JP2005066093A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 割当時間の規制を受けるゲームにおいて、遊技者の苛立ち感を無くしあるいは抑えることを目的とする。
【解決手段】 本発明に係るスロットマシンは、繰り返し行われるゲームに所定の割当時間を設定し、該割当時間が経過するまでは所定の操作に起因する動作を規制すると共に、該所定の操作が行われた時点で残存する割当時間を待機時間として設定し、該待機時間が経過すると前記動作の規制を解除する遊技制御手段を備えた遊技機において、前記遊技制御手段は、所定の時点からの経過時間を計時する計時手段と、繰り返し行われるゲームの回数を計数する計数手段とを備え、割当時間が経過するまでに所定の操作が行われた場合には、前記計時手段による計時値が、前記割当時間と前記計数手段による計数値との乗算値を超えていることを条件として、その超過分の時間の一部又は全部をもって当該待機時間を減算することを特徴とする。
【選択図】 図4
【解決手段】 本発明に係るスロットマシンは、繰り返し行われるゲームに所定の割当時間を設定し、該割当時間が経過するまでは所定の操作に起因する動作を規制すると共に、該所定の操作が行われた時点で残存する割当時間を待機時間として設定し、該待機時間が経過すると前記動作の規制を解除する遊技制御手段を備えた遊技機において、前記遊技制御手段は、所定の時点からの経過時間を計時する計時手段と、繰り返し行われるゲームの回数を計数する計数手段とを備え、割当時間が経過するまでに所定の操作が行われた場合には、前記計時手段による計時値が、前記割当時間と前記計数手段による計数値との乗算値を超えていることを条件として、その超過分の時間の一部又は全部をもって当該待機時間を減算することを特徴とする。
【選択図】 図4
Description
本発明は、繰り返し行われるゲームに所定の割当時間が設定され、割当時間が経過するまでは、次回のゲームの開始あるいは進行に規制を加えるようにしたスロットマシン等の遊技機に関するものである。
遊技機として例示されるスロットマシンは、所定枚数のメダルを投入し、次いで、スタートレバーを操作して3つのリールを回転始動させた後、各リールに対応したストップボタンを押釦操作してリールを停止させ、メダルの投入枚数に応じて有効化された停止ライン(有効ライン)上に特定の組み合わせ図柄が揃えば、その組み合わせ図柄に係る役が成立し、かかる役の種類に応じて定められた所定枚数のメダルが払い出される仕組みとなっている。
この種のスロットマシンにあっては、メダルの投入、スタートレバー、ストップボタンなどの操作に遊技者が習熟すればするほど、1回当たりのゲーム時間が短くなり、短時間で多数回のゲームが実行されることになる。その結果、投資金額が増加し、賭博性及び射幸性が高まるという事態が懸念される。そこで、その対策として、過度な速さでゲームが進行できないような規制が法律によって加えられている。
その規制の具体的な実現方法としては、図5に示す如く、スタートレバー操作後のリールの回転開始を以て所定の割当時間の計時を開始し、この割当時間が経過するまでは、次にスタートレバーを操作してもリールが直ちには回転開始せず、割当時間が経過した時点でリールの回転が開始する、といった内容のものが一般的である(特許文献1)。
従って、この種のスロットマシンでは、割当時間内においてスタートレバーが操作された時点から割当時間が経過するまでの間は、遊技者がゲームに一切関与できない待機状態となり、しかも、この待機状態が、繰り返し行われるゲームにおいて頻発するため、遊技者は苛立ちを覚えずにはいられない。対策として、特別役が成立した場合(いわゆるボーナスゲーム時)には、割当時間を短縮したり、又は待機状態を発生させないようにする(特許文献2)ものも提案されているが、問題の根本的な解決には至っていない。
実公平5−33173号公報
特開平11−342238号公報
