JP5154986B2 - 円筒ころ軸受用保持器 - Google Patents

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Description

この発明は、自動車のトランスミッション装置やディファレンシャル装置、産業機械や鉄道車両の車軸等に用いられる円筒ころ軸受に用いる保持器に関するものである。
一般に、自動車のトランスミッション装置やディファレンシャル装置、産業機械や鉄道車両の車軸に用いられる円筒ころ軸受に組み込まれる保持器は、金属製のものよりも軽量で、生産性及び経済性に優れる合成樹脂製の材料で構成されているものがある。
このような合成樹脂製の保持器は、通常、2つの同一軸心の円環部の間に複数の柱部をその円環部の周方向に設け、隣接する前記柱部の各間に円筒ころを収納するポケットを形成した合成樹脂の成型品からなる。
この樹脂成型品からなる保持器を射出成型する際、軸受の軸方向に割れる対の金型により成型するのが、金型の製作費や作業性の点等から好ましい。このため、従来から、前記2つの円環部のうちの一方の円環部を、軸受径方向において、その内径面が他方の円環部の外径面よりも外径側に位置するようにし、対の金型のパーティングラインをその一方の円環部の内径面端と他方の円環部の外径面端を結ぶ直線状とした円筒ころ軸受用保持器が知られている(例えば、特許文献1、第2頁右上欄第19〜同左下欄第12行、第5図参照)。
特開昭60−8525号公報
前記の射出成型による円筒ころ軸受用保持器は、その成型時、2つの金型の合わせ面(パーティングライン)は、前記柱部のポケットの軸受周方向内側面となり、そのパーティングラインには必ず間隙が生じるため、その間隙に樹脂が入り込むことによって、そのパーティングラインに沿う突起が前記柱部のポケット内側面に生じる。
このとき、その両金型合わせ面の端縁は、使用につれて徐々に摩耗等して、前記間隙が大きくなる。間隙が大きくなれば、前記突起も大きくなる。
一方、円筒ころ軸受は、保持器のポケット内で円筒ころが自転して円滑な回転支持を行うものであって、その際、円筒ころは、柱部のポケットの軸受周方向内側面に摺接して転動する。このとき、その柱部のポケット内側面は潤滑油膜が形成されてその転動を円滑化する。
このため、その円筒ころの転動時、円筒ころの外周面に前記パーティングラインの突起が触れることとなる。
前記のように、保持器の柱部のポケット内側面は潤滑油膜が形成されて、前記円筒ころの外周面にパーティングラインの突起が触れるが、その突起が目立たない位に細く潤滑油の膜形成に支障がない限りにおいては問題とならない。
しかし、両金型合わせ面の端縁が摩耗等して、その突起が大きくなれば、その突起により、円筒ころとポケット内側面との間の油膜切れが生じて潤滑不良をきたすこととなる。
そこで、この発明は、パーティングラインの突起による、円筒ころと柱部との間の油膜切れを防止することを課題とする。
上記の課題を解決するために、この発明は、前記保持器柱部のポケットの軸受周方向内側面に、その柱部の軸方向全長に亘る直線状の溝を形成し、その溝の内面に前記対の金型の直線状のパーティングラインが位置するようにして、そのパーティングラインの突起がその溝内にあるようにしたのである。
このようにすれば、溝から、パーティングラインの突起が突出せず、ポケット内において円筒ころが自転しても、その円筒ころの外周面(転動面)にその突起が触れることが無くなるか、仮に触れても、円滑な摺動状態となる。このため、円筒ころは円滑に自転する。
また、溝内には潤滑油が捕捉されて確保され、その溝内の潤滑油を含めた膜が柱部のポケット内側面に形成される。このとき、溝内の潤滑油が溝からその油膜に補給されるため、その油膜切れは生じない。
