JP4013706B2 - 被削性にすぐれるとともに切屑破砕性が高い機械構造用鋼 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超硬工具による切削を行なったときの被削性がすぐれ、しかも切屑の破砕性が高い機械構造用鋼と、その製造方法に関する。本発明はまた、被削性および切屑破砕性に加えて、すぐれた疲労強度および曲げ矯正性を示す機械構造用鋼と、その製造方法にも関する。
【0002】
本発明において、「二重構造介在物」の語は、酸化物を主体とする介在物が芯となり、その周囲を、硫化物を主体とする介在物が取囲んでいる構造の介在物をいう。「工具寿命比」および「寿命比」の語は、超硬工具による切削、とくに旋削において、同一のS含有量をもつ在来のイオウ快削鋼の工具寿命と本発明の快削鋼の工具寿命との比を意味する。MnS介在物に関して、「微細に分散した」とは、在来の鋼中におけるMnS介在物よりは微細な粒であり、かつ、凝集あるいは集中することなく、鋼中に平均的に分布している状態を意味する。
【0003】
【従来の技術】
被削性が高い機械構造用鋼に関する研究は長年にわたって行なわれており、出願人もこれまでに多数の提案をしてきた。最近のものとしては、特開平10−287953号「機械的性質とドリル穴あけ加工性に優れた機械構造用鋼」が、ひとつの代表である。この快削鋼は、CaOを8〜62%含むカルシウムアルミネート酸化物介在物を内部に包み込んだ、長径/短径比が5以下であるような紡錘型の、Caを1%以上含むカルシウム・マンガン硫化物介在物を含有することを特徴とするものである。この発明は、すぐれた被削性を実現したが、実施に当たって、ときにより被削性にバラツキが見られることが経験された。これは、カルシウム・マンガン硫化物介在物の存在形態が種々あり得るためと解される。
【0004】
続いて出願人は、特開2000−34538号「旋削加工性に優れた機械構造用鋼」において、Ca含有硫化物をCa含有量に従って三区分し、観察視野の面積に占める面積率を、Ca含有量が40%を超えるものをA、0.3〜40%のものをB、0.3%未満のものをCとするとき、A/(A+B+C)≦0.3、かつB/(A+B+C)≧0.1の条件を満たすとき、旋削工具寿命が著しく延びることを開示した。
【0005】
さらに研究を進めた出願人は、特開2000−219936号「快削鋼」に至って、介在物の存在すべき個数を明らかにして、被削性のバラツキを軽減することに成功した。この発明の鋼は、0.1〜1%のCaを含有する円相当直径5μm以上の硫化物を3.3mm2当たり5個以上含有することを特徴とする。しかし、被削性のバラツキに関して、なお改善の余地があった。
【0006】
そこで出願人は、被削性のバラツキを改善した機械構造用鋼であって、とくに超硬工具切削性が高く、前記した工具寿命比にして5倍以上の被削性を達成した快削鋼を開発して、これも提案した(特願2001−174606「超硬工具旋削性にすぐれた機械構造用の快削鋼」)。この快削鋼は、介在物の存在形態に特徴があって、はじめに言及した「二重構造介在物」すなわち、「CaO含有量が8〜62重量%の酸化物系介在物と接して存在する、1.0重量%以上のCaを含有する硫化物系介在物」が一定量以上、具体的には、「その占有面積が、視野面積3.5mm2当たり2.0×10-4mm2以上」となるように存在することが特徴である。
【0007】
上記のような二重構造介在物を確実に生成させることができる快削鋼の製造方法は、鋼の溶製に当たって下記の条件を満たす操業を行なうことであると、上記特許出願において開示した。
[S]/[O]:8〜40
[Ca]×[S]:1×10-5〜1×10-3
[Ca]/[S]:0.01〜20 かつ
[Al]:0.001〜0.020%
【0008】
最近の研究成果に基づき、出願人は、単に工具寿命が長いだけでなく、切屑の破砕性が高く、したがって自動化された機械加工により加工するのに適した快削鋼を開発して、これもすでに提案した(特願2001−362733)。その快削鋼は、基本的な合金組成として、質量%で、C:0.05〜0.8%、Si:0.01〜2.5%、Mn:0.1〜3.5%、S:0.01〜0.2%、Al:0.001〜0.020%、Ca:0.0005〜0.02%、O:0.0005〜0.01%およびN:0.001〜0.04%に加えて、Ti:0.002〜0.010%およびZr:0.002〜0.025%の1種または2種を含有し、残部が不可避の不純物およびFeからなる合金組成を有し、CaO含有量が0.2〜62重量%の酸化物系介在物と接して存在する、1.0重量%以上のCaを含有する硫化物系介在物の占有面積が、視野面積3.5mm2当たり2.0×10-4mm2以上であり、MnS介在物が微細に分散している機械構造用鋼である。
