JP2005071186A - 記録装置及びバス調停方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 利用環境に応じて最適なバス調停を行なうことの可能なバス調停方法及びその方法を採用した記録装置を提供することである。
【解決手段】 情報処理機器にある複数のDMA要求源各々に対して、優先順位と関連付けられた固有の識別番号を書き換え可能なレジスタに設定しておき、複数のDMA要求源から少なくとも1つのDMA要求信号を受信すると、受信された少なくとも1つのDMA要求信号を優先順位と関連付けられた固有の識別番号に従って並べ替え、その並べ替えられたDMA要求信号の内、最も優先順位の高いDMA要求信号を選択し、その選択DMA要求信号に基づいてDMAコントローラを介してその選択DMA要求信号を発行したDMA要求源とメモリとの間でのDMA処理が実行されるように調停する。
【選択図】 図3

Description

本発明は記録装置及びバス調停方法に関し、特に、例えば、DMA処理を行なう複数のDMA要求源を備えた記録装置及びバス調停方法に関する。
情報処理機器において、一つのバスに複数のバスマスタが接続され、各バスマスタがこのバスを使用してデータの送受信を行おうとする場合、各バスマスタのバス使用要求に対する競合調整(アービトレーション)が必要となる。例えば、プリンタシステムの場合、各種メモリ(SRAM、DRAM等)のバスの調停に、この調整が用いられる。
例えば、プリンタのMPUはメモリ内にヒープ領域を持ち、プリンタと接続されたパーソナルコンピュータ(PC)とのインタフェースモジュールはPCとのデータ送受信に用いられるリングバッファを同じメモリ内に持った場合、両者の処理が競合した時にはバス調停手段が起動して、その競合を解消する。
言い換えると、ここで例として説明しているプリンタシステムの場合、バスマスタはMPU、PCとのインタフェースモジュールだけである。
従来より、このバス調停の手法(即ち、バスアービトレーション方式)として、シングルレベル方式とラウンドロビン方式が知られている。
さて、シングルレベル方式は、各バスマスタに優先順位をつけ、その順位によりバス競合を調停するものであり、その優先順位は常に変化することが無い。
これに対して、ラウンドロビン方式には、初期状態では、シングルレベル方式と同様に各バスマスタに対して優先順位が存在するものの、一度、バス使用許可を受けたバスマスタは、次回、競合は発生した時には、その優先順位が最下位レベルまで下がるというように優先順位を変化させ、各マスタに、ある程度、公平なバス使用権を与えようとする機構が備えられている。
ここで、ラウンドロビン方式という名称は、この方式が基本的には、次回の競合発生時には、優先順位(i)のマスタが優先順位(i−1)のマスタに(即ち、優先順位が1つ上位に変化)、優先順位(0=最上位)のマスタが優先順位(n:最下位)になるというように、優先順位が回転しているようにみえることに由来している。なお、“i”は、“0”以上“n”以下の正の整数である。
このようなバス調停手段を用いることで、メモリやバスと言った、限られたハードウェア資源を有効活用しているのである。
例えば、特許文献1はバス・ア−ビタ回路に関する発明であり、これは明示的に記述されてはいないが、バスマスタの中で最後にバス使用許可信号を与えたバスマスタ以外のバスマスタに優先的にバス使用許可信号を与えると言う手段にて、暗示的にラウンドロビン方式の調停を成し得ている良い例といえる。
なお、一般の情報処理機器においては、実際に、10個程度のバスマスタが存在し、そして、この各マスタもバス調停手段も、1つのASICに内蔵されてしまうのが、普通である。
特開平1−72253号公報。
しかしながら上記従来例では、バス調停手段がASICに内蔵されてしまうので、ある方式に従うバス調停手段をASICに実装すると、その調停方式の変更ができないという問題があった。
上記従来例では、シングルレベル方式を採用した場合には、各バスマスタの順位は、完全に一律に定まってしまい、その変更はできない。また、ラウンドロビン方式は、バス使用権を各バスマスタに公平に与えているため、一見、データ処理上のボトルネックを解消する良い手法のように見えるかもしれないが、その調停された順位が、適切か否かは、プリンタシステムが構成されるまでは、不明な場合が多い。
特に、高画質な画像形成が要求される場合や、ディジタルカメラから、直接、データを入力してプリント出力する場合などは、あるバスマスタに特定のデータ処理が集中するため、単純なラウンドロビン方式ではボトルネックの解消が無理なこともある。
以上の問題点をまとめると、ASIC設計時には、それが用いられるプリンタ内でのバスの競合の度合いが完全に把握できないので、実装されたバス調停手段で、適切にバス競合が解消されるかは、不明であることだと言える。そして、この問題は、最悪の場合、ASICの再設計と言う事態に陥る可能性もある。
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、利用環境に応じて最適なバス調停を行なうことの可能なバス調停方法及びその方法を採用した記録装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明のバス調停方法は以下のような工程からなる。
即ち、情報処理機器にある複数のDMA要求源からのDMA要求を調停するバス調停方法であって、前記複数のDMA要求源各々に対して、優先順位と関連付けられた固有の識別番号を書き換え可能なレジスタに設定する設定工程と、前記複数のDMA要求源が発行した少なくとも1つのDMA要求信号を受信する受信工程と、前記受信工程で受信された前記少なくとも1つのDMA要求信号を前記優先順位と関連付けられた固有の識別番号に従って並べ替える並べ替え工程と、前記並べ替え工程において並べ替えられたDMA要求信号の内、最も優先順位の高いDMA要求信号を選択する選択工程と、前記選択工程において選択されたDMA要求信号に基づいてDMAコントローラを介して前記選択されたDMA要求信号を発行したDMA要求源とメモリとの間でのDMA処理が実行されるように調停する調停工程とを有することを特徴とするバス調停方法を備える。
