JP2005068231A - インクジェット記録方法及び記録物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、画像濃度変動及び色変動の少なく、更に酸化性ガス褪色耐性、にじみ耐性及びブロンジング耐性が改良された画像が得られるインクジェット記録方法及び記録物を提供することにある。
【解決手段】 少なくとも水溶性染料、高沸点溶剤及び樹脂微粒子分散物を含有し、該高沸点溶剤の含有率が10〜50%であるインクを、ノズルピッチが180dpi(dpi:2.54cm当たりのドット数を表す)以上のヘッドを用いて、カチオン媒染剤を含む空隙型インクジェット記録媒体に印字して記録するインクジェット記録方法であって、主走査ドット解像度が360dpi以上であることを特徴とするインクジェット記録方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規のインクジェット記録方法及び記録物に関し、詳しくは、画像濃度変動、色変動が少なく、かつ酸化性ガス褪色耐性、にじみ耐性、ブロンジング耐性が改良され画像が得られるインクジェット記録方法及び記録物に関する。
インクジェット記録は、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて紙などのインクジェット記録媒体に付着させ、画像・文字などの記録を行うものであるが、比較的高速、低騒音、多色化が容易である等の利点を有している。
近年、インクジェット技術の進歩は目覚ましく、プリンター技術、インク技術、専用記録媒体技術の向上と相まって写真画質と呼ばれる様になっている。特に専用記録媒体としてフィラーとバインダーから主に構成される空隙タイプはインク吸収性が速いため、高画質画像を高速で記録するのに適している。高速記録が可能になるにつれ、空隙タイプに印字した画像を印字直後に重ねたままにすると画像濃度や、色が変化する問題がでており改善が求められている。
一方、画質の向上に伴い、インクジェット画像の保存性が従来の銀塩写真と比較されるようになり、特に染料インクにおいて、インクジェット画像の耐水性、耐にじみ性の弱さといった色剤の移動を伴う劣化や、耐光性や耐酸化性ガス性への弱さといった色剤特有の化学反応を伴う劣化が指摘されている。
上記課題に対し、インクにラテックスあるいはポリマー微粒子を添加することで耐水性や耐光性を向上させる方法が開示されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。更に、オゾンガス耐性の向上を目的として、インク中に樹脂を添加する方法が開示されている(例えば、特許文献3及び4参照。)。更には、インク中にラテックスあるいはポリマー微粒子を添加する技術が開示されている(例えば、特許文献5〜9参照。)。
しかしながら、上記各特許文献には、印字直後にプリントを重ねたままにすることでの画像濃度変動や、色調変動に関する課題を解決する方法に関する記載は一切は見られない。
特開昭55−18412号公報 (特許請求の範囲) 特開平11−199808号公報 (特許請求の範囲) 特開2001−187852号公報 (特許請求の範囲) 特開2002−240413号公報 (特許請求の範囲) 特開2002−80759号公報 (特許請求の範囲) 特開2002−194253号公報 (特許請求の範囲) 特開2002−264490号公報 (特許請求の範囲) 特開2002−285049号公報 (特許請求の範囲) 特開2003−55586号公報 (特許請求の範囲)
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、第1の目的は、画像濃度変動及び色変動の少ない画像が得られるインクジェット記録方法及び記録物を提供することにあり、第2の目的は、酸化性ガス褪色耐性、にじみ耐性及びブロンジング耐性が改良された画像が得られるインクジェット記録方法及び記録物を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
少なくとも水溶性染料、高沸点溶剤及び樹脂微粒子分散物を含有し、該高沸点溶剤の含有率が10〜50%であるインクを、ノズルピッチが180dpi(dpi:2.54cm当たりのドット数を表す)以上のヘッドを用いて、カチオン媒染剤を含む空隙型インクジェット記録媒体に印字して記録するインクジェット記録方法であって、主走査ドット解像度が360dpi以上であることを特徴とするインクジェット記録方法。
(請求項2)
前記カチオン媒染剤として、カチオン性ポリマーを0.2〜3g/m2含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
(請求項3)
前記カチオン媒染剤として、多価金属塩を0.1〜1g/m2含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
(請求項4)
請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法により記録したことを特徴とする記録物。
本発明によれば、画像濃度変動及び色変動の少なく、更に酸化性ガス褪色耐性、にじみ耐性及びブロンジング耐性が改良された画像が得られるインクジェット記録方法及び記録物を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、インクに樹脂微粒子分散物を添加することにより、印字直後のプリント重ねや印字環境による濃度変動や色度変動をある程度は改良できることを見いだしたが、その効果は未だ不十分であった。そこで、種々のインクジェット記録方法について更に検討を重ねた結果、ある程度高速でインクジェット記録を行い、かつ高沸点溶剤の含有率を10〜50%としたインクを、カチオン媒染剤を含む空隙型の記録媒体上に画像印字することにより、上記変動を更に抑制できることを見出した。
この現象についてはいまだ不明な点が多いが、以下のように推測している。
インク中に溶解している染料は、空隙型のインクジェット記録媒体内に浸透しながら記録媒体内に含まれる定着剤により定着される。定着状態、例えば、定着される場所(表面近傍、深部等)やそのときの染料の状態などに変化により、発色性、濃度あるいは色相が変わることが考えられる。
印字直後から比較的短時間に染料がどのように定着するかはいまだ不明な点が多いが、印字直後はインク中の残留溶媒が多量に残っており、また、染料と定着剤との反応も完了してないため、非常に不安定な状態にあり、印字済みのプリントが保存される環境により定着状態が影響を受けると考えられる。特に、空隙型の記録媒体の場合、インク中の溶媒の乾燥も速く、特に印字後30分程度で多量に乾燥するため、定着状態にとっては非常に不安定である。このとき、プリントを重ねるなどして溶媒の乾燥が妨げられると、定着状態に影響を与え、濃度や色が変動するものと思われる。本発明者は、インク中に樹脂微粒子を添加することにより、インク溶媒の乾燥を適度に遅らせることができることを見出した。しかしながら、上記構成だけでは、濃度変動、色変動をある程度改善するもののまだ不十分である。そこで上記のごとく、ある程度高速でインクジェット記録を行い、かつ高沸点溶剤の含有率が10〜50%であるインクを、カチオン媒染剤を含む空隙型記録媒体上に画像印字することにより、上記変動を更に抑制できることを見出した。