この発明の構成としては、2つの同一軸心の円環部の間に複数の柱部をその円環部の周方向に設けて、その隣接する前記柱部の各間に円筒ころを収納するポケットを形成した合成樹脂の成型品からなり、前記2つの円環部のうちの一方の円環部は、軸受径方向において、その内径面が他方の円環部の外径面と同一位置、又はその外径面よりも外径側に位置して、軸受の軸方向に割れる対の金型により射出成型される円筒ころ軸受用保持器において、前記柱部のポケットの軸受周方向内側面に、その柱部の軸方向全長に亘る直線状の溝が設けられ、その溝の内面に前記対の金型の直線状のパーティングラインが形成されて、そのパーティングラインの突起が前記溝内にある構成を採用することができる。
この構成において、2つの円環部のうちの一方の円環部は、軸受径方向において、その内径面が他方の円環部の外径面と同一位置の場合も含めたのは、同一位置であれば、パーティングラインが軸受軸方向と同一になって、対の金型をその軸方向に割ることができるからである。
前記溝の側縁はエッジ状であると、円筒ころの転動時における柱部への応力がそのエッジ状側縁に集中するため、その側縁はRカットして、その応力集中を軽減することが好ましい。
また、溝の深さは、前記円筒ころの径の10分の1以下として、柱部の強度を確保する。溝は深いほど潤滑油を確保できるが、円筒ころの径の10分の1を超える溝の深さとすると、通常、溝形成部の柱部厚さ(軸受周方向の厚み)がその円筒ころの転動による応力に対して十分な強度を得にくくなるからである。
前記溝は、通常、同一幅であって、前記パーティングラインに並行であれば、必ず、溝内にパーティングラインを納めることができる。しかし、通常、パーティングラインは、割り方向に対し傾けて、対の金型をスムースに離型するようにするが、この場合、対の金型を軸受の軸方向に割れば、その割りが無理割りになったり、金型が複雑になったりする。
このため、溝を、軸受の軸方向に直線状とすれば、無理割りもなくなり、金型も簡単となる。すなわち、溝を、軸受の軸方向と平行な直線状とし、その溝の幅Wを、柱部のポケットの軸受周方向内側面のその軸方向の長さLの5分の1以下とする。
通常、対の金型を円滑に割れるようにするのは、パーティングラインを軸受の軸方向に対して最大10度位傾ける。このため、W≧L×tan10°=0.17Lから、W≧1/5L=0.2Lであれば、余裕をもって、溝内にパーティングラインを納めることができる。
さらに、この種の保持器においては、前記柱部を、その軸方向に見て断面Y字状とした形状とすることがあるが、その場合は、その断面Y字状の上部の二股をアーチ状としてそのアーチ状二股の基部内面を円弧状として応力集中をなくする。円筒ころの転動に伴いその二股部に応力が働くが、そのアーチ状二股の基部内面がエッジ状となっていると、そのエッジに応力集中が生じてその二股部の破損を招きやすいからである。
前記射出成型用の合成樹脂としては、一般的なものを適宜に採用すれば良いが、例えば、直鎖状ポリフェニレンサルファイド樹脂(直鎖状PPS)に3重量%以上、20重量%以下の補強繊維を含有させたものとして、最も弱い部分の疲労限:20MPa以上としたものとする。
直鎖状PPSは、分子鎖が直鎖状であるため、分子鎖間の絡み合いが容易であり、分岐状PPSと比して靭性が大きくなり、補強繊維を所要量含有させることで、さらに機械的強度を確実に向上させることができる。このとき、補強繊維の含有量を規定したのは、その含有量が20重量%を超えると柔軟性が低下し、一方、3重量%未満であると、含有させることによる補強効果が十分に発現しない恐れがあり、また、十分な耐熱性が得られないからである。
また、最も弱い部分の疲労限:20MPa以上としたのは、通常、保持器は、負荷されるラジアル荷重:0.54C(C:定格荷重)、dn(d:軸受内径寸法、n:使用回転速度(min))=54万回転において、最も弱い個所で20MPa以上を確保しなくてはならないからである。
前記補強用繊維としては、ガラス繊維または、炭素繊維を採用することができる。ガラス繊維を含有させた場合、優れた耐熱性が得られるとともに、靭性などの機械的特性が向上する。また、炭素繊維を含有させた場合では、機械的強度が向上するとともに、熱伝導性を向上させることが可能となる。