さらに、前記情報処理機器にとりえる複数の状態を示す状態信号を入力する入力工程を備えるようにすれば、前記設定工程では、前記情報処理機器がとりえる複数の状態各々に対応して別々の優先順位と関連付けられた固有の識別番号を前記書き換え可能なレジスタに対して設定可能とし、前記並べ替え工程では、前記入力工程において入力される状態信号が示す状態に対応した優先順位と関連付けられた固有の識別番号に従って前記並べ替えを行なうようにすると良い。
また、他の発明によれば、情報処理機器にある複数のDMA要求源からのDMA要求をラウンドロビン方式を用いて調停するバス調停方法であって、前記複数のDMA要求源各々に対して、優先順位と関連付けられた固有の識別番号とDMAの特権処理を行なうどうかを示す情報とを書き換え可能なレジスタに設定する設定工程と、前記複数のDMA要求源が発行した少なくとも1つのDMA要求信号を受信する受信工程と、前記受信工程で受信された前記少なくとも1つのDMA要求信号を前記優先順位と関連付けられた固有の識別番号と前記DMAの特権処理を行なうどうかを示す情報に従って並べ替える並べ替え工程と、前記並べ替え工程において並べ替えられたDMA要求信号の内、最も優先順位の高いDMA要求信号を選択する選択工程と、前記選択工程において選択されたDMA要求信号に基づいてDMAコントローラを介して前記選択されたDMA要求信号を発行したDMA要求源とメモリとの間でのDMA処理が実行されるように調停する調停工程とを有することを特徴とするバス調停方法を備える。
またさらに他の発明によれば、上記構成のようなバス調停方法を採用した記録装置であって、前記バス調停方法はASICにより実現されることを特徴とする記録装置を備える。
ここで、装置全体を制御するMPUや外部装置からの記録情報を受信するインタフェースなどはDMA要求源となる。
そして、前記MPUは前記ASICに対して前記記録装置の動作状態を示す状態信号を出力する出力手段をさらに有するようにすると良い。
なお、上記の記録装置は、インクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドを用いて記録を行なうものを含み、その場合、前記インクジェット記録ヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出するために、インクに与える熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えていることが望ましい。
以上の構成により本発明によれば、情報処理機器にある複数のDMA要求源各々に対して、優先順位と関連付けられた固有の識別番号を書き換え可能なレジスタに設定しておき、複数のDMA要求源から少なくとも1つのDMA要求信号を受信すると、受信された少なくとも1つのDMA要求信号を優先順位と関連付けられた固有の識別番号に従って並べ替え、その並べ替えられたDMA要求信号の内、最も優先順位の高いDMA要求信号を選択し、その選択DMA要求信号に基づいてDMAコントローラを介してその選択DMA要求信号を発行したDMA要求源とメモリとの間でのDMA処理が実行されるように調停する。
従って以上説明したように本発明によれば、書き換え可能なレジスタに複数のDMA要求源各々に対して優先順位と関連付けられた固有の識別番号を格納しておき、DMA要求があった場合には、そのレジスタから読み出される固有の識別番号に従って、優先的に処理を行なうDMA要求を決定するように判断できるので、そのレジスタに例えば、MPUが前もってDMA要求源各々に対して優先順位と関連付けられた固有の識別番号を設定しておくことで利用環境に応じて最適なバス調停を行なうことのできるという効果がある。
このようにすることで、バス調停機能を組み込むASICの設計時に予測し得なかった事態に対しても、柔軟に対応できるバス調停機能を提供することができる。
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について、さらに具体的かつ詳細に説明する。
なお、この明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
またさらに、「ノズル」とは、特にことわらない限り吐出口ないしこれに連通する液路およびインク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子を総括して言うものとする。
<インクジェット記録装置の説明(図1)>
図1は本発明の代表的な実施形態であるインクジェット記録装置1の構成の概要を示す外観斜視図である。
図1に示すように、インクジェット記録装置(以下、記録装置という)は、インクジェット方式に従ってインクを吐出して記録を行なう記録ヘッド3を搭載したキャリッジ2にキャリッジモータM1によって発生する駆動力を伝達機構4より伝え、キャリッジ2を矢印A方向に往復移動させるとともに、例えば、記録紙などの記録媒体Pを給紙機構5を介して給紙し、記録位置まで搬送し、その記録位置において記録ヘッド3から記録媒体Pにインクを吐出することで記録を行なう。
また、記録ヘッド3の状態を良好に維持するためにキャリッジ2を回復装置10の位置まで移動させ、間欠的に記録ヘッド3の吐出回復処理を行う。
記録装置1のキャリッジ2には記録ヘッド3を搭載するのみならず、記録ヘッド3に供給するインクを貯留するインクカートリッジ6を装着する。インクカートリッジ6はキャリッジ2に対して着脱自在になっている。なお、参照番号6は以下に説明する4つの独立したインクカートリッジをまとめて言及するときに用いる。
図1に示した記録装置1はカラー記録が可能であり、そのためにキャリッジ2にはマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロ(Y)、ブラック(K)のインクを夫々、収容した4つのインクカートリッジ6M、6C、6Y、6Kを搭載している。これら4つのインクカートリッジは夫々独立に着脱可能である。
さて、キャリッジ2と記録ヘッド3とは、両部材の接合面が適正に接触されて所要の電気的接続を達成維持できるようになっている。記録ヘッド3は、記録信号に応じてエネルギーを印加することにより、複数の吐出口からインクを選択的に吐出して記録する。特に、この実施形態の記録ヘッド3は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット方式を採用し、熱エネルギーを発生するために電気熱変換体を備え、その電気熱変換体に印加される電気エネルギーが熱エネルギーへと変換され、その熱エネルギーをインクに与えることにより生じる膜沸騰による気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化を利用して、吐出口よりインクを吐出させる。この電気熱変換体は各吐出口のそれぞれに対応して設けられ、記録信号に応じて対応する電気熱変換体にパルス電圧を印加することによって対応する吐出口からインクを吐出する。