一方、本発明者は、特許文献2における発明者とは切り口を変えて思考を試み、ある事実に着目した。それは、毎回のゲームにおいて、遊技者は常に割当時間の規制を受けるような迅速な操作をするわけでなく、割当時間の経過後にスタートレバーを操作するような割当時間の規制を受けないゲームも少なからずあるということである。実際、休憩などで席を立ったり、隣の遊技者と雑談したりなどすることは遊技中、当然に起こり得ることである。
本発明に係る遊技機は、上記事実に鑑みて着想されたもので、繰り返し行われるゲームに所定の割当時間を設定し、該割当時間が経過するまでは所定の操作を無効化するか該所定の操作に起因する動作を規制する遊技制御手段を備えた遊技機において、前記遊技制御手段は、所定の時点からの経過時間を計時する計時手段と、繰り返し行われるゲームの回数を計数する計数手段とを備え、割当時間が経過するまでに所定の操作が行われた場合には、前記計時手段による計時値が、前記割当時間と前記計数手段による計数値との乗算値を超えていることを条件として、その超過分の時間の一部又は全部をもって当該割当時間を減算することを特徴とする。
上記構成からなる遊技機によれば、割当時間内に所定の操作(例えばスタートレバー操作)が行われた場合、その操作は無効化されるか、又は無効化はされないがその操作に起因する動作が規制される。前者であれば、割当時間経過(消費といってもよい)後に再度の操作を行わなければならない。後者であれば、割当時間経過後に動作の規制が解除されてその動作が正常化する(例えば、特許文献1記載の如く、割当時間経過後に全リールが一斉回転する等)。これは、割当時間の規制を受けるゲームである。一方、割当時間経過後に所定の操作が行われた場合、その操作は有効であり、その操作に起因する動作が直ちに正常化する。これは、割当時間の規制を受けないゲームである。
上記構成からなる遊技機は、割当時間の規制を受けるゲームとなった(割当時間内に所定の操作が行われた)場合に、所定の時点からの経過時間が、割当時間(規定時間)と前記所定の時点からのゲーム数を乗算した時間より大きいことを条件として、その差分(超過分)の時間の一部又は全部を当該ゲームに充当し、その割当時間を短くして待機状態を少なくとせんとするものである。
この点は、繰り返し行われるゲームに所定の割当時間を設定し、該割当時間が経過するまでは所定の操作に起因する動作を規制すると共に、該所定の操作が行われた時点で残存する割当時間を待機時間として設定し、該待機時間が経過すると前記動作の規制を解除する遊技制御手段を備えた遊技機において、前記遊技制御手段は、所定の時点からの経過時間を計時する計時手段と、繰り返し行われるゲームの回数を計数する計数手段とを備え、割当時間が経過するまでに所定の操作が行われた場合には、前記計時手段による計時値が、前記割当時間と前記計数手段による計数値との乗算値を超えていることを条件として、その超過分の時間の一部又は全部をもって当該待機時間を減算することを特徴とする遊技機も同様である。
即ち、上記構成からなる遊技機は、待機時間(割当時間)の規制を受けるゲームとなった場合に、所定の時点からの経過時間が、割当時間と前記所定の時点からのゲーム数を乗算した時間より大きいことを条件として、その超過分の時間の一部又は全部を当該ゲームに充当し、その待機時間を短くして待機状態を少なくとせんとするものである。
また、本発明の他の観点の遊技機は、繰り返し行われるゲームに所定の割当時間を設定し、該割当時間が経過するまでは所定の操作を無効化するか該所定の操作に起因する動作を規制する遊技制御手段を備えた遊技機において、該遊技制御手段は、所定の時点からの経過時間を計時する計時手段と、繰り返し行われるゲームの回数を計数する計数手段とを備え、割当時間が経過するまでに所定の操作が行われた場合でも、前記計時手段による計時値が、前記割当時間と前記計数手段による計数値との乗算値を超えていることを条件として、前記無効化又は前記規制を実行しないことを特徴とする。
