JP4924422B2 - 低炭素硫黄快削鋼 - Google Patents

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Description

本発明は、低炭素硫黄快削鋼に関し、詳しくは、Pbを添加しない場合であっても、従来の鉛快削鋼(以下、「Pb快削鋼」という。)及び、PbとS、Pなど他の快削元素を複合添加した複合快削鋼(以下、「Pb添加複合快削鋼」という。)と同等以上の良好な被削性を有する低炭素硫黄快削鋼に関する。より詳細には、高速度鋼工具を用いて切削を行った際の良好な被削性を有するとともに浸炭性に優れ、しかも、連続鋳造性に優れるため安価に大量生産することができるPb非添加の低炭素硫黄快削鋼に関する。
従来、軟質の小物部品、例えば、自動車用のブレーキパーツ、パソコン周辺機器部品及び電気機器部品など軟質の小物部品の素材には、生産性向上のために被削性に優れた鋼である所謂「快削鋼」が用いられてきた。
こうした軟質小物部品の切削加工は、工業的には、主として100m/分以下の比較的低速領域で行われ、また、切削加工の際の工具には、コーティング処理が施されていない高速度鋼工具(以下、「HSS工具」という。)が使用されることが多い。そして、このような切削加工条件の場合、素材鋼の「被削性」としては、長い工具寿命の確保に加えて、加工精度の観点から、切削加工後の鋼材表面の仕上げ面粗度の小さいことが要求され、更に、切り屑が細かく分断する性質(以下、「切り屑処理性」という。)に優れることも重要視される。特に、良好な切り屑処理性は加工ラインの自動化に欠かせないものであって、生産性の向上のために必須とされる特性である。
快削鋼としては、Sを多量に添加してMnSにより被削性を改善した硫黄快削鋼(以下、「S快削鋼」という。)、Pbを添加したPb快削鋼及びPb添加複合快削鋼などがよく知られている。
上記の快削鋼のうちでも、Pb快削鋼及びPb添加複合快削鋼は、切り屑処理性に優れ、工具寿命も長く、加工後の鋼材表面の仕上げ面粗度に優れるといった特性を有している。
したがって、これらのPbを添加した快削鋼は、切削加工によって前記した自動車用のブレーキパーツ、パソコン周辺機器部品及び電気機器部品など軟質の各種小物部品形状に加工され、最終製品として使用されている。なお、切削加工後の各種小物部品に強度を確保させる目的から表面硬化のための浸炭処理を施し、表面硬度を増加させた上で最終製品として使用される場合もある。
しかし、近年の地球環境問題に対する高まりから、Pb含有量を低減した快削鋼やPbを全く含まない快削鋼に対する要望が極めて大きくなっており、例えば欧州では、RoHS(On the restriction of the use of certain hazardous substances in electrical and electronic equipment)指令やELV(End of Life Vehicle)指令によって、鋼材に含まれるPb含有量が質量%で、0.35%以下に制限されるなど、Pbの含有量をできる限り低減させることが望まれている。
なお、Pbは融点が低く、しかも鋼中にほとんど固溶しないため、大量のPbを含有した鋼は圧延時に割れを生じやすい。したがって、鋼の安定製造という面からも、Pbの含有量を低減した快削鋼やPbを全く含まない快削鋼に対する要望が大きい。
こうした要望に応えるべく、特許文献1〜10に、Pb快削鋼及びPb添加複合快削鋼に替わる種々の快削鋼が提案されている。
最もよく知られているものは、特許文献1〜4のように、Pbを添加する替わりにS量を増量させて、被削性を改善した低炭素硫黄快削鋼である。
また、特許文献5〜10のように、被削性改善を目的としてS快削鋼にBやTiなどを添加することによって鋼中の介在物形態を制御した快削鋼も数多く提案されている。
具体的には、特許文献1に、0.4%を超えるSを含有させてMnSを増量した、Pbを添加しない「低炭素硫黄系快削鋼」が提案されている。
特許文献2には、0.50%を超えるSを含有させてMnSを増量することによって、被削性の改善を図った「快削鋼」が提案されている。
特許文献3には、0.4%以上のSを含有させ、更に、Snを添加することによって、被削性改善を図った「低炭素イオウ快削鋼」が提案されている。
特許文献4には、硫化物の平均幅とともに、線材の降伏比を調整することによって被削性を改善した「低炭素硫黄系快削鋼およびその製造方法」が開示されている。
特許文献5には、Ti、Al及びZrを適切な量添加することによって硫化物系介在物を微細化し、被削性を改善した「高硫黄快削鋼」が開示されている。
特許文献6には、脱酸剤であるAlを実質的に添加せず、硫化物系介在物をオキシ硫化物とすることによって被削性を改善した「硫黄含有快削鋼、その快削鋼の製造方法、および快削鋼の機械加工方法」が開示されている。
特許文献7〜9には、鋼の成分組成を調整して、ミクロ組織の調整を行うことによって、或いは、微細なMnSを分散させることによって、被削性改善を図った「被削性に優れる鋼およびその製造方法」或いは「被削性に優れる鋼」が開示されている。
特許文献10には、本発明者らが提案した、特定量のC、Mn、S、Ti、Si、P、Al、O及びNを含有し、TiとSの含有量が下記の(i)式を満たすとともに、MnとSの原子比が下記の(ii)式を満たし、且つ、Ti硫化物又は/及びTi炭硫化物が内在するMnSを含有することを特徴とする「低炭素快削鋼」が開示されている。
Ti(質量%)/S(質量%)<1・・・(i)、
Mn/S≧1・・・(ii)。
特開2000−319753号公報 特開2000−160284号公報 特開2002−249848号公報 特開2003−253390号公報 特開2004−269912号公報 特開2002−363691号公報 特開2004−169051号公報 特開2004−169052号公報 特開2004−169054号公報 特開2003−226933号公報
