JP5029226B2 - ナット及びそれを備えた直動ねじ装置 - Google Patents
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Description
図14は、直動ねじ装置1の一般的な構成例を示す図であり、ねじ軸の軸方向に沿った断面図である。また、図15は、図14のA−A線断面図である。なお、以下の説明では、直動ねじ装置1として、ボールねじを用いた場合を例にあげて説明する。
ねじ軸2は、螺旋状のねじ軸側転動溝6を外周面に有している。ナット4は、ねじ軸2の外周側に配置されるとともに、ねじ軸側転動溝6に対向するナット側転動溝8を内周面に有している。
供給体構成部材26は、潤滑剤を含有しており、その内周面がねじ軸2の外周面と摺接することで、含有している潤滑剤を、ねじ軸2の外周面へ供給する構成となっている。そして、ねじ軸側転動溝6を含むねじ軸2の外周面を介して、負荷転動路10と転動体12との間に潤滑剤を供給することにより、負荷転動路10と転動体12の磨耗や、負荷転動路10と転動体12との摩擦による加熱等を防止している。
収容部材20の内部には、複数の貫通孔40に、収容部材20の外周側から取付けねじ(図示せず)を挿通することにより、シール部材16及び潤滑剤供給体18が固定されて収容されている。潤滑剤供給体18は、収容部材20の内部において、ナット4とシール部材16との間に配置されており、シール部材16によって、潤滑剤供給体18の汚染が抑制されている。
しかしながら、特許文献1に記載されている構成を含め、従来のボールねじにおける、収容部材の内部にシール部材及び潤滑剤供給体を収容する構成では、潤滑剤供給体がナットとシール部材との間に配置されているため、シール部材をねじ軸から取り外すことなく、収容部材の内部から潤滑剤供給体を取り外すことが不可能である。
例えば、シール部材がラビリンスシールによって形成されている場合、シール部材とねじ軸側転動溝との間に形成される隙間を管理する工程が必要となる。また、例えば、シール部材が接触式のシールによって形成されている場合、シール部材の締め代を管理する工程が必要となる。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、潤滑剤供給体の交換作業において、シール部材をねじ軸から取り外すこと無く、潤滑剤供給体を収容部材の内部へ出し入れすることが可能な、ナット及びそれを備えた直動ねじ装置を提供することを課題とする。
前記ナットの端部側に支持され、且つ前記ねじ軸側転動溝と前記ナット側転動溝からなる負荷転動路内への異物の侵入を抑制するシール部材と、前記ナットと前記シール部材との間に配置され、且つ前記ねじ軸の外周面へ潤滑剤を供給する潤滑剤供給体と、前記ナットの端部側に取り付けられ、且つ前記潤滑剤供給体を内部に収容する収容部材と、を備え、
前記潤滑剤供給体を、前記ねじ軸の周方向に沿って分割された複数の供給体構成部材から構成し、
前記供給体構成部材を弾性力により前記ねじ軸側へ押圧する弾性力付与手段と、前記供給体構成部材と前記弾性力付与手段との相対変位を抑制する相対変位抑制部と、を備え、
前記収容部材の外周面に、前記供給体構成部材を出し入れ可能な収容部材側開口部を設け、
前記弾性力付与手段は、前記ねじ軸の周方向に沿って長手方向へ延材し、
前記相対変位抑制部は、前記弾性力付与手段の長手方向両端部に形成されており、前記供給体構成部材の端部から、前記ねじ軸の中心軸へ向けて屈曲して、隣り合う前記供給体構成部材と対向する面に配置されていることを特徴とするものである。
また、潤滑剤供給体の交換作業において、シール部材をねじ軸から取り外す必要が無いため、潤滑剤供給体の交換作業において、シール部材に損傷が生じることを防止することが可能となる。
また、本発明によると、供給体構成部材を、弾性力によりねじ軸側へ押圧する弾性力付与手段を備えているため、供給体構成部材とねじ軸との接触状態が安定して、ねじ軸の外周面へ潤滑剤が安定して供給される。
また、本発明によると、供給体構成部材と弾性力付与手段との相対変位を抑制する相対変位抑制部を備えているため、供給体構成部材が弾性力によりねじ軸側へ押圧されている状態が保持され、供給体構成部材とねじ軸との接触状態が安定する。