上記構成からなる遊技機は、本来であれば、割当時間の規制を受けるべきゲームであっても、例えば、遊技者が実行した複数のゲーム単位で見れば、1回当たりのゲーム実行時間が既に割当時間をクリアしているような条件(所定の時点からの経過時間が、割当時間に前記所定の時点からのゲーム数を乗算した時間を超えている)が成立している場合、実質的に法規制の基準を満たしているので、待機状態を無くしてゲームの進行速度に対する制限を外そうとするものである。
この点は、繰り返し行われるゲームに所定の割当時間を設定し、該割当時間が経過するまでは所定の操作に起因する動作を規制すると共に、該所定の操作が行われた時点で残存する割当時間を待機時間として設定し、該待機時間が経過すると前記動作の規制を解除する遊技制御手段を備えた遊技機において、前記遊技制御手段は、所定の時点からの経過時間を計時する計時手段と、繰り返し行われるゲームの回数を計数する計数手段とを備え、割当時間が経過するまでに所定の操作が行われた場合でも、前記計時手段による計時値が、前記割当時間と前記計数手段による計数値との乗算値を超えていることを条件として、待機時間を設定しないことを特徴とする遊技機も同様である。
即ち、上記構成からなる遊技機は、本来であれば、待機時間(割当時間)の規制を受けるべきゲームであっても、遊技者が実行した複数のゲーム単位で見れば、1回当たりのゲーム実行時間が既に割当時間をクリアしているような条件(所定の時点からの経過時間が、割当時間に前記所定の時点からのゲーム数を乗算した時間を超えている)が成立している場合、待機時間を無くし、ゲームの進行速度に対する制限を外そうとするものである。即ち、所定の条件が成立しているゲームにおいては、割当時間の規制がある場合よりも速い速度でゲームを行うことが可能となるのである。
また、本発明の趣旨から、上記計時手段による経過時間の計時及び上記計数手段によるゲーム数の計数は、同一遊技者による当該遊技機での遊技をその対象とする。従って、新たな遊技者が当該遊技機でゲームを開始する場合に、割当時間(待機時間)の規制を受けないとすることは発明の趣旨から逸脱してしまうため、上記発明において、割当時間(待機時間)の短縮又は解除を行う条件の成立には遊技媒体の内部貯留数が1以上であることを前提条件とするのが好ましい。これは、内部貯留数(いわゆるクレジット)が1以上になってから0になるまでは、同一遊技者による遊技である蓋然性が高いという理由によるものである。
本発明に係る遊技機は、所定の時点からの経過時間が、割当時間に前記所定の時点からのゲーム数を乗じた時間より大きいことを条件として、その超過分の時間を割当時間の規制を受けるゲームに充当し、その割当時間あるいは待機時間を短くして断続的に発生する待機状態を少なくするものであり、遊技者の苛立ち感を無くしあるいは抑えるという効果がある。
また、割当時間(待機時間)の規制を受けるべきゲームであっても、上記条件の成立により、待機状態を無くし、ゲームの進行速度に対する制限を外すことができる。従って、割当時間の規制がある場合よりも速い速度でゲームを行うことが可能となり、遊技者の苛立ち感を無くしあるいは抑えるという効果がある。
以下、本発明に係る遊技機の一実施形態であるスロットマシンについて図面を参酌しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係るスロットマシンの正面図である。スロットマシンの筐体1の前面に設けられた正面パネル2には、縦長のリール表示窓4を3つ横並びにした図柄表示部3が形成され、筐体1の内部には、各リール表示窓4の形成位置に対応させてリール5が3つ配置されている。