前述の特許文献1で開示された「低炭素硫黄系快削鋼」は、Mn、S、O及びN等の成分組成を十分に考慮せず、単にS量を増加させただけである。このため、100m/分以下の比較的低速領域でHSS工具を用いて切削したときに、仕上げ面粗さと切り屑処理性を同時に改善することのできる好ましい介在物が得られず、したがって、所望の良好な被削性を確保することができなかった。
特許文献2で開示された「快削鋼」の場合には、確かにHSS工具における被削性の改善が認められる。しかし、単にS量のみを増大させたもので硫化物の形態に配慮がなされていないため、仕上げ面粗さが大きくなって所望の小さな仕上げ面粗さが得られない場合があった。
特許文献3で開示された「低炭素イオウ快削鋼」には、O量を高めることがMnS形態に影響を及ぼし、被削性を改善することが示されている。確かに、高い量のSを含有する鋼においてもMnSの形態を最適化するためにO量を高めることが重要である。しかし、単にO量を高めるだけでは粗大な硫化物が多く生成するために切り屑処理性が劣化する。なお、この特許文献3で開示された技術は、酸化物組成までも同時に最適化するものではない。このため、100m/分以下の比較的低速領域でHSS工具を用いる切削において、所望の良好な被削性を確保することができなかった。
特許文献4で開示された「低炭素硫黄系快削鋼」は、鋼線材の直径をdとして、外周面下0.1mmからd/8までの領域における硫化物形態を制御するだけのものであって、それより深い領域における硫化物形態、例えば、鋼線材中心部における硫化物形態には配慮がなされていない。このため、HSSドリルを用いた加工などのように表面部分以外を切削する場合には、優れた切り屑処理性と長い工具寿命を兼備させることができなかった。
特許文献5で開示された「高硫黄快削鋼」には、HSS工具を用いた切削に好ましくない形態の硫化物や酸化物が生成する。このため、100m/分以下の比較的低速領域でHSS工具を用いる切削において、所望の小さい仕上げ面粗さを得ることができなかった。
特許文献6で開示された「硫黄含有快削鋼」は、オキシ硫化物を存在させることで被削性改善を図っているものの、鋼の成分組成が精緻に考慮されたものではない。このため、100m/分以下の比較的低速領域でHSS工具を用いた切削に対して好適な形態を有する硫化物及び酸化物が得られず、所望の良好な被削性を確保することができなかった。
特許文献7〜9で開示された「被削性に優れる鋼」は、成分組成が十分に考慮されたものではなく、Al、Ti及びZr等のMnS形態に大きな影響を及ぼす成分元素の添加をしてもよいとしている。この場合、HSS工具を用いた切削に対して好適な形態を有する硫化物及び酸化物が得られず、切り屑処理性及び仕上げ面粗さが劣化して、所望の良好な被削性を確保することができなかった。
特許文献10で開示された「低炭素快削鋼」は、確かに超硬工具を用いた高速切削時における工具寿命がPb快削鋼に比べて優れており、且つ、優れた切り屑処理性が得られるものである。しかし、100m/分以下の比較的低速領域でHSS工具を用いた切削の場合には、硫化物形態が被削性を改善するのに好適なものではないために、仕上げ面粗さが大きくなって所望の小さな仕上げ面粗さが得られない場合があることが判明した。
上述のように、従来提案された快削鋼は、自動車用のブレーキパーツ、パソコン周辺機器部品及び電気機器部品など軟質の小物部品の素材として必要な被削性の諸特性、つまり、100m/分以下の比較的低速領域でHSS工具を用いた切削における工具寿命、切り屑処理性及び仕上げ面粗さのうち少なくともいずれか一つの特性について、Pb快削鋼及びPb添加複合快削鋼に比べて劣るものであった。すなわち、従来提案されたいずれの快削鋼も、100m/分以下の比較的低速領域でHSS工具を用いた切削における被削性は、大量のPbを含有するPb快削鋼及びPb添加複合快削鋼と完全に同等とはいえないものであった。
しかも、前記の従来提案された快削鋼は、安価に大量生産するために製造段階で要求される良好な連続鋳造性や製品として要求される熱処理特性までも備えているというものではなかった。すなわち、切削加工後の各種小物部品に強度を確保させる目的から浸炭処理を施し、表面硬度を増加させた上で最終製品として使用する場合、良好な「浸炭性」が要求される。しかしながら、前記の従来提案された快削鋼は、必ずしも「浸炭性」に優れるものではなかった。また、安価に大量生産するために製造段階で要求される「連続鋳造性」にも必ずしも優れるというものではなかった。
そこで、本発明の目的は、Pbを添加しない場合であっても、100m/分以下の比較的低速領域でHSS工具を用いて切削を行った際の被削性が従来のPb快削鋼及びPb添加複合快削鋼と同等以上で、しかも、浸炭性に優れるとともに連続鋳造による大量生産にも適した低炭素硫黄快削鋼を提供することである。
本発明者らは、先ず、Pbを含まないS快削鋼を用いて、100m/分以下の比較的低速領域でHSS工具を用いた切削における被削性について調査した。
その結果、下記(a)の知見を得た。なお、以下の説明における「Mn系硫化物」には、特に断らない限り、MnS並びに、Mn(S、Te)、Mn(S、Se)、Mn(S、O)及びMn(S、Se、O)等のように、XをS以外でMnと結合する元素であるTe、Se及びOとして、Mn(S、X)の化学式によって表記されるMnの複合化合物を含むこととする。
(a)S快削鋼の場合、鋼中のO(酸素)量を高めることで、粗大なMn系硫化物が生成して被削性が向上するといわれている。しかし、前記の切削速度領域でのHSS工具を用いた切削においては、単にO量を増量してMn系硫化物を粗大化させただけでは、被削性、特に、切り屑処理性を高めることが困難である。
そこで次に、前記切削速度領域でのHSS工具を用いた切削におけるMn系硫化物の形態と被削性の関連について詳細に検討した。その結果、仕上げ面粗さ及び切り屑処理性には、Mn系硫化物の大きさだけでなく、分散形態が大きな影響を及ぼすことが明らかとなり、下記(b)〜(d)の知見を得た。
