JPH11255925A - 医療用ポリマーの改質方法及び医療用ポリマー基材 - Google Patents

医療用ポリマーの改質方法及び医療用ポリマー基材

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JPH11255925A
JPH11255925A JP10075087A JP7508798A JPH11255925A JP H11255925 A JPH11255925 A JP H11255925A JP 10075087 A JP10075087 A JP 10075087A JP 7508798 A JP7508798 A JP 7508798A JP H11255925 A JPH11255925 A JP H11255925A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、医療用の器具に有用な高機能のポ
リマー基材であって、添加剤の溶出が実質上ない、或い
はあっても極微量である高機能のポリマー基材を提供す
る。また、ポリマー基材に実質的に溶解しない添加剤を
ポリマー基材に超臨界流体を使用して含浸する方法を提
供する。 【解決手段】 ポリマー基材と、ポリマー基材に実
質的に溶解しない添加剤、及び超臨界流体に可溶でポリ
マー基材に含浸可能な低分子化合物ポリマー膨潤助剤を
圧力容器内にいれ、超臨界流体に接触保持してポリマー
基材に添加剤とポリマー膨潤助剤を含浸させ、超臨界流
体を圧力容器内に流通させてポリマー膨潤助剤を流出分
離した後、圧力容器内の圧力を減少させて添加剤をポリ
マー基材中に封じ込める方法。 上記方法で得られ得
る、添加剤がポリマー基材中から実質的に溶出しない医
療用ポリマー基材。 ポリマー基材がコンタクトレン
ズ、眼内、眼鏡レンズ材料、カテーテル材料である。
添加剤が染料、紫外線吸収剤、防眩剤、ホトクロミッ
ク剤、柔軟剤、親水性付与剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定のポリマー膨
潤助剤を用いて超臨界流体により添加剤をポリマー基材
に含浸する等ことにより、添加剤がポリマー基材から実
質的に溶出しない改質した医療用ポリマー基材及びその
改質方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまで、ポリマー特に医療用具として
応用されてきたポリマー基材に、種々の添加剤を含浸す
る試みがなされてきた。例えば、特定の添加剤を含む溶
液中にポリマーを長期に浸漬させることによって所定の
添加剤を含浸することができる。さらに、超臨界流体中
で添加剤を溶解しポリマーに含浸させる事により所定の
添加剤を含浸させられる。代表的な方法としては、所定
の添加剤が超臨界流体(例えば炭酸ガス)に可溶であ
り、かつ、超臨界流体に溶解した添加剤がポリマーと相
溶性である条件下で含浸する方法である。
【0003】例えば、米国特許第4、598、006号
明細書には、熱可塑性ポリマーを含浸剤(芳香剤、除虫
剤、医薬等)と超臨界流体(例えば、炭酸ガス)で含浸
する方法が記載されている。同様に、米国特許第4、8
20、752号明細書には、圧縮された流体(例えば、
炭酸ガス)に添加剤が特定の濃度に溶解され、この溶液
をポリマーと接触してポリマー中に溶解させ、添加剤を
含浸する方法が記載されている。これらで使用されてい
る添加剤は、ポリマーにかなりの溶解性を有するもの
で、臨界点以下の温度でも含浸される添加剤を含浸する
方法であり、含浸されたポリマーからの溶出性も大き
い。
【0004】一方、特表平8−506612号公報に
は、ポリマー基材に不溶である添加剤を含浸させる方法
として、ポリマー基材とキャリアー液体(実質的にポリ
マー及び超臨界流体に不溶)および含浸剤(実質的に超
臨界流体に不溶)の混合物を超臨界流体(例えば、炭酸
ガス)中で接触させ、含浸剤をポリマーに封じ込める方
法が記載されている。この方法によれば、実質的にポリ
マーに溶解しない添加剤を含浸することが可能となる
が、含浸ポリマーから添加剤の溶出性が大きく、水や緩
衝液などの溶媒で添加剤が容易に溶出する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、医療
用具として優れた機能を付与する添加剤をポリマー基材
から実質的に溶出させずに、医療用具として優れた機能
を長期にわたり安定して有するポリマー基材を提供する
ことを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ポリマー基
材に添加剤を含浸する方法について鋭意研究を重ねた結
果、超臨界流体に可溶で、ポリマー基材に含浸可能な低
分子化合物であるポリマー膨潤助剤を添加剤と共存させ
ることにより、ポリマー基材中に添加剤を実質的に封じ
込め得ることを見い出し、この知見に基づいて本発明を
