JP2005060473A - プラスチック成形品の改質方法及びプラスチック成形品 - Google Patents

プラスチック成形品の改質方法及びプラスチック成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】 プラスチック成形品に潤滑剤との親和性を付与する改質方法を提供する。また、厳しい使用条件下においても好適に使用可能なプラスチック成形品を提供する。
【解決手段】 ガラス繊維で強化されたポリアミド66で構成された冠形保持器14を、潤滑油を含有する超臨界二酸化炭素に浸漬することにより、冠形保持器14の表面に潤滑油を浸透させる改質処理を施した。そして、この改質処理を施した冠形保持器14を、深溝玉軸受に組み込んだ。
【選択図】 図1

Description

本発明は、超臨界流体を用いたプラスチック成形品の改質方法、及び、改質されたプラスチック成形品に関する。
超臨界二酸化炭素を用いてプラスチック成形品の改質を行う方法としては、例えば、特許文献1に開示のものがある。このプラスチック成形品の改質方法は、プラスチック成形品を該プラスチックのガラス転移温度未満の温度下で超臨界二酸化炭素又は亜臨界二酸化炭素の中に浸漬させる工程、及び、プラスチック成形品の表面に付着した二酸化炭素を該プラスチックのガラス転移温度未満の温度下で蒸発除去せしめる工程を含むものである。そして、この改質によって、プラスチック表面がクリーンで接着等に好適な活性化状態となる。
特開2001−158827号公報 特開2002−341102号公報
プラスチック成形品は、その表面に潤滑剤が付着するような環境下で使用される場合が多いが、潤滑剤との親和性が十分ではないため、高面圧等の厳しい使用条件下で使用されると、耐久性等の性能が十分に発揮されない場合があった。
特許文献1に記載の表面改質方法は、プラスチック成形品の表面をクリーンにすることは可能であるが、潤滑剤との親和性を十分に向上させることは困難である。よって、特許文献1に記載の表面改質をプラスチック成形品に施したとしても、高面圧等の厳しい使用条件下で使用される場合には、その性能に大きな差異は生じなかった。
そこで、本発明は上記のような従来技術が有する問題点を解決し、プラスチック成形品に潤滑剤との親和性を付与する改質方法を提供することを課題とする。また、本発明は、厳しい使用条件下においても好適に使用可能なプラスチック成形品を提供することを併せて課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明に係る請求項1のプラスチック成形品の改質方法は、潤滑油を含有する超臨界流体をプラスチック成形品に接触させた後、前記プラスチック成形品に浸透した潤滑油及び超臨界流体のうち超臨界流体のみを前記プラスチック成形品から除去することを特徴とする。
また、本発明に係る請求項2のプラスチック成形品の改質方法は、請求項1に記載のプラスチック成形品の改質方法において、前記超臨界流体を超臨界二酸化炭素としたことを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項3のプラスチック成形品は、請求項1又は請求項2に記載のプラスチック成形品の改質方法により改質されたことを特徴とする。
本発明のプラスチック成形品の改質方法によれば、プラスチック成形品に潤滑油を浸透させることができるので、プラスチック成形品に潤滑剤との親和性を付与することができる。また、本発明のプラスチック成形品は、潤滑油が浸透しているので、潤滑剤との親和性が優れている。
本実施形態のプラスチック成形品の改質方法は、浸漬処理工程と蒸発除去工程とからなる。浸漬処理工程は、潤滑油を含有する超臨界二酸化炭素の中にプラスチック成形品を浸漬する工程であり、該工程により、潤滑油及び二酸化炭素がプラスチック成形品中に浸透する。
なお、超臨界二酸化炭素とは、臨界温度以上の温度を有し且つ臨界圧力以上の圧力を有する領域にある二酸化炭素である。ちなみに、二酸化炭素の臨界温度は31℃で、臨界圧力は72.8気圧(7.38MPa)である。
浸漬処理工程における浸漬温度は、二酸化炭素の臨界温度以上であり、より好ましくは二酸化炭素の臨界温度以上且つプラスチック成形品を構成するプラスチックのガラス転移温度未満である。プラスチック材料はガラス転移温度を超えると、分子主鎖のミクロブラウン運動が可能になるまで自由体積が増加し、超臨界状態の二酸化炭素はプラスチック内部まで、より浸透しやすくなる。そうすると、プラスチック中にあらかじめ添加されている熱安定剤等の各種添加剤が逆に抽出されてしまうことも考えられ、その結果、物性が低下するおそれがあるので好ましくない。
