、上台dを取り外すと共に、前記支持通しボルトfの上端のナットkを取り外して前記中台cと下台bを取り外す必要があり、個々の石材を順番に取り外す施工に、多くの手間と時間を要して施工性が悪い問題があった。
加えて、墓石を組み立てる際は、石材相互を単に面接触状態で積み上げるだけであったため、定規を用いて設置場所を微調整しなければならない等、専門家にとってもその位置決め施工が難しく、墓石の構築施工に多大の手間と時間を要する問題もあった。
一方、後者の耐震装置は、図43に示すように、最上端の石材(竿石)f1の底部g1に埋設される雌ネジ部h1と、この雌ネジ部h1に螺合可能なネジ軸部j1を上端に有する連結棒k1と、この連結棒k1の前記ネジ軸部j1を除いた部分の外周に嵌め込まれる弾性パイプm1とを具えており、前記雌ネジ部h1に、前記弾性パイプm1で外周が被覆された前記連結棒k1の前記ネジ軸部j1を螺合して連結すると共に、該弾性パイプm1で被覆された連結棒k1を、下側に位置する石材に設けられた貫通孔n1に挿入して後、最下端の石材p1に形成された有底孔q1内に挿入し、然る後に、前記貫通孔n1及び有底孔q1に流し込んだモルタルr1によって前記弾性パイプm1を該石材p1に固定するように構成されていた。そして、前記連結棒k1の下端部分s1には、斜めに切った形状の平坦面t1を形成しておき、この下端部分s1を、前記弾性パイプm1から突出した状態で、前記有底孔q1に充填したモルタルr1に埋め込まれた状態とすることにより、該平坦面t1を有する前記下端部分s1が回り止め作用を呈して、最上端の石材f1が地震時の振動で回転するのが防止されるように構成されていた。そして、このように組み立てられた墓石を分解する際には、最上端の石材(竿石)f1を上方に引き上げることにより、前記連結棒k1の下端部分s1が前記有底孔q1のコンクリート部v1から抜け、前記弾性パイプm1を残して該連結棒k1が引き上げられるように構成されていた。
この耐震装置によるときは、前者の耐震装置におけるように、連結棒の上端を最上端の石材の上端面で突出させる構成ではないため、墓石の美観を損なう等の前記問題点を解消できる利点がある。しかしながら、かかる耐震装置によるときは、地震時の振動によって最上端の石(竿石)f1が上下動して、最上端の石材f1とその下側に存する石材w1とが激しく衝突する現象が生じ、墓石を損傷する恐れがあった。又、最上端の石材f1が浮き上がることによって、前記連結棒k1の下端部分s1が前記有底孔q1のコンクリート部v1から抜けてしまうために、前記連結棒k1の下端部分s1の前記平坦面t1による回り止め作用が全く働かず、最上端の石(竿石)f1が回転する恐れも多分にあった。
更に前記従来の石積構造物は、施工現場において組み立てる構成であったため、現場施工の工期が長引く問題があり、しかも、狭いスペースで石材を順次積重しなければならない窮屈な作業を強いられる場合もあった。
特開平10−37532号公報(第2−3頁、図1) 特開平9−137638号公報(第2−3頁、図1)
本発明は、前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、地震力の作用によっても倒壊の恐れのない石積構造物の耐震装置の提供を課題とするものである。
更に進んで、組立施工を容易且つ能率的に行うことができると共に、地震時の振動で石材が回転するのを防止し得る石積構造物の耐震装置の提供を課題とするものである。又、基礎からの取り外しも容易であって、基礎の改修や一部石材の交換、耐震装置の補修が容易である石積構造物の耐震装置の提供を課題とするものである。
更に本発明は、石積構造物を構成する石材の連結作業を安定的に然も施工性よく行い得る石積構造物における石材連結工法の提供を課題とするものである。
前記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用する。
即ち本発明に係る石積構造物の耐震装置(以下耐震装置という)は、複数個の石材を積重して全体を連結棒で連結一体化してなる石積構造物を、固定部材を用いて基礎に固定する石積構造物の耐震装置であって、最上端の石材の下面部中央に前記連結棒の上端が固定されると共に、その他の石材の中央には、上下方向に貫通する連結孔が設けられており、上下連通した連結孔に挿通せしめられた前記連結棒の下端が、最下端の石材の連結孔の下端で下方に突出せしめられ、該突出した下端に設けられている雄ネジ部にナットが螺合され締め付けられることにより、前記複数個の石材が連結一体化されることを特徴とするものである。
本発明に係る耐震装置のより具体的な態様は、複数個の石材を積重して全体を連結棒で連結一体化してなる石積構造物を、固定部材を用いて基礎に固定する石積構造物の耐震装置であって、最上端の石材の下面部中央に雌ネジ部が埋設されると共に、その他の石材の中央には、上下方向に貫通する連結孔が設けられており、上下連通した連結孔に挿通せしめられた前記連結棒の上端に形成されている雄ネジ部が前記雌ネジ部に螺合され、最下端の石材の連結孔の下端で下方に突出した前記連結棒の下端に設けられている雄ネジ部にナットが螺合され締め付けられることにより、前記複数個の石材が連結一体化されることを特徴とするものである。
