JP2007130828A - インクジェット画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】擦過性に優れ、くっつきが防止でき、オゾン耐性に優れ、耐水性に優れるインクジェット画像形成方法を提供する。
【解決手段】少なくとも水溶性染料と樹脂微粒子分散物を含有するインクジェット記録インクを、インクジェット記録媒体に記録するインクジェット画像形成方法において、該インクジェット記録媒体は印字前の記録面側のJIS−K−7105で規定されるC値が20〜50であり、かつ、該インクジェット記録インクの印字と並行して、該インクジェット記録インクの記録手段とは別に設けた液体付与手段によって、少なくとも樹脂を含有する実質的に無色のインクを、該インクジェット記録インクの付着量に応じて可変して印字することを特徴とするインクジェット画像形成方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット画像形成方法に関し、更に詳しくは擦過性に優れ、くっつきにくく、オゾン退色性、耐水性に優れるインクジェット画像形成方法に関する。
近年、インクジェット記録方式は、急速に画質向上が図られており、銀塩写真画質に迫りつつある。しかしながら、インク吸収性向上のための無機顔料微粒子を主体とする多孔質メディアのうち、コストメリットの高いシリカを用いたインクジェット記録媒体は、表面光沢が低く、銀塩写真にはまだ及ばない。しかし、その高画質ゆえに、様々な用途でのインクジェット技術を用いたプリントが身近に行われるようになった。記録媒体の面質は光沢が高いタイプ以外にも、一定周期の凹凸が型付けされた支持体にインク受容層が塗設されたもの、また支持体は平滑でマット剤をインク受容層に含有させたタイプもある。また用途の多様化のひとつとして、支持体の両面にインク受容層を塗設することで、アルバムのような両面印刷も可能になってきた。
このような多様な記録媒体に、銀塩写真に迫る画質を有する染料インクを用いてプリントを行うと、光沢タイプの記録媒体同様に大気中のオゾンガスによって染料分子が破壊されやすく、褪色が進みやすい。染料インクの画像保存性を改良する手段として、インク中に水分散性ポリマー微粒子を添加することで、インクが記録媒体表面に着弾後にポリマー微粒子が画像表面を被覆し、オゾンガスの侵入を防止することで画像保存性が向上する技術がある(例えば、特許文献1〜5参照。)が、これらの技術について詳細に検討したところ、光沢の低い面質でのオゾン耐性が、光沢タイプの記録媒体に比べ、特に低濃度部での褪色防止効果が低いことがわかった。また、印字後のプリントの耐水性についても、光沢タイプに比べ、低光沢タイプの記録媒体が劣ることが判明した。その原因としては、低光沢タイプの記録媒体は、表面平滑性が低く、インク中に含まれるポリマー微粒子がより不均一に配列するために、成膜状態にばらつきが発生する。このため特に低濃度部ではポリマー微粒子の付与量が少なく、成膜性が不十分なポリマー微粒子が脱離し、オゾンガス耐性が低下しやすいと推定される。また耐水性については、脱離するポリマー微粒子が、本来記録媒体中のカチオンポリマーに媒染されなかった染料分子を伴って脱離するため、水浸積による濃度低下が発生すると考えられる。
一方、記録インクの付与されていない領域に、無色インクを付与する技術が開示されている。たとえば、透明基材上に多孔質インク受容層を設けた記録媒体上に、着色剤、樹脂エマルジョン、糖を含むインクを付着し、カラーインクの記録されない空隙箇所に、インクと屈折率差が0.1以内のクリアインクを記録することで、透明性の高い画像を形成する技術が開示されている(例えば、特許文献6参照。)。また画像周辺領域で所定の記録率になるよう無色インクで補償することで、低湿度環境でかけ罫線の乱れを抑制する技術が開示されている(例えば、特許文献7参照。)。また、2種以上の濃度の異なる特定の黒色インクを用いるとき、樹脂微粒子を含有した無色インクを非画像部に付与することで粒状性と鮮鋭性を改良した白黒画像形成方法が開示されている。(例えば、特許文献8参照。)。
しかしながら、これらの各開示されている技術には、本発明の課題である光沢及びオゾンガス褪色耐性の画像内での均一性を向上させる記載はなく、また得られる効果も不十分である。
また、熱可塑性樹脂微粒子を含有する記録媒体を用いて、記録後加熱処理を行う記録方法において、該加熱処理前に無色または白色の液体をプリント上に付与する方法が開示されているが(例えば、特許文献9参照。)、オゾンガス褪色の画像内での均一性を向上させるとの記載はない。また、専用の加熱処理装置が必要であること、専用記録媒体が必要であるなど制約が多い。
また可視画像と相補的な部分に被記録材の色相を変化させないインクを付与し、光沢感の差を緩和する方法が提案されている(例えば、特許文献10参照。)。この方法によれば、被記録媒体の露出が減ることから耐光性、耐オゾン性の向上が期待されるとあるが、本願課題にあるようなハイライト部や単色部などでのオゾン褪色進行と画像部でのオゾン褪色防止効果の結果としてオゾン褪色の不均一性解消という具体的課題解決を示唆しておらず、実施態様にも記録インクに光硬化型化合物を添加して、プリントを光硬化処理するなど専用の装置が必要で制約が多い。
特開2001−187852号公報 (実施例4、6) 特開2002−264490号公報 (請求項1、実施例1) 特開2002−285049号公報 (請求項1、実施例1〜6) 特開2002−194253号公報 (請求項1、実施例1〜4) 特開2002−240413号公報 (請求項1) 特開平8−85218号公報 (請求項1、実施例1、2) 特開2001−47644号公報 (請求項2) 特開2001−277488号公報 (請求項1、実施例1〜6) 国際特許第03/24723A1号公報 特開2003−191601号公報 (請求項1)
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、インクジェットプリントが偶然に画像面同士が接触した場合、あるいはアルバムプリントのように、印地面同士が接触することが前提の場合の、擦過性に優れ、くっつきが防止でき、オゾン耐性に優れ、耐水性に優れるインクジェット画像形成方法を提供することである。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.少なくとも水溶性染料と樹脂微粒子分散物を含有するインクジェット記録インクを、インクジェット記録媒体に記録するインクジェット画像形成方法において、該インクジェット記録媒体は印字前の記録面側のJIS−K−7105で規定されるC値が20〜50であり、かつ、該インクジェット記録インクの印字と並行して、該インクジェット記録インクの記録手段とは別に設けた液体付与手段によって、少なくとも樹脂を含有する実質的に無色のインクを、該インクジェット記録インクの付着量に応じて可変して印字することを特徴とするインクジェット画像形成方法。
2.前記インクジェット記録媒体が支持体上にインク吸収層を有し、かつ、該インク吸収層はマット剤を含有することを特徴とする前記1に記載のインクジェット画像形成方法。