図1に示されているように、キャリッジ2はキャリッジモータM1の駆動力を伝達する伝達機構4の駆動ベルト7の一部に連結されており、ガイドシャフト13に沿って矢印A方向に摺動自在に案内支持されるようになっている。従って、キャリッジ2は、キャリッジモータM1の正転及び逆転によってガイドシャフト13に沿って往復移動する。また、キャリッジ2の移動方向(矢印A方向)に沿ってキャリッジ2の絶対位置を示すためのスケール8が備えられている。この実施形態では、スケール8は透明なPETフィルムに必要なピッチで黒色のバーを印刷したものを用いており、その一方はシャーシ9に固着され、他方は板バネ(不図示)で支持されている。
また、記録装置1には、記録ヘッド3の吐出口(不図示)が形成された吐出口面に対向してプラテン(不図示)が設けられており、キャリッジモータM1の駆動力によって記録ヘッド3を搭載したキャリッジ2が往復移動されると同時に、記録ヘッド3に記録信号を与えてインクを吐出することによって、プラテン上に搬送された記録媒体Pの全幅にわたって記録が行われる。
さらに、図1において、14は記録媒体Pを搬送するために搬送モータM2によって駆動される搬送ローラ、15はバネ(不図示)により記録媒体Pを搬送ローラ14に当接するピンチローラ、16はピンチローラ15を回転自在に支持するピンチローラホルダ、17は搬送ローラ14の一端に固着された搬送ローラギアである。そして、搬送ローラギア17に中間ギア(不図示)を介して伝達された搬送モータM2の回転により、搬送ローラ14が駆動される。
またさらに、20は記録ヘッド3によって画像が形成された記録媒体Pを記録装置外ヘ排出するための排出ローラであり、搬送モータM2の回転が伝達されることで駆動されるようになっている。なお、排出ローラ20は記録媒体Pをバネ(不図示)により圧接する拍車ローラ(不図示)により当接する。22は拍車ローラを回転自在に支持する拍車ホルダである。
またさらに、記録装置1には、図1に示されているように、記録ヘッド3を搭載するキャリッジ2の記録動作のための往復運動の範囲外(記録領域外)の所望位置(例えば、ホームポジションに対応する位置)に、記録ヘッド3の吐出不良を回復するための回復装置10が配設されている。
回復装置10は、記録ヘッド3の吐出口面をキャッピングするキャッピング機構11と記録ヘッド3の吐出口面をクリーニングするワイピング機構12を備えており、キャッピング機構11による吐出口面のキャッピングに連動して回復装置内の吸引手段(吸引ポンプ等)により吐出口からインクを強制的に排出させ、それによって、記録ヘッド3のインク流路内の粘度の増したインクや気泡等を除去するなどの吐出回復処理を行う。
また、非記録動作時等には、記録ヘッド3の吐出口面をキャッピング機構11によるキャッピングすることによって、記録ヘッド3を保護するとともにインクの蒸発や乾燥を防止することができる。一方、ワイピング機構12はキャッピング機構11の近傍に配され、記録ヘッド3の吐出口面に付着したインク液滴を拭き取るようになっている。
これらキャッピング機構11及びワイピング機構12により、記録ヘッド3のインク吐出状態を正常に保つことが可能となっている。
<インクジェット記録装置の制御構成(図2)>
図2は図1に示した記録装置の制御構成を示すブロック図である。
図2に示すように、コントローラ600は、MPU601、後述する制御シーケンスに対応したプログラム、所要のテーブル、その他の固定データを格納したROM602、キャリッジモータM1の制御、搬送モータM2の制御、及び、記録ヘッド3の制御のための制御信号を生成するとともに、後で詳述するバス調停機能を備えた特殊用途集積回路(ASIC)603、画像データの展開領域やプログラム実行のための作業用領域等を設けたRAM604、MPU601、ASIC603、RAM604、DMAC612を相互に接続してデータの授受を行うシステムバス605、以下に説明するセンサ群からのアナログ信号を入力してA/D変換し、デジタル信号をMPU601に供給するA/D変換器606などで構成される。
また、図2において、610は画像データの供給源となるコンピュータ(或いは、画像読取り用のリーダやデジタルカメラなど)でありホスト装置と総称される。ホスト装置610と記録装置1との間ではインタフェース(I/F)611を介して画像データ、コマンド、ステータス信号等を送受信する。
なお、インタフェース(I/F)611は1つだけに限定されるものではなくUSB、セントロニクス、IEEE1394、IrDA、PCMCIAなど画像データ発生源の機器に応じて種々のものを備えることができる。
さらに、620はスイッチ群であり、電源スイッチ621、プリント開始を指令するためのプリントスイッチ622、及び記録ヘッド3のインク吐出性能を良好な状態に維持するための処理(回復処理)の起動を指示するための回復スイッチ623など、操作者による指令入力を受けるためのスイッチから構成される。630はホームポジションhを検出するためのフォトカプラなどの位置センサ631、環境温度を検出するために記録装置の適宜の箇所に設けられた温度センサ632等から構成される装置状態を検出するためのセンサ群である。
さらに、640はキャリッジ2を矢印A方向に往復走査させるためのキャリッジモータM1を駆動させるキャリッジモータドライバ、642は記録媒体Pを搬送するための搬送モータM2を駆動させる搬送モータドライバである。
ASIC603は、例えば、記録ヘッド3による記録走査の際に、バス調停を行なってDMAC612がRAM602の記憶領域に直接アクセスしながら記録ヘッドに対して記録素子(吐出ヒータ)の駆動データ(DATA)を転送するように制御する。
次に、以上の構成の記録装置に採用されるバス調停方法の実施例について詳細に説明する。
図3はASICの内部構成と、ASIC、DMAC、RAM、DMAマスタ群との関係を示すブロック図である。ここで、DMAマスタ群には、図示のようにMPU601やインタフェース611などが含まれる。
