JP2005075120A - ダイバーズ用情報処理装置、ダイバーズ用情報処理装置の制御方法、制御プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

ダイバーズ用情報処理装置、ダイバーズ用情報処理装置の制御方法、制御プログラムおよび記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】 浮上速度の危険度に関する情報も記録し、次回以降の潜水に役立てる。
【解決手段】 制御・演算部9は、予め定めた計測間隔で水圧または水深を検出し、今回の計測タイミングを含む複数回の計測タイミングにおける検出値の変化状態に基づいて浮上速度を算出し、算出した浮上速度を時系列的に記憶する。さらに制御・演算部9は、複数の計測期間毎に対応づけられた浮上速度の安全性を判別する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ダイバーズ用情報処理装置、ダイバーズ用情報処理装置の制御方法、制御プログラムおよび記録媒体に係り、特に浮上速度を記録して管理するダイバーズ用情報処理装置の制御方法、制御プログラムおよび記録媒体に関する。
従来の圧力センサを備えたダイブコンピュータと称せられるダイバーズ用情報処理装置および潜水機器は、ダイビングモード(水中)では、ある一定のアルゴリズムでダイバーの安全を確保するのに必要な情報、例えば、現在の水深値や体内に過剰に蓄積された不活性ガスが排出されるまでの時間や安全な浮上速度を求め、それを液晶表示パネル等の表示装置に表示するようにされている(例えば、特許文献1参照)。
そして、ダイバーズ用情報処理装置においては、リアルタイムに情報を表示するばかりでなく、次回以降の潜水に有用な情報を残すべく、各種情報をログ(潜水履歴)やプロファイルとして記録するようになっていた。
特開2002−130288号公報
ところで、ダイビングにおいては、急速な浮上を行うことは非常に危険であるが、ログには平均的な浮上速度が記録されているだけであり、ログに基づいて浮上速度の危険度について判別することは困難であった。
そこで、本発明の目的は、浮上速度の危険度に関する情報も記録し、次回以降の潜水に役立てることが可能なダイバーズ用情報処理装置、ダイバーズ用情報処理装置の制御方法、制御プログラムおよび記録媒体を提供することにある。
上記課題を解決するため、ダイバーズ用情報処理装置は、予め定めた計測間隔で水圧または水深を検出し、今回の計測タイミングを含む複数回の計測タイミングにおける検出値の変化状態に基づいて浮上速度を算出する浮上速度算出部と、前記計測間隔に対応する計測期間毎に対応づけて少なくとも各計測期間に対応する最速の浮上速度を記憶する浮上速度記憶部と、を備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、浮上速度算出部は、予め定めた計測間隔で水圧または水深を検出し、今回の計測タイミングを含む複数回の計測タイミングにおける検出値の変化状態に基づいて浮上速度を算出する。
浮上速度記憶部は、前記計測間隔に対応する計測期間毎に対応づけて少なくとも各計測期間に対応する最速の浮上速度を記憶する。
この場合において、前記複数の計測期間毎に対応づけられた前記浮上速度の安全性を判別する安全性判別部を備えるようにしてもよい。
また、前記安全性判別部は、前記安全性の判別において、他の警告の発生の有無を考慮するようにしてもよい。
さらに、前記安全性判別部は、前記安全性の判別において当該浮上を行ったときの水深を考慮するようにしてもよい。
さらにまた、前記安全性判別部の判別結果に基づいて、次回以降の潜水における安全性を向上させるべく設定を行う安全性改善設定部を備えるようにしてもよい。
また、ダイバーズ用情報処理装置の制御方法は、予め定めた計測間隔で水圧または水深を検出し、今回の計測タイミングを含む複数回の計測タイミングにおける検出値の変化状態に基づいて浮上速度を算出する浮上速度算出過程と、前記計測間隔に対応する計測期間毎に対応づけて少なくとも各計測期間に対応する最速の浮上速度を記憶する浮上速度記憶過程と、を備えたことを特徴としている。
この場合において、前記記憶した浮上速度の安全性を判別する安全性判別過程を備えるようにしてもよい。
また、ダイバーズ用情報処理装置をコンピュータにより制御するための制御プログラムは、予め定めた計測間隔で水圧または水深を検出させ、今回の計測タイミングを含む複数回の計測タイミングにおける検出値の変化状態に基いて浮上速度を算出させ、前記計測間隔に対応する計測期間毎に対応づけて少なくとも各計測期間に対応する最速の浮上速度を記憶させる、ことを特徴としている。
この場合において、前記複数の計測期間毎に対応づけられた前記浮上速度の安全性を判別させるようにしてもよい。
また、前記安全性の判別において、他の警告の発生の有無を考慮させるようにしてもよい。
さらに、前記安全性の判別において当該浮上を行ったときの水深を考慮させるようにしてもよい。
また、上記各制御プログラムをコンピュータ読取可能な記録媒体に記録することも可能である。
本発明によれば、浮上速度を記憶するので、潜水状態をより正確に把握することができる。
次に図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[1]全体構成
本実施形態は、いわゆるダイブコンピュータと呼ばれるダイバーズ用情報処理装置に浮沈管理機能を取り入れたものである。
まず、全体構成について説明する。
図1は、ダイブコンピュータの概要構成ブロック図である。
ダイブコンピュータは、大別すると電源PWと、MPU1と、表示部2と、計時部3と、圧力センサ4と、アナログ/ディジタル変換器(以下、A/D変換器)5と、ROM6と、RAM7と、を備えている。
電源PWは、ダイブコンピュータ全体に電気エネルギーを供給する。
MPU1は、ROM6内に格納された制御プログラムに基づいて、ダイブコンピュータ全体を制御する。
表示部2は、液晶ディスプレイなどで構成され、MPU1の制御下で各種情報を表示する。
計時部3は、潜水時間の計測を行うとともに、ダイブコンピュータにおける算出タイミング定めたり、休息時間、潜水時間の記憶と表示など必要な各種データを取得するための潜水経過時間を測定する。