3.前記インクジェット記録媒体の支持体が、予め型付け処理をされている非吸収性支持体であることを特徴とする前記1又は2に記載のインクジェット画像形成方法。
4.前記インクジェット記録媒体が、支持体の両面にインク吸収層を有することを特徴とする前記1〜3の何れか1項に記載のインクジェット画像形成方法。
本発明により、擦過性に優れ、くっつきが防止でき、オゾン耐性に優れ、耐水性に優れるインクジェット画像形成方法を提供することができた。
本発明を更に詳しく説明する。
まず、本発明に係るインクジェット記録媒体について説明する。
本発明のインクジェット記録媒体のインク吸収層の主成分としては、無機微粒子、水溶性バインダー、染料定着剤及びその他添加剤である。
上記の目的で使用される無機微粒子としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、シリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることができる。
無機微粒子の平均粒径は、粒子そのものあるいは空隙層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、1,000個の任意の粒子の粒径を測定し、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒子の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定したときの直径で表したものである。
本発明で好ましく用いることのできるシリカとしては、通常の湿式法で合成されたシリカ、コロイダルシリカ或いは気相法で合成されたシリカ等が好ましく用いられるが、本発明において特に好ましく用いられる微粒子シリカとしては、コロイダルシリカまたは気相法で合成された微粒子シリカが好ましく、中でも気相法により合成された微粒子シリカは、高い空隙率が得られるだけでなく、染料を固定化する目的で用いられるカチオン性ポリマーに添加したときに、粗大凝集体が形成されにくいので好ましい。また、アルミナまたはアルミナ水和物は、結晶性であっても非晶質であってもよく、また不定形粒子、球状粒子、針状粒子など任意の形状のものを使用することができる。
無機微粒子は、カチオン性ポリマーと混合する前の微粒子分散液が一次粒子まで分散された状態であるのが好ましい。
無機微粒子は、その粒径が30nm以下であることが好ましい。例えば、上記気相法微粒子シリカの場合、一次粒子の状態で分散された無機微粒子の一次粒子の平均粒径(塗設前の分散液状態での粒径)は、30nm以下のものがあるが、本発明では、30nm以下の無機微粒子を用いることが好ましく、より好ましくは4〜30nm、最も好ましくは4〜20nmである。
最も好ましく用いられる、一次粒子の平均粒径が4〜20nmである気相法により合成されたシリカとしては、例えば、日本アエロジル社製のアエロジルが市販されている。この気相法微粒子シリカは、水中に、例えば、三田村理研工業株式会社製のジェットストリームインダクターミキサーなどにより、容易に吸引分散することで、比較的容易に一次粒子まで分散することができる。
本発明においては、空隙層に水溶性バインダーを含有することができる。本発明で用いることのできる水溶性バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、デキストラン、デキストリン、カラーギーナン(κ、ι、λ等)、寒天、プルラン、水溶性ポリビニルブチラール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。これらの水溶性バインダーは、二種以上併用することも可能である。
本発明の記録媒体においては、インク吸収層下層が水溶性バインダーを含有し、その平均重合度が3000以上、5000以下であることが、折り割れ耐性を向上する上で好ましい形態である。通常、空隙型記録媒体において、ポリビニルアルコールが水溶性バインダーとして用いられており、その重合度は1000〜5000のものが選択されている。本発明に係る高光沢インク吸収層を表層に設けた場合、平均重合度が3000以上、5000以下の場合、折り割れ耐性が特に良好であり、かつ光沢、インク吸収速度的にも優れていることを見出したものである。
本発明で好ましく用いられる水溶性バインダーは、ポリビニルアルコールである。
本発明で好ましく用いられるポリビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは、平均重合度が3,000以上のものが好ましく用いられ、特に平均重合度が3,000〜5,000のものが好ましく用いられる。また、ケン化度は、70〜100%のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に好ましい。
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開昭61−10483号に記載されているような、第一〜三級アミノ基や第四級アンモニウム基を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(2−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。
カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。
アニオン変性ポリビニルアルコールは、例えば、特開平1−206088号に記載されているようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号および同63−307979号に記載されているような、ビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体及び特開平7−285265号に記載されているような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
また、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号に記載されているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号に記載されている疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等が挙げられる。ポリビニルアルコールは、重合度や変性の種類違いなど二種類以上を併用することもできる。
空隙層で用いられる無機微粒子の添加量は、要求されるインク吸収容量、空隙層の空隙率、無機顔料の種類、水溶性バインダーの種類に大きく依存するが、一般には、記録媒体1m2当たり、通常5〜30g、好ましくは10〜25gである。
また、空隙層に用いられる無機微粒子と水溶性バインダーの比率は、質量比で通常2:1〜20:1であり、特に、3:1〜10:1であることが好ましい。
また、分子内に第四級アンモニウム塩基を有するカチオン性の水溶性ポリマーを含有しても良く、インクジェット記録媒体1m2当たり通常0.1〜10g、好ましくは0.2〜5gの範囲で用いられる。
