JP2005067633A - 角形缶 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の角形缶との互換性を持ちつつ、その荷崩れを防止できる角形缶(金属板製18リットル缶)を提供する。
【解決手段】角筒状の缶胴1の上下端に、天板2および底板3を巻き締めにより固定する。上下の巻き締め部4、5を天板2および底板3の中央部よりも外端側に突出させる。上の巻き締め部4の突出長を約3mmに設定し、下の巻き締め部5の突出長を約6mmに設定する。上の巻き締め部4の外側寸法を238.0±2.0mm(JISの規定)に設定する。上下の巻き締め部4、5を含む角形缶の高さを349.0±2.0mm(JISの規定)に設定する。缶胴1の下端部にテーパ6を形成する。テーパ6の大きさは、角形缶の容量が19.25±0.45L(JISの規定)になるように設定する。テーパ6により、下の巻き締め部5の外側寸法が上の巻き締め部4の内側寸法よりも小さくなる。天板2に下の巻き締め部5を積み重ねる。
【選択図】 図3
【解決手段】角筒状の缶胴1の上下端に、天板2および底板3を巻き締めにより固定する。上下の巻き締め部4、5を天板2および底板3の中央部よりも外端側に突出させる。上の巻き締め部4の突出長を約3mmに設定し、下の巻き締め部5の突出長を約6mmに設定する。上の巻き締め部4の外側寸法を238.0±2.0mm(JISの規定)に設定する。上下の巻き締め部4、5を含む角形缶の高さを349.0±2.0mm(JISの規定)に設定する。缶胴1の下端部にテーパ6を形成する。テーパ6の大きさは、角形缶の容量が19.25±0.45L(JISの規定)になるように設定する。テーパ6により、下の巻き締め部5の外側寸法が上の巻き締め部4の内側寸法よりも小さくなる。天板2に下の巻き締め部5を積み重ねる。
【選択図】 図3
Description
本発明は、18リットル缶などの角形缶、およびその製造方法に関するものである。
一般に、内容物を充填した多数の缶を保管する場合、これらの缶をパレットの上に積み重ねたり、複数の缶を積み重ねたパレット同士をさらに積み重ねたりして保管することが多い。
ビールなどの飲料缶や食品の缶詰などに代表される比較的小型の缶では、底面の面積を天板よりも小さく形成し、天板周縁の突出部の内側に上の缶の底部を係合させることにより、積み重ね時の荷崩れ防止を図ることがある。なお、底面の面積を小さく形成する手段として、エキスパンド加工などによって形成された缶胴に別工程のネックイン加工を施すことにより、底部を絞った丸缶、あるいは缶胴全体にテーパを形成した丸テーパ缶や角テーパ缶に加工している。
一方、18リットル缶に代表される大型の角形缶の場合、天板周縁の突出部に底板周縁の突出部をそのまま突き合わせるようにして積み重ね、この積み重ねた角形缶に紐掛けやラップフィルムによるラッピングを施して、運搬時や保管時の荷崩れを防止している。積み重ねられた角形缶を1缶ずつ取り出すとき、荷崩れ防止用の紐掛けやラッピングフィルムを解いた後、荷崩れを生じさせないように慎重に取り出している。
このような大型角形缶の取り扱い上の手間を省略するため、特許文献1は、天板(天蓋)の巻き締め部(突出部)の内矩を底板(地蓋)の巻き締め部(突出部)の外矩よりも大きくした大型金属製角缶を開示している。
図7に示すように、特許文献1の大型金属製角缶を積み上げたとき、床面101に置かれた大型金属製角缶102aの天板103の上方の巻き締め部104により囲まれた凹部内に、その上に積み上げられる大型金属製角缶102bの底板105の巻き締め部106がすっぽり入り込む。さらに、その上に別の大型金属製角缶102cを積み上げることにより、荷崩れを防止しつつ大型金属製角缶を積み上げるようになっている。
天板103の巻き締め部104の内矩を底板105の巻き締め部106の外矩よりも大きくするため、缶胴107の周面を上下方向に沿って傾斜して形成すると共に、天板103と底板105との大きさを違えている。
特開2003−72756号公報(段落番号0009、第3図)
ところが、特許文献1の角形缶は、その缶胴の周面全体が上下方向に沿って傾斜した構造となっているので、従来の角形缶に比べて、天板付近が前後方向および左右方向に大きくなるか、又は、従来の角形缶と天板の大きさを同じくした場合には、その高さが高くなる。そのため、所定の容量の角形缶を所定の数だけ積み上げるのに必要なスペースが従来の角形缶を積み上げる場合よりも大きくなる。また、角形缶の形状寸法が日本工業規格(JIS)に規定された寸法と異なるので、これを取り扱う運搬設備や充填設備に、従来の角形缶用のものと互換性を持たせることができない。