また、浸漬処理工程における圧力は二酸化炭素の臨界圧力以上であり、より高い圧力である方が、二酸化炭素のプラスチックへの浸透度が向上し、改質の効率が向上するため好ましい。ただし、浸漬処理工程に使用する装置(以降は浸漬処理装置と記す)を高圧に耐え得るようにする必要が生じるため、該浸漬処理装置が大掛かりで高額なものになってしまう。したがって、浸漬処理装置の操作性や設備費等を考慮すると、圧力は100気圧以上300気圧以下(10.13MPa以上30.4MPa以下)の範囲が適当である。
さらに、浸漬処理工程における浸漬時間は特に限定されるものではないが、プラスチック成形品の厚さや大きさ等を考慮して適宜設定される。
さらに、超臨界二酸化炭素中の潤滑油の濃度は、二酸化炭素の超臨界状態において概ね飽和溶解度となるように調整される。
次に、蒸発除去工程について説明する。蒸発除去工程に使用する装置(以降は蒸発除去装置と記す)内の温度を、プラスチック成形品を構成するプラスチックのガラス転移温度未満とした後、二酸化炭素を徐々に排出することにより蒸発除去装置内の圧力をゆっくり下げて、大気圧に戻す。これにより、プラスチック成形品の中に浸透した潤滑油及び二酸化炭素のうち二酸化炭素のみが蒸発して除去され、潤滑油はプラスチック成形品中に残される。
蒸発除去装置内のほぼ全ての二酸化炭素が蒸発すると、蒸発除去装置内には潤滑油のみが残り、プラスチック成形品が潤滑油に浸漬している状態となるので、このプラスチック成形品を潤滑油の中から取り出す。このとき、必要に応じて、プラスチック成形品の表面に付着した潤滑油を洗浄により除去してもよい。
なお、蒸発除去装置内の温度は、プラスチック成形品を構成するプラスチックのガラス転移温度未満とすることが好ましい。ガラス転移温度以上であると、プラスチック成形品の中から二酸化炭素が除去される際に、発泡が生じる可能性が高くなる。
以上にような2つの工程によって、プラスチック成形品の内部に潤滑油の分子が浸透し、プラスチック分子間の自由体積に安定に存在することとなる。このことにより、高温,高圧等の条件下でプラスチック成形品を潤滑油に浸漬する処理、いわゆる単純な含油処理とは異なり、プラスチック成形品の表面近傍に限らず、比較的内部にまで潤滑油が浸透する。元々有していた自由体積に潤滑油が存在することとなるから、潤滑油が外部に滲出することはほとんどなく、改質効果が半永久的に持続すると同時に、機械的強度の低下を引き起こすおそれがほとんどない。なお、本発明のプラスチック成形品の改質方法は、プラスチック成形品の表面に限らず、内部まで改質することが可能であるが、表面を改質する効果が最も大きい。
このような改質処理により潤滑油が浸透したプラスチック成形品は、潤滑剤との親和性(濡れ性)が優れているので、高面圧等の厳しい使用条件下においても好適に使用可能であり、耐久性,信頼性等の性能が優れている。
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
例えば、本実施形態においては、超臨界流体として超臨界二酸化炭素を用いた例をあげて説明したが、本発明には、他の種類の様々な超臨界流体を用いることができる。例えば、二酸化窒素,アンモニア,エタン,プロパン,エチレン,メタノール,エタノール等があげられる。ただし、二酸化炭素は比較的穏和な条件で超臨界流体となり、しかも毒性がなく不燃性であるため最も好ましい。
また、本発明のプラスチック成形品の改質方法を好適に適用可能なプラスチックとしては、蒸発除去工程におけるプラスチック成形品の発泡を防止するために、ガラス転移温度(Tg)が超臨界流体の臨界温度よりも高いものが好ましい。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(Tg69℃),ポリブチレンフタレート(Tg45℃)等のポリエステル系樹脂や、ポリアミド6(Tg53℃),ポリアミド66(Tg57℃)等のポリアミド系樹脂があげられる。また、ポリスチレン(Tg100℃),ポリカーボネート(Tg145℃)等があげられる。
なお、ポリアミド系樹脂を本発明の方法により改質すると、吸水による寸法変化を抑制することができる。これは、ポリアミド系樹脂の水が入り込む箇所に、潤滑油が存在するためであると考えられる。