また、以下の説明で用いられるDMAプロトコルは、現在、もっとも広く使われている、リクエスト(Request)−アクノレッジ(Acknowledge)のハンドシェイク(handshake)型プロトコルであると仮定する。
図3において、603はバス調停機能を組み込んだASICである。
ASIC603に組み込まれたバス調停部は、n個(自然数)からなるDMAマスタ群650からのn個のDMAリクエストを調停する。DMAマスタ群650にはMPU601やホスト装置とのインタフェース611などを含むn個のDMAマスタが含まれる。
ASIC603により調停された信号はDMAC612に伝達され、DMAC612は、その調停された信号の情報に基づき、RAM604に対してアクセスを行う。
DMAマスタ群650に属するn個のDMAマスタは各々、DMA要求信号(REQ)、DMA書込み/DMA読出しアクセスの決定やDMA回数の制御を定義するためのDMA制御信号(DMACNTL)、DMA書込み用のデータ信号バス(WRT)をASIC603のバス調停部に送信する一方、そのバス調停部からDMAを占有したことを示す応答確認信号(ACK)を受信する。なお、応答確認信号(ACK)を受信したDMAマスタは、DMA処理が終了したと判断して、DMA要求信号(REQ)の送信を止める。
バス調停部は、以下に説明する方法に基づいて調停を行い、その結果、DMAC612に対して、DMA要求信号(REQ)、DMA書込み/DMA読出しアクセスの決定やDMA回数の制御を定義するためのDMA制御信号(DMACNTL)、DMA書込み用のデータ信号バス(WRT)を出力する。この信号は、n個のDMAマスタから出力されたDMA制御信号(DMACNTL)とDMA書込み用のデータ信号バス(WRT)が、ASIC603のバス調停部により適切に選択されたものである。
また、DMAC612は、バス調停部からの出力を適切に処理した場合、応答確認信号(ACK)をバス調停部に送信する。
DMA読出し用のデータ信号バス(RD)は、各DMAマスタが共通バスに使う構成とし、そのため、DMAC612より直接出力されたDMA読出し用のデータ信号(RD)は共通バスを経て各DMAマスタに入力されている。
DMAC612とRAM604との間では、メモリアクセス用信号(ACC)が授受される。なお、この実施例では、RAM604の種類について、特に、言及しないが、RAM604の種類がSD−RAM、SRAM、EDORAM、DDR−SDRAMなど、どれに対しても等価に適用可能である。
次に、ASIC603のバス調停部の内部構成の詳細について説明する。
603aは入力された複数のDMA要求(REQ(n))の内から、どの要求を選択するかを判別する優先順位判断部である。これには、従来例で説明したシングルレベル方式、或いはラウンドロビン方式のどちらが採用されていても良いが、ここでは、説明の都合上、昇順のシングルレベル方式(即ち、信号“1”が最も高い優先順位を持ち、信号“n”が最も低い優先順位を持つ)が採用されているものとする。優先順位判断部603aにより判断された結果は、優先順位判断結果信号(PRIRST)として出力される。
603bは信号選択部である。信号選択部603bではDMAマスタ群650から出力されたn組のDMA制御信号(DMACNTL(n))とDMA書込み用のデータ信号バス(WRT(n))を適切に選択し、これをDMAC612に対するDMA制御信号(DMACNTL)とDMA書込み用のデータ信号バス(WRT)として出力し、また、DMAC612から出力される応答確認信号(ACK)を適切に選択し、これをDMAマスタ群650のうち、出力すべきDMAマスタを選択して、そのDMAマスタに対して応答確認信号(ACK)を出力する。
603cはプログラマブル・レジスタ(PREG)である。PREG603cは、MPU601によってその設定が行われる。設定される情報は、各DMAマスタに対しID番号となりうるような、各々、固有の自然数である。そして、各DMAマスタの数、即ち、n個あるID番号は、バインダ603c′によってバス化されて、各DMAマスタのID番号バス(ID(n))となり出力される。また、このとき、自然数ではない“0”と言うID番号を書き込まれたDMAマスタは、DMAが禁止されるものとする。
604dはDMA信号セレクトシグナル作成部である。DMA信号セレクトシグナル作成部604dはPREG603cと、ラッチ603iからの出力を受けて、信号選択部603bを制御するための選択信号(SEL)セレクトを生成する。具体的には、以下のような機能を有する。
即ち、優先順位判断部603aの出力である優先順位判断結果信号(PRIRST)とPREG603cからの出力であるID番号バス(ID(n))の値の比較を行い、優先順位判断結果信号(PRIRST)の値と同じID番号を持つDMAマスタを、ID番号バス(ID(n))の中から探し出し、一致したID番号を持つDMAマスタの信号を選択する選択信号(SEL)を生成する。
603eはソータである。ソータ603eはPREG603cからの出力を受けて、各DMAマスタからのDMA要求信号(REQ(n))を適切な順番に並び替え、これを優先順位判断用の要求信号(PRIREQ(n))として出力する。具体的には、以下のような機能を有する。
即ち、PREG603cからの出力であるID番号バス(ID(n))の情報を基に、n個のDMA要求信号(REQ(n))をn個の優先順位判断用の要求信号(PRIREQ(n))に並び替える。この並び替えにより、n個のDMA要求信号(REQ(n))が各DMAマスタのID番号順に並び替えられる。即ち、PREG603cの設定でID番号が“1”に指定されているDMAマスタからの要求がDMA要求信号(REQ(n))から選択され、優先順位判断用の要求信号(PRIREQ(n))の1番、つまり、PRIREQ(1)と接続される。以下同様に、ID番号が“2”に指定されているDMAマスタからの要求は、優先順位判断用の要求信号(PRIREQ(n))の2番、つまり、PRIREQ(2)と、ID番号が“3”に指定されているDMAマスタからの要求は、優先順位判断用の要求信号(PRIREQ(n))の3番と、つまり、PRIREQ(3)と言うように、順次、n番目の信号までソートが行われる。