(b)鋼中のO量を高めてMn系硫化物を粗大に晶出させた場合には、仕上げ面粗さは小さくなって改善されるが、切り屑処理性が劣化する。すなわち、粗大なMn系硫化物は、切削中に切り屑として塑性変形を受ける際に、応力集中点として作用し、Mn系硫化物を起点としたクラックを発生させ、これによって、構成刃先の成長が抑制されて仕上げ面粗さが小さくなって改善されたり、切り屑剪断域での抵抗力が弱められて切削抵抗が低減することで工具寿命が長くなる。一方、Mn系硫化物が粗大化した場合、クラックは切り屑内部で効率的に伝播しないので切り屑の破断に至らず、このため、切り屑処理性が劣化する。
(c)Mn系硫化物が微細な形態で晶出した場合、切り屑処理性は改善するが、仕上げ面粗さは大きくなって劣化する。すなわち、凝固時に共晶反応によって晶出した多数の微細なMn系硫化物は、変形能が高いので、鍛造や圧延によって長く延伸した状態で、或いは、長く延伸したものが更に圧延によって分断されて微細になった状態で、観察される。これらの微細晶出したMn系硫化物は、切削中に切り屑として塑性変形を受ける際に変形しやすいので、切り屑変形時に剪断応力がかかった場合にも変形する。そして、この変形したMn系硫化物を起点として切り屑が脆化破断に至り、切り屑処理性が改善される。一方、構成刃先周辺の2次剪断域は更に強加工されるので、上記のMn系硫化物は、一層分断されて微細化し、構成刃先と切り屑を分断するのに有効なクラックを発生させずに構成刃先内部に取り込まれる。その結果、構成刃先の成長を抑制できないので、仕上げ面粗さが大きくなって劣化する。
(d)上記(b)及び(c)の知見から、仕上げ面粗さを小さくして改善するには、構成刃先と切り屑を分断させるために十分に大きいクラックを発生させる作用を持つMn系硫化物、つまり、2次剪断域で強加工を受けても分断することがないような、切削前の状態において幅が大きいMn系硫化物が分散している必要があることがわかる。そして、仕上げ面粗さの改善に加えて切り屑処理性も改善するには、Mn系硫化物を起点に発生したクラックを効率的に伝播させるために、粗大なクラックを生じさせる幅の大きいMn系硫化物の分布密度を増大させる必要がある。
そこで更に、幅の大きいMn系硫化物の分布密度を増大させて、仕上げ面粗さと切り屑処理性の両特性を高めるための条件について詳細な検討を行った。その結果、下記(e)〜(i)の知見を得、また、工具寿命について下記(j)の知見を得た。
(e)幅の大きいMn系硫化物の分布密度を増大させるためには、Mn系硫化物の絶対量を増大させる必要があり、そのためには、Sを0.4%を超える範囲で含有させなければならない。
(f)幅の大きいMn系硫化物について、最近接するMn系硫化物との平均距離である「最短平均粒子間距離」が小さい場合には、クラックが効率よく伝播して切り屑の分断が助長され、Pbを含まない場合でもPb快削鋼及びPbを含む複合快削鋼と同等の切り屑処理性が得られる。
(g)幅の大きいMn系硫化物の分布密度を増大させるためには、凝固段階でMn系硫化物の生成核としてのMn系酸化物をS量に応じて多数分散させる必要があり、このためには、単にS量やO量を増大させるだけではなく、鋼の成分組成、特に、Mn、S及びOの含有量バランス、並びに、Al、Siの含有量と不純物中のCa、Mg、Ti、Zr及びREMの含有量の適正化の必要がある。なお、Mn系酸化物の生成頻度には、MnとOの濃度積、つまり、「Mn×O」が関係する。
(h)凝固の早い段階で生成するMn系酸化物を十分な数密度で分布させ、これを生成核としてMn系硫化物を偏晶反応によって生成させることによって、幅が大きく最短平均粒子間距離の小さいMn系硫化物を大きな分布密度で存在させることができる。
(i)Nは、被削性を改善するのに好適なMn系硫化物の形態及び酸化物組成に影響することがなく、フェライト中に固溶して切り屑処理性を高めるので、十分な量を含有させるのがよい。
(j)微細なMn系酸化物がフェライト粒内に多数分散しておれば、工具寿命が改善されて長くなる。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は、下記(1)〜(4)に示す低炭素硫黄快削鋼にある。
(1)質量%で、C:0.05%以上0.20%未満、Si:0.02%未満、Mn:1.42〜1.8%、P:0.005〜0.25%、S:0.40%を超えて0.60%以下、Al:0.003%未満、O:0.0090〜0.0280%、N:0.0080〜0.0250%を含有し、残部はFe及び不純物からなり、不純物中のCa、Mg、Ti、Zr及びREMが、Ca:0.001%未満、Mg:0.001%未満、Ti:0.002%未満、Zr:0.002%未満及びREM:0.001%未満であって、かつ、下記(1)式及び(2)式を満たすことを特徴とする低炭素硫黄快削鋼。
Mn×O>0.018・・・(1)
2.5<Mn/(S+O)<3.5・・・(2)
但し、(1)式及び(2)式中の元素記号は、その元素の質量%での鋼中含有量を表す。
(2)Feの一部に代えて、Te:0.0005〜0.03%、Sn:0.001%以上0.50%未満及びSe:0.0005%以上0.30%未満のうちの1種以上を含有する上記(1)に記載の低炭素硫黄快削鋼。
(3)Feの一部に代えて、Cu:0.01〜1.0%、Ni:0.01〜1.0%、Cr:0.01〜1.0%及びMo:0.01〜0.5%のうちの1種以上を含有する上記(1)又は(2)に記載の低炭素硫黄快削鋼。
以下、上記 (1)〜(3)の低炭素硫黄快削鋼に係る発明を、それぞれ、「本発明(1)」〜「本発明(3)」という。また、総称して「本発明」ということがある。
なお、本発明でいう「REM」は、Sc、Y及びランタノイドの合計17元素の総称であり、REMの含有量は上記元素の合計含有量を指す。
本発明の鋼はPb非添加の「地球環境に優しい快削鋼」であるにも拘わらず、100m/分以下の比較的低速領域でHSS工具を用いた切削の際に、従来のPb快削鋼、及びPbとS、Pなど他の快削元素を複合添加したPb添加複合快削鋼と同等以上の良好な被削性、つまり、長い工具寿命、良好な切り屑処理性及び小さい仕上げ面粗さを有するとともに浸炭性に優れ、しかも、連続鋳造性に優れるため安価に大量生産することができる。したがって、自動車用のブレーキパーツ、パソコン周辺機器部品及び電気機器部品など軟質の小物部品の素材として利用することができる。