なすに至った。
【0007】即ち、本発明は: (1) ポリマー基材、ポリマー基材に実質的に溶解し
ない添加剤および超臨界流体に可溶でポリマー基材に含
浸可能な低分子化合物であるポリマー膨潤助剤を圧力容
器内に入れ、超臨界流体に接触保持して該ポリマー基材
に該添加剤と該ポリマー膨潤助剤を含浸させ、次いで超
臨界流体を圧力容器内に流通させて該ポリマー膨潤助剤
を流出分離した後、(3) 圧力容器内の圧力を減少させて
該添加剤を該ポリマー基材中に封じ込める、添加剤によ
りポリマー基材を改質する方法を提供する。また、 ポリマー基材が、コンタクトレンズ材料、眼内レン
ズ材料、眼鏡レンズ材料、カテーテル材料である点に特
徴を有する。また、 添加剤が、染料、紫外線吸収剤、防眩剤、ホトクロ
ニック剤、柔軟剤、親水性付与剤である点に特徴を有す
る。また、 ポリマー基材に実質的に溶解しない添加剤を該ポリ
マー基材中に含有し、該添加剤がポリマー基材から実質
的に溶出しない、医療用ポリマー基材を提供する。ま
た、 (1) ポリマー基材、ポリマー基材に実質的に溶解し
ない添加剤および超臨界流体に可溶でポリマー基材に含
浸可能な低分子化合物であるポリマー膨潤助剤を圧力容
器内に入れ、超臨界流体に接触保持して該ポリマー基材
に該添加剤と該ポリマー膨潤助剤を含浸させ、(2) 次い
で超臨界流体を圧力容器内に流通させて該ポリマー膨潤
助剤を流出分離した後、(3) 圧力容器内の圧力を減少さ
せて該添加剤を該ポリマー基材中に封じ込める方法で得
られ得る、該添加剤が該ポリマー基材から実質的に溶出
しない、医療用ポリマー基材を提供する。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。 (A) ポリマー基材 本発明により提供されるポリマー基材は、染料、紫外線
吸収剤、防眩剤、ホトクロニック剤、柔軟剤、親水性付
与剤等を長期に渡り安定して含有し、実質的に水、生理
食塩水等使用環境下では溶出が無く、優れた機能を維持
することができることを特徴とする。本発明におけるポ
リマー基材は、具体的には、コンタクトレンズ材料、眼
内レンズ材料、眼鏡レンズ材料、カテーテル材料等に使
用されるポリマーである。例えば、アクリル(メタクリ
ル)系の単独ポリマー或いは該モノマーと他のモノマー
との共重合ポリマー、シリコン系の単独ポリマー或いは
該モノマーと他のモノマーとの共重合ポリマー、ポリカ
ーボネート系の単独ポリマー或いは該カーボネート系モ
ノマーと他のモノマーとの共重合ポリマーであり、製品
の形状に加工されたもの或いはその原料が使用できる。
【0009】特に、該ポリマー基材としては、(i) コン
タクトレンズと眼内レンズに広く使用されているシロキ
サニル(メタ)アクリレート、フルオロアルキル(メ
タ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、お
よび(メタ)アクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレートなど親水性モノマーから選ばれた成分及び
/又はエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テ
トラエチレングリコール(メタ)アクリレートなど架橋
性モノマーから選ばれた成分から得られる架橋ポリマー
基材、
【0010】(ii)ポリジメチルシリコーンジメタアクリ
レート、フルオロ変性ポリジメチルシリコーンジメタア
クリレート等を主成分としこれらと上記親水性モノマ
ー、及び架橋性モノマーから得られる架橋ポリマー基
材、(iii) ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタ
メチルシクロテトラシロキサン、ビニルメチルシクロシ
ロキサン、トリフロロプロピルメチルシクロシロキサン
など環状シロキサン、ジフェニルシランジオール、ヘキ
サメチルジシロキサン、テトラメチルジシロキサン、ジ
ビニルテトラメチルジシロキサンなど低分子シロキサン
から生成されるシリコーンポリマー基材、或いは(iv)
スチレン、ブチルアクリレートおよび架橋性モノマーと
から得られる形状記憶性ポリマー基材が好ましい。
【0011】(B) 添加剤 1)本発明における添加剤は、染料、紫外線吸収剤、防
眩剤、ホトクロニック剤、柔軟剤、親水性付与剤等であ
り、実使用環境下でポリマーから溶出しないことが必要
であり、且つ常態においてポリマー基材には実質的に溶
解しないか、極微量しか溶解しないものである。これら
の添加剤は、ポリマー基材の物理化学的特性に応じて適
宜選択されるが、アントラキノン系染料、ジアゾ系染
料、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノ
ン系紫外線吸収剤、スピロピラン系ホトクリニック染
料、シリコーン系オリゴマー、親水性のシリコーン系オ
リゴマー、高級脂肪酸エステル、親油性の界面活性剤な