ある程度高速でインクジェット記録した場合に上記変動を抑制できる理由については以下のように考えている。すなわち、インク中の樹脂微粒子分散物は、記録媒体に着弾した後、インク溶媒が吸収され乾燥することで、微粒子同士が近づき融着、成膜が始まる。記録速度が遅いと記録中に融着、成膜が始まる場合がある。これにより、同一箇所に重ね打ちされる場合は、先に着弾したインク液滴中の樹脂微粒子の融着、成膜が始まるため、後から着弾したインク液滴は、ドット広がりや、樹脂微粒子の融着、成膜に影響を受けるので、成膜後の均一性に影響を受ける。一方、ある程度高速で記録した場合は、樹脂微粒子間の乾燥が起こりにくいため、成膜の均一性が比較的高い。この均一性の差が先の溶媒乾燥性に影響するなどして濃度、色変動差を有効に抑制できたものと考えている。
はじめに、本発明に係るインクについて説明する。
本発明に係る樹脂微粒子分散物は、媒質中、例えば、水中に分散状態にある樹脂粒子を含むものであり、樹脂微粒子はポリマー微粒子あるいはラテックスとも呼ばれている。
上記樹脂微粒子は、各種ポリマーの水分散体の形態で用いることができる。具体的には、アクリル系、スチレン−アクリル系、アクリロニトリル−アクリル系、酢酸ビニル系、酢酸ビニル−アクリル系、酢酸ビニル−塩化ビニル系、ポリウレタン系、シリコン−アクリル系、アクリルシリコン系、ポリエステル系、エポキシ系の各ポリマーを挙げることができる。
通常、これらの樹脂微粒子は、乳化重合法によって得られる。そこで用いられる界面活性剤、重合開始剤等については、常法で用いられるものを用いれば良い。樹脂微粒子の合成法に関しては、米国特許第2,852,368号、同2,853,457号、同3,411,911号、同3,411,912号、同4,197,127号、ベルギー特許第688,882号、同691,360号、同712,823号、特公昭45−5331号、特開昭60−18540号、同51−130217号、同58−137831号、同55−50240号等に詳しく記載されている。
本発明に係るインクで用いる樹脂微粒子は、平均粒径が10〜200nmであることが好ましく、より好ましくは10〜150nm、更に好ましくは10〜100nmである。
樹脂微粒子の平均粒径が10nm以上であれば、樹脂微粒子が空隙層内部に浸透せず、空隙層表面に存在するため、光沢性の面で好ましい。また、樹脂微粒子の平均粒径が200nm以下であれば、樹脂微粒子がある程度小さいため、空隙層表面でのレベリング性の観点で有利となり、光沢性の面で好ましい。
樹脂微粒子の平均粒径は、光散乱方式やレーザードップラー方式を用いた市販の粒径測定装置、例えば、ゼータサイザー1000(マルバーン社製)等を用いて、簡便に求めることができる。
本発明に係るインクにおいては、樹脂微粒子のインク中での含有量が、0.2〜10質量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜5質量%である。樹脂微粒子の添加量が0.2質量%以上であれば、褪色性に対しより十分な効果を発揮することができ、10質量%以下であれば、インク吐出性がより安定となり、更に保存中でのインク粘度の上昇を抑制することができより好ましい。
本発に係る樹脂微粒子においては、最低造膜温度(MFT)が、−60〜60℃であることが好ましい。本発明においては、樹脂微粒子の最低造膜温度をコントロールするために造膜助剤を添加してもよい。造膜助剤は、可塑剤ともよばれポリマーラテックスの最低造膜温度を低下させる有機化合物(通常有機溶媒)であり、例えば「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970))」に記載されている。
本発明で用いることのできる水溶性染料としては、例えば、アゾ染料、メチン染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、キノン染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメタン染料、ジフェニルメタン染料等を挙げることができ、その具体的化合物としては、例えば、特開2002−264490号公報に例示した染料を挙げることができる。
本発明に係るインクにおいては、インク中に高沸点溶剤を10〜50%含有することが特徴の1つである。10%より少ない場合は、得られる画像濃度や色変動が大きくなり許容できないレベルになってしまう。これは、インク中の水分量が増えるためで記録直後の乾燥の影響が大きいためと考えられる。またこの場合は、ブロンジングが発生したり、オゾン等による有害ガス褪色が悪化するなど、他の悪影響を誘発するため好ましくない。また、50%より多い場合も得られる画像濃度や色変動が大きくなり許容できないレベルになってしまう。高沸点溶剤量が多すぎる場合は、染料の定着性が劣り、画像濃度、色変動に対する改良も限定的であり、また、長期保存時のにじみも多く、また有害ガス耐性の防止効果も限定的で好ましくない。本発明の効果をより大きくするためには、高沸点溶剤量は20〜40%であることが好ましい。
本発明に係る高沸点溶剤は水に溶解もしくは混和性のあるもので、水より沸点の高いものでればよいが、好ましくは沸点が150℃以上、300℃未満のものである。
例えば、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等)等の他、下記に列挙する有機溶剤の中から、沸点が150℃以上、300℃未満のものを適宜選択して用いることができる。
本発明に係るインクにおいては、上記高沸点有機溶剤と共に、その他のインク溶剤を用いることができ、本発明で用いることのできる有機溶媒は、特に制限はないが、水溶性の有機溶媒が好ましく、具体的にはアルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、スルホン酸塩類(例えば1−ブタンスルホン酸ナトリウム塩等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。
本発明に係るインクにおいて、各種の界面活性剤を用いることができる。本発明で用いることのできる界面活性剤として、特に制限はないが、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。特にアニオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
また、本発明におけるインク中に、高分子界面活性剤も用いることができ、例えば、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体等を挙げることができる。
本発明に係るインクでは、上記説明した以外に、必要に応じて、出射安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができ、例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号および特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤等を挙げることができる。