墓石に応用された本発明に係る耐震装置は、最下端の芝台としての石材と、最上端の竿石としての石材を含む複数個の石材を積重して全体を連結棒で連結一体化してなる墓石としての石積構造物を、固定部材を用いて基礎に固定する石積構造物の耐震装置であって、前記竿石の下面部中央に雌ネジ部が埋設されると共に、その他の石材の中央には、上下方向に貫通する連結孔が設けられており、上下連通した連結孔に挿通せしめられた前記連結棒の上端に形成されている雄ネジ部が前記雌ネジ部に螺合され、前記芝台の連結孔の下端で下方に突出した前記連結棒の下端に設けられている雄ネジ部にナットが螺合され締め付けられることにより、前記複数個の石材が連結一体化されることを特徴とするものである。
前記各耐震装置において、前記石材の互いに当接する上下の面の夫々に、前記石材の中央を挟んだ対向側に、2個の位置決め孔を設け、同一側に存する上下の位置決め孔は連通する如くなし、下の石材上に上の石材を載置する際には、下の石材の前記位置決め孔に位置決め軸の下側部分を挿入するものとし、該位置決め軸の上方への突出部分が、前記上の石材の前記位置決め孔に着脱可能に挿入されるように構成するのがよい。
又前記各耐震装置において、前記石材の互いに当接する上下の面の夫々に、前記石材の中央を挟んだ対向側に、2個の位置決め孔を設け、同一側に存する上下の位置決め孔は連通する如くなし、下の石材上に上の石材を載置する際には、上の石材の前記位置決め孔に位置決め軸の上側部分を挿入するものとし、該位置決め軸の下方への突出部分が、前記下の石材の前記位置決め孔に着脱可能に挿入されるように構成するのがよい。
又前記各耐震装置において、前記固定部材は、水平片に垂直片が下設されたものとし、固定部材の内側部分の水平片が、最下端の石材の下の面に当接した状態で該下の面にボルト固定されると共に、該固定部材の外側部分が前記最下端の石材の側面から外方に突出される如くなし、該突出した外側部分の前記水平片が前記基礎にボルト固定されるように構成するのがよい。
又前記各耐震装置において、前記固定部材は、水平片に垂直片が下設されたものとし、固定部材の内側部分の水平片が、最下端の石材の下の面の対向部分の両側4箇所においてボルト固定されると共に、該固定部材の外側部分が前記最下端の石材の側面から外方に突出される如くなし、該突出した外側部分の前記水平片が前記基礎にボルト固定されるように構成するのがよい。
又前記各耐震装置において、前記固定部材は、水平片に垂直片が下設されたものとし、固定部材の内側部分の水平片が、最下端の石材の下の面に当接した状態で該下の面にボルト固定される共に、該固定部材の突出した外側部分が前記基礎に設けられた嵌入溝に嵌め入れられ、且つ前記垂直片の下端が該嵌入溝の底面に当接した状態で、前記水平片が前記基礎にボルト固定される如くなし、又、前記嵌入溝にモルタルが充填されるように構成するのがよい。
墓石に応用された本発明に係る耐震装置は、該墓石を正面から見た状態において、前記固定部材が、前記芝台の左右側面の前後で外方に突出する如くなし、該突出した外側部分を前記基礎にボルト固定するように構成するのがよい。
本発明に係る石積構造物における石材連結工法は、複数個の石材を積重して全体を連結棒で連結一体化する、石積構造物における石材連結工法であって、最上端の石材の下面部中央に雌ネジ部が埋設されると共に、その他の石材の中央には、上下方向に貫通する連結孔が設けられており、最下端の石材を支持台上に載置すると共に、該石材上に、上下の連結孔相互を連通させて前記その他の石材を順次積重して後、上下連通した連結孔に、連結棒を上から下に向けて挿入させると共に、該連結棒の上端のネジ軸部に支持ナットを螺合させ、連通した連結孔の上端周縁で該支持ナットを支持させることにより連結棒の落下を防止し、その後、連通した連結孔の直上に前記雌ネジ部が存するように最上端の石材を吊下すると共に、前記支持ナットを取り外して前記連結棒の上端側を持ち上げて、前記上端のネジ軸部を前記雌ネジ部に螺合させ、その後、最上端の石材を吊り下ろして最上端の連結孔を具える石材上に載置し、然る後に、最下端の石材の連結孔の下端で下方に突出した前記連結棒の下端のネジ軸部にナットを螺合し締め付けることより、石材の全体を前記連結棒により連結一体化することを特徴とするものである。
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1) 本発明に係る耐震装置は、全体を連結棒で一体化してなる墓石や灯籠等の石積構造物を、固定部材を用いて基礎に固定する構成を採用するため、墓石や灯籠等の石積構造物が地震時の振動によっても転倒するのを確実に防止できる。
(2) 又、特開平10−37532号公報が開示する前記耐震装置におけるように、最上端の石材に上下方向の貫通孔を設けるものではなく、連結棒の上端を最上端の石材の下面部に固定する構成を採用するため、連結棒の上端に螺合するナットが墓石の上面に現れることがない。従って、該ナット部分を覆い隠すようにキャップを被せる必要がないことから、石積構造物の美観を損なうことがなく、又該ナット部分に雨水が侵入して苔が生えたり、この部分で発生した汚れた水が墓石を汚す恐れもない。
(3) 又本発明によるときは、連結棒の下端に設けた雄ネジ部に螺合するナットを取り外すことによって石積構造物を容易に分解できるため、例えば竿石に法名を新たに刻設する際等において、竿石を容易に分離できることになる。
又このように石積構造物の分解が容易であることから、連結棒等が腐食した際において、その修理を容易に行うことができる。
(4) 又本発明に係る耐震装置によるときは、最下端の石材と基礎とを分離することによって、石積構造物を、一体のものとして基礎から分離できるため、大きな地震力等によって基礎部分が傾いた場合、基礎部分の補修作業を容易に行うことができる。