どが使用できる。
【0012】例えば、ポリマー基材に色を着けてレンズ
の光学特性をコントロールする目的にバイエル社製のM
acrolex Blue RR、Violet 3
R、Green 5B、Green G、Violet
B等のアントラキノン系染料;Macrolex Y
ellow3G等のピラゾロン系染料;紫外線透過率を
コントロールする目的に共同薬品(株)製Viosor
b 550、580、582、583、590および5
91;住友化学工業(株)製スミソーブ 250;旭電
化工業(株)製アデカスタブ LA−31等のベンゾト
リアゾール系紫外線吸収剤;旭電化工業(株)製アデカ
スタブ LA−51等のベンゾフェノン系紫外線吸収
剤;ポリマー基材の機械的強度を改良する目的に信越シ
リコン(株)製のシリコーンオイル;また機械的強度と
ともにポリマー基材表面に親水性を付与する目的に信越
シリコン(株)製のKF355、615、353、94
5、6004などのポリエーテル変性シリコーンオイル
などが好ましく、これら単独で或いは2種以上を組み合
わせて使用される。
【0013】2)さらに、得られるポリマー基材を医療
用として使用する上で、添加剤がポリマー基材から溶出
することにより生体に悪影響が考えられる場合も有り、
添加剤の溶出が実質上無い様にするために、また、ポリ
マー基材に残留してポリマーの強度、弾性率、クリープ
変形などの機械的性質、体液中での寸法安定性など物理
的性質が低下しない様にするために、実使用状態の超臨
界流体への溶解度が1%〜10%の範囲内、常態でのポ
リマー基材への溶解性が5%以下、超臨界流体共存下で
も10%以下、添加剤の当該助剤への溶解性が常態で1
%以下で超臨界流体共存下でも1%以下であるものがよ
り好ましい。
【0014】3)その具体的な例としては、ポリマー基
材の構成モノマー及びそれに類似の化学的性質を有する
有機化合物の内、超臨界流体に溶解し易いものから選ぶ
のが好ましい。例えば、シロキサニルメタアクリレート
を主成分とするシリコン系メタアクリル共重合ポリマー
にはシロキサニルメタアクリレート、メチル(メタ)ア
クリレートが;ジメチルシロキサン系のオリゴマーを主
成分とするシリコン系ポリマーには分子量が約1000
以下のジメチルシリコーン系のオイルが;フッ素含有ア
クリレート或いはメタクリレートを主成分とするフルオ
ロ(メタ)アクリレートポリマーにはシロキサニル(メ
タ)アクリレート、フッ素含有(メタ)アクリレートな
どが好ましい。(メタ)アクリレート系ポリマーには、
添加剤の溶解性、ポリマー膨潤能力、ポリマーとの親和
力バランス、添加剤の含浸後に超臨界流体で膨潤助剤を
流去するときにポリマーと超臨界流体への溶解性バラン
スなどが良く、ポリマー基材から抽出が容易でポリマー
基材への残留が実質上無く、ポリマー基材の物理的特
性、例えば寸法安定性、クリープ変形特性などの物性が
優れるために、シロキサニル(メタ)アクリレートがよ
り好ましい。
【0015】4)これら添加剤は、その目的により適切
な量をポリマー基材に添加されるが、例えば染料、紫外
線吸収剤などは5〜5000ppmの範囲で添加され、
機械的強度、柔軟性及び親水性などポリマー特性の改良
の目的で添加される添加剤では0.01〜10重量%の
範囲内で添加される。
【0016】(C) ポリマー膨潤助剤 本発明におけるポリマー膨潤助剤は、超臨界流体に可溶
で且つポリマー基材に含浸可能な低分子化合物である。
これらポリマー膨潤助剤は、使用するポリマー基材及び
添加剤の性質に応じて適宜選択される。その基準は一義
的に決められないが、一般的に実使用状態の超臨界流体
に1%以上溶解し、常態でのポリマー基材に10%以
下、超臨界流体の共存下でも10%以下の溶解性を有
し、添加剤の当該助剤への溶解性が常態で3%以下でか
つ超臨界流体共存下でも3%以下であるものが好まし
い。
【0017】本発明に係わる膨潤助剤は、使用するポリ
マー基材、添加剤および超臨界流体が決まった時点でそ
れぞれの媒体への溶解度を測定して、上述の基準に基づ
き選択される。本発明の膨潤助剤の作用効果は、正確に
は判っていないが、添加剤の超臨界流体への溶解度を高
める効果よりも、添加剤のポリマー基材への拡散を助け
るためにポリマー基材の超臨界流体による膨潤を高める
効果を示し、ポリマー基材自体からは超臨界流体によっ
て容易に抽出除去できる性質を有している。このことに
よって、添加剤の含浸率が高くかつポリマー基材の特性
が変化することなく含浸することが出来ると思われる。
【0018】(D) 超臨界流体 超臨界流体は、臨界温度(Tc)および臨界圧力(P
c)以上に維持された流体であり、気体の性質と液体の
性質との両方の性質を示し、気体のように拡散しやすく
かつ液体の溶解性を示す。本発明で使用できる超臨界流
体は、ポリマー基材、添加剤、および膨潤助剤に応じて
適宜選択されるが、一般的には炭酸ガス(Tc=31.
