JP5360526B2 - 円筒ころ軸受用保持器 - Google Patents

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Description

この発明は、自動車のトランスミッション装置に用いられる円筒ころ軸受に組み込まれる保持器に関するものである。
一般に、自動車のトランスミッション装置に用いられる円筒ころ軸受に組み込まれる保持器は、2つの同一軸心の円環部の間に複数の柱部が周方向に設けられ、隣接する柱部の各間に円筒ころが収納される複数のポケットが形成されたものであり、金属製のものよりも軽量で、生産性及び経済性に優れる合成樹脂製の材料で構成されている。
このような合成樹脂製の保持器は、その合成樹脂として、耐油性、耐熱性を備えたポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS樹脂)が使用されている。このPPS樹脂は、従来から、その製造過程において、高温下での熱処理や、架橋剤、分岐剤を添加することにより、部分的に架橋または分岐構造を有するものである(以下、分岐状PPS樹脂とする)。この構造を有するため、靭性が低くなり、射出成形などの成形加工が難しく、成形品が得られても、分子鎖が短いために機械的強度が低いものとなる。したがって、分岐状PPS樹脂により保持器を成形した場合、金型から抜き出すとき、あるいは、円筒ころ軸受を組み立てるときに、保持器が破損するという問題があった。
そこで、保持器の破損を防止し、機械的強度を向上させた合成樹脂からなる保持器が提案されている。すなわち、保持器を形成する合成樹脂としては、直鎖状ポリフェニレンサルファイド樹脂(直鎖状PPS樹脂)を使用し、この樹脂にガラス繊維を10重量%乃至20重量%含有させたものである(特許文献1参照)。
特許第2628674号公報
この直鎖状PPS樹脂は、重合段階で直鎖状に分子鎖を高分子量にまで生長させたものであり、前述の分岐状PPS樹脂と比して靭性が大きく、ガラス繊維を含有させることで、さらに機械的強度を確実に向上させることができる。
ところで、自動車のトランスミッション装置やディファレンシャル装置などに使用される円筒ころ軸受においては、近年、高速回転化、高温環境下での使用など、運転条件が厳しくなっており、その軸受の潤滑油に「リン」、「硫黄」成分を含む極圧添加剤等の添加剤を多量に加えることで対応している。このため、保持器は、添加剤を含む潤滑油に接触した状態で使用されることから耐油性を備えた樹脂を使用する必要が生じる。したがって、保持器を形成する樹脂には、高い耐熱性や耐油性が要求される。
しかし、特許文献1に記載の保持器は、自動車のトランスミッション装置の円筒ころ軸受用としての適用の有無についての記載がなく、前述の添加剤を含む潤滑油に接触した状態での使用の考慮がなされていない。したがって、前記状態で使用した場合、その潤滑油により保持器が劣化し、保持器が早期に疲労破壊するおそれがある。
そこで、この発明は、耐熱性、耐油性を備え、機械的強度、特に疲労特性を向上させた円筒ころ軸受用保持器を得ることを課題とする。
前記の課題を解決するために、この発明は、2つの同一軸心の円環部の間に複数の柱部を周方向に設け、隣接する前記柱部の各間に円筒ころを収納する複数のポケットを形成した合成樹脂からなる円筒ころ軸受用保持器において、前記合成樹脂は、直鎖状ポリフェニレンサルファイド樹脂に3重量%以上20重量%以下の補強繊維を含有し、自動車のトランスミッション用円筒ころ軸受に適用される構成としたのである。
ここで、直鎖状ポリフェニレンサルファイド樹脂とは、重合段階で分子鎖を直鎖状に高分子量にまで生長させたものをいう。
また、自動車のトランスミッション装置には、通常、クラッチの係合時に急加速・急減速される軸があり、その支持軸受としての円筒ころ軸受においては、保持器の柱部に作用する慣性力(無負荷域のころや、保持器の重量による荷重)が大きくなる。このとき、その慣性力により発生する繰返し応力が保持器の疲労限度を超えて、保持器の最も弱い部位、例えば、柱部の根元に破断を生じる可能性がある。