本発明は、積み上げに要するスペースを大きくすることなく、かつ従来の角形缶との互換性を持ちつつ、その荷崩れを防止できる角形缶を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明は、角筒状の缶胴と、この缶胴の開口を塞ぐように缶胴の上下端に巻き締めにより固定された天板および底板とを備えた構造を前提として、上下の巻き締め部を天板および底板の中央部よりも外端側に突出させて形成し、上の巻き締め部に底板を、又は天板に下の巻き締め部を積み重ね可能なように、缶胴の上端部および下端部のいずれかに、上下の巻き締め部の一方の外側寸法を他方の内側寸法よりも小さくするテーパを形成した角形缶を提供するものである。
この構成によれば、缶胴の上端部にテーパを形成することにより、上の巻き締め部の外側寸法を下の巻き締め部の内側寸法よりも小さくして、下側の角形缶における上の巻き締め部に、その上に積み上げられる角形缶における底板を積み重ねることができる。あるいは、缶胴の下端部にテーパを形成することにより、下側の角形缶における天板に、その上に積み上げられる角形缶における下の巻き締め部を積み重ねることができる。
これにより、積み重ねた角形缶の上下の巻き締め部を係合させて、その荷崩れを防止することができるので、荷崩れ防止用の紐掛けやラッピングを省略して、角形缶の運搬など、その取り扱いに要する時間を短くすることができる。
缶胴の上端部および下端部のいずれかのみにテーパを形成するので、他の部位における前後方向および左右方向の寸法と、角形缶の高さとを従来のものと同じにすることができる。これにより、所定の容量の角形缶を所定の数だけ積み上げるのに必要なスペースが、上下の巻き締め部を突き合わせて積み重ねる従来の角形缶と同じ大きさになる。これにより、角形缶の保管場所の省スペース化を図ることができる。
缶胴の上端部および中央部を直缶状に形成し、缶胴の下端部にテーパを形成すれば、底部のコーナーの角度が鈍角になるので、その内容物を最後まで取り出しやすくすることができる。これにより、内容物の無駄がなくなり、余分な内容物が残らない分、空き缶の処理を簡単にすることができる。
上の巻き締め部の外側寸法、および上の巻き締め部の上端から下の巻き締め部の下端までの高さを、金属板製18リットル缶の日本工業規格(JIS)に規定された大きさとして、上下の巻き締め部の突出長を通常の角形缶に用いられる約3mmに設定する。なお、上の巻き締め部は、その外側寸法が238.0±2.0mmの略正方形であり、角形缶の高さは349.0±2.0mmである。
角形缶の容量は、テーパを形成することにより減少するが、この減少した角形缶の容量が日本工業規格に規定された許容範囲である19.25±0.45Lの範囲内になるように、テーパの上下方向の長さおよび下の巻き締め部の外側寸法を設定する。そうすれば、テーパ部分を除く角形缶の寸法を従来のものと同じにすることができるので、従来の角形缶と互換性を持たせて、これを取り扱う運搬設備や充填設備をそのまま使用することができる。
天板に、内容物を出し入れするための出入口と、この出入口を取り囲む口金とを形成し、上の巻き締め部の突出長を通常の約3mmに設定して、口金の天板上面からの突出長を3mm〜6mmに設定する。下の巻き締め部の突出長を約6mmに設定することにより、角形缶を積み重ねた積重状態における、下側の角形缶の天板と上側の角形缶の底板との間隔を口金の突出長よりも大きくして、口金が角形缶の積み重ねの邪魔にならないようにすることができる。
つまり、従来の角形缶を積み重ねた場合、上下の角形缶の天板と底板との間隔は上下の巻き締め部の突出長の合計に等しい約6mmである。ところが、本発明の角形缶をその下の巻き締め部の突出長を通常の約3mmに設定して積み重ねた場合、天板と底板との間隔は下の巻き締め部の突出長に等しい約3mmになる。この間隔は従来の約1/2であり、これよりも突出した口金が角形缶の積み重ねの邪魔になる。
そこで、下の巻き締め部の突出長を約6mmに設定することにより、上下の角形缶の天板と底板との間隔を従来と同じ大きさにする。なお、下の巻き締め部を通常の大きさよりも大きくすることにより、底部の強度アップを図ることができる。