(5) 石材相互の当接面に、前記連結孔を挟んだ対向側に、2個の位置決め孔を設け、該位置決め孔に位置決め軸の上側部分又は下側部分を嵌め入れる構成を採用したときは、専門家でなくても、石材相互を、精度良く然も容易に位置決めできる。又、位置決めピンの回り止め作用により、地震時の振動によって石材が水平面内で回転するのを確実に防止でき、耐震性を向上させ得る。
(6) 前記石積構造物が墓石であるとき、前記墓石を正面から見た状態において、前記固定部材を、前記芝台の左右側面の前後で外方に突出せしめ、該突出した外側部分を前記基礎にボルト固定する構成を採用した場合は、墓石の後側の敷地スペースに余裕がないために該外側部分を基礎後側に固定できない場合であっても、敷地スペースに余裕のある左右側の基礎部分において、該墓石を固定部材を介して確実且つ安定的に固定できる利点がある。
(7) 前記固定部材を、水平片に垂直片が下設されたものとし、該固定部材の内側部分の水平片を、最下端の石材の下面に当接した状態で該下面にボルト固定させると共に、該固定部材の突出した外側部分を、前記基礎に設けられた嵌入溝に嵌め入れる如くなし、該嵌入溝にモルタルを充填するときは、墓石の重量が、前記固定部材の垂直片によってだけでなく、充填したモルタルの硬化物によっても安定的に支持されることになるため、基礎に対する石積構造物の固定をより安定化させ得る。
(8) 前記従来の石積構造物の耐震装置は、石材を施工現場において順次積重する構成であったため、現場施工に多くの時間を要して工期が長引く問題があった他、狭いスペースで石材を順次積重しなければならないといった窮屈な作業を強いられる問題があった。
これに対して本発明に係る耐震装置によるときは、石積構造物を工場で連結一体化できることから、組立作業を支障なく行うことできると共に、該連結一体化された石積構造物を現場に搬入してこれを基礎に設置し、且つ、固定部材を基礎に固定することによって、組み立て施工を短時間で能率的に行うことができる。
(9) 又本発明に係る石積構造物における石材連結工法によるときは、連結棒の上端を最上端の石材の雌ネジ部にねじ込む際に、該最上端の石材を高く吊り上げる必要がなく必要最小限度の高さに吊り上げればよいため、石材全体を連結一体化する作業を安全に然も施工性よく行うことができる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1〜2において、本発明に係る耐震装置1は墓石2に応用されており、最下端の芝台3としての石材5と、最上端の竿石6としての石材5を含む複数個の石材5を積重して全体を連結棒7で連結一体化してなる墓石2としての石積構造物8を、固定部材10を用いて基礎11にボルト固定するものである。
前記墓石2は、より具体的には図2〜4に示す構成を有しており、前記芝台3上に中台12としての石材5を積重し、その上に上台13としての石材5を積重すると共に、その上に寸輪15としての石材5を積重し、更にその上に、上下に長い前記竿石6を積重した構成を有している。
そして前記芝台3と中台12と上台13と寸輪15の夫々には、図1、図3〜4に示すように、その中央に、上下方向に貫通する連結孔17,17,17,17が設けられている。該連結孔17の直径は、例えば18mm程度に設定される。又前記竿石6の下面部中央には、図1、図4に示すように、雌ネジ部19が埋設されている。
又、図1、図3〜4に示すように、前記芝台3の上の面20と、前記中台12の上下の面21,22と、前記上台13の上下の面23,25と、前記寸輪15の上下の面26,27の夫々に、前記連結孔(石材の中央)17を挟んだ対向側に、例えば左右に位置させて、且つ、前記連結孔17から同距離で、2個の有底の円形状位置決め孔29,29が同径、同深さで設けられている。又前記竿石6の下の面30にも、図1、図4に示すように、前記雌ネジ部(下の面30の中央)19を挟んだ対向状態で左右に位置させて、且つ前記雌ネジ部19から同距離で、2個の有底の円形状位置決め孔29,29が同径、同深さに設けられている。該位置決め孔29の直径は、例えば16mm程度に設定される。そして図5に示すように、上下の位置決め孔29,29を連通させて下の石材5a上に上の石材5bを積重した状態で、前記連結孔17,17相互が上下連通し且つ前記竿石6の雌ネジ部19と前記寸輪15の貫通孔17とが連通する如くなされている。
そして下の石材5a上に上の石材5bを積重する際、下の石材5aの上の面に設けられている2個の位置決め孔29,29に、図1、図5、図6〜7、図8に示すように、上下端32,33(図8)が面取りされた円柱状位置決め軸35の下側部分36を挿入させる。これにより、該位置決め軸35,35の上側部分37,37が、前記上の面20,21,23,26で突出状態となる。該突出状態の上側部分37,37は、上の石材5bを吊り下ろすことにより、上の石材5bの前記下の面に設けられた位置決め孔29,29に挿入される。
又、図8〜9に示すように、前記芝台3の前側部分の中央には、納骨のための円形開口40が設けられると共に、該芝台3の下の面41の左右部分(対向部分)42,43の前後(両側)4箇所において、雌ネジ45,45,45,45が埋設されている。そして、前記中台12の前面側の中央部には、下端開放の出し入れ口46が、前記円形開口40に連なるように設けられている。