前記弾性力付与手段は、前記ねじ軸側へ向けて撓ませた状態で前記供給体構成部材の前記収容部材と対向する面と収容部材の供給体構成部材と対向する面との間に介在することを特徴とするものである。
このため、弾性力付与手段が取り付けられた供給体構成部材を、収容部材の内部へ配置することが容易となる。
前記延在部は、前記隣接する供給体構成部材と前記収容部材の隣接する供給体構成部材と対向する面との間に配置されることを特徴とするものである。
このため、延在部により、隣り合う供給体構成部材間に形成される隙間が、ねじ軸の径方向から見て閉塞されるため、隣り合う供給体構成部材間に外部から異物が侵入することを抑制することが可能となる。
前記収容部材の前記弾性力付与手段と対向する面に、前記弾性力付与手段側凸部と嵌合する収容部材側凹部を設けたことを特徴とするものである。
本発明によると、弾性力付与手段の収容部材と対向する面に、収容部材側へ向けて突出する弾性力付与手段側凸部が設けられ、収容部材の弾性力付与手段と対向する面に、弾性力付与手段側凸部と嵌合する収容部材側凹部が設けられているため、弾性力付与手段と収容部材との相対変位が抑制される。
本発明によると、収容部材側凹部の形状を、ねじ軸の軸方向に沿って延在する長孔形状としたため、弾性力付与手段側凸部と収容部材側凹部との接触面積が増加して、弾性力付与手段と収容部材との相対変位が、更に抑制される。
本発明によると、収容部材がナットと別体で形成されているため、ナットの構成を簡易なものとすることが可能となる。
本発明によると、潤滑剤供給体の交換作業において、シール部材をねじ軸から取り外すこと無く、潤滑剤供給体を収容部材の内部へ出し入れすることが可能となるため、潤滑剤供給体の交換における作業効率を向上させることが可能となる。
また、本発明によると、潤滑剤供給体の交換作業において、シール部材をねじ軸から取り外す必要が無いため、潤滑剤供給体の交換作業において、シール部材に損傷が生じることを防止することが可能となる。
(第一実施形態)
まず、図1から図8を用いて、本実施形態の構成を説明する。
図1は、本実施形態の一例であるボールねじの一部を破断して示す図である。
図1中に示すように、本実施形態の直動ねじ装置1は、搬送機械等の直動装置(図示せず)に備えられるものであり、ねじ軸2と、ナット4とを備えたボールねじである。
ナット4は、ねじ軸2の外周側に配置され、ねじ軸側転動溝6と対向するナット側転動溝8を内周面に有している。ねじ軸側転動溝6とナット側転動溝8との間に形成される負荷転動路10内には、例えば、セラミック製のボールによって形成された複数の転動体12が、転動自在に装填されている。
すなわち、本実施形態の直動ねじ装置1は、ねじ軸2(またはナット4)の回転運動に伴い、負荷転動路10内を複数の転動体12が転動し、ナット4(またはねじ軸2)が転動体12の転動を介して、ねじ軸2の軸方向に沿って直線移動する構成となっている。
シール部材16は、例えば、ラビリンスシール等、非接触のシール部材によって形成されており、収容部材20の内周側に取り付けられてナット4の端部側に支持され、収容部材20とねじ軸2との間に配置されている。また、シール部材16は、シール部材16とナット4の外周面との間に形成される隙間を僅かな隙間として、負荷転動路10内への異物の侵入を抑制する構成となっている。なお、シール部材16を、例えば、シールリップを有する、接触式のシール部材によって形成してもよい。
シール部材16を収容部材20の内周側に取り付ける際には、収容部材側シール部材取付け孔22と、シール部材取付け溝24をねじ軸2の径方向から見て合致させた状態で、収容部材側シール部材取付け孔22にシール部材固定用ねじ(図示せず)を挿通するとともに、その先端をシール部材取付け溝24内に配置する。
図2及び図3(a)〜(c)中に示すように、潤滑剤供給体18は、ねじ軸2の周方向に沿って分割された半円形に形成された二つの供給体構成部材26a,26bを、互いに組み合わせて形成されており、全体として円環状をなしている。なお、図3(a)は、供給体構成部材26a,26bを離間させた状態を示しており、図3(b)は、供給体構成部材26aのみを示している。また、図3(c)は、図3(b)のC線矢視図である。