上の巻き締め部の突出長を約3mmに設定して下の巻き締め部の突出長を約6mmに設定した場合において、上の巻き締め部の外側寸法、および上の巻き締め部の上端から下の巻き締め部の下端までの高さを、金属板製18リットル缶の日本工業規格に規定された大きさ(外側寸法:238.0±2.0mm、高さ:349.0±2.0mm)とする。
テーパを形成することにより減少した角形缶の容量が日本工業規格に規定された許容範囲である19.25±0.45Lの範囲内になるように、テーパの上下方向の長さおよび下の巻き締め部の外側寸法を設定する。これにより、従来の角形缶と互換性を持たせて、これを取り扱う運搬設備や充填設備をそのまま使用することができる。
また、本発明は、上記の角形缶を製造するための角形缶の製造方法を提供する。すなわち、金属板を丸めて両端縁同士を溶接することにより円筒を形成し、この円筒の内側に4つのエキスパンダーを挿入して拡缶することにより、円筒を角筒状の缶胴に加工する。次いで、缶胴の中心軸方向における両端部を缶胴の外面側に折り曲げてフランジを形成し、このフランジに天板および底板を重ねて巻き締めすることにより角形缶を製造する。
エキスパンダーに段差部を形成しておくことにより、円筒から角筒状の缶胴への加工時に、缶胴の両端部の一方に、両巻き締め部の一方の外側寸法を他方の内側寸法よりも小さくするテーパを形成する。そうすれば、円筒を角筒状の缶胴に加工する工程と、缶胴にテーパを形成する工程とを兼用することができる。これにより、角形缶の製造の省力化を図ると共に、ネックイン加工(絞り加工)によってテーパを形成する場合よりもその加工精度を高めることができる。
本発明によると、下端部を除く部位の寸法および容量において、従来の18リットル缶との互換性を持たせ、従来の運搬設備や充填設備などをそのまま使用できるようにしている。その結果、新たな設備の追加が不要になり、その分、コストを安くすることができる。
また、円筒から角筒状の缶胴への加工(エキスパンド加工)と、テーパの形成とを同時に1工程で行うようにしている。そのため、角筒状に加工する工程と、その後のネックイン加工(絞り加工)との合計2工程を要する従来の加工方法よりも、加工工数を減らして省エネルギーに寄与すると共に、加工精度を高めることができる。
以下、本発明に係る角形缶を実施するための最良の形態について、図面を用いて説明する。図1は本発明に係る角形缶の斜視図、図2は図1のA−A断面図、図3は角形缶の積重状態を示す断面図である。
この角形缶は、その容量および外形寸法が日本工業規格(JIS)に規定された大きさの金属板製18リットル缶であり、角筒状の缶胴1と、この缶胴1の上下の開口を塞ぐ天板2および底板3と、缶胴1の上下端に天板2および底板3を巻き締め固定する上下の巻き締め部4、5と、この缶胴1の上端よりも下端の前後方向および左右方向の寸法を小さくするテーパ6とを備えている。
缶胴1は、その上端部および中央部を直缶状に形成し、下端部にテーパ6を形成してなり、上下の巻き締め部4、5を含めた高さがJISの規定である349.0±2.0mmに設定されている。テーパ6の上下方向の長さ(h)は、角形缶の容量を19.25−0.26(−1.4%)Lにする大きさに設定され、角形缶の容量がJISの規定である19.25±0.45(±2.3%)Lの範囲内に設定されている。
天板2の中央には、内容物を出し入れするための出入口7が形成され、この出入口7が、その周縁部を上側かつ外側に折り返してなる口金8によって取り囲まれている。口金8の天板2の上面からの突出長は、4.0±0.2mmとされ、3mm〜6mmの範囲内に設定されている。
上の巻き締め部4は、缶胴1の上端の内周面に天板2の周縁を重ねて、これを缶胴1の外周側に二重巻き締めしてなり、天板2の中央部よりも上側に突出して形成されている。上の巻き締め部4の外側寸法は、JISの規定である238.0±2.0mmに設定されている。
下の巻き締め部5は、缶胴1の下端の内周面に底板3の周縁を重ねて、これを缶胴1の外周側に二重巻き締めしてなり、底板3の中央部よりも下側に突出して形成されている。下の巻き締め部5の外側寸法は、テーパ6によって上の巻き締め部4の内側寸法(w)よりも小さくされ、天板2に下の巻き締め部5を積み重ね可能とされる。なお、下の巻き締め部5の外側寸法は、233.5±2.0mmである。