各リール5は、外観略円柱状をなしており、その外周面には、文字、数字、図形、キャラクターなどの複数種類の図柄を表示したリールテープ(図示しない)が貼り付けられており、リール5,…の回転中は、それぞれの外周面に表示された図柄がリール表示窓4内に次々に出現する一方、リール5,…を停止させた時は、各リール5の例えば3コマ分の図柄が、図柄表示部3に設定された5本の停止ラインL,…(上段、中段、下段、右上がり及び右下がり)上に整列した状態で出現する。尚、通常の円形のリール以外に、液晶表示器や、プーリに巻回されて周回するベルト式リールテープを使用しても良い。
正面パネル2の下方位置には、メダル投入口7、BETボタン8、スタートレバー9、3つのストップボタン10,…、メダル貯留枚数表示器11が設けられ、正面パネル2の右方位置には、待機ランプ12が設けられている。
このスロットマシンは、メダル投入口7からメダルを投入した後、スタートレバー9を操作して各リール5,…を回転始動させ、次いで、ストップボタン10,…を任意の順序で押釦操作してそれぞれ対応するリール5,…を順次停止させるというゲーム制御方式(メダル投入方式)のほか、予め筐体1内に複数枚のメダルを貯留しておき、この貯留メダルを用いてゲームを行うというゲーム制御方式(クレジット方式)を用いることができる。
このクレジット方式におけるメダルの貯留は、メダル投入口7から筐体1内にメダルを余分に投入することや、有効化された停止ラインL上に役に係る組み合わせ図柄を揃えてメダルの払い出しを受けることにより行われる。但し、メダルの貯留枚数には上限があり(例えば50枚)、これを越えたメダルは、メダル排出口14から受け皿15に排出される。
BETボタン8は、クレジット方式を実行する際に使用されるもので、BETボタン8の押釦操作により3枚のメダルが貯留メダルから消費されて、各リール表示窓4,…を横切る5本の停止ラインL,…が有効化される。
尚、図示しないが、2枚掛け用のBETボタン及び1枚掛け用のBETボタンも用意されており、前者の押釦操作の場合、2枚のメダルが貯留メダルから消費されて、上段、中段、下段の3本の停止ラインL,…が有効化され、後者の押釦操作の場合、1枚のメダルが貯留メダルから消費されて、中段の停止ラインLのみが有効化される。
メダル貯留枚数表示器11は、7個の発光セグメントからなるディジタル表示器である。メダル貯留枚数表示器11には、現在の貯留メダルの総枚数が表示される。
待機ランプ12については後述する。
図2は、本実施形態に係るスロットマシンの電気的な構成を示すブロック図である。当該スロットマシンは、遊技内容に関する制御、演算の主体であるCPU、遊技制御プログラムや所定の判定テーブルが記憶されるROM、各種の役に対応したフラグを含む遊技関連情報の読み書きに用いられるRAM及び乱数発生器を有する制御部21を備えている。
制御部21は、ゲームに関する一連の制御を担う遊技制御手段22を備えている。該遊技制御手段22は、役に当選するか否かの抽選を行う抽選手段、スタートレバー9、ストップボタン10,…、RAM(記憶手段)に記憶されたフラグの有無等に基づき、3つのリール5,…の回転・停止・引き込み及び/又は蹴飛ばし等、モータ6,…を動作制御するリール制御手段、メダルを受け皿15に排出するためのメダル払出部13を動作制御する払出制御手段等、何れも図示しないが、スロットマシンにとって必須の手段を備える。
その他、遊技制御手段22は、本発明の特徴的な部分として、ゲーム時間計時手段23、待機時間設定手段24、待機時間計時手段25、遊技時間計時手段26(「計時手段」に相当)及びゲーム回数計数手段27(「計数手段」に相当)を備えている。尚、これらの手段22〜27は、実際には、ROMに格納された遊技制御プログラムによって実現される。
ゲーム時間計時手段23は、1ゲーム毎のゲーム時間を計時するためのものであり、本実施形態においては、ソフトタイマで構成される。ゲーム時間計時手段23は、全リール5,…が回転開始した時点でリセットされると共に、新たに計時を開始するようになっている。
