(遊技機10)
本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10の方を向いて位置している遊技者から見て、遊技機10から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向及び「上」や「下」等の上下方向も、遊技者から見た場合の左方向や右方向、又は上方向や下方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、遊技機10の所定位置に固定した場合における遊技者から見た方向を意味する。
本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンを、以下、図面を参照しながら説明する。
(筐体12、前扉14)
本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンは、前方向に向かって開口する正面開口を有する四角箱状の筐体12と、この筐体12の正面開口を開閉自在に覆う前扉14とを備えている。
(回転リール62)
前扉14の上部には、薄板樹脂からなる上パネル20を備えている。この上パネル20の略中央には、3個の回転リール62(正面から向かって左側の左回転リール64、中央の中回転リール66、右側の右回転リール68)の円周上の図柄61を見ることができる透過可能な図柄表示窓部16が形成されている。この図柄表示窓部16は、3個全ての回転リール62の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄61を遊技者に見せるように形成されている。この図柄表示窓部16は、回転リール62の正面側に設けられて、回転リール62の回転が停止した際、後述する有効ライン86上に停止している複数の図柄61を視認するためのものである。回転リール62は、複数の図柄61を図柄表示窓部16を介して変動表示可能なものである。
(リールユニット60)
前記図柄表示窓部16の後方向(奥方向)には、3個のリール駆動モータ65と、この各リール駆動モータ65によってそれぞれ回転させられる合計3個の前記回転リール62と、前記リール駆動モータ65及び前記回転リール62を保持するユニットホルダ(図示せず)とを有するリールユニット60が配置されている。また、リールユニット60には、回転リール62の回転位置が基準となる位置(基準位置)であることを検出するためリール位置センサ63が設けられている。このリール駆動モータ65は、メイン制御手段200から出力されるリール駆動モータ65を駆動するための駆動信号に基づき駆動する。
(クレジット表示器87、払出枚数表示器88)
前記図柄表示窓部16の下方には、クレジットメダルの貯留枚数(以下、「クレジットメダル数」とする)を表示するクレジット表示器87と、このクレジット表示器87の左側に配置され、遊技機10から払い出されたメダルの総数を表示する払出枚数表示器88とが設けられている。これらの表示器は、たとえば2個の7セグメントLEDで構成され、それぞれの7セグメントLEDは、1桁の数字を表示する7つのセグメントからなる数値部と、1つのドット(点)を表示するドット部とを備えている。このような構成により、クレジット表示器87では、クレジットメダル数に対応する2桁の数字が表示可能となっており、払出枚数表示器88では、払出枚数に対応する2桁の数字が表示可能となっている。
ここで、本実施の形態に係る遊技機10は、後述するメダル投入口38に投入したメダルを最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能なクレジット機能(投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理する機能)を有している。そして、このクレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を「最大クレジットメダル数」とする。
(区間報知ランプ90)
前扉14のうち、クレジット表示器87と払出枚数表示器88との間には、現在の状態が「有利区間」であることを発光態様により報知する区間報知ランプ90が設けられている。
ここで、「有利区間」とは、遊技者にとって有利な後述するストップスイッチ50の押し順の報知が許容される区間を意味する。すなわち、「有利区間」とは、後述するAT遊技を行うことが許容される区間である。なお、本実施の形態における「有利区間」は、本発明における「遊技区間」に相当し、本実施の形態における「押し順」は、本発明における「停止操作順序」に相当する。
この区間報知ランプ90は、後述する「非有利区間」から「有利区間」に移行したことを契機に後述するメイン制御手段200により点灯され、「有利区間」である間は常時点灯されている。そして、区間報知ランプ90は、「有利区間」から「非有利区間」に移行したことを契機にメイン制御手段200により消灯される。
なお、区間報知ランプ90のみで現在の状態が「有利区間」であることを発光態様により報知することに限らず、たとえば、クレジット表示器87又は払出枚数表示器88を構成する特定の7セグメントLEDのドット部と区間報知ランプ90との双方を用いて、現在の状態が「有利区間」であることを発光態様により報知してもよい。
また、クレジット表示器87と払出枚数表示器88とは別に区間報知ランプ90を設けることに限らず、区間報知ランプ90を設けずに、たとえば、クレジット表示器87又は払出枚数表示器88を構成する特定の7セグメントLEDのドット部を用いて、現在の状態が「有利区間」であることを発光態様により報知してもよい。この場合には、クレジット表示器87又は払出枚数表示器88を構成する7セグメントLEDのドット部が区間報知ランプ90に相当する。
(操作部30)
前記前扉14の下部には下パネル22が設けられている。そして、前扉14には下パネル22の上に位置して前扉14の前方向へ向けて突出する操作部30を備えている。この操作部30は、メダル投入口38と、精算スイッチ36と、ストップスイッチ50と、スタートスイッチ40と、ベットスイッチ32と、演出用ボタンスイッチ42と、を備えている。
(メダル投入口38)
操作部30の右側部分には、遊技機10の内部へ遊技媒体としてのメダルを投入するためのメダル投入口38が設けられている。
(メダルセレクタ17)
前扉14の裏側であって、前記メダル投入口38の近傍には、メダル投入口38に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して、正規のメダルのみをホッパーユニット24に導くメダルセレクタ17が設けられている。このメダルセレクタ17には、メダル投入口38に投入されたメダルを1枚ずつ検知する投入センサ92が設けられている。
なお、前扉14の裏側には図示しないメダル通路が設けられており、メダルセレクタ17において非正規のメダルとして排除されたメダルや、ホッパーユニット24から払い出されたメダルが、このメダル通路を通過してメダル払出口28から払い出される。
(精算スイッチ36)
メダル投入口38の下方には、クレジット機能によりクレジットしたメダルの全てを払い出すための精算スイッチ36が設けられている。
(ストップスイッチ50)
前記操作部30の中央には、操作により対応する回転リール62の回転を停止させるため、3個の回転リール62のそれぞれに対応する3個のストップスイッチ50が設けられている。このストップスイッチ50は、左回転リール64を停止させるための左ストップスイッチLと、中回転リール66を停止させるための中ストップスイッチCと、右回転リール68を停止させるための右ストップスイッチRとを有している。すなわち、これらのストップスイッチ50は、複数の回転リール62それぞれに対応して設けられ、複数の回転リール62の図柄61の変動表示の開始後、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を個別に停止させるためのものである。
(スタートスイッチ40)
このストップスイッチ50の左側には、メダルの投入又は後述するベットスイッチ32の操作を条件に回転リール62の回転を開始させるためのスタートスイッチ40が設けられている。すなわち、このスタートスイッチ40は、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を開始させるためのものである。
(ベットスイッチ32)
このスタートスイッチ40の上方には、ベットスイッチ32として、クレジットしたメダル数から最大投入枚数(具体的には3枚)に達するまで投入可能なメダル数を減じて3枚のメダル投入に代えるマックスベットスイッチ34と、クレジットしたメダル数から1枚のメダル数を減じて1枚のメダル投入に代えるシングルベットスイッチ35とが設けられている。
(演出用ボタンスイッチ42)
マックスベットスイッチ34の右側には、特定の演出において遊技者が操作可能な演出用ボタンスイッチ42が設けられている。本実施の形態では、この演出用ボタンスイッチ42は、特定の演出としての後述する第2ストック演出で用いられる。この詳細については後述する。
また、前記前扉14の裏側には、扉開閉用スイッチ19、設定変更スイッチ46、設定表示器89などが配置されている(図2参照)。
(扉開閉用スイッチ19)
扉開閉用スイッチ19は前扉14が閉じているか否かを検知するためのものである。この扉開閉用スイッチ19は、前扉14が閉塞している場合に、前扉14の背面と扉開閉用スイッチ19の前面とが押圧されることでオンとなり、前扉14が開放するに従って、前扉14の背面が扉開閉用スイッチ19の前面から離間して押圧が解除されることでオフとなる。
(設定変更スイッチ46)
設定変更スイッチ46は、後述する電源ユニット43の設定キースイッチ45と共に設定変更を行うためのものである。
(設定表示器89)
設定表示器89は、例えば7セグメントの小型のLEDにより、複数段階設けられた設定値を表示するものである。設定表示器89には、当該遊技機10の設定値が表示されるが、外部から視認できないようにすべく、設定後一定時間が経過するとその表示は解除される。
また、前記前扉14の下部に相当する筐体12の内部には、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができるホッパーユニット24と、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ44を有すると共に各部品に電力を供給するための電源ユニット43とが配置されている(図2参照)。
(ホッパーユニット24)
このホッパーユニット24には、その駆動によりメダルをメダル払出口28に向けて払い出すホッパーモータ95と、ホッパーユニット24の出口に設けられ、メダル払出口28に払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ94と、ホッパーユニット24のメダルタンクから溢れたメダルを収納するための補助タンクの近傍に設けられ、補助タンク内のメダルが満杯になったことを検出してメイン制御手段200へ信号を出力するオーバーフローセンサ96とが設けられている。
(電源ユニット43)
この電源ユニット43には、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ44と、設定変更処理のための設定キースイッチ45とが設けられている。
(メダル払出口28等)
前記前扉14の下部には、所定の場合にホッパーユニット24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。このメダル払出口28の下方には、メダル払出口28から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿26が形成されている。なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、獲得したメダルはメダル払出口28から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
(遊技の流れの説明)
本実施の形態に係る遊技機10は、マックスベットスイッチ34やシングルベットスイッチ35等の操作又はメダル投入により所定枚数のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。そして、スタートスイッチ40の押下操作により、回転リール62の回転を開始させて遊技が開始されるとともに、複数の役の少なくとも何れか1つに当選か又はハズレかの役抽選が行われる。そして、当該遊技機10は、各回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作タイミング及び役抽選の結果に基づいて、回転リール62の回転を役抽選の結果に適合するように停止させる。当該遊技機10は、停止時の図柄61の組合せによって、当選した役を構成する図柄61の組合せが所定の有効なライン(所定の役の図柄61の組合せが当該ライン上に揃ったときに所定の配当としてのメダルが付与されるラインのことであり、以下、有効ライン86とする。)上に停止した場合に、入賞等となり、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の配当を遊技者に付与する。これにより、1回の遊技が終了するものである。ここで、本実施の形態における「有効ライン86」は、本発明における「有効なライン」に相当する。
(演出装置70)
前記前扉14には、遊技者に役抽選の当選等の種々の情報を音や光や映像等で報知させるための演出装置70が形成されている。この演出装置70は、スピーカー72と、演出用ランプ78と、表示部84と、バックランプ67と、を備えている。
(スピーカー72)
前記スピーカー72は、前扉14の上部左右に配置された上部スピーカー74と、前扉14の下部左右に配置された下部スピーカー76とを備えている。
(演出用ランプ78)
前記演出用ランプ78は、前扉14の上部に配置された上部ランプ80と、前扉14の下部の左右に配置された下部ランプ82とを備えている。
(表示部84)
前記表示部84は、その画面に種々の映像を表示するための液晶表示装置である。
(バックランプ67)
前記バックランプ67は、リールユニット60に設けられており、回転リール62上の図柄61を照らすためのものである。