【0009】
この発明が前の発明にくらべて新しいところは、ひとつは二重構造介在物を形成する酸化物系介在物のCaO含有量の下限が拡大されたことであるが、いまひとつの、そしてより重要な差異は、「MnS介在物が微細に分散している」ことであって、これが高い切屑破砕性をもたらし、結果として工具寿命と切屑破砕性との適切なバランスを実現するものである。MnS介在物の微細な分散は、Tiおよび/またはZrを所定量添加して、微細なTi酸化物、Zr酸化物または(Ti+Zr)酸化物を形成させ、それを核としてMnSを析出させることによってもたらされる。
【0010】
この快削鋼は、機械構造用鋼に分類される多くの鋼種をカバーしているが、その適用範囲において具体的な合金組成を確立する過程において、比較的高S領域においても有用であることがわかった。すなわち前記操業条件のうちの、[S]/[O]:8〜40の上限が80程度まで高められることが明らかになった。一方、広い範囲の実験を重ねた結果、工具寿命と切屑破砕性とのバランスにおいて、ときにバラツキが、なお認められることを経験した。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述した二重構造介在物の形態を利用することにより被削性のバラツキを改善し、工具寿命比にして5倍以上の被削性改善を可能にし、かつ切屑の破砕性を高めた機械構造用の快削鋼において、さらなる改良を加え、高い切屑破砕性が確実に得られるようにした、機械加工とくに旋削に適した鋼を提供することにある。被削性および切屑破砕性のバランスと切屑破砕性の確保とに加えて、すぐれた疲労強度および曲げ矯正性を示す機械構造用の快削鋼を提供することも、本発明の目的に含まれる。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成する、本発明の被削性にすぐれるとともに切屑破砕性が高い機械構造用鋼は、質量%で、C:0.05〜0.8%、Si:0.01〜2.0%、Mn:0.1〜3.5%、S:0.01〜0.2%、Al:0.001〜0.011%、Ca:0.0005〜0.02%、O:0.0005〜0.01%およびN:0.001〜0.04%を含有し、残部が不可避の不純物およびFeからなる組成の鋼を溶製し、その際、下記の条件を満たす操業を行なうことにより調整された脱酸を行ない、
[S]/[O]:8〜80
[Ca]×[S]:1×10-5〜1×10- 3 かつ
[Ca]/[S]:0.01〜20
CaO含有量が0.2〜62%で、融点が1500〜1750℃である酸化物系介在物と接して存在する、1〜45%のCaを含有する硫化物系介在物の占有面積が、視野面積3.5mm2当たり2.0×10-4mm2以上としたのち、Ti:0.002〜0.010%およびZr:0.002〜0.025%の1種または2種を添加して、調整された脱酸後の鋼中のOとTiおよび/またはZrとの反応により微細なTi酸化物および/またはZr酸化物を形成させ、これを含む複合酸化物を核としてMnS介在物を析出させることにより、上記の硫化物系介在物以外の硫化物系介在物を微細に分散したMnS介在物として得ることからなる方法により製造された、上記の諸成分からなる合金組成を有する機械構造用鋼である。
【0013】
【0014】
【発明の実施形態】
本発明の機械構造用鋼において、基本的な合金組成の鋼の組成を上記のように限定した理由は、つぎのとおりである。
【0015】
C:0.05〜0.8%
Cは強度を確保するために必要な成分であり、0.05%未満の含有量では、機械構造用鋼としての強度が不足である。一方、CはSの活量を増大させるので、多量になると、上記した[S]/[O]、[Ca]×[S]、[Ca]/[S]および特定の[Al]量のバランスの下で、二重構造介在物を得ることが難しくなる。Cを多量にすると、靱性や被削性も低くなるので、0.8%という上限を設けた。
【0016】
Si:0.01〜2.0%