前記構成を採用すると、直鎖状ポリフェニレンサルファイド樹脂は、分子鎖が直鎖状であるため、分子鎖間の絡み合いが大きくなるため靭性が大きくなり、補強繊維を所要量含有させることで、疲労限度が向上するとともに、前記極圧添加剤を添加した潤滑油に対する耐油性が向上する。これにより、向上した疲労限度が保持器の最も弱い部位に発生する繰返し応力以上(例えば、20MPa以上)とされるので、保持器の破損を防止することが可能となり、自動車のトランスミッション用円筒ころ軸受に組み込まれる保持器として最適となる。ここで、疲労限度とは、ある繰り返し応力のもとで、繰り返しの回数を増やしても(例えば、10サイクル以上に増やしても)疲労破壊が発生しない応力の上限をいう。
前記構成において、前記補強繊維がガラス繊維であれば、優れた耐熱性が得られるとともに靭性などの機械的特性が向上する。また、前記補強繊維が炭素繊維であれば、機械的強度が向上するとともに、熱伝導性を向上させることが可能となる。
また、軸受運転時、円筒ころのポケット内での転動が円滑に行われるために、前記柱部の前記ポケット内側面に、その柱部の軸受の軸方向全長にわたる溝が設けられた構成を採用することができる。その結果、溝内部に潤滑油を保持させることが可能となり、円筒ころと柱部のポケット内側面との間の潤滑状態が良好となり、円筒ころ軸受の潤滑性が向上する。
円筒ころ軸受用保持器として軸受の軸方向に割れる対の金型により射出成形される構成を採用した場合、前記2つの円環部のうち一方の円環部は、その内径面が他方の円環部の外径面よりも外径側に位置しているとともに、前記溝が直線状をなしており、前記柱部の前記ポケットの両内側面に、前記一方の円環部の内径端から前記他方の円環部の外径端に至る直線状の前記対の金型によるパーティングラインが形成される構成を採用することができる。
この構成によると、一方の円環部の内径面が、他方の円環部の外径面よりも外径側に位置し、溝が直線状であるため、軸受の軸方向に割れる対の金型を組み合わせることで成形することが可能となる。このとき、対の金型によるパーティングラインが柱部のポケットの両内側面に形成され、ポケットの内側面も成形可能となるため、ポケットを成形するためのポケット型が不要となり、金型の部品点数を減らすことができる。
前記パーティングラインが形成される構成を採用した場合、前記パーティングラインが、前記溝内面に形成される構成とすることができる。この場合、成形時、対の金型の合わせ面の端縁部の磨耗等により、パーティングラインの突起が発生しても、その突起が柱部の溝内面に形成され、突起がころ転動面に接触しない。その結果、ころ転動面の潤滑油が突起によって掻き取られて、潤滑油切れの発生が防止され、円筒ころ軸受の運転中の潤滑性を確保することができる。
また、前述したいずれかの円筒ころ軸受用保持器が、自動車のディファレンシャル用円筒ころ軸受にも適用可能とされる構成を採用することができる。
さらに、この発明の円筒ころ軸受は、内輪と外輪との相互間に間隔をおいて複数の円筒ころを保持する保持器を備える円筒ころ軸受において、前記保持器が前述したいずれかの円筒ころ軸受用保持器である構成を採用することができる。
以上のように、この発明の円筒ころ軸受は、直鎖状のポリフェニレンサルファイド樹脂に補強用繊維材を含んだ合成樹脂により形成されることにより、機械的特性、特に疲労特性が向上し、優れた耐熱性、耐油性を備えたものとなり、軸受の長寿命化を図ることができる。
以下、この発明の実施形態を図1〜図3に示す。この実施形態の円筒ころ軸受10は、図1に示すように、軌道面13を有する内輪11と、軌道面14を有する外輪12と、この内輪11と外輪12とのそれぞれの軌道面13、14の相互間に周方向に転動可能に組み込まれる複列の円筒ころ15と、各列の円筒ころ15を周方向に所定間隔をおいて保持する円筒ころ軸受用保持器16(以下、単に保持器16という)とから構成される。なお、前記円筒ころ軸受10は、図示するように単列円筒ころ軸受に限定されるものでなく、複列円筒ころ軸受や多列円筒ころ軸受であってもよい。
前記保持器16は、前記円筒ころ軸受10の軸方向(以下、軸方向という)に離間した同一軸心の2つの円環部17、18と、両円環部17、18の間に周方向に定ピッチで設けられた複数の柱部19とからなる。
この2つの円環状17、18のうちの一方の円環部17は、その内径d2が他方の円環部18の外径d1よりも大きく形成されており、この円環部17(以下、大径円環部17という)の内径面p1が、他方の円環部18(以下、小径円環部18という)の外径面p2よりも外径側に位置している(図4参照)。
この大径円環部17と小径円環部18の間および、隣接する柱部19とで囲まれた部分にポケット21が形成される。このポケット21は、図2に示すように、保持器16の周方向の複数箇所に間隔をもって形成され、円筒ころ15が外輪12と内輪11との間で転動する際に、円筒ころ15を等配に保持する。
