JP2005066892A - 流動体塗布具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 軸本体内に装填される塗布液収容管には、少なくとも下記A群より選ばれる有機溶剤を含有する剪断減粘性を有する流動体塗布液が充填されると共に、先端のボールペンチップをホットメルト接着剤による樹脂被膜によりシールしてなる流動体塗布具であって、上記樹脂被膜が重合脂肪酸変性ポリアミドによる被膜であり、かつ、該被膜のプッシュプル試験機を用いた25℃、60RH%条件下での引抜力が1〜10Nであることを特徴とする流動体塗布具。
A群:n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロへキサン、エチルシクロへキサン、トルエン、キシレン
【選択図】 なし
Description
このような揮発防止のために、流動体収容管本体を構成する部品を金属又は樹脂製にし、チップ先端を樹脂被膜によりシールを施すなどの対策が採られてきている。
特に、揮発性の高いn−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロへキサン等の溶剤を含有する流動体を充填しているものでは、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂による樹脂被膜であってもその蒸発を抑制することが未だ不充分であり、上述の水性インキの流動体塗布具と同様に、製造から使用迄に長期間要する場合等にはシール部分でドライアップのために流動体が固化しやすく流動体がチップから流出できなかったりする課題を有するものである。
(1) 軸本体内に装填される塗布液収容管を備え、該塗布液収容管には、少なくとも下記A群より選ばれる有機溶剤と着色剤とを含有する剪断減粘性を有する流動体塗布液が充填されると共に、先端に流出制御機構を有するボールペンチップを具備し、かつ、該チップ先端部をホットメルト接着剤による樹脂被膜によりシールしてなる流動体塗布具であって、上記樹脂被膜が下記一般式(I)で示される重合脂肪酸変性ポリアミドによる被膜であり、かつ、該被膜のプッシュプル試験機を用いた25℃、60RH%条件下での引抜力が1〜10Nであることを特徴とする流動体塗布具。
A群:n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロへキサン、エチルシクロへキサン、トルエン、キシレン
(3) 樹脂被膜によるシール形状が滴状、逆釣鐘状、円錐状の何れか一つであることを特徴としてなる上記(1)又は(2)に記載の流動体塗布具。
(4) ペン先となるボールペンチップ先端部を軸本体の後端側に設けたノック機構の押し出し操作及び押し出し解除操作に連動させて出没可能とするノック式のキャップレスとなることを特徴としてなる上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の流動体塗布具。
(5) 流動体収容管は加圧機構を有する軸本体に収納自在となることを特徴としてなる上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の流動体塗布具。
本発明の流動体塗布具は、軸本体内に装填される塗布液収容管を備え、該塗布液収容管には、少なくとも下記A群より選ばれる有機溶剤と着色剤とを含有する剪断減粘性を有する流動体塗布液が充填されると共に、先端に流出制御機構を有するボールペンチップを具備し、かつ、該チップ先端部をホットメルト接着剤による樹脂被膜によりシールしてなる流動体塗布具であって、上記樹脂被膜が下記一般式(I)で示される重合脂肪酸変性ポリアミドによる被膜であり、かつ、該被膜のプッシュプル試験機を用いた25℃、60RH%条件下での引抜力が1〜10Nであることを特徴とするものである。
A群:n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロへキサン、エチルシクロへキサン、トルエン、キシレン
この流動体収容具Aは、図1及び図2に示すように、軸本体18内に装填される塗布液収容管10を備え、該塗布液収容管10には、少なくとも上記A群より選ばれる有機溶剤と着色剤とを含有する剪断減粘性を有する流動体塗布液30が充填されると共に、先端に流出制御機構を有するペン先となるボールペンチップ12を具備し、かつ、該チップ先端部12をホットメルト接着剤による樹脂被膜Hによりシールしてなるものである。このペン先となるチップ先端部12内部には、超硬等の金属製(又はセラミック製)転写ボール12aが装填されている。
このボールペン型ペン先となるチップ12は、図2に示すように、略円筒形状の外形を呈し、その先端部が尖塔状に形成されている。その先端部には平面視円状の開口部が形成され、該開口部は内蔵される転写ボール12aの外径よりも小さい寸法で開口されている。また、前記先端部の内部には転写ボール12aを抱持するボール抱持部12bが形成され、該ボール抱持部12bは先端側を前記開口部と連通するとともに後端側が塗布液通路と連通されている。
前記ボール抱持部12bに配置された転写ボール12aの後方には、該転写ボール12aの背面より先端方向に付勢するボール押し棒部材11bとコイルバネからなる弾性材11cが配置されている。