先ず、本発明の低炭素硫黄快削鋼における化学組成とその限定理由について述べる。なお、以下の説明において、各元素の含有量の「%」表示は「質量%」を意味する。
C:0.05%以上0.20%未満
Cは、被削性に大きな影響を及ぼす重要な元素である。被削性が重要視される用途の鋼の場合、Cを0.20%以上含有させると、鋼の強度が高くなって被削性が劣化する。しかし、その含有量が0.05%未満の場合には、鋼が軟質になり過ぎ、切削中にむしれを生じて却って工具摩耗が促進するし、仕上げ面粗さも大きくなって劣化する。したがって、Cの含有量を0.05%以上0.20%未満とした。なお、一層良好な被削性を得るために、Cの含有量は0.06〜0.18%とすることが好ましい。
Si:0.02%未満
Siは、O(酸素)と親和性が強い強力な脱酸元素であり、0.02%以上含有される場合には、被削性を改善するのに好適なMn系硫化物の形態及び酸化物組成を得ることができないので、100m/分以下の比較的低速領域でのHSS工具による被削性が劣化する。したがって、Siの含有量を0.02%未満とした。なお、SiはMn系硫化物の形態及び酸化物組成に大きな影響を及ぼすので、添加しないだけではなく、精錬時になるべく除去する必要がある。より優れた被削性を得るために、Siの含有量は0.01%未満とすることが好ましい。
Mn:0.7〜2.2%
Mnは、SとともにMn系硫化物を形成して被削性に大きな影響を及ぼす重要な元素である。その含有量が0.7%未満では、Mn系硫化物の絶対量が不足して所望の良好な被削性を得ることができないことに加えて熱間加工性が劣化する。Mnには浸炭性を高める作用もあるので、良好な浸炭性を得たい場合にはMnの含有量を高めればよいが、MnはMn系硫化物形成元素であることに加えて脱酸にも寄与するため、浸炭性の改善だけを目的に単純にMnの含有量を高めても所望の介在物形態を得ることができない。所望の介在物形態を得るためには、SやO(酸素)との質量バランスを十分に配慮した上でMnを添加する必要がある。しかし、そうした場合であっても、Mnの含有量が2.2%を超えると、所望の介在物形態が得られず、被削性が劣化する。したがって、Mnの含有量を0.7〜2.2%とした。なお、所望の良好な被削性と良好な浸炭性の兼備のために、Mnの含有量は1.2〜1.8%とすることが望ましい。
なお、上記の「Mn系硫化物」とは、MnS並びに、Mn(S、Te)、Mn(S、Se)、Mn(S、O)及びMn(S、Se、O)等のように、XをS以外でMnと結合する元素であるTe、Se及びOとして、Mn(S、X)の化学式によって表記されるMnの複合化合物を指す。
P:0.005〜0.25%
Pは、粒界の強度を弱め、被削性を高める作用を有する。前記の効果を得るためには、Pの含有量を0.005%以上とする必要がある。一方、Pの含有量が過度になると、鋼の強度が高くなって却って被削性の低下をきたし、特に、Pの含有量が0.25%を超えると強度が高くなりすぎて被削性の低下が著しくなる。更に、Pの含有量が0.25%を超える場合には、鋼塊の偏析が助長されるため熱間加工性の低下も生じる。したがって、Pの含有量を0.005〜0.25%とした。より優れた被削性を安定して得るために、Pの含有量は0.03〜0.15%とすることが好ましい。
S:0.40%を超えて0.60%以下
Sは、MnとともにMn系硫化物を形成して被削性を高めるために必須の元素である。Mn系硫化物による被削性向上効果は、その生成量ばかりではなく形態及び分散状態に応じて変化する。そのために、Sの含有量とMn及びO(酸素)の含有量とのバランスが重要になるが、Sの含有量が0.40%以下では、たとえMn及びO(酸素)の含有量とのバランスを適正化しても、十分な量のMn系硫化物が得られず、所望の良好な被削性を得るためのMn系硫化物の分散形態を得ることができない。なお、通常の場合にはSの含有量が0.35%を超えると熱間加工性が低下するため、鋳片内部における所謂「内部割れ」の要因となるが、Mn及びO(酸素)の含有量とのバランスを適正化することで、Sの含有量が0.35%を超える場合にも内部割れを引き起こすことなく、被削性を高めることができる。しかし、Sの含有量が0.60%を超える場合には、熱間延性の劣化を生じないようにMnを多量に含有させる必要があるが、Mnが脱酸元素として作用するために十分な酸素量を確保することができないので、Mn系硫化物の形態が損なわれ、実質的に、所望するMn系硫化物の形態及び分散状態を得ることが困難となる。更に、含有量で0.60%を超える過剰なSの添加は歩留まりの悪化によるコスト上昇に繋がる。したがって、Sの含有量を0.40%を超えて0.60%以下とした。なお、より安定して優れた被削性を確保するとともに、製造性を劣化させることなく所望のMn系硫化物の形態を得るためには、S含有量は0.45〜0.55%とすることが望ましい。
Al:0.003%未満
Alは、O(酸素)と親和性が強い強力な脱酸元素であり、0.003%以上含有される場合には、被削性を改善するのに好適なMn系硫化物の形態及び酸化物組成を得ることができないので、100m/分以下の比較的低速領域でのHSS工具による被削性が劣化する。したがって、Alの含有量を0.003%未満とした。なお、AlはMn系硫化物の形態及び酸化物組成に大きな影響を及ぼすので、添加しないだけではなく、精錬時になるべく除去する必要がある。より優れた被削性を得るために、Alの含有量は0.002%未満とすることが好ましい。
O:0.0090〜0.0280%
Mn及びSの含有量とのバランスを適正化したうえで、O(酸素)の含有量を高めることによってMn系硫化物の形態を変化させ、被削性を改善することができる。しかし、Oの含有量が0.0090%未満では、所望の良好な被削性を得るための介在物形態を得ることができず、十分な被削性を確保できない。一方、Oの含有量が0.0280%を超えると、所望の介在物形態を得ることができないばかりでなく、粗大な酸化物が生成し、圧延時に割れを誘発する。したがって、Oの含有量を0.0090〜0.0280%とした。なお、Oの含有量は、所望の介在物形態や分散状態を安定して確保するために、0.0100〜0.0200%とすることが望ましい。