Siは溶製時の脱酸剤として鋼の成分となり、焼入性を高める働きもある。この効果は、0.01%に達しない少量では期待できない。SiもまたSの活量を増大させるので、多量のSiの存在は、多量のCと同じ問題を生じ、二重構造介在物の生成を妨げるおそれがある。多量のSiはまた、延性を損ない、塑性加工時に割れが発生しやすくなることもあって、2.0%が添加量の上限である。
【0017】
Mn:0.1〜3.5%
Mnは、硫化物を生成する重要な元素である。0.1%未満の量では、介在物の量が足りないが、3.5%を超える過大な含有量になると、鋼を硬くして被削性を低下させる。
【0018】
S:0.01〜0.2%
Sは被削性の向上にとって、有用というより、不可欠な成分であって、0.01%以上を存在させる。本発明の目標である工具寿命比5以上を達成するには、0.01%以上のSを必要とする。S量が0.2%を超えると、靱性と延性を悪くするばかりか、CaとともにCaSを生成する。CaSは融点が高いため、鋳造工程の障害になる。
【0019】
Al:0.001〜0.011%
酸化物系介在物の組成を適切に調整する上で必要であり、少なくとも0.001%を添加する。0.20%を超えると硬質のアルミナクラスターを生成し、これが鋼の被削性を損なう。それ以前に、本発明の鋼は脱酸を主としてCaに頼り、Alキルド鋼のようなAlに頼る強脱酸を行なうわけでないから、Al含有量としては0.011%止まりが適切である。Al量の調整は、本発明の快削鋼の製造過程で、CaやTiおよび/またはZrの添加に先だって行なわなければならない。この点については後述する。
【0020】
Ca:0.0005〜0.02%
Caは、本発明の鋼にとってきわめて重要な成分である。硫化物中にCaを含有させるために、0.0005%以上の添加を必須とする。一方、0.02%を上回る過剰のCaの添加は、前記した高融点のCaSの生成を招き、鋳造の障害になる。
【0021】
O:0.0005〜0.01%
Oは酸化物の生成に必要な元素である。過度に脱酸した鋼においては高融点のCaSが多量に生成し、鋳造の支障になるから、少なくとも0.0005%、好ましくは0.0015%を超えるOが必要である。一方、0.01%を超えるOは、多量の硬質な酸化物をもたらし、その結果、被削性が損われるとともに、所望のカルシウム硫化物の生成が困難になる。CaおよびAlを使用して複合脱酸を行なうと、CaO−Al2O3系の複合酸化物が生成し、これは低融点の介在物であって被削性にとっては好ましいが、切屑破砕性に関しては効果がない。それゆえ、CaO−Al2O3系の複合酸化物の生成は最小限に抑える方がよく、このために、まずAl量を前記した範囲に調節することにより脱酸の程度を適切にし、その後にCaなどを添加するという手順を踏むべきである。
【0022】
複合酸化物の生成に加えて、Oは、下に述べるように、Tiおよび/またはZrと微細な酸化物を形成してこれがMnSの析出核となることで、MnSを微細化する。この作用を期待するには、ある最低量のTi酸化物、Zr酸化物または(Ti+Zr)酸化物を生成させなければならないから、
[O]/[N]:0.06以上
の条件を与える必要がある。よく知られているように、NはTiやZrと結合しやすく、これらの窒化物が生成すると、酸化物の生成量が不足する。
【0023】
N:0.001〜0.04%
Nは結晶粒の粗大化を防止するのに有効な成分であり、また、Tiと結合してTiNを生成する上で、重要である。こうした観点から、0.001%以上のNの存在が必要である。過大なN量は鋳造欠陥などを引き起こすから、0.04%を上限とした。
【0024】
Ti:0.002〜0.010%およびZr:0.002〜0.025%の1種または2種
微量のTiまたはZrは、CaおよびAlで脱酸された鋼中のOと結合して、微細な酸化物を形成する。これがMnSの析出に対し、核としてはたらくので、MnSを微細に分散させるのに役立つ。TiとZrとは、2種併用(たとえば、Ti:0.005%+Zr:0.015%)することが、MnSの微細化効果が高く、有利である。二重構造介在物およびその他の酸化物の生成に影響を与えずに、適量のTi酸化物またはZr酸化物を生成させるためには、TiおよびZrの量を、上記した0.002〜0.010%および0.002〜0.025%の範囲に調整する必要がある。本発明の構造用鋼において必須である二重構造介在物を確実に生成させるには、上述のように、調整された脱酸を実施したのちに、Tiおよび/またはZrの添加を行なうことが肝要である。