圧力センサ4は、電源スイッチがオンになると作動し、周囲の圧力を検出して対応する電圧に変換して圧力検出信号として出力する。
A/D変換器5は、圧力センサ4の圧力検出信号をアナログ/ディジタル変換して、圧力データとしてMPU1に出力する。
ROM6は、予め各種制御プログラムなどを記憶する不揮発性の読出専用メモリである。ROM6には無減圧潜水を計画するのに用いられる、身体区画、ハーフタイム、最大許容窒素分圧などのような演算に必要な各種データが予め記憶されている。
RAM7は、各種情報を一時的に記憶する揮発性のメモリである。例えば、ダイビングデータやMPU1の演算結果データを記憶する。
図2は、ダイブコンピュータの詳細構成ブロック図である。
ダイブコンピュータは、大別すると、表示部2と、計時部3と、報知部8と、制御・演算部9と、水圧・水深計測部10と、スイッチ操作部11と、潜水動作監視スイッチ12と、水温計測部26と、を備えている。
表示部2は、各モードにおける情報を表示する液晶表示パネル16と、液晶表示パネル16の表示駆動を行うための液晶ドライバ15と、を備えている。
計時部3は、基準クロック信号を出力する発振回路20と、基準クロック信号を分周する分周回路19と、分周回路19の分周クロック信号をカウントすることにより1秒単位での計時を行う時刻用カウンタ18と、を備えており、計時結果を制御・演算部9に出力する。
報知部8は、各種報知情報を音、光等を介してダイバーに報知するための報知装置13と、各種報知情報を振動によりダイバーに報知するための振動発生装置14と、を備えている。
制御・演算部9は、MPU1と、ROM6と、RAM7と、MPU1の制御下で各種制御を行う制御回路17と、を備えている。
水圧・水深計測部10は、圧力センサ4と、圧力センサ4の出力信号を増幅する増幅回路21と、増幅回路21の出力信号のアナログ/ディジタル変換を行って制御・演算部9に出力するA/D変換器5と、を備え、水圧および水深を計測する。
スイッチ操作部11は、操作子を備え、ダイバーが各種操作を行う。
潜水動作監視スイッチ12は、潜水状態に移行したか否かを検出すべく、当該ダイブコンピュータが水中にあるか否かを検出する。
水温計測部26は、水温計測センサ26Aと、水温計測センサ26Aの出力信号を増幅する増幅回路26Bと、増幅回路26Bの出力信号のアナログ/ディジタル変換を行って制御・演算部9に出力するA/D変換器26Cと、を備え、水温を計測する。
[2]浮上速度監視機能
図3は、浮上速度監視機能実現のための機能ブロック図である。
ダイブコンピュータはダイビングモード中、ダイバーの浮上速度を監視するように構成され、この機能は、MPU1、ROM6、RAM7等の機能を利用して以下の構成として実現される。
ダイブコンピュータでは、図3に示すように、計時部3の計時結果および水深計測部10の計測結果に基づいて浮上時に浮上速度を計測する浮上速度計測部22と、浮上速度計測部22の計測結果と予め設定されている浮上速度基準データ23とを比較して現在の浮上速度が浮上速度基準データ23に対応する浮上基準速度より速い場合に浮上速度違反警告を行う浮上速度違反判定部24と、潜水履歴など各種の潜水に関するデータを記憶する潜水結果記憶部25と、水温計測センサ26Aを有し、水温を所定計測タイミング毎に計測する水温計測部26と、ダイバーの浮沈状態を管理し、警告時の制御などを行う浮沈管理部27と、各種情報を表示する情報表示部28と、各種警告などを報知する報知部29と、各種警告を表示する警告表示部30と、を備えている。
具体的には、本実施形態においては、浮上速度違反判定部24は、浮上速度基準データ23としてROM6に格納されている水深範囲毎の浮上基準速度と現在の浮上速度とを比較して、現在の浮上速度が現在水深における浮上基準速度より早い場合には、報知装置13からのアラーム音の発生、表示の点滅など、さらに振動発生装置14からダイバーへの振動の伝達等の方法で浮上速度違反の警告を行い、浮上速度が浮上基準速度以下となった時点で浮上速度違反の警告を停止する。
本実施形態では、浮上速度基準データ23として各水深範囲例として以下の値が設定されている。
水深範囲 浮上速度基準値
1.8m未満 警告なし
1.8m〜5.9m 8m/分(約0.8m/6秒)
6.0m〜17.9m 12m/分(約1.2m/6秒)
18m以上 16m/分(約1.6m/6秒)
このように水深の深いところの方が、浮上速度基準値が大きくなるように設定しているのは、水深が深いところでは、同じ浮上速度で浮上しても単位時間あたりの浮上前後の水圧比が小さいので、比較的大きな浮上速度を許容しても減圧症を十分に防止できるからである。これに対して、水深が浅いところでは、同じ浮上速度で浮上しても単位時間あたりの浮上前後の水圧比が大きいので、比較的小さな浮上速度しか許容しないようになっているのである。
本実施形態では、浮上速度基準データ23として6秒あたりの浮上速度値がROM6に格納されているのは、水深の計測は1秒毎に行うにしても、ダイブコンピュータを装着した腕の動きが算出する浮上速度に影響を与えるのを防ぐためである。すなわち、浮上速度計測も同様の理由で、6秒ごとに行うので、今回の水深計測値と6秒前の前回の水深計測値との差分を算出し、この差分を浮上速度基準データ23に対応する浮上基準速度と比較する。
また、ダイブコンピュータの潜水結果記憶部25は、水深計測部10より計測した水深値が1.5m(潜水開始判定用水深値)より深く潜水した時点から水深値が再び1.5mより浅くなった時点までを1回の潜水動作としてこの間の潜水結果データ(潜水日時データ、潜水管理番号データ、潜水時間データ、最大潜水水深データ、最大潜水水深における水温データなど)をRAM7に記憶、保持しておく。この潜水結果記憶部25も図2に示したMPU1、ROM6、RAM7の機能として実現される。
ここで、潜水結果記憶部25は、浮上速度違反判定部24が1回の潜水で連続して複数回の警告、例えば、連続して2回以上の警告を発した時に浮上速度違反があった旨を潜水結果として記憶するように構成されている。