空隙層において、空隙の総量(空隙容量)は記録媒体1m2当り20ml以上であることが好ましい。空隙容量が20ml/m2未満の場合、印字時のインク量が少ない場合には、インク吸収性は良好であるものの、インク量が多くなるとインクが完全に吸収されず、画質を低下させたり、乾燥性の遅れを生じるなどの問題が生じやすい。
インク保持能を有する空隙層において、固形分容量に対する空隙容量を空隙率という。本発明において、空隙率を50%以上にすることが、不必要に膜厚を厚くさせないで空隙を効率的に形成できるので好ましい。
本発明に係るインクジェット記録媒体においては、カチオン媒染剤を含有することが特徴の1つである。
カチオン媒染剤としては、特に制限はないが、カチオン性ポリマーあるいは多価金属塩であることが好ましい。
本発明の記録媒体においては、インク吸収層下層がカチオン性ポリマーを含有し、その固形分付量が1.6g/m2以下であることが、折り割れ耐性を向上すること、及びインク吸収速度向上の観点で好ましい形態である。好ましくは1.0g/m2以下であり、0.7g/m2以下が特に好ましい。
本発明で用いることのできるカチオン性高分の具体例としては、公知のポリマーを使用することができ、例えば、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ジシアンジアミドポリアルキレンポリアミン、ジアルキルアミンとエピクロロヒドリンの縮合物、ポリビニルアミン、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾール、ジアリルジメチルアンモニウム塩の縮合物、ポリアクリル酸エステルの4級化物等が挙げられるが、特に、特開平10−193776号公報、同10−217601号公報、同11−20300号公報等に記載されているものが好ましい。
本発明においては、カチオン性ポリマーは特に限定なく使用可能であるが、特に好ましいものは、質量平均分子量が2000〜10万のものである。
ポリマー媒染剤としては第1級〜第3級アミノ基および第4級アンモニウム塩基を有するカチオン性ポリマー媒染剤が用いられるが、経時での変色や耐光性の劣化が少ないこと、染料の媒染能が充分高いことなどから、第4級アンモニウム塩基を有するカチオン性ポリマー媒染剤が好ましい。
本発明に好ましく用いられるカチオン性ポリマーは、より好ましくは第4級アンモニウム塩基を有するポリマーであり、特に好ましくは第4級アンモニウム塩基を有するモノマーの単独重合体または他の共重合し得る1または2以上のモノマーとの共重合体である。
第4級アンモニウム塩基を有するモノマーの例としては例えば以下の例を挙げることが出来る。
Figure 2007130828
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第4級アンモニウム塩基と共重合し得るモノマーはエチレン性不飽和基を有する化合物であり、例えば以下の具体例を挙げることが出来る。
Figure 2007130828
以下に本発明に好ましく用いられるカチオン性ポリマーの具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2007130828
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Figure 2007130828
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特に第4級アンモニウム塩基を有するカチオン性ポリマーが共重合体である場合、カチオン性モノマーの比率は通常10モル%以上、好ましくは20モル%以上、特に好ましくは30モル%以上である。
第4級アンモニウム塩基を有するモノマーは単一でも2種類以上であっても良い。
第4級アンモニウム塩基を有するカチオン性ポリマーは第4級アンモニウム塩基のために水溶性が一般に高いが、共重合する第4級アンモニウム塩基を含まないモノマーの組成や比率によっては水に充分に溶解しないことがあるが、水混和性有機溶媒と水との混合溶媒に溶解させることにより溶解し得るもので有れば本発明には使用できる。
ここで水混和性有機溶媒とは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノールなどのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンなどのグリコール類、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類など、水に対して通常10%以上溶解し得る有機溶媒を言う。この場合、有機溶媒の使用量は水の使用量以下であることが好ましい。
ここで質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーから求められたポリエチレングリコール値に換算した値である。
カチオン性ポリマーの溶液を、表面アニオン性の微粒子含有分散液に添加する際、凝集物が激しく発生してしまうことがあり得るが、カチオン性ポリマーの質量平均分子量が10万以下の場合にはこのような現象が起こりにくく、従って、粗大粒子をあまり含まない、ほぼ均一な分散液が得られ易い。このような分散液を使用して作製したインクジェット記録用紙には、優れた光沢性が期待できるのである。同様の観点から、上記質量平均分子量は5万以下であると更に好ましい。
質量平均分子量の下限は染料の耐水性の点から通常2000以上である。
上記微粒子とカチオン性ポリマーの比率は、微粒子の種類や平均粒径又はカチオン性ポリマーの種類や質量平均分子量で変わり得ることができ、本発明においては、上記比率は微粒子の表面がカチオン性に置き換わって安定化させる為に、1:0.01〜1:1であることが好ましい。
上記の範囲であれば、微粒子のアニオン成分がカチオン成分によって完全に被覆されるので、微粒子のアニオン部分とカチオン性ポリマーのカチオン部分とがイオン結合して粗大な粒子を形成するようなおそれも生じない。
本発明の記録媒体においては、インク吸収層下層が多価金属塩を含有し、その固形分付量が0.4g/m2以上であれば、折り割れ耐性を向上すること、及びインク吸収速度向上の観点で好ましい形態である。上記のカチオンポリマーを1.6g/m2以下にすることと合わせて用いると、特に好ましい。
多価金属塩の具体例としては、例えば、Mg2+、Ca2+、Zn2+、Zr2+、Ni2+、Al3+などの硫酸塩、塩化物、硝酸塩、酢酸塩等で用いられ、好ましくはMg2+、Zr2+、Al3+である。なお、塩基性ポリ水酸化アルミニウムや酢酸ジルコニルなどの無機ポリマー化合物も、好ましい水溶性多価金属化合物の例に含まれる。