(制御装置100)
図2に示すように、遊技機10の内部には、遊技機10の全体の動作を制御するための制御装置100が形成されている。この制御装置100は、遊技を進行させて遊技を制御するメイン制御手段200と、このメイン制御手段200からの情報(コマンド)を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うサブ制御手段500とを備えている。
ここで、メイン制御手段200の制御に基づくスロットマシンの作動状態を遊技状態といい、サブ制御手段500の制御に基づくスロットマシンの作動状態を演出状態というものとする。なお、メイン制御手段200とサブ制御手段500との間は、メイン制御手段200への不正操作を防止するために、メイン制御手段200からサブ制御手段500への一方向の通信により行われ、サブ制御手段500からメイン制御手段200への逆方向の通信は行われていない(すなわち双方向の通信ではない)。メイン制御手段200は、メダルセレクタ17、スタートスイッチ40、ベットスイッチ32、ストップスイッチ50、設定変更スイッチ46、精算スイッチ36、扉開閉用スイッチ19、電源ユニット43、リールユニット60及びホッパーユニット24の入力を受け付け、クレジット表示器87、払出枚数表示器88、リールユニット60、ホッパーユニット24、設定表示器89及び区間報知ランプ90の作動を制御する。サブ制御手段500は、メイン制御手段200及び演出用ボタンスイッチ42からの信号を入力し、演出用ランプ78等の演出装置70の作動を制御する。サブ制御手段500には、演出装置70としての演出用ランプ78、スピーカー72、表示部84及びバックランプ67の各パーツが接続されている。
なお、特に図示していないが、メイン制御手段200を有するメイン基板と、サブ制御手段500を有するサブ基板とは、それぞれ専用の基板ケースの内部に収納されている。具体的には、メイン制御手段200は、メイン基板ケースの内部に収納され、サブ制御手段500は、サブ基板ケースの内部に収納されている。そして、メイン基板ケースは、筐体12内部の奥側の上部に固定され、サブ基板ケースは、筐体12内部の正面から向かって左側に固定されている。
メイン制御手段200及びサブ制御手段500は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート(図示せず)を備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込などの割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、例えば遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
(外部集中端子板18)
また、筐体12内部の正面から向かって右側には、外部集中端子板18が設けられている。
外部集中端子板18は、遊技データを遊技機10外部に出力させるものであり、メイン制御手段200と配線される接続端子(コネクタ)や、外部機器(図示省略)と配線される接続端子(コネクタ)が設けられた端子板である。また、外部集中端子板18は、図示しないが、遊技島設備(例えばデータ表示器)やホールコンピュータに接続されている。
(メイン制御手段200)
メイン制御手段200は、図3に示すように、役抽選手段210、リール制御手段220、停止図柄判定手段230、配当付与手段240、遊技状態制御手段250、演出状態制御手段260、移行抽選手段270、計数手段280及び判定手段290の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
以上の構成をもって、メイン制御手段200は、役の抽選を行い、回転リール62の回転及び停止を制御し、回転リール62がすべて停止したときに停止図柄61の判定を行い、遊技の進行を行う手段として機能することとなる。
メイン制御手段200は、遊技を制御するためのものであって、遊技を進行させるためのものである。以下、本実施の形態における遊技について説明する。
規定の賭け数(3枚)が設定されると、1本の有効ライン86が設定される。なお、本実施の形態に係る遊技機10は、規定の賭け数として3が設定されている。賭け数を設定する方法には、メダル投入口38からメダルを投入する方法と、ベットスイッチ32を操作することによってクレジットメダルを賭け数として設定する方法とがある。そして、規定の賭け数(3枚)が設定されていることを条件に、スタートスイッチ40を操作すると、賭け数が確定し、役抽選手段210により、複数の役の何れかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、前回の遊技での回転リール62の回転開始時から所定の時間(本実施の形態では、4.1秒)が経過しているか否かが判定され、所定の時間が経過すると、3個すべての回転リール62の回転が開始する。
回転リール62の回転開始後、所定の条件(本実施の形態では、回転リール62を加速する処理を実行した後、所定のセンサにより回転リール62の回転位置が基準位置であることを検出すること)が成立すると、ストップスイッチ50の操作が可能な状態(停止操作可能状態)となる。
その後に、3個のストップスイッチ50のうち1個を操作すると、当該ストップスイッチ50に対応する回転リール62の回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ50の操作を終えると、3個すべての回転リール62の回転が停止する。
このとき、有効ライン86上に所定の図柄61の組合せが揃うと、当該図柄61の組合せに対応する処理が行われる。本実施の形態に係る遊技機10は、有効ライン86上に予め定められた図柄61の組合せが揃うと遊技者に配当としてのメダルが付与されるように形成されている。例えば小役に対応する図柄61の組合せが有効ライン86上に揃うと、小役に対応する枚数のメダルが遊技者に対して付与される。
また、有効ライン86上に再遊技役(遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技を開始可能とする役、いわゆるリプレイ役)に対応する図柄61の組合せが揃うと、メダルの払い出しはないものの、次回の遊技において遊技者所有のメダルを使用することなく賭け数が自動的に設定され遊技を行うことができる。
(役抽選手段210)
役抽選手段210は、当選役を決定する役抽選を実行するものである。すなわち、役抽選手段210は、スタートスイッチ40の操作を契機に、複数の役の何れか(1つ又は複数)に当選か又はハズレかの役抽選を行うためのものである。役抽選手段210は、役に当選したか否かを決定するための役抽選テーブルを、主な分類としてノーマル状態用、RT状態用、ボーナス内部中状態用、ボーナス状態用のそれぞれに対応して複数備えており、メイン制御手段200のROM上に記憶されている。役抽選手段210は、予め定めた抽選データと、所定範囲の整数値を繰り返して計数するループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して、当選か否かを判定する。
役抽選手段210の役抽選に用いる当選確率は、図示しない役抽選テーブルにより、予めプログラムされた範囲内で遊技ホールの管理者により変更可能に形成されている。具体的には、その当選確率を規定するための値である複数段階の設定値を変更するための筐体12内部の設定変更スイッチ46を操作することにより、複数段階の設定値のうち何れか1つの特定の設定値が選択される。そして、役抽選手段210は、選択された設定値毎に予め定められた抽選確率で役抽選を行っている。
また、本実施の形態における設定値は、設定値「1」から「6」の6段階に設定されている。なお、設定値は複数段階であれば、設定値「1」から「6」の6段階に限られず、たとえば「1・3・6」、「2・4・6」又は「1・6」としてもよい。
本実施の形態では、役抽選手段210により抽選される役として、大別すると、小役(メダルの払い出しを伴う役)、リプレイ役、ボーナス移行役(遊技状態の移行を伴う役)が設けられている。
(リール制御手段220)
リール制御手段220は、各回転リール62の回転を停止させるためのものである。リール制御手段220は、役抽選手段210の役抽選結果と、各ストップスイッチ50が操作されたときの対応する回転リール62の回転位置とに基づいて、各回転リール62の回転を停止させる。なお、リール制御手段220は、必要に応じて各ストップスイッチ50の押し順が所定の条件に適合しているか否かも停止させる条件にする場合がある。
(停止図柄判定手段230)
停止図柄判定手段230は、すべての回転リール62が停止した際における有効ライン86上の図柄61の組合せを記憶するとともに入賞等の判定をするためのものである。
(配当付与手段240)
配当付与手段240は、停止図柄判定手段230の判定結果に基づいて、メダル払い出し等の所定の配当の付与を行うものである。配当付与手段240は、停止図柄判定手段230の判定の結果、小役が入賞していると判定されると配当としてのメダルの払い出しを行う。なお、配当付与手段240は、停止図柄判定手段230の判定結果のみに基づいてメダルの払い出しを行うものに限らず、他の条件を参照してメダルの払い出しを行ってもよい。たとえば、配当付与手段240は、停止図柄判定手段230による判定が行われたときの遊技状態を参照してメダルの払い出しを行ってもよい。この場合には、別の契機において、停止図柄判定手段230の判定結果が同じであったとしても、ノーマル状態やRT状態に滞在中のメダルの払い出しと、ボーナス状態に滞在中のメダルの払い出しとを異ならせることができる。
(遊技状態制御手段250)
遊技状態制御手段250は、遊技状態を制御するものである。
具体的には、遊技状態制御手段250は、図3に示すように、ノーマル状態制御手段251、RT状態制御手段252、ボーナス内部中状態制御手段253及びボーナス状態制御手段254の各手段を有する。
(ノーマル状態制御手段251)
ノーマル状態制御手段251は、「ノーマル状態」を制御するものである。ここで、「ノーマル状態」は、後述するRT状態制御手段252による「RT状態」(リプレイタイム状態)、ボーナス内部中状態制御手段253によるボーナス内部中状態又はボーナス状態制御手段254によるボーナス状態以外の状態をいう。
(RT状態制御手段252)
RT状態制御手段252は、「RT状態」を制御するものである。また、「RT」は、「リプレイタイム」の略語であり、「RT状態」に移行すると、リプレイ役に当選する抽選確率、すなわち再遊技確率が原則として高くなるRT遊技が開始される。
(ボーナス内部中状態制御手段253)
ボーナス内部中状態制御手段253は、「ボーナス内部中状態」を制御するものである。
「ボーナス内部中状態」は、役抽選手段210による役抽選にてボーナス状態への移行に係るボーナス移行役に当選し、遊技者のストップスイッチ50の停止操作によりボーナス移行役に対応する図柄61が有効ライン86上に停止表示されるまで、当該ボーナス移行役に当選した状態が維持されている状態である。すなわち、「ボーナス内部中状態」は、役抽選にてボーナス移行役に当選し、当該ボーナス移行役に対応する図柄61を有効ライン86上に停止表示できなかった場合に移行する状態である。そして、ボーナス内部中状態において、ボーナス移行役に対応する図柄61を有効ライン86上に停止表示することで終了する(ボーナス状態へ移行する)。
(ボーナス状態制御手段254)
ボーナス状態制御手段254は、「ボーナス状態」を制御するものである。このボーナス状態では、ボーナス遊技が行われる。ボーナス遊技では、一例として、いわゆるRB(レギュラーボーナス)が連続作動するBB(ビッグボーナス)が行われる。そして、ボーナス遊技は、所定の枚数、たとえば200枚を超えるメダルの払出しで終了する。ここで、本実施の形態における「ボーナス状態」は、本発明における「第2状態」に相当する。
また、ボーナス状態制御手段254は、ボーナス状態の滞在中において、役抽選手段210が行う役抽選の当選役に基づいて、後述するART状態に関する特典を付与するか否かの決定として、ARTストックを獲得できるか否かのストック獲得抽選を行っている。なお、「ARTストック」とは、ART状態を1セット行うことができる権利をいう。つまり、本実施の形態では、ARTストックを1つ消費することにより、ART状態を1セット行うことができる。ここで、本実施の形態における「ARTストック」は、本発明における「第1状態に関する特典」に相当する。
そして、ボーナス状態制御手段254は、ボーナス状態の滞在中における役抽選にて、所定の抽選契機役に当選したことに基づいてストック獲得抽選を行う。本実施の形態では、このストック獲得抽選に当選した場合には、ARTストックを「1つ」獲得できることとされている。一方、このストック獲得抽選に当選しなかった場合には、ARTストックを獲得することができない。なお、ストック獲得抽選に当選した場合に獲得できるARTストックの数は「1つ」に限らず、「2つ以上」としてもよい。また、ストック獲得抽選に当選した場合には、獲得できるARTストックの数を決定する獲得ストック数決定抽選を行うことにより、当該獲得するARTストックの数を決定してもよい。
ただし、ボーナス状態制御手段254は、ボーナス状態の終了遊技が後述するED状態の開始遊技以降になる場合、開始される当該ボーナス状態の滞在中では、ストック獲得抽選を行わないこととされている。なお、「ボーナス状態の終了遊技がED状態の開始遊技以降になる場合」の詳細については後述する。
(演出状態制御手段260)
演出状態制御手段260は、演出状態を制御するためのものである。
具体的には、演出状態制御手段260は、図3に示すように、通常状態制御手段261、AT状態制御手段262及びED状態制御手段263を有する。
(通常状態制御手段261)
通常状態制御手段261は、非有利区間に属する「非有利区間通常状態」(非AT遊技)と、有利区間に属する「有利区間通常状態」とを制御するものである。
ここで、「非有利区間」とは、遊技者にとって有利な押し順の報知が許容されない区間を意味する。すなわち、「非有利区間」とは、後述するAT遊技を行うことが許容されない区間である。また、「非AT遊技」は、「AT遊技」の非作動状態を意味する。