603fはバインダである。バインダ603fは、DMAマスタ群650から出力されたn組のDMA要求信号(REQ)とDMA制御信号(DMACNTL)とDMA書込み用のデータ信号バス(WRT)を受け、各々、n組のDMA要求信号(REQ(n))、n組のDMA制御信号(DMACNTL(n))、及びn組のDMA書込み用のデータ信号バス(WRT(n))にバインディングし直して出力する。また、信号選択部603bから出力されたn組の応答確認信号(ACK(n))を受け、個別の応答確認信号(ACK)に適切に分解し直す機能を有する。
603hはコントローラである。コントローラ603hは、DMAC612がDMA動作中か否かを示す識別信号(コントローラの内部信号)を備えている。DMAC612がDMA動作中でなければ、コントローラ603hは優先順位判断用の要求信号(PRIREQ(n))信号を入力し、n本の信号のうち、1本でもアクティブな信号があれば、ラッチ603iにラッチ信号を出力する。そして、DMA動作であることを識別信号としてセットする。
一方、DMAC612がDMA動作中であれば、コントローラ603hはDMAC612から出力される応答確認信号(ACK)が入力されるまで待機する。例えば、応答確認信号(ACK)が入力されると、DMA動作中でないことを示す識別信号をセットする。
このようにして、優先順位判断部603aが決めた順序で、DMA要求の処理がおこなわれる。
603iはラッチである。ラッチ603iはコントローラ603hからのラッチ信号をうけ、優先順位判断結果信号(PRIRST)をラッチする。このラッチした優先順位判断結果信号(PRIRST)をDMA信号セレクトシグナル作成部604dに出力する。
なお、優先順位判断部603aはDMA処理が1つ完了すると、(新たなDMA要求が発生しない限り)優先順位判断用の要求信号(PRIREQ(n))の数が1つ減る。これにより、次のDMA処理のために、次に優先順位の高いDMA要求を選び、優先順位判断結果信号(PRIRST)を出力する。
次に、この実施例に従うバス調停機能について説明する。
まず、DMAを行う前の準備として、MPU601は、PREG603cの設定を行う。即ち、各DMAマスタに対してID番号となる固有の自然数を設定する。ここでは、仮に、DMAマスタnにID番号“1”を、DMAマスタ(n−1)にID番号“2”、そして、DMAマスタ1にID番号“n”をといった形で、逆順でID番号を与えたものとする。
次に、設定された値は、各DMAマスタのID番号バス(ID(n))を通じ、ソータ603eに伝達される。その結果、DMAマスタnからのDMA要求信号(REQ(n))は優先順位判断用の要求信号(PRIREQ(1))に接続され、DMAマスタ(n−1)からのDMA要求信号(REQ(n−1))は優先順位判断用の要求信号(PRIREQ(2))に接続され、そして、DMAマスタ1からのDMA要求信号(REQ(1))は優先順位判断用の要求信号(PRIREQ(n))に接続されるというように、DMA要求信号は、完全に逆順で並び替えられる。
ここまでが、DMAを行う前の準備となる。
次に、DMA時の動作は以下のようになる。
以下、DMAマスタ群650内の、任意の数(1≦i≦n)のDMAマスタがDMA要求を発生した場合の動作を説明するが、ここでは、特に、DMAマスタ1、DMAマスタ3、及びDMAマスタnが同時にDMA要求を発行した場合について考える。
発行されたDMA要求信号は、優先順位判断用の要求信号(PRIREQ(n))を介し、優先順位判断部603aに伝えられる。上述のように、優先順位判断部603aは昇順のシングルレベル方式を採用しているので、最も小さなID番号を割り振られたDMA要求信号、即ち、ID番号“1”を持つDMAマスタnが選ばれることとなる。その結果、優先順位判断結果信号(PRIRST)には、選ばれたDMAマスタのID番号、ここでは、ID番号“1”が出力されることになる。
優先順位判断結果信号(PRIRST)は、ラッチ603iを介してDMA信号セレクトシグナル作成部603dに伝達される。DMA信号セレクトシグナル作成部603dは、もう一方の入力信号、各DMAマスタのID番号バス(ID(n))の値を、これと比較する。ここでは、ID番号“1”を持つDMAマスタを選択するように指定されたので、そのID番号を持つDMAマスタnを選択するよう、選択信号(SEL)が生成される。
選択信号(SEL)は信号選択部603bに伝達される。ここでは、DMAマスタnを選択するような設定となっているので、DMAマスタnからのDMA用の信号が、信号選択部603bを介して、DMAC612に伝達されることになる。即ち、DMA処理は、現在、DMAマスタnが占有した状態になる。
DMA処理が適切に終了すると、DMAC612は応答確認信号(ACK)を出力する。応答確認信号(ACK)は信号選択部603bを介し、DMAマスタnに伝達される。また、応答確認信号(ACK)は、コントローラ603に伝達される。応答確認信号(ACK)を受信したDMAマスタnはDMA要求信号(REQ)をネゲートし、DMA処理の権利を開放する。
さて、このDMA処理が終了しても依然として、DMAマスタ1とDMAマスタ3からのDMA要求が残っているので、次にはこれらのDMAマスタへの処理が行われる。DMAマスタ1とDMAマスタ3とを比較すると、DMAマスタ3の方が、より小さいID番号(n−2)を有しているので、次に、DMA処理を占有するのはDMAマスタ3である。DMAマスタ3が選択され、DMAが行われる様子は、DMAマスタnに対するのと同じである。
そして、DMAマスタ3はDMA処理の権利を開放した後、最後に行われるのはDMAマスタ1からの要求処理である。このように、PREG603cに設定されたID番号に基づいて、DMAマスタn→DMAマスタ3→ DMAマスタ1の順番で処理が行われたことが分かる。
もし、DMAの前準備の段階で、DMAマスタ1に最も高い優先順位を与えていれば、最初に実行されるDMA処理はDMAマスタ1に対するのものであっただろうし、DMAマスタ3に最も低い優先順位を与えていれば、最後に実行されるDMAはDMAマスタ3に対するものであったであろう。
従って以上説明した実施例に従えば、MPUからの設定情報に基づき、柔軟にDMAの調停を切り替えることが可能となる。
図4はこの実施例に従うASICの内部構成と、ASIC、DMAC、RAM、DMAマスタ群との関係を示すブロック図である。
なお、図4において、既に実施例1において説明したのと同じ構成要素には同じ参照番号を付し、その説明は省略することにし、ここでは、この実施例に特徴的な構成要素についてのみ説明する。図2の構成から明らかであるが、ここでは、記録装置の記録制御用のDMAを調停している。