又前記基礎11は、図3に示すように、現場打ち施工で、前後に長い長方形板状に形成されており、その中央部分には納骨用の矩形状凹所47が設けられると共に、上の面49の左右部分には、前後に所要間隔を置いて、断面矩形状の嵌入溝50が左右に稍長く凹設されている。該嵌入溝50の溝幅と深さは、例えば、共に50mmに設定されている。なお、前記矩形状凹所47の底部に適当に土を盛ることによって、納骨用空間部52(図1)の底部高さを調整する。
又前記固定部材10は、図10〜11に示すように、前記嵌入溝50の溝幅に略等しい前後幅を有する水平片53の一側において、下端55が前記嵌入溝50の底面56に図15に示すように当接し得る垂直片57が下設された断面L字形を呈しており、その肉厚は例えば10mm程度で、その幅は例えば50mm程度に設定されている。又、該水平片53の両端側にはボルト孔58,59が穿設されている。そして該固定部材10は、図11に示すように、左右方向に延長する如くその長さ方向が合わせられると共に、前記水平片53の内側部分60が、前記ボルト孔58を前記雌ネジ45と位置合わせして前記芝台3の下の面41に当接せしめられる。この状態で、ボルト61が座金44を介して該ボルト孔58に挿通され、前記雌ネジ部45に螺合され締め付けられることにより、該固定部材10が前記芝台3に固定される。
そして前記嵌入溝50の底面56には、図3、図10に示すように、前記芝台3の側面62から例えば80mm程度突出状態にある水平片部分63に設けられた前記ボルト孔59に挿通せしめられるアンカーボルト65が立設されている。
又前記連結棒7は、上下に長い例えばステンレス製のものであり、図1、図5、図7に示すように、上下端に雄ネジ部66,67が設けられており、上のネジ軸部66は竿石6の前記雌ネジ部19に螺合せしめられる。又下のネジ軸部67は、前記芝台3の下の面41において、前記矩形状凹所47内で下方に突出せしめられ、ナット69が螺合される。
然して、かかる耐震装置1を用いて基礎11上に墓石2を立設状態に設ける施工要領は次の通りである。まず、例えば図6、図12に示すように、間隔を置いて前後左右に配置した支持台70,70,70,70上に前記芝台3のコーナ部分71,71,71,71を載置して後、図6、図8に示すように、該芝台3の上の面20に設けられた左右の位置決め孔29,29の夫々に、前記位置決め軸35の下側部分36,36を挿入する。この状態で、該位置決め軸35,35の上側部分37,37が、前記上の面20の左右で突出状態となる。その後、前記中台12を、その下の面22に設けられている左右の位置決め孔29,29に前記位置決め軸35,35の上側部分37,37が挿入されるように位置決めをして、吊り下ろす。これにより、芝台3に設けられた連結孔17と中台12に設けられた連結孔17とが、図6に示すように連通状態となる。なお、後日における墓石2の分解を考慮して、上の石材5aの位置決め孔29に対する前記上側部分37の挿入状態は、容易に抜けるように設定する。
その後、図6に示すように、中台12の上の面21の左右に設けられた前記位置決め孔29,29の夫々に前記位置決め軸35,35の下側部分36,36を挿入する。この状態で、該位置決め軸35,35の上側部分37,37が、前記上の面21の左右で突出状態となる。その後、前記上台13を、その下の面25に設けられている左右の位置決め孔29,29に前記位置決め軸35,35の上側部分37,37が挿入されるように位置決めをして、吊り下ろす。これにより、中台12に設けられた連結孔17と上台13に設けられた連結孔17とが図5に示すように連通状態となる。
その後、図7に示すように、上台13の上の面23の左右に設けられた前記位置決め孔29,29の夫々に前記位置決め軸35,35の下側部分36,36を挿入する。この状態で、該位置決め軸35,35の上側部分37,37が、前記上の面23の左右で突出状態となる。その後、前記寸輪15を、その下の面27に設けられている左右の位置決め孔29,29に、前記位置決め軸35,35の上側部分37,37が挿入されるように位置決めをして、吊り下ろす。これにより、上台13に設けられた連結孔17と寸輪15に設けられた連結孔17とが連通状態となる。
この一連の組立工程を経ることにより、各石材に設けられた前記連結孔17,17,17,17が上下連通状態となる。この連通した連結孔に、図5に示すように、前記連結棒7を上から下に向けて挿入させ、該連結棒7の上端のネジ軸部66に支持ナット75を螺合する。これにより連結棒7は、該支持ナット75が前記寸輪15に設けられた連結孔17の上端周縁で支持されて落下が防止される。
その後、該連結棒7の上端のネジ軸部66を前記竿石6の下の面に埋設された前記雌ネジ部19に螺合するのであるが、その際は、図7に示すように、連通した連結孔の直上に前記雌ネジ部19が存するように竿石6を吊下状態とし、前記支持ナット75を取り外すと共に前記連結棒7の上端側74を持ち上げ、ネジ軸部66を前記雌ネジ部19に螺合させる。その後該竿石6を、吊り下ろして前記寸輪15の上の面26に載せるのであるが、その際、該上の面26の左右に設けられている位置決め孔29,29の夫々に、位置決め軸35,35の下側部分36,36を挿入しておく。この状態で、該位置決め軸35,35の上側部分37,37が、前記上の面26の左右で突出状態となる。その後、前記竿石6を、その下の面30の左右に設けられた位置決め孔29,29に前記位置決め軸35,35の上側部分37,37が挿入されるように位置決めをして、吊り下ろす。前記竿石6が寸輪15の上の面26に載置された状態で、前記連結棒7の下端のネジ軸部67が、図5に示すように、前記芝台3の下の面41で突出する。