(AT状態制御手段262)
AT状態制御手段262は、有利区間に属する「ART準備中状態」及び「ART状態」(AT遊技)を制御するものである。
ここで、AT遊技における「AT」とは「アシストタイム」の略語であり、「AT遊技」が開始されると、当選した小役の押し順が報知され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役の図柄61の組合せを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払出される。
また、「AT遊技」が開始されると、当選した押し順役の押し順が報知され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した押し順役の図柄61の組合せを停止表示させることができる。このため、押し順役の押し順が不正解となることを回避でき、押し順役の押し順不正解を遊技状態の移行(転落)条件とした場合における遊技状態の転落を回避できる。
また、「AT遊技」が開始されると、当選したリプレイ役の押し順が報知され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選したリプレイ役の図柄61の組合せを停止表示させることができる。このため、成立したリプレイ役に対応して再遊技が開始される。
このとき、「AT遊技」の実行中に、RT状態制御手段252で制御される「RT状態」に移行すると「ART状態」となる。「ART状態」は、「RT遊技」かつ「AT遊技」の「ART遊技」が行われる。ここで、本実施の形態における「ART状態」は、本発明における「第1状態」に相当する。
また、AT状態制御手段262は、本実施の形態で行われるバトル演出の一部であるART状態にて行われるARTバトル演出を制御する。
ここで、本実施の形態におけるバトル演出は、キャラクタ同士が対戦し、特定のキャラクタの勝敗を決定する内容とされている。具体的には、このバトル演出は、遊技者のキャラクタと対戦相手のキャラクタ(以下、「敵キャラクタ」とする)との闘い(バトル)が行われる内容である。
そして、上記のARTバトル演出はART状態の滞在中に行われ、ART状態の終了時にARTストックを「1つ」以上保持している場合にはARTバトル演出の結果が勝利となり、保持しているARTストックを「1つ」を消費して、次ゲームから次セットのART状態が開始される。一方、ART状態の終了時にARTストックが「0」の場合にはARTバトル演出の結果が敗北となり、次セットのART状態を開始できず、非有利区間に移行する。
(ED状態制御手段263)
ED状態制御手段263は、有利区間に属する「ED(エンディング)状態」を制御するものである。また、このED状態は、有利区間のゲーム数が所定の遊技数としてのEDバトル状態開始ゲーム数に到達することで開始されるEDバトル状態と、有利区間のゲーム数がEDバトル状態開始ゲーム数とは異なる特定の遊技数としての本ED状態開始ゲーム数に到達することで開始される本ED状態とを備えている。
ここで、「EDバトル状態開始ゲーム数」とは、後述するEDバトル状態開始カウンタの値が「初期値」から「0」に到達するまでに要するゲーム数とされている。なお、このEDバトル状態開始カウンタの「初期値」は複数種類設けられており、後述する計数手段280が行う初期値決定抽選により決定された値が設定される。
また、「本ED状態開始ゲーム数」とは、後述する有利区間上限カウンタの値が「初期値:1500」から「70」に到達するまでに要するゲーム数、具体的には、「1430ゲーム」とされている。なお、本実施の形態における「ED状態」は、本発明における「第3状態」に相当し、本実施の形態における「EDバトル状態」は、本発明における「所定状態」に相当し、本実施の形態における「本ED状態」は、本発明における「特定状態」に相当する。
また、ED状態制御手段263は、本実施の形態で行われるバトル演出の一部であるEDバトル状態にて行われるEDバトル演出を制御する。
このEDバトル演出は、EDバトル状態の滞在中に行われるものであって、34ゲーム周期で繰り返して行われるバトル演出とされている。このEDバトル演出は、基本的には、遊技者のキャラクタが敵キャラクタに勝利する内容(以下、「勝利内容」とする)とされており、この勝利内容が34ゲーム周期で繰り返して行われることとなっている。
ただし、EDバトル演出は、あるEDバトル演出の終了遊技が本ED状態の開始遊技以降になる場合には、開始されるEDバトル演出の内容が遊技者のキャラクタが敵キャラクタに敗北する内容(以下、「敗北内容」とする)となる。
ここで、「EDバトル演出の終了遊技(EDバトル状態の終了遊技)が本ED状態の開始遊技以降になる場合」とは、「EDバトル演出の終了遊技が後述する有利区間上限カウンタの値が「70」未満となる遊技と重なる場合」をいう。たとえば、EDバトル演出の開始遊技(EDバトル状態の開始遊技)が、有利区間の「1421ゲーム目」である場合には、EDバトル演出の終了遊技は有利区間の「1454ゲーム目」となる。つまり、この場合には、EDバトル演出の終了遊技が後述する有利区間上限カウンタの値が「70」未満となる遊技(具体的には、有利区間上限カウンタの値が「46」となる遊技)と重なっており、EDバトル演出の終了遊技が本ED状態の開始遊技以降になっている。
そして、上記のように、EDバトル状態の滞在中に本ED状態開始ゲーム数に到達する場合、ED状態制御手段263は、34ゲームのEDバトル演出を消化して当該EDバトル状態が終了した後に、EDバトル状態から本ED状態へと移行させて、当該本ED状態を開始させる。つまり、上記の例によれば、ED状態制御手段263は、有利区間の「1421ゲーム目」から「1454ゲーム目」までの間はEDバトル状態での遊技を行い、有利区間の「1455ゲーム目」から本ED状態へ移行させ、当該本ED状態での遊技を開始させる。
(移行抽選手段270)
移行抽選手段270は、各状態へ移行するか否かを決定する抽選を行うものである。この移行抽選手段270は、非有利区間において有利区間、具体的には、非有利区間通常状態から有利区間通常状態へ移行するか否かの有利区間移行抽選と、有利区間通常状態においてART状態、具体的には、ART準備中状態へ移行するか否かのAT抽選とを行う。なお、移行抽選手段270が行う抽選は前述のものには限られない。
移行抽選手段270が行う有利区間移行抽選は、役抽選手段210が行う役抽選の当選役に基づいて行われる。本実施の形態では、有利区間移行抽選は、役抽選手段210が行う役抽選にて所定のレア役(有利区間移行契機役)としてのスイカ役に当選したことに基づいて行われる。なお、有利区間移行契機役は、スイカ役に限らず、他の役でもよい。
また、移行抽選手段270が行うAT抽選は、役抽選手段210が行う役抽選の当選役に基づいて行われる。本実施の形態では、AT抽選は、役抽選手段210が行う役抽選にて所定のレア役(ART獲得契機役)としてのチェリー役に当選したことに基づいて行われる。なお、ART獲得契機役は、チェリー役に限らず、他の役でもよい。
(計数手段280)
計数手段280は、あるゲーム数を記憶して、そのゲーム数の計数を行うものである。この計数手段280は、有利区間のゲーム数の上限を示す有利区間上限ゲーム数を計数するための有利区間上限カウンタと、上記のEDバトル状態開始ゲーム数を計数するためのEDバトル状態開始カウンタと、を備えている。ここで、本実施の形態における「EDバトル状態開始カウンタ」は、本発明における「特定カウンタ」に相当する。
なお、有利区間上限カウンタの値とEDバトル状態開始カウンタの値とは、メイン制御手段200のRAMに設定される各々で異なる記憶領域(メモリ)内に記憶されている。そして、これら記憶領域の値を計数手段280が更新することで計数を行っている。
(有利区間上限カウンタ)
有利区間上限カウンタは、計数手段280により、有利区間に移行したことに基づいて計数が開始される。この有利区間上限カウンタは、初期値が「1500」とされており、有利区間に移行したことに基づいて、計数手段280により、この「1500」から計数が開始される。
そして、有利区間上限カウンタは、有利区間(有利区間の滞在中に開始されたボーナス内部中状態及びボーナス状態も含む)の滞在中に、計数手段280により計数が進行される。具体的には、有利区間上限カウンタは、有利区間(有利区間の滞在中に開始されたボーナス内部中状態及びボーナス状態も含む)での遊技を1ゲーム消化する毎に、計数手段280により、その値が「1」ずつ減算される。
そして、有利区間上限カウンタの値が「1500」から「70」に到達すると、本ED状態開始ゲーム数に到達して、本ED状態へ移行することとされている。また、有利区間上限カウンタの値が「1500」から「0」に到達すると、有利区間上限ゲーム数に到達して、有利区間から非有利区間へ移行することとされている。
なお、有利区間上限カウンタは、有利区間に移行した場合に、計数手段280により、初期化処理としてその値が「1500」にリセットされる。ただし、計数手段280により、初期化処理として有利区間上限カウンタの値が「1500」にリセットされるタイミングは、有利区間が終了したタイミングでもよい。
(EDバトル状態開始カウンタ)
EDバトル状態開始カウンタは、有利区間の開始に基づきゲーム数の計数が開始され、EDバトル状態開始ゲーム数の到達を判定するためのカウンタである。
このEDバトル状態開始カウンタは、その初期値として、「1200」、「1100」又は「1000」の3種類の値が設けられている。そして、EDバトル状態開始カウンタの初期値は、計数手段280による初期値決定抽選が行われることにより、当該有利区間に対応する値が決定される。その後、EDバトル状態開始カウンタは、有利区間上限カウンタと同様の有利区間の1ゲーム目から、計数手段280により、当該決定された初期値(例:1200)から計数が開始される。
このとき、本実施の形態では、有利区間上限カウンタとEDバトル状態開始カウンタとの計数の開始時点(有利区間の開始時点)、すなわち、有利区間の1ゲーム目では、本ED状態開始ゲーム数(1430ゲーム)がEDバトル状態開始ゲーム数(1200ゲーム、1100ゲーム、又は1000ゲーム)よりも多くなっている。つまり、有利区間の1ゲーム目では、本ED状態開始ゲーム数に到達することよりも、EDバトル状態開始ゲーム数に到達すること、すなわち、EDバトル状態の開始契機が近くなっている。
そして、EDバトル状態開始カウンタは、有利区間(有利区間の滞在中に開始されたボーナス状態も含む)の滞在中に、計数手段280により計数が進行される。具体的には、EDバトル状態開始カウンタは、有利区間(有利区間の滞在中に開始されたボーナス状態も含む)での遊技を1ゲーム消化する毎に、計数手段280により、その値が「1」ずつ減算される。
一方、EDバトル状態開始カウンタは、ボーナス内部中状態の滞在中においては、計数手段280による計数が停止される。つまり、EDバトル状態開始カウンタは、ボーナス内部中状態の滞在中においては、ボーナス内部中状態を1ゲーム消化してもカウンタの更新が行われず、その値が変動することがない。
そして、EDバトル状態開始カウンタの値が「初期値(例:1200)」から「0」に到達すると、EDバトル状態開始ゲーム数に到達して、EDバトル状態へ移行することとされている。
なお、EDバトル状態開始カウンタは、有利区間に移行した場合に、計数手段280により、初期化処理として初期値決定抽選が行われ、当該有利区間における初期値が設定される。ただし、計数手段280により、初期化処理として初期値決定抽選が行われ、当該有利区間における初期値が設定されるタイミングは、前回の有利区間が終了したタイミングでもよい。
なお、本実施の形態では、上述のように有利区間の1ゲーム目では、本ED状態開始ゲーム数(1430ゲーム)がEDバトル状態開始ゲーム数(1200ゲーム、1100ゲーム、又は1000ゲーム)よりも多いゲーム数に設定されている。ここで、たとえばボーナス内部中状態が長期(230ゲーム、330ゲーム、又は430ゲームを超える期間)に渡って発生するなど、有利区間における遊技内容によっては、EDバトル状態開始ゲーム数に到達する前に本ED状態開始ゲーム数に到達することがある。そして、このようにして本ED状態が開始された場合には、その後にEDバトル状態が開始されないこととなっている。
(判定手段290)
判定手段290は、あるゲーム数の上限への到達の有無の判定を行うものである。
この判定手段290は、図3に示すように、有利区間上限ゲーム数判定手段291、EDバトル状態開始ゲーム数判定手段292及び本ED状態開始ゲーム数判定手段293を有する。
(有利区間上限ゲーム数判定手段291)
有利区間上限ゲーム数判定手段291は、あるゲーム数の上限への到達の有無の判定として、有利区間の経過ゲーム数が有利区間上限ゲーム数に到達しているか否かを判定するものである。具体的には、有利区間上限ゲーム数判定手段291は、有利区間(有利区間の滞在中に開始されたボーナス内部中状態及びボーナス状態も含む)の各遊技において、計数手段280により有利区間上限カウンタの値が「1」減算された後に、有利区間上限カウンタの値が「0」であるか否かの判定を行う。そして、有利区間上限ゲーム数判定手段291により、有利区間上限カウンタの値が「0」であると判定された場合には、有利区間上限ゲーム数に到達して、有利区間から非有利区間へ移行することとされている。
(EDバトル状態開始ゲーム数判定手段292)
EDバトル状態開始ゲーム数判定手段292は、あるゲーム数の上限への到達の有無の判定として、有利区間の経過ゲーム数がEDバトル状態開始ゲーム数に到達しているか否かを判定するものである。具体的には、EDバトル状態開始ゲーム数判定手段292は、有利区間(有利区間の滞在中に開始されたボーナス状態も含む)の各遊技において、計数手段280によりEDバトル状態開始カウンタの値が「1」減算された後に、EDバトル状態開始カウンタの値が「0」であるか否かの判定を行う。そして、EDバトル状態開始ゲーム数判定手段292により、EDバトル状態開始カウンタの値が「0」であると判定された場合には、EDバトル状態開始ゲーム数に到達して、EDバトル状態へ移行することとされている。
(本ED状態開始ゲーム数判定手段293)
