JP2005073632A - 米粉パン生地の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】微細な米粉を主成分とする原料に混捏用水を添加して混捏して米粉パン生地を生成する米粉パン生地の製造方法であって、前記混捏用水として水を被電解水とする電解にて生成される電解生成酸性水または電解生成アルカリ性水を採用するものであり、これらの電解生成水の機能を有効に利用して、米粉パン生地を改質し、同米粉パン生地を原料とする米粉製パンの品質を向上させる
【選択図】 図2
Description
本実施例では、上記した本発明の実施形態に係る米粉製食パンの製造方法を実施して、本発明の主要部である混捏工程で混捏用水として採用した電解生成水の効果の確認を行った。本実施例では、混捏用水として、電解生成酸性水(供試水1)、電解生成アルカリ生成水(供試水2)、および、一般の水道水(供試水3:比較例)を採用した。各供試水1〜3の特性を表1に示す。供試水1である電解生成酸性水は、供試水3である水道水に比較して、低いpH、高い酸化還元電位、および高濃度の溶存酸素等の特性で特徴付けられる。また、供試水2である電解生成アルカリ性水は、供試水3である水道水に比較して、高いpH、低い酸化還元電位、および低濃度の溶存酸素等の特性で特徴付けられる。
(2)米粉製食パンのクラムの官能検査:
米粉製食パンの外皮内の白い部分を約5cm角に切分けたクラムを、パネル27名による官能検査に供した。官能検査では、評価項目を、色の白さ、香りのよさ、きめの細かさ、やわらかさ、弾力性、味のよさ、総合評価の7項目に設定して、これらの7項目のそれぞれを順位法に基づいて評価した。得られた評価の結果を表2に示す。但し、表2に示す数値は、パネル27名の平均値を表している。
(3)米粉製食パンの外観
混捏用水として各電解生成水(電解生成酸性水および電解生成アルカリ性水)を使用した米粉製食パンと、混捏用水として水道水を使用した米粉製食パンとの比容積、および、クラストの色について比較検討した。各米粉製食パンの比容積は、菜種種子置換法を用いて測定し、また、各米粉製食パンのクラストの色は、色差計(ミノルタCR−10)を用いて測定した。得られた結果を表3に示す。なお、以下の説明では、混捏用水として電解生成酸性水を使用した米粉製食パンを電解生成酸性水使用の食パン、混捏用水として電解生成アルカリ性水を使用した米粉製食パンを電解生成アルカリ性水使用の食パン、混捏用水として水道水を使用した米粉製食パンを水道水使用の食パンと簡略して表記する。
2であることから、両クラストの色の違いは肉眼で視認可能であると思われる。一方、電解生成アルカリ性水使用の食パンでは、水道水使用の食パンとの間では、クラストの色の有意差は認められない。
(4)クラムの内相
各電解生成水使用の各食パン(米粉製食パン)と水道水使用の食パン(米粉製食パン)とのクラムの内相について比較検討した。クラムの内相については、クラムのガスセルの大きさを画像解析によって比較した。各食パンの断面の中心部分を縦横180画素、0から180階調の範囲で二値化し、その面積からガスセルの円相当径(mm)を算出した。得られた結果を表4に示す。
(5)クラムの物性
各米粉製食パンの物性の相違を明らかにするため、各米粉製食パンのクラム(食パンの断面中心部分から切出した30mm角)を、咀嚼試験に供した。咀嚼試験は、レオメータ(レオテック社製)にて、直径12.7mmのアクリル製プランジャーを使用して、圧縮率80%で測定した。得られた結果を、硬さについては図2(a)のグラフに示し、凝集性(弾力性)については図2(b)のグラフに示す。
(6)モデル実験
電解生成水使用の食パンは、水道水使用の食パンに比較して、パンの膨化性が向上してパンの物性が改質されたものと認められる。電解生成水による膨化性の改変要因としては、電解生成水のpH、イオン濃度、酸化還元電位等が、米粉の成分である澱粉や蛋白質に何らかの影響を与えているものと推測される。このため、電解生成水が米粉の成分である澱粉および蛋白質に与える影響について、モデル実験を試みた。モデル実験では、第1に、米粉の蛋白質を各供試水を用いて溶出する実験を行い、蛋白質の溶出量をブラッドフォード法により測定した。得られた結果を表5に示す。また、モデル実験では、第2に、米粉の澱粉を各供試水を用いて糊化する実験を行い、そのRVA測定を行った。得られた結果を表6に示す。
本実施例は、米粉パン生地を生成する際に不可避的に添加される砂糖の添加量を低減した場合の、各供試水による米粉製パンの品質改良の影響を意図したものである。一般に、米粉は小麦粉に比較して内在性酵素に乏しく、酵母の栄養源である糖が生成され難いと考えられている。このため、米粉製のパンを製造する際には、予め米粉に糖類をブレンドしたり、米粉パン生地への砂糖の添加量を増やすといった工夫がなされている。米粉パン生地への砂糖の添加量を増やすと、当該米粉パン生地を原料とするパンには甘味が増え、食パン等の食事パンとしてはやや甘みがあって好適なものとはいえなくなる。このため、特に、食パン等の食事パンの製造では、砂糖の米粉パン生地への添加量をできるかぎり減量することが望ましい。
米粉製食パンの外観を比較検討した結果である表7を参照すると、各米粉製食パンの比容積については、各電解生成水使用の食パンは、水道水使用の食パンに比較して有意に大きいことが確認される。この結果からは、米粉パン生地へ添加する砂糖を減量することにより、混捏工程の初期に、砂糖に吸収される水分が減少し、結果的にグルテンに使われる水の量が増えて反応が進み易くなったためと推測される。
(3)クラムの内相
米粉製食パンの内相を比較検討した結果である表8を参照すると、クラムのガスセルの大きさを画像解析して算出されるガスセルの円相当径(mm)については、各電解生成水使用の食パンは、水道水使用の食パンに比較して有意に大きいことが確認される。但し、その有意差は、砂糖を減量したことにより、電解生成アルカリ性水使用の食パンではより大きく、電解生成酸性水使用の食パンではより小さくなることが確認される。
(4)クラムの物性
クラムの咀嚼試験の結果である図3(a),(b)を参照すると、図3(a)に示す硬さについては、各電解生成水使用の食パンは、水道水使用の食パンに比較して有意に低下していることが確認される。この結果は、各電解生成水使用の食パンは、水道水使用の食パンに比較してやわらかいことを意味しており、クラムの「やわらかさ」の改質には砂糖の減量の影響はほとんど認められない。
Claims (4)
- 微細な米粉を主成分とする原料に混捏用水を添加して混捏して米粉パン生地を生成する米粉パン生地の製造方法であり、前記混捏用水として、水を被電解水とする電解にて生成される電解生成水を採用することを特徴とする米粉パン生地の製造方法。
- 請求項1に記載の米粉パン生地の製造方法において、前記原料に添加する混捏用水は、水を被電解水とする有隔膜電解にて生成される電解生成酸性水であることを特徴とする米粉パン生地の製造方法。
- 請求項1に記載の米粉パン生地の製造方法において、前記原料に添加する混捏用水は、水を被電解水とする有隔膜電解にて生成される電解生成アルカリ性水であることを特徴とする米粉パン生地の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の米粉パン生地の製造方法において、前記原料の主成分には砂糖を混在させることを特徴とする米粉パン生地の製造方法。
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CN111602696A (zh) * | 2020-05-31 | 2020-09-01 | 重庆嘉利华食品有限公司 | 一种面包制作原料的生物发酵方法 |
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