JP2005067310A - ブレーキ液圧制御ユニット - Google Patents

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孝之 柴田
Masuhiro Kondo
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Abstract

【課題】液圧ブロックに駆動モータを一体に連結、固定した液圧制御ユニットを車体に対し緩衝支持する構成を、駆動モータを液圧ブロックに固定する固定手段に緩衝支持手段を共用することにより、固定手段を含んでシンプルで簡易な構成とし、コスト低減を図り得るブレーキ液圧制御ユニットを得る。
【解決手段】ブレーキ液圧制御ユニットAは、液圧ブロック1に駆動モータ2のモータヨーク2aを固定する固定手段として1つの取付ねじ3と、緩衝支持手段としての2つのマウント部材4により液圧ブロック1と駆動モータ2が一体に連結されている。マウント部材4は、固定部材として取付ボルトを用いてマウントを液圧ブロック1に取付け、この取付ボルトに弾性を有するラバーマウントを含む緩衝接続部材を接続し、この緩衝接続部材を車体への支持フレームにより緩衝支持して液圧ブロック1の振動を遮断するようにしている。
【選択図】図1

Description

この発明は、車両ブレーキのアンチロック制御やトラクション制御などに必要な液圧制御ユニットを車体に緩衝支持する手段を含むブレーキ液圧制御ユニットに関する。
車両ブレーキを液圧で作動させる液圧ブレーキシステムでは、近年アンチロック制御、トラクション制御、走行安定制御等において車両走行及び制動を効果的に行なうため液圧回路中に液圧ポンプを含むブレーキ液圧制御ユニットが備えられている。このブレーキ液圧制御ユニットは電動モータがポンプ駆動のため連結されて一体化されたものが採用されている。ブレーキ液圧制御ユニットは、ポンプ吐出時、始動時、制動時等に振動するため、これを車体に対し緩衝支持するように取付けられている。
その一例として、特許文献1で開示された車両用液圧制御装置の緩衝支持構造では、ブレーキ液圧制御ユニットをラバーマウントにより車体に緩衝支持する際に、モータのヨーク端に取付けられるエンドカバーにラバーマウントの支持部を設けて振動を遮断するように構成している。実際の例では、エンドカバーの外周縁に半径方向外方へ延出部を設け、その延出部にラバーマウントを設けて支持部としている。
他の例として、特許文献2で開示されたマウントインシュレータは、有底円筒形のホルダに雄ねじ部を有するロッドの基端が固定された連結体と、ホルダ内に嵌着されるラバーの弾性体と、この弾性体の中央孔に液圧ブロックに螺着された六角断面のロッドとを備え、車両に対し支持するためのブラケットをホルダ底部との間にナットで挾持する際にホルダ底部に摩擦付与部を設けたというものである。
しかし、特許文献1の緩衝支持構造では、モータヨーク端に取付けられるエンドカバーにラバーマウントの支持部を設けた、あるいはこの支持部をエンドカバー外周縁の半径方向外方への延出部を設けたに過ぎず、モータヨークを液圧ブロック(液圧ユニット)に固定する手段(固定ボルト)は、ラバーマウントとは別個独立に設けられている。このため、固定手段は必要最小限2箇所設け、かつラバーマウントはエンドカバーに専用の延出部を設ける必要があり、緩衝支持構造が複雑となる。従って、コスト低減が図れない。
又、特許文献2はマウントインシュレータの詳細構造について、取付作業時に車体への支持ブラケットを締め付ける際に連結体が回転するのを防止して取付作業性の向上を図ったものであり、液圧ブロックに対し駆動モータを固定する構成については何ら示していない。
特開平8−26100号公報 実開平7−19633号公報
この発明は、上記の問題に留意して、液圧ブロックに駆動モータを一体に連結、固定したブレーキ液圧制御ユニットを車体に対し緩衝支持する構成を、駆動モータを液圧ブロックに固定する固定手段に緩衝支持手段を共用することにより、固定手段を含んでシンプルで簡易な構成とし、コスト低減を図り得るブレーキ液圧制御ユニットを提供することを課題とする。
この発明は、上記の課題を解決する手段として、車両ブレーキの液圧制御回路へ液圧を送り出す液圧ポンプを内蔵する液圧ブロックに液圧ポンプの駆動モータを連結して一体化した液圧制御ユニットに、このユニットを車体に対して緩衝支持する緩衝支持手段を設け、上記駆動モータを液圧ブロックに固定する固定手段のうちの1つに緩衝支持手段の一部を共用して設け、この共用される緩衝支持手段は駆動モータを液圧ブロックに固定する固定部材を有するように構成したブレーキ液圧制御ユニットとしたのである。