供給体構成部材26を形成する材料としては、潤滑剤を含有した合成樹脂を用いており、合成樹脂としては、ポリオレフィン系合成樹脂を用いている。ポリオレフィン系合成樹脂としては、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等を使用することが可能である。
ポリメチルペンテンとしては、数平均分子量600000〜2000000のものを用いると好適である。
したがって、弾性力付与手段28は、供給体構成部材26に取り付けられた状態で、供給体構成部材26を弾性力によりねじ軸2の外周面へ押圧する構成となっている。
したがって、弾性力付与手段28は、ねじ軸2側へ向けて撓ませた状態で、供給体構成部材26の収容部材20と対向する面よ、収容部材20の供給体構成部材26と対向する面との間に介在する構成となっている。
弾性力付与手段側凸部32は、弾性力付与手段28の長手方向中心部付近に形成されており、収容部材20側へ向けて突出して、後述する収容部材側凹部34と嵌合する形状、具体的には、ねじ軸2の径方向から見て、ねじ軸2の軸方向に延在する長方形に形成されている。
図1及び図4、5中に示すように、収容部材20は、ナット4と別体で形成され、且つナット4の端部側へ取り付けられている。なお、収容部材20を形成する材料としては、例えば、透明または半透明のプラスチック等、内部に収容した潤滑剤供給体18を外部から視認可能な光透過性を有する材料を用いる。
小径部20aは、円筒形状をなし、大径部20bと連続して形成されており、ナット4の内部に配置される。
大径部20bは、小径部20aよりも大径の円筒形状に形成されており、ナット4の端面と対向する面と反対側の面に、シール部材16及び潤滑剤供給体18を挿通可能な開口部を有し、その内部に、シール部材16及び潤滑剤供給体18を収容可能な構成となっている。
大径部20bの外周面には、共に大径部20bをねじ軸2の径方向に貫通する、二つの収容部材側凹部34と、二つの収容部材側シール部材取付け孔22と、一つの収容部材側開口部36が設けられている。
各収容部材側シール部材取付け孔22は、大径部20bのうち、ナット4の内部に配置されるシール部材16と対応した位置に形成されている。
収容部材側開口部36は、二つの収容部材側凹部34間に配置されており、弾性力付与手段28が取り付けられた供給体構成部材26を、ねじ軸2の径方向に沿って出し入れ可能な形状に形成されている。
まず、図6から図8を参照して、直動ねじ装置1の作動時に生じる磨耗等や経年変化により劣化した、古い潤滑剤供給体を新しい潤滑剤供給体へ交換する作業のうち、新しい潤滑剤供給体を収容部材20の内部へ配置する作業の手順を説明する。
なお、新しい潤滑剤供給体を収容部材20の内部へ配置する作業は、収容部材側シール部材取付け孔22にシール部材固定用ねじを挿通させた状態を保持し、収容部材20の内部からシール部材16を取り外すこと無く行う。
図6中に示すように、供給体構成部材26aへ弾性力付与手段28aを取り付ける際には、弾性力付与手段28aを変形させて、弾性力付与手段28aの両端部間を供給体構成部材26aの両端部間以上とした状態で、供給体構成部材26aの外周側から、弾性力付与手段28aを嵌合させて取り付ける。なお、図示は省略するが、供給体構成部材26bへ弾性力付与手段28bを取り付ける手順についても、同様である。
弾性力付与手段28aが取り付けられた供給体構成部材26aを、収容部材20の内部へ配置する作業においては、まず、図7(a)に示すように、弾性力付与手段28aが取り付けられた供給体構成部材26aを、ねじ軸2の外周面に合わせつつ、その両端部を、ねじ軸2の径方向に沿って収容部材側開口部36を通過させ、収容部材20の内部へ挿入する。このとき、弾性力付与手段側凸部32は、収容部材側開口部36側において、二つの収容部材側凹部34の中間に位置している。
弾性力付与手段側凸部32が、収容部材側凹部34(図中では上側に配置されている)と嵌合した場合は、収容部材側凹部34から弾性力付与手段側凸部32を取り外し、図7(c)に示すように、弾性力付与手段28aが取り付けられた供給体構成部材26aを、更に回転させる。