本ED状態開始ゲーム数判定手段293は、あるゲーム数の上限への到達の有無の判定として、有利区間の経過ゲーム数が本ED状態開始ゲーム数に到達しているか否かを判定するものである。具体的には、本ED状態開始ゲーム数判定手段293は、有利区間(有利区間の滞在中に開始されたボーナス内部中状態及びボーナス状態も含む)の各遊技において、計数手段280により有利区間上限カウンタの値が「1」減算された後に、有利区間上限カウンタの値が「70」未満であるか否かの判定を行う。そして、本ED状態開始ゲーム数判定手段293により、有利区間上限カウンタの値が「70」未満であると判定された場合には、本ED状態開始ゲーム数に到達して、本ED状態へ移行することとされている。
(サブ制御手段500)
サブ制御手段500は、図4に示すように、報知手段510を有する。報知手段510の詳細については後述する。
以上の構成をもって、サブ制御手段500は、メイン制御手段200からの信号を受けて、遊技の進行に伴う演出を行うものである。
具体的には、サブ制御手段500は、演出用ランプ78を駆動するためのLED駆動回路(図示せず)に対してLEDの点灯や消灯を規定するデータを出力したり、スピーカー72から音を出力するための音声出力回路(図示せず)に対して出力する音声を規定するデータを出力したり、表示部84を駆動するための液晶制御基板(図示せず)に対して出力する映像データを規定するデータを出力したりする。
(報知手段510)
報知手段510は、演出装置70を用いて種々の情報、具体的には、演出を遊技者に報知するためのものである。
この報知手段510は、役抽選の結果に基づく当選役に応じた演出や、ノーマル状態、RT状態、ボーナス内部中状態又はボーナス状態の各遊技状態に応じた演出や、押し順を報知するための演出等を遊技者に報知する。これらの演出は、それぞれ複数設けられており、報知手段510は、抽選により選択された演出やメイン制御手段200からの信号(コマンド)に対応する演出を演出装置70を用いて遊技者に報知する。
また、報知手段510は、ART状態の滞在中に、ARTバトル演出を演出装置70を用いて遊技者に報知する。具体的には、報知手段510は、ARTバトル演出として、演出装置70の表示部84に遊技者のキャラクタと敵キャラクタとが対戦している映像を報知する。なお、報知手段510は、ART状態の終了時にはARTバトル演出の結果として、たとえば表示部84に「勝利」又は「敗北」等の文字を報知する。
また、報知手段510は、EDバトル状態の滞在中に、EDバトル演出を演出装置70を用いて遊技者に報知する。具体的には、報知手段510は、EDバトル演出として、演出装置70の表示部84に遊技者のキャラクタと敵キャラクタとが対戦している映像を報知する。そして、報知手段510は、EDバトル演出として、基本的には、勝利内容(例:遊技者のキャラクタが敵キャラクタを倒す映像)を表示部84に報知し、あるEDバトル演出の終了遊技が本ED状態の開始遊技以降になる場合には、例外的に敗北内容(例:敵キャラクタが遊技者のキャラクタを倒す映像)を表示部84に報知する。
また、報知手段510は、本ED状態の滞在中に、本ED演出を演出装置70を用いて遊技者に報知する。ここで、本実施の形態における「本ED演出」は、有利区間の終了を示唆する演出であって、本ED状態の残りゲーム数に応じた映像が複数種類設けられている。たとえば、本ED状態の残りゲーム数が多い場合(例:35ゲーム以上)には、報知手段510は長編ストーリーの本ED演出を演出装置70の表示部84に報知し、本ED状態の残りゲーム数が少ない場合(例:35ゲーム未満)には、報知手段510は短編ストーリーの本ED演出を表示部84に報知する。
なお、上記のARTバトル演出、EDバトル演出、又は本ED演出は、演出装置70のうち、表示部84のみを用いることに限らず、演出用ランプ78やスピーカー72等を組み合わせて行ってもよい。
また、報知手段510は、EDバトル状態の滞在中に本ED状態開始ゲーム数に到達する場合、34ゲームのEDバトル演出の報知が終了した後に、本ED状態に対応する本ED演出の報知を開始する。たとえば、EDバトル演出の開始遊技が有利区間の「1421ゲーム目」であり、EDバトル演出の終了遊技が有利区間の「1454ゲーム目」である場合、報知手段510は、有利区間の「1421ゲーム目」から「1454ゲーム目」までの間はEDバトル演出を演出装置70に報知し、有利区間の「1455ゲーム目」から本ED状態に対応する本ED演出の報知を開始する。
また、報知手段510は、ボーナス状態の滞在中に、上記のARTストックを獲得できるか否かを示すストック演出を演出装置70を用いて遊技者に報知する。さらに、報知手段510は、ボーナス状態の滞在中に、ART状態に関する特典を付与するか否かの決定の結果を演出装置70を用いて遊技者に報知する。これらの詳細については後述する。
また、報知手段510は、有利区間に滞在中の役抽選にて、最大払出枚数(たとえば、「9枚」)に係る最大払出枚数役(たとえば、「ベル役」)に当選した場合には、少なくとも1回、最大払出枚数役に対応する押し順(以下、「最大払出枚数ナビ」とする)を表示部84に報知する。
(図5を用いた遊技状態の説明)
次に、図5を用いて遊技状態について説明する。
遊技状態は、メイン制御手段200により管理され、図5に示すように、大別すると、ノーマル状態、RT状態、ボーナス内部中状態及びボーナス状態がある。
「ノーマル状態」は、ノーマル状態制御手段251により制御される。ノーマル状態におけるリプレイ役への当選確率は、1/7.3に設定されている。
「RT状態」は、RT状態制御手段252により制御され、「ノーマル状態」よりリプレイ役への当選確率が高い。
「ノーマル状態」から「RT状態」には、RT移行図柄を停止表示させた時に移行する。たとえば、役抽選にて図示しない押し順リプレイ役に当選し、正解の押し順でストップスイッチ50が停止操作された場合には、RT移行図柄が停止表示され「RT状態」に移行する。
また、「RT状態」において、ノーマル状態移行図柄としての押し順役こぼし図柄を停止表示させると「ノーマル状態」に移行する。ここで「押し順役こぼし図柄」とは、図示しないが、たとえば、役抽選にて左第一停止が不正解の役に当選し、押し順不正解(ストップスイッチ50を左第一停止で操作)した際に停止表示される図柄61である。
「RT状態」においてART状態であれば、押し順が報知されるが、ART状態が終了すると、押し順が報知されず、遊技者は通常の押し順、すなわち、ストップスイッチ50を左第一停止で操作する。そのため、左第一停止が不正解の役に当選した場合には押し順役こぼし図柄が停止表示され、「ノーマル状態」に移行する。
「ボーナス内部中状態」は、ボーナス内部中状態制御手段253により制御され、「ノーマル状態」又は「RT状態」において、ボーナス移行役に当選し当該ボーナス移行役に対応する図柄61を有効ライン86上に停止表示できなかった場合に移行する。また、ボーナス内部中状態では、リプレイ役への当選確率がノーマル状態よりも高く設定されている。
なお、ボーナス内部中状態では、リプレイ役への当選確率がRT状態より低いがノーマル状態よりは高くなるように設定されている。もちろん、このボーナス内部中状態のリプレイ役の当選確率は、ノーマル状態と同等に設定してもよいし、RT状態と同等又はRT状態より高くなるように設定してもよい。
また、「ボーナス内部中状態」は、非有利区間又は有利区間の滞在する区間にかかわらず、ボーナス移行役に当選し当該ボーナス移行役に対応する図柄61を有効ライン86上に停止表示できなかった場合に、当該区間(例:有利区間(ART状態))から移行し、ボーナス内部中状態での遊技が行われることとされている。
「ボーナス状態」は、ボーナス状態制御手段254により制御され、ボーナス遊技として「BB」が行われる。この「ボーナス状態」では、メダルの規定の賭け数が「2枚」に設定されている。
「ボーナス状態」は、「ボーナス内部中状態」において、ボーナス移行役に対応する図柄61を有効ライン86上に停止表示させることで移行する。また、「ボーナス状態」は、「ノーマル状態」又は「RT状態」において、ボーナス移行役に当選し、かつボーナス移行役に対応する図柄61を有効ライン86上に停止表示させることで移行する。
この「ボーナス状態」は、非有利区間又は有利区間の滞在する区間にかかわらず、上記の各遊技状態に対応する移行条件が成立したことに基づいて、当該遊技状態(例:RT状態)から移行し、ボーナス状態での遊技が行われることとされている。たとえば、「ボーナス状態」は、後述する各有利区間(「有利区間通常状態」、「ART準備中状態」、「ART状態」及び「ED状態」)のうち、「ART状態」から移行可能とされている。具体的には、「ART状態」は、「AT遊技」の実行中、かつ当該遊技状態が「RT状態」の状態であるが、この状態において、ボーナス移行役に当選し、かつボーナス移行役に対応する図柄61を有効ライン86上に停止表示させることで、「ART状態」から「ボーナス状態」に移行する。
ここで、本実施の形態におけるボーナス状態では、上記のARTストックを獲得できるか否かを示すストック演出が行われている。本実施の形態では、このストック演出として、第1ストック演出と第2ストック演出とが設けられている。
なお、第1ストック演出、第2ストック演出は、有利区間滞在中に移行するボーナス状態や、ボーナス移行役当選に基づいて有利区間に移行し、当該ボーナス移行役当選に対応するボーナス状態で行われる。
第1ストック演出は、役抽選にてたとえば所定のリプレイ役(例:第1リプレイ役、第2リプレイ役、又は第3リプレイ役)に当選した場合に、特定の図柄61を有効ライン86上に停止表示させることを遊技者に促す「狙え演出」が行われ、有効ライン86上にこの特定の図柄61が停止表示されたときにARTストックを1つ獲得できる演出である。
ここで、本実施の形態では、第1ストック演出が行われる遊技以外(通常の遊技)では、左ストップスイッチL(1番目)→中ストップスイッチC(2番目)→右ストップスイッチR(3番目)の順序で操作することを推奨している。
これに対し、本実施の形態では、第1ストック演出が行われる遊技では、右ストップスイッチR(1番目)→中ストップスイッチC(2番目)→左ストップスイッチL(3番目)の順序で操作することを推奨している。つまり、第1ストック演出が行われる遊技では、通常の押し順とは異なる特定の押し順(所謂「逆押し」)で操作することを推奨している。
たとえば、第1ストック演出では、役抽選にて所定のリプレイ役に当選した場合に、報知手段510により演出装置70の表示部84に特定の図柄61を特定の押し順(逆押し)で有効ライン86上に停止表示させる旨の指示が文字や記号等を用いて報知される。
その後、第1ストック演出では、特定の押し順(逆押し)で3番目のストップスイッチ50(左ストップスイッチL)が停止操作されたことに基づいて、報知手段510により表示部84にARTストックの獲得の有無が文字や記号等を用いて報知される。なお、第1ストック演出において、上記のように、所定のリプレイ役として第1リプレイ役、第2リプレイ役、及び第3リプレイ役の複数のリプレイ役を設けた場合、特定のリプレイ役(例:第1リプレイ役、又は第2リプレイ役)の当選時には特定の図柄61が有効ライン86上に停止表示されない制御を行ってもよい。
また、上述のように、ボーナス状態の滞在中における役抽選にて、所定の抽選契機役に当選した場合には、ボーナス状態制御手段254によりストック獲得抽選が行われる。そして、このストック獲得抽選に当選した場合には、ARTストックの獲得を示す演出として、上記の第2ストック演出が行われる。この第2ストック演出は、報知手段510により遊技者に演出用ボタンスイッチ42の操作を促す表示が表示部84に報知され、演出用ボタンスイッチ42の操作が行われた場合に、獲得したARTストックが報知手段510により表示部84に報知される演出である。
たとえば、第2ストック演出では、報知手段510により演出装置70の表示部84に演出用ボタンスイッチ42の操作を促す表示が文字や記号等を用いて報知される。その後、第2ストック演出では、演出用ボタンスイッチ42が操作されたことに基づいて、報知手段510により表示部84に獲得したARTストックが文字や記号等を用いて報知される。なお、第2ストック演出では、単にARTストックを獲得した事実を報知することに限らず、ストック獲得抽選にて獲得可能なストック数を複数態様設けることにより、獲得したARTストックの数を報知してもよい。
また、本実施の形態におけるボーナス状態では、ART状態に関する特典を付与するか否かの決定の結果が報知手段510により演出装置70、具体的には、表示部84に報知されることとされている。
具体的には、ボーナス状態の滞在中に第1ストック演出が行われた場合には、報知手段510により、特定の図柄61が有効ライン86上に停止表示されたときにはARTストックを1つ獲得した旨が文字や記号等を用いて表示部84に報知され、特定の図柄61が有効ライン86上に停止表示されなかったときにはARTストックを獲得できなかった旨が文字や記号等を用いて表示部84に報知される。
また、ボーナス状態の滞在中に第2ストック演出が行われた場合には、獲得したARTストック、つまり、ARTストックを獲得した旨が文字や記号等を用いて報知手段510により表示部84に報知される。
「ボーナス状態」は、RBが連続作動し、所定の終了条件が成立したことに基づいて終了する。本実施の形態におけるボーナス状態では、所定の終了条件が「所定枚数のメダルの払出し」とされており、たとえば200枚を超えるメダルの払出しで終了する。そして、「ボーナス状態」の終了後、「ノーマル状態」に移行する。
ここで、本実施の形態では、ボーナス状態の終了遊技がED状態の開始遊技以降になる場合には、開始される当該ボーナス状態の滞在中における演出がED状態に対応する所定の演出となることとされている。具体的には、ボーナス状態の終了遊技がEDバトル状態の開始遊技以降になる場合には、開始される当該ボーナス状態の滞在中における演出がEDバトル状態に対応する所定の演出としてのEDバトル演出となる。また、ボーナス状態の終了遊技が本ED状態の開始遊技以降になる場合には、開始される当該ボーナス状態の滞在中における演出が本ED状態に対応する所定の演出としての本ED演出となる。
つまり、上記の「ボーナス状態の終了遊技がED状態(EDバトル状態又は本ED状態)の開始遊技以降になる場合」、当該ボーナス状態の滞在中では上記のストック演出を含む通常のボーナス演出が行われず、その通常のボーナス演出に代えて、EDバトル演出又は本ED演出が当該ボーナス状態の開始遊技から開始されることとなっている。