この潜水結果記憶部25は、水深計測部10が計測した水深値が、1.5m(潜水開始判定用水新地)より深くなってから、再び1.5mより浅くなるまでの間、計時部3の計測結果に基づいて潜水時間の計測を行い、潜水時間が3分未満であれば、この間の潜水は1回の潜水として扱われず、その間の潜水結果については記録しない。これは、素潜りのような短時間のダイビングまで全て記憶しようとすると、記憶容量の関係から重要なダイビング記録が更新されてしまう可能性があるからである。
このように実施形態のダイブコンピュータでは、水深が1.5m以下であって潜水時間が3分以上である場合に、新たな潜水が開始されたと判断しているので、潜水開始後に水深が1.5m未満になると、水深0mとして取り扱われる。この結果、水深が1.5mより僅かに深い場合に、腕を上げることなどによりダイブコンピュータのみが水深が1.5m未満になると浮上速度を守っているにも拘わらず、浮上速度違反警告が出される可能性が生じ得る。
そこで、本実施形態は、このような場合には、浮上速度違反警告を行わないようにして、浮上速度違反警告の信頼性を向上させている。
[3]ダイブコンピュータの窒素量算出時の機能構成
図4は、ダイブコンピュータの窒素量算出機能実現のための機能構成ブロック図である。
次に、図4のブロック図を参照しながら、ダイブコンピュータにおいて、ダイバーに蓄積される窒素量を計算するための機能構成について説明する。
図4に示すように、ダイブコンピュータは、前述の計時部3および水圧・水深計測部10のほか、呼吸気窒素分圧算出部31、呼吸気窒素分圧記憶部32、比較部33、半飽和時間選択部34、体内窒素分圧算出部35、体内窒素分圧記憶部36、体内窒素分圧排出時間導出部37および潜水可能時間導出部38を備えている。これらは、図2に示した各構成部分およびMPU1、ROM6、RAM7によって実行されるソフトウェアによって実現可能である。ただし、これに限らず、ハードウェアである論理回路のみ、あるいは、論理回路とMPUを含む処理回路とソフトウェアとを組み合わせることで実現することも可能である。
呼吸気窒素分圧計測部31は、水圧・水深計測部10の計測結果である現在時刻tにおける水圧P(t)に基づいて後述する呼吸気窒素分圧PIN2 (t)を算出する。
これにより呼吸気窒素分圧記憶部32は、呼吸気窒素分圧算出部31が算出した呼吸気の窒素分圧PIN2(t)を記憶する。
一方、半飽和時間選択部34は、体内窒素分圧を算出する際に用いる半飽和時間THを体内窒素分圧算出35に出力する。体内窒素分圧算出部35は、窒素の吸収/排出の速度が異なる組織部位毎に後述する体内窒素分圧PGT(t)を算出する。体内窒素分圧記憶部36は、体内窒素分圧算出部35が算出した体内窒素分圧PGT(t)を記憶する。
これらの結果、比較部33は、呼吸気窒素分圧PIN2 (t)および体内窒素分圧PGT(t)を比較し、比較結果に基づいて半飽和時間THを可変する。
[4]体内窒素分圧の計算方法
次に体内窒素分圧の具体的計算方法について説明する。本実施形態のダイブコンピュータ1において行われる体内窒素分圧の計算方法については、例えばKEN LOYST et al.著の「DIVE COMPUTERS A CONSUMER'S GUIDE TO HISTORY, THEORY &
PERFORMANCE」Watersport Publishing Inc.(1991)や、A.A.Buhlmann著の「Decompression-Decompression Sickness」(特に第14頁)、Springer,Berlin(1984)に記載されている。なお、ここで示す体内窒素分圧の計算方法はあくまで一例であり、この他にも各種の方法を用いることができる。
まず、水圧・水深計測部10は、時刻tに対応する水圧P(t)を出力する。ここで、P(t)は、大気圧も含めた絶対圧を意味する。
呼吸気窒素分圧計算部算出31は、水圧・水深計測部10から出力された水圧P(t)に基づいて、ダイバーが呼吸している空気中に対応する呼吸気窒素分圧PIN2(t)を計算し、出力する。ここで、呼吸気窒素分圧PIN2(t)は、水圧P(t)を用いた次式により算出される。
PIN2(t)=0.79×P(t)[bar]…(1)
なお、(1)式における「0.79」は、空気中に占める窒素の割合を示す数値である。呼吸気窒素分圧記憶部32は、呼吸気窒素分圧算出部31によって(1)式のように計算された呼吸気窒素分圧PIN2(t)の値を記憶する。
体内窒素分圧計算部64は、窒素の吸収/排出の速度が異なる体内組織毎にそれぞれ体内窒素分圧を計算することとなる。
例えばある一つの組織を例に取ると、潜水時間t=t0〜tEまでに吸収/排出する体内窒素分圧PGT(tE)は、計算開始時(=t0時)の体内窒素分圧PGT(t0)として、次式によって計算される。
PGT(tE)=PGT(t0)
+{PIN2(t0)−PGT(t0)}
×{1−exp(−K(tE−t0)/HT)}…(2)
ここで、Kは実験的に求められる定数であり、HTは各組織に窒素が溶け込んで飽和状態の半分に達するまでの時間(以下、半飽和時間と呼ぶ)であり、各組織によって異なる数値である。この半飽和時間HTは、後述するように、PGT(t0)とPIN2(t0)の大小に応じて可変となる。なお、時刻t0や時刻tEなどの時間の計測は、図2に示した計時部68によって管理されている。
体内窒素量算出部60は、上記のような体内窒素分圧PGT(t)の計算を所定のサンプリング周期tEで繰り返し実行する。この際、式によってサンプリング周期毎に計算された体内窒素分圧PGT(tE)は、体内窒素排出時間導出部37と潜水可能時間導出部38に供給されるほか、比較部33と体内窒素分圧排出時間導出部37にPGT(t0)として供給される。これは、即ち、式におけるPGT(t0)として前回サンプリング時のPGT(tE)が用いられることを意味している。
さて、上記計算に先立ち、比較部33は、呼吸気窒素分圧記憶部32に記憶されている呼吸気窒素分圧PIN2(t0)と、体内窒素分圧記憶部36から供給さえるPGT(t0)とを比較し、その比較結果を半飽和時間選択部74に出力する。半飽和時間選択部74は、体内窒素分圧算出部35が分圧計算に用いるべき半飽和時間HTを2種類(後述する半飽和時間HT1及びHT2)記憶しており、比較部34による比較結果に応じて半飽和時間HT1或いはHT2を選択し、体内窒素分圧算出部35に出力する。
