JP2005068518A - 高周波焼入用熱間鍛造非調質鋼 - Google Patents

高周波焼入用熱間鍛造非調質鋼 Download PDF

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Abstract

【課題】熱間鍛造のままの鋼材を出発材とし、従来鋼よりも被削性を向上させると共に、従来鋼と同等以上の疲労強度を有する高周波焼入用熱間鍛造非調質鋼を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.35〜0.45%、Si:0.20〜0.60%、Mn:0.40〜0.80%、S:0.040〜0.070%、Cr:0.10〜0.40%、Ti:0.020〜0.100%、Ca:0.0005〜0.0050%、B:0.0005〜0.0030%、O(酸素):0.0015〜0.0050%、Mo:0〜0.05%、P:0.025%以下、V:0.03%以下、Al:0.009%以下及びN:0.0100%以下を含有し、残部がFe及び不純物よりなる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高周波焼入用熱間鍛造非調質鋼に関する。詳しくは、自動車や産業車両等に用いられるクランクシャフト等の機械構造部品に適した高周波焼入用熱間鍛造非調質鋼に係るものである。
従来、自動車、産業車両等に用いられるクランクシャフト等には、耐摩耗性及び疲労強度が要求されるために、JISで規定するS48C等の機械構造用鋼が使用されている。ここで、S48Cはいわゆる調質鋼であり、熱間加工後に焼入れ・焼戻しといった調質処理を行い、所定の強度を付与し、更に機械加工等により所定の形状に加工した後、必要な部位に高周波焼入れを施して表面硬化層を形成することによって耐摩耗性及び疲労強度を向上させている。
ところが、上記した様な調質鋼は、熱間鍛造後に熱処理を施すために、多くのエネルギーと手間や設備コストが費やされており、近年では、省エネルギーという社会的要請に応えるべく熱間鍛造ままで使用できる非調質鋼の開発が盛んに行われおり、これまでにも高周波焼入用非調質鋼についていくつか報告がなされている。
例えば、特許文献1には、「質量%、C:0.30〜0.60%、Si:0.03〜1.0%及びMn:0.5〜2.0%を含み、更にMo:0.05〜0.5%及びNb:0.01〜0.3%の1種又は2種を含み、残余が実質的にFeからなり、ベイナイトの占める体積率が75%以上である組織を有することを特徴とする高周波焼入用非調質鋼」等が開示されている。
ここで、特許文献1に記載の鋼は、母材の組織がベイナイト率75%以上からなるものであるために、機械構造用鋼に望まれる重要特性の1つである被削性が低下してしまうという問題がある。
また、特許文献2には、「重量比でC:0.30〜0.60%、Si:0.10〜0.80%、Mn:0.60〜2.00%、Cr:0.60%以下、V:0.05〜0.30%、Al:0.030〜0.100%、N:0.0080〜0.0200%、B:0.0005〜0.0050%を含有し、残部がFe及び不純物元素からなることを特徴とする高周波焼入用非調質鋼」等が開示されている。
ここで、特許文献2では、AlによってNを充分に固定するためには比較的多量のAl添加が必要であるが、Alを過剰に添加すると硬いAl相を形成して、Vで内部強度を従来鋼並に確保している点と相まって、被削性が低下するという問題がある。
特開昭63−100157号公報
特開平2−179841号公報
本発明は、上記現状に鑑みて創案されたものであって、熱間鍛造ままの鋼材を出発材とし、従来鋼よりも被削性を向上させると共に、従来鋼と同等以上の疲労強度を有する高周波焼入用熱間鍛造非調質鋼を提供することを目的とするものである。
本発明の要旨は、下記(1)に示す高周波焼入用非調質鋼である。