N:0.0030〜0.0250%
Nの含有量を高めても、被削性を改善するのに好適なMn系硫化物の形態及び酸化物組成に影響することがなく、しかも、AlやTiを実質的に含有しない本発明においては、硬質のAlやTiの窒化物がほとんど形成されないので、Nは、フェライト中に固溶した状態で存在する。上記フェライト中に固溶したNは、切り屑処理性を高める作用を有する。しかし、Nの含有量が0.0030%未満の場合には、十分な切り屑処理性を高める効果が得られない。一方、Nの含有量が0.0250%を超えても前記の効果が飽和するばかりでなく、製造コストの上昇をきたす。したがって、Nの含有量を0.0030〜0.0250%とした。なお、良好な被削性を得たい場合には、Nは0.0060%以上、また、より効果的に良好な被削性を得たい場合には、Nは0.0080%以上含有させることが好ましい。
本発明に係る低炭素硫黄快削鋼においては、不純物中のCa、Mg、Ti、Zr及びREMの含有量を下記のとおりに制限する。
Ca:0.001%未満、Mg:0.001%未満、Ti:0.002%未満、Zr:0.002%未満及びREM:0.001%未満
通常の快削鋼においては、Ca、Mg、Ti、Zr及びREMは、いずれも、被削性を改善するために添加される元素である。しかし、上記のCaからREMまでの元素は、いずれも、Mn系硫化物の形態や酸化物組成及びこれら介在物の分散状態に悪影響を及ぼし、100m/分以下の比較的低速領域でのHSS工具での切削における被削性を低下させてしまう。特に、不純物中に上記のCa、Mg、Ti、Zr及びREMについて、Ca、Mg及びREMのいずれかが0.001%以上、Ti及びZrのいずれかが0.002%以上含有される場合には、前記の切削速度領域でのHSS工具を用いた切削における被削性の低下が著しくなる。したがって、Ca、Mg、Ti、Zr及びREMの不純物中の含有量は、Ca:0.001%未満、Mg:0.001%未満、Ti:0.002%未満、Zr:0.002%未満及びREM:0.001%未満とする必要がある。不純物中の上記Ca、Mg、Ti、Zr及びREMは、いずれも、0.0005%以下であることが好ましい。
なお、既に述べたように、「REM」は、Sc、Y及びランタノイドの合計17元素の総称であり、REMの含有量は上記元素の合計含有量を指す。
MnとOの濃度積(Mn×O):0.018を超えること
上述した範囲のCからNまでの元素を含有し、残部はFe及び不純物からなり、不純物中のCa、Mg、Ti、Zr及びREMが、Ca:0.001%未満、Mg:0.001%未満、Ti:0.002%未満、Zr:0.002%未満及びREM:0.001%未満である鋼は、そのMnとOの濃度積の値、つまり、「Mn×O」の値が0.018を超える場合に、100m/分以下の比較的低速領域でのHSS工具での切削で所望の優れた被削性を確保することができる。
したがって、MnとOの濃度積であるMn×Oの値は0.018を超える、つまり、前記(1)式を満たす必要がある。なお、上記の式「Mn×O」中の元素記号は、その元素の質量%での鋼中含有量を表し、Mn×Oの値の上限は0.030であることが好ましい。Mn×Oの値が0.030を超えた場合には、幅の大きいMn系硫化物の分布密度があまり高くならず、良好な仕上げ面粗さと切り屑処理性を得ることが困難となる場合がある。
Mn/(S+O):2.5を超えて3.5未満であること
上述した範囲のCからNまでの元素を含有し、残部はFe及び不純物からなり、不純物中のCa、Mg、Ti、Zr及びREMが、Ca:0.001%未満、Mg:0.001%未満、Ti:0.002%未満、Zr:0.002%未満及びREM:0.001%未満である鋼は、Mn/(S+O)の値が2.5を超える場合に、凝固段階でMn系硫化物の生成核としてのMn系酸化物を多数分散させることができ、幅の大きいMn系硫化物の分布密度を増大させることが可能になるので、所望の良好な被削性を得ることができる。なお、Mn/(S+O)の値が2.5以下の場合には、連続鋳造によって製造した場合に、鋳片内部で割れが生ずるなど、熱間加工性の低下が生じるが、Mn/(S+O)の値が2.5を超える場合には、工業的な規模での大量生産に適した十分な熱間加工性も確保できる。
一方、Mn/(S+O)の値が3.5以上である場合には、含有されるSやOに対して過剰なMnが含まれ、組織中に固溶するMn量が過剰となって被削性、なかでも工具寿命が劣化する。更に、実質的にAl、Si、Ca、Mg、Ti、Zr及びREMを含有しない本発明においては、Mnは脱酸元素としても作用するために、Mnを過剰に含有すると、被削性を改善するのに好適なMn系硫化物の形態を得るための十分なO量を得ることができないので、切り屑処理性が低下するとともに仕上げ面粗さが大きくなってしまう。
したがって、Mn/(S+O)の値は2.5を超えて3.5未満、つまり、前記(2)式を満たす必要がある。なお、上記の式「Mn/(S+O)」中の元素記号は、その元素の質量%での鋼中含有量を表す。
上記の理由から、本発明(1)に係る低炭素硫黄快削鋼の化学組成は、上述した範囲のCからNまでの元素を含有し、残部はFe及び不純物からなり、不純物中のCa、Mg、Ti、Zr及びREMが、Ca:0.001%未満、Mg:0.001%未満、Ti:0.002%未満、Zr:0.002%未満及びREM:0.001%未満で、かつ、前記の(1)式及び(2)式を満たすことと規定した。
本発明に係る低炭素硫黄快削鋼には、必要に応じて、Feの一部に代えて、後述する第1群から選択される1種以上の元素及び第2群から選択される1種以上の元素のうち一方又は両方を任意添加元素として添加し、含有させてもよい。
以下、上記第1群及び第2群の任意添加元素に関して説明する。
第1群:Te:0.0005〜0.03%、Sn:0.001%以上0.50%未満及びSe:0.0005%以上0.30%未満
Te、Sn及びSeは、いずれも、被削性を改善するのに好適な介在物形態を損なうことなく、被削性を高める作用を有する。このため、100m/分以下の比較的低速領域でHSS工具を用いた際に、より優れた被削性を得たい場合には以下の範囲で含有してもよい。
Te:0.0005〜0.03%、