1℃、Pc=7.38MPa)、亜酸化窒素(Tc=3
6.5℃、Pc=7.26MPa)、エタン(Tc=3
2.3℃、Pc=4.88MPa)などが好ましく使え
る。特に炭酸ガスは、医療用のポリマー基材に対する超
臨界状態での溶解性、膨潤性が適度でポリマー基材の形
状を変形させる事がなく、かつ安全性が高く好ましい。
超臨界流体の温度、圧力は、使用する材料、目的に応じ
て決められるが。一般的には、使用する超臨界流体の臨
界温度(Tc)と臨界圧力(Pc)以上、好ましくはT
c〜Tc+100℃の範囲の温度、Pc〜Pc+30M
Paの範囲の圧力で使用される。
【0019】(E) その他の添加剤 また、超臨界流体の溶解性を制御する目的でエントレー
ナーとして、水、メタノール、エタノールなどをポリマ
ー基材への影響が少ない範囲で数%添加することも出来
る。 (F) 医療用ポリマー基材の製造 本発明の医療用ポリマー基材は、ポリマー基材と添加剤
およびポリマー膨潤助剤を圧力容器内にいれ、超臨界流
体に接触保持してポリマー基材に添加剤とポリマー膨潤
助剤を含浸させ、ついで超臨界流体を圧力容器内に流通
させてポリマー膨潤助剤を流出分離した後、圧力容器内
の圧力を減少させて添加剤をポリマー基材中に封じ込め
て製作される。 ・ポリマー基材と添加剤およびポリマー膨潤助剤を圧力
容器内にいれる方法としては、ポリマー基材の形状や厚
み、添加剤の性状、例えば液状、固形状、粉末状などに
より目標の含浸量になるように設定されるが、例えば粉
末状の添加剤をポリマー基材にまぶして仕込んだり、圧
力容器の容積にたいして一定の比表面積を有する添加剤
用の仕込皿に入れる方法などが適宜選択される。
【0020】・ポリマー膨潤助剤は、常態でポリマーに
対して溶解性が小さい為ポリマー基材にまぶして仕込ん
だり、専用の皿状容器に単独でいれて仕込んだり、添加
剤と一緒に仕込んだり適宜選択される。 ・得られるポリマー基材の後処理、添加剤の含浸量、濃
度分布等から、圧力容器の内容積に対して40〜200
cm2 /リットルの比表面積になるような容器に添加剤
とポリマー膨潤助剤を入れ、かつポリマー基材とは別に
仕込む方法がより好ましい。
【0021】・超臨界流体に接触保持する時間は、使用
するポリマー基材の種類、厚みおよび形状、膨潤助剤の
種類、添加剤の種類、超臨界流体の圧力および温度など
により適宜選択され、ポリマー基材中への含浸状態を確
認して、基材中心部まで含浸する時間に設定される。 ・含浸が終了した時点では、ポリマー基材には添加剤と
ポリマー膨潤助剤が含浸されており、本発明では引き続
き超臨界流体を流通させてポリマー膨潤助剤を流去分離
する。この時の超臨界流体の状態は、含浸時の条件と同
じでも違ってもよいが、変える場合は温度、圧力は含浸
時よりも低い条件に設定するのが好ましい。 ・ポリマー膨潤剤がポリマー基材中に残留して物性に影
響する事があるために、流出分離を完全に行うには超臨
界流体を流通させて圧力容器内のポリマー膨潤助剤を流
去した後、さらに超臨界流体に接触保持してポリマー基
材からポリマー膨潤助剤を抽出して除去する事が好まし
い。
【0022】・さらに、本発明の医療用ポリマー基材
は、以上の様にして添加剤を含浸したポリマー基材を取
り出すために、圧力容器内の圧力を超臨界状態から減少
させて製造される。この過程では、ポリマー基材の形状
を維持するために、その形状に応じて緩かに圧力を低下
させることが好ましい。通常、厚み5mmのポリマー製
品では0.02MPa/min以下の減圧速度で低下す
るのが好ましい。
【0023】(G) 医療用ポリマー基材の特徴 本発明の医療用ポリマー基材は、医療用として有用な各
種添加剤をポリマー基材の構成モノマーを重合する時に
添加すると、重合時のラジカルの影響、重合熱の影響で
添加剤が変質したり、或いは重合速度に影響を与え重合
を妨害したりする添加剤を、これら悪影響無くポリマー
基材に含浸できる。また、高分子量の界面活性剤や改質
剤では、モノマーへの溶解度が小さく効果がでる添加量
まで加えることが出来ない場合が多いが、本発明の方法
ではポリマー基材に含浸させるためこれら高分子量の添
加剤の含浸が可能であり、得られたポリマー基材からの
水、生理食塩水、涙液、体液など実使用時にポリマー基
材と接触する液体中への添加剤の溶出が実質上ないか、
あっても極微量である高機能のポリマー基材を提供でき
る。
【0024】