待機時間設定手段24は、割当時間(本実施形態では、4.1秒)内にスタートレバー9の操作が行われた場合に、その操作時点での残存する時間(4.1秒からゲーム時間計時手段23による計時値を減算した時間)を待機時間として設定するためのものである。但し、この待機時間は、基準となる待機時間であり、後述する超過時間がある場合は、この超過時間の範囲内で上記基準となる待機時間が減算され、正規の待機時間が設定されることとなる。例えば、割当時間4.1秒に対し、残り1秒の時点でスタートレバー9が操作されたならば、基準となる待機時間は、1秒であり、また、その際、超過時間が0.5秒であれば、正規の待機時間は、0.5秒となり、超過時間が1.5秒であれば、正規の待機時間は、0秒となる。尚、これらから分かるとおり、待機時間が減算されるということは、実質的には、割当時間が減算されるということである。
ここで、「待機時間」とは、リール制御手段に対するリール回転指示を出力しない時間をいう。遊技制御手段22は、当該待機時間が経過するまでリール制御手段に対するリール回転指示を保留しておき、待機時間経過後にその指示を出力する。そして、これを受けたリール制御手段は、リール5,…を回転開始させる。従って、割当時間内に行われたスタートレバー9の操作は、待機時間経過後に有効化されることになる。
待機時間計時手段25は、待機時間設定手段24により設定された待機時間を計時するためのものであり、本実施形態においては、ソフトタイマで構成される。待機時間計時手段25は、ゲーム時間計時手段23と同様、全リール5,…が回転開始した時点でリセットされ、また、割当時間内にスタートレバー9が操作された時点で計時を開始するようになっている。但し、ゲーム時間計時手段23、待機時間計時手段25共に、減算方式を採るのであれば、リセットは不要となる。
尚、遊技制御手段22は、割当時間内にスタートレバー9が操作された場合、それが保留中であることを遊技者に知らしめるべく、待機時間が経過する(消費される)まで(具体的には、待機時間計時手段25が計時を終了するまで)、待機ランプ12に点灯を指示する信号を出力し、待機ランプ12はそれに基づき点灯する。
遊技時間計時手段26は、所定の時点からの遊技時間を計時するためのものであり、本実施形態においては、ソフトタイマで構成される。遊技時間計時手段26は、遊技者によるBET操作(メダルの投入若しくはBETボタン8の操作)後において、貯留メダル数が0から1以上となった時点で計時を開始するようになっている。以後、貯留メダルが1枚以上となっている間(同一遊技者による遊技であるとみなされる)は継続して計時を続けるが、貯留メダルが0枚になると計時を止め、それまでの計時(タイマ)値はリセットされる。そして、貯留メダルが1枚以上になった時点で、また新たに計時を開始する。
ゲーム回数計数手段27は、同一遊技者により実行されたゲームの回数を計数するカウンタである。ゲーム回数計数手段27のカウンタ値は、貯留メダルが0枚になるとリセットされる。
ゲーム時間計時手段23、待機時間設定手段24、待機時間計時手段25、遊技時間計時手段26及びゲーム回数計数手段27の各機能は、以上の通りであるが、本実施形態の特徴は、スタートレバー9の操作が割当時間経過前にされた場合に、遊技時間計時手段26のタイマ値が、割当時間(4.1秒)とゲーム回数計数手段27のカウンタ値とを乗算した値を超えていることを条件として、従来に比べ待機時間が縮小される点にある。
図3及び図4は、本実施形態に係るスロットマシンの動作フローチャートを示す。以下、これに即して本実施形態に係るスロットマシンの制御内容を詳細に説明する。
図3は、スロットマシンにまだ電源が入っていない状態からの説明である。まず、電源が投入されると、各種変数(t、T、N等)に対して初期状態がセットされる(S10)。ここで、tはゲーム毎の時間を計時するタイマ(ゲーム時間計時手段23)であり、Tは所定の時点からの経過時間(遊技時間)を計時するタイマ(遊技時間計時手段26)であり、Nは所定の時点からのゲーム回数を計数するカウンタ(ゲーム回数計数手段27)である。尚、その他、遊技に関連する各種のパラメータのセットも当然に行われるが、ここでは、それらの言及は割愛する。