Teは、MnとともにMn(S、Te)を生成し、このMn(S、Te)が切削中に擬似的な潤滑効果の役割を果たす。そして、Teを添加しても、幅の大きいMn系硫化物の割合が増加するだけで酸化物形態には影響がないので、前記の切削速度領域でのHSS工具を用いた切削における被削性が向上する。しかしながら、その含有量が0.0005%未満では添加効果に乏しい。一方、Teを0.03%を超えて含有させてもその効果が飽和してコストが嵩むし、熱間加工性も劣化する。したがって、添加する場合のTeの含有量を0.0005〜0.03%とした。なお、より安定して良好な熱間加工性と良好な被削性を兼備させるために、Teの含有量は0.003〜0.02%とすることが好ましく、更に0.003〜0.01%とすることがより好ましい。
Sn:0.001%以上0.50%未満
Snは、鋼の被削性を改善する作用を有する。これはマトリックスを脆化する効果を有するためであると考えられる。しかしながら、その含有量が0.001%未満では添加効果に乏しい。一方、Snを0.50%以上含有させてもその効果が飽和するし、熱間加工性も劣化する。したがって、添加する場合のSnの含有量を0.001%以上0.50%未満とした。なお、良好な熱間加工性と良好な被削性を兼備させるために、Snの含有量は0.03%以上0.30%以下であることが好ましい。
Se:0.0005%以上0.30%未満
Seは、MnとともにMn(S、Se)を生成し、このMn(S、Se)が切削中に擬似的な潤滑効果の役割を果たす。そして、Seを添加しても、幅の大きいMn系硫化物の割合が増加するだけで酸化物形態には影響がないので、前記の切削速度領域でのHSS工具を用いた切削における被削性が向上する。しかしながら、その含有量が0.0005%未満では添加効果に乏しい。一方、Seを0.30%以上含有させてもその効果が飽和してコストが嵩むし、熱間加工性も劣化する。したがって、添加する場合のSeの含有量を0.0005%以上0.30%未満とした。なお、より安定して良好な熱間加工性と良好な被削性を兼備させるために、Seの含有量は0.005%以上0.15%以下とすることが好ましい。
上記のTe、Sn及びSeは、いずれか1種のみ、或いは2種以上の複合で添加することができる。
第2群:Cu:0.01〜1.0%、Ni:0.01〜1.0%、Cr:0.01〜1.0%及びMo:0.01〜0.5%
Cu、Ni、Cr及びMoは、いずれも、鋼の強度を高める作用を有する。このため、製品強度を高めたい場合には以下の範囲で含有してもよい。
Cu:0.01〜1.0%
Cuは、析出強化によって鋼の強度を高める作用を有する。しかしながら、その含有量が0.01%未満では添加効果に乏しい。一方、Cuの含有量が1.0%を超えると、熱間加工性の劣化を招き、更に、Cuの析出物が粗大化するため、前記の効果が飽和するばかりでなく、被削性の低下を招く。したがって、添加する場合のCuの含有量を0.01〜1.0%とした。なお、良好な強度と良好な熱間加工性を安定して兼備させるためには、Cuの含有量を0.03〜0.50%とすることが好ましく、一層良好な強度と良好な熱間加工性を安定して兼備させるためには、Cuの含有量を0.05〜0.50%とすることがより好ましい。
Ni:0.01〜1.0%
Niは、固溶強化によって鋼の強度を高める作用を有する。しかしながら、その含有量が0.01%未満では添加効果に乏しい。一方、Niの含有量が1.0%を超えると、被削性の劣化を招くとともに熱間加工性も劣化する。したがって、添加する場合のNiの含有量を0.01〜1.0%とした。なお、良好な、強度、被削性及び熱間加工性を安定して具備させるために、Niの含有量は0.03〜0.50%とすることが好ましい。
Cr:0.01〜1.0%
Crは、鋼の強度を高める作用を有する。Crには、鋼の焼入れ性を高めて浸炭性を改善する作用もある。しかしながら、その含有量が0.01%未満では添加効果に乏しい。一方、Crを1.0%を超えて含有させても、前記の効果が飽和してコストが嵩む上に、被削性が低下する。したがって、添加する場合のCrの含有量を0.01〜1.0%とした。なお、良好な、強度、焼入れ性及び被削性を安定して具備させるためには、Crの含有量を0.02〜0.5%とすることが好ましく、一層良好な、強度、焼入れ性及び被削性を安定して具備させるためには、Crの含有量を0.03〜0.5%とすることがより好ましい。
Mo:0.01〜0.5%
Moは、鋼の強度を高める作用を有する。Moには、鋼の焼入れ性を高めて浸炭性を改善する作用及び組織を微細化して靱性を高める作用もある。しかしながら、その含有量が0.01%未満では添加効果に乏しい。一方、Moを0.5%を超えて含有させても、前記の効果が飽和してコストが嵩む上に、被削性が低下する。したがって、添加する場合のMoの含有量を0.01〜0.5%とした。なお、良好な、強度、焼入れ性、靱性及び被削性を安定して具備させるためには、Moの含有量は0.05〜0.5%とすることが好ましい。また、製造コストを低く抑えた上で、良好な、強度、焼入れ性、靱性及び被削性を具備させるためには、Moの含有量は0.02〜0.3%とすることが好ましい。
上記のCu、Ni、Cr及びMoは、いずれか1種のみ、或いは2種以上の複合で添加することができる。
上述の理由から、本発明(2)に係る低炭素硫黄快削鋼の化学組成を、本発明(1)に係る低炭素硫黄快削鋼のFeの一部に代えて、Te:0.0005〜0.03%、Sn:0.001%以上0.50%未満及びSe:0.0005%以上0.30%未満のうちの1種以上を含有するものと規定した。
また、本発明(3)に係る低炭素硫黄快削鋼の化学組成を、本発明(1)又は(2)に係る低炭素硫黄快削鋼のFeの一部に代えて、Cu:0.01〜1.0%、Ni:0.01〜1.0%、Cr:0.01〜1.0%及びMo:0.01〜0.5%のうちの1種以上を含有するものと規定した。
なお、Mn系硫化物の分散形態や酸化物組成は凝固速度や製造条件に左右されることがある。このため、本発明に係る低炭素硫黄快削鋼は、例えば、次のようにして工業的に大量生産するのがよい。
