JP2005070154A - 反射防止膜形成用組成物およびレジストパターンの形成方法 - Google Patents

反射防止膜形成用組成物およびレジストパターンの形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005070154A
JP2005070154A JP2003209378A JP2003209378A JP2005070154A JP 2005070154 A JP2005070154 A JP 2005070154A JP 2003209378 A JP2003209378 A JP 2003209378A JP 2003209378 A JP2003209378 A JP 2003209378A JP 2005070154 A JP2005070154 A JP 2005070154A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
antireflection film
composition
forming
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003209378A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4173414B2 (ja
Inventor
Kazuhiko Nakayama
一彦 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd filed Critical Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
Priority to JP2003209378A priority Critical patent/JP4173414B2/ja
Publication of JP2005070154A publication Critical patent/JP2005070154A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4173414B2 publication Critical patent/JP4173414B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】反射防止膜とホトレジスト層とのミキシング現象が生じにくく、かつ反射防止膜の除去にドライエッチング処理を必要としない技術を提供する。
【解決手段】ポジ型ホトレジスト層の下に設ける反射防止膜を形成するための反射防止膜形成用組成物であって、(A)樹脂成分と、(C)放射線の照射により酸成分を発生する化合物と、(E)吸光剤と、有機溶剤を含み、加熱すると架橋構造を形成し、ついで前記(C)成分から発生した酸成分の作用により、アルカリ水溶液に対して難溶性の性質から、アルカリ水溶液に対して可溶性の性質となるものであることを有することを特徴とする反射防止膜形成用組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射防止膜形成用組成物及びレジストパターンの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、基板(特に高反射基板)上にレジストパターンを形成する場合、露光時、基板からの光の反射により、形状の良い(矩形状の)レジストパターンが得られにくいという問題があった。
そのため、基板からの反射の防止を目的として、ホトレジスト層の下に反射防止膜を形成するための反射防止膜形成用組成物が開発された。
【0003】
従来の反射防止膜形成用組成物は、主に、染料(吸光剤)を配合した樹脂溶液であり、有機系、無機系の種々のものが報告されている(下記特許文献1〜7参照)。
しかし、従来のある種の反射防止膜は、ホトレジスト層との界面でミキシング現象を起こすという問題があった。
ミキシング現象は、反射防止膜を構成する材料とホトレジスト層を構成する材料が混ざり合ってしまう現象のことであって、レジストパターンの裾部分の解像性が不鮮明になる等の問題を引き起こす。
【0004】
また、このようなミキシング現象を生じさせない反射防止膜も種々報告されてはいるが、一般にこれらの反射防止膜は、アルカリ現像液に対する溶解性に劣るか、あるいは不溶性を示す。
そのため、上層であるホトレジスト層をアルカリ水溶液で現像し、レジストパターンを形成した後、ホトレジスト層が除かれて露出した部分の反射防止膜を除去するために、ドライエッチング操作をする必要があった。
そのため、作業工程数が増えると共に、ドライエッチング中のホトレジスト層への負荷が大きく、ホトレジスト層が変形する問題があった。
【0005】
また、有機系の反射防止膜形成用組成物として、ホトレジスト組成物を用いることも提案されている(特許文献8参照)。
しかし、従来のものは、反射防止膜とホトレジスト層とのミキシング現象が生じる問題があった。
そこで、ミキシング現象を防ぐために反射防止膜に対して熱処理を行うと、熱架橋化反応が生じ、アルカリ現像液に不溶な膜となり、当該反射防止膜の除去にドライエッチング処理を施す必要性が生じる。
また、この特許文献8に記載の発明では、ホトレジスト層と反射防止膜とは、感光波長が異なる材料を用いるため、上層レジストをパターンニングした後は、結局、下地の反射防止膜をドライエッチングしなければならず、やはり作業工程数が増えると共に、ドライエッチング中のレジスト層への負荷が大きく、ホトレジスト層が変形する問題があった。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−148791号公報
【特許文献2】
特開2001−343752号公報
【特許文献3】
特開2001−51424号公報
【特許文献4】
特開平11−295888号公報
【特許文献5】
特開平9−45614号公報
【特許文献6】
特開平8−12940号公報
【特許文献7】
特開平7−86127号公報
【特許文献8】
特開2001−217184号公報
【0007】
よって、本発明は反射防止膜とホトレジスト層とのミキシング現象が生じにくく、かつ反射防止膜の除去にドライエッチング処理を必要としない技術を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討した結果、以下の解決手段により前記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、第1の発明は、ポジ型ホトレジスト層の下に設ける反射防止膜を形成するための反射防止膜形成用組成物であって、
(A)樹脂成分と、(C)放射線の照射により酸成分を発生する化合物と、(E)吸光剤と、有機溶剤を含み、
加熱すると架橋構造を形成し、
ついで前記(C)成分から発生する酸成分の作用により、アルカリ水溶液に対して難溶性の性質から、アルカリ水溶液に対して可溶性の性質となるものであることを特徴とする反射防止膜形成用組成物である。
第2の発明は、(1)前記の反射防止膜形成用組成物を支持体に塗布し、加熱処理を行って反射防止膜を形成する工程と、
(2)当該反射防止膜の上に、ポジ型ホトレジスト組成物を塗布し、加熱処理を行ってポジ型ホトレジスト層を形成する工程と、
(3)選択的露光を行う工程と、
(4)PEB(露光後加熱処理)を行う工程と、
(5)アルカリ水溶液による現像処理を行ってレジストパターンを形成する工程、
とを有することを特徴とする、レジストパターンの形成方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、便宜上、本発明のレジストパターンの形成方法について、手順にそって説明するとともに、本発明の反射防止膜形成用組成物について、あわせて説明する。
(レジストパターンの形成方法)
本発明のレジストパターンの形成方法は、
(1)本発明の反射防止膜形成用組成物を支持体に塗布し、加熱処理を行って反射防止膜を形成する工程と、
(2)当該反射防止膜の上に、ポジ型ホトレジスト組成物を塗布し、加熱処理を行ってポジ型ホトレジスト層を形成する工程と、
(3)選択的露光を行う工程と、
(4)PEB(露光後加熱処理)を行う工程と、
(5)アルカリ水溶液による現像処理を行ってレジストパターンを形成する工程、
とを有するものである。
【0010】
本発明の反射防止膜形成用組成物は、(C)放射線の照射により酸成分を発生する化合物(いわゆる光酸発生剤)を含む、いわゆる化学増幅型である。
そのため、工程(3)において、反射防止膜の露光部では(C)成分から酸成分が発生する。
ポジ型ホトレジスト組成物が化学増幅型の場合は、同様に光酸発生剤を含むので、ホトレジスト層の露光部でも酸成分が発生する。
ポジ型ホトレジスト組成物が非化学増幅型の場合は、この段階で、露光部がアルカリ水溶液に対して可溶性に変化する。
そして、工程(4)において加熱処理を行うと、光酸発生剤から発生した酸成分が拡散する。その結果、前記反射防止膜とポジ型ホトレジスト層の露光部の両方がアルカリ水溶液に対して可溶性になる。
ついで、工程(5)にてアルカリ現像処理を行うと、当該露光部において、反射防止膜とポジ型ホトレジスト層の両方が除去される。
【0011】
この様に、本発明においては、反射防止膜を除去するためのドライエッチング処理を行う必要がない。
また、以下に詳細に説明する様な反射防止膜形成用組成物を用いるため、工程(1)の加熱処理によって、架橋構造が形成される。よって、ミキシング現象が起こりにくいという効果が得られる。
【0012】
工程(1)の加熱温度は、特に限定するものではないが、ミキシング現象の抑制の点から、例えば130〜170℃、好ましくは140〜160℃とされる。加熱時間は30〜180秒、好ましくは60〜120秒とされる。
反射防止膜の厚さは、反射防止能の点から、例えば0.05〜1.5μm、好ましくは0.1〜3μmとされる。
工程(2)の加熱温度は、材料によっても異なるが90〜110℃とされる。加熱時間は30〜180秒、好ましくは60〜120秒とされる。
ポジ型ホトレジスト層の厚さは0.3〜5μm、好ましくは0.5〜3μmとされる。
工程(3)での露光条件は特に限定されないが、本発明の反射防止膜の感光波長および上層のポジ型ホトレジスト層の感光波長と同じ波長の光による露光を行うことが、続く現像工程において、上層のレジスト層と下層の反射防止膜層を同時に現像除去できるので好ましい。
工程(4)での加熱温度、加熱時間は、酸成分の拡散を制御する点から、それぞれ90〜160℃(好ましくは110〜150℃)、30〜180秒、好ましくは60〜120秒とされる。
工程(5)での現像は、例えば2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒロドキシド水溶液を使用し、60秒程度の時間で行われる。
【0013】
(反射防止膜形成用組成物)
本発明の反射防止膜形成用組成物は、(A)樹脂成分と、(C)放射線の照射により酸成分を発生する化合物と、(E)吸光剤と、有機溶剤を含み、
加熱すると架橋構造を形成し、
ついで前記(C)成分から発生した酸成分の作用により、アルカリ水溶液に対して難溶性の性質から、アルカリ水溶液に対して可溶性の性質となる特性を備えたものである。
この様な材料を用いることにより、前記工程(1)において、反射防止膜に架橋構造が生じ、固い膜を形成することができる。
その結果、工程(2)において、当該反射防止膜の上にポジ型ホトレジスト組成物を塗布してポジ型ホトレジスト層を形成しても、ミキシング現象が生じず、好ましい。
【0014】
この様な材料としては、例えば特開平6−148889号公報、特開平6−230574号公報、特開2000−292927号公報、特開平8−305025号公報、特表2002−529552号公報等の記載されており、反射防止膜形成用組成物ではなく、一般的なレジスト材料としては公知である。
具体的には、例えば下記(i)、(ii)の一方を満足するものが好ましい。(i)前記(A)成分が(A1)アルカリ可溶性樹脂を含み、