ここで、「ボーナス状態の終了遊技がED状態(EDバトル状態又は本ED状態)の開始遊技以降になる場合」とは、「ボーナス状態の終了遊技がEDバトル状態開始カウンタの値が「0」となる遊技と重なる場合(EDバトル状態開始カウンタの値が「0」になった以降の遊技である場合も含む)、又はボーナス状態の終了遊技が有利区間上限カウンタの値が「70」未満となる遊技と重なる場合」をいう。
上述のように、本実施の形態における「ボーナス状態」は、200枚を超えるメダルの払出しで終了する。そして、メイン制御手段200のROMには、ボーナス状態の滞在中においては、1ゲーム毎に平均して「8枚」のメダルの払出しが行われるとのメダル払出情報が記憶されている。また、メイン制御手段200のROMには、ボーナス状態の終了条件(200枚を超えるメダルの払出し)及びメダル払出情報(1ゲーム毎に平均して「8枚」のメダルの払出し)に基づいて算出された、ボーナス状態の予測終了ゲーム数(25ゲーム)が記憶されている(200/8=25)。なお、この予測終了ゲーム数は、前述のような1つの指定ゲーム数(例:25ゲーム)としてもよいし、ボーナス状態の終了条件及びメダル払出情報に基づいて算出された1つの指定ゲーム数(例:25ゲーム)を含んだ一定の遊技期間(例:23ゲームから27ゲーム)としてもよい。
そのため、たとえば、ボーナス状態の開始遊技が、有利区間の「1421ゲーム目」である場合には、予測終了ゲーム数(25ゲーム)に基づくボーナス状態の終了遊技は有利区間の「1445ゲーム目」となる。つまり、この場合には、ボーナス状態の終了遊技が有利区間上限カウンタの値が「70」未満となる遊技(具体的には、有利区間上限カウンタの値が「55」となる遊技)と重なっており、ボーナス状態の終了遊技が本ED状態の開始遊技以降になっている。したがって、この場合には、開始される当該ボーナス状態の滞在中における演出が上記のストック演出を含む通常のボーナス演出に代わって、当該ボーナス状態の開始遊技から本ED演出が開始される。
(図6を用いた有利区間の説明)
次に、図6を用いて有利区間について説明する。
図6に示すように、本実施の形態では、遊技者にとって有利な押し順の報知が許容されない「非有利区間」と、遊技者にとって有利な押し順の報知が許容される「有利区間」とがある。「非有利区間」としては、「非有利区間通常状態」がある。また、「有利区間」としては、「有利区間通常状態」、「ART準備中状態」、「ART状態」及び「ED状態」がある。
(非有利区間)
非有利区間は、有利区間を除いた区間であって、遊技者にとって有利な押し順の報知が許容されない、すなわち、AT遊技を行うことが許容されない区間である。そのため、非有利区間を継続すると、結果として、遊技者が所有しているメダルの合計が減少することとなっている。「非有利区間」としては、「非有利区間通常状態」がある。なお、「非有利区間」の種類や数は、前述したものに限られない。
(非有利区間通常状態)
「非有利区間通常状態」は、「有利区間」における「有利区間通常状態」、「ART準備中状態」、「ART状態」及び「ED状態」等の特殊な状態を除いた状態である。この「非有利区間通常状態」の滞在中における遊技状態は、主にノーマル状態に滞在していることとされている(図5参照)。
(有利区間)
「有利区間」は、遊技者にとって有利な押し順の報知が許容される区間である。すなわち、「有利区間」は、AT遊技を行うことが許容される区間である。
この「有利区間」においては、少なくとも1回、最大払出枚数に係る入賞に対する指示がされることとなっている。具体的には、本実施の形態では、最大払出枚数に係る入賞に対する指示として、最大払出枚数(たとえば、「9枚」)に係る最大払出枚数役(たとえば、「ベル役」)に当選した場合に、報知手段510により最大払出枚数ナビが表示部84に報知される。
また、有利区間は、遊技可能なゲーム数の上限、すなわち、有利区間上限ゲーム数が設けられ、この有利区間上限ゲーム数に到達したことに基づいて非有利区間に移行することとされている。
有利区間では、有利区間上限ゲーム数が「1500ゲーム」と定められており、この有利区間上限ゲーム数に相当する有利区間上限カウンタの初期値「1500」が計数手段280に設定されている。そして、計数手段280により計数される有利区間上限カウンタが、その初期値「1500」から「0」に到達すると、有利区間上限ゲーム数に到達して、有利区間から非有利区間へ移行する。
ここで、「有利区間」としては、上述のように「有利区間通常状態」、「ART準備中状態」、「ART状態」及び「ED状態」がある。なお、「有利区間」の種類や数は、上述したものに限られない。
(有利区間通常状態)
有利区間通常状態は、「有利区間」に属し、「非有利区間」から「有利区間」に移行した場合に最初に滞在する状態である。「非有利区間」から「有利区間」、具体的には、「非有利区間通常状態」から「有利区間通常状態」には、非有利区間通常状態における役抽選にてスイカ役に当選したことに基づいて移行抽選手段270により行われる有利区間移行抽選に当選したことに基づいて移行する。なお、「非有利区間通常状態」から「有利区間通常状態」には、有利区間移行抽選に当選したことに基づいて移行することに限らず、役抽選にてスイカ役等の有利区間移行契機役に当選したことに基づいて移行させてもよい。
また、有利区間通常状態は、非有利区間における非有利区間通常状態を継続した状態となっている。つまり、「非有利区間通常状態」と「有利区間通常状態」との違いは、滞在している区間が「非有利区間」か「有利区間」かの違いとなっている。
そして、有利区間通常状態では、役抽選にてチェリー役に当選したことに基づいて移行抽選手段270によるAT抽選が行われ、当該AT抽選に当選した場合には、ART準備中状態へ移行する。
本実施の形態では、有利区間通常状態を1ゲーム消化する毎に、計数手段280により、有利区間上限カウンタの値が「1」減算されると共に、EDバトル状態開始カウンタの値が「1」減算される。
そして、有利区間通常状態の滞在中において、有利区間上限ゲーム数判定手段291により、有利区間上限カウンタの値が「0」であると判定された場合には、非有利区間通常状態へ移行する。
また、有利区間通常状態の滞在中において、EDバトル状態開始ゲーム数判定手段292により、EDバトル状態開始カウンタの値が「0」であると判定された場合には、EDバトル状態開始ゲーム数に到達して、有利区間通常状態からEDバトル状態へ移行する。
さらに、有利区間通常状態の滞在中において、本ED状態開始ゲーム数判定手段293により、有利区間上限カウンタの値が「70」未満であると判定された場合には、本ED状態開始ゲーム数に到達して、有利区間通常状態から本ED状態へ移行する。
本実施の形態では、有利区間通常状態の滞在中において、役抽選にてボーナス移行役に当選した場合には、遊技状態制御手段250が制御する遊技状態は、次のゲームからボーナス内部中状態となる。このボーナス内部中状態は、遊技者の停止操作により、当選したボーナス移行役の図柄61が有効ライン86に停止表示されるまで維持される。
ここで、このボーナス内部中状態の滞在中は、計数手段280によるEDバトル状態開始カウンタの計数が停止される。つまり、ボーナス内部中状態の滞在中においては、ボーナス内部中状態を1ゲーム消化してもEDバトル状態開始カウンタの更新が行われず、その値が変動することがない。
そして、ボーナス内部中状態において、当該ボーナス移行役の図柄61が停止表示されることで、次のゲームから、当選したボーナス移行役に対応するボーナス状態となる。また、ボーナス内部中状態からボーナス状態に移行したことに基づいて、計数手段280によるEDバトル状態開始カウンタの計数が再開される。
なお、本実施の形態では、有利区間上限カウンタの値が「0」より大きい場合であっても、有利区間通常状態から非有利区間通常状態へ移行可能とされている。たとえば、有利区間通常状態において所定の通常転落条件が成立した場合には、次のゲームから、所定回数のゲーム数を消化した後、又は所定の転落抽選の結果に応じて、非有利区間通常状態へ移行させてもよい。
(ART準備中状態)
ART準備中状態は、「有利区間」に属し、ART状態への移行が確定している状態であって、遊技状態が「RT状態」へ移行することを待つ状態である。
ART準備中状態において、役抽選にて図示しない押し順リプレイ役に当選し、正解の押し順でストップスイッチ50が停止操作されると遊技状態が「RT状態」となり、ART状態へと移行する。
本実施の形態では、ART準備中状態を1ゲーム消化する毎に、計数手段280により、有利区間上限カウンタの値が「1」減算されると共に、EDバトル状態開始カウンタの値が「1」減算される。
そして、ART準備中状態の滞在中において、有利区間上限ゲーム数判定手段291により、有利区間上限カウンタの値が「0」であると判定された場合には、非有利区間通常状態へ移行する。
また、ART準備中状態の滞在中において、EDバトル状態開始ゲーム数判定手段292により、EDバトル状態開始カウンタの値が「0」であると判定された場合には、EDバトル状態開始ゲーム数に到達して、ART準備中状態からEDバトル状態へ移行する。
さらに、ART準備中状態の滞在中において、本ED状態開始ゲーム数判定手段293により、有利区間上限カウンタの値が「70」未満であると判定された場合には、本ED状態開始ゲーム数に到達して、ART準備中状態から本ED状態へ移行する。
本実施の形態では、ART準備中状態の滞在中において、役抽選にてボーナス移行役に当選した場合には、遊技状態制御手段250が制御する遊技状態は、次のゲームからボーナス内部中状態となる。このボーナス内部中状態は、遊技者の停止操作により、当選したボーナス移行役の図柄61が有効ライン86に停止表示されるまで維持される。
ここで、このボーナス内部中状態の滞在中は、計数手段280によるEDバトル状態開始カウンタの計数が停止される。つまり、ボーナス内部中状態の滞在中においては、ボーナス内部中状態を1ゲーム消化してもEDバトル状態開始カウンタの更新が行われず、その値が変動することがない。
そして、ボーナス内部中状態において、当該ボーナス移行役の図柄61が停止表示されることで、次のゲームから、当選したボーナス移行役に対応するボーナス状態となる。また、ボーナス内部中状態からボーナス状態に移行したことに基づいて、計数手段280によるEDバトル状態開始カウンタの計数が再開される。
本実施の形態では、ART準備中状態から非有利区間通常状態へ移行する場合には、AT遊技に関する情報(例:AT遊技であることを示すフラグ情報やAT遊技の残りゲーム数を示す情報)がリセット(初期化)される。
なお、非有利区間通常状態において、ボーナス移行役に当選したことに基づいて、有利区間に移行し、当該ボーナス移行役当選に基づくボーナス状態でAT抽選やストック獲得抽選を行い、当該AT抽選やストック獲得抽選に当選した場合には、ART準備中状態へ移行し、非当選の場合には、非有利区間通常状態へ移行するようにしてもよい。
また、有利区間通常状態において、ボーナス状態に移行した場合、当該ボーナス状態でAT抽選やストック獲得抽選を行い、当該AT抽選やストック獲得抽選に当選した場合には、ART準備中状態へ移行し、非当選の場合には、有利区間通常状態へ移行するようにしてもよい。
(ART状態)
ART状態は、「有利区間」に属し、「非有利区間通常状態」、「有利区間通常状態」、「ART準備中状態」及び「ED状態」よりも遊技者にとって有利な状態である。
「ART状態」では、当選した小役の押し順が報知される遊技であるAT遊技が行われるため、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役の図柄61の組合せを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払い出される。また、「ART状態」では、AT状態制御手段262によりARTバトル演出が行われ、報知手段510により当該ARTバトル演出が表示部84に報知される。
「ART状態」は、1セットのART状態の上限ゲーム数(30ゲーム)が設定され、当該ART状態の上限ゲーム数に到達したことに基づいて終了、又は次セットのART状態が開始するよう設定されている。
具体的には、「ART状態」は、1セットのART状態の上限ゲーム数を消化した後、すなわち、ART状態の終了時にARTストックを「1つ」以上保持している場合には、保持しているARTストックを「1つ」を消費して、次ゲームから次セットのART状態が開始される。
一方、「ART状態」は、1セットのART状態の上限ゲーム数を消化した後、すなわち、ART状態の終了時にARTストックが「0」の場合には、次セットのART状態が開始されず、ART中のAT遊技を終了する。ただし、この場合の遊技状態は、RT遊技が行われるRT状態に滞在している。そして、次セットのART状態が開始されない場合には、ART(AT+RT)のうち、AT遊技が終了するように設定されているため、ストップスイッチ50の押し順の報知が終了される。つまり、AT遊技の終了に伴い、押し順役こぼし図柄の表示を回避するストップスイッチ50の押し順が報知されなくなり、結果として、RT状態において、押し順役こぼし図柄が停止表示され、遊技状態が「ノーマル状態」へ戻る。そして、遊技状態の「ノーマル状態」への移行に伴って、有利区間から非有利区間へと移行する。つまり、ART中のAT遊技及びRT遊技の終了に伴って、有利区間から非有利区間へと移行する。
ここで、本実施の形態では、ART状態を1ゲーム消化する毎に、計数手段280により、有利区間上限カウンタの値が「1」減算されると共に、EDバトル状態開始カウンタの値が「1」減算される。
上記の他、有利区間から非有利区間へは、有利区間上限ゲーム数判定手段291により、有利区間上限カウンタの値が「0」であると判定された場合に、有利区間から非有利区間通常状態へ移行する。
また、ART状態の滞在中において、EDバトル状態開始ゲーム数判定手段292により、EDバトル状態開始カウンタの値が「0」であると判定された場合には、EDバトル状態開始ゲーム数に到達して、ART状態からEDバトル状態へ移行する。
さらに、ART状態の滞在中において、本ED状態開始ゲーム数判定手段293により、有利区間上限カウンタの値が「70」未満であると判定された場合には、本ED状態開始ゲーム数に到達して、ART状態から本ED状態へ移行する。