本発明に係るインクでは、安定吐出するためと、インクの記録媒体でのレベリングによる光沢性の観点から、インクの表面張力は40mN/m以下であることが好ましく、20〜40mN/mであることがより好ましい。表面張力が20mN/m以上であれば、本発明に係るインク中の樹脂微粒子の保存安定の面で好ましく、また、40mN/m以下であれば、インクの記録媒体でのレベリング性が高まり、光沢の面で好ましい。
次いで、本発明に係る記録媒体について説明する。
一般に、インク吸収層としては、大きく分けて膨潤型と空隙型があるが、本発明においては、一次粒子径が30nm以下のフィラーを主成分として構成されている空隙構造を有する層(以下、空隙層ともいう)を設けたインクジェット記録媒体を用いることが好ましい。
一次粒子径が30nmより大きいものを用いると濃度低下や、彩度低下を引き起こすため、好ましくは、一次粒子径が20nm以下、より好ましくは15nm以下である。
通常でも記録媒体の一次粒子径が小さい方がインク吸収層の透明性が高く、比較的高い濃度が得られるが、本発明に係る樹脂微粒子及び表面張力低下剤を含有するインクの場合、特に、一次粒子径の影響が大きく、30nm以下のフィラーを主成分とした場合に高い最大濃度と高彩度画像を得ることができた。
フィラーとしてはシリカ、アルミナが好ましく、特にシリカは、画質、最大濃度、彩度、光沢から好ましく、特に気相法シリカが好ましい。
以下、空隙層について、更に詳しく説明する。
空隙層は、主に親水性バインダーとフィラー(以下、無機微粒子ともいう)との質量比で2:1〜20:1の範囲で使用して形成されるものである。従来より、皮膜中に空隙を形成する方法は種々知られており、例えば、二種以上のポリマーを含有する均一な塗布液を支持体上に塗布し、乾燥過程でこれらのポリマーを互いに相分離させて空隙を形成する方法、固体微粒子および親水性または疎水性樹脂を含有する塗布液を支持体上に塗布し、乾燥後に、インクジェット記録媒体を水或いは適当な有機溶媒を含有する液に浸漬し、固体微粒子を溶解させて空隙を作製する方法、皮膜形成時に発泡する性質を有する化合物を含有する塗布液を塗布後、乾燥過程でこの化合物を発泡させて皮膜中に空隙を形成する方法、多孔質固体微粒子と親水性バインダーを含有する塗布液を支持体上に塗布し、多孔質微粒子中や微粒子間に空隙を形成する方法、親水性バインダーに対して、概ね等量以上の容積を有する固体微粒子及びまたは微粒子油滴と親水性バインダーを含有する塗布液を支持体上に塗布し、固体微粒子の間に空隙を形成する方法等が知られている。本発明に係る記録媒体においては、本発明の目的効果を損なわない範囲で、空隙層の上に保護層等を設けても良い。
上記の目的で使用される無機微粒子としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、シリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることができる。
無機微粒子の平均粒径は、粒子そのものあるいは空隙層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、1,000個の任意の粒子の粒径を測定し、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒子の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定したときの直径で表したものである。
本発明で好ましく用いることのできるシリカとしては、通常の湿式法で合成されたシリカ、コロイダルシリカ或いは気相法で合成されたシリカ等が好ましく用いられるが、本発明において特に好ましく用いられる微粒子シリカとしては、コロイダルシリカまたは気相法で合成された微粒子シリカが好ましく、中でも気相法により合成された微粒子シリカは、高い空隙率が得られるだけでなく、染料を固定化する目的で用いられるカチオン性ポリマーに添加したときに、粗大凝集体が形成されにくいので好ましい。また、アルミナまたはアルミナ水和物は、結晶性であっても非晶質であってもよく、また不定形粒子、球状粒子、針状粒子など任意の形状のものを使用することができる。
無機微粒子は、カチオン性ポリマーと混合する前の微粒子分散液が一次粒子まで分散された状態であるのが好ましい。
無機微粒子は、その粒径が30nm以下であることが好ましい。例えば、上記気相法微粒子シリカの場合、一次粒子の状態で分散された無機微粒子の一次粒子の平均粒径(塗設前の分散液状態での粒径)は、30nm以下のものがあるが、本発明では、30nm以下の無機微粒子を用いることが好ましく、より好ましくは4〜30nm、最も好ましくは4〜20nmである。
最も好ましく用いられる、一次粒子の平均粒径が4〜20nmである気相法により合成されたシリカとしては、例えば、日本アエロジル社製のアエロジルが市販されている。この気相法微粒子シリカは、水中に、例えば、三田村理研工業株式会社製のジェットストリームインダクターミキサーなどにより、容易に吸引分散することで、比較的容易に一次粒子まで分散することができる。
本発明においては、空隙層に水溶性バインダーを含有することができる。本発明で用いることのできる水溶性バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、デキストラン、デキストリン、カラーギーナン(κ、ι、λ等)、寒天、プルラン、水溶性ポリビニルブチラール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。これらの水溶性バインダーは、二種以上併用することも可能である。
本発明で好ましく用いられる水溶性バインダーは、ポリビニルアルコールである。
本発明で好ましく用いられるポリビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは、平均重合度が1,000以上のものが好ましく用いられ、特に平均重合度が1,500〜5,000のものが好ましく用いられる。また、ケン化度は、70〜100%のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に好ましい。
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開昭61−10483号に記載されているような、第一〜三級アミノ基や第四級アンモニウム基を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(2−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。
カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。
アニオン変性ポリビニルアルコールは、例えば、特開平1−206088号に記載されているようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号および同63−307979号に記載されているような、ビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体及び特開平7−285265号に記載されているような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