さらに、当該反射防止膜形成用組成物が、(B)一般式(I)
【0015】
【化7】
Figure 2005070154
【0016】
[式中、Rは、置換基を有していても良い炭素原子数1〜10のアルキレン基、または下記一般式(II)
【0017】
【化8】
Figure 2005070154
【0018】
(式中、Rは、置換基を有していても良い炭素原子数1〜10のアルキレン基を示し、mは0又は1を表す。)
で表される基のいずれかを示す。]
で表される化合物を含む、
(ii)前記(A)成分が、前記(A1)成分と、前記(B)成分との反応生成物を含む。
【0019】
前記(A1)成分は、レジスト組成物に用いられるアルカリ可溶性樹脂であれば特に制限せずに用いることができるが、フェノール性水酸基を有することが、(B)成分との反応性の点から好ましい。
そして、(A1)成分は、ノボラック樹脂および/またはヒドロキシスチレン系樹脂からなることが、ミキシング現象防止の点等から好ましい。ノボラック樹脂および/またはヒドロキシスチレン系樹脂は、レジスト材料として使用されているものであれば特に制限なく用いることができる。
【0020】
ノボラック樹脂としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール、トリメチルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノンなどの少なくとも1種の芳香族ヒドロキシ化合物と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、プロピオンアルデヒド、サリチルアルデヒドなどの少なくとも1種のアルデヒド類とを酸性触媒の存在下に縮合させたもの等が挙げられる。
酸触媒としては、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸などが挙げられるが、シュウ酸を用いることが、安価で容易に入手でき好ましい。
芳香族ヒドロキシ化合物とアルデヒド類の比率は特に限定されず、例えば10:1〜10:9(モル比)で用いられる。
【0021】
中でも、芳香族ヒドロキシ化合物として、フェノール、キシレノール(いずれの異性体でもよい)、クレゾール(o−、m−、p−のいずれでもよい)のいずれかひとつ以上を用いたものが、感度、解像性、パターン形状等のトータル的なレジスト特性に優れており好ましい。
【0022】
また、アルデヒド類として、ホルマリンと、嵩高いアルデヒドを用いて合成したものが、耐熱性向上、高感度化の点から好ましい。嵩高いアルデヒドとしては、サリチルアルデヒド、プロピオンアルデヒド、クロトンアルデヒド等が挙げられる。このときホルマリンと嵩高いアルデヒドとの比率は、反応性及び耐熱性向上効果の点から、1/0.1〜0.6(モル比)、特には1/0.2〜0.5(モル比)であると好ましい。
したがって、これら芳香族ヒドロキシ化合物とアルデヒド類の好ましいものを組み合わせたものが特に好ましい。
【0023】
ノボラック樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw、以下、単に質量平均分子量という)は1000〜10000、特には2000〜8000であることが、感度、解像性、耐熱性等の点から好ましい。
【0024】
また、ヒドロキシスチレン系樹脂は、一般にレジスト組成物に用いられるものであって、ヒドロキシスチレン構成単位を含んでいれば特に限定するものではない。例えば、ヒドロキシスチレンの単独重合体や、ヒドロキシスチレンと他のスチレン系単量体との共重合体、ヒドロキシスチレンとアクリル酸またはメタクリル酸あるいはその誘導体との共重合体などが挙げられる。
なお、ここで「構成単位」とは、ポリマー中の繰り返し単位(ポリマーの原料であるモノマーから誘導される単位)のことである。
【0025】
ヒドロキシスチレン系樹脂中、ヒドロキシスチレン単位は少なくとも50モル%以上、好ましくは70モル%以上含まれていることが(B)成分の反応性の点から好ましい。
中でも、ヒドロキシスチレン構成単位とその他に少なくともスチレン構成単位を含むコポリマーは、反射防止膜形成用組成物の高耐熱性、高感度が得られるため好ましい。この中ではヒドロキシスチレン構成単位と、スチレン構成単位とからなるコポリマーが好ましい。
スチレン構成単位の含有量は、(B)成分との反応性の確保の点、耐熱性向上、感度向上の点から、1〜30モル%が好ましく、5〜15モル%がより好ましい。
【0026】
ヒドロキシスチレン系樹脂の質量平均分子量は1000〜8000、特には2000〜5000であることが、耐熱性、高感度化、架橋剤との反応の安定性の点で好ましい。
(A1)成分は、1種または2種以上の材料を用いることができる。
【0027】
(B)成分は架橋剤である。
したがって、(i)の場合、前記工程(1)において、支持体上に反射防止膜形成用組成物を塗布し、加熱すると、(A1)成分の、例えば側鎖のフェノール性水酸基は(B)成分のビニル基と反応し、架橋構造が形成される。そして、これにより、反射防止膜形成用組成物はアルカリ水溶液に対して難溶性となる。
そして、工程(3)において露光し、露光部において(C)成分から酸成分が発生すると、この酸成分の作用によって上記架橋構造が解裂し、反射防止膜形成用組成物はアルカリ水溶液に対して可溶性に変化する。
【0028】
(ii)の場合は、予め(A1)成分と(B)成分とを、必要に応じて酸触媒存在下において反応させた反応生成物を反射防止膜形成用組成物中に配合するものである。
酸触媒としては、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸などが挙げられるが、シュウ酸を用いることが、安価で容易に入手でき好ましい。
【0029】
(A1)成分と(B)成分とを反応させると、通常(B)成分の片方あるいは両方の末端のビニル基が(A1)成分の、例えば側鎖のフェノール性水酸基に結合した構成単位を備えた反応生成物が得られる。
なお、通常は(B)成分の片方の末端のみが結合した構成単位と、両方が結合した部分とがいずれも存在する反応生成物が得られる。
【0030】
そして、工程(1)にて加熱処理を行うと、残存する(B)成分に由来するビニル基が反応し、架橋構造が形成され、(i)の場合と同様の効果が得られる。当該反応生成物においては、(B)成分のうち、5モル%以上、好ましくは10モル%以上(100モル%でもよい)が、片方の末端のビニル基が(A1)成分の側鎖の水酸基と結合している形態となっていることが、反射防止膜形成用組成物の塗布性(粘度の調整等)の点から好ましい。この割合はGPCによる分子量測定等により確認することができる。また、反応条件を変更することにより、調整することができる。
【0031】
なお、前記(i)において、(A1)成分と(B)成分との比率は、(A1)成分としてノボラック樹脂を選択した場合は、望ましくは(A1)成分に対して1〜50質量%、好ましくは5〜35質量%の割合で用いられる。1質量%未満では、反射防止膜未露光部の膜減りが大きくなり、レジストパターンのコントラストが低下する傾向があり、50質量%を超えると現像液(アルカリ水溶液)に対する溶解性が著しく劣る傾向があり、感度が劣る、パターンが解像しない等の問題を発生する恐れがある。なお、(A1)成分としてヒドロキシスチレン系樹脂を選択した場合は、望ましくは(A1)成分に対して1〜50質量%、好ましくは5〜40質量%の割合で用いられる。
また前記(ii)において、(A1)成分と(B)成分との比率は、(A1)成分としてノボラック樹脂を選択した場合は、望ましくは(A1)成分に対して1〜15質量%、好ましくは4〜8質量%の割合で用いられる。1質量%未満では、反射防止膜未露光部の膜減りが大きくなり、レジストパターンのコントラストが低下する傾向があり、15質量%を超えると現像液(アルカリ水溶液)に対する溶解性が著しく劣る傾向があり、感度が劣る、パターンが解像しない等の問題を発生する恐れがある。なお、(A1)成分としてヒドロキシスチレン系樹脂を選択した場合は、望ましくは(A1)成分に対して1〜15質量%、好ましくは5〜10質量%の割合で用いられる。
【0032】
前記一般式(I)において、Rは置換基を有していてもよい、炭素原子数1〜10の分岐鎖状、直鎖状、環状のアルキレン基、または前記一般式(II)で表されるものである。なお、当該アルキレン基は主鎖に酸素結合(エーテル結合)を含んでいても良い。一般式(II)中、Rも、置換基を有していてもよい、炭素原子数1〜10の分岐鎖状、直鎖状のアルキレン基であり、当該アルキレン基は、主鎖に酸素結合(エーテル結合)を含んでいても良い。Rとしては、−C−、−COC−、−COCOC−、及び一般式(II)で表されるもの等が好ましく、中でも一般式(II)で表されるものが好ましく、特にRの炭素数が1で、mが1のものが好ましい。
、Rは、前記ノボラック樹脂に関する記載の中で説明された、フェノール類、アルデヒド類、ケトン類等から由来される基である。
(B)成分は、1種または2種以上混合して用いることができる。
【0033】
前記(ii)の場合、前記(A)成分が、(A2)下記一般式(III)
【0034】
【化9】
Figure 2005070154
【0035】
(式中、Rは前記と同じであり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基を示し、nは、1〜3の整数を示す。)で表される構成単位(a1)を有し、酸の存在下でアルカリ性水溶液に対する溶解性が増大する性質を有するアルカリ可溶性ノボラック樹脂であることが好ましい。
また、このアルカリ可溶性ノボラック樹脂は、下記一般式(IV)
【0036】
【化10】
Figure 2005070154
【0037】
(式中、R〜R及びnは、前記と同じである。)
で表される分子間架橋部分(a2)を有するものであってもよい。
すなわち、(A2)成分(アルカリ可溶性ノボラック樹脂)は、前記構成単位(a1)と、分子間架橋部分(a2)の一方または両方を有することが好ましい。
【0038】
(A2)成分(アルカリ可溶性ノボラック樹脂)は、好ましくは酸触媒の実質的な不存在下で、ノボラック樹脂と上記(B)成分とを反応させることにより得られるものである。
前記(B)成分がノボラック樹脂の側鎖の水酸基と予め結合していることにより、レジスト塗布液(組成物)の経時変化が抑えられ、感度経時の少ないレジスト材料となる。
そして、(ii)の場合、前記工程(1)において、支持体上に反射防止膜形成用組成物を塗布し、加熱すると、(A2)成分の側鎖のフェノール性水酸基は、前記構成単位(a1)の末端ビニル基と反応し、架橋構造が形成される。そして、これにより、反射防止膜形成用組成物はアルカリ水溶液に対して難溶性となる。
そして、露光によって(C)成分から発生した酸が作用すると、上記架橋構造が解裂し、(A2)成分のアルカリ性水溶液に対する溶解性が増大する。
【0039】
このとき使用するノボラック樹脂としては、(A1)の説明で例示したものと同様のものを用いることができる。
なお、ノボラック樹脂と(B)成分とを反応させる際に、酸成分が反応系中に存在するとレジスト調整後の保存安定性の点で好ましくない。そのため(B)成分と反応させる前に、ノボラック樹脂に含まれる酸成分を除く操作を厳しく行うことが好ましい。なお、酸成分は、例えばノボラック樹脂の合成時に用いる酸触媒等の有機酸であり、ガスクロマトグラフィー等により分析することができる。酸成分の除去方法としては、公知の方法を挙げることができ、例えばイオン交換樹脂の使用、純水洗い、アルカリによる中和などの方法を適用することができる。
そして、(B)成分との反応前のノボラック樹脂中の酸成分の濃度は0.1ppm以下、特に0.01ppm以下にしておくことが好ましい。
【0040】
なお、ノボラック樹脂と(B)成分との反応においては、酸触媒を用いなくても反応は進行するので、酸触媒を用いることは必須ではなく、反射防止膜形成用組成物の保存安定性の点からは、用いない方が好ましい。よって、酸触媒は反応液中に実質的に不存在であることが好ましく、零であることが好ましい。