この実施例におけるバス調停部は、MPU601より記録装置に関する状態信号(STATUS)を受信する。状態信号(STATUS)の持つ意味とは、例えば、記録装置がプリント中であるかどうか、ホスト装置から記録データを受信中であるか、ソフトスイッチOFF中であるかどうか等の状態であると考えられる。なお、状態信号(STATUS)は複数ビットから構成され、複数の状態を表現するような構成であっても構わない。
さて、この実施例のPREG603cは基本的な機能や役割は実施例1と同じであるが、異なっている点は、状態信号(STATUS)の状態に対応するよう、複数のDMAマスタ各々に対しID番号の組み合わせを有している点である。即ち、複数の状態各々に応じて複数の制御用レジスタ(SREG(m))を設けて、それぞれ別の各DMAマスタに対しID番号を運用可能な構成としている。
例えば、記録装置の状態がプリント中である時の各DMAマスタに対するID番号の組み合わせはSREG(1)に、プリント中でない時の各DMAマスタに対するID番号の組み合わせはSREG(2)に書き込まれているものとする。この状態制御用レジスタ(SREG)の数(m)は、複数の状態(プリント中に回復動作を実行中、プリント中ではなくてホストのパーソナルコンピュータとの通信中等)の組み合わせに対応可能なよう、いくつあっても構わない。ここで設定された情報はバインダ603c′でまとめられ、各状態におけるDMAマスタのID番号情報信号(IDINFO)として出力される。
図4において、603gは状態デコーダ(SDEC)である。SDEC603gの機能は状態信号(STATUS)が示す状態に応じ、各状態におけるDMAマスタのID番号情報信号(IDINFO)の中から適切なDMAマスタのID番号情報信号を抜き出し、状態に応じて選択された各DMAマスタのID番号バス(CID(n))として出力することである。
次に、この実施例に従うバス調停機能について説明する。
まず、DMAを行う前の準備として、MPU601はPREG603cの設定を行う。即ち、各DMAマスタに対しID番号となる夫々に固有の自然数を状態毎にそれ専用の制御レジスタ(SREG(m))に対して設定する。これが、DMA処理を行う前の準備となる。
DMA処理時の動作は以下のようになる。
まず、状態デコーダ(SDEC)603gは状態信号(STATUS)を監視し、各状態におけるDMAマスタのID番号情報信号(IDINFO)から、その状態に見合うDMAマスタのID番号情報を選択し、ID番号バス(CID(n))として出力する。例えば、記録装置がプリント中であれば、SREG(1)に書き込まれたID番号の組み合わせが選択されるし、そうでなければ、SREG(2)に書き込まれたID番号の組み合わせが選択される。
状態デコーダ(SDEC)603gから出力されたID番号バス(CID(n))は、ソータ603eとDMAセレクトシグナル作成部603dに伝達され、そのDMAマスタのID番号に応じた調停が行われる。その様子は、実施例1で説明した通りである。
また、記録装置の状態の変化が起こった場合(例えば、プリント中からプリント停止への変化)、その情報は、即座に、状態信号(STATUS)に反映されるので、その状態情報に基づき、適切なDMAマスタのID番号情報が選択され直されることになる。もし、その状態変更が、あるDMA処理を実行中であったのであれば、その状態の変更に基づくDMA処理は、現在実行中のDMA処理が終了した後から、開始されることになる。
従って以上説明した実施例に従えば、システム、例えば、記録装置の状態の変化に柔軟に対応し、DMAアクセスの調停を切り替えることが可能になる。
図5はこの実施例に従うASICの内部構成と、ASIC、DMAC、RAM、DMAマスタ群との関係を示すブロック図である。
なお、図5において、既に実施例1において説明したのと同じ構成要素には同じ参照番号を付し、その説明は省略することにし、ここでは、この実施例に特徴的な構成要素についてのみ説明する。
この実施例における優先順位判断部603aはラウンドロビン型を採用するものとし、この実施例では、ラウンドロビン型をベースとした調停システムに限定したバス調停について説明する。その他の機能として、各DMAマスタに対し特権判断を行う。
図6〜図8はこの実施例に従うバス調停機能を説明するにおけるステート・チャートである。図6〜図8において、各○があり得る状態を表わし、太線で描かれた丸が現在の状態を表わしている。
従って、図6に示す状態は、どのDMAマスタからもDMA要求が発行されていないアイドル状態(待機状態)を示し、このステート・チャートでは、優先順位判断部603aは待機状態にある。
次に、図7に示す状態は、図6に示す状態からID番号“2”に割り当てられていたDMAマスタからのDMA要求を受け付けた状態へと変化した様子を示し、このステート・チャートでは、優先順位判断部603aはID番号“2”に割当てられたDMAマスタからのDMA要求を実行中の状態にある。
図8は、図7に示す状態から変化しようとする瞬間を捕らえたステート・チャートである。
なお、図6〜図8のステートチャートでは、ID番号“2”に割当てられているDMAマスタ(以下、ID2という)から要求されたDMAを実行中に、ID番号“1”に割当てられているDMAマスタ(以下、ID1という)とID番号“3”に割当てられているDMAマスタ(以下、ID3という)がDMA要求を発行したものと仮定している。
通常のラウンドロビンであれば、この時ID3から要求されたDMAを実行中の状態へ移行する。しかしながら、この実施例に従う優先順位判断部603aは、ここで特権判断を行う。即ち、ID1にDMA上の特権が与えられているかを調べる。そして、図8に示されているように、その特権が与えられていると判断した場合には、状態はID3がDMA処理を実行する状態へ移行するのではなく、ID1がDMA実行状態へと移行する。これに対して、ID1にDMA上の特権が与えられていないと判断した場合には、そのままラウンドロビン型の判断に準じ、ID3をDMA実行状態へと移行する。
このような判断を行なうための特権情報は、優先順位判断用の特権情報信号信号(PVGINFO)として、優先順位判断部603aの外部のブロックより与えられる。
次に、図6に示された状態において、ID1とID3の両方に特権が与えられていた場合はどのように動作するのかについて説明する。