上の巻き締め部4の上端から天板2の上面までの高さ(突出長)は約3mmに設定され、上の巻き締め部4の上端よりも口金8が突出している。下の巻き締め部5の下端から底板3の下面までの高さ(カウンターシンク)は約6mmに設定され、角形缶を積み重ねた積重状態で、下側の角形缶の天板2と上側の角形缶の底板3との間隔(約6mm)を口金8の突出長(4.0±0.2mm)よりも大きくしている。
図3に示すように、この角形缶を積み重ねたとき、上側の角形缶の下の巻き締め部5が下側の角形缶の上の巻き締め部4の内側に嵌り込んで、上下の角形缶が係合する。また、角形缶を隙間無く積み重ねることにより、前後左右に隣接する角形缶の中心間隔が上の巻き締め部4の外側寸法に等しくなり、従来の角形缶と同じ間隔で配置される。
次に、この角形缶を製造する手順を図4、図5および図6を用いて説明する。図4は角形缶の製造手順を示す図、図5は図4のうち缶胴の製造を示す図、図6は図4のうち缶胴への天板および底板の取り付けを示す図である。
図4に示すように、まず、金属板9を所定の大きさに切断すると共に端部の不良部分を切り落とし、これを丸めて両端縁同士を溶接することにより円筒10を形成する(図5(a))。この円筒10の内側に4つのエキスパンダー11を挿入し(図5(b))、円筒10を拡缶して角筒状の缶胴1に加工する(図5(c))。
エキスパンダー11に段差部12を形成しておき、円筒10を角筒状の缶胴1に加工する際、缶胴1の下端部にテーパ6を形成する。エキスパンダー11は、缶胴1の上下方向において、段差部12よりも上側の部位11aで缶胴1の上端部および中央部を形成し、段差部12よりも下側の部位11bで巻き締め用の直缶部1aを形成するようになっている。缶胴1の溶接部13に塗装および焼き付けを施した後、缶胴1の中心軸方向における両端部を缶胴1の外面側に折り曲げて上下のフランジ14、15を形成する。
天板2および底板3は、原材料としての金属板16から所定の大きさの板を切り抜いて、その周縁部17をカーリングによって折り起こした後、コンパウンド塗布および乾燥を施すことにより、缶胴1とは別に形成する。また、天板2の中央部を切り抜いて出入口7を形成し、その周縁部を折り起こして折り返すことにより口金8を形成しておく。
図6に示すように、缶胴1の下端に底板3を嵌め込み、下のフランジ15に底板3の周縁部17を重ねるように二重巻き締めして、缶胴1の下端に底板3を固定する。缶胴1の上端に天板2を嵌め込み、上のフランジ14に天板2の周縁部17を重ねるように二重巻き締めして、缶胴1の上端に天板2を固定して、角形缶の製造が完了する。完成した角形缶を検査および梱包した後、入庫する。
上記構成によれば、缶胴1の下端部にテーパ6を形成して、下の巻き締め部5の外側寸法を上の巻き締め部4の内側寸法よりも小さくしている。これにより、天板2に下の巻き締め部5を積み重ねて、上の巻き締め部4の内側に下の巻き締め部5を係合させることができ、積み重ねた角形缶の荷崩れを防止することができる。
下の巻き締め部5の突出長を従来の2倍の約6mmに設定するので、角形缶を積み重ねたときの上下の角形缶の天板2と底板3との間隔は、上下の巻き締め部4、5を突き合わせて積み重ねる従来のものと同じ大きさになる。これにより、上の角形缶の底板3に下の角形缶の天板2の口金8が当たることを防止し、さらに下端部の強度アップを図ることができる。
テーパ6を缶胴1の下端部のみに形成するので、天板2の寸法および角形缶の高さを従来のものと同じ大きさに設定しつつ、テーパ6を形成することによる容量の減少を抑えることができる。これにより、角形缶の容量および外形寸法を日本工業規格(JIS)に規定された大きさに設定することができ、従来の18リットル缶との互換性を持たせて、運搬設備や充填設備などに従来品を使用することができる。
円筒10を角筒状の缶胴1に加工するためのエキスパンダー11に段差部12を形成しておくので、缶胴1の成形とテーパ6の形成とを同時に行うことができ、缶胴1の成形後に別工程のネックイン加工(絞り加工)でテーパ6を形成する従来の加工方法よりも、工程数の削減および加工精度のアップを図ることができる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、適宜変更を加えることができる。例えば、上の巻き締め部4の突出長を約3mmに設定して下の巻き締め部5の突出長を約6mmに設定する代わりに、口金8の突出長を3mm以下にして、上下の巻き締め部4、5の突出長を共に約3mmに設定してもよい。この場合、角形缶の容量は、19.25−0.10(0.5%)Lであり、JISに規定の19.25±0.45(±2.3%)Lの範囲内になる。