上記一般式(I)で示される重合脂肪酸変性ポリアミドは、用いるジアミン種(エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、ポリオキシプロピレンンジアミン)等により、その特性が若干変動するものであり、軟化点(環球法)は100±5〜210±5℃であり、溶融粘度(単一円筒回転粘度計、200℃)は200〜20000mPa・sであり、比重(20/20℃)は0.97〜1.01である。
これらの特性を有する重合脂肪酸変性ポリアミドによる被膜は、トーマイド394、同535、同558、同1350、同1360(以上、富士化成工業社製)などのホットメルト接着剤を用いて形成することができる。
この重合脂肪酸変性ポリアミドをチップ3の先端部に形成(シール)する方法としては、上記重合脂肪酸変性ポリアミドを軟化点以上の温度で加熱溶融せしめたところに、チップ先端部を浸漬せしめた後、チップ先端部を引き上げて冷却(自然乾燥等)することにより、前記加熱溶融重合脂肪酸変性ポリアミドを固化させてチップ先端3に樹脂被膜を形成する方法等が挙げられる。
この引抜力が1N未満であると、擦過、接触、衝撃等で取れ易くなり、本発明の効果が発揮することができず、また、この引抜力が10Nを越えると、製造から使用迄に長期間要する場合等にもそのシール性能は十分達成できるが、樹脂被膜Hの剥離が困難となり、また、チップを引き抜くおそれがあり、好ましくない。
なお、チップ12は、塗布液収容管12の先軸部分に固着されるものであるが、このチップ12を塗布液収容管12から脱離させるための引抜力は上記樹脂被膜Hの最大引抜力10Nより2倍以上となっているので、樹脂被膜Hを剥がす場合にチップ12が抜ける恐れは全くないものである。
また、樹脂被膜によるシールHの形状は、チップ先端からの揮発性の高い溶剤の揮発を確実に防止すると共に、チップ先端部の保護を確実できる上記物性の樹脂被膜であれば特に限定されないが、例えば、図3(a)に示す逆釣鐘状、(b)に示す円錐状、(c)〔図2含む〕に示す滴状などが挙げられる。
更にまた、樹脂被膜によるシールHの位置は、図2に示すようにチップ継手先端とチップ部12に塗布しない部分(E)を設けることにより、指等による樹脂被膜Hの取り剥がし作業を簡単にしてもよい。
なお、上記引抜力、樹脂被膜Hの形状、塗布量(厚さ)などの調整は、溶融温度、浸漬する深さ、引き上げる速さにより行うことができる。
また、この重合脂肪酸変性ポリアミドによる樹脂被膜Hでは、使用する流動体塗布液に侵されることがなく、かつ、ステンレスチップに対する接着強度が弱いものが多い中で適度な強度を有するものである。
これらの配合量については、例えば、流動体塗布液全量(100重量%)に対して、有機溶剤20〜85重量%、顔料等の着色剤10〜60重量%、樹脂類その他の成分が5〜30重量%程度の配合組成物とすることが望ましい。
また、上記流動体塗布液をそのまま使用してもよいが、上記流動体に微粉末シリカ、アルミナ、ジベンジルソルビトール、有機処理ベントナイト、12−ヒドロキシステアリン酸及びその誘導体、硬化ひまし油及びその誘導体、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α,γ−ジ−n−ブチルアミド、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスなどの粘性付与剤を含有せしめてゲル状インキ(粘性体)として使用してもよい。このゲル状インキとすることにより、流動体に重たい顔料(酸化チタン等)等の着色剤を配合してもこれらの沈降を抑制し易く、更に、紙等の被塗布体にインキや修正液の流動体を塗布した場合、構造粘性を有することにより被塗布体上での「にじみ」が抑制できることとなる。
また、加圧機構22は、ノック機構20の押し出し解除時における前記リフィールユニット14のボールペンチップ12のペン先の軸本体18内への没入状態で流動体収容管10内の加圧状態を解除するものである。
また、前記リフィールユニット14は、流動体塗布液30とその後端に流動体塗布液30に追従するフォロア32を充填した流動体収容管10と、該流動体収容管10の前方に圧入されたボールペンチップ12とを備えて構成され、ボールペンチップ12先端内部に回動可能に遊嵌されたボールは、押し棒を介してスプリングにより先方に向けて付勢されて背圧が付与されており、非塗布時にはボールペンチップ12先端開口部を塞いでいる。なお、リフィール10内の流動体塗布液30の後部には、流動体塗布液30の溶剤分の揮発を防止する目的でフォロア32が充填されている。
この流動体塗布具Aでは、流動体塗布液の流量が必要なときには軸本体18より突出したチップ12の先端を塗布面に押し付けることで、流動体収容管10を加圧機構の中に更に押し込ませてより大きな加圧力を流動体収容管10内に加圧することができる。このように使用時のみ加圧できるので、非使用時の修正液の漏れを防止できる。また、ノックしたまま放置しても加圧された空気は徐々にリークするため修正液の漏れの心配はない。また、酸化チタン顔料等の沈降をなくした所定の修正液などの使用を可能にするので修正液を攪拌したりキャップを外したりする煩わしさが無くなる。また、ノックによる動作と連動して同時に加圧することができるので使用者は加圧を意識すること無く使用でき、操作感に優れる。