【0041】
(B)成分と反応させた後の(A2)成分の質量平均分子量は10000〜70000、特には20000〜50000であることが耐熱性等の点から好ましい。
【0042】
具体的には、例えばノボラック樹脂から酸成分を除く操作を行った後、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、γ−ブチロラクトン等の反応に用いる溶剤に溶解し、例えば固形分30質量%程度に調整する。そして、これを昇温し、内温90〜120℃、好ましくは100〜110℃下で攪拌し、架橋剤を少量ずつ滴下する。
0.5〜24時間程度、好ましくは1〜12時間反応後、0.5〜12時間程度以上、好ましくは1〜6時間、室温にて更に攪拌を行って(A2)成分を得る。その後、溶剤を反射防止膜形成用組成物の有機溶剤に置換して(A2)成分と反射防止膜形成用組成物の有機溶剤の混合物とすると好ましい。
【0043】
また、前記(ii)の場合において、
前記(A)成分が、(A3)下記一般式(V)
【0044】
【化11】
Figure 2005070154
【0045】
(式中、Rは、前記と同じである。)
で表される構成単位(a’1)を有し、酸の存在下でアルカリ性水溶液に対する溶解性が増大する性質を有するアルカリ可溶性ポリヒドロキシスチレン系樹脂を含むものであると好ましい。
このアルカリ可溶性ポリヒドロキシスチレン系樹脂は、さらに下記一般式(VI)
【0046】
【化12】
Figure 2005070154
【0047】
(式中、Rは、前記と同じである。)
で表される分子間架橋部分(a’2)を含んでいてもよい。
すなわち、(A3)成分(アルカリ可溶性ポリヒドロキシスチレン系樹脂)は、前記構成単位(a’1)と、分子間架橋部分(a’2)の一方または両方を有することが好ましい。
【0048】
(A3)成分(アルカリ可溶性ポリヒドロキシスチレン系樹脂)は、前記(A2)成分において、ノボラック樹脂に代えて、ヒドロキシスチレン系樹脂を用い、これを(B)成分と反応させることにより、合成することができる。
【0049】
ヒドロキシスチレン系樹脂としては、上述の(A1)の場合と同様のものを用いることができる。
ヒドロキシスチレン系樹脂と架橋剤は、通常酸触媒下で反応させる。酸触媒としては、上記ノボラック樹脂の合成の説明で例示したもの等を用いることができる。
酸触媒の使用量は、反応系中の酸濃度が10〜1000ppm、好ましくは50〜500ppmにすることが好ましい。
【0050】
1000ppmを超えると、レジスト調整後の保存安定性の点で好ましくない。また、10ppm未満では、架橋時の触媒作用が働かず、反応が進行しないおそれがある。
酸触媒の使用量を厳密にコントロールするため、(B)成分と反応させる前において、ヒドロキシスチレン系樹脂に含まれる酸成分を除く操作を、必要に応じて行うことが好ましい。酸成分を除く方法は、ノボラック樹脂の場合と同様の方法を適用することができる。
【0051】
また、反応後は、反射防止膜形成用組成物の保存安定性を損なわないように、同様の酸成分の除去操作を行い、(A3)成分中の酸濃度を、5ppm以下、好ましくは1ppm以下とすることができる。
また、架橋反応が十分進行した後は、架橋反応をコントロールあるいは停止させることを目的にピリジン等の塩基性化合物を用いることもできる。
これは、反応後の樹脂の経時安定化の点から、樹脂固形分に対して1〜5質量%程度用いると好ましい。
【0052】
(A3)の合成方法の一例を具体的に示すと、まず、ヒドロキシスチレン系樹脂を合成後、必要に応じてその酸成分を除去する操作を行った後、例えばγ−ブチロラクトン等の反応に用いる溶剤の溶液とする。
ついで、ヒドロキシスチレン系樹脂に酸触媒を添加し、内温90〜120℃、好ましくは100〜110℃下で攪拌し、(B)成分を少量ずつ滴下する。0.5〜20時間程度、好ましくは1〜12時間反応後、ピリジンを滴下し、0.5〜5時間程度、好ましくは1〜2時間室温にて攪拌した後、2−ヘプタノン等の反射防止膜形成用組成物の有機溶剤を投入し、溶解させる。
次いでこの溶液を、例えばメタノール/水の溶液で数回洗浄し、酸成分を除去する。2−ヘプタノン等の有機層と分離し、濃縮して残留するメタノール/水を除去すると、(A3)成分と有機溶剤の混合物が得られる。
【0053】
(C)成分
(C)成分としては、特に限定はなく、従来から化学増幅型のポジ型ホトレジスト組成物の材料として知られている光酸発生剤を挙げることができる。
なお、リフトオフ用レジストパターンを形成するプロセスの露光波長によって酸成分を発生するものを選択する。
i線(365nm)を光源に用いたホトリソグラフィは、現在最も汎用的に行われているので、製造コストの面からは、当該i線露光に対する酸発生効率が高い材料が好ましい。
当該(C)成分としては、例えば以下のような化合物が、好ましく用いられる。
【0054】
【化13】
Figure 2005070154
【0055】
【化14】
Figure 2005070154
【0056】
(式中、m’は0又は1;Xは1又は2;Rは、1又はそれ以上のC−C12アルキル基が置換していてもよいフェニル基、ヘテロアリ−ル基等、又は、m’が0の場合はさらにC−Cアルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、CN等;R’はC−C12アルキレン基等;RはRと同義等;RはC−C18アルキル基等;R’は、X=1のときRと同義等、X=2のときC−C12アルキレン基、フェニレン基等;R、Rは独立に水素原子、ハロゲン、C−Cアルキル基等;AはS、O、NR等;Rは水素原子、フェニル基等を示す。)で表される化合物(USP 6004724)。具体的には、例えば下記式で表されるチオレン含有オキシムスルホネ−トなどが挙げられる。
【0057】
【化15】
Figure 2005070154
【0058】
また、下記式(4)
【0059】
【化16】
Figure 2005070154
【0060】
(式中、R、Rは、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基を示す。)で表されるビス(トリクロロメチル)トリアジン化合物、又は、該化合物(4)と下記式(5)
【0061】
【化17】
Figure 2005070154
【0062】
(式中、Zは、4−アルコキシフェニル基等を示す。)で表されるビス(トリクロロメチル)トリアジン化合物とを組み合わせたもの(特開平6−289614号公報、特開平7−134412号公報)。
トリアジン化合物(4)としては、具体的には、例えば2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−メトキシ−4−エトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−メトキシ−4−プロポキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3,4−ジエトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−エトキシ−4−プロポキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−プロポキシ−4−メトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−プロポキシ−4−エトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3,4−ジプロポキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどを挙げることができる。これらのトリアジン化合物は単独で用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、上記トリアジン化合物(4)と所望に応じて組み合わせて用いられる上記トリアジン化合物(5)としては、例えば2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−エトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−プロポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−プロポキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−ブトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシ−6−カルボキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシ−6−ヒドロキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(2−フリル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(5−メチル−2−フリル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(5−エチル−2−フリル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(5−プロピル−2−フリル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3,5−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−メトキシ−5−エトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−メトキシ−5−プロポキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−エトキシ−5−メトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3,5−ジエトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−エトキシ−5−プロポキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−プロポキシ−5−メトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−プロポキシ−5−エトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3,5−ジプロポキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。これらのトリアジン化合物は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0063】
また、下記式(6)
【0064】
【化18】
Figure 2005070154
【0065】
(式中、Arは置換又は未置換のフェニル基、ナフチル基;RはC〜Cのアルキル基;nは2又は3の整数を示す。)で表される化合物を挙げることができる。これらの化合物は単独で用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。以上例示した化合物の中でも、特に、[化15]で表される化合物および下記式(7)で表される化合物は、i線に対する酸発生効率に優れるため、好ましく用いられる。
【0066】
【化19】
Figure 2005070154
(C)成分は1種または2種以上混合して用いることができる。
【0067】