体内窒素分圧算出部35は、半飽和時間選択部34により選択された半飽和時間HT1又はHT2を用いて、時刻t=tEのときの体内窒素分圧PGT(tE)を下式により計算する。
(A) PGT(t0)>PIN2(t0)の場合
PGT(tE)=PGT(t0)+{PIN2(t0)−PGT(t0)}
×{1−exp(−K(tE−t0)/HT1)}…(3)
(B) PGT(t0)<PIN2(t0)の場合
PGT(tE)=PGT(t0) +{PIN2(t0)−PGT(t0)}
×{1−exp(−K(tE−t0)/HT2)}…(3')
なお、上記(3)式及び(3')式では、HT2<HT1となっている。なお、PGT(t0)=PIN2(t0)の場合には、半飽和時間HTを次式のように定めるのが好ましい。
HT=(HT1+HT2)/2 …(4)
ここで、PGT(t0)>PIN2(t0)の場合と、PGT(t0)<PIN2(t0)の場合とで、半飽和時間HTが異なる理由について説明する。
まず、PGT(t0)>PIN2(t0)の場合は、体内から窒素が排出される場合であり、逆にPGT(t0)<PIN2(t0)の場合は、体内へ窒素が吸収される場合である。すなわち、窒素の排出は窒素の吸収に比較して時間がかかるので、窒素が排出される場合の半飽和時間HT1が窒素を吸収する場合の半飽和時間HT2より長く設定するのである。このように排出時と吸収時とで異なる半飽和時間HTを用いることにより、体内窒素量のシミュレーションをより厳密に行うことができる。従って、この仮想体内窒素算出部80によって求められた窒素分圧に基づいて、後述するような無減圧潜水可能時間や体内窒素排出時間を求める際にも、より正確な値を算出することが可能となる。体内窒素量算出部60は、上記のような体内窒素分圧PGT(t)の計算を行うことにより、ダイビングを行っているダイバーについて最新の体内窒素分圧を把握することが可能となる。
[5]無減圧潜水可能時間及び体内窒素排出時間の算出方法
上記のようにして求められた体内窒素分圧PGT(tE)と、呼吸気窒素分圧計算部62によって算出されるt=tE時の呼吸気窒素分圧PIN2(tE)とに基づいて、無減圧潜水可能時間と体内窒素排出時間とが、以下のようにして算出される。無減圧潜水可能時間は、式において計算されるPGT(tE)が、各組織の許容過飽和窒素量を示すPtolとなる場合の(tE−t0)を求めることによって算出される。このとき、現時点がt0と考えるので、式おけるPGT(t0)として、体内窒素量算出部60によって求められた体内窒素分圧PGT(tE)が用いられ、PIN2(t0)として、呼吸気窒素分圧計算部62によって算出される呼吸気窒素分圧PIN2(tE)が用いられる。即ち、
tE−t0=−HT×(ln(1−f))/K …(5)
ただし、
f=(Ptol−PGT(tE))/(PIN2(tE)−PGT(tE))である。この式によって、各組織における無減圧潜水可能時間が全て算出され、その中でもっとも小さい値が、求めるべき無減圧潜水可能時間となる。このようにして算出された無減圧潜水可能時間は、後述するようなダイビングモードにおいて表示されるようになっている。
次に、水面浮上後において体内窒素が排出されるまでの体内窒素排出時間の算出方法について説明する。
体内窒素排出時間を算出するには、前述した
PGT(tE)=PGT(t0) +{PIN2(t0)−PGT(t0)}
×{1−exp(−K(tE−t0)/HT)} …(6)
において、水面浮上時をt0として、
PGT(tE)=0
となるtEを求めればよい。しかしながら、上記式のような指数関数では、tEが無限大にならなければ、PGT(tE)=0とならないため、便宜的に下式を用いて各組織ごとの体内窒素排出時間tZを算出している。
tZ=−HT×ln(1−f)/K …(7)
ここで、
f=(Pde−PIN2)/(0.79−PIN2)
である。ここで、HTは前述した半飽和時間であり、Pdeは各組織ごとの残留窒素排出とみなす窒素分圧(以下、許容窒素分圧と呼ぶ)であり、これらは全て既知の値である。また、PIN2は、水面浮上時の各組織内の窒素分圧であり、体内窒素量計算部60によって算出される値である。上記式によって各組織ごとにtZが算出され、その中でもっとも大きい値が体内窒素排出時間となる。このようにして算出された体内窒素排出時間は、後述するようなサーフェスモードにおいて表示されるようになっている。
[6]動作
次に、上記構成からなるダイブコンピュータ1の動作について説明する。図5は、ダイブコンピュータの各種動作モードにおける表示画面の遷移を模式的に表す図である。
図5に示すように、ダイブコンピュータ1の動作モードには、時刻モードST1、サーフェスモードST2、プランニングモードST3、設定モードST4、ダイビングモードST5、ログモードST6、FO2 設定モードST7、プロファイルモードST8およびPC転送モードがある。
以下、各種動作モードについて説明する。なお、これらの各種動作モードにおける処理は、前述したように制御・演算部9によって実行される。
[6.1]時刻モード
時刻モードST1は、スイッチ操作を行わず、かつ、体内窒素分圧が平衡状態にあり、陸上で携帯するときの動作モードである。この時刻モードにおいて、液晶表示パネル11には、図5(符号ST1参照)に示すように、現在月日、現在時刻及び高度ランクが表示される。なお、高度ランク=0の場合には高度ランク表示はおこなわれない。具体的には、図5においては、現在月日が12月5日であり、現在時刻が10時06分であることを意味しており、特に現在時刻は、コロン(:)が点滅することによって、現在の時刻を表示していることをユーザに知らせている。
この時刻モードST1においてスイッチBを押すと、FO2設定モードST7に移行する。
[6.2]サーフェスモード