図8は、弾性力付与手段28aが取り付けられた供給体構成部材26aが配置された収容部材20の内部へ、弾性力付与手段28bが取り付けられた供給体構成部材26bを配置する作業の手順を示す図であり、図8(a)から図8(c)の順に沿って、作業が進行する状態を示している。
弾性力付与手段28bが取り付けられた供給体構成部材26bを、収容部材20の内部へ挿入し、図8(b)に示すように、弾性力付与手段28aが取り付けられた供給体構成部材26aと接触させると、円環状の潤滑剤供給体18が形成される。
潤滑剤供給体18を、ねじ軸2の周方向に90度回転させて、弾性力付与手段28a,28bが有する弾性力付与手段側凸部32を、それぞれ、収容部材側凹部34と嵌合させることにより、新しい潤滑剤供給体18を収容部材20の内部へ配置する作業を終了する。
また、収容部材20の内部から古い潤滑剤供給体18を取り外す作業は、新しい潤滑剤供給体を収容部材20の内部へ配置する作業と同様、収容部材20の内部からシール部材16を取り外すこと無く行う。
このため、潤滑剤供給体18の交換作業において、収容部材20の内部からシール部材16を取り外すこと無く、弾性力付与手段28が取り付けられた供給体構成部材26のみを、収容部材20の内部から取り外すことが可能となる。
また、本実施形態の直動ねじ装置1であれば、弾性力付与手段28を、供給体構成部材26に取り付けられた状態で、弾性変形させてねじ軸2側へ向けて撓ませることが可能な可撓性を有する、板ばね部材によって形成している。
このため、弾性力付与手段28が取り付けられた供給体構成部材26を収容部材20の内部へ収容する際に、弾性力付与手段28を、弾性変形させてねじ軸2側へ向けて撓ませることにより、供給体構成部材26と収容部材20との間に介在させることが可能となる。
さらに、本実施形態の直動ねじ装置1であれば、弾性力付与手段28が、供給体構成部材26と弾性力付与手段28との相対変位を抑制する相対変位抑制部30を備えているため、供給体構成部材26がねじ軸2の外周面へ弾性力により押圧されている状態が保持される。
また、本実施形態の直動ねじ装置1であれば、弾性力付与手段28が、収容部材20側へ向けて突出する弾性力付与手段側凸部32を備えており、収容部材20が、弾性力付与手段側凸部32と嵌合する収容部材側凹部34を備えている。
このため、直動ねじ装置1の作動時に、潤滑剤供給体18の、ねじ軸2に対するナット4から独立した回転が抑制され、潤滑剤供給体18とナット4がねじ軸2に対して共に回転するため、潤滑剤供給体18の劣化を抑制することが可能となり、潤滑剤供給体18の長寿命化が可能となる。
このため、例えば、収容部材側凹部34の形状を円形状とした場合と比較して、弾性力付与手段側凸部32と収容部材側凹部34との接触面積が増加して、弾性力付与手段28の収容部材20に対する変位を、更に抑制することが可能となる。
また、本実施形態の直動ねじ装置1であれば、収容部材20を形成する材料として、透明または半透明のプラスチック等、内部に収容した潤滑剤供給体18を外部から視認可能な光透過性を有する材料を用いている。
なお、本実施形態の直動ねじ装置1では、供給体構成部材26に弾性力付与手段28を取り付けたが、これに限定されるものではなく、供給体構成部材26に弾性力付与手段28を取り付けない構成としてもよい。この場合、例えば、供給体構成部材26の曲率半径を小さくする等、供給体構成部材26自体が、供給体構成部材26を弾性力によりねじ軸2の外周面へ押圧する弾性を有する構成とする。
また、本実施形態の直動ねじ装置1では、収容部材20を、ナット4と別体で形成したが、これに限定されるものではなく、収容部材20を、ナット4と一体で形成してもよい。もっとも、本実施形態の直動ねじ装置1のように、収容部材20を、ナット4と別体で形成することが、ナット4の構成を簡易なものとすることが可能となるため、好適である。
また、本実施形態の直動ねじ装置1では、収容部材20を、シール部材16及び潤滑剤供給体18を内部に収容する構成としたが、これに限定されるものではなく、潤滑剤供給体18のみを内部に収容する構成としてもよい。