上記の構成としたブレーキ液圧制御ユニットでは、駆動モータの液圧ブロックへの固定手段のうちの1つに緩衝支持手段の一部を共用することにより固定手段と緩衝支持手段とを設ける構成がシンプルで簡易なものとなる。一般的に、駆動モータを液圧ブロックに固定する手段は最小限2箇所、車体に対してブレーキ液圧制御ユニットの全体を緩衝支持する手段は、ユニット中心軸周りへの揺れを防止するため3箇所設けるが、この場合固定手段と緩衝支持手段は別個独立に設けている。
このように両手段を別個独立に設けるとすると、それぞれの手段を取付けるためのスペース、部材を必要とし、スペースが大きくなり、部材数が多いため配置、構成が複雑となるが、この発明のように固定手段のうちの1つに緩衝支持手段の一部を共用すればスペースの省略、配置、構成の簡略化が図られる。例えば、2箇所の固定手段の1つを緩衝支持手段の1つと共用すれば、駆動モータを液圧ブロックに固定でき、液圧ブロックに対して反対側面の2箇所に緩衝支持手段を設ければ、緩衝支持も可能であり、固定手段の数が減少することとなる。
又、2箇所の固定手段のうちの1つを2つの緩衝支持手段で共用するとすれば、液圧ブロックの反対側面には1箇所に緩衝支持手段を設ければよいこととなり、この場合は液圧ブロックに対する固定手段、緩衝手段が最も合理的な配置となるため、液圧ブロックの体格が一層小さくなる。
この発明のブレーキ液圧制御ユニットは、駆動モータの液圧ブロックへの固定手段のうちの1つに緩衝支持手段の一部を共用するようにしたから、独立の固定手段の数が減少し、固定手段、緩衝支持手段の配置構成が合理的で、簡易、シンプルな構成となるという効果が得られる。
特に、2つの固定手段のうちの1つを2つの緩衝支持手段で共用して駆動モータを液圧ブロックに固定するようにすれば、液圧ブロックの体格を一層小さくでき、コスト減少に寄与する。
この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は実施の形態の緩衝支持手段を含むブレーキ液圧制御ユニットの(a)側面図、(b)正面図を示す。図示のブレーキ液圧制御ユニットA(以下制御ユニットAという)は、液圧ポンプを内蔵した液圧ブロック1に駆動モータ2が一体に連結されて構成されている。3は駆動モータ2の固定手段としての取付ねじ、4は制御ユニットAを緩衝支持する機能を有する緩衝支持手段としてのマウント部材である。
上記マウント部材4は、制御ユニットAを車体に緩衝支持するマウントであり、かつ駆動モータ2を液圧ブロック1に取付け、一体に連結するための固定手段としての機能を有するよう共用して用いられている。駆動モータ2は、(b)図に示すように、モータヨーク2aの一端でその外周縁に半径方向外方へ延びる脚部3aと3bに、それぞれ取付ねじ3とマウント部材4によりブロック1に取付けられ一体化されている。図示の例では、脚部3aは1箇所、脚部3bは2箇所に設けられ、液圧ブロック1に対し3点で駆動モータ2は固定されている。
なお、図示の例では駆動モータ2は、液圧ポンプを駆動する出力軸を液圧ブロック1内に挿入して液圧ポンプに連結されている。又、脚部3bにマウント部材4を取付けている箇所は2箇所としているが、これは上記2つのマウント部材4とブロック1に取付けられる他のマウント部材4’の3点で支持することにより制御ユニットAを安定的に車体に対し緩衝支持するためである。
図2に上記マウント部材Aの詳細断面を示す。(a)図の例では、マウントボルト5の頭部5aをラバーマウント6内に挿置し、ラバーマウント6はカップ状ホルダ7内に保持され、ホルダ7は取付ピン8aを脚部3bの穴を通して液圧ブロック1に圧入し、ピン頭部8Hを介して固定されている。マウントボルト5のねじ部には車体への支持フレーム10が挿置され、ナット11をねじ部に螺合させて車体に対し制御ユニットAが緩衝支持される。
(b)図の例では、多角形断面の取付ボルト8bの先端のねじ部8Tを脚部3bの穴を通して液圧ブロック1にねじ込んでボルト頭部8Hを介して脚部3bを固定し、さらに取付ボルト8bにラバーマウント6を嵌合させ、このラバーマウント6をカップ状ホルダ7で保持し、ホルダ7の内側でラバーマウント6の一端との間にマウントボルト5のフランジ部5bを挿入してマウントボルト5をホルダ7から突出させマウント4は形成されている。マウントボルト5に支持フレーム10が挿置され、ナット11をねじ部に螺合させて車体に対し制御ユニットAが緩衝支持されることは、(a)図の場合と同じである。又、(a)図と(b)図のいずれの形式のマウント4を使用してもよいことは勿論である。
なお、液圧ブロック1は、その内部に液圧ポンプが組込まれており、ブレーキ液圧を発生する図示しないマスタシリンダから車輪ブレーキのブレーキシリンダへ送られる液圧回路へ液圧を送り込むよう制御ユニットAは接続され、上記液圧回路の途中に設けられた電磁弁を介して車輪ブレーキの加圧、減圧を制御してアンチロック制御、トラクション制御、あるいは走行安定制御のような各種の制御を行なう液圧制御システムに組込まれるものである。