また、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号に記載されているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号に記載されている疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等が挙げられる。ポリビニルアルコールは、重合度や変性の種類違いなど二種類以上を併用することもできる。
空隙層で用いられる無機微粒子の添加量は、要求されるインク吸収容量、空隙層の空隙率、無機顔料の種類、水溶性バインダーの種類に大きく依存するが、一般には、記録媒体1m2当たり、通常5〜30g、好ましくは10〜25gである。
また、空隙層に用いられる無機微粒子と水溶性バインダーの比率は、質量比で通常2:1〜20:1であり、特に、3:1〜10:1であることが好ましい。
また、分子内に第四級アンモニウム塩基を有するカチオン性の水溶性ポリマーを含有しても良く、インクジェット記録媒体1m2当たり通常0.1〜10g、好ましくは0.2〜5gの範囲で用いられる。
空隙層において、空隙の総量(空隙容量)は記録媒体1m2当り20ml以上であることが好ましい。空隙容量が20ml/m2未満の場合、印字時のインク量が少ない場合には、インク吸収性は良好であるものの、インク量が多くなるとインクが完全に吸収されず、画質を低下させたり、乾燥性の遅れを生じるなどの問題が生じやすい。
インク保持能を有する空隙層において、固形分容量に対する空隙容量を空隙率という。本発明において、空隙率を50%以上にすることが、不必要に膜厚を厚くさせないで空隙を効率的に形成できるので好ましい。
本発明に係るインクジェット記録媒体においては、カチオン媒染剤を含有することが特徴の1つである。
カチオン媒染剤としては、特に制限はないが、カチオン性ポリマーあるいは多価金属塩であることが好ましい。
本発明で用いることのできるカチオン性高分の具体例としては、公知のポリマーを使用することができ、例えば、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ジシアンジアミドポリアルキレンポリアミン、ジアルキルアミンとエピクロロヒドリンの縮合物、ポリビニルアミン、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾール、ジアリルジメチルアンモニウム塩の縮合物、ポリアクリル酸エステルの4級化物等が挙げられるが、特に、特開平10−193776号公報、同10−217601号公報、同11−20300号公報および特願平10−178126号公報等に記載されているものが好ましい。
本発明においては、カチオン性ポリマーは特に限定なく使用可能であるが、特に好ましいものは、重量平均分子量が2000〜10万のものである。
ポリマー媒染剤としては第1級〜第3級アミノ基および第4級アンモニウム塩基を有するカチオン性ポリマー媒染剤が用いられるが、経時での変色や耐光性の劣化が少ないこと、染料の媒染能が充分高いことなどから、第4級アンモニウム塩基を有するカチオン性ポリマー媒染剤が好ましい。
本発明に好ましく用いられるカチオン性ポリマーは、より好ましくは第4級アンモニウム塩基を有するポリマーであり、特に好ましくは第4級アンモニウム塩基を有するモノマーの単独重合体または他の共重合し得る1または2以上のモノマーとの共重合体である。
第4級アンモニウム塩基を有するモノマーの例としては例えば以下の例を挙げることが出来る。
Figure 2005068231
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第4級アンモニウム塩基と共重合し得るモノマーはエチレン性不飽和基を有する化合物であり、例えば以下の具体例を挙げることが出来る。
Figure 2005068231
以下に本発明に好ましく用いられるカチオン性ポリマーの具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005068231
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Figure 2005068231
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特に第4級アンモニウム塩基を有するカチオン性ポリマーが共重合体である場合、カチオン性モノマーの比率は通常10モル%以上、好ましくは20モル%以上、特に好ましくは30モル%以上である。
第4級アンモニウム塩基を有するモノマーは単一でも2種類以上であっても良い。
第4級アンモニウム塩基を有するカチオン性ポリマーは第4級アンモニウム塩基のために水溶性が一般に高いが、共重合する第4級アンモニウム塩基を含まないモノマーの組成や比率によっては水に充分に溶解しないことがあるが、水混和性有機溶媒と水との混合溶媒に溶解させることにより溶解し得るもので有れば本発明には使用できる。
ここで水混和性有機溶媒とは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノールなどのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンなどのグリコール類、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類など、水に対して通常10%以上溶解し得る有機溶媒を言う。この場合、有機溶媒の使用量は水の使用量以下であることが好ましい。
ここで重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーから求められたポリエチレングリコール値に換算した値である。
カチオン性ポリマーの溶液を、表面アニオン性の微粒子含有分散液に添加する際、凝集物が激しく発生してしまうことがあり得るが、カチオン性ポリマーの重量平均分子量が10万以下の場合にはこのような現象が起こりにくく、従って、粗大粒子をあまり含まない、ほぼ均一な分散液が得られ易い。このような分散液を使用して作製したインクジェット記録用紙には、優れた光沢性が期待できるのである。同様の観点から、上記重量平均分子量は5万以下であると更に好ましい。
重量平均分子量の下限は染料の耐水性の点から通常2000以上である。
上記微粒子とカチオン性ポリマーの比率は、微粒子の種類や平均粒径又はカチオン性ポリマーの種類や重量平均分子量で変わり得ることができ、本発明においては、上記比率は微粒子の表面がカチオン性に置き換わって安定化させる為に、1:0.01〜1:1であることが好ましい。
上記の範囲であれば、微粒子のアニオン成分がカチオン成分によって完全に被覆されるので、微粒子のアニオン部分とカチオン性ポリマーのカチオン部分とがイオン結合して粗大な粒子を形成するようなおそれも生じない。