その後、図13に示すように、前記芝台3の下の面41(連結孔の下端)で下方に突出した前記連結棒7の下端のネジ軸部67に座金77を介してナット79を螺合し締め付けると、5つの石材5,5,5,5,5が連結棒7により連結一体化されてなる墓石2が構成されることになる。
然る後、この墓石2の全体をクレーンで吊り上げて前記基礎11上に載せるのであるが、その際、前記芝台3の下面に固定されている4本の固定部材10,10,10,10の突出部分80,80,80,80を、図14に示すように、前記基礎11に設けられている嵌入溝50,50,50,50に嵌め入れる。この嵌め入れ状態で、該突出部分80の外端80aが嵌入溝50の外端50aに略合致する。その際、前記アンカーボルト65が、固定部材10の突出部分80に設けられた前記ボルト孔59に挿通するように墓石2の位置決めを行う。その後、図2、図15に示すように、固定部材10の前記水平片53の上方に突出したアンカーボルトのネジ軸81に座金82を介してナット83を螺合し締め付けることにより、該墓石2を基礎11に固定できる。なお、固定部材10の水平片53の内側部分60を芝台3に固定するボルト61の頭部85は、図16に示すように、前記嵌入溝50内に納まる。又図1に示すように、前記連結棒7の下端部分86は、基礎11に設けられた前記矩形状凹所47に納まる。その後、図15、図2に示すように、前記嵌入溝50にモルタル87を充填すると、墓石2の重量が、前記固定部材10の垂直片57によってだけでなく、該充填したモルタルの硬化物89によっても安定的に支持されることになり、基礎11に対する墓石2の固定を安定化させることができる。なお図15に示すように、前記水平片53の上面90を基礎11の上面91と略面一状態にするのがよい。
そして仕上げ工程で、前記アンカーボルト65による固定部分を覆い隠すために、例えば図1〜2に示すように、前記基礎11の上面91から15mm程度の厚さで玉砂利92を敷き詰める。なお該固定部分は、芝生で覆い隠すこともある。又図2に示すように、前記納骨用の出し入れ口46を前側で覆うように香炉93を載置すると共にその両側に花立て95,95を載置する。なお納骨は、該香炉93や花立て95を除去して、前記出し入れ口46を通して行う。
前記のように基礎11上に固定された墓石2において、前記竿石6に戒名を刻設するに際して、該竿石6を取り外す必要が生じた場合は、前記アンカーボルト65に螺合されているナット83を取り外して後、一体化状態にある前記墓石2をクレーンで吊り上げて、図13に示すと同様に支持台70に載せる。その後、前記連結棒7の下端に螺合されているナット79を取り外して前記竿石6を図7に示すと同様に若干持ち上げる。この状態で、竿石6と寸輪15との間に形成された隙間96にパイプレンチ等の工具を挿入し、前記連結棒7を逆回転させて該連結棒7を竿石6から取り外す。連結棒7を竿石6から分離させて後、図5に示すと同様にして、該連結棒6の上端のネジ軸部66に支持ナット75を螺合し、該連結棒6の落下を防止する。
図17〜19は、本発明に係る耐震装置1が灯籠96としての石積構造物8に応用された場合を示すものであり、上側に向かって幅狭となる3個の石材5,5,5を積み上げて構成した下部材97と、該下部材97上に載置された中部材99としての石材5と、該中部材99上に載置される上部材100としての石材(最上端の石材)5を具えており、該上部材100は、基台101と、その上に設けられた火袋102と、その上に被る傘103とを一体化して構成されている。
そして、前記した下部材97を構成する下の石材5Aと中間の石材5Bと上の石材5C、及び前記中部材99には、平面視で中央に位置させて、連結孔17,17,17が上下連通状態に設けられている。又、前記下の石材5Aの下の面105には、図20に示すように、前記と同様にして、L字型を呈する固定部材10の内側部分106をボルト61で固定する。又、前記上部材100を構成する前記基台101の下の面107の中央には、図17に示すように、前記連通する連結孔と同心に雌ネジ部19が埋設されている。又、前記下の石材5Aの上の面108と、前記中間の石材5Bの下の面109及び上の面110と、前記上の石材5Cの下の面111及び上の面112と、前記中部材99の下の面113及び上の面115には、図18、図21に示すように、前記連結孔17,17,17,17の左右に位置させて、前記と同様構成の位置決め孔29,29が設けられている。又、前記上部材100の前記基台101の下の面107の左右にも、同様に位置決め孔29,29が設けられている。そして、前記各位置決め孔29,29は、全て、有底であり、同径、同深さに形成されている。又、上下の石材の当接面に設けられている、左右に位置する上下の位置決め孔29,29、29,29は、夫々、上下連通し得る。
そして上下連通状態にある連結孔には、図17、図21に示すように、前記と同様構成の連結棒7が挿通せしめられ、その上端のネジ軸部66が前記雌ネジ部19に螺合されると共に、前記下部材97の最下端の石材5Aの下の面105で突出(連結孔17の下端で突出)した、連結棒下端のネジ軸部67に、座金116を介してナット117が螺合され締め付けられることにより、下部材97と中部材99と上部材100とが連結一体化されて灯籠96としての石積構造物8が構成されることになる。