(1)質量%で、C:0.35〜0.45%、Si:0.20〜0.60%、Mn:0.40〜0.80%、S:0.040〜0.070%、Cr:0.10〜0.40%、Ti:0.020〜0.100%、Ca:0.0005〜0.0050%、B:0.0005〜0.0030%、O(酸素):0.0015〜0.0050%、Mo:0〜0.05%、P:0.025%以下、V:0.03%以下、Al:0.009%以下及びN:0.0100%以下を含有し、残部がFe及び不純物よりなり、下記(1)式で表されるFn1の値が0.63以下であり、下記(2)式で表されるFn2の値が1.0以下であると共に、下記(3)式で表されるFn3の値が5.7以上であることを特徴とする高周波焼入用熱間鍛造非調質鋼。
式(1):Fn1=C+(Si/10)+(Mn/5)+(5Cr/22)+1.65V−(5/7S)+1.51×(Ti−3.4N)
式(2):Fn2=Ca/O
式(3):Fn3=25.9×Fn1+27.5×(Ti−3.4N)−7.9
ここで、上記(1)式、(2)式及び(3)式中の各元素記号は、その元素の質量%での含有量を示している。
以下、上記(1)に記載のものを(1)の発明という。
本発明者らは、上記した課題を解決するために様々な検討を行い、特に熱間鍛造非調質鋼の被削性の向上と高周波焼入後の疲労強度の確保について研究を行い、以下の知見を得た。
(a)被削性を大幅に向上させるためには、内部硬度の低減、即ち、Fn1で規定されるC当量を0.63以下に制御すると共に、快削元素であるS及びCaの添加、及び切り屑処理性を確保するためのAlの制限、及びFn2の値の1.0以下への制御が必要である。
(b)また、従来鋼(例えば、JISで規定されるS48C等に焼入れ処理及び焼戻し処理を施した鋼)と同等の疲労強度を確保するためには、図1で示す様に、図1中符号aで示す内部硬度を低減した分、図1中符号bで示す高周波焼入れ時の焼入れ深さを増加させる必要があり、所定の焼入れ深さを得るためには焼入性向上元素であるBの添加、及びFn3の値を5.7以上に制御する必要がある。更に、非調質鋼におけるフェライト析出時の生成核となる元素であるVを0.03%以下に制御する必要がある。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものである。
本発明の高周波焼入用熱間鍛造非調質鋼では、熱間鍛造ままの鋼材を出発材とし、従来鋼よりも被削性が優れると共に、従来鋼と同等以上の疲労強度を有する。
以下、本発明の各要件について詳しく説明する。なお、各元素の含有量の「%」表示は「質量%」を意味する。
(A)化学成分
C:0.35〜0.45%
Cは、焼入性及び内部強度を向上させる効果があり、最低限の焼入性及び内部強度を得るためには、0.35%以上のCを含有させる必要がある。一方、含有量が0.45%を超えると、母材の硬さが上昇し、被削性が悪化してしまう。従って、Cの含有量を0.35〜0.45%とした。なお、C含有量のより好ましい範囲は0.35〜0.40%である。
Si:0.20〜0.60%
Siは、鋼の脱酸剤として必要であると共に、フェライトを強化し、疲労強度を向上させる効果があり、この効果を得るためには、0.20%以上のSiを含有させる必要がある。一方、含有量が0.60%を超えると、熱間鍛造時の脱炭を促進して強度が低下してしまう。従って、Siの含有量を0.20〜0.60%とした。なお、Si含有量のより好ましい範囲は0.30〜0.50%である。
Mn:0.40〜0.80%
Mnは、鋼の脱酸剤として必要であると共に、焼入性を向上させて鋼の強度を向上させる効果があり、この効果を得るためには、0.40%以上のMnを含有させる必要がある。一方、含有量が0.80%を超えると、素材硬度を上昇させて被削性が悪化してしまう。従って、Mnの含有量を0.40〜0.80%とした。なお、Mn含有量のより好ましい範囲は0.50〜0.70%である。
S:0.040〜0.070%
Sは、Mnと共にMnSを形成して被削性を向上させる効果があり、この効果を得るためには0.040%以上のSを含有させる必要がある。一方、含有量が0.070%を超えると、鋼の熱間鍛造性が悪化すると共に、疲労強度が低下してしまう。従って、Sの含有量を0.040〜0.070%とした。なお、S含有量のより好ましい範囲は0.040〜0.060%である。
Cr:0.10〜0.40%