【実施例】次に、実施例及び比較例によって本発明をさ
らに詳細に説明するが、これらは、本発明の範囲を制限
しない。実施例中の%は重量%である。なお、実施例に
おける特性評価は以下の方法で実施した。 (1) 添加剤の含浸量の定量 含浸処理したポリマー基材のほぼ中央部分から、厚み1
mmのポリマー材料を切り出し、エタノールに浸漬して
添加剤を溶出してエタノール溶液の吸光度を測定する。
また、添加剤の一定濃度のエタノール溶液の吸光度から
検量線を作成して、試料中の濃度を求める。特異的吸光
度を持たない添加剤の場合は、光散乱検出器を使用して
高速液体クロマトグラフィーで定量する。
【0025】(2) 添加剤のポリマー基材からの溶出性試
験 含浸したポリマー基材を、生理食塩水および10%エタ
ノール含有生理食塩水に浸漬して37℃で24時間放置
する。浸漬液の吸光度あるいは光散乱を測定して液中の
添加剤濃度を求める。 (3) レンズの寸法安定性 含浸したポリマー基材からレンズを作成して生理食塩水
に浸漬して、レンズの曲率半径を経時的に測定する。曲
率半径が初期の値から3/100mm以上変化したら変
形ありとする。また、レンズの直径方向に1.2gの荷
重をかけて1週間放置して曲率半径の変化を測定する。
曲率半径の変化が15/100mm以上ある場合をクリ
ープ変形が大きいとする。
【0026】(実施例1)シロキサニルメタアクリレー
ト75%、フルオロメタアクリレート8%、メタアクリ
ル酸9%、架橋剤8%のポリマーからなる径13mm厚
み6mmの円盤状ポリマー基材26個を、内径31mm
長さ200mmの圧力容器に入れ、マクロレックス V
iolet 3R(バイエル社製、アントラキノン系染
料)を930ppm溶解させたシロキサニルメタアクリ
レート1gを皿状容器に入れて圧力容器の上部に設置し
て、蓋を閉じて液化炭酸ガスを40℃に加熱して17.
5MPaの圧力まで圧入した。この超臨界状態で17時
間保持した後、同じ超臨界状態の炭酸ガスを流通して容
器内のシロキサニルメタアクリレートを流去した。
【0027】さらに、17時間超臨界状態に保持してポ
リマー基材中のシロキサニルメタアクリレートを超臨界
炭酸ガス流体中に抽出し、同じ超臨界状態の炭酸ガスを
流通してこれを流去した。圧力容器の減圧バルブを少し
ずつ開き、内圧を0.016MPa/minで減圧し
た。圧力が大気圧になってから開放してポリマー基材を
取り出した。ポリマー基材は紫色に染色され、Viol
et 3Rの含浸量は31ppmで、溶出性試験の結果
はViolet 3Rの検出限界(0.02ppm)以
下であった。このポリマー基材からベースカーブ7.7
0mm、パワー−3.00、サイズ8.8mmのコンタ
クトレンズを製作して寸法安定性を評価したところ、寸
法安定性に優れ変形が無く、クリープ変形も無かった。
【0028】(実施例2)シロキサニルメタアクリレー
ト75%、フルオロメタアクリレート8%、メタアクリ
ル酸9%、架橋剤8%のポリマーからなる径13mm厚
み6mmの円盤状ポリマー基材26個を、内径31mm
長さ200mmの圧力容器に入れ、マクロレックス V
iolet 3R(バイエル社製、アントラキノン系染
料)を930ppm、スミソーブ 250(住友化学社
製、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤)を4.7%分
散させたシロキサニルメタクアリレート3gを皿状容器
に入れて圧力容器の上部に設置して、蓋を閉じて液化炭
酸ガスを50℃に加熱して17.5MPaの圧力まで圧
入した。この超臨界状態で17時間保持した後、同じ超
臨界状態の炭酸ガスを流通して容器内のシロキサニルメ
タアクリレートを流去した。圧力容器の温度を40℃、
圧力を17.5MPaにしてさらに17時間超臨界状態
に保持してポリマー基材中のシロキサニルメタクリレー
トを超臨界炭酸ガス流体中に抽出し、同じ超臨界状態の
炭酸ガスを流通してこれを流去した。圧力容器の減圧バ
ルブを少しずつ開き、内圧を0.02MPa/minで
減圧した。圧力が大気圧になってから開放してポリマー
基材を取り出した。
【0029】ポリマー基材は紫色に染色され、Viol
et 3Rの含浸量は31ppmで、紫外線吸収剤の含
浸量は1500ppmであった。溶出性試験の結果、い
づれも検出限界(スミソーブ250、0.04ppm)
以下であった。このポリマー基材からベースカーブ7.