サーフェスモードST2は、前回のダイビングから48時間経過するまで陸上で携帯するときのモードであり、ダイブコンピュータ1は、前回のダイビングの終了後、ダイビング中に導通状態にあった潜水動作監視スイッチ30が絶縁状態になると自動的にサーフェスモードST2に移行するようになっている。このサーフェスモードST2においては、時刻モードST1で表示される現在月日、現在時刻および高度ランクの他に、体内窒素排出時間がカウントダウン表示される。ただし、体内窒素排出時間として表示すべき時間が0時間00分に至ると、それ以降は無表示状態となる。また、サーフェスモードST2においては、ダイビング終了後の経過時間が水面休止時間として表示される。この水面休止時間は、後述するダイビングモードにおいて、水深が1.5メートルよりも浅くなった次点をダイビングの終了として計時が開始され、ダイビング終了から48時間が経過した時点で無表示状態となる。従って、ダイブコンピュータ1において、ダイビング終了後48時間が経過するまでは陸上において、このサーフェスモードST2となり、それ以降は、時刻モードST1に移行することとなる。
具体的には、図5に示すサーフェスモードST2においては、水面休止時間が1時間13分、即ち、ダイビング終了後1時間13分経過していることが表示されている。また、これまでに行ったダイビングにより体内に吸収された窒素量が体内窒素グラフのマーク4個分に相当することが表示され、この状態から体内の過剰な窒素が排出されて平衡状態なるまでの時間、即ち体内窒素排出時間が10時間55分であることを表示している。
このサーフェスモードST2においてスイッチBを押すと、図5に示すように、FO2設定モードST7に移行する。
[6.3]プランニングモード
プランニングモードST3は、次に行うダイビングの最大水深と潜水時間の目安を、そのダイビング前に入力することが可能な動作モードである。このプランニングモードST3においては、水深ランク、無減圧潜水可能時間、水面休止時間、体内窒素グラフが表示される。水深ランクのランクは、所定時間毎に順次、表示が変わっていくようになっている。各水深ランクは、例えば、9m、12m、15m、18m、21m、24m、27m、30m、33m、36m、39m、42m、45m、48mの各ランクがあり、その表示は5秒毎に切り替わるようにされている。この場合において、時刻モードST1状態からFO2設定モードST7を経由し、プランニングモードST3に移行したのであれば、過去の潜水によって体内に過剰な窒素蓄積がない場合、すなわち、初回潜水のプランニングである。このため、体内窒素グラフの表示マークは0個であり、具体的には、図5(符号ST3参照)に示すように水深が15mの場合に無減圧潜水可能時間=66分と表示される。これは、水深12m以上15m以下の水深で66分未満までは無減圧潜水が可能であることを表している。
これに対して、サーフェスモードST2状態からFO2設定モードST7を経由し、プランニングモードST3に移行したのであれば、図5に示すように、過去の潜水によって体内に過剰の窒素蓄積がある反復潜水のプランニングであるため、体内窒素グラフにおいてマークが4個表示され、例えば水深が15mの場合に無減圧潜水可能時間=45分と表示される。これは、水深12m以上15m以下の水深で45分未満までは無減圧潜水が可能であることを表している。なお、飛行機搭乗を考慮した潜水可能時間を表示する設定がなされている場合は、上記の無減圧潜水時間の表示に代えて、安全に飛行機に搭乗するための潜水可能時間が表示されることになる。
このプランニングモードST3において、水深ランクが9mから48mへと順次表示されていく。このように所定の期間スイッチ操作がない場合には、サーフェスモードST2または時刻モードST1に自動的に移行するので、その都度スイッチ操作を行う必要がなく、ダイバーにとって便利である。また、スイッチBを押すとログモードST6に移行する。
[6.4]設定モード
設定モードST4は、現在月日や現在時刻、12/24時制の設定を行うための動作モードである。この設定モードST4では、現在月日、現在年、現在時刻が表示される。
この設定モードST4では、スイッチAを押す度に設定項目が時、秒、分、年、月、日、12/24時制に切り替わり、設定対象部分の表示が点滅することとなる。このとき、スイッチCを押すと設定項目の数値または文字が変わり、押し続けると設定項目の数値や文字が素早く変わる。さらにスイッチA、Cのいずれについても予め定めた期間(例えば、1〜2分)操作されなければ、サーフェスモードST2または時刻モードST1に自動的に復帰することとなる。
[6.5]ダイビングモード
ダイビングモードST5とは、潜水時の動作モードであり、無減圧潜水モードST51、現在時刻表示モードST52、減圧潜水表示モードST53を備えている。
無減圧潜水モードST51では、現在水深、潜水時間、最大水深、無減圧潜水可能時間、体内窒素グラフ、高度ランクなどダイビングに必要な情報が表示される。
図5に示す無減圧潜水モードST51においては、ダイビングを開始してから12分が経過し、現在、ダイバーは水深15.0mの深さの場所に位置し、この水深では、あと42分間だけ無減圧潜水を続けることができる旨が表示されている。また、現在までの最大水深は、20.0mである旨が表示され、さらに現在の体内窒素量は体内窒素グラフ203におけるマーク4個が点灯しているレベルである旨が表示されている。
このダイビングモードST5においては、急激な浮上が減圧症の原因となることから、浮上速度監視手段が働く。すなわち、所定時間毎(例えば、6秒毎)に現在の浮上速度を算出するとともに、算出した浮上速度と現在水深に対応する浮上速度上限値とを比較し、算出した浮上速度が浮上速度上限値よりも速い場合には、報知装置13から4[kHz]の周波数でアラーム音(浮上速度違反警告アラーム)を3秒間発するとともに、浮上速度を落とすように液晶表示パネル11において、「SLOW」の表示と、現在水深の表示とを所定周期(例えば、1秒周期)で交互に表示して浮上速度違反警告を行う。さらに振動発生装置38から浮上速度違反である旨を振動でダイバーに警告する。そして浮上速度が正常なレベルにまで低下したときには、浮上速度違反警告を停止することとなる。