本発明で使用するジルコニウム原子を含む化合物は、酸化ジルコニウムを除くものであるが、その具体例としては、二フッ化ジルコニウム、三フッ化ジルコニウム、四フッ化ジルコニウム、ヘキサフルオロジルコニウム酸塩(例えば、カリウム塩)、ヘプタフルオロジルコニウム酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩やアンモニウム塩)、オクタフルオロジルコニウム酸塩(例えば、リチウム塩)、フッ化酸化ジルコニウム、二塩化ジルコニウム、三塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウム、ヘキサクロロジルコニウム酸塩(例えば、ナトリウム塩やカリウム塩)、酸塩化ジルコニウム(塩化ジルコニル)、二臭化ジルコニウム、三臭化ジルコニウム、四臭化ジルコニウム、臭化酸化ジルコニウム、三ヨウ化ジルコニウム、四ヨウ化ジルコニウム、過酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、硫化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、p−トルエンスルホン酸ジルコニウム、硫酸ジルコニル、硫酸ジルコニルナトリウム、酸性硫酸ジルコニル三水和物、硫酸ジルコニウムカリウム、セレン酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、硝酸ジルコニル、リン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、酢酸ジルコニウム、酢酸ジルコニル、酢酸ジルコニルアンモニウム、乳酸ジルコニル、クエン酸ジルコニル、ステアリン酸ジルコニル、リン酸ジルコニル、シュウ酸ジルコニウム、ジルコニウムイソプロピレート、ジルコニウムブチレート、ジルコニウムアセチルアセトネート、アセチルアセトンジルコニウムブチレート、ステアリン酸ジルコニウムブチレート、ジルコニウムアセテート、ビス(アセチルアセトナト)ジクロロジルコニウム、トリス(アセチルアセトナト)クロロジルコニウム等が挙げられる。
次いで、本発明のインクジェット記録媒体で用いる支持体について説明する。
本発明で用いることのできる支持体としては、従来からインクジェット記録媒体に用いられている支持体、例えば、普通紙、アート紙、コート紙およびキャストコート紙などの紙支持体、プラスチック支持体、両面をポリオレフィンで被覆した紙支持体、これらを張り合わせた複合支持体等を、適宜選択して用いることができるが、本発明においては、用いる支持体が、非吸水性支持体であることが好ましい。本発明でいう非吸水性支持体とは、水が通過しないような材質及び緻密性を有した支持体である。非吸水性支持体としては、プラスチック支持体又は両面をポリオレフィンで被覆した紙支持体であることが、より酸化性ガス耐性に優れるため、特に好ましい。これらの非吸水性支持体は、記録画像が写真画質に近く、かつ低コストで高品質の画像が得られるため、特に好ましい。
以下、原紙支持体の両面をポリオレフィンで被覆した紙支持体について説明する。
紙支持体に用いられる原紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じて、木材パルプに加えてポリプロピレンなどの合成パルプあるいはナイロンやポリエステルなどの合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとしては、LBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いることができるが、短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。ただし、LBSPおよびまたはLDPの比率は10質量%以上、70質量%以下が好ましい。
上記パルプには、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いられ、また、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも有用である。原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、四級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加することができる。
抄紙に使用するパルプの濾水度は、CSFの規定で200〜500mlが好ましく、また、叩解後の繊維長がJIS−P−8207に規定される24メッシュ残分の質量%と42メッシュ残分の質量%との和が30〜70%が好ましい。なお、4メッシュ残分の質量%は、20質量%以下であることが好ましい。原紙の坪量は、30〜250g/m2が好ましく、特に50〜200g/m2が好ましい。原紙の厚さは40〜250μmが好ましい。原紙は、抄紙段階または抄紙後にカレンダー処理して、高平滑性を与えることもできる。原紙密度は0.7〜1.2g/cm3(JIS−P−8118)が一般的である。更に、原紙剛度はJIS−P−8143に規定される条件で20〜200gが好ましい。原紙表面には表面サイズ剤を塗布しても良く、表面サイズ剤としては前記原紙中添加できるサイズ剤と同様のサイズ剤を使用できる。原紙のpHは、JIS−P−8113で規定された熱水抽出法により測定された場合、5〜9であることが好ましい。
原紙表面および裏面を被覆するポリエチレンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)および/または高密度のポリエチレン(HDPE)であるが、他にLLDPE(リニアローデンシティーポリエチレン)やポリプロピレン等も一部使用することができる。特に、空隙層側のポリエチレン層は、写真用印画紙で広く行われているように、ルチルまたはアナターゼ型の酸化チタンをポリエチレン中に添加し、不透明度および白色度を改良したものが好ましい。酸化チタン含有量は、ポリエチレンに対して通常3〜20質量%、好ましくは4〜13質量%である。
ポリエチレン被覆紙は、光沢紙として用いることも、また、ポリエチレンを原紙表面上に溶融押し出してコーティングする際に、いわゆる型付け処理を行って、通常の写真印画紙で得られるようなマット面や絹目面を形成した物も本発明で使用できる。
本発明の記録媒体に用いる支持体は規則的、または不規則的な形状を有する微粒子面をもつが、このような支持体を作製する方法として、たとえば予め凸凹を形成するように型付け処理を行う方法が挙げられる。
特に好ましい支持体である両面をポリオレフィン樹脂で被覆した支持体の場合には、ポリオレフィン樹脂で紙を被覆した後に表面に型付け処理するのが好ましい。
凸凹をポリオレフィン樹脂に型付けする代表的な方法は、基紙上に溶融したポリオレフィン樹脂を押しだしコーティングした後、型付けローラに圧接して微細は凸凹の模様付けをすることにより行われる。
このような模様付けを行う方法には、溶融押し出しして得られる樹脂コート紙に室温付近でエンボシングカレンダーする方法と、ポリオレフィン樹脂の押し出しコーティング時にロール表面に模様を彫刻したクーリングロールを使用して冷却しながら凸凹を形成する方法があるが、後者が比較的弱い圧力で型付けすることができ、しかも正確で均質な型付けができることから好ましい。
更に、上記ポリエチレンで被覆紙支持体は、以下の特性を有していることが好ましい。
1.引っ張り強さ:JIS−P−8113で規定される強度で、縦方向が20〜300N、横方向が10〜200Nであることが好ましい
2.引き裂き強度:JIS−P−8116に規定される方法で、縦方向が0.1〜20N、横方向が2〜20Nが好ましい
3.圧縮弾性率≧98.1MPa