70mm、パワー−3.00、サイズ8.8mmのコン
タクトレンズを製作して寸法安定性を評価したところ、
寸法安定性に優れ変形が無く、クリープ変形も無かっ
た。また、レンズの識別性に優れ、270〜310nm
での紫外線カット率は96%で優れた性能を示した。
【0030】(比較例1)シロキサニルメタアクリレー
ト75%、フルオロメタアクリレート8%、メタアクリ
ル酸9%、架橋剤8%のポリマーからなる径13mm厚
み6mmの円盤状ポリマー基材26個を、内径31mm
長さ200mmの圧力容器に入れ、マクロレックス V
iolet 3R(バイエル社製、アントラキノン系染
料)を0.0093g、スミソーブ 250(住友化学
社製、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤)を0.14
gを皿状容器に入れて圧力容器の上部に設置して、蓋を
閉じて液化炭酸ガスを50℃に加熱して17.5MPa
の圧力まで圧入した。この超臨界状態で17時間保持し
た後、同じ超臨界状態の炭酸ガスを流通した。圧力容器
の温度を40℃、圧力を17.5MPaにしてさらに1
7時間超臨界状態に保持してポリマー基材中のシロキサ
ニルメタクリレート(残留モノマー)を超臨界炭酸ガス
流体中に抽出し、同じ超臨界状態の炭酸ガスを流通して
これを流去した。
【0031】圧力容器の減圧バルブを少しずつ開き、内
圧を0.02MPa/minで減圧した。圧力が大気圧
になってから開放してポリマー基材を取り出した。ポリ
マー基材は淡紫色に染色され、Violet 3Rの含
浸量は10ppmで、紫外線吸収剤の含浸量は400p
pmであった。溶出性試験はいづれも検出限界以下であ
った。このポリマー基材からコンタクトレンズを製作し
たが、色が薄く識別性に劣り、紫外線のカット率も27
0〜310nmで50%しかなく劣るものであった。
【0032】(実施例3)実施例2においてシロキサニ
ルメタアクリレートの替わりにメチルメタアクリレート
をポリマー膨潤助剤として使用した他は同様の方法で含
浸処理を行って、ポリマー基材を処理した。得られたポ
リマー基材中のViolet 3Rの含浸量は43pp
mで濃い紫色をしめし、紫外線吸収剤の含浸量は180
0ppmであった。溶出性試験も検出限界以下であっ
た。このポリマー基材から同様にコンタクトレンズを作
成して寸法安定性を評価した結果、3ヵ月後にベースカ
ーブが約18/100変化した。また、クリープ変形は
15/100で若干変形しやすいものであった。
【0033】(実施例4)シロキサニルメタアクリレー
ト55%、メチルメタアクリレート10%、フルオロメ
タアクリレート18%、メタクリル酸9%、架橋剤8%
のポリマーからなる径13mm厚み6mmの円盤状ポリ
マー基材26個を、内径31mm長さ200mmの圧力
容器に入れ、メチルフェニルシリコーンオイル1g(信
越シリコーン社製 HIVAC F−5)とシロキサニ
ルメタクリレート2gを皿状容器に入れて圧力容器の上
部に設置して、蓋を閉じて液化炭酸ガスを40℃に加熱
して17.5MPaの圧力まで圧入した。この超臨界状
態で17時間保持した後、同じ超臨界状態の炭酸ガスを
流通して容器内のシロキサニルメタクリレートを流去し
た。さらに17時間超臨界状態に保持してポリマー基材
中のシロキサニルメタクリレートを超臨界炭酸ガス流体
中に抽出し、同じ超臨界状態の炭酸ガスを流通してこれ
を流去した。
【0034】圧力容器の減圧バルブを少しずつ開き、内
圧を0.016MPa/minで減圧した。圧力が大気
圧になってから開放してポリマー基材を取り出した。ポ
リマー基材は透明でシリコーンオイルの含浸量は約21
0ppmで、溶出性は検出限界(0.5ppm)以下で
あった。このポリマー基材からベースカーブ7.70m
m、パワー−3.00、サイズ8.8mmのコンタクト
レンズを製作して寸法安定性を評価したところ、寸法安
定性に優れ変形が無く、クリープ変形も無かった。ま
た、落球衝撃試験で耐衝撃性を評価した結果、未含浸の
ポリマー基材からのレンズの約2倍の耐衝撃強度を示し
た。
【0035】(実施例5)シロキサニルメタアクリレー
ト55%、メチルメタアクリレート10%、フルオロメ
タアクリレート18%、メタアクリル酸9%、架橋剤8
%のポリマーからなる径13mm厚み6mmの円盤状ポ
リマー基材26個を、内径31mm長さ200mmの圧
力容器に入れ、親水性変性シリコーン(信越シリコーン
社製 変性シリコーン KF355A)1gとシロキサ
ニルメタアクリレート2gを皿状容器に入れて圧力容器