次に、遊技制御手段22は、メダル貯留枚数表示器11に「0」表示を指示する(S20)。そして、ゲームに際しては、BET操作が必要であるから、まず、遊技制御手段22は、遊技者によってBET操作(メダルの投入若しくはBETボタン8の操作)が行われたか否かをチェックする(S30)。これがYESであれば、遊技制御手段22は貯留メダル数があるかどうかをチェックする(S40)。貯留メダル数がある場合には、遊技制御手段22はタイマTが計時中か否かをチェックし(S50)、計時中の場合はS70に移行し、計時中でない場合はタイマTの計時を開始する(S60)。
S40において、貯留メダル数が0枚の場合は、遊技制御手段22はタイマTの計時をストップし、タイマ値を0にリセットする。また、カウンタNのカウンタ値も0にリセットする。これは、貯留メダル数が0の場合は、当該遊技機の遊技者が替わった(替わる)可能性があるとの理由によるものである。
そして、遊技制御手段22は、BETされたメダルの枚数に応じて停止ラインLの有効化を行い(S70)、図4に示す遊技処理を実行する(S90)。
図4において、まず、遊技制御手段22は、遊技者によってスタートレバー9が操作されたか否かをチェックする(S100)。これがYESの場合は、タイマtのタイマ値が割当時間(4.1秒)以上となっているか否かをチェックする(S110)。タイマtのタイマ値が4.1秒以上(つまり、割当時間を経過している)の場合は、割当時間の規制を受けないため、待機時間の設定及び該設定時間のウエイトを行わずにS180に移行する。
一方、S110でNOの場合は、遊技制御手段22は、カウンタNのカウンタ値が0であるか否かをチェックする。ここで、該カウンタ値が0の場合は、電源投入直後の初回のゲームや貯留メダルが0になった場合のゲームが想定されるが、タイマtの計時は、通常、電源投入直後から開始されているため、初回のゲーム開始時ではタイマtのタイマ値は4.1秒を経過しているのが普通である(かかる場合はS110においてYESとなる。)。したがって、当該カウンタ値が0となるケースは、一般的には、貯留メダルが0になった場合のゲームであると考えて良い。そして、かかる場合(S120でYES)は、待機時間設定手段24により待機時間の設定が行われ、当該待機時間の間、遊技制御手段22は、リール5,…の回転処理を保留する(S130)。ここで設定される待機時間は、割当時間(4.1秒)からタイマtのタイマ値を減算した時間(基準待機時間)となる。
一方、カウンタNのカウンタ値が0でない場合(S120でNO)は、タイマTのタイマ値が、割当時間(4.1秒)とカウンタNのカウンタ値とを乗算した時間より大きいか否かをチェックする(S140)。これが、NOの場合は、基準待機時間(4.1−t)の間、遊技制御手段22は、リール5,…の回転処理を保留する(S150)。一方、YESの場合は、基準待機時間(4.1−t)が、タイマTのタイマ値(継続遊技時間)から割当時間(4.1秒)にカウンタNのカウンタ値(ゲーム回数)を乗じた時間を減算した時間(T−4.1×N)(以下、超過時間という。)より小さいか否かをチェックする(S160)。これがYESの場合は、基準待機時間(4.1−t)全てを超過時間をもって充当することができるため、待機時間はゼロとなり、ウエイトを行わずにS180に移行する。
一方、この条件がNOとなる場合は、基準待機時間(4.1−t)の一部を超過時間をもって充当し、それにより減少した待機時間((4.1−t)−(T−4.1×N))の間、遊技制御手段22は、リール5,…の回転処理を保留する(S170)。この超過時間の充当について具体例を挙げると、例えば、タイマtのタイマ値が1秒の時点でスタートレバー9が操作され、この時点での超過時間(T−4.1×N)が1秒である場合には、従来の待機時間は、3.1(=4.1−1)秒であるが、本実施形態では2.1(=3.1−1)秒となる。