前記各構成のころ軸受用保持器は、種々の使用態様に採用できるが、例えば、自動車用の動力伝達軸を回転可能に支持する軸受に用いる。このような軸受は、潤滑油に浸されるので、耐油性が求められる。特に、前記要件を満たす直鎖状PPS製の保持器は、リンや硫黄分等を多く含む潤滑油が使用される自動車のトランスミッション装置においては、その耐油性、耐薬品性が高いことから、好ましい。
以上のように、この発明の円筒ころ軸受は、パーティングラインに突起が発生しても、その突起が柱部の両側面の溝の内部に形成され、突起がころ転動面に接触せず、また仮に接触しても、円滑な摺動状態となるため、突起によってころ転動面の潤滑油が掻き取られて、油膜切れが発生することが防止される。そのため、この発明の円筒ころ軸受は、円筒ころ軸受の運転中の潤滑性能を向上させることができる。
以下、この発明の実施形態を図1〜図3に示す。この実施形態の円筒ころ軸受10は、図1に示すように、内輪11と、外輪12と、この内輪11と外輪12とのそれぞれの軌道面13、14の相互間に周方向に転動可能に組み込まれる円筒ころ15と、各列の円筒ころ15を周方向に所定間隔をおいて保持する円筒ころ軸受用保持器16(以下、単に保持器16という)とから構成される。なお、前記円筒ころ軸受10は、図示するように単列円筒ころ軸受に限定されるものでなく、複列円筒ころ軸受や多列円筒ころ軸受であってもよい。
また、図4に示すように、前記保持器16は軸方向に離間した同心状の2つの円環部17、18と、両円環部17、18の間に周方向に定ピッチで設けられた複数の柱部19とからなる。
この2つの円環部17、18のうちの一方の円環部17は、図1に示すように、その内径d1が他方の円環部18の外径d2よりも大きく形成されており、この円環部17(以下、大径円環部17という)の内径面P1が、他方の円環部18(以下、小径円環部18という)の外径面P2よりも外径側に位置している(図3参照)。
この大径円環部17と小径円環部18の間および、隣接する柱部19とで囲まれた部分にポケット21が形成される。これにより、このポケット21は、保持器16の周方向の複数箇所に等間隔をもって形成され、円筒ころ15が内輪11と外輪12との間で転動する際に、円筒ころ15を保持器の周方向に等間隔に保持する。
前記柱部19は、図2に示すように、その軸方向に見て断面Y字状となって、その外径面の周方向両端部が、二股状外向きに突出しており、その二股状突出部分の周方向の両側面および柱部19の周方向の側面22が、円筒ころ15の外周面に沿ったアーチ状をなしている。また、前記二股状突出部分の基部内面は円弧状となっており、その基部内面に応力が集中するのが軽減される。
柱部19の周方向の両側面22、22には、図4に示すように、軸方向の溝23が全長にわたって設けられている。この溝23は、その両溝側面のうち、外径側の溝側面が大径円環部17の内径面P1と同一のフラット面となっており、内径側の溝側面が小径円環部18の外径面P2と同一のフラット面となっている。溝23は、図5に示すように、その側縁24がRカットされており、側縁24がエッジ状である場合に比べて、側縁24への応力集中が軽減されるので、柱部19が破断しにくい。
図5に示す溝23の最も深い部分の深さtは、図2に示す円筒ころ15の径mの10分の1以下とすると良い。溝は深いほど潤滑油を確保できるが、円筒ころの径の10分の1を超える溝の深さとすると、通常、溝形成部の柱部厚さ(軸受周方向の厚み)がその円筒ころの転動による応力に対して十分な強度を得にくくなるからである。
溝23の幅は、柱部19の軸方向幅の5分の1以下とすると良い。通常、対の金型を円滑に割れるようにするのは、パーティングラインを軸受の軸方向に対して最大10度位傾ける。このため、上述し、図6に示すように、溝23の幅W≧柱部19の軸方向幅L×tan10°=0.17Lから、W≧1/5L=0.2Lであれば、余裕をもって、溝23内にパーティングラインを納めることができる。