の上部に設置して、蓋を閉じて液化炭酸ガスを40℃に
加熱して17.5MPaの圧力まで圧入した。この超臨
界状態で17時間保持した後、同じ超臨界状態の炭酸ガ
スを流通して容器内のシロキサニルメタアクリレートを
流去した。さらに17時間超臨界状態に保持してポリマ
ー基材中のシロキサニルメタクリレートを超臨界炭酸ガ
ス流体中に抽出し、同じ超臨界状態の炭酸ガスを流通し
てこれを流去した。圧力容器の減圧バルブを少しずつ開
き、内圧を0.016MPa/minで減圧した。圧力
が大気圧になってから開放してポリマー基材を取り出し
た。
【0036】ポリマー基材は透明で親水性シリコーンオ
イルの含浸量は約360ppmであった。また、溶出性
試験は検出限界(o.3ppm)以下であった。このポ
リマー基材からベースカーブ7.70mm、パワー−
3.00、サイズ8.8mmのコンタクトレンズを製作
して寸法安定性を評価したところ、寸法安定性に優れ変
形が無く、クリープ変形も無かった。また、落球衝撃試
験で耐衝撃性を評価した結果、未含浸のポリマー基材か
らのレンズの約2.5倍の耐衝撃強度を示した。さら
に、レンズ表面の水濡れ性に優れ、レンズを生理食塩水
に浸漬して引き上げてから水切れが始まるまでの時間が
長く2分以上濡れ性が保持された。
【0037】(実施例6)スチレン45%、ブチルアク
リレート55%、2、2−ビス[4−(メタクリロイル
ポリ(オキシエチレン)オキシフェニル]プロパン20
%からなるガラス転移点20℃の非含水フォーダブル眼
内レンズ用のポリマー基材を圧力容器に入れて、スミソ
ーブ250(住友化学社製、ベンゾトリアゾール系紫外
線吸収剤)を4.7%分散させたスチレン3gを皿状容
器に入れて圧力容器の上部と下部に設置して、蓋を閉じ
て液化炭酸ガスを50℃に加熱して17.5MPaの圧
力まで圧入した。この超臨界状態で17時間保持した
後、同じ超臨界状態の炭酸ガスを流通して容器内のシロ
キサニルメタクリレートを流去した。圧力容器の温度を
40℃、圧力を17.5MPaにしてさらに17時間超
臨界状態に保持してポリマー基材中のスチレンを超臨界
炭酸ガス流体中に抽出し、同じ超臨界状態の炭酸ガスを
流通してこれを流去した。
【0038】圧力容器の減圧バルブを少しずつ開き、内
圧を0.02MPa/minで減圧した。圧力が大気圧
になってから開放してポリマー基材を取り出した。ポリ
マー基材中の紫外線吸収剤の含浸量は2300ppmで
あった。また、溶出性試験の結果検出限界(0.04p
pm)以下であった。このポリマー基材から眼内レンズ
を製作して寸法安定性を評価したところ、寸法安定性に
優れ変形が無く、クリープ変形も無かった。また、27
0〜310nmでの紫外線カット率は97%で優れた性
能を示した。添加剤の溶出性試験の結果は検出限界以下
であった。
【0039】
【発明の効果】本発明は、医療用の器具や用具に有用な
高機能のポリマー基材を提供する。さらに本発明の方法
によれば、高分子量の添加剤の含浸が可能であり、得ら
れるポリマー基材からの水、生理食塩水、涙液、体液な
ど実使用時にポリマー基材と接触する液体中への添加剤
の溶出が実質上ない、或いはあっても極微量である高機
能のポリマー基材を提供する事が出来る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年3月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】れら添加剤は、その目的により適切な量
をポリマー基材に添加されるが、例えば染料、紫外線吸
収剤などは5〜5000ppmの範囲で添加され、機械
的強度、柔軟性及び親水性などポリマー特性の改良の目
的で添加される添加剤では0.01〜10重量%の範囲
内で添加される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】(C)ポリマー膨潤助剤 本発明におけるポリマー膨潤助剤は、超臨界流体に可溶
で且つポリマー基材に含浸可能な低分子化合物である。
これらポリマー膨潤助剤は、使用するポリマー基材及び
添加剤の性質に応じて適宜選択される。その基準は一義
的に決められないが、一般的に実使用状態の超臨界流体
に1%以上溶解し、常態でのポリマー基材に10%以
下、超臨界流体の共存下でも10%以下の溶解性を有
し、添加剤の当該助剤への溶解性が常態で3%以下でか
つ超臨界流体共存下でも3%以下であるものが好まし