4.表面ベック平滑度:JIS−P−8119に規定される条件で、20秒以上が光沢面としては好ましいが、いわゆる型付け品ではこれ以下であっても良い
5.不透明度:JIS−P−8138に規定された方法で測定したとき、80%以上、特に85〜98%が好ましい
6.白さ:JIS−Z−8729で規定されるL*、a*、b*が、L*=80〜95、a*=−3〜+5、b*=−6〜+2であることが好ましい
7.表面光沢度:JIS−Z−8741に規定される60度鏡面光沢度が、10〜95%であることが好ましい
8.クラーク剛直度:記録媒体の搬送方向のクラーク剛直度が50〜300cm2/100である支持体が好ましい
9.中紙の含水率:中紙に対して、通常2〜100質量%、更には2〜6質量%であることが好ましい
また、本発明で用いることのできるプラスチック支持体は、透明であっても不透明であってもよく、種々の樹脂フィルムを用いることができ、ポリオレフィンフィルム(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリ塩化ビニル、3酢酸セルロース等を用いることができ、好ましくはポリエステルフィルムである。ポリエステルフィルム(以降ポリエステルと称す)としては、特に限定されるものではないが、ジカルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成分とするフィルム形成性を有するポリエステルであることが好ましい。主要な構成成分のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げることができる。また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。これらを主要な構成成分とするポリエステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸や2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコールや1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、およびこれらのポリエステルの二種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。
次に、本発明の記録媒体の製造方法について説明する。
本発明でいうC値とは、JIS−K−7105に規定されている像鮮明度のうち、光沢くし2mmを用いて反射法により測定した値をC値とした。尚、本発明においては通常45度の角度にて試料に光を当てる方法を、60度の角度に変更して用いた。
次に、この紙の両面を被覆するポリオレフィン樹脂について説明する。
この目的で用いられるポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリエチレンが挙げられるが、プロピレンを主体とする共重合体等のポリオレフィン類が好ましく、ポリエチレンが特に好ましい。
以下、特に好ましいポリエチレンについて説明する。
紙を被覆するポリエチレンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)及び/または高密度のポリエチレン(HDPE)であるが、他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用することができる。
特に、塗布層側のポリオレフィン層は、ルチルまたはアナターゼ型の酸化チタンをその中に添加し、不透明度及び白色度を改良したものが好ましい。酸化チタン含有量はポリオレフィンに対して概ね1〜20%、好ましくは2〜15%である。
ポリオレフィン層中には白地の調整を行うための耐熱性の高い着色顔料や蛍光増白剤を添加することができる。
着色顔料としては、例えば、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、マンガンブルー、セルリアン、タングステンブルー、モリブデンブルー、アンスラキノンブルー等が挙げられる。
蛍光増白剤としては、例えば、ジアルキルアミノクマリン、ビスジメチルアミノスチルベン、ビスメチルアミノスチルベン、4−アルコキシ−1,8−ナフタレンジカルボン酸−N−アルキルイミド、ビスベンズオキサゾリルエチレン、ジアルキルスチルベン等が挙げられる。
上記塗布液の塗布方法としては、公知の方法から適宜選択して行うことができ、例えば、グラビアコーティング法、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、押し出し塗布方法、カーテン塗布方法あるいは米国特許第2,681,294号公報に記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法が好ましく用いられる。
ポリマー微粒子の添加量は、本発明の効果を発現する範囲であれば制限はないが、0.03g/m2以上であれば、折り割れ耐性、光沢の点で好ましく、1g/m2以下であればインク吸収速度の点で好ましい。また、コロイダルシリカの添加量に合わせて調整する必要もあり、コロイダルシリカに対し1/50〜1/5の範囲になるよう使用量を適宜調整することが、本発明の効果発現のうえで好ましく、より好ましくは1/30〜1/5である。
マット剤の形状は、定形、不定形のいずれでもよいが、好ましくは定形で、特に球形が好ましく用いられる。マット剤の大きさはマット剤の体積を球形に換算した時の直径で表され、本発明におけるマット剤の粒径とは、この球形換算した直径のことを示すものとする。本発明に用いられるマット剤は1〜20μmであることが好ましく、更に好ましくは1〜15μmである。
硬膜剤の他の具体例としては、例えば、エポキシ系硬膜剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬膜剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5,−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、アルミニウム明礬等が挙げられる。
次に、本発明に係るインクジェット記録インク(単にインクともいう)で用いる色材について説明する。
本発明に係るインクに用いられる色材としては、顔料あるいは染料のいずれも用いることができるが、好ましくは水溶性染料である。
本発明で用いることのできる水溶性染料としては、例えば、アゾ染料、メチン染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、キノン染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメタン染料、ジフェニルメタン染料等を挙げることができ、その具体的化合物としては、例えば、特開2002−264490号公報に例示した染料を挙げることができる。
本発明に係る記録インクにおいて、各種の界面活性剤を用いることができる。本発明で用いることのできる界面活性剤として、特に制限はないが、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。特にアニオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