【0025】
Tiはまた、微細なTi(CN)を生成した場合、熱間鍛造時の旧オーステナイト結晶粒度の成長を抑制する作用がある。これを期待するには、上記の下限量である0.002%以上のTiの存在と、
[Ti]×[N]:5×10- 6〜2×10- 4
の条件とを与える必要がある。本発明の鋼においてこのバランスを達成したものは、被削性および切屑破砕性に加えて、すぐれた疲労強度および曲げ矯正性を示し、この性質が要求されるクランクシャフトやコンロッドの材料として好適である。
【0026】
不純物として不可避なPについていえば、これは靱性にとっては有害な成分であって、0.2%を超えて存在させることはできないが、一方でPは、被削性とくに仕上面性状を改善する成分でもある。この効果は、0.001%以上の存在で認められる。
【0027】
本発明の機械構造用の快削鋼は、上記した基本的な合金組成に加えて、鋼の用途により必要となるところに従い、つぎのグループに属する元素の1種または2種以上を、下に規定する組成範囲内で、追加的に含有することができる。それらの変更態様において、任意に添加することができる各合金成分の働きと組成範囲の限定理由を、つぎに述べる。
【0028】
Cr:3.5%以下、Mo:2.0%以下
CrおよびMoは、焼入性を高めるので、適量を添加するとよい。しかし、多量に添加すると熱間加工性を損ねて、割れを招く。コスト面の配慮もあって、それぞれの上限を、Crは3.5%、Moは2.0%と定めた。
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
Mg:0.2%以下
Mgは、二重構造介在物の核となる酸化物系介在物をつくる作用がある。過剰のMgの添加は、MgSの生成を招く。MgSはCaOと反応してCaSを生成させ、これが鋳造の障害となる。そこで、添加量は0.2%を限界とする。
【0033】
【0034】
【0035】
Pb:0.4%以下
Pbは、単独で、または硫化物の外周に付着する形で存在し、それ自身が被削性を高める。0.4%という上限は、これ以上のPbを添加しても鋼に溶解せず、凝集・沈殿して鋼の欠陥になることを理由に設けた。
【0036】
【0037】
本発明にしたがう機械構造用の快削鋼の内部に存在する介在物は、図1に見るように、二重構造介在物とMnS介在物とである。二重構造介在物は、EPMA分析によれば、芯部がCa,Mg,SiおよびAlの酸化物であり、その周囲を、CaSを含有するMnSが取囲んでいる。MnS介在物は、微細に分散している。これに対し、単にMnSの被削性改善効果を求めた従来の快削鋼の中におけるMnS介在物は、図2に見るように大型であって、鋼が圧延されたときは、圧延により伸張されている。
【0038】
二重構造介在物の形態およびその存在量は、後に論じる機構を通じて、本発明で目標とした、工具寿命比5という被削性を達成するとともに、高い切屑破砕性を実現し、両者を好適にバランスさせるために必要なものである。その意義については、さきの発明の開示に当たって一部は述べたところであるが、新しい知見も加わったことでもあり、以下に説明する。
【0039】
CaO含有量が0.2〜62重量%の酸化物系介在物と接して存在する、1.0重量%以上のCaを含有する硫化物系介在物、すなわち特定の組成をもった二重構造介在物の占有面積が、視野面積3.5mm2当たり2.0×10-4mm2以上であること:
上記の条件を満たす介在物の占有面積と、超硬工具による旋削を行なったときに得られる工具寿命と、同一S含有量のイオウ快削鋼が示す工具寿命に対する比との相関を、図3のグラフに示す。このデータは、本発明に従うS45C系の快削鋼に対して旋削を行なって得たものであって、工具寿命比5以上の結果は、二重構造介在物が2.0×10-4mm2以上を占めたときに達成できることを示している。
【0040】
硫化物系介在物の占有面積のうち、微細に分散した、平均粒径が1.0μm以上のMnS介在物の占有面積の割合が60〜85%に相当し、CaO含有量が0.2〜62重量%であって融点が1500〜1750℃である酸化物系介在物と接して存在する、1〜45重量%のCaを含有する硫化物系介在物、すなわち二重構造介在物の占有面積の割合が40〜15%に相当すること:
工具寿命にとっては、全硫化物系介在物のうち、二重構造をもつものが多いほど有利である。本発明で目標とした工具寿命比5を達成するには、二重構造の硫化物系介在物が全硫化物系介在物の少なくとも15%を占める必要がある。この関係を図4のグラフに示す。一方、切屑破砕性を高くするという観点からは、二重構造でない単なる硫化物系介在物の割合が、ある限度を下回ってはならないことがわかった。それが、二重構造の硫化物系介在物が全硫化物系介在物の40%を超えない、という条件である。この裏付けは、図5のグラフに求めることができる。
【0041】
図5のグラフは、回転曲げ疲労限に関しても、二重構造介在物の面積率が40%以下であることの意義を示している。すなわち、クランクシャフトやコンロッドのように、繰り返し曲げ応力を受ける部品には、回転曲げ疲労限(それ以下の応力であれば、繰り返し加わっても疲労破壊を起こさないという限界の応力値)が高いことが要求される。二重構造介在物が優勢となって、その面積率が40%を超えるレベルになると、巨大な二重構造介在物が生成し、それを起点としてクラックが生じ破壊に至る、という機構によって回転曲げ疲労限が低下する。そこで、二重構造介在物の面積率は40%以下であることが望ましいわけである。
【0042】
上述したような介在物の形態を実現するための条件が、これも前記した操業条件である。それらの条件がもつ意義についても、さきに開示した発明に関してすでに説明したところであるが、本発明にとっても重要であるから、以下にその説明を再掲する。
【0043】
[S]/[O]:8〜80
種々のS含有量およびO含有量をもつ機械構造用の快削鋼において、工具寿命比5以上の目標を達成できるか否かを、異なるプロットにより区別したのが、図7のグラフである。目標を達成したもの(●プロット)は、[S]/[O]=8の直線と[S]/[O]=80の直線とに挟まれた三角形の領域内にあり、そうでないもの(×プロット)は領域外にあることがわかる。
【0044】
[Ca]/[S]:0.01〜20
[Ca]×[S]:1×10−5〜1×10−3
上記と同様に、種々のS含有量およびCa含有量をもつ機械構造用の快削鋼において、工具寿命比5以上の目標を達成できるか否かを示したのが、図8のグラフである。目標を達成したもの(●プロット)は、[Ca]/[S]が0.01である直線と0.20である直線とに挟まれ、かつ、[Ca]×[S]が1×10−5である直線と1×10−3である直線とに挟まれた四辺形の領域に集中していることがわかる。上記の[S]/[O]、[Ca]/[S]および[Ca]×[S]の条件を同時にみたすものは、すべて工具寿命比5以上の目標を達成している。
【0045】
本発明の機械構造用鋼がすぐれた被削性を示す理由として発明者らが考えているのは、二重構造介在物による、工具表面のよりよい保護および潤滑という機構である。これもさきの発明の開示に含めてあるが、再度説明する。
【0046】
二重構造介在物は、芯部がCaO−Al2O3系の複合酸化物であり、その周りを(Ca,Mn)S系の複合硫化物が取り巻いている。この酸化物は、CaO−Al2O3系の中では低融点のものであり、一方、複合硫化物は、単純な硫化物MnSよりも高融点である。この二重構造介在物は、酸化物をCaO−Al2O3系の低融点のものにすることにより、確実に硫化物が酸化物を取り巻く形で析出する。切削にあたって硫化物系介在物が軟化して工具表面を被覆し、保護するという作用はよく知られているが、硫化物だけしか存在しないと、この被膜の生成および維持は安定しない。さきの発明の発明者らが見出したところでは、硫化物系介在物にCaO−Al2O3系の低融点酸化物が共存すると、被膜が安定に生成する上、(Ca,Mn)S系の複合硫化物は、単純なMnSよりも、潤滑性能が高い。
【0047】
(Ca,Mn)S系の複合硫化物が工具表面に被膜を形成する意義は、「熱拡散摩耗」とよばれる超硬工具の摩耗を抑制する効果にある。熱拡散摩耗は、工具が切削対象から生じる切り屑に高温で接すると、工具材料を構成するタングステン・カーバイドWCに代表される炭化物が熱分解して、Cが切り屑金属中に拡散して失われる結果、工具が脆くなって進む摩耗である。潤滑性の高い被膜が工具表面に生成すると、工具の温度上昇が防がれて、Cの拡散が抑制される
【0048】