(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して、0.5〜5質量部、好ましくは1〜4質量部、さらには1〜3質量部とされる。0.5質量部未満ではパターン形成が十分に行われない場合があり、5質量部をこえると未露光部分の膜減りが発生しやすくなる。
【0068】
(D)成分
本発明の反射防止膜形成用組成物においては、引置き安定性を高めるために、(D)成分として、塩基性化合物(好ましくはアミン類)を配合することが好ましい。
当該化合物としては、反射防止膜形成用組成物に対する相容性を有するものであれば良く、特に制限されるものではないが、例えば特願平7−172899号公報に記載の化合物を挙げることができる。
中でも、3級アミンが好ましく、特に、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−デシルアミンは、保存安定性向上の点で好適である。
(D)成分は1種または2種以上の混合して用いることができる。
(D)成分は、樹脂固形分100質量部に対して0.01〜5.0質量部、特には0.1〜1.0質量部の範囲で配合することが、効果の点から好ましい。
【0069】
(E)吸光剤
(E)成分は、ホトレジスト層の感光特性波長域に対して高い吸収能を有し、基板からの反射によって生じる定在波や基板表面の段差による乱反射を防ぐことができるものであればよく、特に制限はない。
例えばサリシレート系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、アゾ系化合物、ポリエン系化合物、アントラキノン系化合物、スルホン系化合物(好ましくはビスフェニルスルホン系化合物)、スルホキシド系化合物(ビスフェニルスルホキシド系化合物)、アントラセン系化合物等、いずれも使用することができる。
中でも、水酸基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、及びカルボキシル基の中から選ばれる少なくとも1つの置換基を有する、アントラセン系化合物、ビスフェニルスルホン系化合物、ビルフェニルスルホキシド系化合物及びベンゾフェノン系化合物の中から選ばれる少なくとも1種であるとKrFエキシマレーザーの吸収能が高く好ましい。
なお、(E)成分は、1種または2種以上混合して用いることができる。
【0070】
これらの中で特に好ましいのは、例えばアントラセン系化合物またはビスフェニルスルホン系化合物である。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0071】
前記ベンゾフェノン系化合物としては、例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’、5,6’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシー4−メトキシベンゾフェノン、2,6−ジヒドロキシー4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノ−2’、4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノ−3’、4’−ジヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。
【0072】
また、ビスフェニルスルホン系化合物およびビスフェニルスルホキシド系化合物としては、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(ポリヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(ポリヒドロキシフェニル)スルホキシドが好ましく、このようなものとしては、例えばビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,3−ジヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(5−クロロ−2,3−ジヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル),スルホン、ビス(2,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)スルホン、ビス(5−クロロ−2,4−ジヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(2,5−ジヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシ−6−メチルフェニル)スルホン、ビス(5−クロロ−2,3,4−トリヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(2,4,6−トリヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(5−クロロ−2,4,6−トリヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(2,3−ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(5−クロロ−2,3−ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)スルホキシド、ビス(5−クロロー2,4−ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2、5−ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(3,5−ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,3,4−トリヒドロキシ−6−メチルフェニル)スルホキシド、ビス(5−クロロ−2,3、4−トリヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,4,6−トリヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(5−クロロ−2,4,6−トリヒドロキシフェニル)スルホキシド等が挙げられる。
【0073】
さらに、アントラセン系化合物としては、例えば下記[化20]の一般式
【0074】
【化20】
Figure 2005070154
【0075】
(式中、lは1〜10の整数、mは0〜8の整数、jは0〜6の整数、kは0〜6の整数であり、ただし、kとmが同時に0となることはない)
【0076】
で表される化合物を挙げることができる。
【0077】
上記[化20]で表される化合物としては、具体的には、1−ヒドロキシアントラセン、9−ヒドロキシアントラセン、1,2−ジヒドロキシアントラセン、1,5−ジヒドロキシアントラセン、9,10−ジヒドロキシアントラセン、1,2,3−トリヒドロキシアントラセン、1−ヒドロキシメチルアントラセン、9−ヒドロキシメチルアントラセン、9−ヒドロキシエチルアントラセン、9−ヒドロキシヘキシルアントラセン、9−ヒドロキシオクチルアントラセン、9,10−ジヒドロキシメチルアントラセン等が挙げられ、さらには9−アントラセンカルボン酸、9,10−アントラセンジカルボン酸、グリシジル化アントラセンカルボン酸、グリシジル化アントラセニルメチルアルコール、アントラセニルメチルアルコールと多価カルボン酸(例えば、シュウ酸、マロン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸等)との縮合生成物なども好適に使用することができる。
【0078】
これらの中でも、反応性が高く、かつミキシング現象が発生しにくい等の条件を満たし、加えて吸光性が高いという点から、ベンゾフェノン系化合物、アントラセン系化合物、特に2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、9−アントラセンメタノール、9、10−ジアントラセンメタノール、9−アントラセンカルボン酸及び9,10−アントラセンジカルボン酸が好ましい。
【0079】
(E)成分は全固形分中、0.1〜50質量%配合されることが好ましく、特には10〜30質量%であることが好ましい。下限値以上とすることにより効果が向上し、上限値以下とすることにより、成膜性が良好となる。
【0080】
有機溶剤
有機溶剤としては、化学増幅型のポジ型レジスト組成物に用いられるものであれば、特に限定せずに用いることができる。
例えば、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート(例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等)、乳酸エステル(例えば乳酸エチル等)等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、あるいはこれらのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテルまたはモノフェニルエーテル等の多価アルコール類およびその誘導体;
ジオキサンのような環式エーテル類;等の非エステル系溶剤が挙げられる。
なおエステル系溶剤は、有機カルボン酸とアルコールとの反応生成物であることから、遊離酸である有機カルボン酸を含有する。そのため、前記の(D)成分を配合しないレジスト組成物、または後述の保存安定剤を配合しないレジスト組成物においては、そのような遊離酸を含有しない非エステル系溶剤を選択することが好ましく、特にケトン類(ケトン系の溶剤)は好ましい。その中でも2−へプタノンは、遊離酸の発生量が比較的少なく、塗膜性、(C)成分の溶解性の点からも好適である。
なお、エステル系溶剤も非エステル系溶剤も、ともに経時的に分解して酸を副生成するが、前記(D)成分の存在下、あるいは後述の保存安定剤の存在下においては、当該分解反応は抑制される。特にエステル系溶剤においてはその効果が顕著であり、当該(D)成分、保存安定剤の存在下においては、むしろエステル系溶剤が好ましく、特にPGMEAは好適である。
なお、上記分解により副生成する酸成分としては、例えば2−ヘプタノンの場合、蟻酸、酢酸、プロピオン酸等を生じることが確認されている。
【0081】
有機溶剤は1種または2種以上混合して用いることができる。
有機溶剤は、反射防止膜形成用組成物の固形分の濃度が5〜60質量%、好ましくは10〜50質量%となる配合量で用いると、塗布性の点から好ましい。
【0082】
本発明の反射防止膜形成用組成物には、この他、必要に応じて以下の様な保存安定剤を配合すると好ましい。
保存安定剤を配合することにより、溶剤等に由来する酸成分の発生を抑制することができるので、エステル系の溶剤の使用も可能となる。なお、非エステル系溶剤であっても、多少分解して酸成分を発生する場合があるので、保存安定剤を配合することが好ましい。
当該保存安定剤としては、溶剤の分解反応を抑制する作用を有するものであれば特に限定されず、例えば、特開昭58−194834号公報に記載されているような酸化防止剤を挙げることができる。酸化防止剤としてはフェノール系化合物とアミン系化合物が知られているが、特にフェノール系化合物が好ましく、中でも2,6−ジ(tert−ブチル)−p−クレゾール及びその誘導体が、エステル系溶剤、ケトン系溶剤の劣化に対して有効であり、商業的に入手可能、かつ安価であって、さらに保存安定効果に優れる点で好ましい。特にプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、2−ヘプタノンに対する劣化防止効果に極めて優れる。
配合量は、樹脂固形分100質量部に対して0.01〜3質量部、特には0.1〜1.0質量部の範囲であることが好ましい。
【0083】