また、本発明におけるインク中に、高分子界面活性剤も用いることができ、例えば、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体等を挙げることができる。
本発明で用いることのできる有機溶媒は、特に制限はないが、水溶性の有機溶媒が好ましく、具体的にはアルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、スルホン酸塩類(例えば1−ブタンスルホン酸ナトリウム塩等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。
本発明に係るインクでは、上記説明した以外に、必要に応じて、出射安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができ、例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号および特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤等を挙げることができる。
本発明に係るインクでは、安定吐出するためと、インクの記録媒体でのレベリングによる光沢性の観点から、インクの表面張力は40mN/m以下であることが好ましく、20〜40mN/mであることがより好ましい。表面張力が20mN/m以上であれば、本発明に係るインク中の樹脂微粒子の保存安定の面で好ましく、また、40mN/m以下であれば、インクの記録媒体でのレベリング性が高まり、光沢の面で好ましい。
本発明で用いることのできるプリンターは、市販されているプリンターのように、例えば、記録用紙収納部、搬送部、インクカートリッジ、インクジェットプリントヘッドを有するものであれば特に制約はないが、少なくともロール状の記録用紙収納部、搬送部、インクジェットプリントヘッド、切断部、及び、必要に応じて加熱部、加圧部、記録プリント収納部から構成される一連のプリンターセットであることが好ましい。使用するインクジェットプリントヘッドは、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また、吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)などを挙げることができ、好ましくは、樹脂微粒子を含有するインクの連続射出安定性に優れたピエゾ方式を用いたヘッドが好ましい。
本発明のインクジェット記録インクに係る樹脂微粒子は、平均粒径が10〜200nmであることが好ましく、よりこのましくは10〜150nm、更に好ましくは10〜100nmである。
樹脂微粒子の平均粒径が10nm以上であれば、樹脂微粒子が空隙層内部に浸透せず、空隙層表面に存在するため、光沢性能の点で好ましい。また樹脂微粒子の平均粒径が200nm以下であれば、樹脂微粒子がある程度小さいため、空隙層表面でのレベリング性の点で有利となり、光沢性能の点で好ましい。
樹脂微粒子の平均粒径は光散乱方式や、レーザードップラー方式を用いた市販の粒径測定装置、例えばゼータサイザー1000(マルバーン社製)等を用いて、簡便に測定することができる。
本発明に係る樹脂微粒子においては、最低造膜温度(MFT)が−60〜60℃であることが好ましい。本発明においては、樹脂微粒子の最低造膜温度を制御するために造膜助剤を添加してもよい。造膜助剤は、可塑剤とも呼ばれ樹脂ラテックスの最低造膜温度を低下させる有機化合物である。
また、用いる熱可塑性樹脂は臭気及び安全性の観点から残存するモノマー成分が少ない方が好ましく、重合体の固形分質量に対して3%以下が好ましく、更に1%以下が好ましく、特に0.1%以下が好ましい。
次に本発明に係る記録インクの記録手段とは別に設けた液体付与手段によって供給する少なくとも樹脂を含有する実質的に無色のインクについて説明する。無色のインクは、樹脂と液体媒体からなるが、好ましくは樹脂、特に上述した樹脂微粒子、水溶性溶剤及び水を主成分としてなる。
樹脂としては、本発明の効果を発現するものであれば特に制約はなく、例えば水溶性樹脂でも水不溶性樹脂でもよいが、本発明の効果をより効果的に発現するには、水不溶性樹脂で水に分散されたものがよい。樹脂の具体例としては、アクリロニトリル、スチレン、アクリレート類(アクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリシジルアクリレート、メタクリル酸、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート)、酢酸ビニル、ブタジエン、塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン、ウレタン、オレフィン(エチレン、プロピレン)、またはこれらのモノマーを2つ以上組み合わせた共重合体が好ましい。
樹脂を含み、実質的に着色剤を含まない液体は、樹脂を0.1〜10質量%及び水溶性媒体を1〜50質量%含有し、必要に応じて、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防ばい剤等の各機能性化合物を含んでもよい。さらに本発明に係る液体は実質的に着色剤を含まないが、これは記録液としての機能を実質的にもたないことを意味しており、それ以外の目的、例えばインク残量確認のためや、白地にプリントする場合の白地色調調整のため、吐出性確認のため等に、わずかに色味付けをしてもよい。
本発明に係る無色インクに添加できる、有機溶媒、界面活性剤及びその他の添加剤としては色材を含有する記録液に添加することができるものを用いることができる。
本発明に係る記録インク及び無色インクは、安定吐出するために、高光沢発現、オゾン耐性を高めるために、インクの表面張力は40mN/m以下であることが好ましく、20〜40mN/mであることがより好ましい。同様の理由でインク粘度は1.5〜10mPa・sが好ましく、3.0〜8.0mPa・sがより好ましい。
次にインクジェット記録媒体上への無色インク付与領域について説明する。無色インクの付与領域はインクジェット記録媒体の少なくとも一部に付与することができる。本発明の効果のためには無色インクは記録インクの付与されていない領域、及び記録インクが付与されている領域にも併せて付与することが好ましい。
無色インクの付与量は、記録インク、無色インク、インクジェット記録媒体の特性により、最も効果が得られる適量が異なるが、少なくとも2ml/m2以上付与することが好ましい。ただし、20ml/m2より多くの無色インクを付与すると、画質劣化や光沢低下が起こり好ましくない。また無色インクの付与量は画素毎に記録インク量と無色インクの総量を一定範囲内になるように調整することが好ましい方法である。このときの総量の最低量としては、2ml/m2以上であることが好ましく、より好ましくは8ml/m2以上である。
また、記録インク中に含まれる樹脂微粒子と無色に含まれる樹脂量を考慮して、画素ごとに、両インクにより付与される樹脂総量を制御することも好ましい。この時、各画素の総樹脂量は0.5g/m2以上にすることが好ましく、より好ましくは1g/m2にすることである。