い。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】らに、得られるポリマー基材を医療用と
して使用する上で、添加剤がポリマー基材から溶出する
ことにより生体に悪影響が考えられる場合も有り、添加
剤の溶出が実質上無い様にするために、また、ポリマー
基材に残留してポリマーの強度、弾性率、クリープ変形
などの機械的性質、体液中での寸法安定性など物理的性
質が低下しない様にするために、実使用状態の超臨界流
体への溶解度が1%〜10%の範囲内、常態でのポリマ
ー基材への溶解性が5%以下、超臨界流体共存下でも1
0%以下、添加剤の当該助剤への溶解性が常態で1%以
下で超臨界流体共存下でも1%以下であるものがより好
ましい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】の具体的な例としては、ポリマー基材の
構成モノマー及びそれに類似の化学的性質を有する有機
化合物の内、超臨界流体に溶解し易いものから選ぶのが
好ましい。例えば、シロキサニルメタアクリレートを主
成分とするシリコン系メタアクリル共重合ポリマーには
シロキサニルメタアクリレート、メチル(メタ)アクリ
レートが;ジメチルシロキサン系のオリゴマーを主成分
とするシリコン系ポリマーには分子量が約1000以下
のジメチルシリコーン系のオイルが;フッ素含有アクリ
レート或いはメタクリレートを主成分とするフルオロ
(メタ)アクリレートポリマーにはシロキサニル(メ
タ)アクリレート、フッ素含有(メタ)アクリレートな
どが好ましい。(メタ)アクリレート系ポリマーには、
添加剤の溶解性、ポリマー膨潤能力、ポリマーとの親和
力バランス、添加剤の含浸後に超臨界流体で膨潤助剤を
流去するときにポリマーと超臨界流体への溶解性バラン
スなどが良く、ポリマー基材から抽出が容易でポリマー
基材への残留が実質上無く、ポリマー基材の物理的特
性、例えば寸法安定性、クリープ変形特性などの物性が
優れるために、シロキサニル(メタ)アクリレートがよ
り好ましい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G02B 1/04 G02B 1/04 G02C 7/04 G02C 7/04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1) ポリマー基材、ポリマー基材に実質
    的に溶解しない添加剤および超臨界流体に可溶でポリマ
    ー基材に含浸可能な低分子化合物であるポリマー膨潤助
    剤を圧力容器内に入れ、(2)超臨界流体に接触保持して
    該ポリマー基材に該添加剤と該ポリマー膨潤助剤を含浸
    させ、(3)次いで超臨界流体を圧力容器内に流通させて
    該ポリマー膨潤助剤を流出分離した後、(4) 圧力容器内
    の圧力を減少させて該添加剤を該ポリマー基材中に封じ
    込めることを特徴とする、添加剤によりポリマー基材を
    改質する方法。
  2. 【請求項2】 ポリマー基材が、コンタクトレンズ材
    料、眼内レンズ材料、眼鏡レンズ材料、カテーテル材料
    であることを特徴とする、請求項1記載の添加剤により
    ポリマー基材を改質する方法。
  3. 【請求項3】 添加剤が、染料、紫外線吸収剤、防眩
    剤、ホトクロニック剤、柔軟剤、親水性付与剤であるこ
    とを特徴とする、請求項1又は2記載の添加剤によりポ
    リマー基材を改質する方法。
  4. 【請求項4】 ポリマー基材に実質的に溶解しない添加
    剤を該ポリマー基材中に含有し、該添加剤がポリマー基
    材から実質的に溶出しないことを特徴とする、医療用ポ
    リマー基材。
  5. 【請求項5】 (1) ポリマー基材、ポリマー基材に実質
    的に溶解しない添加剤および超臨界流体に可溶でポリマ
    ー基材に含浸可能な低分子化合物であるポリマー膨潤助
    剤を圧力容器内に入れ、(2)超臨界流体に接触保持して
    該ポリマー基材に該添加剤と該ポリマー膨潤助剤を含浸
    させ、(3)次いで超臨界流体を圧力容器内に流通させて
    該ポリマー膨潤助剤を流出分離した後、(4) 圧力容器内
    の圧力を減少させて該添加剤を該ポリマー基材中に封じ
    込める方法で得られ得る、該添加剤が該ポリマー基材か
    ら実質的に溶出しないことを特徴とする、医療用ポリマ
    ー基材。
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