また、ダイビングモードST5では、スイッチBを押すと、スイッチBが押し続けられている間だけ、現在時刻表示モードST52に移行し、現在時刻と、現在水温が表示される。具体的には、図5に示す現在時刻表示モードST52においては、現在時刻が10時18分であり、現在水温が23[℃]であることが表示されている。このように、ダイビングモードST5においてその旨のスイッチ操作があったときには所定の期間だけ現在時刻や現在水温の表示を行うため、小さな表示画面内で通常はダイビングに必要なデータだけを表示するように構成したとしても、現在時刻などを必要に応じて表示できるので便利である。しかも、このようにダイビングモードST5においても、表示の切り替えにスイッチ操作を用いたので、ダイバーが知りたい情報を適正なタイミングで表示することが可能となっている。
また、ダイビングモードST5の状態で、水深が1.5mより浅いところにまで浮上したときには、ダイビングが終了したものとみなされ、潜水により導通状態となって潜水動作監視スイッチ30が絶縁状態になった時点でサーフェスモードST2に自動的に移行する。なお、水深が1.5m以上となったときから再び水深が1.5m未満となった時までを1回の潜水動作として、この期間中の潜水結果(ダイビングの日付、潜水時間、最大水深などの様々なデータ)がRAM54に記憶される。併せて、今回のダイビング中に上述した浮上速度違反警告が連続して2回以上あった場合には、その旨も潜水結果に含めて記録される。
本実施形態のダイブコンピュータは、無減圧潜水を前提に構成されているものであるが、減圧潜水を行う必要が生じた場合には、その旨のアラームをオンしダイバーに告知し、動作モードを減圧潜水表示モードST53に移行する。
減圧潜水表示モードST53においては、現在水深、潜水時間、体内窒素グラフ、高度ランク、減圧停止深度、減圧停止時間、総浮上時間を表示する。具体的には、図5に示す減圧潜水表示モードST53においては、潜水開始から24分経過し、水深が29.5mのところにいる旨が表示されている。また、体内窒素量が最大許容値を超え危険であるため、安全な浮上速度を守りながら水深3mのところまで浮上し、そこで1分間の減圧停止をするようにとの指示が表示されている。ダイバーは、上記のような表示内容に基づいて減圧停止した後、浮上することとなるが、この減圧を行っている間、体内窒素量が減少傾向にある旨が下向きの矢印により表示される。
さらにこのダイビングモードにおいては、後述のログモードにおいて表示される浮上速度グラフを表示するための浮上速度が計測される。
[6.5.1]浮上速度記録処理
ここで、ダイビングモードにおける浮上速度記録処理について詳細に説明する。
図6は、浮上速度記録処理の処理フローチャートである。
まずMPU1は、潜水動作監視スイッチ12の出力信号に基づいて潜水が開始されたか否かを判別する(ステップS40)。
ステップS40の判別において潜水が開始されていない場合には、MPU1は、待機状態となる。
ステップS40の判別において、潜水が開始された場合には、MPU1は、水圧・水深計測部10の出力信号に基づいて所定計測時間における水圧変化あるいは水深変化に基づいて当該計測時間における浮上速度を計測し、算出する(ステップS41)。
次に、MPU1は、算出した浮上速度をRAM7に記憶するタイミングであるか否かを判別する(ステップS42)。
ステップS42の判別において、浮上速度をRAM7に記憶するタイミングであると判別した場合には、MPU1は、算出した浮上速度をRAM7に記憶し、処理をステップS44に移行して潜水動作監視スイッチ12の出力信号に基づいて潜水が終了したか否かを判別する(ステップS44)。
ステップS42の判別において、浮上速度をRAM7に記憶するタイミングではないと判別した場合には、MPU1は、潜水動作監視スイッチ12の出力信号に基づいて潜水が終了したか否かを判別する(ステップS44)。
ステップS44の判別において潜水が終了していない場合には、MPU1は、再び処理をステップS40に移行し、以下、同様の処理を行う。
ステップS44の判別において、潜水が終了した場合には、MPU1は、潜水ログ(潜水履歴)やプロファイルの確定処理を行い(ステップS45)、記憶処理を終了する(ステップS46)。
[6.6]ログモード
ログモードST6は、ダイビングモードST5に入った状態で水深1.5mよりも深くに3分以上潜水したときの各種データを記憶、表示する機能である。このようなダイビングのデータは、ログデータとして潜水毎に順次記憶され、所定数(例えば、10回)の潜水のログデータを記憶保持する。ここで、最大記憶数以上の潜水を行った場合には、古いデータから順に削除され常に最新のログデータが記憶されていることとなる。なお、最大記憶数以上の潜水を行った場合でも、予め設定しておくことにより、ログデータの一部を削除せずに保持するように構成することも可能である。
このログモードST6へは、プランニングモードST3において、スイッチBを押すことにより移行することが可能となっている。
ログモードST6においては、ログデータは所定時間(例えば、4秒)毎に切り替わる二つのモード画面を有している。図5に示すように、第1のログモードST61では、潜水月日、平均水深、潜水開始時刻、潜水終了時刻、潜水を終了した時点における体内窒素残量レベルを表すグラフ(図中、左端のグラフ)および当該潜水における最速の浮上速度レベルを表すグラフ(図中、下端のグラフ)が表示される。
第2のログモードST62では、潜水を行った日における何回目の潜水であるかを示すログナンバー、最大水深、潜水時間、最大水深時の水温、高度ランク、潜水を終了したときの体内窒素グラフ残量レベルを表すグラフ(図中、左端のグラフ)および当該潜水における最速の浮上速度レベルを表すグラフ(図中、下端のグラフ)が表示される。
具体的には、図5(符号ST6参照)に示すように、12月5日の2回目のダイビングでは、潜水が10時07分に開始され、10時45分で終了し、38分間の潜水であった旨が表示されている。このときのダイビングでは、平均水深が14.6m、最大水深が26.0m、最大水深時の水温=23[℃]であり、ダイビング終了後、体内窒素グラフのマークが(9個中)4個点灯に相当する窒素ガスが体内に吸収されており、最大浮上速度グラフのマークが(12個中)8個点灯に相当する浮上速度レベルが検出された旨を表している。
このように本実施形態のログモードST6においては、2つのモード画面を自動的に切り替えながら各種情報を表示するので、表示画面が小さくても実質的に表示可能な情報量を多くする事ができ、視認性が低下することがない。