先ず、本発明に係る低炭素硫黄快削鋼を連続鋳造法によって製造する場合に、転炉などの製鋼炉から取鍋への出鋼段階及び取鍋でのスラグ精錬段階での状態を調整する。
具体的には、取鍋精錬開始時に溶鋼中に含有されるMn量を1.5%未満、好ましくは1.2%未満に調整する。この段階で1.5%以上のMnを溶鋼中に含有させても、最終的に前記した範囲内に調整することは可能であるが、適切な酸化物及びMn系硫化物の形態を得るために、精錬開始時におけるMnの含有量を上記のように調整しておくのがよい。このMn含有量の調整と同時に、精錬開始時におけるスラグ中のMnOの含有量を適切な範囲、具体的には25〜40%の範囲に調整すると一層よい。そして、精錬の後半から末期に、合金鉄を添加することによって所定のMn含有量にすればよい。
次に、適切なMn系硫化物の形態を得るために、鋳造時の冷却速度を調整する。
すなわち、鋳片の冷却速度は、表皮及び中心部で大きな差があるので、幅が大きく最短平均粒子間距離の小さいMn系硫化物を大きな分布密度で安定して存在させるために、中心部における冷却速度を少なくとも1℃/分以上として、より好ましくは2℃/分以上として冷却するのがよい。
なお、造塊法で鋼塊を製造する場合は、小型のインゴットに鋳造する場合のように、冷却速度が速い場合には、鋼塊中心部の冷却速度で20℃/分以下になるようにすればよい。逆に、巨大なインゴットに鋳造する場合のように、冷却速度が遅い場合には、中心部の冷却速度が1℃/分以上になるように鋳型を工夫すればよい。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明する。
高周波誘導炉を用いて、表1〜3に示す化学組成を有する鋼1、鋼3、鋼5、鋼6、鋼10〜19、鋼21、鋼22及び鋼24〜57を溶製し、直径が約220mmの150〜180kg鋼塊を作製した。
表1中の鋼1、鋼3、鋼5、鋼6、鋼10〜19、鋼21及び鋼22は、化学組成が本発明で規定する範囲内にある鋼(以下、「本発明例の鋼」という。)である。一方、表2中の鋼24〜41及び表3中の鋼42〜57は、化学組成が本発明で規定する条件から外れた比較例の鋼である。なお、比較例の鋼のうち鋼55〜57は従来のPb快削鋼に相当する鋼である。
上記の各鋼のうちで、本発明例の鋼である鋼1、鋼3、鋼5、鋼6、鋼10〜19、鋼21及び鋼22並びに比較例の鋼のうち鋼29、鋼30、鋼34、鋼36及び鋼50〜57は、溶製段階での溶存酸素量及び凝固速度を制御して鋼塊を作製した。つまり、原料鉄が溶け落ちた後、副原料を添加した段階で鉄箔に包んだ状態で市販されているMnO粉末を溶鋼内に添加し、その後、成分の調整を実施し、1600℃前後の温度で鋳型に出鋼した。なお、鋼の凝固速度を調節するために砂で囲ったセラミックス製の坩堝に出鋼して凝固速度が適切な速度となるように調整した。
一方、比較例の鋼のうち鋼24〜28、鋼31〜33、鋼35及び鋼37〜49については、上記の様な特別な手段を講じないで溶製を行った。つまり、副原料添加後にMnO粉体を装入しないか、或いは、砂で囲ったセラミックス製の坩堝ではなく、通常の鋳型に鋳造した。
Figure 0004924422
Figure 0004924422
Figure 0004924422
上記各鋼の鋼塊の表面部に近いDi/8部(但し、「Di」は鋼塊の直径である。)の位置を中心として、鋼塊高さ方向から直径10mm、長さ130mmの高温引張試験片を採取し、熱間加工性を調査した。すなわち、熱間加工再現試験装置を用いて、大気中で1250℃に高周波加熱して5分間保持した後、10℃/分の速度で900℃まで冷却し、10秒保持した後、歪速度を10秒−1として900℃で高温引張試験を行い、熱間加工性を調査した。なお、上記棒状試験片の加熱領域は、長さ方向の中央部約20mmとし、高温引張試験後は直ちに急冷した。上記において、高温引張試験の温度として900℃を選定したのは、一般に低炭素快削鋼の場合には、900℃で高温引張の絞り値が極小点になるからである。
熱間加工性は上記の高温引張試験における絞り(%)で評価した。なお、熱間加工性の目標は、上記高温引張試験で40%以上の絞り値を有することとした。なお、この場合には、0.4%を超えるような高いS量を含有させた鋼であっても、連続鋳造時に内部割れを生じることなく安定して鋳片の製造が可能である。
また、次に述べる方法で各鋼の被削性及び浸炭性を調査した。
すなわち、各鋼の上記直径が約220mmの鋼塊の残部を1200℃まで加熱して2時間以上保持した後、仕上げ温度が1000℃以上となるように熱間鍛造し、鍛造後に空冷を行って直径40mmの丸棒を作製した。次いで、上記の各丸棒を950℃に加熱して1時間保持した後空冷して焼準を行った。なお、鋼33は熱間鍛造で割れを生じたため、以下の調査は行わなかった。
次いで、上記の直径40mmの丸棒の一部をピーリングして直径31mmの丸棒とし、これに冷間引き抜き加工を施して、直径が28mmの丸棒に仕上げた。
このようにして得た直径が28mmの丸棒を供試材として、コーティング処理が施されていないHSS工具、具体的には、SKH4(JIS G 4403(2000))の旋削用チップを用いて下記の条件で旋削し、被削性を調査した。
・切削速度:100m/min、
・送り量:0.05mm/rev.、
・切り込み深さ:0.5mm、
・潤滑:水溶性潤滑油を用いた湿式潤滑。
すなわち、上記条件で1分間連続して旋削した後、触針式の粗さ計を用いて最大高さ粗さRzを測定して仕上げ面粗さを評価した。
また、切り屑処理性は上記の1分間に排出された切り屑を採取し、長い切り屑から順に20個の質量を測定し、その質量にて評価を行った。この質量が小さい値であるほど切り屑処理性は良好であると判断できる。なお、切り屑処理性が悪く、長い切り屑が排出された結果、20個の切り屑が得られなかったものについては、その個数と質量から20個当たりの質量に換算した。
更に、工具摩耗は上記と同じ条件で30分切削した後の先端摩耗量を測定することで評価した。