更に、流動体収容管自体は、透明性、視認性に優れると共に、特に加圧のための部品は必要ないことでリフィールのコストを低く押さえることができ、リフィール交換によるランニングコストを低減できる。
更にまた、ノックを解除することで、筒部の加圧室は大気と通気するため、ノック動作を繰り返しても連続加圧されることはない。また、紙面への流動体塗布液の出すぎといった不具合が生じない。
下記構成の塗布液収容管に下記に示す各組成となる樹脂被膜材料を用いて各方法によりチップ先端部を樹脂被膜等によりシールした。
得られたチップ先端部をシールした流動体塗布具について、下記方法により、各引抜力の測定、筆記性の評価について評価した。
これらの結果を下記表1に示す。
図1に示すように、先端に、流出抑制機構としてボールペン型ステンレス製ペン先(ボール材質:超硬、ボール径:1.0mm)を具備し、内径6mm、外径8mm、厚さ1mm、長さ80mmのナイロン12より構成される収容管に、下記に示される配合組成、粘度の流動体となる修正液を約1.5g注入した。次いで、この流動体の末端部に接触状態で配置されるように下記配合組成及び粘度の追従体0.5gを収容して各流動体塗布具を得た。
また、樹脂被膜Hの形状、ボールペンチップ先端部の樹脂被膜Hによるシール部の厚みとなるボール部へのシールの最大の厚み(D1)、チップ部へのシールの最小の厚みをD2は、下記表1に示すとおりである。
(流動体の配合組成)
・メチルシクロへキサン 40部
・アクリル樹脂 10部
・二酸化チタン 49部
・粉末シリカ 1部
(追従体の配合組成)
・ジグリセリンのエチレンオキサイド13モル付加物 95部
・微粉末シリカ 5部
この修正液の粘度(25℃)を粘度計(東機産業社製)により測定したところ、1rpmで5000mP・sであり、追従体の粘度(25℃)は、1rpmで10,000mP・sであった。
トーマイド394(軟化点110℃)を該軟化点を越えた温度で加熱し溶融させて、チップ先端部に樹脂被膜を付けた。
トーマイド535(軟化点135℃)を該軟化点を越えた温度で加熱し溶融させて、チップ先端部に樹脂被膜を付けた。
トーマイド558(軟化点160℃)を該軟化点を越えた温度で加熱し溶融させて、チップ先端部に樹脂被膜を付けた。
トーマイド1350(軟化点152℃)を該軟化点を越えた温度で加熱し溶融させて、チップ先端部に樹脂被膜を付けた。
トーマイド1360(軟化点170℃)を該軟化点を越えた温度で加熱し溶融させて、チップ先端部に樹脂被膜を付けた。
樹脂被膜を使用しない流動体塗布具をそのまま使用した。
ポリアミドQ9692(ヘンケルジャパン社製)を加熱し、溶融させて、チップ先端部に樹脂被膜を付けた。
ポリオレフィンQ9301(ヘンケルジャパン社製)を加熱し、溶融させて、チップ先端部に樹脂被膜を付けた。
プッシュプル試験機〔プッシュプルスケール(10N)、株式会社イマダ製〕を用いて25℃、60RH%条件下での引抜力を測定した。
上記実施例1〜5及び比較例1〜3で得た流動体塗布具を50℃の恒温槽に2週間放置した後、各樹脂被膜を指で剥がして、書き出し状態を下記評価基準で評価した(サンプル数:各10本)
評価基準:
◎:全て最初から筆記できる。
〇:若干書き出しが鈍いことが直ぐに筆記できる。
△:カスレる場合がある。
×:筆記不能のものが存在する。
H 樹脂被膜
10 塗布液収容管
12 ボールペンチップ
30 流動体塗布液
32 追従体
Claims (5)
- 軸本体内に装填される塗布液収容管を備え、該塗布液収容管には、少なくとも下記A群より選ばれる有機溶剤と着色剤とを含有する剪断減粘性を有する流動体塗布液が充填されると共に、先端に流出制御機構を有するボールペンチップを具備し、かつ、該チップ先端部をホットメルト接着剤による樹脂被膜によりシールしてなる流動体塗布具であって、上記樹脂被膜が下記一般式(I)で示される重合脂肪酸変性ポリアミドによる被膜であり、かつ、該被膜のプッシュプル試験機を用いた25℃、60RH%条件下での引抜力が1〜10Nであることを特徴とする流動体塗布具。
A群:n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロへキサン、エチルシクロへキサン、トルエン、キシレン
- ボールペンチップ先端部の樹脂被膜によるシール部の厚みにおいて、ボール部への被膜シールの最大の厚みをD1とし、チップ部へのシールの最小の厚みをD2とした場合に、D1<D2となるように形成することを特徴としてなる請求項1記載の流動体塗布具。
- 樹脂被膜によるシール形状が滴状、逆釣鐘状、円錐状の何れか一つであることを特徴としてなる請求項1又は2に記載の流動体塗布具。
- ペン先となるボールペンチップ先端部を軸本体の後端側に設けたノック機構の押し出し操作及び押し出し解除操作に連動させて出没可能とするノック式のキャップレスとなることを特徴としてなる請求項1〜3の何れか一つに記載の流動体塗布具。
- 流動体収容管は加圧機構を有する軸本体に収納自在となることを特徴としてなる請求項1〜4の何れか一つに記載の流動体塗布具。
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