また、多価金属塩の具体例としては、例えば、Mg2 +、Ca2 +、Zn2 +、Zr2 +、Ni2 +、Al3 +などの硫酸塩、塩化物、硝酸塩、酢酸塩等で用いられ、好ましくはMg2 +、Zr2 +、Al3 +である。なお、塩基性ポリ水酸化アルミニウムや酢酸ジルコニルなどの無機ポリマー化合物も、好ましい水溶性多価金属化合物の例に含まれる。
本発明で使用するジルコニウム原子を含む化合物は、酸化ジルコニウムを除くものであるが、その具体例としては、二フッ化ジルコニウム、三フッ化ジルコニウム、四フッ化ジルコニウム、ヘキサフルオロジルコニウム酸塩(例えば、カリウム塩)、ヘプタフルオロジルコニウム酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩やアンモニウム塩)、オクタフルオロジルコニウム酸塩(例えば、リチウム塩)、フッ化酸化ジルコニウム、二塩化ジルコニウム、三塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウム、ヘキサクロロジルコニウム酸塩(例えば、ナトリウム塩やカリウム塩)、酸塩化ジルコニウム(塩化ジルコニル)、二臭化ジルコニウム、三臭化ジルコニウム、四臭化ジルコニウム、臭化酸化ジルコニウム、三ヨウ化ジルコニウム、四ヨウ化ジルコニウム、過酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、硫化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、p−トルエンスルホン酸ジルコニウム、硫酸ジルコニル、硫酸ジルコニルナトリウム、酸性硫酸ジルコニル三水和物、硫酸ジルコニウムカリウム、セレン酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、硝酸ジルコニル、リン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、酢酸ジルコニウム、酢酸ジルコニル、酢酸ジルコニルアンモニウム、乳酸ジルコニル、クエン酸ジルコニル、ステアリン酸ジルコニル、リン酸ジルコニル、シュウ酸ジルコニウム、ジルコニウムイソプロピレート、ジルコニウムブチレート、ジルコニウムアセチルアセトネート、アセチルアセトンジルコニウムブチレート、ステアリン酸ジルコニウムブチレート、ジルコニウムアセテート、ビス(アセチルアセトナト)ジクロロジルコニウム、トリス(アセチルアセトナト)クロロジルコニウム等が挙げられる。
これらの化合物の中でも、本発明の目的とするプリント後の滲み防止効果を更に顕著に奏するという観点において、炭酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、酢酸ジルコニル、硝酸ジルコニル、酸塩化ジルコニル、乳酸ジルコニル、クエン酸ジルコニルが好ましく、特に、炭酸ジルコニルアンモニウム、酸塩化ジルコニル、酢酸ジルコニルが好ましい。上記化合物の具体的商品名としては、第一希土類元素化学工業株式会社製の酢酸ジルコニルZA(商品名)や、第一希土類元素化学株式会社製の酸塩化ジルコニル(商品名)等が挙げられる。
本発明で用いることのできる分子内にアルミニウム原子を含む化合物には、酸化アルミニウムは含まず、その具体例としては、フッ化アルミニウム、ヘキサフルオロアルミン酸(例えば、カリウム塩)、塩化アルミニウム、塩基性塩化アルミニウム(例えば、ポリ塩化アルミニウム)、テトラクロロアルミン酸塩(例えば、ナトリウム塩)、臭化アルミニウム、テトラブロモアルミン酸塩(例えば、カリウム塩)、ヨウ化アルミニウム、アルミン酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩)、塩素酸アルミニウム、過塩素酸アルミニウム、チオシアン酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム(ミョウバン)、硫酸アンモニウムアルミニウム(アンモニウムミョウバン)、硫酸ナトリウムアルミニウム、燐酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、燐酸水素アルミニウム、炭酸アルミニウム、ポリ硫酸珪酸アルミニウム、ギ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、蓚酸アルミニウム、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムブチレート、エチルアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセトネート)等を挙げることができる。
これらの中でも、塩化アルミニウム、塩基性塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウム、塩基性硫酸珪酸アルミニウムが好ましく、塩基性塩化アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウムが最も好ましい。
本発明において、カチオン性ポリマー及び多価金属塩の使用にあたっては、その添加量が重要である。
カチオン性ポリマーを用いる場合、記録媒体1m2当たり0.2〜3gの範囲で用いることが好ましい。0.2g/m2より少ないと樹脂微粒子をインクに添加したことによる濃度変動抑制効果がやや弱いばかりか、にじみ抑制、オゾン褪色防止の効果もやや弱い。逆に、3g/m2より多い場合は、樹脂微粒子をインクに添加したことによる濃度変動抑制効果がやや弱いばかりか、オゾン褪色防止の効果もやや弱く、ブロンジングが発生しやすい。本発明の効果をより大きくする発現するためには、カチオン性ポリマーは1〜2g/m2用いることが特に好ましい。
同様の理由により多価金属塩を用いる場合、0.1〜1g/m2の範囲で用いることが好ましい。本発明の効果をより大きく発現するためには、多価金属塩は0.4〜0.8g/m2用いることが特に好ましい。
本発明に係るインクジェット記録媒体においては、硬化剤を使用することが好ましい。硬化剤は、インクジェット記録媒体作製の任意の時期に添加することができ、例えば、空隙層形成用の塗布液中に添加しても良い。
本発明において、硬膜剤を使用する場合には、空隙層形成後に、水溶性バインダーの硬化剤を供給する方法を単独で用いても良いが、好ましくは、上述の硬化剤を空隙層形成用の塗布液中に添加する方法と併用して用いることである。
本発明で用いることのできる硬化剤としては、水溶性バインダーと硬化反応を起こすものであれば特に制限はないが、ホウ酸及びその塩が好ましいが、その他にも公知のものが使用でき、一般的には水溶性バインダーと反応し得る基を有する化合物あるいは水溶性バインダーが有する異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、水溶性バインダーの種類に応じて適宜選択して用いられる。硬化剤の具体例としては、例えば、エポキシ系硬化剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬化剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬化剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、アルミニウム明礬等が挙げられる。