次に、本発明の第二実施形態について説明する。
まず、図11を参照して、本実施形態の構成を説明する。なお、本実施形態の構成は、弾性力付与手段28の構成を除き、上述した第一の実施形態と同様の構成であるため、弾性力付与手段28以外の構成については、説明を省略する。
図11中に示すように、弾性力付与手段28aは、相対変位抑制部30と、弾性力付与手段側凸部32と、延在部38を備えている。
相対変位抑制部30は、弾性力付与手段28の長手方向の一方の端部のみに形成されており、供給体構成部材26の外周面から、ねじ軸2の中心軸へ向けて屈曲して、他方の供給体構成部材と対向する面に配置され、前記対向面と接触している。
延在部38は、供給体構成部材26a、すなわち、弾性力付与手段28aが取り付けられる供給体構成部材26の端部から、供給体構成部材26b、すなわち、隣接する供給体構成部材26へ向けて延在している。
また、延在部38は、収容部材20の内部において潤滑剤供給体18が形成された状態で、供給体構成部材26bと、収容部材20の供給体構成部材26bと対向する面との間に配置されるとともに、弾性力付与手段28bと接触する形状に形成されている。
その他の構成は、上述した第一実施形態と同様である。
まず、図12及び図13を参照して、古い潤滑剤供給体を新しい潤滑剤供給体へ交換する作業のうち、新しい潤滑剤供給体を収容部材20の内部へ配置する作業の手順を説明する。
なお、新しい潤滑剤供給体を収容部材20の内部へ配置する作業は、収容部材側シール部材取付け孔22にシール部材固定用ねじを挿通させた状態を保持し、収容部材20の内部からシール部材16を取り外すこと無く行う。
供給体構成部材26a,26bに、それぞれ、弾性力付与手段28a,28bを取り付ける手順については、上述した第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。
弾性力付与手段28aが取り付けられた供給体構成部材26aを、収容部材20の内部へ配置する作業においては、まず、図12(a)に示すように、弾性力付与手段28aが取り付けられた供給体構成部材26aを、ねじ軸2の外周面に合わせつつ、その両端部を、ねじ軸2の径方向に沿って収容部材側開口部36を通過させ、収容部材20の内部へ挿入する。このとき、延在部38を、収容部材側凹部34よりもねじ軸2の外周面側へ配置する。
そして、図12(d)に示すように、弾性力付与手段28aが取り付けられた供給体構成部材26aを、弾性力付与手段側凸部32が、収容部材20の内部において、二つの収容部材側凹部34の中間に配置されるまで回転させる。この状態では、図12(a)に示した、弾性力付与手段28aが取り付けられた供給体構成部材26aを収容部材20の内部へ挿入した状態から、弾性力付与手段28aが取り付けられた供給体構成部材26aが、180度回転している。
弾性力付与手段28aが取り付けられた供給体構成部材26aが配置された収容部材20の内部へ、弾性力付与手段28bが取り付けられた供給体構成部材26bを配置する作業においては、まず、図13(a)に示すように、弾性力付与手段28bが取り付けられた供給体構成部材26bを、ねじ軸2の外周面に合わせつつ、その両端部を、ねじ軸2の径方向に沿って収容部材側開口部36を通過させ、収容部材20の内部へ挿入する。
弾性力付与手段28bが取り付けられた供給体構成部材26bを、収容部材20の内部へ挿入し、図13(b)に示すように、弾性力付与手段28aが取り付けられた供給体構成部材26aと接触させると、潤滑剤供給体18が形成される。
なお、特に図示しないが、収容部材20の内部から古い潤滑剤供給体18を取り外す作業は、上述した作業の逆順に沿って、すなわち、図13(c)から図13(a)、図12(d)から図12(a)の順に沿って、新しい潤滑剤供給体18を収容部材20の内部へ配置する作業と逆順で行う。
したがって、本実施形態の直動ねじ装置1であれば、弾性力付与手段28が備える延在部38が、収容部材20の内部において潤滑剤供給体18が形成された状態で、隣接する供給体構成部材26に取り付けられた弾性力付与手段28と、収容部材20の隣接する供給体構成部材26と対向する面との間に配置される。