かかる灯籠96を組み立てる要領は前記と同様であり、図21に示すように、下の石材の上の面に設けられている左右の位置決め孔29,29に位置決め軸35,35の下側部分36,36を挿入し、上の石材を、下の石材の上の面に突出状態にある左右の位置決め軸35,35の上側部分37,37を上の石材の下の面の左右に設けられている位置決め孔29,29に挿入させるように位置決めをして、下の石材上に載せる。このような位置決め軸35による石材の位置決め作用によって、各石材を正しく位置決めして順次積重できる。その結果、各連結孔17,17,17,17を上下連通状態となし得るのである。その後、この連通状態の連結孔に前記と同様にして上側から連結棒7を挿通せしめ、前記と同様にして、該連結棒の上端のネジ軸部66を前記上部材100の下の面に設けられた前記雌ネジ部19に螺合する。
その後、前記と同様にして、連結一体化された灯籠96を基礎11上に載せるのであるが、その際、図22に示すように、下部材97の最下端に位置する石材5Aの側面から突出した固定部材10の突出部分121が、該基礎11の上面に設けた嵌入溝50に嵌め入るように、且つ該突出部分121の水平片53に設けられたボルト孔59に、基礎11に設けられたアンカーボルト65のネジ軸81が挿通するように位置決めをして、該灯籠96を吊り下ろす。吊り下ろした状態で、図17に示すように、前記連結棒7の下端部分86は、前記基礎11の中央に設けられた凹部122に納まる。その後、アンカーボルト65の前記ネジ軸81に螺合するナット83を締め付けることにより、灯籠96を、固定部材10を介して基礎11に固定できる。そして仕上げ工程で、前記アンカーボルト65による固定部分を覆い隠すために、図17、図19に示すように、基礎11の上面91から15mm程度の厚さで玉砂利92を敷き詰める。
本実施の形態においては、最下端の石材が正方形板状に形成されているが、灯籠の形態に応じて、長方形板状や円形板状等に形成されることもある。
本発明は、前記実施の形態で示したものに限定されるものでは決してなく、「実用新案登録請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
(1) 図23〜25は、連結棒7の上端を最上端の石材5の下面部(例えば、墓石にあっては前記竿石の下面部が該当し、灯籠にあっては前記上部材の下面部が該当する)123に固定する他の態様を示すものであり、連結棒7の上端に、該上端の両側に突出する水平固定片125を固着すると共に、該水平固定片125の両端側にボルト孔126,126を設けている。又前記下面部123の中央部には、該水平固定片125を嵌め入れる凹部127が設けられると共に、該凹部127の底面129には、前記ボルト孔126,126と位置合わせして雌ネジ130,130が埋設されている。
然して、前記連結棒7の上端を前記下面部123に固定するには、図24〜25に示すように、前記水平固定片125を前記凹部127に嵌め入れると共に、両ボルト孔126,126を挿通するボルト131を前記雌ネジ130,130に螺合し締め付けることによって行う。なお前記凹部127の深さは、ボルト131の下端132が前記石材の下面124から下方に突出しないように設定される。
(2) 図26は前記連結棒7の下端のネジ軸部(最下端の石材の連結孔の下端で下方に突出したネジ軸部)67にナット79を螺合し締め付けた他の態様を示すものであり、最下端の石材5の下面中央部に設けられた凹嵌部133にナット79が納まるようになされ、連結棒7の下端135が前記石材5の下の面136から下方に突出しないようになされている。
(3) 図27〜28、図29〜31、図32〜33、図34〜35、図36は、墓石や灯籠等としての石積構造物8を構成する最下端の石材5を、固定部材10を用いて、アンカーボルト65とナット83とによって基礎11に固定するその他の態様を示すものであり、図27〜28に示す固定部材10は、前記のような断面L字型ではなく、水平片53の両側で垂直片57,57が下設されてなる断面コ字状に形成されている。又、図29〜31に示す固定部材10は四角筒状に形成されており、その基端側の下片部137には、上片部139を最下端の石材5にボルト61を用いて固定する関係上、該ボルト61の回転操作を可能とする開口140が設けられている。
又、図32〜33に示す固定部材10は平板状に形成されており、その内側部分141が、最下端の石材5の下の面142にボルト143で固定されると共に、その外側部分145が、基礎11の上の面49に当接せしめられると共に、基礎11に立設されたアンカーボルト65を用いて該基礎11にボルト固定される。この場合、図33に示すように、前記下の面142に、該内側部分141を嵌め入れる凹部147を設けると共に、該内側部分141の下面に、平板状の固定部材10及びボルト143の頭部149を嵌め入れる窪み部150を設けるのがよい。
又図34〜35は、固定部材10を断面L字形に形成すると共に、その水平片151を、その内側部分152で、最下端の石材5の下の面153にボルト155で固定した場合を示すものである。そして、該固定部材10の外側部分156は、その垂直片157が、図35に示すように、基礎11に設けた嵌入溝154に嵌め入れられると共に、その水平片151が基礎11の上の面49に当接された状態で、基礎11に立設したアンカーボルト65を用いて該基礎11にボルト固定されている。