また、本発明の反射防止膜形成用組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて相容性のある添加物、例えばレジスト膜の性能などを改良するための付加的樹脂、可塑剤、安定剤、界面活性剤、現像した像をより一層可視的にするための着色料、より増感効果を向上させるための増感剤やハレーション防止用染料、密着性向上剤などの慣用の添加物を含有させることができる。
【0084】
(ポジ型ホトレジスト組成物)
ポジ型ホトレジスト組成物は、従来用いられているものを特に限定せずに用いることができる。非化学増幅型であってもよいし、化学増幅型であってもよいが、下層の反射防止膜形成用材料と同程度の感度を有することが、現像処理後のレジストパターン形状が括れることなく、矩形状に近いレジストパターンとすることができるため、好ましい。
非化学増幅型のポジ型ホトレジスト組成物としては、ノボラック系樹脂とジアゾナフトキノン系の感光剤を有機溶剤に溶解してなるノボラック−ナフトキノン系のレジスト組成物が好ましく、i線(365nm)用のノボラック−ナフトキノン系のレジスト組成物が好ましい。
ノボラック樹脂としては、上述の説明と同様のものを用いることができる。
ジアゾナフトキノン系の感光剤としては、特に制限はなく、従来よりレジストの感光性成分として用いられているナフトキノンジアジドエステル化物の中から任意のものを用いることができる。
有機溶剤としては、特に制限はなく、例えば反射防止膜形成用組成物において用いられるものと同様のものが使用可能である。
【0085】
化学増幅型のポジ型ホトレジスト組成物は、例えば(A’)樹脂成分と、(C’)放射線の照射により酸成分を発生する化合物と、有機溶剤を含むものである。
(A’)樹脂成分としては、かかるレジスト組成物に公知のものから適宜選択して用いることができる。
(C’)放射線の照射により酸成分を発生する化合物(酸発生剤)は、露光波長によって選択され、反射防止膜形成用組成物に含まれる(C)成分と同じ波長の光によって酸成分を発生するものが選ばれる。
有機溶剤は反射防止膜形成用組成物について説明したものと同様のものを用いることができる。
【0086】
【実施例】
(実施例1)
以下、本発明を実施例を示して詳しく説明する。
シリコン基板の上に、下記の組成からなる反射防止膜形成用組成物をスピンコートし、150℃、180秒の条件でベークし、(B)成分の作用によって架橋構造を形成させて、反射防止膜(膜厚0.5μm)とした。
この上に下記の組成からなるポジ型ホトレジスト組成物をスピンコートし、90℃、90秒の条件でベークし、ポジ型ホトレジスト層(膜厚1μm)とした。
【0087】
反射防止膜形成用組成物の組成
(A1)成分: 100質量部
質量平均分子量(Mw)が3500、分散度(Mw/Mn)が3のポリヒドロキシスチレン
(B)成分: 50質量部
シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル
(C)成分: 2質量部
上記式(VII)で表される酸発生剤
(D)成分 0.2質量部
トリ−n−デシルアミン
(E)成分 50質量部
2,2’4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン
【0088】
上記(A1)〜(E)成分をメチルアミルケトンに溶解し、さらに界面活性剤としてXR−104(大日本インキ社製)を450ppm配合し、10質量%濃度の溶液に調整した。これを孔径0.1μmのメンブランフィルターにてろ過し、反射防止膜形成用材料1を調製した。なお、当該材料1のEop感度(シリコン基板上に1μm膜厚でレジスト被膜を形成し、i線露光機(製品名『NSR2005i10D』;ニコン社製)を用いて選択的露光を行い、次いで2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて23℃、60秒の条件で現像したときに1μmL&Sのレジストパターンを設定寸法通りに形成するときに要する露光量)は、220msであった。
ポジ型ホトレジスト組成物の組成
i線ポジ型ホトレジスト組成物であるTDMR−AR87(製品名;東京応化工業(株)製)を用いた。なお、当該レジスト組成物のEop感度は、200msであった。
【0089】
ついで、i線露光機(製品名『NSR2005i10D』;ニコン社製)を用いて、上記レジスト組成物のEop露光量条件(200ms)で、幅1μmの孤立パターンのマスクを用いて露光した。
ついで、110℃、60秒間のPEB(露光後加熱)処理を行い、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて23℃、60秒の条件で現像した。
その結果、露光部において、ポジ型ホトレジスト層とともに反射防止膜も除去された。
なお、上層のレジスト層と下層の反射防止膜層との間に括れ等の現象はほとんど見られず、また、上層のレジストパターンは矩形の形状を呈し、反射防止膜とポジ型ホトレジスト層との間でミキシング現象は確認されなかった。
【0090】
(実施例2)
反射防止膜形成用材料として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にしてレジストパターンを形成した。
(A2)成分: 100質量部
Mwが4000のメタクレゾールとホルムアルデヒドとの縮合反応により得られたノボラック樹脂
(B)成分: 50質量部
シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル
(C)成分: 2質量部
上記式(VII)で表される酸発生剤
(D)成分 0.1質量部
トリ−n−デシルアミン
(E)成分 50質量部
2,2’4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン
【0091】
上記(A2)〜(E)成分をメチルアミルケトンに溶解し、さらに界面活性剤としてXR−104(大日本インキ社製)を450ppm配合し、10質量%濃度の溶液に調整した。これを孔径0.1μmのメンブランフィルターにてろ過し、反射防止膜形成用材料2を調製した。なお、当該材料2のEop感度は、220msであった。
【0092】
実施例1と同様に現像処理を行ったところ、露光部において、ポジ型ホトレジスト層とともに反射防止膜も除去された。
なお、上層のレジスト層と下層の反射防止膜層との間に括れ等の現象はほとんど見られず、また、上層のレジストパターンは矩形の形状を呈し、反射防止膜とポジ型ホトレジスト層との間でミキシング現象は確認されなかった。
【0093】
(実施例3)
反射防止膜形成用材料として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にしてレジストパターンを形成した。
(A3)成分: 100質量部
上記(A1)樹脂をγ−ブチロラクトンに溶解し、30質量%濃度に調整した後、酢酸を樹脂固形分に対し0.1%添加し、窒素雰囲気下で内温110℃下で攪拌をしながら、架橋剤(シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル)を樹脂固形分100質量部に対して10質量部分滴下した。
滴下時の架橋剤濃度は30質量%(γ−ブチロラクトン溶液中)とした。10時間反応後、トリエチルアミンを樹脂固形分に対して1質量%滴下し、更に室温で1時間攪拌した後、2−ヘプタノンに溶解した。これをメタノール/純水で5回洗浄した後、2−ヘプタノン層を分離し、そして濃縮して残留するメタノール/水を除去した。
得られた樹脂(A3)の質量平均分子量は90000であった。
【0094】
(C)成分: 1.5質量部
上記式(VII)で表される酸発生剤
(D)成分 0.05質量部
トリ−n−デシルアミン
(E)成分 50質量部
2,2’4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン
【0095】
上記(A3)〜(E)成分をメチルアミルケトンに溶解し、さらに界面活性剤としてXR−104(大日本インキ社製)を450ppm配合し、10質量%濃度の溶液に調整した。これを孔径0.1μmのメンブランフィルターにてろ過し、反射防止膜形成用材料3を調製した。なお、当該材料3のEop感度は、230msであった。
【0096】
実施例1と同様に現像処理を行ったところ、露光部において、ポジ型ホトレジスト層とともに反射防止膜も除去された。
なお、上層のレジスト層と下層の反射防止膜層との間に括れ等の現象はほとんど見られず、また、上層のレジストパターンは矩形の形状を呈し、反射防止膜とポジ型ホトレジスト層との間でミキシング現象は確認されなかった。
【0097】
(実施例4)
反射防止膜形成用材料として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にしてレジストパターンを形成した。
(A4)成分: 100質量部
メチルアミルケトンに濃度30質量%になるように上記(A2)樹脂を攪拌溶解し、窒素雰囲気下で、内温110℃にした後、樹脂固形分に対し10質量%量のシクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルの30質量%メチルアミルケトン溶液を滴下した。
24時間反応後、12時間以上室温にて後攪拌を行った。
得られた樹脂(A4)の質量平均分子量は90000であった。
(C)成分: 2質量部
上記式(VII)で表される酸発生剤
(D)成分 0.05質量部
トリ−n−デシルアミン
(E)成分 50質量部
2,2’4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン
【0098】
上記(A3)〜(E)成分をメチルアミルケトンに溶解し、さらに界面活性剤としてXR−104(大日本インキ社製)を450ppm配合し、10質量%濃度の溶液に調整した。これを孔径0.1μmのメンブランフィルターにてろ過し、反射防止膜形成用材料4を調製した。なお、当該材料4のEop感度は、230msであった。
【0099】
実施例1と同様に現像処理を行ったところ、露光部において、ポジ型ホトレジスト層とともに反射防止膜も除去された。
なお、上層のレジスト層と下層の反射防止膜層との間に括れ等の現象はほとんど見られず、また、上層のレジストパターンは矩形の形状を呈し、反射防止膜とポジ型ホトレジスト層との間でミキシング現象は確認されなかった。
【0100】
(実施例5)
実施例1において、上層用レジスト材料をi線化学増幅型ポジ型ホトレジストであるTHMR−iP3100HS(製品名;東京応化工業(株)製)に代えた以外は実施例1と同様にして実験を行った。なお、当該上層用レジスト材料のEop感度は、210msであった。
実施例1と同様に現像処理を行ったところ、露光部において、ポジ型ホトレジスト層とともに反射防止膜も除去された。
なお、上層のレジスト層と下層の反射防止膜層との間に括れ等の現象はほとんど見られず、また、上層のレジストパターンは矩形の形状を呈し、反射防止膜とポジ型ホトレジスト層との間でミキシング現象は確認されなかった。
【0101】
(比較例)
実施例1において、反射防止膜形成用材料の代わりに市販の反射防止膜形成用材料SWK−T5D60(製品名;東京応化工業社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして実験を行った。
実施例1と同様に現像処理を行ったところ、露光部において、ポジ型ホトレジスト層とともに反射防止膜を除去することはできなかった。
また、上層のレジストパターンはテーパー形状を呈し、反射防止膜とポジ型ホトレジスト層との間でミキシング現象が生じていることが予想された。
【0102】
以上の結果より、本発明に係る実施例では、反射防止膜をアルカリ水溶液によって除去することができ、また、ポジ型ホトレジスト層と反射防止膜とのミキシング現象を防ぐことができることが確認できた。
【0103】
【発明の効果】
以上説明したように本発明においては、反射防止膜とホトレジスト層とのミキシング現象が生じにくく、かつ反射防止膜の除去にドライエッチング処理を必要としない、反射防止膜形成用組成物およびレジストパターンの形成方法を提供することができる。

