以下、実施の形態により、この発明を更に詳細に説明する。
以下の実施形態では、本発明の両面画像形成装置をファクシミリ装置に適用した場合について説明する。
図1は、実施形態に係るファクシミリ装置の内部構造を示す概略図であり、図2は、そのファクシミリ装置におけるプリンタ部の概略構成を示すブロック図である。プリンタ部は電子写真式のものであり、給紙部(給紙カセット80)の用紙Pを転写ニップ部、定着ニップ部を経て、排紙トレイ81に搬送する主搬送路Fと、主搬送路Fの上流側と下流側に連通し、用紙Pを表裏反転させて搬送する反転搬送路Rとを備える。
図1において、装置本体50の上部にはフラットベッドスキャナ(FBS)60が設けられ、FBS60は装置本体50の奥寄りの位置にヒンジ連結されて手前側が開閉可能なブックプラテンカバー61を有する。このブックプラテンカバー61は、正面から見てその左側に自動原稿供給装置(ADF)70が配置されており、ADF70により搬送される原稿が載置される原稿供給トレイ62をその上部に、読み取り後の原稿が排出される原稿排出トレイ63を原稿供給トレイ62の下側にそれぞれ備えている。
ADF70内において、原稿供給トレイ62の原稿出口に近接した位置に、原稿を1枚ずつ分離するための分離ローラ71が設けられ、更に原稿搬送路中に移送ローラ72が設けられ、原稿排出トレイ63の原稿入口に近接した位置に排出ローラ73が設けられている。
ADF70で搬送される原稿の画像を読み取るための読取位置には、複数枚のミラー75とCCD76とが配置され、原稿の画像がミラー75によって反射されてCCD76により撮像される。なお、図面には示していないが原稿を照射する光源も配置されている。
一方、装置本体50の下部には装置本体50に対して正面手前方向に出入り可能な給紙カセット80が配置され、その上方に排紙トレイ81が配置されている。給紙カセット80から排紙トレイ81までは、給紙カセット80の用紙Pに片面印字するときの主搬送路(用紙搬送路)Fになっており、この主搬送路Fとは別に両面印字するときの反転搬送路Rも主搬送路Fの外側に設けられている。この装置では、下部の給紙カセット80からの主搬送路F(及び反転搬送路R)を経て、排紙トレイ81に至る経路が横向きのU字状になっており、給紙カセット80と排紙トレイ81との間に、後記するLSU24、現像器ユニット90等が配置され、スペースが有効活用されている。
主搬送路Fには、感光体として外周面に光導電膜を有する感光ドラム21が配置されている。この感光ドラム21は、メインモータ41により回転される。この感光ドラム21の周囲には、帯電手段としてのスコロトロンチャージャ22が配置され、用紙に対する印字を行う場合には、このスコロトロンチャージャ22に帯電電圧印加回路(図示せず)により、所定の帯電電圧HVCが印加される。帯電電圧HVCが印加されたスコロトロンチャージャ22は、感光ドラム21の外周面を一様に帯電させる。なお、本件明細書において、感光ドラム21が帯電した状態とは、感光ドラム21表面に電荷が保持された状態を指す。
排紙トレイ81の下方に配置された露光手段としてのレーザスキャンユニット(LSU)24は、ポリゴンモータによってポリゴンミラーが回転され、入力された画像情報に応じたスキャンレーザ光を感光ドラム21に照射し、感光ドラム21の外周面に静電潜像を形成する。
更に、感光ドラム21の周囲には現像器ユニット90が配置されている。現像器ユニット90は、正帯電性のトナーを入れたトナーケース、供給ローラ25、現像ローラ26等により構成される。供給ローラ25はトナーケースからトナーを帯電させつつ現像ローラ26に供給するものである。この供給ローラ25には現像電圧印加回路(図示せず)により、所定の現像電圧HVBが印加される。
主搬送路Fの用紙送り出し側に配置された定着器は、ヒータランプを有する加熱ローラ31及びプレスローラ33等で構成される。加熱ローラ31はヒータランプにより加熱され、定着動作時には所定の温度を維持する。加熱ローラ31とプレスローラ33とは、転写ローラ29による転写後の用紙を加熱圧接することにより、用紙上のトナー画像を定着させる。
また、感光ドラム21の周囲には拡散手段が配置されている。この拡散手段は感光ドラム21の外周に当接して回転する回転ブラシ35であって、感光ドラム21の回転方向に転写ローラ29よりも下流側に配設されている。この回転ブラシ35は、転写後に感光ドラム21の外周面に画像の輪郭に沿って残るトナー画像(メモリ画像)を散らし、紙粉等を除去するためのものである。なお、拡散手段として、上記の回転ブラシ35のみならず感光ドラム21の外周面に感光ドラム21の回転方向に所定幅で接触する固定式のブラシを用いることができる。
片面印字時には、給紙カセット80の用紙Pはピックアップローラ(給紙ローラ)36により1枚ずつ取り出され、レジストローラ(レジスト手段)38により主搬送路Fを搬送され、感光ドラム21と転写ローラ29との当接部(転写ニップ部)、加熱ローラ31とプレスローラ33との当接部(定着ニップ部)を順番に通過され、サブモータ42で正回転される排紙ローラ91により排紙トレイ81に排出される。
両面印字時には、定着ニップ部を通過した片面印字終了後の用紙Pは、排紙ローラ91に挟持されているときに、サブモータ42により逆回転する排紙ローラ91によって反転搬送路Rに流入され、反転搬送路Rの搬送ローラ(搬送手段)92,93で給紙カセット80側に搬送される。そして、用紙Pは表裏が逆転した状態で再び主搬送路Fに送り込まれて、レジストローラ38により転写ニップ部に向けて搬送される。両面印字が終了した用紙Pは、排紙ローラ91により排紙トレイ81に排出される。
また、主搬送路Fの上流側にはPSSセンサ(給紙センサ)37が、下流側にはPDSセンサ(排紙センサ)39がそれぞれ設けられている。PSSセンサ37は、給紙部(給紙カセット80)より給紙された用紙を検出するためのセンサであり、PDSセンサ39は、転写、定着により記録された用紙が排出される場合に用紙を検出するセンサである。
更に、この装置本体50の側部には、給紙部として、用紙を手差しで供給するための手差しトレイ(図示せず)が設けられており、手差しトレイにより用紙を装置本体50内部に供給すると、用紙は手差しローラ45により手差し搬送路Hを通じて主搬送路Fに送られる。
この装置では、メインモータ41により、給紙クラッチ46を介するピックアップローラ36、レジストクラッチ47を介するレジストローラ38、感光ドラム21、転写ローラ29、現像ローラ26、供給ローラ25、加熱ローラ31及びプレスローラ33等の回転駆動が制御される。また、サブモータ42により、排紙ローラ91、搬送ローラ92,93の回転駆動が制御される。
なお、サブモータ42によるローラ91〜93の駆動については、反転搬送路Rの用紙がレジストローラ38側(反転搬送方向)に搬送されるときは、ローラ91〜93は共に同じ反転搬送方向に回転するが、画像形成済みの用紙が排紙トレイ81に排出されるときは、ローラ91だけが排紙方向(反転搬送方向とは逆方向)に回転する。これは、例えば遊星ギアを用い、用紙を反転搬送方向に送るときは遊星ギアを通じてローラ91〜93が共にサブモータ42に連結されるが、排紙方向のときは、遊星ギアによりローラ92,93がサブモータ42との連結から切り離されることで実現される。
更に、このファクシミリ装置のプリンタ部の構成について説明する。但し、説明が上記と一部重複する部分もある。
プリンタ部には、メインモータ41によって回転される感光ドラム21が配置される。この感光ドラム21の周囲に、帯電手段としてのスコロトロンチャージャ22が配置され、このスコロトロンチャージャ22に帯電電圧印加回路により所定の正の帯電電圧HVCが印加される。正の帯電電圧HVCが印加されたスコロトロンチャージャ22によって、感光ドラム21の外周面が約+800Vに一様に帯電される。この実施形態では、帯電手段として感光ドラム21表面を非接触で帯電させるスコロトロンチャージャ22を備えているが、これに代えて感光ドラム21表面に接触状態で帯電させる帯電ブラシやスポンジローラ、ソリッドローラなどの帯電ローラであってもよい。
感光ドラム21の周囲でスコロトロンチャージャ22の下流側に、露光手段としてのLSU(レーザスキャンユニット)24が配置される。このLSU24においては、画像情報が入力され、これに応答してレーザ発信源が出力したスキャンレーザ光をポリゴンモータにより回転するポリゴンミラーが散らすことで、感光ドラム21の外周面に画像情報に対応した静電潜像を形成する。
更に、感光ドラム21の周囲でLSU24の下流側に配置された現像器ユニット90は、供給ローラ25、現像ローラ26等により構成される。供給ローラ25は、正帯電性のトナーを入れたトナーケースからトナーを帯電させつつ現像ローラ26に供給するもので、この供給ローラ25には現像電圧印加回路により所定の供給電圧(+300V〜+700V)が印加される。この供給ローラ25と感光ドラム21に接触し、感光ドラム21との間に現像ニップ部を形成する現像ローラ26には、現像電圧印加回路により所定の現像電圧HVB(+300V〜+700V、好適には約+400V)が印加される。
更に、感光ドラム21の周囲で現像器ユニット90の下流側に配置された転写手段としての転写ローラ29は、主搬送路Fを挟んで感光ドラム21の外周面と転写ニップ部を形成するように配置され、メインモータ41により回転される。この転写ローラ29には転写電圧印加回路により、転写電圧HVTが印加される。
主搬送路Fの転写ニップ部よりも用紙送り出し側に配置された定着器は、ヒータランプを有する加熱ローラ31及びプレスローラ33等で構成される。加熱ローラ31のヒータランプは、ヒータ駆動回路により、加熱ローラ31の外周面が所定の温度となるように加熱する。加熱ローラ31の表面温度は、温度センサ(図示せず、例えば接触型のサーミスタ)によって検出される。加熱ローラ31とプレスローラ33は、転写処理後の用紙を加熱圧接することによりトナー画像を用紙上に定着させる。
また、感光ドラム21の周囲に沿ってスコロトロンチャージャ22と転写ローラ29との間に自軸回りに回転する回転ブラシ35を設けており、この回転ブラシ35には拡散電圧印加回路により所定の拡散電圧HVCLが印加される。
次に、この実施形態のプリンタ部の処理動作について説明する。但し、ここでは電源ON後の待機モード中から2枚の用紙の両面印字を連続で行う処理動作を、図3及び図4に示すタイムチャートを参照して説明する。
待機モードで制御中に、2枚の両面印字要求を示す印字信号が入ると(時刻t0)、定着器の温度を定着温度Temp3(一例として190℃)に向けて昇温する制御を開始する。但し、この昇温制御とともに、定着器の異常を監視する処理タスク、つまり定着器の温度が正常に上昇しているかを監視する処理タスクを起動し、監視処理タスクで定着器の温度上昇が異常と判断されると、印字処理を中断する。
定着器の温度がTemp1(一例として170℃)に達すると(時刻t1)、LSU24のポリゴンモータをONしてポリゴンミラーの回転を開始する。また、時刻t1でメインモータ41をONして、感光ドラム21、転写ローラ29、現像ローラ26、供給ローラ25及び回転ブラシ35の回転を開始する。
また、時刻t1では、印字前処理の電圧制御を開始する。この前処理電圧制御について詳述すると、定着器の温度がTemp1に達した時刻t1で、帯電電圧印加回路がスコロトロンチャージャ22に正の帯電電圧HVCを印加し、感光ドラム21の表面が均一に帯電される。
正の帯電電圧HVCを印加後に、現像電圧HVBとして、現像処理時に印加する現像電圧と同極性(正極性)で、それよりも低いステップ電圧(一例として約+10V)を、ポリゴンモータの回転が所定の回転数で安定したときのReady信号が出力された後まで印加する。これは、トナーの回収効率を向上させるためである。
そして、Ready信号の出力後に、現像電圧HVBを現像処理に必要な正の強電圧(例えば、約+400V)に切り替えるように構成している。この現像電圧HVBとして正の強電圧が印加されている間に、感光ドラム21上の静電潜像がトナー像として現像される。
また、時刻t1で帯電された感光ドラム21の領域が転写ニップ部に到達し、このときに転写電圧HVTとして、転写処理時とは逆極性の正の電圧を印加する。これによって、転写ローラ29に付着した残存トナーが感光ドラム21に戻される。
逆極性の正電圧の印加後は、転写電圧HVTとして、転写処理時と同極性の弱い試験電圧(例えば、約−1kV)が印加される。この試験電圧を転写ローラ29に印加している間に、転写ローラ29に流入する電流値が検出され、所定のテーブルを参照して、この検出した電流値に対応する転写電圧値を決定する。この決定した転写電圧値は、そのときの当該装置の置かれた環境温度及び温度条件においてトナー像を用紙に転写するために最適な転写電圧値であって、転写ローラ29に印加される電圧値である。
なお、時刻t1後に、回転ブラシ35に対して正の拡散電圧HVCLを印加して、感光ドラム21上の残存トナーの付着力を弱め、現像ローラ26でのトナー回収を容易にしている。
LSU24からのReady信号が出力され、定着器の温度が給紙開始温度Temp2(一例として185℃)に到達すると(時刻t2)、用紙搬送制御が開始される。この用紙搬送制御について詳述すると、時刻t2からタイマTclの有効な期間、給紙クラッチ46がONになり、ピックアップローラ36により給紙カセット80から主搬送路Fに向けて用紙が給紙される。給紙された用紙はやがてPSSセンサ37によって検出され、PSSセンサ37の出力立ち上がり時刻に2つのタイマT2及びタイマT16がスタートする。
タイマT2がタイムアップした時刻に、LSU24でのレーザ出力がONになり、LSU24が感光ドラム21表面に静電潜像を形成する。そして、タイマT16がタイムアップした時刻に、メインモータ41からレジストローラ38への駆動伝達の接断を行うためのレジストクラッチ47がONになり、レジストローラ38が用紙を挟持して転写ニップ部に向けて搬送する。このタイマT16のタイムアップまでレジストローラ38はその回転を停止しており、ピックアップローラ36によって給紙された用紙の先端が停止中のレジストローラ38に突き当てられて整合され、用紙の斜行が矯正される。
レジストローラ38によって搬送される用紙はやがて転写ニップ部に挟持され、この転写ニップ部で感光ドラム21上のトナー像が用紙上に転写され、転写されたトナー像が定着器によって定着される。定着器を出た用紙はやがてPDSセンサ39によって検出される。PDSセンサ39の出力立ち上がり時刻、つまり定着器を出た用紙の先端がPDSセンサ39で検出された時刻に、サブモータ42に正電圧が印加される。これにより、排紙ローラ91が排紙方向に回転し、用紙の排紙が可能な状態となる。なお、前記したように、排紙ローラ91が排紙方向に回転しているときは、搬送ローラ92,93は回転しない。また、サブモータ42への正電圧の印加と同時にタイマT108がスタートする。
そして、続けて用紙が搬送されると、主搬送路FにおけるPSSセンサ37の配設位置から用紙の後端が外れ、PSSセンサ37の出力がOFFになる。PSSセンサ37のOFF時刻にタイマT17がスタートし、このタイマT17のタイムアップ時刻に、レジストクラッチ47がOFFになり、レジストローラ38の回転が停止する。このタイマT17は、用紙の後端がPSSセンサ37の配設位置を出てからレジストローラ38の配設位置に到達するまでの時間に設定される。
この用紙搬送制御に併行して、時刻t2から印字のための電圧制御が開始される。PSSセンサ37の出力がON後に、用紙の先端が転写ニップ部に到達する。このとき転写電圧HVTとして、感光ドラム21上のトナー画像を用紙に転写するための負極性の強電圧であって、上記した試験電圧の印加処理において決定した電圧を印加する。
時刻t2以降は、帯電電圧印加回路が正の帯電電圧HVCをスコロトロンチャージャ22に印加しており、現像電圧印加回路が正極性の強電圧を現像ローラ26を含む現像器に印加しており、回転ブラシ35に正極性の拡散電圧HVCLが印加されている。従って、スコロトロンチャージャ22によって均一に帯電した感光ドラム21表面に、LSU24によって静電潜像が形成され、この静電潜像が現像ローラ26から供給されたトナーによって現像される。転写ニップ部で、このトナー像が負の強電圧が印加された転写ローラ29によって用紙に転写される。転写後に感光ドラム21表面に残存するトナーは、拡散電圧HVCLが印加された回転ブラシ35によって、その付着力が弱められ、再び現像ローラ26によって回収される。
転写ニップ部を通過した用紙は、定着ニップ部によりトナー像が定着される。やがてタイマT108がタイムアップすると、タイマaの有効期間、サブモータ42への印加正電圧が下がり、排紙ローラ91の回転速度が低下し、片面印字済み用紙の搬送速度が落ちる。そして、片面印字済み用紙の後端がPDSセンサ39から外れると、PDSセンサ39の出力がOFFになり、タイマT106がスタートする。タイマT106のタイムアップ時刻(タイマaの有効期間の終了時)に、サブモータ42がOFFになり、排紙ローラ91の排紙方向への回転が停止する。このタイマT106は、PDSセンサ39の配設位置に位置する用紙の後端が排紙ローラ91に挟持された状態で止まるまでの時間に設定される。サブモータ42のOFFは、タイマT107が有効な期間継続する。ここまでで、1枚目の用紙の片面印字が終了し、次に両面(裏面)印字に移る。
タイマT107のタイムアップ時刻に、今度はサブモータ42に負電圧が印加される。これにより、排紙ローラ91だけでなく搬送ローラ92,93も反転搬送方向に回転する。排紙ローラ91が反転搬送方向に回転し始めると、用紙が反転搬送路Rに向かって進行するので、用紙の後端(今度は先端)がPDSセンサ39により検出され、PDSセンサ39の出力がONになる。
一方、サブモータ42への負電圧の印加と同時にタイマT109がスタートする。このタイマT109は、用紙が反転搬送されてから最下流の搬送ローラ93の配設位置まで搬送される時間に設定される(図2参照)。なお、タイマT109は任意に設定可能としてもよい。タイマT109の期間、用紙が排紙ローラ91及び搬送ローラ92,93により反転搬送路Rを搬送されていくと、用紙が再び主搬送路Fに入る。
タイマT109がタイムアップすると、タイマbの有効期間、サブモータ42への印加負電圧が下がり、搬送ローラ92,93の回転速度が低下し、片面印字済み用紙の搬送速度が落ちる。タイマT109とタイマbにおけるサブモータ42の各回転速度は、例えばタイマT109の期間は400ppsで、タイマbの期間は200ppsである。
その低下した速度で用紙が搬送されていくと、やがて用紙の先端がPSSセンサ37により検出され、PSSセンサ37の出力がONになる。このPSSセンサ37のON時刻に、タイマTd2、タイマTd15、タイマT116がスタートする。
タイマTd2がタイムアップした時刻に、LSU24が感光ドラム21表面に静電潜像を形成する。そして、タイマT116がタイムアップした時刻に、レジストクラッチ47がONになり、レジストローラ38が用紙を挟持して転写ニップ部に向けて搬送する。このタイマT116のタイムアップまでレジストローラ38は回転せずに停止しているので、反転搬送路Rから搬送されてきた片面印字済み用紙の先端が停止中のレジストローラ38に突き当たって整合され、用紙の斜行が矯正される。このとき、片面印字済み用紙はその搬送速度が低下した状態でレジストローラ38に突き当たるので、片面印字済み用紙の先端がカールしていたり不揃いであっても、レジストローラ38により用紙の先端を確実に整合させることができ、レジストローラ38での整合のバラツキを防止できる。
また、この実施形態では、タイマT16(給紙カセット80から給紙された用紙の先端がPSSセンサ37で検知されてから、レジストクラッチ47がONになるまでの時間)と、タイマT116(反転搬送路Rから搬送されてきた用紙の先端がPSSセンサ37で検知されてから、レジストクラッチ47がONになるまでの時間)とは異なっており、タイマT116がタイマT16よりも長い。前記したように、片面印字済みの用紙は、一度、定着器により加熱されているので、先端がカールしていたり不揃いであることが多い。しかしながら、タイマT116の時間を長くすることで、片面印字済み用紙の先端をレジストローラ38に突き当てる整合時間が長くなるので、片面印字済み用紙の先端がカールしていたり不揃いであっても、レジストローラ38での整合をより一層確実に行うことができる。
更に、片面印字済みの用紙が反転搬送路Rから主搬送路Fに進行すると、用紙の後端がPDSセンサ39の配設位置から外れ、PDSセンサ39の出力がOFFになる。一方、タイマT116のタイムアップ時刻(タイマbの有効期間の終了時)に、サブモータ42がタイマT103の有効期間OFFになる。タイマT103がタイムアップすると、タイマT111がスタートし、このタイマT111の期間、サブモータ42に正電圧が印加され、前記したように遊星ギアにより排紙ローラ91と搬送ローラ92,93との連係が断たれる。タイマT111がタイムアップすると、サブモータ42の回転が停止する。
片面印字済みの用紙は反転搬送路Rから主搬送路Fに送られ、転写ニップ部、定着ニップ部を順に通過し、両面(裏面)にトナー像が定着される。定着器を通過した用紙の先端はやがてPDSセンサ39により検知され、PDSセンサ39の出力がONになる。PDSセンサ39のON時刻に、サブモータ42に正電圧が印加され、排紙ローラ91が排紙方向に回転し、用紙の排紙が可能な状態となる。なお、今回のサブモータ42の排紙方向への回転は、2枚目の用紙の片面印字が終了するまで続けられる。
続けて用紙が搬送されると、PSSセンサ37の配設位置から用紙の後端が外れ、PSSセンサ37の出力がOFFになる。PSSセンサ37のOFF時刻にタイマT117がスタートし、このタイマT117のタイムアップ時刻に、レジストクラッチ47がOFFになり、レジストローラ38の回転が停止する。このタイマT117は、前記タイマT17と同じ目的で設けてある。
一方、片面印字済みの用紙の先端がPSSセンサ37により検知された時刻からスタートしたタイマTd15は、2枚目以降の用紙を給紙するために用いられる。このタイマTd15がタイムアップしたときに、再び給紙クラッチ46がタイマTclの期間ONになり、2枚目の用紙が給紙カセット80から主搬送路Fに向けて給紙され、2枚目の用紙の両面印字が開始される。
給紙クラッチ46のON後に、2枚目の用紙の先端がPSSセンサ37で検知され、PSSセンサ37の出力がONになる。この2枚目の用紙に係るPSSセンサ37がONになった時点では、まだ1枚目の用紙がPDSセンサ39で検知されており、PDSセンサ39の出力がONであるが、やがて1枚目の用紙の後端がPDSセンサ39の配設位置から外れ、PDSセンサ39の出力がOFFになる。1枚目の両面印字済みの用紙は、排紙ローラ91の排紙方向への回転により排紙トレイ81上に排出される。
その後、直ぐに2枚目の片面印字済みの用紙の先端がPDSセンサ39により検知され、PDSセンサ39の出力がONになる。これ以降の2枚目の用紙の両面印字については、1枚目の場合と同じであるので説明は省略する。
2枚目の用紙の両面印字が終了し、その用紙の後端がPDSセンサ39の配設位置から外れ、PDSセンサ39の出力がOFFになると、タイマT105がスタートする。このタイマT105のタイムアップ時刻に、サブモータ42がOFFになり、排紙ローラ91の排紙方向への回転が停止する。このタイマT105は、PDSセンサ39の配設位置に位置する最終枚(2枚目)の用紙の後端が排紙トレイ81まで排出されるのに十分な時間に設定されている。
2枚目の用紙の両面(裏面)印字に係る転写処理後は、転写電圧HVTを各種タイマに基づいて切り替えることにより、転写ローラ29及び感光ドラム21のクリーニング処理(後回転処理)が行われる。
その後、メインモータ41の回転が停止し、スコロトロンチャージャ22、現像ローラ26、回転ブラシ35に印加されている各種電圧がOFFになる。次いで、制御モードが最初の待機モードに切り替わる。なお、メインモータ41の回転停止は、サブモータ42の回転停止後に行われ、メインモータ41とサブモータ42が同時に停止することはない。