本実施の形態では、ART状態から非有利区間通常状態へ移行する場合には、AT遊技に関する情報(例:AT遊技であることを示すフラグ情報やAT遊技の残りゲーム数を示す情報、継続又は非継続を示すフラグ情報)がリセット(初期化)される。
本実施の形態では、ART状態の滞在中において、役抽選にてボーナス移行役に当選した場合には、遊技状態制御手段250が制御する遊技状態は、次のゲームからボーナス内部中状態となる。このボーナス内部中状態は、遊技者の停止操作により、当選したボーナス移行役の図柄61が有効ライン86に停止表示されるまで維持される。
ここで、このボーナス内部中状態の滞在中は、計数手段280によるEDバトル状態開始カウンタの計数が停止される。つまり、ボーナス内部中状態の滞在中においては、ボーナス内部中状態を1ゲーム消化してもEDバトル状態開始カウンタの更新が行われず、その値が変動することがない。
そして、ボーナス内部中状態において、当該ボーナス移行役の図柄61が停止表示されることで、次のゲームから、当選したボーナス移行役に対応するボーナス状態となる。また、ボーナス内部中状態からボーナス状態に移行したことに基づいて、計数手段280によるEDバトル状態開始カウンタの計数が再開される。
このボーナス状態では、報知手段510により、それまでのARTバトル演出が切り替えられ、基本的には上記のストック演出を含む通常のボーナス演出が行われる。ただし、当該ボーナス状態の終了遊技がED状態(EDバトル状態又は本ED状態)の開始遊技以降になる場合には、通常のボーナス演出が行われず、その通常のボーナス演出に代えて、EDバトル演出又は本ED演出が当該ボーナス状態の開始遊技から開始される。そして、ボーナス状態において、当該ボーナス状態の終了条件が成立すると、上記の当該ボーナス状態の滞在中における演出と共にボーナス状態を終了する。そして、ボーナス状態の終了後は、遊技状態制御手段250の制御により内部的にノーマル状態を経てRT状態に至り、元のART状態へ戻る。
(ED状態)
ED状態は、「有利区間」に属し、有利区間のゲーム数がEDバトル状態開始ゲーム数又は本ED状態開始ゲーム数に到達することで開始される状態である。また、ED状態に移行すると、有利区間上限ゲーム数(1500ゲーム)に到達するまでED状態が継続する。
ここで、本実施の形態におけるED状態は、有利区間のゲーム数がEDバトル状態開始ゲーム数に到達することで開始される「EDバトル状態」と、有利区間のゲーム数がEDバトル状態開始ゲーム数とは異なる本ED状態開始ゲーム数に到達することで開始されて、有利区間上限ゲーム数に到達するまで継続する「本ED状態」とを備えている。
そして、上述のように、EDバトル状態開始ゲーム数としては「1200ゲーム」、「1100ゲーム」又は「1000ゲーム」の3種類があり、本ED状態開始ゲーム数は「1430ゲーム」の1種類がある。つまり、EDバトル状態開始ゲーム数及び本ED状態開始ゲーム数は、有利区間上限ゲーム数「1500ゲーム」における終盤のゲーム数といえる。そのため、早くても有利区間のゲーム数を「1000ゲーム」経過した後に開始されるED状態は、「有利区間の終盤で行われる状態」といえる。
なお、このED状態は、ボーナス状態の滞在中のように、ボーナス状態制御手段254によるストック獲得抽選が行われず、また、報知手段510によるストック演出が報知されない状態となっている。ここで、本実施の形態では、ED状態から非有利区間通常状態へ移行する場合には、AT遊技に関する情報(例:AT遊技であることを示すフラグ情報やAT遊技の残りゲーム数を示す情報、継続又は非継続を示すフラグ情報)がリセット(初期化)される。つまり、上記の構成とすることにより、ED状態は、当該有利区間の滞在中でのみ恩恵が受けられる特典(例:ARTストック)を獲得不能な状態といえる。そのため、ED状態を上記の構成とすることにより、本実施の形態では、有利区間の終盤で行われるED状態において、当該有利区間の滞在中でのみ恩恵が受けられる特典を獲得して、「無駄引き」による不満を遊技者が抱くことを抑制できる。
(EDバトル状態)
有利区間のゲーム数がEDバトル状態開始ゲーム数に到達した場合には、ED状態制御手段263により、ED状態のうちEDバトル状態が開始される。このEDバトル状態は、固定のゲーム数として34ゲームが設定され、この34ゲームを消化する毎に繰り返して行われる状態である。具体的には、EDバトル状態の滞在中は、34ゲーム周期で繰り返すEDバトル演出がED状態制御手段263により行われるとともに、このEDバトル演出が報知手段510により表示部84に報知される。
そして、EDバトル演出の内容としては、基本的には、勝利内容がED状態制御手段263により行われるとともに、この勝利内容(例:遊技者のキャラクタが敵キャラクタを倒す映像)が報知手段510により表示部84に報知される。ただし、あるEDバトル演出の終了遊技が本ED状態の開始遊技以降になる場合、ED状態制御手段263により例外的に敗北内容のEDバトル演出が行われるとともに、この敗北内容(例:敵キャラクタが遊技者のキャラクタを倒す映像)が報知手段510により表示部84に報知される。
このEDバトル状態の滞在中では、EDバトル状態を1ゲーム消化する毎に、計数手段280により、有利区間上限カウンタの値が「1」減算される。また、EDバトル状態の滞在中は、AT遊技が行われるため、当選した小役の押し順が報知されることにより、当選した小役の図柄61の組合せを停止表示でき、当該小役に対応する所定枚数のメダルを獲得できる。
そして、EDバトル状態の滞在中において、本ED状態開始ゲーム数判定手段293により、有利区間上限カウンタの値が「70」未満であると判定された場合には、本ED状態開始ゲーム数に到達して、EDバトル状態から本ED状態へ移行する。ただし、EDバトル状態の滞在中に本ED状態開始ゲーム数に到達する場合には、当該EDバトル演出の残りゲーム数を消化して当該EDバトル状態が終了した後に、ED状態制御手段263によりEDバトル状態から本ED状態へ移行される。つまり、EDバトル状態の滞在中に本ED状態開始ゲーム数に到達する場合には、当該EDバトル演出の残りゲーム数を消化するまで残りのEDバトル演出が報知手段510により表示部84に報知される。そして、残りのEDバトル演出が終了したことに基づいて、その次のゲームから本ED状態へ移行する。
(本ED状態)
有利区間のゲーム数が本ED状態開始ゲーム数に到達した場合には、ED状態制御手段263により、ED状態のうち本ED状態が開始される。この本ED状態の滞在中は、本ED状態の残りゲーム数に応じた本ED演出がED状態制御手段263により行われるとともに、この本ED演出が報知手段510により表示部84に報知される。たとえば、本ED状態の残りゲーム数が多い場合(例:35ゲーム以上)には、この本ED演出として、報知手段510により長編ストーリーの本ED演出が表示部84に報知され、本ED状態の残りゲーム数が少ない場合(例:35ゲーム未満)には、この本ED演出として、報知手段510により短編ストーリーの本ED演出が表示部84に報知される。
この本ED状態の滞在中では、本ED状態を1ゲーム消化する毎に、計数手段280により、有利区間上限カウンタの値が「1」減算される。また、本ED状態の滞在中は、EDバトル状態の滞在中よりも低い確率でAT遊技が行われることとされている。そのため、本ED状態の滞在中は、遊技者が所有しているメダルの合計がほぼ増えないこととなっている。
そして、本ED状態の滞在中において、有利区間上限ゲーム数判定手段291により、有利区間上限カウンタの値が「0」であると判定された場合には、本ED状態から非有利区間通常状態へ移行する。
ここで、本実施の形態では、上述のように、有利区間の1ゲーム目では、本ED状態開始ゲーム数(1430ゲーム)がEDバトル状態開始ゲーム数(1200ゲーム、1100ゲーム、又は1000ゲーム)よりも多くなっている。つまり、有利区間の1ゲーム目では、本ED状態開始ゲーム数に到達することよりも、EDバトル状態開始ゲーム数に到達すること、すなわち、EDバトル状態の開始契機が近くなっている。そのため、通常であれば、本ED状態開始ゲーム数よりも先にEDバトル状態開始ゲーム数に到達し、EDバトル状態を経由した後に本ED状態が開始されることとなっている。
ただし、本実施の形態では、上述のように、ボーナス内部中状態の滞在中は、計数手段280によるEDバトル状態開始カウンタの計数が停止されることとなっている。そのため、当該有利区間の滞在中にボーナス内部中状態が長期(230ゲーム、330ゲーム、又は430ゲームを超える期間)に渡って発生すると、EDバトル状態開始ゲーム数に到達する前に本ED状態開始ゲーム数に到達することがある。
そして、このようにして本ED状態が開始された場合には、その後にEDバトル状態が開始されないこととなっている。つまり、EDバトル状態開始ゲーム数に到達する前に本ED状態開始ゲーム数に到達した有利区間では、EDバトル状態が行われない。具体的には、EDバトル状態開始ゲーム数に到達する前に本ED状態開始ゲーム数に到達したことに基づいて開始された本ED状態の滞在中においては、計数手段280によるEDバトル状態開始カウンタの計数が行われない。そのため、この場合には、EDバトル状態開始カウンタの値が「1」以上の状態で停止することとなり、EDバトル状態開始ゲーム数判定手段292によりEDバトル状態開始カウンタの値が「0」であると判定されることがなく、当該有利区間でEDバトル状態が行われることがない。
(図7を用いた遊技の基本的な流れの説明)
図7に示すフローチャートに基づいて、メイン制御手段200が1遊技毎に実行する一般的な遊技制御処理について説明する。
ステップS10において、メイン制御手段200により、スタートスイッチ40の操作があったか否かの判定が実行される。ここで、スタートスイッチ40の操作があったと判定されると、賭け数の設定が不可能な状態とされる。その後、次のステップS11に進む。一方、スタートスイッチ40の操作がないと判定されると、再度ステップS10となる。
なお、このステップS10の前提として、賭け数設定処理が行われている。この賭け数設定処理では、賭け数として規定の賭け数が設定されたか否かが判定されるものである。具体的には、メイン制御手段200により、当該遊技の賭け数として設定されているメダルの枚数が規定の賭け数(3枚又は2枚)に達しているか否かの判定が実行される。
ステップS11において、役抽選手段210により、役抽選処理が実行される。また、このとき、役抽選の結果がメイン制御手段200からサブ制御手段500へ送信される。役抽選処理が終了すると、次のステップS12に進む。
ステップS12において、リールユニット60における回転リール62の回転変動処理が実行される。回転リール62が所定の回転速度に達した後、回転中の回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作があった場合に、リール制御手段220により、各回転リール62の回転が停止させられる。このときのストップスイッチ50(左ストップスイッチL、中ストップスイッチC、右ストップスイッチR)の当選役に対応する押し順は、メイン制御手段200に形成された所定の記憶領域に記憶されると共に、その後の処理にて読み出される。
また、すべての停止操作終了後、メイン制御手段200からサブ制御手段500へ全回転リール62の回転停止情報が送信される。そして、すべての回転リール62の回転変動処理が終了すると、次のステップS13に進む。
ステップS13において、停止図柄判定手段230により、有効ライン86上の図柄61の組合せに対して所定の役の図柄61の組合せが揃っているか否かの停止図柄判定処理が実行される。ここで、入賞等の判定処理の判定結果のデータは、メイン制御手段200からサブ制御手段500へ送信される。そして、判定処理が終わると、次のステップS14に進む。
ステップS14において、配当付与手段240により、停止図柄判定手段230の判定結果に対応する払出処理等が実行される。なお、判定の結果、払出が不要な場合には、払出処理は行われない。そして、当該処理を終了する。
(遊技の流れ)
以下、図8及び図9を用いて、本実施の形態における遊技の流れについて説明する。
まず、図8を用いて、有利区間の滞在中に、ボーナス内部中状態が開始されず、EDバトル状態開始カウンタが初期値「1200」から「0」に到達した場合について説明する。
図8に示すように、非有利区間(非有利区間通常状態)に滞在中の役抽選にてスイカ役に当選したことに基づいて移行抽選手段270により有利区間移行抽選が行われ、この有利区間移行抽選の当選により、次のゲームから有利区間(有利区間通常状態)に移行する。
ここで、計数手段280は、移行抽選手段270により行われた有利区間移行抽選に当選し、有利区間に移行したことに基づいて、有利区間上限カウンタを初期値「1500」にリセットする。また、計数手段280は、有利区間に移行したことに基づいて、初期値決定抽選を行い、当該有利区間に対応するEDバトル状態開始カウンタの初期値(例:1200)を決定する。そして、計数手段280は、当該有利区間での遊技を1ゲーム消化する毎に、有利区間上限カウンタの値、及びEDバトル状態開始カウンタの値を「1」ずつ減算する。
ここでは、上述のように、有利区間の滞在中にボーナス内部中状態が開始されなかったため、EDバトル状態開始カウンタの計数が停止することなく、有利区間上限カウンタの値とEDバトル状態開始カウンタの値とで「300」の差を維持した状態で、計数手段280により各々の減算が行われていく。
そして、経過ゲーム数「30ゲーム目」において、ART状態に移行した。この場合、経過ゲーム数「30ゲーム目」における有利区間上限カウンタの値は「1470」とされ、EDバトル状態開始カウンタの値は「1170」とされている。
また、ART状態では、上述のように、1セット:30ゲームのART状態の上限ゲーム数が設定されており、原則として、この上限ゲーム数を消化するまでARTバトル演出が行われ、ART状態が継続することとされている。ただし、経過ゲーム数「1200ゲーム目」において、EDバトル状態開始ゲーム数判定手段292により、EDバトル状態開始カウンタの値が「0」であると判定されると、例外として、ART状態の上限ゲーム数の消化を待たずに経過ゲーム数「1201ゲーム目」からED状態、具体的には、EDバトル状態へ移行する。なお、計数手段280は、経過ゲーム数「1200ゲーム目」において、EDバトル状態開始カウンタの値が「0」となったため、経過ゲーム数「1201ゲーム目」以降のEDバトル状態開始カウンタの計数を停止する。そして、計数手段280は、経過ゲーム数「1201ゲーム目」以降は、有利区間上限カウンタの値が「0」になるまで、有利区間上限カウンタの計数のみを行う。