複数のDMAマスタに特権が与えられている場合には、シングルレベル型のように、予め特権をもっているものDMAマスタ同士間での優先順位を決定しておき、その順位を優先順位判断部603aのステート・マシンに実装しておく。この実施例では、ID番号“1”に割り当てられたDMAマスタ(ID1)が、最も高い特権レベルを有し、ID番号“n”に割り当てられたDMAマスタ(IDn)が、最も低い特権レベルを有するという、所謂、番号順レベルが設定されているものと考える。
次に、この実施例のASICのバス調停機能の特徴的な構成について説明する。
この実施例の特徴的な構成は、PREG603cである。これを実施例1のPREG603cの構成と比較すると、大きな違いは、各DMAマスタに対しID番号を設定する以外に、DMAの調停上、特権を有するか否かを表現するビットを持たせる点にある。このビットは、各DMAマスタのID番号バス(ID(n))と同様、バインダ603c′で結合され、各DMAマスタの特権情報信号(PVGINFO)として出力される。
さらに、ソータ603eの機能にも若干の変更が加わる。実施例1では、ソータ603eは、PREG603cからの出力を受けて、各DMAマスタからのDMA要求信号を適切な順番に並び替えることだけであったが、この実施例のソータ603eでは、その他に、PREG603cからの出力された各DMAマスタの特権情報信号(PVGINFO)も、そこで指定された各DMAマスタのID番号の順番に対応するよう並び替えを行い、優先順位判断用の特権情報信号信号(PRIPVG)として出力する。この信号は、この実施例における優先順位判断部603aの中で実行される特権判断に用いられるものである。
以上の構成をもったバス調停部の機能を次に説明する。
まず、DMA処理を行う前の準備として、MPU601はPREG603cの設定を行う。即ち、各DMAマスタに対しID番号となる固有の自然数を状態毎に夫々のマスタに専用の制御レジスタに対して設定するのと同時に、各DMAマスタに対し、DMA上の特権を与えるか否かをも指定する。ここでは、DMAマスタ1にID番号“1”、DMAマスタ2にID番号“2”、そして、DMAマスタnにID番号“n”というように、マスタ番号順にID番号を与え、さらに、DMAマスタ1にのみ、特権指定を与えたものとする。
次に、設定された値は、各DMAマスタのID番号バス(ID(n))を通じソータ603eに伝達される。その結果、DMAマスタ1からのDMA要求信号は優先順位判断用の要求信号(PRIREQ(1))に、DMAマスタ2からのDMA要求信号は優先順位判断用の要求信号(PRIREQ(2))に、そして、DMAマスタnからのDMA要求信号は優先順位判断用の要求信号(PRIREQ(n))に接続されるというように、DMA要求信号は、完全に番号順で並び替えられることになる。また、同様に、各DMAマスタの特権情報信号(PVGINFO)もDMA要求信号の並びと全く同じように番号順で並び替えられ、優先順位判断用の特権情報信号(PRIPVG)として出力される。ここまでが、DMA処理を行う前の準備となる。
DMA処理の動作は以下のようになる。
ここでは、図6に示すように全てのDMAマスタDMA要求が発行されていないアイドル状態において、DMAマスタ3からのDMA要求信号が発生したものと仮定する。この場合、優先順位判断部603aは、他のDMAマスタからのDMA要求信号が存在しないため、そのまま、DMAマスタ3からのDMA要求が実行される。
そして、このDMA処理を実行中に、DMAマスタ1とDMAマスタ5からのDMA要求信号が発生したものと仮定する。ここでは、上記のように、PREG603cの設定が行われている、即ち、各DMAマスタに対しID番号とDMAマスタの番号は一致しているので、通常であれば、ラウンドロビン処理も、番号中で処理されるはずである。
即ち、現在、DMAマスタ3からのDMA要求信号に対する実行が行われているのであれば、その処理が終了した後の優先順位は、DMAマスタ4→DMAマスタ5→DMAマスタ6→……→DMAマスタn→DMAマスタ1→DMAマスタの3→DMAマスタ4の順番になるはずである。従って、そのままこの優先順位に従えば、次に行われるべきDMA処理は、DMAマスタからのDMA要求に対するものとなる。しかしながら、ここではDMAマスタ1に特権が指定されているので、次に行われるDMA処理は、DMAマスタ1からのDMA要求に対応するものとなり、そして、DMAマスタ1からのDMA要求に対応する処理の後に、DMAマスタ5からのDMA要求に対する処理が行われる。
なお、DMAを行う前の準備の段階で、DMAマスタ1とDMAマスタ5の両方に特権が与えられている場合は、優先順位判断部603aに関連した説明で述べたように、特権が与えられているDMAマスタ間の優先順位はID番号順としているので、ここで考慮している場合には、DMAマスタ1からの要求処理が優先されることになる。
従って以上接続した実施例に従えば、特権処理を用いることにより従来のラウンドロビン処理以上に柔軟なDMAの調停を実現することができる。
さらに、以上の実施形態において、記録ヘッドから吐出される液滴はインクであるとして説明し、さらにインクタンクに収容される液体はインクであるとして説明したが、その収容物はインクに限定されるものではない。例えば、記録画像の定着性や耐水性を高めたり、その画像品質を高めたりするために記録媒体に対して吐出される処理液のようなものがインクタンクに収容されていても良い。
以上の実施形態は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
また、以上の実施形態は記録ヘッドを走査して記録を行なうシリアルタイプの記録装置であったが、記録媒体の幅に対応した長さを有する記録ヘッドを用いたフルラインタイプの記録装置であっても良い。フルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
また、以上説明した記録装置の構成に、記録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加することは記録動作を一層安定にできるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段などがある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを備えることも安定した記録を行うために有効である。