又図36は、固定部材10をL字形に形成すると共に、その一片161を最下端の石材5の側面部162に当接させると共に該側面部162に埋設した雌ネジ163にボルト165を用いて固定する一方、他方の片166を基礎11の上の面49に当接させると共に、該基礎11の上の面に埋設した雌ネジ167に螺合するボルト169を用いて該他方の片166を基礎11に固定した状態を示すものである。
固定部材10は、その他、H型鋼等を用いて構成することもできる。
(4) 最下端の石材5を固定部材10を介して基礎11に固定する際、該固定部材10を平行して配置する場合は、図37に示すように、一方向に連続した固定部材10,10を平行状態にして前記石材の下の面170に配設することによって、該固定部材の両端部分171,171を石材5の側面172から突出状態にすることもある。
又、例えば図38や図39に示すように、4本の固定部材10,10,10,10が、例えば前後左右に突出する放射状に配置されて、最下端の石材5の下の面170に固定されることもある。
(5) 図40は、前記とは逆に、上の石材5bの下の面39に設けた位置決め孔29に位置決め軸35の上側部分37を挿入して固定状態とした場合を示すものであり、該石材5bの吊り下ろしに伴い、該位置決め軸35の下方突出の下側部分36を、下の石材5aの左右の位置決め孔29,29に着脱可能に挿入させるようになされている。
(6) 前記位置決め軸は、円柱状をなすものには特定されない。
(7) 前記位置決め軸を用いないで、石材を単なる当接状態で積重することもある。
(8) 墓石や灯籠等の石積構造物の連結棒による連結一体化は、施工現場で行うこともあるが、工場で行った後に、一体化された石積構造物を施工現場に搬入してこれを基礎に固定することもある。
本発明に係る耐震装置を説明する断面図である。 本発明に係る耐震装置を用いて構成された墓石を示す断面図である。 本発明に係る耐震装置を説明する分解斜視図である。 本発明に係る耐震装置を説明する分解斜視図である。 本発明に係る耐震装置を用いて墓石を構成する中間作業状態を説明する断面図である。 本発明に係る耐震装置を用いて墓石を構成する中間作業状態を説明する断面図である。 本発明に係る耐震装置を用いて墓石を構成する中間作業状態を説明する断面図である。 芝台に位置決め軸を取り付ける作業工程を説明する斜視図である。 芝台を下側から見た斜視図である。 芝台と基礎との固定手段を説明する分解斜視図である。 芝台の下の面に固定部材を固定する作業工程を説明する斜視図である。 支持台上に芝台を載置した状態を示す平面図である。 墓石を組み立てた状態を示す断面図である。 固定部材を用いて墓石を基礎に固定した状態を示す部分斜視図である。 基礎に対する固定部材の固定状態を示す断面図である。 固定部材を用いて芝台を基礎に固定した状態を示す断面図である。 本発明に係る耐震装置を応用して構成された灯籠を、固定部材を用いて基礎に固定した状態で示す断面図である。 灯籠の構成を説明する分解斜視図である。 基礎に固定された灯籠を示す斜視図である。 灯籠を構成する下の石材を、固定部材が固定された状態で示す斜視図である。 組み立てられた灯籠の構成を説明する部分断面図である。 灯籠の下の石材を固定部材を用いて基礎に固定した状態を示す斜視図である。 竿石の下面部に対する連結軸の他の固定態様を示す分解斜視図である。 竿石の下面部に連結棒の上端を固定した状態を示す斜視図である。 竿石の下面部に連結棒の上端を固定した状態を示す断面図である。 連結棒の下端の雄ネジ部にナットを螺合し締め付けた他の態様を示す断面図である。 最下端の石材に対する固定部材の固定状態を示す部分斜視図である。 その固定部材を基礎に固定した状態を示す断面図である。 最下端の石材に対する固定部材の他の固定状態を示す部分斜視図である。 固定部材を最下端の石材に固定した状態を示す断面図である。 その固定部材を基礎に固定した状態を示す断面図である。 最下端の石材に対する固定部材の他の固定状態を示す部分斜視図である。 平板状の固定部材を用いて最下端の石材を基礎に固定した状態を示す断面図である。 最下端の石材に対する固定部材の他の固定状態を示す部分斜視図である。 その固定部材を基礎に固定した状態を示す断面図である。 L字形の固定部材を用いて最下端の石材を基礎に固定した状態を示す断面図である。 最下端の石材の下の面に固定部材を固定した他の態様を示す斜視図である。 最下端の石材の下の面に固定部材を固定したその他の態様を示す平面図である。 最下端の石材の下の面に固定部材を固定したその他の態様を示す平面図である。 上の石材の下の面に位置決め軸を固定した状態を示す斜視図である。 従来の墓石の耐震装置を説明する断面図である。 その竿石の上側部分を拡大して示す断面図である。 従来の墓石の耐震装置の他の態様を示す断面図である。
符号の説明
1 耐震装置
2 墓石
3 芝台
5 石材
6 竿石
7 連結棒
8 石積構造物
10 固定部材
17 連結孔
19 雌ネジ部
29 位置決め孔
35 位置決め軸
36 位置決め軸の下側部分
37 位置決め軸の上側部分
50 嵌入溝
53 水平片
57 垂直片
58 ボルト孔
59 ボルト孔
65 アンカーボルト
67 雄ネジ部
68 雄ネジ部
69 ナット
75 支持ナット
79 ナット
83 ナット

Claims (10)