Claims (11)

  1. ポジ型ホトレジスト層の下に設ける反射防止膜を形成するための反射防止膜形成用組成物であって、
    (A)樹脂成分と、(C)放射線の照射により酸成分を発生する化合物と、(E)吸光剤と、有機溶剤を含み、
    加熱すると架橋構造を形成し、
    ついで前記(C)成分から発生する酸成分の作用により、アルカリ水溶液に対して難溶性の性質から、アルカリ水溶液に対して可溶性の性質となるものであることを特徴とする反射防止膜形成用組成物。
  2. 下記(i)、(ii)の一方を満足することを特徴とする請求項1に記載の反射防止膜形成用組成物。
    (i)前記(A)成分が(A1)アルカリ可溶性樹脂を含み、
    さらに、当該反射防止膜形成用組成物が、(B)一般式(I)
    Figure 2005070154
    [式中、Rは、置換基を有していても良い炭素原子数1〜10のアルキレン基、または下記一般式(II)
    Figure 2005070154
    (式中、Rは、置換基を有していても良い炭素原子数1〜10のアルキレン基を示し、mは0又は1を表す。)
    で表される基のいずれかを示す。]
    で表される化合物を含む、
    (ii)前記(A)成分が、前記(A1)成分と、前記(B)成分との反応生成物を含む。
  3. 請求項2に記載の反射防止膜形成用組成物において、
    前記(A1)成分が、ノボラック樹脂および/またはヒドロキシスチレン系樹脂からなることを特徴とする反射防止膜形成用組成物。
  4. 請求項2に記載の反射防止膜形成用組成物において、
    前記反応生成物が、(A2)下記一般式(III)
    Figure 2005070154
    (式中、Rは前記と同じであり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基を示し、nは、1〜3の整数を示す。)で表される構成単位(a1)および/または下記一般式(IV)
    Figure 2005070154
    (式中、R〜R及びnは、前記と同じである。)
    で表される分子間架橋部分(a2)を有することを特徴とする反射防止膜形成用組成物。
  5. 請求項2に記載の反射防止膜形成用組成物において、
    前記反応生成物が、(A3)下記一般式(V)
    Figure 2005070154
    (式中、Rは、前記と同じである。)
    で表される構成単位(a’1)および/または下記一般式(VI)
    Figure 2005070154
    (式中、Rは、前記と同じである。)
    で表される分子間架橋部分(a’2)を有することを特徴とする反射防止膜形成用組成物。
  6. 前記(C)成分がi線(365nm)の照射により酸成分を発生する化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の反射防止膜形成用組成物。
  7. (D)塩基性化合物を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の反射防止膜形成用組成物。
  8. 前記(D)成分を、前記(A)成分100質量部に対し、0.01〜5質量部配合してなる請求項7に記載の反射防止膜形成用組成物。
  9. (1)請求項1〜8のいずれか一項に記載の反射防止膜形成用組成物を支持体に塗布し、加熱処理を行って反射防止膜を形成する工程と、
    (2)当該反射防止膜の上に、ポジ型ホトレジスト組成物を塗布し、加熱処理を行ってポジ型ホトレジスト層を形成する工程と、
    (3)選択的露光を行う工程と、
    (4)PEB(露光後加熱処理)を行う工程と、
    (5)アルカリ水溶液による現像処理を行ってレジストパターンを形成する工程、
    とを有することを特徴とする、レジストパターンの形成方法。
  10. 前記ポジ型ホトレジスト組成物として、i線(365nm)用のノボラック−ナフトキノン系のレジスト材料を用いることを特徴とする請求項9に記載のレジストパターンの形成方法。
  11. 前記ポジ型ホトレジスト組成物と、前記反射防止膜形成用組成物として、感光する波長が同じものを使用することを特徴とする請求項9または10に記載のレジストパターンの形成方法。
JP2003209378A 2003-08-28 2003-08-28 反射防止膜形成用組成物およびレジストパターンの形成方法 Expired - Fee Related JP4173414B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003209378A JP4173414B2 (ja) 2003-08-28 2003-08-28 反射防止膜形成用組成物およびレジストパターンの形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003209378A JP4173414B2 (ja) 2003-08-28 2003-08-28 反射防止膜形成用組成物およびレジストパターンの形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005070154A true JP2005070154A (ja) 2005-03-17
JP4173414B2 JP4173414B2 (ja) 2008-10-29