本発明の快削鋼の二重構造介在物CaO−Al2O3/(Ca,Mn)Sは、観点を変えてみれば、従来のイオウ快削鋼の介在物であるMnSと、従来のカルシウム快削鋼の介在物であるアノルサイトCaO・Al2O3・2SiO2との、それぞれの利点を併せもつものということができる。MnSは、工具表面において潤滑性を示すが、被膜の安定性がいまひとつであり、熱拡散摩耗に対しては無力である。一方、CaO・Al2O3・2SiO2は、安定な被膜を形成して熱拡散摩耗を防ぐが、潤滑性に乏しい。これに対し本発明の二重構造介在物は、安定な被膜を形成して熱拡散摩耗を効果的に防止するとともに、よりよい潤滑性を示す。
【0049】
このような二重構造介在物の生成は、前述のように低融点の複合酸化物を用意することから始まるので、まず[Al]量が重要であって、少なくとも0.001%の存在が必要である。[Al]が多量に過ぎると、複合酸化物の融点が高くなってしまうから、多くとも0.020%以内でなければならない。アルミキルド鋼は、0.15%以上のAlを添加して強脱酸を行なうが、本発明はそのような操作は行なわず、低融点の複合酸化物を生成するのに必要な限度のAlを添加するのであって、最大でも0.11%とする。つぎに、CaSの生成量を調節するために、
[Ca]×[S]および[Ca]/[S]を、前記した値にコントロールするわけである。
【0050】
上述した機構は仮説ではなく、事実に即したものであることが、さきの発明において、その快削鋼を旋削した後の超硬工具表面の状態と、そこに付着した溶融介在物の分析結果とを、在来のイオウ快削鋼を旋削した場合との対比によって明らかになった。
【0051】
本発明の機械構造用の快削鋼を特徴づける切屑破砕性のよさは、前述のようにMnS介在物の微細化によってもたらされる。介在物量が一定であることを前提にすると、微細化は介在物の数の増大を意味する。本発明の鋼におけるMnS介在物の量は、主としてS含有量によって決定される。S量は0.01〜0.2%にわたって変化するから、MnS量もまたそれに伴って変化し、微細化した介在物の個数も増減する。本発明の鋼の中では、MnS介在物は、在来の鋼中のMnS介在物よりは微細であるが、それらの中で、存在が切屑破砕性に影響するものは、やはり平均粒径が1.0μm以上のものである。(ここで、「平均粒径」とは、顕微鏡視野に表われた粒子断面の長径と短径との平均値をいう。)
【0052】
S含有量は異なるが、いずれも切屑破砕性の高い本発明の鋼について、平均粒径1.0μm以上のMnS介在物の単位断面積(mm2)あたりの存在個数を、倍率400倍の光学顕微鏡を用いて調査したところ、下記の表1に示す介在物数が得られ、S量との関係も、ほぼ一定であることがわかった。
【0053】
表1
【0054】
このデータから、さまざまなS含有量の範囲にわたって、MnS介在物の個数がS含有量0.01%あたり5個/mm2以上であれば、良好な切屑破砕性が確保できることが結論された。この事実を明確に示すのが、図9のグラフである。このグラフは、MnS介在物のうちで、上記した、平均粒径は1.0μm以上であるが在来の鋼中のMnS介在物よりは微細であるものが、全体の何%を占めるかと、切屑破砕性との関係をプロットしたグラフであって、微細なMnS介在物の割合が高くなると、切屑破砕性指数が高くなることを示している。
【0055】
【実施例】
下記の実施例および比較例の表において、番号が大文字(A,B,…)で始まるものは実施例であり、小文字(a,b,…)で始まるものは比較例である。溶製した合金はインゴットに鋳造し、このインゴットから径72mmの丸棒型の試験片を採取して、試験に供した。各試験の方法と評価は、つぎのとおりである。
【0056】
[硫化物系介在物の占有面積]
CaO含有量が0.2〜62重量%であって融点が1500〜1750℃である酸化物系介在物と接して存在する、1〜45重量%のCaを含有する硫化物系介在物の占有面積を調べ、視野面積3.5mm2当たり2.0×10-4mm2以上の占有面積を有する場合を良好(○印)、そうでない場合を不良(×印)とした。
【0057】
[二重構造介在物の面積率]
顕微鏡写真(倍率200倍)を撮り、全硫化物系介在物を単純な硫化物と二重構造介在物とに分け、全硫化物系介在物の面積の中で二重構造介在物が占める割合(%)を算出した。
【0058】
[被削性]
超硬工具を用いた、つぎの条件の旋削を行なって、
速度:200m/分
送り:0.2mm/回転