さらに、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもできる。
以上説明した実施の形態においては、インクが液体であることを前提として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化もしくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30°C以上70°C以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
さらに加えて、本発明に係る記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として一体または別体に設けられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を取るものであっても良い。
本発明の代表的な実施形態であるインクジェット記録装置の構成の概要を示す外観斜視図である。 図1に示した記録装置の制御構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1に従うASICの内部構成と、ASIC、DMAC、RAM、DMAマスタ群との関係を示すブロック図である。 本発明の実施例2に従うASICの内部構成と、ASIC、DMAC、RAM、DMAマスタ群との関係を示すブロック図である。 本発明の実施例3に従うASICの内部構成と、ASIC、DMAC、RAM、DMAマスタ群との関係を示すブロック図である。 本発明の実施例3に従うバス調停機能を説明するにおけるステート・チャートである。 本発明の実施例3に従うバス調停機能を説明するにおけるステート・チャートである。 本発明の実施例3に従うバス調停機能を説明するにおけるステート・チャートである。
符号の説明
603 ASIC
603a 優先順位判断部
603b 信号選択部
603c プログラマブルレジスタ(PREG)
603d DMA信号セレクトシグナル作成部
603e ソータ
603f バインダ
603g 状態デコーダ
603h コントローラ
603i ラッチ
604 RAM
612 DMAコントローラ
650 DMAマスタ群

Claims (8)

  1. 情報処理機器にある複数のDMA要求源からのDMA要求を調停するバス調停方法であって、
    前記複数のDMA要求源各々に対して、優先順位と関連付けられた固有の識別番号を書き換え可能なレジスタに設定する設定工程と、
    前記複数のDMA要求源が発行した少なくとも1つのDMA要求信号を受信する受信工程と、
    前記受信工程で受信された前記少なくとも1つのDMA要求信号を前記優先順位と関連付けられた固有の識別番号に従って並べ替える並べ替え工程と、
    前記並べ替え工程において並べ替えられたDMA要求信号の内、最も優先順位の高いDMA要求信号を選択する選択工程と、
    前記選択工程において選択されたDMA要求信号に基づいてDMAコントローラを介して前記選択されたDMA要求信号を発行したDMA要求源とメモリとの間でのDMA処理が実行されるように調停する調停工程とを有することを特徴とするバス調停方法。
  2. 前記情報処理機器にとりえる複数の状態を示す状態信号を入力する入力工程をさらに有し、
    前記設定工程は、前記情報処理機器がとりえる複数の状態各々に対応して別々の優先順位と関連付けられた固有の識別番号を前記書き換え可能なレジスタに対して設定可能であり、
    前記並べ替え工程は、前記入力工程において入力される状態信号が示す状態に対応した優先順位と関連付けられた固有の識別番号に従って前記並べ替えを行なうことを特徴とする請求項1に記載のバス調停方法。
  3. 情報処理機器にある複数のDMA要求源からのDMA要求をラウンドロビン方式を用いて調停するバス調停方法であって、
    前記複数のDMA要求源各々に対して、優先順位と関連付けられた固有の識別番号とDMAの特権処理を行なうどうかを示す情報とを書き換え可能なレジスタに設定する設定工程と、
    前記複数のDMA要求源が発行した少なくとも1つのDMA要求信号を受信する受信工程と、
    前記受信工程で受信された前記少なくとも1つのDMA要求信号を前記優先順位と関連付けられた固有の識別番号と前記DMAの特権処理を行なうどうかを示す情報に従って並べ替える並べ替え工程と、
    前記並べ替え工程において並べ替えられたDMA要求信号の内、最も優先順位の高いDMA要求信号を選択する選択工程と、
    前記選択工程において選択されたDMA要求信号に基づいてDMAコントローラを介して前記選択されたDMA要求信号を発行したDMA要求源とメモリとの間でのDMA処理が実行されるように調停する調停工程とを有することを特徴とするバス調停方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のバス調停方法を採用した記録装置であって、
    前記バス調停方法はASICにより実現されることを特徴とする記録装置。
  5. 装置全体を制御するMPUや外部装置からの記録情報を受信するインタフェースはDMA要求源となることを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
  6. 前記MPUは前記ASICに対して前記記録装置の動作状態を示す状態信号を出力する出力手段をさらに有することを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
  7. インクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドを用いて記録を行なうことを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の記録装置。
  8. 前記インクジェット記録ヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出するために、インクに与える熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えていることを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
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