前記保持器16は、大径円環部17の内径面P1が、小径円環部18の外径面P2よりも外径側に位置しているため、小径円環部18側から見た、大径円環部17の小径円環部18との対向面の軸方向の投影面と、大径円環部17側から見た、小径円環部18の大径円環部17との対向する面の軸方向の投影面が重ならない。
軸方向の投影面が重ならないと、従来使用していたポケット21を形成するための金型が不要となり、この保持器16は、軸受の軸方向に割れる対の金型により射出成型し得る。これにより、保持器16の製造コストを抑えることができ、これに伴い、円筒ころ軸受10の製造コストも抑えることが可能となる。
前記構成の保持器16は、直鎖状ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)に、補強用繊維材としてのガラス繊維(グラスファイバ(GF))を含有させた合成樹脂を射出成型して形成される。この直鎖状ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)は、重合段階で直鎖状に分子鎖を高分子量にまで生長させたものである(特開昭61−7332号、および特開昭61−66720号公報参照)。
前記ガラス繊維は、前記の直鎖状PPS樹脂の重量に対して3重量%以上、20重量%以下の割合で含有させる。ガラス繊維を含有させた直鎖状PPS樹脂を射出樹脂として保持器16を射出成型により成型すると、その保持器16は、靭性等の機械的特性が向上するとともに、耐熱性、耐油性が向上する。なお、ガラス繊維(グラスファイバ(GF))の代わりに、炭素繊維(カーボンファイバ(CF))を含有させても良い。この場合、保持器16の熱伝導性をも向上させることができるので、円筒ころ軸受10の運転によって保持器16に蓄積する熱を効果的に放熱することができる。
この保持器16は、前述のように軸方向に割れる2つの金型を用いて、すなわち軸方向に割れる雄金型31および雌金型32を用いて、直鎖状PPS樹脂にガラス繊維を含有させた射出樹脂を射出成型することにより形成される。雄金型31は、円柱状をなし一端部にフランジを有する形状をなし、雌金型32は、有底の円筒状に形成される。この雄金型31を雌金型32に円筒ころ軸受10の軸受の軸方向に嵌め合わせると、保持器16を成型するためのキャビティ40が形成される(図6参照)。
このキャビティ40は、保持器16の大径円環部17を成型するための大径円環部用キャビティ41と、小径円環部18を成型するための小径円環部用キャビティ42と、柱部19を成型するための柱部用キャビティ43とを有する。
大径円環部用キャビティ41は、雄金型31のフランジに設けられた軸方向の凹部33に、雌金型32の一端面に形成された軸方向の突出部34を嵌合することにより形成される。小径円環部用キャビティ42は、雄金型31の軸方向の他端部に設けられた段部35を形成する壁面と、雌金型32の内壁面とにより形成される。柱部用キャビティ43は、図7に示すように、雄金型31、雌金型32のそれぞれに設けられた径方向の凹部36、37を、雄金型31と雌金型32の合わせ面30を挟んで対向させることにより形成される。
前記合わせ面30は、雄金型31と雌金型32とを組み合わせた状態において、大径円環部用キャビティ41の内径面(大径円環部17の内径面に対応した面)および小径円環部用キャビティ42の外径面(小径円環部18の外径面に対応した面)に面一でもって連続する。このため、雄金型31の円状合わせ面30が凹部33から段部35に向かって縮径するように傾斜し、雌金型32の合わせ面30が、前記突出部34から小径円環部用キャビティ42を形成する前記内壁面に向かって拡径するように傾斜する。
この凹部36の開口縁の両側部には、互いに向かい合う突条38が成型空間43の全長にわたって設けられる。凹部37の開口縁の両側にも、前記凹部36と同様、互いに向かい合う突条39が設けられる。