深さ:2.0mm
S含有量が0.01〜0.2%の範囲にあるイオウ快削鋼の工具寿命を標準として、つぎのようにランク付けをした。工具寿命は、横逃げ面平均摩耗幅が0.2mmになるまでの加工時間で評価した。
その5倍の工具寿命が達成できたとき被削性良好(○印)
2倍以上5倍未満のとき被削性可(△印)
2倍未満のとき被削性不良(×印)
【0059】
[保護被膜]
切削時に工具の表面に保護被膜が形成されるか否かを観察し、つぎのように評価した。
被膜形成が十分であるとき:○印
被膜形成は認められるが不十分なとき:△
被膜形成がほとんど認められないとき:×
【0060】
[切屑の破砕性]
下記の条件で切削した場合の切屑を採取し、
速度:150m/分
送り:0.025〜0.200mm/回転
深さ:0.3〜1.0mm
工具:DNMG150480−MA
その長さによって0〜4点の点数をつけ、30切削条件の合計点数を「切屑破砕性指数」とした。同一イオウ含有量のイオウ快削鋼の切屑破砕性指数と比較した結果に従って、つぎのように評価した。
より高い場合を良好(○印)
同点または低い場合を不良(×印)
【0061】
[実施例1]
S45C系の鋼に対して本発明を適用した。鋼の合金組成を表2(実施例)および表3(比較例)に示した。各快削鋼の製造条件、特定成分の比率、ならびに工具寿命および切屑破砕性など、成績に関するデータを、まとめて表4(実施例)および表5(比較例)に示した。
【0062】
[実施例2]
S15C系の快削鋼について、実施例1と同様に、合金の溶製および被削性の試験を行なった。合金組成を表6(実施例および比較例)に、成績のデータを表7(実施例および比較例)に、それぞれ示す。
【0063】
[実施例3]
S55C系快削鋼について、実施例1と同様に、合金の溶製および被削性の試験を行なった。合金組成を表8(実施例および比較例)に、成績のデータを表9(実施例および比較例)に、それぞれ示す。
【0064】
[実施例4]
SCR415系快削鋼について、実施例1と同様に合金の溶製および被削性の試験を行なった。合金組成を表10(実施例および比較例)に、成績のデータを表11(実施例および比較例)に、それぞれ示す。
【0065】
[実施例5]
SCM440系快削鋼について、実施例1と同様に合金の溶製および被削性の試験を行なった。合金組成を表12(実施例および比較例)に、試験結果を表13(実施例および比較例)に、それぞれ示す。
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】
【表5】
【0070】
【表6】
【0071】
【表7】
【0072】
【表8】
【0073】
【表9】
【0074】
【表10】
【0075】
【表11】
【0076】
【表12】
【0077】
【表13】
【0078】
【発明の効果】
本発明の機械構造用の快削鋼においても、さきに開示した快削鋼と同じ被削性が実現している。すなわち、高い被削性をもたらす介在物である二重構造介在物が最適の形態で存在するから、切削とくに超硬工具旋削において、在来のイオウ快削鋼に対して工具寿命が5倍以上という目標を容易に達成することができる。
【0079】
さきに開示した快削鋼において可能になった高い切屑破砕性は、微量のTi(またはZr)を添加して、微細に分散したMnS介在物を形成させたことによりもたらされたものであり、この効果もまた、本発明の機械構造用の快削鋼において実現している。切屑破砕性が高いことは、いうまでもなく、旋削にとってとりわけ好都合である。鋼中に微細なTi(CN)を生成させた製品は、熱間鍛造時の旧オーステナイト結晶粒の成長を抑制することができるから、被削性および切屑破砕性に加えて、疲労強度や曲げ矯正性が高く、このような性質が要求される用途にとって有用である。
【0080】
本発明の製造方法は、上記のような機械構造用の快削鋼を確実に製造できる方法であって、Caなどの添加に先立ってAl量を調整することにより、調整された脱酸を行なって二重構造介在物を有利に形成させ、さらに適切なタイミングで、つまり調整脱酸により二重構造介在物が形成させたのちに適量のTiを添加することにより、MnS介在物が微細に分散している上に、二重構造介在物が全硫化物系介在物の一定量を占めることにより、工具寿命と切屑破砕性とのバランスが好ましい快削鋼を得ることができる。Ti量とともにO量およびN量を適切にえらんでこの製造方法を実施すれば、鋼中に微細なTi(CN)が生成し、疲労強度や曲げ矯正性が改善された機械構造用の快削鋼が製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にしたがう機械構造用の快削鋼中の、介在物の形状を示す顕微鏡写真。