これらのプラスチックは、ガラス繊維等の充填材や、熱安定剤等の各種添加剤を含有するものでも差し支えない。ただし、各種添加剤は、改質の処理条件によっては、抽出されることも予想されるので、処理温度や処理圧力には注意を要する。なお、各種添加剤は、あらかじめ潤滑油とともに超臨界流体に添加しておいてもよい。
さらに、本発明において使用可能な潤滑油の種類は特に限定されるものではないが、例えば超臨界二酸化炭素の場合には、二酸化炭素への溶解度を考慮すると、炭化水素を基本構造とする鉱油,ポリα−オレフィン油,ポリフェニルエーテル油(アルキルジフェニルエーテル油等),芳香族又は脂肪族カルボン酸系エステル油,ポリオールエステル油(ペンタエリスリトールテトラエステル等)が好適である。なお、使用する潤滑油の種類は、プラスチック成形品を使用する際に用いる潤滑剤中の潤滑油の種類に合わせて選択するとよい。そうすれば、プラスチック成形品と潤滑剤との濡れ性が、より良好となる。
次に、前述のようにして改質したプラスチック成形品を、転がり軸受,リニアガイド装置,電動パワーステアリング装置の部品として使用した例を説明する。
〔使用例1〕
図1の(a)は、深溝玉軸受の構成を示す縦断面図であり、(b)は、この深溝玉軸受に使用されている冠形保持器の斜視図である。
この深溝玉軸受は、内輪11と、外輪12と、内輪11及び外輪12の間に転動自在に配設された複数の玉13と、内輪11及び外輪12の間に複数の玉13を保持する冠形保持器14と、シールド板15,15と、を備えている。
また、内輪11と外輪12とシールド板15,15とで囲まれた軸受空間には、図示しないグリース組成物(潤滑剤)が充填されており、シールド板15によって深溝玉軸受内に密封されている。そして、このグリース組成物により、内輪11及び外輪12の軌道面と玉13との接触面が潤滑されている。
次に、図1の(b)の冠形保持器14の構造について説明する。冠形保持器14は、円環状の主部21と、この主部21の片面に設けられた複数のポケット22とを備えていて、各ポケット22は、互いに間隔をあけ対向して配置された1対の弾性片23,23から形成されている。各ポケット22を構成する1対の弾性片23,23の互いに対向する面は、一般的には、同心の球状凹面をなしている。ただし、各面を円筒面としたものもある。
このような冠形保持器14は、弾性片23,23の間隔を弾性的に押し広げつつ、1対の弾性片23,23の間に玉13を押し込むことにより、各ポケット22内に玉13を転動自在に保持することができる。
この冠形保持器14は、ガラス繊維(含有量は30質量%)で強化されたポリアミド66(宇部興産株式会社製UBEナイロン2020GU6)で構成されており、潤滑油を含有する超臨界二酸化炭素を用いた前述のような改質処理が施され、その表面には潤滑油が浸透している。超臨界二酸化炭素に浸漬する処理の条件は、温度45℃、圧力20MPaであり、使用した潤滑油はアルキルジフェニルエーテル(松村石油研究所製モレスコハイルーブLB100)である。
このような深溝玉軸受においては、冠形保持器14は前述のように改質されたプラスチック成形品で構成されているので、グリース組成物との親和性が優れており濡れ性が高い。よって、冠形保持器14に高面圧が負荷されるような厳しい使用条件下で深溝玉軸受が使用されても、冠形保持器14の耐久性,信頼性等の性能が優れており、その結果、深溝玉軸受が長寿命となる。
〔使用例2〕
図2は、リニアガイド装置の構成を示す斜視図である。
角形の案内レール31上に、横断面形状がほぼコ字形のスライダ32が軸方向に相対移動可能に跨架されている。このスライダ32は、スライダ本体32Aの軸方向の両端部にエンドキャップ32B,32Bが着脱可能に固着されて構成されている。
また、案内レール31の上面31aと両側面31b,31bとが交差する稜線部には、断面ほぼ1/4円弧形状の凹溝である転動体転動溝33A,33Aが軸方向に形成されている。さらに、案内レール31の両側面31b,31bの中間位置には、断面ほぼ半円形の凹溝である転動体転動溝33B,33Bが軸方向に形成されている。なお、転動体転動溝33Bの溝底には、転動体35の脱落を防ぐ保持器36のための逃げ溝33aが、軸方向に形成されている。