この突条38、39は、雄金型31と雌金型32とを組み合わせた状態において、その突条38と突条39の径方向の幅を合わせた幅が、図6に示すように、成型空間43の全長にわたって所定幅wとなっている。すなわち、突条38(突条39)は、その径方向の幅が成型空間41から成型空間42に向かって小さく(大きく)なっている。この両突条38、39によって、後述のように、柱部19のポケット21の軸受周方向内側面に、その柱部19の軸方向全長に亘る直線状の溝23が形成される。
このように構成される雄金型31および雌金型32は、互いに組み合わされた状態から軸方向に割ることが可能となる。図6に示すキャビティ40に、射出樹脂としての直鎖状PPS樹脂をゲート(図示省略)から供給し、樹脂の硬化後、雄金型31を雌金型32から軸方向に抜くと、保持器16が射出成型される(図8参照)。
この成型された保持器16は、雄、雌金型31、32の突条38、39によって各柱部19の両側面に溝23が形成され、その溝23内面には、図7に示す鎖線のように、雄雌金型31、32の合わせ面30に対応するパーティングラインの突起44が生じる。
このとき、そのパーティングライン上の突起44は、金型31、32の使用につれてその端縁が徐々に摩耗等して徐々に大きくなる。このため、その突起44が溝23から突出しない金型31、32の使用回数とする。
この発明の効果を確認するために、本発明者が行った試験について説明する。
この試験は、保持器に使用される樹脂からダンベル試験片を製作し、これを潤滑油に浸漬し、引張強度を測定する。浸漬前の引張強度を基準として500時間ごとの強度の劣化の有無を確認した。
(試験体)
実施例1:PSS樹脂 大日本インキ化学工業社製 商品名『Z230』:商品名『Z200−5E』=3:1の混合樹脂+ガラス繊維7.5重量%、以下「実施例1」と略称する。
比較例1:PA66樹脂 BASF社(株)製、商品名『A3HG5』+ガラス繊維25重量%、以下「比較例1」と略称する。
比較例2:PA46樹脂 DMS JSRエンプラ(株)社製、商品名『TW200F5』+ガラス繊維25重量%、以下「比較例2」と略称する。
ガラス繊維:日東紡ガラス製、繊維径:11μm、平均繊維長:3mm
(試験方法)JIS K7161
潤滑油中に浸漬した試験体を、150℃に設定した熱風循環式高温槽内に放置し、500時間毎に引張強度を測定する。
潤滑油:三菱扶桑スーパーハイポイドギアオイル、商品名『SAE90 GL−5』
実施例および比較例の試験結果を図9に示す。
図8に示すように、「実施例1」は、2000時間経過しても、引張強度の劣化が認められなかった。一方、「比較例1」、「比較例2」では、時間の経過とともに引張強度の劣化が認められた。この結果より、「実施例1」は、「比較例1」および「比較例2」と比して耐油性、耐熱性が優れており、時間経過に伴う引張強度の劣化が認められないため、長期にわたって円筒ころ軸受に使用することが可能である。
また、PPS樹脂にガラス繊維を含有させた樹脂を射出成型した保持器の疲労特性を、繰り返し応力に基づいて、ガラス繊維の含有率毎に調べる試験を行った。
この試験に先立って保持器に発生する応力を、円筒ころ軸受の実操業に基づいて下記の運転条件下での解析により調査した。
(運転条件)
ラジアル荷重:0.54C(基本静定格荷重:C)、dn値:54万
前記解析の結果、保持器に発生する応力は、保持器の最も強度の低い部位では20MPaとなった。これにより、実操業時、保持器を長期間使用するために、保持器に発生する疲労限を20MPa以上に確保する必要があることがわかった。
次に、下記の試験装置、試験条件で、保持器の疲労特性を繰り返し応力に基づいて、PPS樹脂のガラス繊維の含有率毎に調査する試験を行った。
(試験条件)応力負荷速度: 1500cpm(cycle per minute)
(試験方法)JIS K7119
(疲労寿命判定基準)T.P.の破断または振幅16mm以上
(試験体)
実施例1:PPS樹脂 大日本インキ化学工業社製 商品名『Z230』:商品名『Z200−5E』=3:1の混合樹脂(ガラス繊維7.5重量%)、以下「実施例1」と略称する。
実施例2:PSS樹脂 大日本インキ化学工業社製 商品名『Z230』:商品名『Z200−5E』=2:1の混合樹脂(ガラス繊維15重量%)、以下「実施例2」と略称する。