さらにログモードST6においては、スイッチAまたはスイッチCを押す度に新しいデータから古いデータに順次表示が切り替わり、最も古いログデータが表示された後は、プロファイルモードST8に移行する。全ログデータのうち一部のログデータを表示し終わった状態においても、スイッチBを押すことによりプロファイルモードST8に移行することができる。
さらにスイッチA、Cのいずれもが所定時間(1〜2分)操作されない場合には、動作モードがサーフェスモードST2または時刻モードST1に自動的に復帰する。従ってダイバーがスイッチ操作を行う必要がなく使い勝手が向上している。
[6.7]FO2 設定モード
FO2 設定モードST7では、FO2 が2[Hz]で点滅表示され、FO2 の設定が可能である。また、他の設定には安全レベルの設定やプロファイルの計測間隔設定、ダイブモードで使用する潜水時間アラーム等のダイビング時に必要な機能の設定を行う。
設定モードST4からスイッチA、Bの同時押しによりこのFO2 モードST7に移行可能である。
FO2 モードST7内で、スイッチAを押すことによって設定モードST4に戻り、スイッチBを押すことによってFO2 の設定が可能である。
ここで、スイッチBを押し続けた場合、8[Hz]の早送り表示がされるが、予め設定されていたFO2 、例えば、21[%]、32[%]等の値になった場合は、次のキー入力があるまで表示を固定させる。セーフティレベルは、通常の減圧計算を行うレベルと、ダイビング後に1ランク高い高度ランクの場所へ移動することを前提として減圧計算を行うレベルの二つのレベルを選択することが可能である。プロファイルの計測間隔設定は15秒または30秒の設定ができ、設定時間毎にダイブモードで水深を記憶(メモリ)する。
[6.8]プロファイルモード
プロファイルモードST8では、ログモードST6で表示対象となっている潜水のより詳細な情報であるプロファイルが表示される。
ログモードST6からスイッチBを押すことによってこのプロファイルモードST8に移行可能である。
また、プロファイルモードST8内で、スイッチBを押すことによってPC転送モードST9に移行可能である。
さらにプロファイルモードST8においては、スイッチCを押す度に他のプロファイルが参照でき、1〜2秒毎に自動で計測した水深が表示更新していく。スイッチAを押している間は自動更新している水深を一時的に止め、潜水時間に対する水深がユーザは認識できる。
さらにスイッチA、Cのいずれもが所定時間(1〜2分)操作されない場合には、動作モードがサーフェスモードST2または時刻モードST1に自動的に復帰する。従ってダイバーがスイッチ操作を行う必要がなく使い勝手が向上している。
プロファイルモードST8においては、図5に示すように、潜水月日、潜水開始からの経過時間、当該経過時間における水深が表示される。浮上速度レベルをプロファイルに残す場合には当該経過時間における浮上速度レベルを表すグラフ(図中、下端のグラフ)が表示される。
具体的には、図5(符号ST8参照)に示すように、プロファイルデータ表示対象の12月5日(図5では2回目の)ダイビングでは、潜水経過時間10分(図5の場合は、10時17分に相当)の水深=20.0[m]である。
[6.9]PC転送モード
PC転送モードST9では、パーソナルコンピュータ接続状態で「PC」の文字が点灯し、パーソナルコンピュータに対してプロファイルデータあるいはログファイルデータを転送することが可能になる。
プロファイルモードST8からスイッチBを押すことによりPC転送モードST9に移行可能であり、PC転送モードST9においてスイッチBを押すことにより設定モードST4に移行可能である。
実際の転送制御については、パーソナルコンピュータ側のアプリケーションソフトにより行うこととなる。
[7]変形例
[7.1]第1変形例
以上の説明では、ログモードST6およびプロファイルモードST8においては、記録した潜水データを単に表示するに留まっていたが、記録された浮上速度レベル、水深、警告情報などから、今後の潜水でより安全な潜水を行えるように、潜水状態の診断機能を設けるように構成することも可能である。
図7は、潜水状態の診断機能を実現するための処理フローチャートである。
まず、MPU1は、RAM7に記録されているログデータあるいはプロファイルデータに基づいて所定の危険浮上速度レベルを超える浮上速度レベルが存在したか否かを判別する(ステップS50)。
ステップS50の判別において、所定の危険浮上速度レベルを超える浮上速度レベルが存在しない場合には、処理をステップS52に移行する。
ステップS50の判別において、所定の危険浮上速度レベルを超える浮上速度レベルが存在したと判別した場合には、当該浮上速度レベルが検出された時の水深における当該浮上速度レベルの浮上の危険性について診断を行い(ステップS)、他の危険に対応する警告が発生していたか否かをRAM7に記録されているログデータあるいはプロファイルデータに基づいて判別する(ステップS52)。
ステップS52の判別において、他の警告が発生していない場合には、処理をステップS54に移行する。
ステップS52の判別において、他の危険に対応する警告が発生していた場合には、当該警告が出された時の水深における当該警告に対応する行為の危険性について診断を行う(ステップS53)。
次にMPU1は、以上の処理における診断結果をログモードST6あるいはプロファイルモードST5において表示する(ステップS54)。
次にMPU1は、上記診断結果が危険性有りであったか否かを判別する(ステップS55)。
ステップS55の判別において、診断結果が危険性なしと判別された場合には、次回の潜水において通常の潜水を行わせるように設定し処理を終了する(ステップS56)。すなわち、ダイバーのプランに基づくダイビングをそのまま行わせるような設定とする。
ステップS55の判別において、診断結果が危険性有りと判別された場合には、次回の潜水において診断結果に対応させた安全な潜水を行わせるように設定し処理を終了する(ステップS57)。
具体的には、浮上速度警告レベルを通常時より厳しく設定したり、ダイバーに警告が伝わらなかったものと仮定して警告方法をわかりやすくしたり、潜水可能時間を抑制したりする。