一方、スライダ32の本体32Aの両袖部34,34の内側のコーナ部には、案内レール31の転動体転動溝33Aに対向する断面ほぼ半円形の負荷転動体転動溝41が形成され、両袖部34,34の内側面の中央部には案内レール31の転動体転動溝33Bに対向する断面ほぼ半円形の負荷転動体転動溝42が形成されている。
そして、上記の案内レール31の転動体転動溝33Aとスライダ32の負荷転動体転動溝41とで負荷転動体転動路43が構成され、案内レール31の転動体転動溝33Bとスライダ32の負荷転動体転動溝42とで負荷転動体転動路44が構成されている。
また、スライダ本体32Aの袖部34の上部肉厚内に、負荷転動体転動路43に平行な軸方向に延びる断面円形の貫通孔からなる転動体戻し路45が形成され、袖部34の下部肉厚内に、負荷転動体転動路44に平行な同様の軸方向に延びる貫通孔からなる転動体戻し路46が形成されている。
エンドキャップ32Bはプラスチック材料の射出成形品であり、断面ほぼコ字状に形成されている。そして、スライダ本体32Aとの接合面(裏面)には、図3に示すように、斜めに傾斜した半円状の上凹部51と下凹部52とが、両袖分部34,34の上下に対向するように形成されるとともに、半円状の両凹部51,52の中心部を横断して半円柱状の凹溝53が設けてある。
そして、その半円柱状の凹溝53には、プラスチック材料を射出成形して得た半円筒状のリターンガイド55(図4を参照)が嵌合される。なお、図5は、リターンガイド55が装着されたエンドキャップ32Bの斜視図である。このリターンガイド55の外径面の中央部には、転動体35の案内面となる断面円弧状の凹溝56が半円状に形成され、また、リターンガイド55の内径側の凹部57は潤滑剤通路であり、その凹部57から外径側の凹溝56に抜ける貫通孔57Aが給油孔として形成されている。
このようなリターンガイド55を半円柱状の凹溝53に組み込むことにより、エンドキャップ32Bの裏面に断面円形の半ドーナツ状の湾曲路58が上下二段に形成される(図6を参照)。このエンドキャップ32Bをスライダ本体32Aに取り付けると、湾曲路58によって、スライダ本体32Aの負荷転動体転動路44と転動体戻し路46とが連通される。そして、上段の負荷転動体転動路43と転動体戻し路45も同様に連通される。
上記の負荷転動体転動路43,44,転動体戻し路45,46,湾曲路58で構成される転動体無限循環経路に、多数の転動体35が転動自在に装填されている。
案内レール31上をスライダ32が移動すると、転動体35は負荷転動体転動路43,44内を転動しつつスライダ32の移動方向にスライダ32より遅い速度で移動し、一端側の湾曲路58でUターンして転動体戻し路45,46を逆方向に転動しつつ移動し、他端側の湾曲路58で逆Uターンして負荷転動体転動路43,44内に戻る循環を繰り返す。
なお、エンドキャップ32Bにおいて、転動体35を案内する湾曲路58の内側端部には半円状に突出させた転動体掬いあげ突部59が形成され、その鋭角の先端が案内レール31の転動体転動溝33A,33Bの溝底に近接するようにされている。下段の転動体掬いあげ突部59には、保持器36の取付溝59aと取付穴59bとが設けてある。
また、エンドキャップ32Bの表側の給油ニップル37から注入された潤滑剤が、エンドキャップ32Bの裏面の給油溝60を通りリターンガイド55の内径側の凹部57から貫通孔57Aを経て、湾曲路58内へ送り込まれるようになっている。さらに、エンドキャップ32Bの裏面の給油溝60の下方には、保持器61の取付け穴61aが形成してある。
ここで、エンドキャップ32B及びリターンガイド55は、ポリアセタール樹脂(ポリプラスチックス株式会社製ジュラコンM90S)で構成されており、潤滑油を含有する超臨界二酸化炭素を用いた前述のような改質処理が施され、その表面には潤滑油が浸透している。超臨界二酸化炭素に浸漬する処理の条件は、温度45℃、圧力20MPaであり、使用した潤滑油は鉱油(新日本石油株式会社製FBKオイル100)である。
このようなリニアガイド装置においては、エンドキャップ32B及びリターンガイド55は前述のように改質されたプラスチック成形品で構成されているので、潤滑剤との親和性が優れており濡れ性が高い。よって、エンドキャップ32B及びリターンガイド55に高面圧が負荷されるような厳しい使用条件下でリニアガイド装置が使用されても、エンドキャップ32B及びリターンガイド55の耐久性,信頼性等の性能が優れており、その結果、リニアガイド装置が長寿命となる。
〔使用例3〕