Family

ID=34402342

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003209378A Expired - Fee Related JP4173414B2 (ja) 2003-08-28 2003-08-28 反射防止膜形成用組成物およびレジストパターンの形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4173414B2 (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006115044A1 (ja) * 2005-04-19 2006-11-02 Nissan Chemical Industries, Ltd. 光架橋硬化のレジスト下層膜を形成するためのレジスト下層膜形成組成物
JP2007293332A (ja) * 2006-04-11 2007-11-08 Rohm & Haas Electronic Materials Llc フォトリソグラフィ用コーティング組成物
JP2008501985A (ja) * 2004-03-25 2008-01-24 エイゼット・エレクトロニック・マテリアルズ・ユーエスエイ・コーポレイション 光結像性ポジ型底面反射防止膜
JPWO2005111724A1 (ja) * 2004-05-14 2008-03-27 日産化学工業株式会社 ビニルエーテル化合物を含む反射防止膜形成組成物
WO2008072624A1 (ja) 2006-12-13 2008-06-19 Nissan Chemical Industries, Ltd. 低分子溶解促進剤を含むレジスト下層膜形成組成物
WO2009038126A1 (ja) * 2007-09-20 2009-03-26 Nissan Chemical Industries, Ltd. 分岐型ポリヒドロキシスチレンを含むレジスト下層膜形成組成物
JP2009244724A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Dainippon Printing Co Ltd ポジ型レジスト組成物、及び当該ポジ型レジスト組成物を用いたパターン形成方法
JP2010113035A (ja) * 2008-11-04 2010-05-20 Daicel Chem Ind Ltd 下層膜用重合体、下層膜用組成物及び半導体の製造方法
WO2011086757A1 (ja) * 2010-01-18 2011-07-21 日産化学工業株式会社 感光性レジスト下層膜形成組成物及びレジストパターンの形成方法
US8685615B2 (en) 2010-06-17 2014-04-01 Nissan Chemical Industries, Ltd. Photosensitive resist underlayer film forming composition
US9110372B2 (en) 2004-04-29 2015-08-18 Brewer Science Inc. Anti-reflective coatings using vinyl ether crosslinkers
US9436085B2 (en) 2009-12-16 2016-09-06 Nissan Chemical Industries, Ltd. Composition for forming photosensitive resist underlayer film
US9640396B2 (en) 2009-01-07 2017-05-02 Brewer Science Inc. Spin-on spacer materials for double- and triple-patterning lithography
JP2020144355A (ja) * 2019-02-28 2020-09-10 東京応化工業株式会社 感光性樹脂組成物、及びガラス基板のエッチング方法
JP2021018426A (ja) * 2019-07-23 2021-02-15 信越化学工業株式会社 ケイ素含有レジスト下層膜形成用組成物及びパターン形成方法