また、18リットル缶に限らず、あらゆる大きさの角形缶を採用することができる。特に、18リットル缶と平面寸法が同じで缶高さが低い9リットル缶(1/2H缶)や6リットル缶(1/3H缶)、4.5リットル缶(1/4H缶)などのいわゆる特寸缶と称される角形缶を採用すれば好適である。このような高さが低い缶を同じ高さまで積み上げる場合、缶の重ね面が2倍、3倍、4倍と多くなり、その分、荷崩れが生じやすいが、本発明の角形缶を採用することにより、荷崩れを阻止して、危険防止および安全性の向上を図ることができる。
テーパ6を缶胴1の下端部に形成する代わりに、テーパ6を缶胴1の上端部に形成し、上の巻き締め部4の外側寸法を下の巻き締め部5の内側寸法よりも大きく設定してもよい。この場合、上の巻き締め部4の外側に下の巻き締め部5を被せるようにして、上の巻き締め部4に底板を積み重ねて角形缶を積み上げる。
1 缶胴
2 天板
3 底板
4 上の巻き締め部
5 下の巻き締め部
6 テーパ
7 出入口
8 口金
10 円筒
11 エキスパンダー
12 段差部
2 天板
3 底板
4 上の巻き締め部
5 下の巻き締め部
6 テーパ
7 出入口
8 口金
10 円筒
11 エキスパンダー
12 段差部
Claims (6)
- 角筒状の缶胴と、該缶胴の開口を塞ぐように缶胴の上下端に巻き締めにより固定された天板および底板とを備えた角形缶において、上下の巻き締め部が天板および底板の中央部よりも外端側に突出して形成され、上の巻き締め部に底板を、又は天板に下の巻き締め部を積み重ね可能なように、前記缶胴の上端部および下端部のいずれかに、上下の巻き締め部の一方の外側寸法を他方の内側寸法よりも小さくするテーパが形成されたことを特徴とする角形缶。
- 前記缶胴の上端部および中央部が直缶状に形成され、缶胴の下端部に前記テーパが形成されたことを特徴とする請求項1に記載の角形缶。
- 上の巻き締め部の外側寸法、および上の巻き締め部の上端から下の巻き締め部の下端までの高さは、金属板製18リットル缶の日本工業規格に規定された大きさとされ、
上下の巻き締め部の突出長が約3mmに設定され、
前記テーパの上下方向の長さおよび下の巻き締め部の外側寸法は、テーパを形成することにより減少した当該角形缶の容量を前記日本工業規格に規定された許容範囲である19.25±0.45Lの範囲内にする大きさに設定されたことを特徴とする請求項2に記載の角形缶。 - 前記天板に、内容物を出し入れするための出入口と、該出入口を取り囲む口金とが形成され、上の巻き締め部の突出長が約3mmに設定され、口金の天板上面からの突出長が3mm〜6mmに設定され、
下の巻き締め部の突出長が約6mmに設定され、当該角形缶を積み重ねた積重状態で、下側の角形缶の天板と上側の角形缶の底板との間隔が前記口金の突出長よりも大きくされたことを特徴とする請求項2に記載の角形缶。 - 上の巻き締め部の外側寸法、および上の巻き締め部の上端から下の巻き締め部の下端までの高さは、金属板製18リットル缶の日本工業規格に規定された大きさとされ、
前記テーパの上下方向の長さおよび下の巻き締め部の外側寸法は、テーパを形成することにより減少した当該角形缶の容量を前記日本工業規格に規定された許容範囲である19.25±0.45Lの範囲内にする大きさに設定されたことを特徴とする請求項4に記載の角形缶。 - 金属板を丸めて両端縁同士を溶接することにより円筒を形成し、該円筒の内側に4つのエキスパンダーを挿入して拡缶することにより、前記円筒を角筒状の缶胴に加工し、次いで、缶胴の中心軸方向における両端部を缶胴の外面側に折り曲げてフランジを形成し、該フランジに天板および底板を重ねて巻き締めすることにより、角形缶を製造する角形缶の製造方法において、前記エキスパンダーに段差部を形成しておき、前記円筒から角筒状の缶胴への加工時に、缶胴の両端部の一方に、両巻き締め部の一方の外側寸法を他方の内側寸法よりも小さくするテーパを形成することを特徴とする角形缶の製造方法。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20061107 |