図7は電動パワーステアリング装置の構成を示す図であり、図8は電動パワーステアリング装置のハウジング部分の断面図である。また、図9はハウジング内のウォームホイールギア及びウォームギアのみを示した斜視図である。
電動パワーステアリング装置70のハウジング71内に備えられているウォームホイールギア81及びウォームギア82は、入力軸72の回転に伴って生じた電動モータ73の回転駆動力を出力軸74に伝達する機能を有している。
このウォームホイールギア81及びウォームギア82は、ガラス繊維(含有量は30質量%)で強化されたポリアミド66(宇部興産株式会社製UBEナイロン1015GU6)で構成されており、潤滑油を含有する超臨界二酸化炭素を用いた前述のような改質処理が施され、その表面には潤滑油が浸透している。超臨界二酸化炭素に浸漬する処理の条件は、温度45℃、圧力20MPaであり、使用した潤滑油はポリα−オレフィン油(モービル・ケミカル・プロダクツ・インターナショナル・インク製Mobil SHF82)である。
このような電動パワーステアリング装置70においては、ウォームホイールギア81及びウォームギア82が前述のように改質されたプラスチック成形品で構成されているので、ウォームホイールギア81及びウォームギア82の周辺に配された潤滑剤との親和性が優れており濡れ性が高い。よって、ウォームホイールギア81及びウォームギア82に高面圧が負荷されるような厳しい使用条件下で電動パワーステアリング装置70が使用されても、ウォームホイールギア81及びウォームギア82の耐久性,信頼性等の性能が優れており、その結果、電動パワーステアリング装置70が長寿命となる。
次に、改質されたプラスチック成形品の潤滑油に対する濡れ性を評価した結果について説明する。
ガラス繊維(含有量は30質量%)で強化されたポリアミド66(宇部興産株式会社製UBEナイロン2020GU6)で構成された円板状の試験片(直径30mm,厚さ3mm)を用意し、潤滑油を含有する超臨界二酸化炭素を用いた前述のような改質処理を施した。超臨界二酸化炭素に浸漬する処理の条件は、温度45℃、圧力20MPaであり、使用した潤滑油はポリα−オレフィン油(モービル・ケミカル・プロダクツ・インターナショナル・インク製Mobil SHF82)である。
このように表面改質された試験片(実施例)と、改質処理を行っていない試験片(比較例)とに、前述の改質処理に用いたものと同じ潤滑油(ポリα−オレフィン油)を接触させた。そして、接触させてから3秒後の接触角を、動的接触角測定解析装置(ジャスコインターナショナル株式会社製FTÅ200)を用いて測定した。
その結果、実施例は14.5°で、比較例は20.3°であった。この結果から、表面改質された試験片は、改質処理を行っていない試験片と比べて、潤滑油に対する濡れ性が非常に高いことが分かる。
改質されたプラスチック成形品の使用例を説明する深溝玉軸受の縦断面図である。 改質されたプラスチック成形品の別の使用例を説明するリニアガイド装置の斜視図である。 リターンガイドを省略してエンドキャップの裏面を示した図である。 リターンガイドの正面図である。 リターンガイドを装着した状態のエンドキャップの斜視図である。 図2のリニアガイド装置のエンドキャップ付近の部分断面図である。 電動パワーステアリング装置の構成を示す図である。 図7の電動パワーステアリング装置のハウジング部分の断面図である。 ウォームホイールギア及びウォームギアの斜視図である。
符号の説明
11 内輪
12 外輪
13 玉
14 保持器
31 案内レール
32 スライダ
32B エンドキャップ
35 転動体
55 リターンガイド
70 電動パワーステアリング装置
81 ウォームホイールギア
82 ウォームギア

Claims (3)

  1. 潤滑油を含有する超臨界流体をプラスチック成形品に接触させた後、前記プラスチック成形品に浸透した潤滑油及び超臨界流体のうち超臨界流体のみを前記プラスチック成形品から除去することを特徴とするプラスチック成形品の改質方法。
  2. 前記超臨界流体を超臨界二酸化炭素としたことを特徴とする請求項1に記載のプラスチック成形品の改質方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のプラスチック成形品の改質方法により改質されたプラスチック成形品。
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