Cited By (29)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011150365A (ja) * 2004-03-25 2011-08-04 Az Electronic Materials Usa Corp 光結像性ポジ型底面反射防止膜
JP2008501985A (ja) * 2004-03-25 2008-01-24 エイゼット・エレクトロニック・マテリアルズ・ユーエスエイ・コーポレイション 光結像性ポジ型底面反射防止膜
JP2012103723A (ja) * 2004-03-25 2012-05-31 Az Electronic Materials Usa Corp 光結像性ポジ型底面反射防止膜
US9110372B2 (en) 2004-04-29 2015-08-18 Brewer Science Inc. Anti-reflective coatings using vinyl ether crosslinkers
JPWO2005111724A1 (ja) * 2004-05-14 2008-03-27 日産化学工業株式会社 ビニルエーテル化合物を含む反射防止膜形成組成物
JP4509106B2 (ja) * 2004-05-14 2010-07-21 日産化学工業株式会社 ビニルエーテル化合物を含む反射防止膜形成組成物
US9134610B2 (en) 2005-04-19 2015-09-15 Nissan Chemical Industries, Ltd. Resist underlayer coating forming composition for forming photo-crosslinking cured resist underlayer coating
WO2006115044A1 (ja) * 2005-04-19 2006-11-02 Nissan Chemical Industries, Ltd. 光架橋硬化のレジスト下層膜を形成するためのレジスト下層膜形成組成物
US8426111B2 (en) 2005-04-19 2013-04-23 Nissan Chemical Industries, Ltd. Resist underlayer coating forming composition for forming photo-crosslinking cured resist underlayer coating
KR101597126B1 (ko) 2006-04-11 2016-02-24 롬 앤드 하스 일렉트로닉 머트어리얼즈 엘엘씨 포토리소그래피용 코팅 조성물
KR20140034890A (ko) * 2006-04-11 2014-03-20 롬 앤드 하스 일렉트로닉 머트어리얼즈, 엘.엘.씨. 포토리소그래피용 코팅 조성물
JP2007293332A (ja) * 2006-04-11 2007-11-08 Rohm & Haas Electronic Materials Llc フォトリソグラフィ用コーティング組成物
JP2012128455A (ja) * 2006-04-11 2012-07-05 Rohm & Haas Electronic Materials Llc フォトリソグラフィ用コーティング組成物
JPWO2008072624A1 (ja) * 2006-12-13 2010-04-02 日産化学工業株式会社 低分子溶解促進剤を含むレジスト下層膜形成組成物
JP4858725B2 (ja) * 2006-12-13 2012-01-18 日産化学工業株式会社 低分子溶解促進剤を含むレジスト下層膜形成組成物
US9645494B2 (en) 2006-12-13 2017-05-09 Nissan Chemical Industries, Ltd. Resist underlayer film forming composition containing low molecular weight dissolution accelerator
CN101558358B (zh) * 2006-12-13 2012-06-27 日产化学工业株式会社 含低分子溶解促进剂的形成抗蚀剂下层膜的组合物
WO2008072624A1 (ja) 2006-12-13 2008-06-19 Nissan Chemical Industries, Ltd. 低分子溶解促進剤を含むレジスト下層膜形成組成物
WO2009038126A1 (ja) * 2007-09-20 2009-03-26 Nissan Chemical Industries, Ltd. 分岐型ポリヒドロキシスチレンを含むレジスト下層膜形成組成物
JP2009244724A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Dainippon Printing Co Ltd ポジ型レジスト組成物、及び当該ポジ型レジスト組成物を用いたパターン形成方法
JP2010113035A (ja) * 2008-11-04 2010-05-20 Daicel Chem Ind Ltd 下層膜用重合体、下層膜用組成物及び半導体の製造方法
US9640396B2 (en) 2009-01-07 2017-05-02 Brewer Science Inc. Spin-on spacer materials for double- and triple-patterning lithography
US9436085B2 (en) 2009-12-16 2016-09-06 Nissan Chemical Industries, Ltd. Composition for forming photosensitive resist underlayer film
JP5708938B2 (ja) * 2010-01-18 2015-04-30 日産化学工業株式会社 感光性レジスト下層膜形成組成物及びレジストパターンの形成方法
WO2011086757A1 (ja) * 2010-01-18 2011-07-21 日産化学工業株式会社 感光性レジスト下層膜形成組成物及びレジストパターンの形成方法
US8685615B2 (en) 2010-06-17 2014-04-01 Nissan Chemical Industries, Ltd. Photosensitive resist underlayer film forming composition
JP2020144355A (ja) * 2019-02-28 2020-09-10 東京応化工業株式会社 感光性樹脂組成物、及びガラス基板のエッチング方法
JP7335757B2 (ja) 2019-02-28 2023-08-30 東京応化工業株式会社 感光性樹脂組成物、及びガラス基板のエッチング方法
JP2021018426A (ja) * 2019-07-23 2021-02-15 信越化学工業株式会社 ケイ素含有レジスト下層膜形成用組成物及びパターン形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4173414B2 (ja) 2008-10-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4173414B2 (ja) 反射防止膜形成用組成物およびレジストパターンの形成方法
EP3497519B1 (en) Enviromentally stable, thick film, chemically amplified resist
WO2007007176A2 (en) Photoresist composition for imaging thick films
JP3931482B2 (ja) 化学増幅ネガ型レジスト組成物
JP4476680B2 (ja) インプランテーション工程用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物
JP4173413B2 (ja) リフトオフ用レジストパターンの形成方法
TWI292854B (en) Method for removing resist pattern
JP2005522533A (ja) ノボラック樹脂混合物及びこの混合物を含む感光性組成物
JP4313611B2 (ja) 化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物およびレジストパターンの形成方法
JP2004354609A (ja) 化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物およびレジストパターンの形成方法
EP1877865A2 (en) Nanocomposite photoresist composition for imaging thick films
GB2360600A (en) Positive resist composition
WO2021094350A1 (en) Positive working photosensitive material
JP3225599B2 (ja) ネガ型フォトレジスト膜の現像方法
JP2004144905A (ja) Lcd製造用ポジ型ホトレジスト組成物およびレジストパターンの形成方法
JP3259263B2 (ja) ネガ型感放射線性樹脂組成物
JP2005010213A (ja) 化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物およびレジストパターンの形成方法
JP4476675B2 (ja) 化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物
JP3636503B2 (ja) 感放射線性樹脂組成物
JP2005010486A (ja) レジストパターン形成方法
JP2751572B2 (ja) 感放射線性樹脂組成物
JP2023502086A (ja) Pag不含ポジ型化学増幅レジスト組成物及びそれの使用法
JP3633134B2 (ja) 感放射線性樹脂組成物
JPH06118649A (ja) レジスト組成物
JPH1020503A (ja) 感放射線性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080507

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080704

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080805

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080813

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4173414

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110822

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120822

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120822

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130822

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140822

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees