JP3753054B2 - 超硬工具切削性にすぐれた機械構造用の快削鋼 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超硬工具切削性、すなわち超硬工具による旋削や超硬ドリルによる穿孔を行なったときの被削性がすぐれている機械構造用の快削鋼と、その製造方法に関する。本発明の機械構造用鋼は、クランクシャフト、コネクティングロッドなど、超硬工具による切削加工を行なって製造する部品であって、加工に当たって工具摩耗や仕上げ面粗さが問題となるものの材料として好適である。
【0002】
本発明において、「二重構造介在物」の語は、酸化物を主体とする介在物が芯となり、その周囲を、硫化物を主体とする介在物が取囲んでいる構造の介在物をいい、「工具寿命比」および「寿命比」の語は、超硬工具による旋削において、同一のS含有量をもつ在来のイオウ快削鋼の工具寿命と本発明の快削鋼の工具寿命との比を意味する。
【0003】
【従来の技術】
被削性が高い機械構造用鋼に関する研究は長年にわたって行なわれており、出願人もこれまでに多数の提案をしてきた。最近のものとしては、特開平10−287953号「機械的性質とドリル穴あけ加工性に優れた機械構造用鋼」が、ひとつの代表である。この快削鋼は、CaOを8〜62%含むカルシウムアルミネート酸化物介在物を内部に包み込んだ、長径/短径比が5以下であるような紡錘型の、Caを1%以上含むカルシウム・マンガン硫化物介在物を含有することを特徴とするものである。この発明は、すぐれた被削性を実現したが、実施に当たって、ときにより被削性にバラツキが見られることが経験された。これは、カルシウム・マンガン硫化物介在物の存在形態が種々あり得るためと解される。
【0004】
続いて出願人は、特開2000−34538号「旋削加工性に優れた機械構造用鋼」において、Ca含有硫化物をCa含有量に従って3区分し、観察視野の面積に対する面積率を、Ca含有量が40%を超えるものをA、0.3〜40%のものをB、0.3%未満のものをCとするとき、A/(A+B+C)≦0.3、かつB/(A+B+C)≧0.1の条件を満たすとき、旋削工具寿命が著しく延びることを開示した。
【0005】
さらに研究を進めた出願人は、特開2000−219936号「快削鋼」に至って、介在物の存在すべき個数を明らかにして、被削性のバラツキを少なくすることに成功した。この発明の鋼は、0.1〜1%のCaを含有する円相当直径5μm以上の硫化物を3.3mm2当たり5個以上含有することを特徴とする。しかし、被削性のバラツキに関して、なお改善の余地があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、良好な被削性をもたらす介在物、すなわち前記した二重構造介在物の存在形態を明らかにするのみならず、介在物の存在形態に与える製造条件の影響を把握し、常に所望の被削性、とくに超硬工具切削性が得られるような機械構造用の快削鋼と、その製造方法を提供することにある。本発明の目標は、前記した工具寿命比にして5倍以上の被削性改善を実現することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成する、本発明の超硬工具切削性にすぐれた機械構造用の快削鋼は、基本的な合金組成として、重量で、C:0.05〜0.8%、Si:0.01〜2.5%、Mn:0.1〜3.5%、S:0.01〜0.2%、Al:0.001〜0.020%、Ca:0.0005〜0.02%、Ti:0.0041〜0.0095%およびO:0.0005〜0.01%を含有し、残部が不可避の不純物およびFeからなる合金組成を有し、CaO含有量が8〜62質量%の酸化物系介在物と接して存在する、1.0質量%以上のCaを含有する硫化物系介在物の占有面積が、視野面積3.5mm2当たり2.0×10-4mm2以上であることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施形態】
本発明の快削鋼において、基本的な合金組成の鋼の組成を上記のように限定した理由は、つぎのとおりである。
【0009】
C:0.05〜0.8%
Cは強度を確保するために必要な成分であり、0.05%未満の含有量では、機械構造用鋼としての強度が不足である。一方、CはSの活量を増大させるので、多量になると、上記した[S]/[O]、[Ca]×[S]、[Ca]/[S]および特定の[Al]量のバランスの下で、二重構造介在物を得ることが難しくなる。Cを多量にすると、靭性や被削性も低くなるので、0.8%という上限を設けた。
【0010】
Si:0.01〜2.5%
Siは溶製時の脱酸剤として鋼の成分となり、焼入性を高める働きもある。この効果は、0.01%に達しない少量では期待できない。SiもまたSの活量を増大させるので、多量の存在は、多量のCと同じ問題を生じ、二重構造介在物の生成を妨げるおそれがある。多量のSiは延性を損ない、塑性加工時に割れが発生しやすくなることもあって、2.5%が添加量の上限である。
【0011】
Mn:0.1〜3.5%
Mnは、硫化物を生成する重要な元素である。0.1%未満の量では、介在物の量が足りないが、3.5%を超える過大な含有量になると、鋼を硬くして被削性を低下させる。
【0012】
S:0.01〜0.2%
Sは被削性の向上にとって、有用というより、不可欠な成分であって、0.01%以上を存在させる。S含有量と工具寿命比との関係をプロットしたのが、図2のグラフである。このグラフは、工具寿命比5以上の目標を達成するには、S:0.01%以上を必要とすることを示している。S量が0.2%を超えると、靭性と延性を悪くするばかりか、CaとCaSを生成する。CaSは融点が高いため、鋳造工程の障害になる。
【0013】
Al:0.001〜0.020%
酸化物系介在物の組成を適切に調整する上で必要であり、少なくとも0.001%を添加する。0.020%を超えると硬質のアルミナクラスターを生成し、これが鋼の被削性を損なう。
【0014】
Ca:0.0005〜0.02%
Caは、本発明の鋼にとってきわめて重要な成分である。硫化物中にCaを含有させるために、0.0005%以上の添加を必須とする。一方、0.02%を上回る過剰のCaの添加は、前記した高融点のCaSの生成を招き、鋳造の障害になる。
【0015】
Ti:0.0041〜0.0095%
TiはNと結合してTiNをつくり、Bの焼入性向上効果を発揮させるはたらききがある。Tiを添加する意義は、0.0041%という微量でも、MnS介在物の微細化が実現することにもある。TiNが多量にすぎると、熱間加工性を低下させるから、0.0095%を添加量の限界とする
【0016】
O:0.0005〜0.01%
Oは酸化物の生成に必要な元素である。過度に脱酸した鋼においては高融点のCaSを多量に生成させ、鋳造の支障になるから、少なくとも0.0005%、好ましくは0.015%を超えるOが必要である。一方、0.01%を超えるOは、多量の硬質な酸化物をもたらし、被削性が悪くなるとともに、所望のカルシウム硫化物の生成が困難になる。
【0017】
Pは、鋼の靭性にとっては有害であり、0.2%を超えて存在させることは好ましくない。しかしこの限界以下で、0.001%以上のPの存在は、被削性、とくに仕上げ面性状を改善する成分として役立つ。
【0018】
本発明の機械構造用の快削鋼は、上記した基本的な合金組成に加えて、鋼の用途により必要となるところに従い、つぎの元素の1種または2種を、規定する組成範囲内で、追加的に含有することができる。それらの変更態様において、任意に添加することができる各合金成分の働きと、組成範囲の限定理由を、つぎに述べる。
【0019】
Mg:0.02%以下
Mgを適宜添加すると、酸化物を微細に分散させる効果が得られる。多量に添加すると、効果が飽和するばかりでなく、二重構造介在物の生成量が減少するので、0.02%を上限とした.
【0020】
Pb:0.4%以下
Pbは、被削性改善元素である。単独で、または硫化物の外周に付着する形で存在し、それ自身が被削性を高める。0.4%という上限は、これ以上のPbを添加しても鋼に溶解せず、凝集沈殿して鋼の欠陥になることを理由に設けた。
【0021】
上記の超硬工具切削性にすぐれた機械構造用の快削鋼を製造する本発明の方法は、基本的な合金組成の場合についていえば、重量で、C:0.05〜0.8%、Si:0.01〜2.5%、Mn:0.1〜3.5%、S:0.01〜0.2%、Al:0.001〜0.020%、Ca:0.0005〜0.02%およびO:0.0005〜0.01%を含有し、残部が不可避の不純物およびFeからなる組成の合金を、通常の機械構造用鋼の製造と同様な精錬により溶製し、その際、
S:0.01〜0.2%
Al:0.001〜0.020%および
Ca:0.0005〜0.02%
の組成範囲と、下記の条件
[S]/[O]:8〜40
[Ca]×[S]:1×10-5〜1×10-3
[Ca]/[S]:0.01〜20および
[A1]:0.001〜0.020%
が満たされるようにS、AlおよびCaを添加し、ついで、Ti:0.0041〜0.0095%を添加することを特徴とする。
【0022】
前記した任意添加元素を含有する合金組成の快削鋼を製造する方法は、原理的には基本的な合金組成の場合と同じであるが、添加する任意添加元素の種類によって、それを添加すべき時期が異なる。その理由は、本発明で意図する二重構造介在物の生成を妨げず、かつ生成したものを維持することが肝要だからである。具体的にいえば、二重構造介在物を得るためには、適度に脱酸された溶鋼中にCaを添加する必要がある。それは、CaSを過剰に生成させずにCaOを生成させるためである。このとき、Alが多量に加えられたりすると、それによって脱酸状態が変化してしまうので、合金成分を添加するために投入する添加剤の不純物などにも、配慮しなければならない。個々の場合について、以下に説明する。
【0023】
Mgの場合は、二重構造介在物の生成のための調整の前後どちらでもよいが、添加剤がAlを含有する場合、上記した理由で、調整が済んだ後に添加する。すなわち、質量%で、C:0.05〜0.8%、Si:0.01〜2.5%、Mn:0.1〜3.5%およびO:0.0005〜0.01%を含有し、残部が不可避の不純物およびFeからなる組成の合金を、通常の機械構造用鋼の製造と同様な精錬により溶製し、上記の操業および合金元素の添加を行なって二重構造介在物を生成させたのち、Mg:0.02 % 以下の添加を行ない、さらにTi:0.0041〜0.0095%の添加を行なう。添加剤に含まれているAlが、二重構造介在物の生成のための成分バランスを崩さないようにすることが、調整後に添加する理由であり、もし追加されるAlが溶鋼中のS−Ca−Alのバランスを崩すようであれば、Alを実質的に含有しないか、または含有量の低い添加剤を選ばなければならない。
【0024】
Pbの場合は、二重構造介在物の生成のための調整に先立って、あらかじめ添加する。すなわち、質量%で、C:0.05〜0.8%、Si:0.01〜2.5%、Mn:0.1〜3.5%およびO:0.0005〜0.01%を含有し、それらに加えて、Pb:0.4%以下を含有し、残部が不可避の不純物およびFeからなる組成の合金を、通常の機械構造用鋼の製造と同様な精錬により溶製し、上記の操業および合金元素の添加を行なったのち、Ti:0.0041〜0.0095%を添加する。二重構造介在物の生成ののちに合金元素の添加を行なうと、添加によって溶鋼が攪拌され、せっかく生成した二重構造介在物が浮上し、分離してしまうおそれがあるからである。
【0025】
本発明に従う機械構造用の快削鋼の内部に存在する介在物の形態の、典型的な例を、図1のSEM像に示す。介在物は二重構造であって、EPMA分析によれば、芯部はCa,Mg,SiおよびAlの酸化物であり、その周囲を、CaSを含有するMnSが取囲んでいる。このような介在物の形態は、後に論じる機構を通じて、本発明で目標とした、工具寿命比5という被削性を達成するために必要なものであり、このような介在物の形態を実現するための条件が、これも前記した操業条件である。以下に、それらの条件がもつ意義を説明する。
【0026】
CaO含有量が8〜62質量%の酸化物系介在物と接して存在する、1.0質量%以上のCaを含有する硫化物系介在物の占有面積が、視野面積3.5mm2当たり2.0×10-4mm2以上
上記の条件を満たす介在物の占有面積と、超硬工具による旋削を行なったときに得られる工具寿命と、同一S含有量のイオウ快削鋼が示す工具寿命に対する比との相関を、図3のグラフに示す。このデータは、本発明に従うS45C系の快削鋼に対して旋削を行なって得たものであって、工具寿命比5以上の結果は、二重構造介在物が2.0×10-4mm2以上を占めたときに達成できることを示している。
【0027】
[Al]:0.001〜0.020%
[Al]含有量と工具寿命比との相関をプロットして得たのが、図4のグラフである。このグラフは、工具寿命比5以上の目標達成のためには、[Al]含有量が上記した範囲内にあることの必要性を示している。
【0028】
[S]/[O]:8〜40
種々のS含有量およびO含有量をもつ機械構造用の快削鋼において、工具寿命比5以上の目標を達成できるか否かを、異なるプロットにより区別したのが、図5のグラフである。目標を達成したもの(●プロット)は、[S]/[O]=8の直線と[S]/[O]=40の直線とに挟まれた三角形の領域内にあり、そうでないもの(×プロット)は領域外にあることがわかる。
【0029】
[Ca]/[S]:0.01〜20
[Ca]×[S]:1×10-5〜1×10-3
上記と同様に、種々のS含有量およびCa含有量をもつ機械構造用の快削鋼において、工具寿命比5以上の目標を達成できるか否かを示したのが、図5のグラフである。目標を達成したもの(●プロット)は、[Ca]/[S]が0.01である直線と0.20である直線とに挟まれ、かつ、[Ca]×[S]が1×10-5である直線と1×10-3である直線とに挟まれた四辺形の領域に集中していることがわかる。上記の[S]/[O]、[Ca]/[S]および[Ca]×[S]の条件を同時にみたすものは、すべて工具寿命比5以上の目標を達成している。
【0030】
本発明の機械構造用鋼がすぐれた超硬切削性を示す理由として発明者らが考えているのは、以下に説明するような、二重構造介在物による工具表面のよりよい保護および潤滑の機構である。
【0031】
図1に例示した二重構造介在物は、芯部がCaO・Al2O3系の複合酸化物であり、その周りを(Ca,Mn)S系の複合硫化物が取り巻いている。この酸化物は、CaO−Al2O3系の中では低融点のものであり、一方、複合硫化物は、単純な硫化物MnSよりも高融点である。この二重構造介在物は、酸化物をCaO−Al2O3系の低融点のものにすることにより、確実に硫化物が酸化物を取り巻く形で析出する。切削にあたって硫化物系介在物が軟化して工具表面を被覆し、保護するという作用はよく知られているが、硫化物だけしか存在しないと、この被膜の生成および維持は安定しない。発明者らの見出したところでは、硫化物系介在物にCaO−Al2O3系の低融点酸化物が共存すると、被膜が安定に生成する上、(Ca,Mn)S系の複合硫化物は、単純なMnSよりも、潤滑性能が高い。
【0032】
(Ca,Mn)S系の複合硫化物が工具表面に被膜を形成する意義は、「熱拡散摩耗」とよばれる超硬工具の摩耗を抑制する効果にある。熱拡散摩耗は、工具が切削対象から生じる切り屑に高温で接すると、工具材料を構成するタングステン・カーバイドWCに代表される炭化物が熱分解して、Cが切り屑金属中に拡散して失われる結果、工具が脆くなって進む摩耗である。潤滑性の高い被膜が工具表面に生成すると、工具の温度上昇が防がれて、Cの拡散が抑制される。
【0033】
本発明の快削鋼の二重構造介在物CaO−Al2O3/(Ca,Mn)Sは、観点を変えてみれば、従来のイオウ快削鋼の介在物であるMnSと、従来のカルシウム快削鋼の介在物であるアノルサイトCaO・Al2O3・2SiO2との、それぞれの利点を併せもつものということができる。MnSは、工具表面において潤滑性を示すが、被膜の安定性がいまひとつであり、熱拡散摩耗に対しては無力である。一方、CaO・Al2O3・2SiO2は、安定な被膜を形成して熱拡散摩耗を防ぐが、潤滑性に乏しい。これに対し本発明の二重構造介在物は、安定な被膜を形成して熱拡散摩耗を効果的に防止するとともに、よりよい潤滑性を示す。
【0034】
このような二重構造介在物の生成は、前述のように低融点の複合酸化物を用意することから始まるので、まず[A1]量が重要であって、少なくとも0.001%の存在が必要である。[A1]が多量に過ぎると、複合酸化物の融点が高くなってしまうから、0.020%以内にする。つぎに、CaSの生成量を調節するために、[Ca]×[S]および[Ca]/[S]を、前記した値にコントロールするわけである。
【0035】
上述した機構は仮説ではなく、実証を伴っている。図7は、本発明の快削鋼を旋削した後の超硬工具表面の状態と、そこに付着した溶融介在物の分析結果とを、在来のイオウ快削鋼を旋削した場合と対比して示したものである。まず外観において、本発明の快削鋼を旋削した工具の表面は、摩耗の状況が従来技術とは異なっていることが明らかである。つぎに、付着した介在物をみると、両者ともSが高い濃度で存在し、硫化物の被膜が生成していることが確認できるが、本発明の快削鋼を旋削した工具には、Caの多量の付着が認められ、この被膜が(Ca,Mn)S系のものであることがわかる。一方、在来のイオウ快削鋼の介在物にはCaの存在が認められない。
【0036】
図8は、工具の表面で軟化溶融した上記3種の介在物、すなわちイオウ快削鋼のそれ(MnS)、カルシウム快削鋼のそれ(アノルサイト)および本発明の快削鋼のそれ(二重構造介在物)が示す動摩擦係数を、ある範囲の切削速度において測定した結果を示すグラフである。このグラフから、本発明の二重構造介在物が高い潤滑性能を示すことが認められる。
【0037】
【実施例】
以下の実施例および比較例においては、アーク炉で原料の鋼を溶解し、取鍋精錬炉で成分調整を行ない、真空脱ガス炉で酸素量を調節したのち、S,CaおよびA1を添加し、場合によってはさらに合金元素を添加して、各表に示す組成の合金とした。それぞれの溶湯をインゴットに鋳造し、そこから径72mmの丸棒型の試験片を採取して、超硬工具を用いたつぎの条件の旋削を行なって、被削性を測定した。
速度:200m/分
送り:0.2mm/回転
深さ:2.0mm
S含有量が0.01〜0.2%の範囲にあるイオウ快削鋼の工具寿命を標準として、その5倍の工具寿命が達成できたとき被削性良好(○印)、そうでないとき不良(×)とした。
【0038】
S45C系を対象にして本発明を適用した。合金組成を表1(実施例)および表2(比較例)に示し、各快削鋼の成分比すなわち[S]/[O]、[Ca]×[S]・10- 3および[Ca]/[S]の値と、介在物の形態、保護被膜の形成および被削性とを、まとめて表3(実施例)および表4(比較例)に示した。
【0039】
表1 実施例 合金組成(質量%、残部Fe)
【0040】
表2 比較例 合金組成(質量%、残部Fe)
【0041】
表3 実施例 成分比と被削性
【0042】
表4 比較例 成分比と被削性
【0043】
【発明の効果】
本発明の機械構造用の快削鋼には、高い被削性をもたらす介在物とくに二重構造介在物が、最適の形態で存在するから、超硬工具による切削において、在来のイオウ快削鋼に対して工具寿命が5倍以上という目標を容易に達成することができる、すぐれた被削性を実現した。
【0044】
これまでの快削鋼において、良好な被削性を与える介在物の形態に関しては、ある程度の考察が行なわれていたが、そのような介在物を高い再現性をもって作り出す手段に関しては、いまひとつ満足できないのが実状であった。本発明はこの点において従来技術の隘路を突破したものであり、前記の操業条件を満たす製造を行なうことにより、常にすぐれた超硬工具切削性をもつ機械構造用の快削鋼が製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にしたがう機械構造用の快削鋼中の、介在物の形状を示す顕微鏡写真。