次に、無色インクの付与方法について説明する。無色インクの付与方法としては、画像中の少なくとも一部に選択して付与できる方法であればよいが、記録インク同様にインクジェットヘッドを用いて付与する方法が好ましい。このとき、無色インク用のヘッドは一つでも、複数用意して、異なる組成の無色インクを付与してもよい。また、無色インク用ヘッドは、記録インクと同じキャリッジに固定しても良いし、別にしてもよい。無色インクの付与は、記録インクの記録前でも同時でも後でもよいが、好ましくは同一キャリッジに固定し、同時か記録インク記録後の付与することが本発明の効果をより発現する上で好ましい。
以下、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、実施例中で「%」は、特に断りのない限り質量%を表す。
実施例1
〔インクジェット記録媒体(以後単に記録媒体という)の作製〕
(シリカ分散液D1の調製)
予め均一に分散されている1次粒子の平均粒径が約0.012μmの気相法シリカを25質量%、水溶性蛍光増白剤UVITEXNFW LIQUID(チバスペシャリティーケミカルズ社製)を0.3質量%含むシリカ分散液B1(pH=2.3、エタノール1質量%含有)の400Lを、カチオン性ポリマー(P−1)を12%、n−プロパノールを10質量%及びエタノールを2%含有する水溶液C1(pH=2.5、サンノブコ社製の消泡剤SN381を2g含有)の110Lに、室温で3000rpmで攪拌しながら添加した。次いで、ホウ酸とほう砂の1:1質量比の混合水溶液A1(各々3質量%の濃度)の54Lを攪拌しながら徐々に添加した。
次いで、三和工業株式会社製の高圧ホモジナイザーで、3kN/cm2の圧力で分散し、全量を純水で630Lに仕上げて、ほぼ透明なシリカ分散液D1を得た。
上記シリカ分散液D1を、30μmの濾過精度を有するアドバンテック東洋社製のTCP−30タイプのフィルターを用いて濾過を行った。
(シリカ分散液D2の調製)
上記シリカ分散液B1の400Lを、カチオン性ポリマー(P−2)を12質量%、n−プロパノール10質量%及びエタノールを2質量%含有する水溶液C2(pH=2.5)の120Lに、室温で3000rpmで攪拌しながら添加し、次いで、上記混合水溶液A1の52Lを攪拌しながら徐々に添加した。
次いで、三和工業株式会社製の高圧ホモジナイザーで3kN/cm2の圧力で分散し、全量を純水で630Lに仕上げて、ほぼ透明なシリカ分散液D2を得た。
上記シリカ分散液D2を、30μmの濾過精度を有するアドバンテック東洋社製のTCP−30タイプのフィルターを用いて濾過を行った。
(オイル分散液の調製)
ジイソデシルフタレート20kgと酸化防止剤(AO−1)20kgとを45kgの酢酸エチルに加熱溶解し、酸処理ゼラチン8kg、カチオン性ポリマー(P−1)を2.9kg及びサポニン10.5kgとを含有するゼラチン水溶液210Lと55℃で混合し、高圧ホモジナイザーで乳化分散した後、全量を純水で300Lに仕上げて、オイル分散液を調製した。
Figure 2007130828
(塗布液の調製)
上記調製した各分散液を使用して、以下に記載の各添加剤を順次混合して、塗布液を調製した。なお、各添加量は塗布液1L当たりの量で表示した。
〈第1層用塗布液:最下層〉
シリカ分散液D1 589ml
ポリビニルアルコール(平均重合度:2300 ケン化度88%)
6.5%水溶液 290ml
オイル分散液 30ml
ラテックス分散液(昭和高分子社製 AE803) 42ml
エタノール 8.5ml
純水で全量を1000mlに仕上げた
〈第2層用塗布液〉
シリカ分散液D1 548ml
ポリビニルアルコール(平均重合度:2300 ケン化度88%)
6.5%水溶液 270ml
オイル分散液 20ml
ラテックス分散液(昭和高分子社製:AE803) 22ml
エタノール 8ml
純水で全量を1000mlに仕上げた
〈第3層用塗布液〉
シリカ分散液D2 548ml
ポリビニルアルコール(平均重合度:2300 ケン化度88%)
6.5%水溶液 135ml
オイル分散液 10ml
ラテックス分散液(昭和高分子社製 AE803) 5ml
エタノール 3ml
純水で全量を1000mlに仕上げた
〈第4層用塗布液:〉
シリカ分散液D2 548ml
ポリビニルアルコール(平均重合度:2300 ケン化度88%)
6.5%水溶液 135ml
ベタイン型界面活性剤−1の4%水溶液 3ml
サポニンの25%水溶液 2ml
純水で全量を1000mlに仕上げた
Figure 2007130828
上記の様にして調製した各塗布液を、20μmの濾過精度を持つアドバンテック東洋社製のTCPD−30フィルターで濾過した後、TCPD−10フィルターで濾過した。
(塗布)
次に、上記の各塗布液を下記に記載の湿潤膜厚となるよう、40℃で両面にポリエチレンを被覆したRC支持体上に、スライドホッパー型コーターを用いて4層同時塗布した。
第1層が最も支持体に近い側の塗布層である。
〈湿潤膜厚〉
第1層:42μm
第2層:39μm
第3層:44μm
第4層:38μm
なお、上記で使用したRC支持体は、含水率が8%で、坪量が170gの写真用原紙表面を、アナターゼ型酸化チタンを6%含有するポリエチレンを厚さ35μmで押し出し溶融塗布し、裏面には厚さ40μmのポリエチレンを押し出し溶融塗布した。表面側は、コロナ放電した後、ポリビニルアルコール(クラレ社製 PVA235)を記録媒体1m2当たり0.05gになるように下引き層を塗布し、裏面側にはコロナ放電加工した後、Tgが約80℃のスチレン・アクリル酸エステル系ラテックスバインダー約0.4g、帯電防止剤(カチオン性ポリマー)0.1gおよび約2μmのシリカ0.1gをマット剤として含有するバック層を塗布した。
なお、インク吸収層用塗布液の塗布を行った後の乾燥は、5℃に保った冷却ゾーンを15秒間通過させて膜面の温度を13℃にまで低下させた後、複数設けた乾燥ゾーンの温度を適宜設定して乾燥を行った後、ロール状に巻き取って記録媒体Aを得た。
次に、記録媒体Aとは、第1層の塗布液にマット剤として、平均粒径5μmのメチルメタクリレートを記録媒体1平方メートルあたり、0.1グラムになるように添加したことのみ異なる記録媒体Bを作製した。
続いて、記録媒体Bとは、添加するマット剤を平均粒径10μmに変更したことのみ異なる記録媒体Cを作製した。
次に、含水率が8%で、坪量が170gの写真用原紙表裏面を、アナターゼ型酸化チタンを6%含有するポリエチレンを厚さ35μmで押し出し溶融塗布し、表裏面共にコロナ放電した後、ポリビニルアルコール(クラレ社製 PVA235)を記録媒体1m2当たり0.05gになるように下引き層を塗布し支持体を作製した。この支持体を用いて、記録媒体Cのインク受容層を表面と裏面の両面に塗布することにより、記録媒体Dを作製した。
次に、記録媒体Aとは、インク受容層を塗布する側の支持体表面にポリエチレンを溶融押し出しの直後に表面に規則的な凸凹の高さを有するクーリングロールを使用して冷却しながらポリエチレン表面に型付け処理をおこなった。C値の制御は用いる型付けでの凸凹の高さを調整することでおこなった。このことが異なる記録媒体Eを作製した。