【図2】 在来のイオウ快削鋼中の、介在物の形状を示す顕微鏡写真。
【図3】 機械構造用の快削鋼中において、「二重構造介在物」が占める面積と工具寿命比との関係を示すグラフ。
【図4】 機械構造用の快削鋼中において、「二重構造介在物」が全硫化物系介在物の面積に占める率と工具寿命比との関係を示すグラフ。
【図5】 機械構造用の快削鋼中において、「二重構造介在物」が全硫化物系介在物の面積に占める率と、ドリル加工能率および回転曲げ疲労限との関係を示すグラフ。
【図6】 機械構造用の快削鋼における、Al含有量と工具寿命比との関係をプロットしたグラフ。
【図7】 種々のS含有量およびO含有量をもつ機械構造用の快削鋼において、「二重構造介在物」が得られたか否かを示したグラフ。
【図8】 種々のS含有量およびCa含有量をもつ機械構造用の快削鋼において、工具寿命比5以上の目標が達成できたか否かを示したグラフ。
【図9】 機械構造用の快削鋼中において、MnS介在物中の微細MnSが占める割合と切屑破砕性指数との関係を示したグラフ
Claims (7)
- 質量%で、C:0.05〜0.8%、Si:0.01〜2.0%、Mn:0.1〜3.5%、S:0.01〜0.2%、Al:0.001〜0.011%、Ca:0.0005〜0.02%、O:0.0005〜0.01%およびN:0.001〜0.04%を含有し、残部が不可避の不純物およびFeからなる組成の鋼を溶製し、その際、下記の条件を満たす操業を行なうことにより調整された脱酸を行ない、
[S]/[O]:8〜80
[Ca]×[S]:1×10-5〜1×10- 3 かつ
[Ca]/[S]:0.01〜20
CaO含有量が0.2〜62%で、融点が1500〜1750℃である酸化物系介在物と接して存在する、1〜45%のCaを含有する硫化物系介在物の占有面積が、視野面積3.5mm2当たり2.0×10-4mm2以上としたのち、Ti:0.002〜0.010%およびZr:0.002〜0.025%の1種または2種を添加して、調整された脱酸後の鋼中のOとTiおよび/またはZrとの反応により微細なTi酸化物および/またはZr酸化物を形成させ、これを含む複合酸化物を核としてMnS介在物を析出させることにより、上記の硫化物系介在物以外の硫化物系介在物を微細に分散したMnS介在物として得ることからなる方法により製造された、上記の諸成分からなる合金組成を有し、被削性にすぐれるとともに切屑破砕性が高い機械構造用鋼。 - 微細に分散した、平均粒径が1.0μm以上のMnS介在物の数が、S含有量0.01%あたり5個/mm2以上である、請求項1の機械構造用鋼。
- 硫化物系介在物の占有面積のうち、微細に分散した、平均粒径が1.0μm以上のMnS介在物の占有面積の割合が60〜85%に相当し、CaO含有量が0.2〜62重量%であって融点が1500〜1750℃である酸化物系介在物と接して存在する、1〜45重量%のCaを含有する硫化物系介在物の占有面積の割合が40〜15%に相当する請求項2の機械構造用鋼。
- 合金組成中の[O]/[N]が0.06以上である、請求項1の機械構造用鋼。
- 請求項1に規定した合金成分に加えて、さらに、Cr:3.5%以下、Mo:2.0%以下およびMg:0.2%以下の1種または2種以上を含有する請求項1の機械構造用鋼。
- 請求項1に規定した合金成分に加えて、さらに、Pb:0.4%以下を含有する請求項1の機械構造用鋼。
- 請求項1に記載した製造方法の実施に当たり、Tiを添加したとき、下記の条件が満たされるようTi量、N量およびO量を調節することにより、Ti(C,N)およびTiOの平均粒径分布を調整し、
[Ti]×[N]:5×10- 6〜2×10- 4
[O]/[N]:0.06以上
TiOを核として微細に分散析出させるMnSの量を確保することを特徴とする製造方法により製造された、被削性および切屑破砕性に加えて、すぐれた疲労強度および曲げ矯正性を示す機械構造用鋼。
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