前記柱部19は、図4に示すように、その外径面の周方向両端部が外向きに突出しており、その突出部分の周方向の側面(ポケット21側の側面)および柱部19の周方向の側面22が、円筒ころ15の外周面に沿った連続した円弧面をなしている。
また、図4に示すように、柱部19の両側面22、22には直線状の溝23が軸方向の全長にわたって設けられている。この溝23は、その両溝側面のうち、外径側の溝側面が大径円環部17の内径面p1と連続しており、内径側の溝側面が小径円環部18の外径面p2と連続している。
前記保持器16は、大径円環部17の内径面p1が、小径円環部18の外径面p2よりも外径側に位置しているため、小径円環部18側から見た、大径円環部17の小径円環部18との対向面の軸方向の投影面と、大径円環部17側から見た、小径円環部18の大径円環部17との対向する面の軸方向の投影面が重ならない。
軸方向の投影面が重ならないと、保持器16を円筒ころ軸受10の軸方向に割れる対の金型による成形が可能となる。これにより、従来使用していたポケット21を形成するための金型が不要となり、保持器16の製造コストを抑えることができ、これに伴い、円筒ころ軸受10の製造コストも抑えることが可能となる。
前記構成の保持器16は、直鎖状ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)に、補強繊維としてのガラス繊維(グラスファイバ(GF))を含有させた合成樹脂を射出成形することにより形成される。この直鎖状ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)は、重合段階で直鎖状に分子鎖を高分子量にまで生長させたものである。
前記ガラス繊維は、前記の直鎖状PPS樹脂の重量に対して3重量%以上20重量%以下、好ましくは7.5重量%以上15重量%以下、の割合で含有される。このようにガラス繊維を含有した直鎖状PPS樹脂を射出樹脂として保持器16を射出成形により成形すると、その保持器16は、靭性、疲労特性等の機械的特性が向上するとともに、耐熱性、耐油性が向上する。このとき、補強繊維の含有量を規定したのは、その含有量が3重量%未満であると、含有させることによる耐油性、機械的強度等の補強効果が十分に発現しない恐れがあり、また、十分な耐熱性が得られない。20重量%を超えると柔軟性が低下し、保持器を樹脂成形により成形した場合、無理抜きが困難になり、ポケット21に円筒ころ15を挿入する際等に割れやクラックが発生するからである。
なお、ガラス繊維(グラスファイバ(GF))の代わりに、炭素繊維(カーボンファイバ(CF))を含有させても良い。この場合、保持器16の熱伝導性をも向上させることができるので、円筒ころ軸受10の運転によって保持器16に蓄積する熱を効果的に放熱することができる。
この保持器16は、前述のように軸方向に割れる対の金型を用いて、すなわち軸方向に割れる雄金型31および雌金型32を用いて、直鎖状PPS樹脂にガラス繊維を含有させた射出樹脂を射出成形することにより形成される。雄金型31は、円柱状をなし一端部にフランジを有する形状をなし、雌金型32は、有底の円筒状に形成される。この雄金型31と雌金型32とを互いに軸方向に嵌め合わせると、保持器16を成形するためのキャビティ40が形成される(図5参照)。
このキャビティ40は、保持器16の大径円環部17を成形するための大径円環部用キャビティ41と、小径円環部18を成形するための小径円環部用キャビティ42と、柱部19を成形するための柱部用キャビティ43とを有する。
大径円環部用キャビティ41は、雄金型31のフランジに設けられた軸方向の凹部33に、雌金型32の一端面に形成された軸方向の突出部34を嵌め合わせることにより形成される。小径円環部用キャビティ42は、雄金型31の軸方向の他端部に設けられた段部35を形成する壁面と、雌金型32の内壁面とにより形成される。また、柱部用キャビティ43は、図6に示すように、雄金型31および雌金型32に周方向定ピッチで複数設けられた径方向の凹部36、37を、雄金型31と雌金型32の合わせ面30を挟んで対向させることにより形成される。