上記処理にて待機時間が設定された場合は該待機時間経過後に、待機時間が設定されなかった場合はスタートレバー9の操作後直ちに、遊技制御手段22は、タイマtの計時を止め、タイマ値をリセットし(S180)、モータ6,…にリール5,…の回転を指示する(S190)。そして、全リール5,…が回転すると同時に、タイマtの計時を開始する(S200)。
次に、リール5,…が回転して一定速度になると、遊技制御手段22は、それまで無効化されていたストップボタン10,…を有効化する(S210)。そして、遊技制御手段22は、遊技者によってストップボタン10,…が操作されたか否かをチェックする(S220)。
S220がYESの場合、遊技制御手段22は、ストップボタン10に対応したリール5の停止指令をリール制御手段に対して行う(S230)。そして、全リール5,…が停止した結果、有効ライン上における停止図柄を判別し、何れかの役に入賞したか否かをチェックし(S240)、これがNOの場合はS260に移行し、YESの場合は、定められた枚数のメダルの払い出しをメダル払出装置に対して指示(S250)する。そして、カウンタNをインクリメントして(S260)、本ゲームは終了する。以降、図3のS30の処理から上記処理が繰り返し行われる。
以上のように上記実施形態のスロットマシンによれば、所定の時点からの経過時間が、割当時間と当該経過時間内に行われたゲーム数とを乗じた時間より大きいことを条件として、その差分時間(超過時間)の一部又は全部を割当時間の規制を受けるゲームに充当し、その割当時間を短くして待機状態を無くすあるいは少なくするものであり、本来であれば、割当時間内にスタートレバー9の操作を行えば必ず相当する基準の待機時間が設定され、その時間は待機状態となって、遊技者が苛立たしさを感じていたところ、本実施形態に係るスロットマシンであれば、遊技者の苛立ち感を無くしあるいは抑えることができるようになる。
尚、本発明に係る遊技機は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、複数回のゲーム単位で見れば、割当時間の規制を受けるゲームもあれば、規制を受けないゲームもあることから、同一遊技者が実施したゲームの回数とそれに要した時間とから算定して、1回当たりのゲーム実行時間が既に割当時間(4.1秒)を充足していれば、当該遊技者は、実質的に法規制を遵守して遊技を行っていることになるという観点に基づき、遊技時間計時手段26のタイマ値が、割当時間(4.1秒)とゲーム回数計数手段27のカウンタ値とを乗算した値を超えていれば、スタートレバー9の操作が割当時間経過前にされたとしても、遊技制御手段22は待機時間を設定せず、直ちにリール5,…を回転開始させるようにしても良い。
この場合、図4のフローチャートのS140において、YESとなる場合には、S160及びS170の処理は行わず、S180に移行することとなる。また、S140でNOとなる場合の待機時間は、基準待機時間ではなく、割当時間(4.1秒)にカウンタNのカウンタ値(ゲーム回数)を乗じた時間からタイマTのタイマ値(継続遊技時間)を減算した時間(4.1×N−T)となる。
また、上記実施形態においては、1ゲーム毎に割当時間が設定されているスロットマシンを想定しているが、これに限定されず、複数ゲーム(例えば10ゲーム)を一括りとして割当時間を設定し、10ゲーム目での所定の操作(例えばスタートレバー操作)に対して割当時間の規制を加えるようにしても良い。
また、上記実施形態においては、リール5,…の回転開始をもってタイマtの計時を開始し、スタートレバー9の操作を割当時間の規制対象としているが、例えば、メダル投入によりタイマtの計時を開始し、スタートレバー9の操作を割当時間の規制対象とするようにしても良い。
また、上記実施形態においては、所定の操作をスタートレバー9の操作としているが、所定の操作、即ち割当時間の規制対象は、メダル投入や、ストップボタンの操作であっても良い。