このため、延在部38により、隣り合う供給体構成部材26a,26b間に形成される隙間が、ねじ軸2の径方向から見て閉塞されるため、隣り合う供給体構成部材26a,26b間に、外部から異物が侵入することを抑制することが可能となる。
その結果、直動ねじ装置1の作動性を向上させることが可能となる。
その他の作用・効果は、上述した第一実施形態と同様である。
2 ねじ軸
4 ナット
6 ねじ軸側転動溝
8 ナット側転動溝
10 負荷転動路
12 転動体
14 リターンチューブ
16 シール部材
18 潤滑剤供給体
20 収容部材
22 収容部材側シール部材取付け孔
24 シール部材取付け溝
26 供給体構成部材
28 弾性力付与手段
30 相対変位抑制部
32 弾性力付与手段側凸部
34 収容部材側凹部
36 収容部材側開口部
38 延在部
40 貫通孔
Claims (7)
- 外周面に螺旋状のねじ軸側転動溝を有するねじ軸の外周側に配置されるとともに前記ねじ軸側転動溝に対向する螺旋状のナット側転動溝を内周面に有するナットであって、
前記ナットの端部側に支持され、且つ前記ねじ軸側転動溝と前記ナット側転動溝からなる負荷転動路内への異物の侵入を抑制するシール部材と、前記ナットと前記シール部材との間に配置され、且つ前記ねじ軸の外周面へ潤滑剤を供給する潤滑剤供給体と、前記ナットの端部側に取り付けられ、且つ前記潤滑剤供給体を内部に収容する収容部材と、を備え、
前記潤滑剤供給体を、前記ねじ軸の周方向に沿って分割された複数の供給体構成部材から構成し、
前記供給体構成部材を弾性力により前記ねじ軸側へ押圧する弾性力付与手段と、前記供給体構成部材と前記弾性力付与手段との相対変位を抑制する相対変位抑制部と、を備え、
前記収容部材の外周面に、前記供給体構成部材を出し入れ可能な収容部材側開口部を設け、
前記弾性力付与手段は、前記ねじ軸の周方向に沿って長手方向へ延材し、
前記相対変位抑制部は、前記弾性力付与手段の長手方向両端部に形成されており、前記供給体構成部材の端部から、前記ねじ軸の中心軸へ向けて屈曲して、隣り合う前記供給体構成部材と対向する面に配置されていることを特徴とするナット。 - 前記弾性力付与手段を、前記供給体構成部材の前記収容部材と対向する面に取り付けられ、且つ板厚方向に弾性変形する板ばね部材とし、
前記弾性力付与手段は、前記ねじ軸側へ向けて撓ませた状態で前記供給体構成部材の前記収容部材と対向する面と収容部材の供給体構成部材と対向する面との間に介在することを特徴とする請求項1に記載したナット。 - 前記弾性力付与手段は、当該弾性力付与手段が取り付けられる供給体構成部材の端部から隣接する供給体構成部材側へ向けて延在する延在部を備え、
前記延在部は、前記隣接する供給体構成部材と前記収容部材の隣接する供給体構成部材と対向する面との間に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載したナット。 - 前記弾性力付与手段の前記収容部材と対向する面に、前記収容部材側へ向けて突出する弾性力付与手段側凸部を設け、
前記収容部材の前記弾性力付与手段と対向する面に、前記弾性力付与手段側凸部と嵌合する収容部材側凹部を設けたことを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載したナット。 - 前記収容部材側凹部の形状を、前記ねじ軸の軸方向に沿って延在する長孔形状としたことを特徴とする請求項4に記載したナット。
- 前記収容部材は、前記ナットと別体で形成されることを特徴とする請求項1から5のうちいずれか1項に記載したナット。
- 請求項1から6のうちいずれか1項に記載したナットを備えることを特徴とする直動ねじ装置。
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JP2007223153A JP5029226B2 (ja) | 2007-08-29 | 2007-08-29 | ナット及びそれを備えた直動ねじ装置 |
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