ホウ酸またはその塩とは、硼素原子を中心原子とする酸素酸およびその塩のことをいい、具体的には、オルトホウ酸、二ホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸および八ホウ酸およびそれらの塩が挙げられる。
硬化剤としてのホウ素原子を有するホウ酸およびその塩は、単独の水溶液でも、また、2種以上を混合して使用しても良い。特に好ましいのはホウ酸とホウ砂の混合水溶液である。
ホウ酸とホウ砂の水溶液は、それぞれ比較的希薄水溶液でしか添加することが出来ないが両者を混合することで濃厚な水溶液にすることが出来、塗布液を濃縮化する事が出来る。また、添加する水溶液のpHを比較的自由にコントロールすることが出来る利点がある。
上記硬化剤の総使用量は、上記水溶性バインダー1g当たり1〜600mgが好ましい。
次いで、本発明に係るインクジェット記録媒体で用いる支持体について説明する。
本発明で用いることのできる支持体としては、従来からインクジェット記録媒体に用いられている支持体、例えば、普通紙、アート紙、コート紙およびキャストコート紙などの紙支持体、プラスチック支持体、両面をポリオレフィンで被覆した紙支持体、これらを張り合わせた複合支持体等を、適宜選択して用いることができるが、本発明においては、用いる支持体が、非吸水性支持体であることが好ましい。本発明でいう非吸水性支持体とは、水が通過しないような材質及び緻密性を有した支持体である。非吸水性支持体としては、プラスチック支持体又は両面をポリオレフィンで被覆した紙支持体であることが、より酸化性ガス耐性に優れるため、特に好ましい。これらの非吸水性支持体は、記録画像が写真画質に近く、かつ低コストで高品質の画像が得られるため、特に好ましい。
以下、原紙支持体の両面をポリオレフィンで被覆した紙支持体について説明する。
紙支持体に用いられる原紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じて、木材パルプに加えてポリプロピレンなどの合成パルプあるいはナイロンやポリエステルなどの合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとしては、LBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いることができるが、短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。ただし、LBSPおよびまたはLDPの比率は10質量%以上、70質量%以下が好ましい。
上記パルプには、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いられ、また、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも有用である。原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、四級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加することができる。
抄紙に使用するパルプの濾水度は、CSFの規定で200〜500mlが好ましく、また、叩解後の繊維長がJIS−P−8207に規定される24メッシュ残分の質量%と42メッシュ残分の質量%との和が30〜70%が好ましい。なお、4メッシュ残分の質量%は、20質量%以下であることが好ましい。原紙の坪量は、30〜250g/m2が好ましく、特に50〜200g/m2が好ましい。原紙の厚さは40〜250μmが好ましい。原紙は、抄紙段階または抄紙後にカレンダー処理して、高平滑性を与えることもできる。原紙密度は0.7〜1.2g/m2(JIS−P−8118)が一般的である。更に、原紙剛度はJIS−P−8143に規定される条件で20〜200gが好ましい。原紙表面には表面サイズ剤を塗布しても良く、表面サイズ剤としては前記原紙中添加できるサイズ剤と同様のサイズ剤を使用できる。原紙のpHは、JIS−P−8113で規定された熱水抽出法により測定された場合、5〜9であることが好ましい。
原紙表面および裏面を被覆するポリエチレンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)および/または高密度のポリエチレン(HDPE)であるが、他にLLDPE(リニアローデンシティーポリエチレン)やポリプロピレン等も一部使用することができる。特に、空隙層側のポリエチレン層は、写真用印画紙で広く行われているように、ルチルまたはアナターゼ型の酸化チタンをポリエチレン中に添加し、不透明度および白色度を改良したものが好ましい。酸化チタン含有量は、ポリエチレンに対して通常3〜20質量%、好ましくは4〜13質量%である。
ポリエチレン被覆紙は、光沢紙として用いることも、また、ポリエチレンを原紙表面上に溶融押し出してコーティングする際に、いわゆる型付け処理を行って、通常の写真印画紙で得られるようなマット面や絹目面を形成した物も本発明で使用できる。
原紙の表裏のポリエチレンの使用量は、空隙層やバック層を設けた後、低湿および高湿下でのカールを最適化するように選択されるが、通常、空隙層側のポリエチレン層が20〜40μm、バック層側が10〜30μmの範囲である。
更に、上記ポリエチレンで被覆紙支持体は、以下の特性を有していることが好ましい。
1.引っ張り強さ:JIS−P−8113で規定される強度で、縦方向が20〜300N、横方向が10〜200Nであることが好ましい
2.引き裂き強度:JIS−P−8116に規定される方法で、縦方向が0.1〜20N、横方向が2〜20Nが好ましい
3.圧縮弾性率≧98.1MPa
4.表面ベック平滑度:JIS−P−8119に規定される条件で、20秒以上が光沢面としては好ましいが、いわゆる型付け品ではこれ以下であっても良い
5.不透明度:JIS−P−8138に規定された方法で測定したとき、80%以上、特に85〜98%が好ましい
6.白さ:JIS−Z−8729で規定されるL*、a*、b*が、L*=80〜95、a*=−3〜+5、b*=−6〜+2であることが好ましい
7.表面光沢度:JIS−Z−8741に規定される60度鏡面光沢度が、10〜95%であることが好ましい
8.クラーク剛直度:記録媒体の搬送方向のクラーク剛直度が50〜300cm2/100である支持体が好ましい
9.中紙の含水率:中紙に対して、通常2〜100質量%、更には2〜6質量%であることが好ましい