そして、EDバトル状態の「1ゲーム目」に相当する経過ゲーム数「1201ゲーム目」からは、EDバトル演出が行われる。これは、EDバトル状態から本ED状態に移行するまで、すなわち、経過ゲーム数「1438ゲーム目」に到達するまで繰り返し行われる。なお、この場合には、経過ゲーム数「1431ゲーム目」において、本ED状態開始ゲーム数判定手段293により、有利区間上限カウンタの値が「70」未満であると判定されるが、当該経過ゲーム数では、34ゲームのEDバトル演出を全て消化していないため、当該EDバトル演出が終了する経過ゲーム数「1438ゲーム目」までEDバトル状態での遊技が継続される。つまり、この場合は、EDバトル状態の滞在中に本ED状態開始ゲーム数に到達することとなるため、34ゲームのEDバトル演出を消化して当該EDバトル状態が終了した後に、ED状態制御手段263により、EDバトル状態から本ED状態へ移行される。
そして、経過ゲーム数「1439ゲーム目」からは、本ED状態に移行し、本ED演出が行われる。
その後、経過ゲーム数「1500ゲーム目」において、有利区間上限ゲーム数判定手段291により、有利区間上限カウンタの値が「0」であると判定されると、有利区間上限ゲーム数に到達して、有利区間(本ED状態)から非有利区間(非有利区間通常状態)へ移行する。
次に、図9を用いて、有利区間の滞在中に、ボーナス内部中状態が開始され、EDバトル状態開始カウンタが初期値「1200」から「0」に到達した場合について、上述した図8の場合との重複部分を省略して説明する。つまり、図9は、図8と異なり、有利区間の滞在中にボーナス移行役に当選して、ボーナス内部中状態を経た後、ボーナス状態が開始された内容となっている。
図9に示すように、経過ゲーム数「1191ゲーム目」において、有利区間の滞在中に、ボーナス内部中状態が開始された。この場合、経過ゲーム数「1191ゲーム目」における有利区間上限カウンタの値は「309」とされ、EDバトル状態開始カウンタの値は「10」とされている。そのため、経過ゲーム数「1191ゲーム目」においては、有利区間上限カウンタの値とEDバトル状態開始カウンタの値との差は、「299」とされている。
このとき、上述のように、EDバトル状態開始カウンタは、ボーナス内部中状態の滞在中においては、計数手段280による計数が停止する。つまり、EDバトル状態開始カウンタは、ボーナス内部中状態の滞在中においては、ボーナス内部中状態を1ゲーム消化してもカウンタの更新が行われず、その値が変動することがない。そのため、上述の経過ゲーム数「1191ゲーム目」からは、EDバトル状態開始カウンタの値が変動せず、ボーナス内部中状態が開始される直前の遊技(経過ゲーム数「1190ゲーム目」)での値「10」がボーナス内部中状態に滞在中の間維持される。
一方、有利区間上限カウンタは、当該ボーナス内部中状態を1ゲーム消化する毎に、計数手段280により「1」ずつ、その値が減算される。そのため、ボーナス内部中状態に滞在していた経過ゲーム数「1191ゲーム目」から「1240ゲーム目」の間では、有利区間上限カウンタの値は「309」から「260」へと変動する。したがって、ボーナス内部中状態の最終ゲームである経過ゲーム数「1240ゲーム目」以降は、有利区間上限カウンタの値とEDバトル状態開始カウンタの値とで「250」の差を維持した状態で、計数手段280により各々の減算が行われていく。
そして、経過ゲーム数「1240ゲーム目」において、当該ボーナス移行役に対応する図柄61が有効ライン86上に停止表示されたことにより、次の経過ゲーム数「1241ゲーム目」からボーナス状態へ移行する。
ここで、当該ボーナス状態の開始遊技は、経過ゲーム数「1241ゲーム目」であるため、予測終了ゲーム数(25ゲーム)に基づく当該ボーナス状態の終了遊技は経過ゲーム数「1265ゲーム目」となる。つまり、この場合には、ボーナス状態の終了遊技がEDバトル状態開始カウンタの値が「0」となる遊技と重なっており、ボーナス状態の終了遊技がEDバトル状態の開始遊技以降になっている。したがって、この場合には、開始される当該ボーナス状態の滞在中における演出が上記のストック演出を含む通常のボーナス演出に代わって、当該ボーナス状態の開始遊技からEDバトル演出が開始される。
また、当該ボーナス状態では、ボーナス状態の終了遊技がEDバトル状態の開始遊技以降になるため、開始される当該ボーナス状態の滞在中では、ボーナス状態制御手段254によるストック獲得抽選が行われない。
そして、経過ゲーム数「1250ゲーム目」において、EDバトル状態開始ゲーム数判定手段292により、EDバトル状態開始カウンタの値が「0」であると判定されると、経過ゲーム数「1251ゲーム目」からED状態、具体的には、EDバトル状態へ移行する。
その後、経過ゲーム数「1455ゲーム目」からは、本ED状態に移行し、本ED演出が行われる。なお、この場合は、EDバトル状態の滞在中に本ED状態開始ゲーム数に到達することとなるため、当該EDバトル演出が終了する経過ゲーム数「1454ゲーム目」まで34ゲームのEDバトル演出を消化して当該EDバトル状態が終了した後に、ED状態制御手段263により、EDバトル状態から本ED状態へ移行される。
その後、経過ゲーム数「1500ゲーム目」において、有利区間上限ゲーム数判定手段291により、有利区間上限カウンタの値が「0」であると判定されると、有利区間上限ゲーム数に到達して、有利区間(本ED状態)から非有利区間(非有利区間通常状態)へ移行する。
以上説明したように、有利区間の滞在中に、ボーナス内部中状態が開始され、EDバトル状態開始カウンタが初期値「1200」から「0」に到達した場合には、有利区間の滞在中に、ボーナス内部中状態が開始されず、EDバトル状態開始カウンタが初期値「1200」から「0」に到達した場合に比べて、ED状態(具体的には、EDバトル状態)への移行が遠くなっている。つまり、有利区間の滞在中にボーナス内部中状態が開始された場合には、そのボーナス内部中状態の滞在中においては、EDバトル状態開始カウンタの計数が停止するため、経過ゲーム数は増加するがEDバトル状態の開始が近付くことにならず、有利区間の滞在中にボーナス内部中状態が開始されない場合に比べて、EDバトル状態の開始が遅延する。
具体的には、図8に示す場合では、経過ゲーム数「1201ゲーム目」からEDバトル状態に移行し、経過ゲーム数「1500ゲーム目」までEDバトル状態を経て本ED状態での遊技を行うことができる。つまり、図8に示す場合では、ED状態での遊技を「300ゲーム」行うことができる。一方、図9に示す場合では、経過ゲーム数「1251ゲーム目」からEDバトル状態に移行し、経過ゲーム数「1500ゲーム目」までEDバトル状態を経て本ED状態での遊技を行うことができる。つまり、図9に示す場合では、ボーナス内部中状態の滞在期間である「50ゲーム」だけ、図8に示す場合と比べて、EDバトル状態の開始が遅延して、ED状態での遊技期間が「250ゲーム」となっている。
(本実施の形態の作用効果)
本実施の形態では、ED状態とは、有利区間のゲーム数がEDバトル状態開始ゲーム数又は本ED状態開始ゲーム数に到達することで開始され、有利区間上限ゲーム数(1500ゲーム)に到達するまでEDバトル演出又は本ED演出が継続する状態とされている。つまり、このED状態とは、当該有利区間において、早くても経過ゲーム数「1001ゲーム目」からEDバトル状態が開始される状態であり、「有利区間の終盤で行われる状態」といえる。
そして、本実施の形態では、上述のように、ED状態が開始されると、有利区間上限ゲーム数に到達するまで継続することが確定しているため、有利区間の終盤で恩恵が受けられる特典(例:ARTストック)を獲得する等の無駄引きと感じる演出が行われることを抑制する。
また、本実施の形態では、ボーナス状態とは、ストック獲得抽選が行われるとともに、ART状態に関する特典を付与するか否かの決定の結果が報知手段510により演出装置70に報知される状態とされている。つまり、本実施の形態では、上記のストック演出を含む通常のボーナス演出を演出装置70に報知することで、ART状態に関する特典を獲得できるとの遊技者の期待度を高め、これにより有利区間が継続する際の期待度を高めている。
そして、本実施の形態では、ボーナス状態の終了遊技がEDバトル状態の開始遊技以降になる場合には、開始される当該ボーナス状態の滞在中における演出がEDバトル演出となり、ボーナス状態の終了遊技が本ED状態の開始遊技以降になる場合には、開始される当該ボーナス状態の滞在中における演出が本ED演出となることとされている。つまり、本実施の形態では、上記の場合には、当該状態での遊技が行われることでART状態に関する特典が付与されるか否かの決定の結果を遊技者が認識可能な通常のボーナス演出に代えて、例外的にEDバトル演出又は本ED演出が当該ボーナス状態の開始遊技から開始されることとなっている。
ここで、本実施の形態では、ART状態から非有利区間へ移行する場合には、AT遊技に関する情報がリセット(初期化)される。そのため、上記のように、有利区間の終盤でボーナス状態が開始され、仮に当該ボーナス状態にてART状態に関する特典(例:ARTストック)を獲得しても、その特典を使用することなく、有利区間上限ゲーム数の到達により非有利区間へ移行するおそれがあり、遊技者には所謂無駄引きとの不満が生じてしまう。
しかし、本実施の形態によれば、上述のように、ED状態(本ED状態)が有利区間上限ゲーム数に到達するまで継続するため、有利区間の終盤で、例えば、ART状態から、ARTストックを獲得できるか否かのストック獲得抽選が行われるボーナス状態に移行し、当該ボーナス状態の終了遊技が、ED状態(EDバトル状態又は本ED状態)の開始遊技以降になる場合には、当該ボーナス状態の滞在中における演出が当該ED状態(EDバトル状態又は本ED状態)に対応するEDバトル演出又は本ED演出となることにより、当該ボーナス状態の滞在中に当該有利区間の滞在中でのみ恩恵が受けられるARTストックを取得する等の「無駄引き」が生じることがない。そのため、本実施の形態によれば、遊技者が無駄引きと感じる演出が行われることを抑制できる。また、本実施の形態によれば、上記の場合に演出装置70に報知された演出から、EDバトル状態又は本ED状態での遊技が行われていると遊技者に認識させることができ、ART状態に関する特典を獲得可能なボーナス状態での遊技が行われていることを認識しにくくできる。したがって、本実施の形態によれば、有利区間の終盤でART状態に関する特典を獲得可能なボーナス状態での遊技を開始したとしても、無駄引きによる不満を遊技者が抱くことを抑制できる。
また、本実施の形態では、有利区間での遊技を1ゲーム消化する毎に、計数手段280により、有利区間上限カウンタの値、及びEDバトル状態開始カウンタの値が「1」ずつ減算される。ただし、本実施の形態では、ボーナス内部中状態の滞在中においては、計数手段280によるEDバトル状態開始カウンタの計数が停止される。
また、本実施の形態では、有利区間上限カウンタとEDバトル状態開始カウンタとは、有利区間に移行したことに基づいて同様の契機で計数が開始される。そのため、本実施の形態では、有利区間の滞在中にボーナス内部中状態が開始された場合、そのボーナス内部中状態に滞在していたゲーム数に相当する値だけ、EDバトル状態開始カウンタの進行が有利区間上限カウンタの進行よりも遅れることとなる。
これにより、本実施の形態によれば、故意に有利区間の滞在中に開始されたボーナス内部中状態を引き延ばした遊技者と、そのボーナス内部中状態を引き延ばしていない遊技者との間の不公平さを軽減できる、という効果を奏する。
以下、上記の効果を奏する理由について、2つのカウンタを備えず、有利区間の滞在中に開始されたボーナス内部中状態の滞在中においても計数が進行されるカウンタ(以下、「比較カウンタ」とする)のみを備え、この比較カウンタで有利区間上限ゲーム数、EDバトル状態開始ゲーム数及び本ED状態開始ゲーム数を計数する構成(以下、「比較構成」とする)と対比して説明する。
比較構成においては、上記の比較カウンタを参照して、有利区間上限ゲーム数に到達した場合には非有利区間へ移行し、EDバトル状態開始ゲーム数に到達した場合にはEDバトル状態へ移行し、本ED状態開始ゲーム数に到達した場合には本ED状態へ移行することとなる。
ここで、ボーナス内部中状態は、有利区間の滞在中に開始可能であって、役抽選にてボーナス移行役に当選し、遊技者のストップスイッチ50の停止操作によりボーナス移行役に対応する図柄61が有効ライン86上に停止表示されるまで、ボーナス移行役に当選した状態が維持される状態である。つまり、ボーナス内部中状態からボーナス状態へ移行するには、遊技者により、ボーナス移行役に対応するストップスイッチ50の停止操作がなされることが必要とされている。そのため、仮に、遊技者が故意にボーナス移行役に対応する図柄61が有効ライン86上に停止表示されないようにストップスイッチ50を停止操作している場合には、ボーナス状態へ移行することなく、ボーナス内部中状態での遊技を継続することができる。
このとき、比較構成において、有利区間の滞在中に開始されたボーナス内部中状態の滞在中は、上述のように、比較カウンタの計数が進行されるため、そのボーナス内部中状態を故意に引き延ばすことにより、EDバトル状態開始ゲーム数に到達させてEDバトル状態へ移行することが可能となってしまう。
つまり、遊技者がARTバトル演出に敗北しそうであると判断した場合には、ARTバトル演出に敗北して、ART状態よりも遊技者にとって不利な非有利区間へ移行するよりも、有利区間の滞在中に開始されたボーナス内部中状態を故意に引き延ばして、少なくとも非有利区間よりも遊技者にとって有利なEDバトル状態へ移行する選択がなされることが考えられる。このような選択がなされると、故意に有利区間の滞在中に開始されたボーナス内部中状態を引き延ばした遊技者と、そのボーナス内部中状態を引き延ばしていない遊技者との間に不公平さが生じてしまう。