警告方法をわかりやすくする方法としては、音量を上げたり、音のパターンをより注意を促すものとしたり、EL照明装置を有する場合には点灯させたり、よりわかりやすい表示(例えば、表示サイズを大きく)に変更したりする。
この潜水状態の診断機能を設けることにより、ログデータあるいはプロファイルデータに基づいてより安全な潜水を行わせることができる。
[7.2]第2変形例
上記実施形態では、上述した各種動作を行うためのプログラムが予めROM6に記憶されていることを前提としていた。ただし、これに限らず、図示せぬパーソナルコンピュータやサーバコンピュータとダイブコンピュータを通信ケーブルあるいはネットワークを介して接続し、このパーソナルコンピュータあるいはサーバコンピュータからダイブコンピュータに上記プログラムをダウンロードするような形態であってもよい。この場合、ダイブコンピュータ内の書き換え可能な不揮発性メモリ(図示略)にプログラムが記憶されることになる。そして、MPU1は、この不揮発性メモリからプログラムを読み出して、これを実行すればよい。
本発明の一実施形態に係るダイブコンピュータの全体構成図である。 ダイブコンピュータの詳細構成ブロック図である。 浮上速度監視機能実現のための機能ブロック図である。 ダイブコンピュータの窒素量算出機能実現のための機能構成ブロック図である。 ダイブコンピュータの各種動作モードにおける表示画面の遷移を模式的に表す図である。 浮上速度記録処理の処理フローチャートである。 潜水状態の診断機能を実現するための処理フローチャートである。
符号の説明
1…MPU、2…表示部、3…計時部、4…圧力センサ、5…アナログ/ディジタル変換器、6…ROM、7…RAM、8…報知部、9…制御・演算部(浮上速度算出部、浮上速度記憶部、安全性判別部)、10…水圧・水深計測部、11…スイッチ操作部、12…潜水動作監視スイッチ、13…報知装置、14…振動発生装置、15…液晶ドライバ、16…液晶表示パネル、17…制御回路、18…時刻用カウンタ、19…分周回路、20…発振回路、21…増幅回路、22…浮上速度計測部、23…浮上速度基準データ、24…浮上速度違反判定部、25…潜水結果記憶部、26…水温計測部、26A…水温計測センサ(温度計測センサ)、26B…増幅回路、26C…A/D変換器、28…情報表示部、29…報知部、30…警告表示部、31…呼吸気窒素分圧算出部、32…呼吸気窒素分圧記憶部、33…比較部、34…半飽和時間選択部、35…体内窒素分圧算出部、36…体内窒素分圧記憶部、37…体内窒素分圧排出時間導出部、38…潜水可能時間導出部、PW…電源部。

Claims (12)

  1. 予め定めた計測間隔で水圧または水深を検出し、今回の計測タイミングを含む複数回の計測タイミングにおける検出値の変化状態に基いて浮上速度を算出する浮上速度算出部と、
    前記計測間隔に対応する計測期間毎に対応づけて少なくとも各計測期間に対応する最速の浮上速度を記憶する浮上速度記憶部と、
    を備えたことを特徴とするダイバーズ用情報処理装置。
  2. 請求項1のダイバーズ用情報処理装置において、
    前記複数の計測期間毎に対応づけられた前記浮上速度の安全性を判別する安全性判別部を備えたことを特徴とするダイバーズ用情報処理装置。
  3. 請求項2記載のダイバーズ用情報処理装置において、
    前記安全性判別部は、前記安全性の判別において、他の警告の発生の有無を考慮することを特徴とするダイバーズ用情報処理装置。
  4. 請求項2または請求項3記載のダイバーズ用情報処理装置において、
    前記安全性判別部は、前記安全性の判別において当該浮上を行ったときの水深を考慮することを特徴とするダイバーズ用情報処理装置。
  5. 請求項2ないし請求項4のいずれかに記載のダイバーズ用情報処理装置において、
    前記安全性判別部の判別結果に基づいて、次回以降の潜水における安全性を向上させるべく設定を行う安全性改善設定部を備えたことを特徴とするダイバーズ用情報処理装置。
  6. 予め定めた計測間隔で水圧または水深を検出し、今回の計測タイミングを含む複数回の計測タイミングにおける検出値の変化状態に基いて浮上速度を算出する浮上速度算出過程と、
    前記計測間隔に対応する計測期間毎に対応づけて少なくとも各計測期間に対応する最速の浮上速度を記憶する浮上速度記憶過程と、
    を備えたことを特徴とするダイバーズ用情報処理装置の制御方法。
  7. 請求項6ダイバーズ用情報処理装置の制御方法において、
    前記記憶した浮上速度の安全性を判別する安全性判別過程を備えたことを特徴とするダイバーズ用情報処理装置の制御方法。
  8. ダイバーズ用情報処理装置をコンピュータにより制御するための制御プログラムにおいて、
    予め定めた計測間隔で水圧または水深を検出させ、
    今回の計測タイミングを含む複数回の計測タイミングにおける検出値の変化状態に基いて浮上速度を算出させ、
    前記計測間隔に対応する計測期間毎に対応づけて少なくとも各計測期間に対応する最速の浮上速度を記憶させる、
    ことを特徴とする制御プログラム。
  9. 請求項8記載の制御プログラムにおいて、
    前記複数の計測期間毎に対応づけられた前記浮上速度の安全性を判別させことを特徴とする制御プログラム。
  10. 請求項9記載の制御プログラムにおいて、
    前記安全性の判別において、他の警告の発生の有無を考慮させることを特徴とする制御プログラム。
  11. 請求項9または請求項10記載の制御プログラムにおいて、
    前記安全性の判別において当該浮上を行ったときの水深を考慮させることを特徴とする制御プログラム。
  12. 請求項8ないし請求項11のいずれかに記載の制御プログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017151009A (ja) * 2016-02-26 2017-08-31 カシオ計算機株式会社 警告通知装置、電子時計、警告方法およびプログラム

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