また、本発明で用いることのできるプラスチック支持体は、透明であっても不透明であってもよく、種々の樹脂フィルムを用いることができ、ポリオレフィンフィルム(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリ塩化ビニル、3酢酸セルロース等を用いることができ、好ましくはポリエステルフィルムである。ポリエステルフィルム(以降ポリエステルと称す)としては、特に限定されるものではないが、ジカルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成分とするフィルム形成性を有するポリエステルであることが好ましい。主要な構成成分のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げることができる。また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。これらを主要な構成成分とするポリエステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸や2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコールや1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、およびこれらのポリエステルの二種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。
本発明に係るインクジェット記録媒体においては、表面平均粗さRaが20〜100nmであることが好ましい。空隙型記録媒体の表面平均粗さRaが20nm以上であれば、十分な空隙が形成され、インク吸収性が十分となり、インク溢れなどが発生せず沢性の面で好ましく、表面平均粗さRaが100nm以下であれば、表面の平滑性が高く、光沢性も好ましい。
次に、本発明に係る記録媒体の製造方法について説明する。
インクジェット記録媒体の製造方法としては、空隙層を含む各構成層を、各々単独にあるいは同時に、公知の塗布方式から適宜選択して、支持体上に塗布、乾燥して製造することができる。塗布方式としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、あるいは米国特許第2,761,419号、同第2,761,791号公報に記載のホッパーを使用するスライドビード塗布方法、エクストルージョンコート法等が好ましく用いられる。
同時重層塗布を行う際の各塗布液の粘度としては、スライドビード塗布方式を用いる場合には、5〜100mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは10〜50mPa・sの範囲である。また、カーテン塗布方式を用いる場合には、5〜1200mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは25〜500mPa・sの範囲である。
また、塗布液の15℃における粘度としては、100mPa・s以上が好ましく、100〜30,000mPa・sがより好ましく、さらに好ましくは3,000〜30,000mPa・sであり、最も好ましいのは10,000〜30,000mPa・sである。
塗布および乾燥方法としては、塗布液を30℃以上に加温して、同時重層塗布を行った後、形成した塗膜の温度を1〜15℃に一旦冷却し、10℃以上で乾燥することが好ましい。塗布液調製時、塗布時及び乾燥時おいて、最表層に含まれる熱可塑性樹脂が製膜しないように、該熱可塑性樹脂のTg以下の温度で塗布液の調製、塗布、乾燥することが好ましい。より好ましくは、乾燥条件として、湿球温度5〜50℃、膜面温度10〜50℃の範囲の条件で行うことである。また、塗布直後の冷却方式としては、形成された塗膜均一性の観点から、水平セット方式で行うことが好ましい。
次いで、本発明のインクジェット記録方法について説明する。
はじめに、高速で印字する方法の具体的方法を以下に説明する。
通常写真のような高画質記録を専用紙を用いて印字する場合、ドットの合一を防いだり、インクあふれを抑制するために複数回の操作で一定面積の印字を完了する。例えば、ノズルピッチ120dpiのヘッドを用いて、主操作ドット解像度360dpiの条件で、画像解像度として主操作方向1440dpi,副操作方向720dpiの画像を記録する場合、1インチ(2.54cm)四方の画像記録に、24回の操作(インターリーブ)が必要となる。しかし、この条件では上記の濃度変動を防ぐほどの高速印字には不十分であった。これに対して例えば、ノズルピッチ180dpiのヘッドを用いて、主操作ドット解像度720dpiの条件で、画像解像度として主操作方向1440dpi,副操作方向720dpiの画像を記録する場合、1インチ四方の画像記録に、8回の操作(インターリーブ)で記録が終了する。これは、先の例の1/3でありはるかに高速で印字が終了していることがわかる。この場合、上記の濃度変動を抑制するのに十分な効果があることがわかった。
ノズルピッチおよび、主操作ドット解像度を種々変化させて本発明の効果との関係を詳細に検討したところ、ノズルピッチが180dpi以上のヘッドを用いて、かつ、主操作ドット解像度360dpi以上の場合に画像劣化を防ぐのに十分な効果があることがわかった。ノズルピッチとしては、360dpi以上がより好ましい。また、主操作ドット解像度720dpi以上がより好ましい。更には、ノズルピッチとしては、360dpi以上かつ、主操作ドット解像度720dpi以上が最も好ましい。
また、主操作速度によっては本発明の効果が発現できないことがあるため、好ましくは30cm/秒以上の主操作速度が好ましい。より好ましくは45cm/秒以上が好ましい。
本発明で用いることのできるプリンターは、市販されているプリンターのように、例えば、記録用紙収納部、搬送部、インクカートリッジ、インクジェットプリントヘッドを有するものであれば特に制約はないが、少なくともロール状の記録用紙収納部、搬送部、インクジェットプリントヘッド、切断部、及び、必要に応じて加熱部、加圧部、記録プリント収納部から構成される一連のプリンターセットであることが好ましい。使用するインクジェットプリントヘッドは、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また、吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(R)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)などを挙げることができ、好ましくは、樹脂微粒子を含有するインクの連続射出安定性に優れたピエゾ方式を用いたヘッドが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない
《インクセットの調製》
〔各色インクの調製〕
水溶性染料、有機溶媒、界面活性剤及び水を、表1〜7に記載の構成で混合して、イエローインク1〜6(表1)、マゼンタインク1〜6(表2)、ライトマゼンタインク(表3)、シアンインク1〜6(表4)、ライトシアンインク1〜6(表5)、ブラックインク1〜6(表5)、ライトブラックインク1〜6(表7)を調製した。
Figure 2005068231
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なお、上記表1〜7に記載の各添加剤の略称の詳細は、以下の通りである。
AY23:C.I.Acid Yellow23
DR227:C.I.Direct Red227
DB199:C.I.Direct Blue199
FB2:C.I.Food Black2
SF300:スーパーフレックス300(第一工業製薬社製)
SF361:スーパーフレックス361(第一工業製薬社製)
solv1:エチレングリコール