さらに、図1の(a)図に示すもう1つのマウント部材4’は、上記マウント部材4と同じ構成でもよいし、あるいは特許文献1に示された従来のマウント部材と同じ構成でもよい。マウント部材4’は液圧ブロック1に直接取付けられるが、マウント部材4と同じものであれば取付部材8により取付けられ、従来例のものであれば、そのホルダ部材を溶接又はカシメで固定することにより取付けられる。
上記の構成としたブレーキ液圧制御ユニットAは、2つのマウント部材4により車体に対しそのラバーマウント6の弾性で安定的に緩衝支持され、液圧ポンプの振動が遮断されると共に、駆動モータ2は液圧ブロック1に固定される。液圧ポンプによる液圧ブロック1の振動は、ラバーマウント6により支持フレーム10への伝達が遮断され、反対に車体振動も液圧ブロック1に対して伝達されずに遮断され、安定的に緩衝支持されることとなる。
この場合、2つのマウント部材4は、取付部材8の頭部8Hでモータヨーク2aの脚部3bを固定し、この取付部材8にラバーマウント6及びマウントボルト5から成る緩衝連結部材を連結するようにしたから、マウント部材4はモータヨークを固定する機能と、制御ユニットAを緩衝支持する機能とを併有するのである。
又、上記2つのマウント部材4は、図1の(b)図に示すように、駆動モータ2の中央上方に設けた取付ねじ3に対し、モータヨークの外周上略120°の角度位置に配置している。従来であれば、上方の取付ねじ3と向い合う下方位置にもう1つの取付ねじ3を設けて駆動モータ2を取付けていたため、その脚部3aがモータヨーク外周から突出する分だけ液圧ブロック1の取付面を大きく形成しなければならなかったが、上述したように、これをハの字状に2箇所に分けて2つのマウント部材4により固定するようにしたから、(b)図に一点鎖線1Kで示す面積から実線で示す面積となり、液圧ブロック1の体格を小さくすることができるようになったのである。
図3にブレーキ液圧制御ユニットA’の緩衝支持手段であるマウント部材の他の配置構成例を示す。モータヨーク2aは、1つの取付ねじ3と1つのマウント部材4により固定され、このマウント部材4は第1実施形態と同じ部材が用いられるので、固定手段と緩衝支持手段との2つの機能を併有している。又、2つのマウント部材4’も第1実施形態と同じ部材であり、マウント部材4と同じ構成又は特許文献1のマウント部材と同じ構成のものである。
上記の配置、構成では、固定手段の1つを緩衝支持手段のマウント部材4の1つで共用しているから、マウント部材4を取付けるための配置、スペースを固定手段とは別に必要とせず、固定手段と緩衝支持手段の配置、構成が合理化され、省スペース化が図られる。
この発明のブレーキ液圧制御ユニットは、車両の液圧制御回路に液圧を送り、ブレーキ液圧を制御するものであるから、ブレーキ液圧制御システムを有する全ての車両に広く適用され得る。
緩衝支持手段を含むブレーキ液圧制御ユニットの(a)側面図、(b)正面図 緩衝支持手段の(a)一例の詳細断面図、(b)他の例の詳細断面図 他の例の緩衝支持手段を含むブレーキ液圧制御ユニットの(a)側面図、(b)正面図
符号の説明
1 液圧ブロック
2 駆動モータ
2a モータヨーク
3 取付ねじ
3a、3b 脚部
4 マウント部材
5 マウントボルト
6 ラバーマウント
7 カップ状ホルダ
8 取付部材
10 支持フレーム
11 ナット

Claims (4)

  1. 車両ブレーキの液圧制御回路へ液圧を送り出す液圧ポンプを内蔵する液圧ブロックに液圧ポンプの駆動モータを連結して一体化した液圧制御ユニットに、このユニットを車体に対して緩衝支持する緩衝支持手段を設け、上記駆動モータを液圧ブロックに固定する固定手段のうちの1つに緩衝支持手段の一部を共用して設け、この共用される緩衝支持手段は駆動モータを液圧ブロックに固定する固定部材を有するように構成したブレーキ液圧制御ユニット。
  2. 前記固定手段を1つ設け、もう1つの固定手段に共用される緩衝支持手段をハ字状に2つ設けたことを特徴とする請求項1に記載のブレーキ液圧制御ユニット。
  3. 前記固定手段が、駆動モータのモータヨーク端にモータヨーク外周縁から外方へ延びて設けられた脚部に形成された穴に挿通される固定部材から成ることを特徴とする請求項1又は2に記載のブレーキ液圧制御ユニット。
  4. 前記共用される緩衝支持手段を、モータヨークの脚部穴に挿通される固定部材と、この固定部材に接続されるラバーマウントにマウントボルトを連結した緩衝連結部材とから構成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のブレーキ液圧制御ユニット。
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