また、上記実施形態においては、割当時間内に行ったスタートレバー9の操作を割当時間経過後に有効化し、再度のスタートレバー9の操作が無くとも、リール5,…が自動的に回転するようになっているが、この自動スタートは必須ではなく、割当時間内に行った所定の操作は無効化され、割当時間経過後に再度その操作を行うような態様であっても良い。
1…筐体、2…正面パネル、3…図柄表示部、4…リール表示窓、5…リール、6…モータ、7…メダル投入口、8…BETボタン、9…スタートレバー、10…ストップボタン、11…メダル貯留枚数表示器、12…待機ランプ、13…メダル払出部、14…メダル排出口、15…受け皿、21…制御部、22…遊技制御手段、23…ゲーム時間計時手段、24…待機時間設定手段、25…待機時間計時手段、26…遊技時間計時手段、27…ゲーム回数計数手段
Claims (5)
- 繰り返し行われるゲームに所定の割当時間を設定し、該割当時間が経過するまでは所定の操作を無効化するか該所定の操作に起因する動作を規制する遊技制御手段を備えた遊技機において、
前記遊技制御手段は、所定の時点からの経過時間を計時する計時手段と、繰り返し行われるゲームの回数を計数する計数手段とを備え、
割当時間が経過するまでに所定の操作が行われた場合には、前記計時手段による計時値が、前記割当時間と前記計数手段による計数値との乗算値を超えていることを条件として、その超過分の時間の一部又は全部をもって当該割当時間を減算することを特徴とする遊技機。 - 繰り返し行われるゲームに所定の割当時間を設定し、該割当時間が経過するまでは所定の操作に起因する動作を規制すると共に、該所定の操作が行われた時点で残存する割当時間を待機時間として設定し、該待機時間が経過すると前記動作の規制を解除する遊技制御手段を備えた遊技機において、
前記遊技制御手段は、所定の時点からの経過時間を計時する計時手段と、繰り返し行われるゲームの回数を計数する計数手段とを備え、
割当時間が経過するまでに所定の操作が行われた場合には、前記計時手段による計時値が、前記割当時間と前記計数手段による計数値との乗算値を超えていることを条件として、その超過分の時間の一部又は全部をもって当該待機時間を減算することを特徴とする遊技機。 - 繰り返し行われるゲームに所定の割当時間を設定し、該割当時間が経過するまでは所定の操作を無効化するか該所定の操作に起因する動作を規制する遊技制御手段を備えた遊技機において、
該遊技制御手段は、所定の時点からの経過時間を計時する計時手段と、繰り返し行われるゲームの回数を計数する計数手段とを備え、
割当時間が経過するまでに所定の操作が行われた場合でも、前記計時手段による計時値が、前記割当時間と前記計数手段による計数値との乗算値を超えていることを条件として、前記無効化又は前記規制を実行しないことを特徴とする遊技機。 - 繰り返し行われるゲームに所定の割当時間を設定し、該割当時間が経過するまでは所定の操作に起因する動作を規制すると共に、該所定の操作が行われた時点で残存する割当時間を待機時間として設定し、該待機時間が経過すると前記動作の規制を解除する遊技制御手段を備えた遊技機において、
前記遊技制御手段は、所定の時点からの経過時間を計時する計時手段と、繰り返し行われるゲームの回数を計数する計数手段とを備え、
割当時間が経過するまでに所定の操作が行われた場合でも、前記計時手段による計時値が、前記割当時間と前記計数手段による計数値との乗算値を超えていることを条件として、待機時間を設定しないことを特徴とする遊技機。 - 前記条件の成立には遊技媒体の内部貯留数が1以上であることを前提条件とすることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかの請求項に記載の遊技機。
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