【図2】機械構造用の快削鋼における、S含有量と工具寿命比との関係をプロットしたグラフ。
【図3】機械構造用の快削鋼中において、「二重構造介在物」が占める面積と工具寿命比との関係を示すグラフ。
【図4】機械構造用の快削鋼における、A1含有量と工具寿命比との関係をプロットしたグラフ。
【図5】種々のS含有量およびO含有量をもつ機械構造用の快削鋼において、工具寿命比5以上の目標が達成できたか否かを示したグラフ。
【図6】種々のS含有量およびCa含有量をもつ機械構造用の快削鋼において、工具寿命比5以上の目標が達成できたか否かを示したグラフ。
【図7】本発明の機械構造用の快削鋼を旋削した超硬工具の表面の状況を示す顕微鏡写真、および付着した溶融介在物の成分を示す電子線マイクロアナライザの分析結果を示す写真。
【図8】工具の表面で軟化溶融した介在物が示す動摩擦係数を、従来のイオウ快削鋼およびカルシウム快削鋼のそれらと比較して示すグラフ。
Claims (6)
- 質量%で、C:0.05〜0.8%、Si:0.01〜2.5%、Mn:0.1〜3.5%、S:0.01〜0.2%、Al:0.001〜0.020%、Ca:0.0005〜0.02%、Ti:0.0041〜0.0095%およびO:0.0005〜0.01%を含有し、残部が不可避の不純物およびFeからなる合金組成を有し、CaO含有量が8〜62質量%の酸化物系介在物と接して存在する、1.0質量%以上のCaを含有する硫化物系介在物の占有面積が、視野面積3.5mm2当たり2.0×10-4mm2以上であることを特徴とする超硬工具切削性にすぐれた機械構造用の快削鋼。
- 請求項1に規定した合金成分に加えて、さらに、Mg:0.02%以下を含有する超硬工具切削性にすぐれた機械構造用の快削鋼。
- 請求項1に規定した合金成分に加えて、さらに、Pb:0.4%以下を含有する超硬工具切削性にすぐれた機械構造用の快削鋼。
- 請求項1に記載した快削鋼を製造する方法であって、質量%で、C:0.05〜0.8%、Si:0.01〜2.5%、Mn:0.1〜3.5%およびO:0.0005〜0.01%を含有し、残部が不可避の不純物およびFeからなる組成の合金を、通常の機械構造用鋼の製造と同様な精錬により溶製し、その際、
S:0.01〜0.2%
Al:0.001〜0.020%および
Ca:0.0005〜0.02%
の組成範囲と、下記の条件
[S]/[O]:8〜40
[Ca]×[S]:1×10-5〜1×10-3
[Ca]/[S]:0.01〜20および
[A1]:0.001〜0.020%
が満たされるようにS、AlおよびCaを添加し、ついで、Ti:0.0041〜0.0095%を添加することを特徴とする、超硬工具切削性にすぐれた機械構造用の快削鋼の製造方法。 - 請求項2に記載した快削鋼を製造する方法であって、質量%で、C:0.05〜0.8%、Si:0.01〜2.5%、Mn:0.1〜3.5%およびO:0.0005〜0.01%を含有し、残部が不可避の不純物およびFeからなる組成の合金を、通常の機械構造用鋼の製造と同様な精錬により溶製し、請求項4に記載の操業および合金元素の添加を行なったのち、Mg:0.02%以下およびTi:0.0041〜0.0095%を添加することを特徴とする、超硬工具切削性にすぐれた機械構造用の快削鋼の製造方法。
- 請求項3に記載した快削鋼を製造する方法であって、質量%で、C:0.05〜0.8%、Si:0.01〜2.5%、Mn:0.1〜3.5%およびO:0.0005〜0.01%に加えて、Pb:0.4%以下を含有し、残部が不可避の不純物およびFeからなる組成の合金を、通常の機械構造用鋼の製造と同様な精錬により溶製し、請求項4に記載の操業および合金元素の添加を行なったのち、Ti:0.0041〜0.0095%を添加することを特徴とする、超硬工具切削性にすぐれた機械構造用の快削鋼の製造方法。
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