図10に示すように、実施例1、2は、何れも疲労限が20MPaを超えるため、優れた疲労特性を示し、この結果、実施例1、2を射出樹脂として使用した保持器16は、耐熱性、耐油性を確保しつつ、機械的強度を向上させたものとなる。
この発明の実施形態の円筒ころ軸受を示す縦断面図 図1のA−A線における円筒ころ軸受を示す拡大断面図 図1のB−B線における円筒ころ軸受を示す拡大断面図 同上の実施形態の保持器を示す拡大斜視図 図2の保持器の柱部に形成された溝を示す径方向断面図 同上の保持器の射出成型時に使用する金型を示す径方向断面図 図6のC−C線における金型を示す断面図 同上の保持器の型抜きの状態を示す説明図 同上の保持器に用いられる樹脂の引張強度低下率を示すグラフ 同上の保持器に用いられる樹脂の疲労特性を示すグラフ
符号の説明
10 円筒ころ軸受
11 内輪
12 外輪
13 軌道面
14 軌道面
15 円筒ころ
16 保持器
17 大径円環部
18 小径円環部
19 柱部
21 ポケット
22 側面
23 溝
24 側縁
30 合わせ面
31 雄金型
32 雌金型
33、36、37 凹部
34 突出部
35 段部
38、39 突条
40 キャビティ
41 大径円環部用キャビティ
42 小径円環部用キャビティ
43 柱部用キャビティ
44 パーティングラインの突起

Claims (6)

  1. 2つの同一軸心の円環部(17、18)の間に複数の柱部(19)をその円環部の周方向に設けて、その隣接する前記柱部(19)の各間に円筒ころ(15)を収納するポケット(21)を形成した合成樹脂の成型品からなり、前記2つの円環部(17、18)のうちの一方の円環部(17)は、軸受径方向において、その内径面(P1)が他方の円環部(18)の外径面(P2)よりも外径側に位置して、軸受の軸方向に割れる対の金型により射出成型される円筒ころ軸受用保持器において、
    前記柱部(19)の前記ポケット(21)の軸受周方向内側面に、その柱部(19)の軸方向全長に亘る直線状の溝(23)が設けられ、その溝(23)の両溝側面のうち、外径側の溝側面が前記一方の円環部(17)の内径面(P1)と同一のフラット面とされ、内径側の溝側面が前記他方の円環部(18)の外径面(P2)と同一のフラット面とされ、前記溝(23)の幅内に前記対の金型の傾斜状のパーティングライン(30)が形成されて、そのパーティングラインの突起(44)が前記溝(23)内で収容されるようにし、前記溝(23)の側縁(24)がRカットされていることを特徴とする円筒ころ軸受用保持器。
  2. 前記溝(23)の深さ(t)を、前記円筒ころ(15)の径(m)の10分の1以下としたことを特徴とする請求項1に記載の円筒ころ軸受用保持器。
  3. 前記溝(23)は、軸受の軸方向と平行な直線状であって、その溝(23)の幅(w)を、前記柱部(19)の前記ポケット(21)の軸受周方向内側面のその軸方向の長さ(L)の5分の1以下としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の円筒ころ軸受用保持器。
  4. 前記柱部(19)を、その軸方向に見て断面Y字状とし、その断面Y字状の上部の二股をアーチ状としてそのアーチ状二股の基部内面を円弧状としたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の円筒ころ軸受用保持器。
  5. 前記合成樹脂を、直鎖状ポリフェニレンサルファイド樹脂に3重量%以上、20重量%以下の補強繊維を含有させたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の円筒ころ軸受用保持器。
  6. 前記補強繊維がガラス繊維又は炭素繊維であることを特徴とする請求項5に記載の円筒ころ軸受用保持器。
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