前記合わせ面30は、雄金型31と雌金型32とを組み合わせた状態において、大径円環部用キャビティ41の内径面(大径円環部17の内径面p1に対応した面)および小径円環部用キャビティ42の外径面(小径円環部18の外径面p2に対応した面)に連続する。このため、雄金型31の合わせ面30が凹部33から段部35に向かって縮径するように傾斜し、雌金型32の合わせ面30が、前記突出部34から小径円環部用キャビティ42を形成する前記内壁面に向かって拡径するように傾斜する。これにより、雄金型31を雌金型32から軸方向に抜き出しやすくなる。
雄金型31の凹部36の開口縁の両側部には、互いに向かい合う突条38が柱部用キャビティ43の全長にわたって設けられる。雌金型32の凹部37の開口縁の両側にも、前記凹部36と同様、互いに向かい合う突条39が設けられる。
この突条38、39は、雄金型31と雌金型32とを組み合わせた状態において、その突条38と突条39の径方向の幅を合わせた幅が、キャビティ43の全長にわたって所定幅aとなっている。すなわち、突条38(突条39)は、その径方向の幅がキャビティ41からキャビティ42に向かって小さく(大きく)なっている。
これにより、雄金型31および雌金型32は、互いに組み合わされた状態から軸方向に割ることが可能となる。図5に示すキャビティ40に、射出樹脂としての直鎖状PPS樹脂をゲート(図示省略)から供給し、樹脂の硬化後、雄金型31を雌金型32から軸方向に抜くと、保持器16が射出成形される(図7参照)。
この成形された保持器16は、図7に示すように、雄、雌金型31、32の突条38、39によって各柱部19の両側面に直線状の溝23が形成され、その溝23内面に、雄、雌金型31、32によるパーティングライン44が形成される。このパーティングライン44は、大径円環部17の内径端(大径円環部17の内径面p1の柱部側端部)から小径円環部18の外端部(小径円環部18の外径面p2の柱部側の端部)に至る直線状に形成される。
この発明の効果を確認するために、本発明者が行った試験について説明する。
この試験は、保持器に使用される樹脂からダンベル試験片を製作し、これを潤滑油に浸漬し、引張強度を測定するものであり、浸漬前の引張強度を基準として500時間ごとの強度の劣化の有無を確認した。
(試験体)
実施例1:PSS樹脂 大日本インキ化学工業社製 商品名『Z230』:商品名『Z200−5E』=3:1の混合樹脂+ガラス繊維7.5重量%、以下「実施例1」と略称する。
比較例1:PA66樹脂 BASF社(株)製、商品名『A3HG5』+ガラス繊維25重量%、以下「比較例1」と略称する。
比較例2:PA46樹脂 DMS JSRエンプラ(株)社製、商品名『TW200F5』+ガラス繊維25重量%、以下「比較例2」と略称する。
ガラス繊維:日東紡ガラス製、繊維径:11μm、平均繊維長:3mm
(試験方法)
潤滑油中に浸漬した試験体を、150℃に設定した熱風循環式高温槽内に放置し、500時間毎にJIS K7161に規定される引張試験方法により引張強度を測定する。
潤滑油:三菱扶桑スーパーハイポイドギアオイル(自動車用トランスミッション用オイル)、商品名『SAE90 GL−5』
実施例および比較例の試験結果を図8に示す。
図8に示すように、「実施例1」は、2000時間経過しても、引張強度の劣化が認められなかった。一方、「比較例1」、「比較例2」では、時間の経過とともに引張強度の劣化が認められた。この結果より、「実施例1」は、「比較例1」および「比較例2」と比して、自動車のトランスミッション用オイル(潤滑油)に対する耐油性、耐熱性が優れたものであり、時間経過に伴う引張強度の劣化が認められない。これにより、実施例1で形成した保持器を自動車のトランスミッション用円筒ころ軸受に長期間適用することができる。
また、PPS樹脂にガラス繊維を含有させた樹脂を射出成形した保持器の疲労特性を、繰り返し応力sと繰り返し数Nに基づいて、ガラス繊維の含有率毎に調べる試験を行った。
この試験に先立って保持器に発生する繰返し応力を、円筒ころ軸受の実操業に基づいて下記の運転条件下で解析を行った。
(運転条件)
ラジアル荷重:0.54C(基本静定格荷重:C)、dn値:54万
前記解析の結果、保持器に発生する応力は、保持器の最も強度の低い部位では20MPaとなった。これにより、実操業時、保持器を長期間使用するために、保持器の疲労限度を20MPa以上に確保する必要があることがわかった。
次に、下記の試験方法で、保持器の疲労特性を繰り返し応力に基づいて、PPS樹脂のガラス繊維の含有率毎に調査する試験を行った。
(試験方法) JIS K7119
(疲労寿命判定基準)T.P.の破断または振幅16mm以上