Crは、鋼の焼入性を向上させ強度を高める効果があり、所望の効果を得るためには0.10%以上のCrを含有させる必要がある。一方、含有量が0.40%を超えると、鋼の熱間鍛造性が悪化すると共に、被削性も低下してしまう。従って、Crの含有量を0.10〜0.40%とした。なお、Cr含有量のより好ましい範囲は0.10〜0.20%である。
Ti:0.020〜0.100%
Tiは、鋼の脱酸剤であると共に、鋼中のNと結合してTiNを生成し、Nを固定する働きがある。また、鋼中の固溶Tiは鋼を強化する効果がある。本発明鋼ではAl含有量が少なく、B添加でのBNの生成を抑制するために、TiによってNを固定する必要があり、所望の効果を得るためには0.020%以上のTiを含有させる必要がある。一方、含有量が0.100%を超えると、鋼の被削性が悪化してしまう。従って、Tiの含有量を0.020〜0.100%とした。なお、Ti含有量のより好ましい範囲は0.030〜0.060%である。
Ca:0.0005〜0.0050%
Caは、MnSを微細分散させ、鋼の被削性を大きく向上させる効果があり、この効果を得るためには0.0005%以上のCaを含有させる必要がある。一方、含有量が0.0050%を超えると、Caの被削性向上の効果が飽和するばかりでなく、粗大なCa系酸化物を形成し疲労強度が低下してしまう。従って、Caの含有量を0.0005〜0.0050%とした。なお、Ca含有量のより好ましい範囲は0.0005〜0.0030%である。
B:0.0005〜0.0030%
Bは、鋼の焼入性を向上させるという重要な効果があり、本発明では、内部硬度を低減させ被削性を向上させるために、CやMn、Crなどの焼入性元素を従来鋼よりもその含有量を低く制御している。そのため、高周波焼入れ時の焼入れ深さを確保するためにBを含有する必要があり、焼入性向上効果を得るためには0.0005%以上のBを含有させる必要がある。一方、含有量が0.0030%を超えると、焼入性向上効果が飽和してしまう。従って、Bの含有量を0.0005〜0.0030%とした。
O(酸素):0.0015〜0.0050%
O(酸素)は、Caと結合して被削性、特に高速切削時の工具磨耗を抑制する効果があり、この効果を発揮するためには0.0015%以上のO(酸素)を含有させる必要がある。一方、含有量が0.0050%を超えると、逆に被削性が劣化したり、粗大な酸化物系介在物を形成して疲労強度が低下したりしてしまう。従って、O(酸素)の含有量を0.0015〜0.0050%とした。
Mo:0〜0.05%
Moは、添加しなくてもよい。添加すれば、鋼の焼入性を向上させる効果がある。この効果を確実に得るには、Moは0.02%以上の含有量とすればよい。一方、含有量が0.05%を超えると、鋼の熱間鍛造性と被削性が悪化すると共に、経済性をも悪化してしまう。従って、Moの含有量の上限を0.05%とした。
Al:0.009%以下
Alは、鋼を脱酸する効果があるが、添加しすぎると酸素と結合して硬質なAl系介在物を生成し、被削性を悪化させてしまう。従って、Alの含有量を0.009%以下とした。
本発明においては、P、V及びNを下記の通り制限する。これらの元素はいずれも不純物として含まれるものである。
P:0.025%以下
Pは、鋼の不可避不純物であり、鋼中に多量に存在すると高周波焼入において割れを助長する場合がある。従って、Pの含有量を0.025%以下とした。
V:0.03%以下
Vは、C及びNと結合して炭窒化物を形成する。この炭窒化物は熱間鍛造後にフェライトの安定な生成核となるため、熱間鍛造後の高周波焼入後の硬さにおいてバラツキを発生させる要因となってしまう。従って、Vの含有量を0.03%以下とした。
N:0.0100%以下
Nは、Tiと親和力が大きいためにTiNを生成しやすく、Nの含有量が0.0100%を超えると粗大なTiNが生成し、疲労強度の低下を招いてしまう。従って、Nの含有量を0.0100%以下とした。なお、N含有量のより好ましい範囲は0.0060%以下である。
上記(1)の発明に係る高周波焼入用熱間鍛造非調質鋼の化学組成は、上記のCからNまでの元素と、残部がFe及び不純物からなるものである。
(B)Fn1、Fn2及びFn3
Fn1≦0.63