  1. 複数個の石材を積重して全体を連結棒で連結一体化してなる石積構造物を、固定部材を用いて基礎に固定する石積構造物の耐震装置であって、最上端の石材の下面部中央に前記連結棒の上端が固定されると共に、その他の石材の中央には、上下方向に貫通する連結孔が設けられており、上下連通した連結孔に挿通せしめられた前記連結棒の下端が、最下端の石材の連結孔の下端で下方に突出せしめられ、該突出した下端に設けられている雄ネジ部にナットが螺合され締め付けられることにより、前記複数個の石材が連結一体化されることを特徴とする石積構造物の耐震装置。
  2. 複数個の石材を積重して全体を連結棒で連結一体化してなる石積構造物を、固定部材を用いて基礎に固定する石積構造物の耐震装置であって、最上端の石材の下面部中央に雌ネジ部が埋設されると共に、その他の石材の中央には、上下方向に貫通する連結孔が設けられており、上下連通した連結孔に挿通せしめられた前記連結棒の上端に形成されている雄ネジ部が前記雌ネジ部に螺合され、最下端の石材の連結孔の下端で下方に突出した前記連結棒の下端に設けられている雄ネジ部にナットが螺合され締め付けられることにより、前記複数個の石材が連結一体化されることを特徴とする石積構造物の耐震装置。
  3. 最下端の芝台としての石材と、最上端の竿石としての石材を含む複数個の石材を積重して全体を連結棒で連結一体化してなる墓石としての石積構造物を、固定部材を用いて基礎に固定する石積構造物の耐震装置であって、前記竿石の下面部中央に雌ネジ部が埋設されると共に、その他の石材の中央には、上下方向に貫通する連結孔が設けられており、上下連通した連結孔に挿通せしめられた前記連結棒の上端に形成されている雄ネジ部が前記雌ネジ部に螺合され、前記芝台の連結孔の下端で下方に突出した前記連結棒の下端に設けられている雄ネジ部にナットが螺合され締め付けられることにより、前記複数個の石材が連結一体化されることを特徴とする石積構造物の耐震装置。
  4. 前記石材の互いに当接する上下の面の夫々に、前記石材の中央を挟んだ対向側に、2個の位置決め孔が設けられ、同一側に存する上下の位置決め孔は連通する如くなされており、下の石材上に上の石材を載置する際には、下の石材の前記位置決め孔に位置決め軸の下側部分が挿入された状態となされ、該位置決め軸の上方への突出部分が、前記上の石材の前記位置決め孔に着脱可能に挿入されることを特徴とする請求項1、2又は3記載の石積構造物の耐震装置。
  5. 前記石材の互いに当接する上下の面の夫々に、前記石材の中央を挟んだ対向側に、2個の位置決め孔が設けられ、同一側に存する上下の位置決め孔は連通する如くなされており、下の石材上に上の石材を載置する際には、上の石材の前記位置決め孔に位置決め軸の上側部分が挿入された状態となされ、該位置決め軸の下方への突出部分が、前記下の石材の前記位置決め孔に着脱可能に挿入されることを特徴とする請求項1、2又は3記載の石積構造物の耐震装置。
  6. 前記固定部材は、水平片に垂直片が下設されており、該固定部材の内側部分の水平片が、最下端の石材の下の面に当接した状態で該下の面にボルト固定されると共に、該固定部材の外側部分が前記最下端の石材の側面から外方に突出せしめられ、該突出した外側部分の前記水平片が前記基礎にボルト固定されることを特徴とする請求項1、2又は3記載の石積構造物の耐震装置。
  7. 前記固定部材は、水平片に垂直片が下設されており、該固定部材の内側部分の水平片が、最下端の石材の下の面の対向部分の両側4箇所においてボルト固定されると共に、該固定部材の外側部分が前記最下端の石材の側面から外方に突出せしめられ、該突出した外側部分の前記水平片が前記基礎にボルト固定されることを特徴とする請求項1、2又は3記載の石積構造物の耐震装置。
  8. 前記固定部材は、水平片に垂直片が下設されており、該固定部材の内側部分の水平片が、最下端の石材の下の面に当接した状態で該下の面にボルト固定される共に、該固定部材の突出した外側部分が前記基礎に設けられた嵌入溝に嵌め入れられ、且つ前記垂直片の下端が該嵌入溝の底面に当接した状態で、前記水平片が前記基礎にボルト固定される如くなし、前記嵌入溝にモルタルが充填されることを特徴とする請求項1、2又は3記載の石積構造物の耐震装置。
  9. 前記石積構造物が墓石である場合、該墓石を正面から見た状態において、前記固定部材が前記芝台の左右側面の前後で外方に突出せしめられ、該突出した外側部分が前記基礎にボルト固定されることを特徴とする請求項2記載の石積構造物の耐震装置。
  10. 複数個の石材を積重して全体を連結棒で連結一体化する、石積構造物における石材連結工法であって、最上端の石材の下面部中央に雌ネジ部が埋設されると共に、その他の石材の中央には、上下方向に貫通する連結孔が設けられており、最下端の石材を支持台上に載置すると共に、該石材上に、上下の連結孔相互を連通させて前記その他の石材を順次積重して後、上下連通した連結孔に、連結棒を上から下に向けて挿入させると共に、該連結棒の上端のネジ軸部に支持ナットを螺合させ、連通した連結孔の上端周縁で該支持ナットを支持させることにより連結棒の落下を防止し、その後、連通した連結孔の直上に前記雌ネジ部が存するように最上端の石材を吊下すると共に、前記支持ナットを取り外して前記連結棒の上端側を持ち上げて、前記上端のネジ軸部を前記雌ネジ部に螺合させ、その後、最上端の石材を吊り下ろして最上端の連結孔を具える石材上に載置し、然る後に、最下端の石材の連結孔の下端で下方に突出した前記連結棒の下端のネジ軸部にナットを螺合し締め付けることより、石材の全体を前記連結棒により連結一体化することを特徴とする、石積構造物における石材連結工法。
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