(試験条件) 繰り返し速度:1500cpm(cycle per minute)
試験温度:23±1℃ 試験湿度:50±5%RH
(試験体)
実施例1:PSS樹脂 大日本インキ化学工業社製 商品名『Z230』:商品名『Z200−5E』=3:1の混合樹脂+ガラス繊維7.5重量%、以下「実施例1」と略称する。
実施例2:PSS樹脂 大日本インキ化学工業社製 商品名『Z230』:商品名『Z200−5E』=2:1の混合樹脂(ガラス繊維15重量%)、以下「実施例2」と略称する。
図9に示すように、実施例1、2は、繰り返しサイクル10において、繰り返し応力が20MPa以上確保されているため、疲労限度が20MPa以上とされる。この結果、実施例1、2で形成した保持器16は、優れた疲労特性を有するとともに、耐熱性、耐油性を確保しつつ、機械的強度を向上させたものとなる。
この発明の実施形態の円筒ころ軸受を示す縦断面図 図1のA−A線における円筒ころ軸受を示す一部切り欠き断面図 図1のB−B線における円筒ころ軸受を示す一部切り欠き断面図 同上の実施形態の保持器を示す拡大斜視図 同上の保持器の射出成形に使用する金型の要部を示す径方向断面図 図5のC−C線における金型を示す断面図 同上の保持器の型抜きの状態を示す説明図 同上の保持器に用いられる樹脂の引張強さの強度を示すグラフ 同上の保持器に用いられる樹脂の疲労特性を示すグラフ
符号の説明
10 円筒ころ軸受
11 内輪
12 外輪
13 軌道面
14 軌道面
15 円筒ころ
16 保持器
17 大径円環部
18 小径円環部
19 柱部
21 ポケット
22 側面
23 溝
30 合わせ面
31 雄金型
32 雌金型
33、36、37 凹部
34 突出部
35 段部
38、39 突条
40 キャビティ
41 大径円環部用キャビティ
42 小径円環部用キャビティ
43 柱部用キャビティ
44 パーティングライン

Claims (5)

  1. 2つの同一軸心の円環部(17、18)の間に複数の柱部(19)を周方向に設け、隣接する前記柱部(19)の各間に円筒ころ(15)を収納する複数のポケット(21)を形成した合成樹脂からなる円筒ころ軸受用保持器において、
    前記合成樹脂は、直鎖状ポリフェニレンサルファイド樹脂に3重量%以上20重量%以下の補強繊維を含有し、自動車のトランスミッション用円筒ころ軸受に適用され、
    前記柱部(19)の前記ポケット(21)内側面に、その柱部(19)の軸受の軸方向全長にわたる溝(23)が設けられ、
    軸受の軸方向に割れる対の金型により射出成形される上記記載の円筒ころ軸受用保持器であって、
    前記2つの円環部(17、18)のうち一方の円環部(17)は、その内径面が他方の円環部(18)の外径面よりも外径側に位置しているとともに、前記溝(23)が直線状をなしており、前記柱部(19)の前記ポケット(21)の両内側面に、前記一方の円環部(17)の内径端から前記他方の円環部(18)の外径端に至る直線状の前記対の金型(31、32)によるパーティングライン(44)が形成され、
    前記パーティングライン(44)が、前記溝(23)内面に形成され、
    前記溝(23)は、その両溝側面のうち、外径側の溝側面が前記一方の円環部(17)の内径面と連続し、内径側の溝側面が前記他方の円環部(18)の外径面と連続するものであることを特徴とする円筒ころ軸受用保持器。
  2. 前記補強繊維がガラス繊維であることを特徴とする請求項1に記載の円筒ころ軸受用保持器。
  3. 前記補強繊維が炭素繊維であることを特徴とする請求項1に記載の円筒ころ軸受用保持器。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の円筒ころ軸受用保持器が、自動車のディファレンシャル用円筒ころ軸受にも適用可能とされることを特徴とする円筒ころ軸受用保持器。
  5. 内輪(11)と外輪(12)との相互間に間隔をおいて複数の円筒ころ(15)を保持する保持器を備える円筒ころ軸受において、
    前記保持器(16)が、請求項1〜4のいずれかに記載の円筒ころ軸受用保持器であることを特徴とする円筒ころ軸受。
JP2008102166A 2008-04-10 2008-04-10 円筒ころ軸受用保持器 Expired - Fee Related JP5360526B2 (ja)

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