被削性を確保するには内部硬度を低下することが有効であるが、特に、ガンドリル穿孔においては、内部硬度の低下により工具寿命が著しく向上する。従って、熱間鍛造後の内部硬度を低下させ、良好な被削性を得るためにFn1の値を0.63以下とした。
Fn2≦1.0
Fn2を1.0以下とすることで、即ち、CaとO(酸素)の比を1.0以下とすることで、鋼中のMnSが微細に分散し、被削時に、この微細なMnSが鋼中で切欠き効果を発揮して切り屑処理性が著しく向上する。従って、Fn2の値を1.0以下とした。
Fn3≧5.7
Fn3=FB×{25.9×Fn1+27.5×(Ti−3.4N)−7.9}
但し、B≧0.0005%のとき FB=1.00
B<0.0005%のとき FB=0.56
なお、Fn3は高周波焼入れ深さに関係し、Bを充分に添加する場合(B≧0.0005%)とそれ以外の場合(B<0.0005%)で、係数FBが異なる。
ここで、被削性の向上と疲労強度の確保を両立するためには、内部硬度の低下と共に、高周波焼入れ深さの増大を図る必要があり、Fn1の値を0.63以下とすると共に、Fn3の値を5.7以上に制御すれば、被削性を損なうことなく高周波焼入れ深さを増大することができる。従って、Fn3の値を5.7以上とした。
以下、本発明者らが表1に示す試験番号1〜20で示す鋼を用いて検討した結果を一例として、上記したFn1〜Fn3の値に関する規定について詳しく説明する。
Figure 2005068518
先ず、表1に示す化学組成を有する鋼を3ton電気炉で溶解して鋳造し、インゴットままで放冷を行う。次いで、各インゴットを分塊圧延により180mm角のビレットにした後、通常の方法で1200℃以上に加熱し、熱間圧延により直径100mm及び直径20mmの棒鋼を作成した。
ここで、直径100mmの棒鋼は、1200℃で60分間保持後に放冷する高温焼ならしを施した後、70mm長さに切断して被削性評価試験片を得た。
なお、被削性は、水溶性潤滑剤を使用し、超硬製の直径6.2mmのガンドリルを用い、回転数6000rpm、送り200mm/minにて試験片の切断面に垂直に切削深さ55mmの穴を300穴穿孔してガンドリルの折損の有無により評価した。
また、切り屑処理性は、上記の切削試験の際に排出された切り屑に長さ30mm以上のものが含まれているか否かにより評価した。即ち、切り屑に長さ30mm以上のものが含まれている時は切り屑処理性が悪いと判断し、切り屑に長さ30mm以上のものが含まれていない時は切り屑処理性が良好と判断した。
一方、直径20mmの棒鋼は、1200℃で30分間保持した後に放冷する高温焼ならしを施した後、この直径20mmの棒鋼から平行部直径10mmの小野式回転曲げ疲労試験片を得た。更に、試験片の平行部に出力50kW、周波数200kHzの高周波焼入れを施し、150℃で30分間の低温焼戻しを行って小野式回転曲げ疲労試験を実施した。
なお、回転曲げ疲労特性は、上記した平行部直径10mmで、平行部長さが30mm、コーナー部のRが30mmのJIS1号回転曲げ疲労試験片を用いて、通常の方法により室温で小野式回転曲げ疲労試験を行い、繰り返し数1.0×10回における応力を回転曲げ疲労強度として評価を行った。ここで、回転曲げ疲労強度が500MPa以上であれば、JISに規定するS48Cの熱間鍛造材における回転曲げ疲労強度を上回っているために、500MPa以上の回転曲げ疲労強度を有することを目標とした。
以上の試験結果を図2及び図3に示す。
図2は、Fn1及びFn2と被削性の関係を示したものである。
図2から、Fn1の値を0.63以下にすると共に、Fn2の値を1.0以下にすることによって被削性(ガンドリルの寿命及び切り屑処理性)が良好になることがわかる。
図3は、Fn1及びFn3と回転曲げ疲労特性及び被削性の関係を示したものである。なお、図3では、Fn2の値が1.0を超えるものについては削除している。
図3から、Fn1の値を0.63以下にすると共に、Fn3の値を5.7以上にすることによって回転曲げ疲労特性及び被削性が良好になることがわかる。即ち、Fn1の値を0.63以下にし、Fn2の値を1.0以下にすると共に、Fn3の値を5.7以上にすることによって、被削性と共に疲労強度が良好になることがわかる。
以下、実施例により本発明を詳しく説明する。
上記した表1に示す試験番号1〜20で示す鋼を3ton電気炉で溶解して鋳造し、インゴットままで放冷を行う。なお、表1における試験番号1〜10で示す鋼は化学組成が本発明で規定する範囲内にある本発明例の鋼であり、表1における試験番号11〜20で示す鋼は化学組成が本発明で規定する範囲から外れた比較例の鋼である。
次いで、各インゴットを分塊圧延により180mm角のビレットにした後、通常の方法で1200℃以上に加熱し、熱間圧延により直径100mm及び直径20mmの棒鋼を作成した。
ここで、直径100mmの棒鋼は、1200℃で60分間保持後に放冷する高温焼ならしを施した後、70mm長さに切断して被削性評価試験片を得た。
なお、被削性は、水溶性潤滑剤を使用し、超硬製の直径6.2mmのガンドリルを用い、回転数6000rpm、送り200mm/minにて試験片の切断面に垂直に切削深さ55mmの穴を300穴穿孔してガンドリルの折損の有無により評価した。
また、切り屑処理性は、上記の切削試験の際に排出された切り屑に長さ30mm以上のものが含まれているか否かにより評価した。即ち、切り屑に長さ30mm以上のものが含まれている時は切り屑処理性が悪いと判断し、切り屑に長さ30mm以上のものが含まれていない時は切り屑処理性が良好と判断した。
一方、直径20mmの棒鋼は、1200℃で30分間保持した後に放冷する高温焼ならしを施した後、この直径20mmの棒鋼から平行部直径10mmの小野式回転曲げ疲労試験片を得た。更に、試験片の平行部に出力50kW、周波数200kHzの高周波焼入れを施し、150℃で30分間の低温焼戻しを行って小野式回転曲げ疲労試験を実施した。
なお、回転曲げ疲労特性は、上記した平行部直径10mmで、平行部長さが30mm、コーナー部のRが30mmのJIS1号回転曲げ疲労試験片を用いて、通常の方法により室温で小野式回転曲げ疲労試験を行い、繰り返し数1.0×10回における応力を回転曲げ疲労強度として評価を行った。ここで、回転曲げ疲労強度が500MPa以上であれば、JISに規定するS48Cの熱間鍛造材における回転曲げ疲労強度を上回っているために、500MPa以上の回転曲げ疲労強度を有することを目標とした。
以上の各試験結果を表2に整理して示す。
Figure 2005068518
表2から明らかな様に、上記(1)の発明で規定する条件から外れた試験番号11〜20の場合には、ガンドリル寿命か切り屑処理性のいずれかが悪く被削性が悪い、あるいは疲労強度が低いのいずれかである。
これに対して、上記(1)の発明で規定する条件を満たす試験番号1〜10の場合には、被削性を向上させつつ、疲労強度500MPa以上を実現することが可能である。
被削性と疲労強度確保の考え方を示す図である。 Fn1及びFn2と被削性の関係を示したものである。 Fn1及びFn3と回転曲げ疲労特性及び被削性の関係を示したものである。

Claims (1)

  1. 質量%で、C:0.35〜0.45%、Si:0.20〜0.60%、Mn:0.40〜0.80%、S:0.040〜0.070%、Cr:0.10〜0.40%、Ti:0.020〜0.100%、Ca:0.0005〜0.0050%、B:0.0005〜0.0030%、O(酸素):0.0015〜0.0050%、Mo:0〜0.05%、P:0.025%以下、V:0.03%以下、Al:0.009%以下及びN:0.0100%以下を含有し、残部がFe及び不純物よりなり、
    下記(1)式で表されるFn1の値が0.63以下であり、
    下記(2)式で表されるFn2の値が1.0以下であると共に、
    下記(3)式で表されるFn3の値が5.7以上である
    ことを特徴とする高周波焼入用熱間鍛造非調質鋼。
    式(1):Fn1=C+(Si/10)+(Mn/5)+(5Cr/22)+1.65V−(5/7S)+1.51×(Ti−3.4N)
    式(2):Fn2=Ca/O
    式(3):Fn3=25.9×Fn1+27.5×(Ti−3.4N)−7.9
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