solv2:プロピレングリコール
solv3:ジエチレングリコール
solv4:トリエチレングリコール
solv5:グリセリン
solv6:トリエチレングリコールモノブチルエーテル
solv7:2−ピロリジノン
S465:サーフィノール465(日信化学工業社製 ノニオン界面活性剤)
〔インクセット〕
上記作製した各色インクを用いて、下記の組み合わせにてインクセット1〜9を調製した。
〈インクセット1:比較例〉
イエローインク1/マゼンタインク1/ライトマゼンタインク1/シアンインク1/ライトシアンインク1/ブラックインク1/ライトブラックインク1
〈インクセット2:本発明〉
イエローインク2/マゼンタインク2/ライトマゼンタインク2/シアンインク2/ライトシアンインク2/ブラックインク2/ライトブラックインク2
〈インクセット3:本発明〉
イエローインク3/マゼンタインク3/ライトマゼンタインク3/シアンインク3/ライトシアンインク3/ブラックインク3/ライトブラックインク3
〈インクセット4:本発明〉
イエローインク4/マゼンタインク4/ライトマゼンタインク4/シアンインク4/ライトシアンインク4/ブラックインク4/ライトブラックインク4
〈インクセット5:本発明〉
イエローインク5/マゼンタインク5/ライトマゼンタインク5/シアンインク5/ライトシアンインク5/ブラックインク5/ライトブラックインク5
〈インクセット6:比較例〉
イエローインク6/マゼンタインク6/ライトマゼンタインク6/シアンインク6/ライトシアンインク6/ブラックインク6/ライトブラックインク6
〈インクセット7:本発明〉
イエローインク7/マゼンタインク7/ライトマゼンタインク7/シアンインク7/ライトシアンインク7/ブラックインク7/ライトブラックインク7
〈インクセット8:本発明〉
イエローインク8/マゼンタインク8/ライトマゼンタインク8/シアンインク8/ライトシアンインク8/ブラックインク8/ライトブラックインク8
〈インクセット9:本発明〉
上記インクセット3の各色インクより、樹脂微粒子を除いた以外は同様にして、インクセット9を調製した。
《インクジェット記録媒体の作製》
〔記録媒体1〜16の作製〕
厚さ約220μmのレジンコート原紙上に、表8の各成分からなる塗布液を表8に記載の付量となるようにして調製、塗布して記録媒体1〜16を作製した。なお、各塗布液には適量の界面活性剤とホウ酸を添加した。作製した各記録媒体は、幅12.7cmのロール紙に加工した。
表8に記載の各添加剤の詳細は以下の通りである。
無機微粒子:気相法シリカ(一次平均粒径7nm)
バインダー:ポリビニルアルコール(PVA235 クラレ製)
カチオン性ポリマー:HP−1
多価金属塩:水溶性塩基性アルミニウム
Figure 2005068231
Figure 2005068231
《インクジェット画像記録》
上記調製したインクセット1〜8をそれぞれ7色の記録ヘッド(ピエゾタイプ:512ノズル、ノズルピッチは表9記載)を搭載したプリンタにセットし、記録媒体として表9に記載のロール状の各記録媒体に、主走査ドット解像度が表9に記載の条件で、トータル1440dpi×1440dpi(dpiは2.54cm当たりのドット数を示す)の解像度で各画像(詳細は、下記評価条件に記載)をプリントして、画像1〜26を作成した。
《形成画像の評価》
以上のようにして形成した各画像について、下記の各評価を行った。
〔濃度変動の評価〕
25℃、50%RHの環境下で、89mm×104mm幅プリント(ニュートラル画像:Y、M、C各濃度0.9)を30枚連続プリントし、印字直後のプリントを重ねて置いた。1時間後に一番上のプリントと15枚目のプリントを抜き取り、何も重ねずに更にに1時間放置した後、一番上のプリントと15枚目のプリントの濃度差(ΔD)と色度差を測定し、下記の基準に則り濃度変動の評価を行った。
5:ΔD<0.05で色相ずれもほとんどない
4:ΔD<0.05で色相ずれがわずかに見られるが気にならない
3:ΔD<0.1で色相ずれがわずかに見られるが許容範囲である
2:0.15>ΔD>0.1あり、色相もずれており明らかに差がある
1:ΔDが>0.15あり、色相も大きくずれており明らかに差がある
〔にじみ耐性の評価〕
25℃、50%RH環境下で印字した各色インク画像のサンプルを、40℃、80%RHの環境下で1週間保存した後のにじみの状態を目視観察し、下記の基準に則り滲み耐性の評価を行った。
5:ほとんどの色で、にじみの発生が見られなかった
4:特定の多次色でわずかににじみが見られるが、ほとんど問題ない
3:特定の多次色でにじみが見られるが許容範囲内
2:単色も含めにじみが見られる
1:単色も含めにじみが非常に大きい
〔ブロンジング耐性の評価〕
上記方法で、Y、M、C、B、G、R及びBkのベタ画像をプリントし、ブロンジング発生の有無を目視観察した。
〔酸化性ガス褪色耐性の評価〕
ニュートラルベタ画像(Y、M、C各濃度0.9)を印字し、この画像をオゾン試験機(スガ試験機械(株)社製オゾンウェザーメーターOMS−H)を用いて、オゾン濃度8ppmで8時間曝露した。次いで、曝露前後のY、M、Cの反射濃度を光学濃度計(X−Rite社製X−Rite938)を用い10点について測定した後、その平均値を算出し、下式の従い褪色率を求め、これを酸化性ガス褪色耐性の尺度とした。なお、測定の結果、マゼンタ濃度の残存率が最も低いので、酸化性ガス褪色耐性としては、マゼンタ濃度の残存率を表9に記した。数値は、100%に近いほど、酸化性ガス褪色耐性に優れていることを表す。
褪色率=曝露後の反射平均濃度/曝露前の反射平均濃度×100(%)
以上により得られた各結果を、表9に示す。
Figure 2005068231
表9の結果より明らかなように、高沸点溶剤及び樹脂微粒子分散物を含有し、有機溶剤の含有率が10〜50%であるインクを、ノズルピッチが180dpi以上のヘッドを用いて、カチオン媒染剤を含む空隙型インクジェット記録媒体に印字して作成した本発明の画像は、比較例に対し、画像濃度変動及び色変動の少なく、加えて、酸化性ガス褪色耐性、にじみ耐性及びブロンジング耐性に優れていることが分かる。

Claims (4)

  1. 少なくとも水溶性染料、高沸点溶剤及び樹脂微粒子分散物を含有し、該高沸点溶剤の含有率が10〜50%であるインクを、ノズルピッチが180dpi(dpi:2.54cm当たりのドット数を表す)以上のヘッドを用いて、カチオン媒染剤を含む空隙型インクジェット記録媒体に印字して記録するインクジェット記録方法であって、主走査ドット解像度が360dpi以上であることを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記カチオン媒染剤として、カチオン性ポリマーを0.2〜3g/m2含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記カチオン媒染剤として、多価金属塩を0.1〜1g/m2含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法により記録したことを特徴とする記録物。
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