上記の仕上げ面粗さ、切り屑処理性及び工具摩耗量は、それぞれ、従来のPb快削鋼に相当する鋼55〜57が有する各特性のうちで最も劣るものを評価基準とした。すなわち、仕上げ面粗さは、鋼56のRzで7.8μmを評価の基準値、工具摩耗量は鋼57の、175μmを評価の基準値とし、また、切り屑処理性は鋼55の切り屑質量2.7gを評価の基準値とした。そして、仕上げ面粗さがRzで7.8μm以下、工具摩耗量が175μm以下及び切り屑質量が2.7g以下である場合に、Pb快削鋼と同等以上の被削性を有するものとした。
更に、焼準した前記直径40mmの各丸棒の残部から、直径が24mmで長さが50mmの円柱状の試験片を採取し浸炭性を調査した。
すなわち、上記の直径が24mmで長さが50mmの円柱状の試験片を、900℃に加熱して浸炭処理した後850℃で拡散処理し、その後、80℃の油中に冷却することによって焼入れ処理を施した。次いで、上記の試験片を190℃に加熱して60分保持した後空冷して焼戻し処理を施した。なお、上記浸炭時の炭素ポテンシャル値は0.8%で処理時間は75分とした。また、拡散時の炭素ポテンシャル値は0.7%で処理時間は20分とした。
上記の浸炭焼入れ−焼戻し処理した試験片の端から25mmの位置、つまり、試験片の長さ方向の中央位置の横断面で、表面から内部へ、試験力を2.94Nとしてビッカース硬さ分布を測定し、ビッカース硬さが550となる表面からの位置を「有効硬化層深さ」として、浸炭性を評価した。
なお、浸炭性についても、従来のPb快削鋼に相当する鋼55〜57の浸炭性のうちで最も劣るものを評価基準とした。すなわち、鋼57の有効硬化層深さである0.15mmを評価の基準値とした。そして、有効硬化層深さが0.15±0.05mm、つまり、0.10〜0.20mmの場合に、Pb快削鋼と同等の浸炭性を有するものとした。
表4及び表5に、上記の各試験結果をまとめて示す。表4及び表5における浸炭性欄の「◎」は有効硬化層深さが0.20mmを超えてPb快削鋼に勝る浸炭性を有することを、「○」は有効硬化層深さが0.10〜0.20mmでPb快削鋼と同等の浸炭性を有することを、そして、「×」は有効硬化層深さが0.10mmを下回ってPb快削鋼より劣る浸炭性を有することを示す。なお、表5中の鋼33における「−」は、熱間鍛造できなかったため調査していないことを示す。
Figure 0004924422
Figure 0004924422
表4及び表5から、鋼1、鋼3、鋼5、鋼6、鋼10〜19、鋼21及び鋼22の本発明に係る低炭素硫黄快削鋼は、Pbを含まないにも拘わらず、長い工具寿命、良好な切り屑処理性及び小さい仕上げ面粗さを有するとともに浸炭性にも優れていることが明らかである。更に、その熱間加工性は従来のPb快削鋼よりも優れており、工業的な大量生産を行う場合に何ら問題のないものであることも明らかである。
これに対して、本発明で規定する条件から外れた比較例の鋼は、工具寿命、切り屑処理性、仕上げ面粗さ、浸炭性及び熱間加工性のうち少なくとも一つが劣っている。
なお、前述の冷間引き抜き加工して、直径が28mmに仕上げた丸棒の各々について、Df/4(但し、「Df」は丸棒の直径である。)の部位の縦断面方向からミクロ観察用試験片を切り出し、Mn系硫化物の調査を行った。すなわち、前記の試験片を樹脂に埋め込んで鏡面研磨し、画像解析ソフトが導入された自動画像解析装置を用いて、被検面積5.2mmの視野に存在するMn系硫化物の幅、最短平均粒子間距離及び分布密度を測定した。なお、「最短平均粒子間距離」とは、観察された個々のMn系硫化物の中心座標から最も近い距離にあるMn系硫化物の中心座標間の距離を各々のMn系硫化物について求め、これらを平均化した値である。
その結果、鋼1、鋼3、鋼5、鋼6、鋼10〜19、鋼21及び鋼22の本発明に係る低炭素硫黄快削鋼の場合には、幅が大きく最短平均粒子間距離の小さいMn系硫化物が大きな分布密度で存在していること、具体的には、幅が4μm以上で最短平均粒子間距離が50μm以下のMn系硫化物が、80個/mm以上という大きな分布密度で存在していることが判明した。
以上、実施例によって本発明を具体的に説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例として開示のないものも本発明の要件を満たしさえすれば当然に本発明に含まれる。
本発明の鋼はPb非添加の「地球環境に優しい快削鋼」であるにも拘わらず、100m/分以下の比較的低速領域でHSS工具を用いた切削の際に、従来のPb快削鋼及びPb添加複合快削鋼と同等以上の良好な被削性、つまり、長い工具寿命、良好な切り屑処理性及び小さい仕上げ面粗さを有するとともに浸炭性に優れ、しかも、連続鋳造性に優れるため安価に大量生産することができる。したがって、自動車用のブレーキパーツ、パソコン周辺機器部品及び電気機器部品など軟質の小物部品の素材として用いることができる。

Claims (3)

  1. 質量%で、C:0.05%以上0.20%未満、Si:0.02%未満、Mn:1.42〜1.8%、P:0.005〜0.25%、S:0.40%を超えて0.60%以下、Al:0.003%未満、O:0.0090〜0.0280%、N:0.0080〜0.0250%を含有し、残部はFe及び不純物からなり、不純物中のCa、Mg、Ti、Zr及びREMが、Ca:0.001%未満、Mg:0.001%未満、Ti:0.002%未満、Zr:0.002%未満及びREM:0.001%未満であって、かつ、下記(1)式及び(2)式を満たすことを特徴とする低炭素硫黄快削鋼。
    Mn×O>0.018・・・(1)
    2.5<Mn/(S+O)<3.5・・・(2)
    但し、(1)式及び(2)式中の元素記号は、その元素の質量%での鋼中含有量を表す。
  2. Feの一部に代えて、Te:0.0005〜0.03%、Sn:0.001%以上0.50%未満及びSe:0.0005%以上0.30%未満のうちの1種以上を含有する請求項1に記載の低炭素硫黄快削鋼。
  3. Feの一部に代えて、Cu:0.01〜1.0%、Ni:0.01〜1.0%、Cr:0.01〜1.0%及びMo:0.01〜0.5%のうちの1種以上を含有する請求項1又は2に記載の低炭素硫黄快削鋼。
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