続いて、記録媒体Dと同様に、支持体をインク受容層が両面塗布できるように作製し、
記録媒体Eと同じ塗布液を支持体の表裏に塗布し、記録媒体Fを作製した。
次に、記録媒体Cとは、添加するマット剤の粒径を23μmに変更したことのみ異なる記録媒体Gを作製した。
次に、記録媒体Gとは、添加するマット剤の粒径を0.5μmに変更したことのみ異なる記録媒体Hを作製した。
これらの記録媒体について、未印字部のC値を表1にまとめた。尚、測定は写像性測定装置ICM−1DP(スガ試験機械社製)で反射60度、光学くし2mmで測定した。
<染料インクの調製>
下記のように、インクセット1を調製した。
<濃色インク(イエロー、マゼンタ、シアン、黒)の調製>
ジエチレングリコール 10質量%
グリセリン 10質量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10質量%
染料(*1) 3質量%
サーフィノール465 0.5質量%
トリエタノールアミン 1質量%
純水 残部
*1:染料:イエローはダイレクトイエロー86、マゼンタはダイレクトレッド227、シアンはダイレクトブルー199、黒はフードブラック2を使用した。
<淡色インク(マゼンタ、シアン)の調製>
ジエチレングリコール 10質量%
グリセリン 10質量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10質量%
染料(*2) 0.8質量%
トリエタノールアミン 1質量%
サーフィノール465 0.5質量%
純水 残部
*2:染料:マゼンタはダイレクトレッド227、シアンはダイレクトブルー199を使用した。
次にインクセット1において、各インクに、SX1105(SBR 日本ゼオン社製)をインク中の固形分として2質量%になるように添加した以外は同様にして、インクセット2を作製した。
<無色インクの調製>
ジエチレングリコール 10質量%
グリセリン 10質量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10質量%
SX1105 2質量%
トリエタノールアミン 1質量%
サーフィノール465 0.5質量%
純水 残部
<画像記録>
画像記録は、表1に示す上述した記録媒体A〜Hを用いた。
<画像印字>
キャリッジ上に7個の記録ヘッド(ピエゾタイプ:512ノズル)を装備したプリンタを用いてインクジェット画像記録をおこなった。6個の記録ヘッドからは上記で調製した6色からなるインクセットを記録媒体上に各々吐出させ、残りの1つの記録ヘッドからは 上記無色インクを吐出させ、画像形成させた。
有色、無色のインク吐出量は、1画素あたりのインク出射量が有色インクと無色インクとを併せて、1平方メートルあたり、20mlとなるように、有色インクの画像情報に応じて、無色インクの吐出量を制御した。
<記録画像の評価>
(擦過性評価)
黒の最大濃度のベタ画像を縦横10センチメートル四方に印字し、24時間室温乾燥した。その後、ティッシュペーパで包んだ50グラムの分銅で画像部を30回まわしながらこすり、傷跡の目視評価した。
○:傷が認識できない
△:傷の存在が認められる
×:傷が多数発生
(くっつき評価)
風景画像を2枚ずつプリントし、印字後即2枚を印地面同士で重ね合わせ、室温で24時間放置後、剥離した。そのときのはがれやすさを以下のように評価した。
◎:くっつきが全くない
○:わずかにくっつきが発生するが、画像品質には影響なし
△:画像品質に影響を与えるくっつきが発生する
×:画像品質を大きく低下させるくっつきが発生
(オゾン耐性)
ニュートラル画像(イエロー、マゼンタ、シアンの各反射濃度が0.9)を作製し、オゾン濃度が1時間あたり20ppm(25℃50%RH)の環境下に10時間放置し、退色前後での画像を目視で比較し、下記基準にのっとり、オゾン耐性の評価を実施した。
◎:オゾン退色が全くみとめられない
○:わずかな退色がみとめられるが画像品質に影響なし
△:画像品質に影響を与える画像濃度の低下が認められる
×:画像濃度の著しい低下が認められる。
(耐水性)
イエロー、マゼンタ、シアンの最大反射濃度部のパッチを作製し、印字後24時間室温放置後、10秒間水に浸積後、水を拭き取り、濃度低下を目視にて判断した。
◎:濃度低下なし
○:わずかに濃度低下が発生するが、画質に影響なし
△:画像品質を低下させる濃度低下発生
×:画像品質を著しく低下させる大幅な濃度低下が発生
以上の評価を行った結果を表1にまとめた。
Figure 2007130828
表1から明らかなように、マット剤を含有せず、かつ型付け原紙を使用しない試料101〜103は擦過性、くっつきの劣化が大きい。オゾン耐性、耐水性も思わしくない。これに対して、マット剤を添加、型付け原紙を使用することで、擦過性、くっつきが改良されていることがわかる。これはプリントの表面のすべりやすさが増大し、プリントに対する応力が緩和されているためと考えられる。また、このときにオゾン耐性も改良されいるのは予想外ではあるが、インク中に含まれ、着弾後プリント表面で膜を形成する際に、表面の粗さが高まることで、プリント表面に接着しやすくなり、ガス遮蔽性が増したのではないかと考えられる。また、耐水性は未印字部のC値が低い試料での改良が大きいが、これもプリント表面が粗面化することで、付与した水分散性微粒子がより強固にメディア表面に固着し、水分の進入を阻止していると考えられる。

Claims (4)

  1. 少なくとも水溶性染料と樹脂微粒子分散物を含有するインクジェット記録インクを、インクジェット記録媒体に記録するインクジェット画像形成方法において、該インクジェット記録媒体は印字前の記録面側のJIS−K−7105で規定されるC値が20〜50であり、かつ、該インクジェット記録インクの印字と並行して、該インクジェット記録インクの記録手段とは別に設けた液体付与手段によって、少なくとも樹脂を含有する実質的に無色のインクを、該インクジェット記録インクの付着量に応じて可変して印字することを特徴とするインクジェット画像形成方法。
  2. 前記インクジェット記録媒体が支持体上にインク吸収層を有し、かつ、該インク吸収層はマット剤を含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット画像形成方法。
  3. 前記インクジェット記録媒体の支持体が、予め型付け処理をされている非吸収性支持体であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット画像形成方法。
  4. 前記インクジェット記録媒体が、支持体の両面にインク吸収層を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のインクジェット画像形成方法。
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JP2009255564A (ja) * 2008-03-28 2009-11-05 Fujifilm Corp インクジェット記録方法

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