一方、本実施の形態によれば、上述のように、有利区間上限カウンタとEDバトル状態開始カウンタとの2種類のカウンタを備えている。そして、このEDバトル状態開始カウンタは、ボーナス内部中状態の滞在中に計数が停止されることとされている。そのため、本実施の形態によれば、比較構成と異なり、遊技者が故意に有利区間の滞在中に開始されたボーナス内部中状態を引き延ばしてもEDバトル状態開始カウンタの計数は進行せず、EDバトル状態開始ゲーム数に到達することがない。
したがって、本実施の形態によれば、故意に有利区間の滞在中に開始されたボーナス内部中状態を引き延ばした遊技者と、そのボーナス内部中状態を引き延ばしていない遊技者との間の不公平さを軽減できる。
また、本実施の形態では、EDバトル状態とは、固定のゲーム数(34ゲーム)が設定され、その固定のゲーム数(34ゲーム)を消化する毎に繰り返して行われる状態とされている。そして、本実施の形態では、EDバトル状態の滞在中に本ED状態開始ゲーム数に到達した場合には、固定のゲーム数(34ゲーム)を消化して当該EDバトル状態が終了した後に本ED状態が開始されることとされている。
つまり、本実施の形態では、上記の場合には、固定のゲーム数(34ゲーム)を1単位とするEDバトル状態に対応するEDバトル演出が行われていても、そのEDバトル演出の全てを遊技者に見せた後に本ED状態を開始することができる。そのため、本実施の形態によれば、EDバトル演出を固定のゲーム数(34ゲーム)を1単位とする連続演出とした場合でも、そのEDバトル演出が綺麗に終了した後に本ED状態を開始でき、連続演出が途切れることによる違和感を遊技者が抱くことを抑制できる。
また、本実施の形態では、ボーナス状態の終了遊技がED状態の開始遊技以降になる場合、開始される当該ボーナス状態の滞在中では、ストック獲得抽選を行わないこととされている。そして、本実施の形態では、上記の場合には、当該状態での遊技が行われることでART状態に関する特典が付与されるか否かを遊技者が認識可能な通常のボーナス演出に代えて、例外的にEDバトル演出又は本ED演出が当該ボーナス状態の開始遊技から開始されることとなっている。そのため、本実施の形態によれば、通常のボーナス演出が行われない上記の場合にストック獲得抽選を行わないことで、無駄な処理を削減しつつ、無駄引きによる不満を遊技者が抱くことを抑制できる。
(その他)
本実施の形態では、ED状態は、EDバトル状態と本ED状態との複数の状態を備えることとした。しかし、これに限らず、ED状態の滞在中は一の状態が継続されることとしてもよい。このようにED状態を単一の状態とした場合には、上記のEDバトル状態開始ゲーム数に相当するゲーム数に到達した際にEDバトル演出を行い、上記の本ED状態開始ゲーム数に相当するゲーム数に到達した際に本ED演出を行うこととしてもよい。つまり、ED状態は、EDバトル状態と本ED状態との複数の状態を備え、各状態の滞在中に対応する演出を行うことに限らず、単一の状態においてEDバトル演出及び本ED演出等の複数の演出を行ってもよい。
また、本実施の形態では、「ボーナス状態」を本発明における「第2状態」に相当する構成としたが、この「第2状態」に相当する構成は、少なくとも、「ART状態に関する特典を付与するか否かの決定が行われる」ものであれば「ボーナス状態」に限らず、他の状態としてもよい。たとえば、ART状態から移行可能であって、当該状態の滞在中に、ART状態の上限ゲーム数(30ゲーム)に対してゲーム数の上乗せを行う「上乗せ特化ゾーン」を設けた場合には、この「上乗せ特化ゾーン」を本発明における「第2状態」に相当する構成としてもよい。そして、当該構成にすることにより、有利区間の終盤でART状態に関する特典の付与、具体的には、ゲーム数の上乗せが行われる上乗せ特化ゾーンでの遊技を開始したとしても、無駄引きによる不満を遊技者が抱くことを抑制できる。
さらに、「ボーナス状態」に代えて、又は加えて、所定のゲーム数内にてARTストックを獲得可能な「ストック獲得ゾーン」を設けた場合には、この「ストック獲得ゾーン」を本発明における「第2状態」に相当する構成としてもよい。そして、当該構成にすることにより、有利区間の終盤でART状態に関する特典の付与、具体的には、ARTストックを獲得可能なストック獲得ゾーンでの遊技を開始したとしても、無駄引きによる不満を遊技者が抱くことを抑制できる。
また、本実施の形態では、本発明における「第2状態」に相当する「ボーナス状態」の終了条件を「所定枚数のメダルの払出し」としたが、終了条件はこれには限られない。たとえば、この「ボーナス状態」の終了条件を「所定のゲーム数の消化」や「所定の役の所定回数の入賞」等としてもよい。なお、本発明における「第2状態」に相当する状態を上記の「上乗せ特化ゾーン」や「ストック獲得ゾーン」とした場合における当該状態の終了条件も、「所定枚数のメダルの払出し」、「所定のゲーム数の消化」又は「所定の役の所定回数の入賞」等とすることができ、特に限定されるものではない。
また、本実施の形態では、ボーナス状態の滞在中における役抽選にて、所定の抽選契機役に当選したことに基づいて、ボーナス状態制御手段254によるストック獲得抽選が行われることとした。しかし、これに限らず、ボーナス状態の滞在中において、ストック獲得抽選に代え、又はストック獲得抽選に加え、ART状態の上限ゲーム数に対するゲーム数の上乗せを行うか否かを決定するゲーム数上乗せ抽選がボーナス状態制御手段254により行われることとしてもよい。この場合には、「ART状態の上限ゲーム数に対するゲーム数の上乗せ」が、本発明における「第1状態に関する特典」に相当することとなる。
また、本実施の形態では、ボーナス状態の終了遊技がED状態の開始遊技以降になる場合、開始される当該ボーナス状態の滞在中では、ボーナス状態制御手段254によるストック獲得抽選を行わないこととした。しかし、これに限らず、ボーナス状態の終了遊技がED状態の開始遊技以降になる場合に開始される当該ボーナス状態の滞在中においても、ボーナス状態制御手段254によるストック獲得抽選を行ってもよい。この場合、当該ボーナス状態の滞在中は、報知手段510によるストック獲得抽選の結果の報知を停止することにより、当該ボーナス状態に滞在中の演出からART状態に関する特典を獲得可能なボーナス状態での遊技が行われていることを認識しにくくできる。
また、本実施の形態では、有利区間通常状態の滞在中における役抽選の当選役に基づいて行われるAT抽選に当選することにより、ART準備中状態へ移行することとした。そして、本実施の形態では、ART準備中状態において遊技状態が「RT状態」となることでART状態へ移行することとした。つまり、本実施の形態では、ART準備中状態へ移行するにあたり、図5に示す遊技状態のうち何れの状態に滞在しているかは問われない。しかし、これに限らず、ART準備中状態へ移行するにあたり、図5に示す遊技状態のうちボーナス状態を必ず経由する構成としてもよい。たとえば、図5に示す遊技状態のうちボーナス状態の滞在中にAT抽選を行うこととし、このAT抽選に当選することにより、ART準備中状態へ移行することとしてもよい。
また、本実施の形態では、ボーナス状態を1種類としたが、これに限らず、ボーナス状態の種類を2種類以上としてもよい。
また、本実施の形態では、ARTストックを1つ消費することにより、ART状態を1セット行うことができることとしたが、これには限られない。たとえば、ARTストックを2つ消費することでART状態を1セット行うことができることとしたり、ARTストックを1つ消費することでART状態を2セット行うことができることとしたりする等、ARTストックの消費数とART状態のセット数との対応関係を適宜変更してもよい。
また、本実施の形態では、EDバトル状態の固定のゲーム数を「34ゲーム」としたが、これに限らず、EDバトル状態の固定のゲーム数は「34ゲーム」より多くても少なくてもよい。また、EDバトル状態は、各EDバトル演出が行われる際に抽選を行うことにより、各EDバトル状態に対応するゲーム数を決定してもよい。
また、本実施の形態では、EDバトル演出では基本的に「勝利内容」が行われ、例外的にEDバトル演出の終了遊技が本ED状態の開始遊技以降になる場合に「敗北内容」が行われることとしたが、これには限られない。つまり、EDバトル演出では基本的に「敗北内容」を行い、EDバトル演出の終了遊技が本ED状態の開始遊技以降になる場合に例外的に「勝利内容」を行ってもよいし、EDバトル演出では例外なく「勝利内容」又は「敗北内容」を行ってもよい。
また、本実施の形態では、EDバトル状態開始カウンタの初期値は、「1200」、「1100」又は「1000」の3種類とした。しかし、これに限らず、EDバトル状態開始カウンタの初期値は、上記の3種類以外の数値としてもよいし、3種類以上としたり、2種類又は1種類としたりしてもよい。さらに、EDバトル状態開始カウンタの初期値は、計数手段280による初期値決定抽選の結果に基づいて決定されることに限らず、予め所定の値(例:1200)が定められていてもよい。
また、本実施の形態では、第2ストック演出において、遊技者が操作手段として演出用ボタンスイッチ42の操作を行うこととした。しかし、これに限らず、第2ストック演出にて遊技者が操作を行う操作手段をストップスイッチ50等としてもよい。そして、この操作手段をストップスイッチ50のような複数の操作手段とした場合には、押し順を考慮して獲得可能なARTストックの数に差を設けてもよい。
また、本実施の形態では、本ED状態の滞在中は、EDバトル状態の滞在中よりも低い確率でAT遊技が行われることとした。しかし、これに限らず、本ED状態は、EDバトル状態の滞在中と同確率でAT遊技が行われ、遊技者が所有しているメダルの合計が増加する状態であってもよいし、一切AT遊技が行われず、遊技者が所有しているメダルの合計が減少する状態であってもよい。なお、本ED状態は、非有利区間よりも遊技者に有利な有利区間に属するため、非有利区間では行えないAT遊技を行うことを可能とすることが望ましい。ただし、EDバトル状態の滞在中と同確率で本ED状態の滞在中においてAT遊技を行うこととすると、故意に有利区間の滞在中に開始されたボーナス内部中状態を引き延ばすことで本ED状態を開始でき、ボーナス内部中状態を引き延ばした遊技者と、そのボーナス内部中状態を引き延ばしていない遊技者との間に不公平さが生じてしまう。そのため、本ED状態の滞在中は、本実施の形態のように、EDバトル状態の滞在中よりも低い確率でAT遊技が行われ、当該本ED状態の滞在中では、遊技者が所有しているメダルの合計がほぼ増えないこととすることが望ましい。
また、本実施の形態では、有利区間上限カウンタ及びEDバトル状態開始カウンタの計数は、「初期値」から開始して「0」に達するまで計数を行うカウントダウン型を採用したが、これに限らず、「0」から開始して「規定値」に達するまでカウントを行うカウントアップ型を採用してもよい。
また、本実施の形態では、「EDバトル演出又は本ED演出」を本発明における「第3状態に対応する所定の演出」に相当する演出としたが、これには限られない。
たとえば、上記のストック演出を含む「通常のボーナス演出」と、ストック演出が行われず、上記のEDバトル演出又は本ED演出に相当する演出が行われる「特別のボーナス演出」とを含んだ複数種類のボーナス演出を有する場合には、この「特別のボーナス演出」を本発明における「第3状態に対応する所定の演出」に相当する構成としてもよい。つまり、「第3状態に対応する所定の演出」とは、第1状態(ART状態)に関する特典を獲得可能な第2状態(ボーナス状態)での遊技が行われていることを認識しにくくできる演出であれば、その演出内容は特に限定されるものではない。
そして、当該構成にすることにより、ボーナス状態の終了遊技がED状態の開始遊技以降になる場合には、開始される当該ボーナス状態の滞在中における演出が特別のボーナス演出となることにより、本来ならストック演出が行われるボーナス状態での遊技が行われていることを認識しにくくできる。
また、たとえば、上記のストック演出を含む「第1のボーナス演出」と、ストック演出が行われない「第2のボーナス演出」とを含んだ複数種類のボーナス演出を有し、抽選により演出を選択するようにした場合には、この「第2のボーナス演出」を本発明における「第3状態に対応する所定の演出」に相当する構成としてもよい。
そして、当該構成にすることにより、ボーナス状態の終了遊技がED状態の開始遊技以降になる場合には、開始される当該ボーナス状態の滞在中における演出が第2のボーナス演出となることにより、抽選により「第1のボーナス演出」が選択された遊技者に対してもストック演出が行われないことを認識させることが可能になる。
また、本実施の形態では、ボーナス状態の滞在中における役抽選の当選役に基づいてストック獲得抽選を行うこととしたが、このストック獲得抽選を行う契機は特に限定されず、たとえば、当選役にかかわらず、ボーナス状態に滞在中の各ゲームで行ってもよい。
また、本実施の形態では、ART状態の終了時にARTストックが「0」の場合にはARTバトル演出の結果が敗北となり、非有利区間に移行することとしたが、これには限られない。たとえば、ART状態の終了時にARTストックが「0」の場合には、ART状態を継続するか否かの継続抽選を行うこととし、この継続抽選に当選した際にはART状態が継続することとしてもよい。さらに、ART状態の終了時にARTストックが「0」の場合には、ART状態へ引き戻すか否かの決定を行う引き戻しゾーンに移行し、この引き戻しゾーンにてART状態へ引き戻すか否かの引き戻し抽選を行うこととし、この引き戻し抽選に当選した際にはART状態に引き戻される(復帰する)こととしてもよい。
また、本実施の形態では、「非有利区間」から「有利区間」に移行した場合に最初に滞在する状態は「有利区間通常状態」であることとした。しかし、これに限らず、所定の移行条件が成立した場合には、「非有利区間通常状態」から「ART準備中状態」に移行することとしてもよい。
また、本実施の形態では、ED状態(EDバトル状態及び本ED状態)では、ストック獲得抽選を行わず、当該有利区間の滞在中でのみ恩恵が受けられるARTストックを獲得できないこととした。そのため、上述のように「ART状態に関する特典」を「ART状態の上限ゲーム数に対するゲーム数の上乗せ」とした場合には、ED状態(EDバトル状態及び本ED状態)では、「ART状態の上限ゲーム数に対するゲーム数の上乗せ」が行われることがない。