JP2001254801A - 転がり摩擦を利用した機械要素およびこの転動体、並びに真空用直進導入機構 - Google Patents

転がり摩擦を利用した機械要素およびこの転動体、並びに真空用直進導入機構

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JP2001254801A
JP2001254801A JP2000064146A JP2000064146A JP2001254801A JP 2001254801 A JP2001254801 A JP 2001254801A JP 2000064146 A JP2000064146 A JP 2000064146A JP 2000064146 A JP2000064146 A JP 2000064146A JP 2001254801 A JP2001254801 A JP 2001254801A
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Akihiko Matsui
昭彦 松井
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H25/00Gearings comprising primarily only cams, cam-followers and screw-and-nut mechanisms
    • F16H25/18Gearings comprising primarily only cams, cam-followers and screw-and-nut mechanisms for conveying or interconverting oscillating or reciprocating motions
    • F16H25/20Screw mechanisms
    • F16H25/24Elements essential to such mechanisms, e.g. screws, nuts
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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    • F16H25/18Gearings comprising primarily only cams, cam-followers and screw-and-nut mechanisms for conveying or interconverting oscillating or reciprocating motions
    • F16H25/20Screw mechanisms
    • F16H25/24Elements essential to such mechanisms, e.g. screws, nuts
    • F16H2025/249Special materials or coatings for screws or nuts

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボールネジなどの寿命を延ばすこと。 【解決手段】 ボールネジ100を構成するボール4の
表面にセラミックス膜をコーティングし、このセラミッ
クス膜の上に固体潤滑膜を成膜するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、軌道面の間に転
動体を配置してこれらを固体潤滑させる機械要素であ
り、その寿命を延ばすことができる転がり摩擦を利用し
た機械要素およびこの転動体、並びに真空用直進導入機
構に関する。
【0002】
【従来の技術】ボールネジ、リニアガイドやベアリング
などの寿命には、軌道面や転動面での摩擦と摩耗が大き
く作用している。このため、通常は、摩擦を低減するた
めに摩擦抵抗の小さい潤滑剤を用い、摩擦面の間に薄い
潤滑膜を形成して摩擦面どうしの直接接触を少なくする
ようにしている。しかしながら、このような流体潤滑
は、蒸発による汚れが問題となる宇宙空間、真空チャン
バーなどの真空系や、流動性がなくなる超低温や熱劣化
や酸化劣化が問題になる高温条件で用いるには適してい
ない。このため、固体潤滑剤の乾燥被膜を摩擦面に形成
させて摩擦や摩耗を低減させることが行われている。こ
のような固体潤滑剤には、−270度の極低温から+数
百度の高温の範囲でも使用できるものや、超真空中や放
射線下でも用いることができるものが存在する。
【0003】また、固体潤滑剤として一般的に用いられ
るものとしては、黒鉛(C)、二硫化モリブデン(Mo
2)、二硫化タングステン(WS2)、窒化ボロン(B
N)などの層状構造体や、四ふっ化エチレン(PTF
E)、ナイロン、ポリイミド、ポリエチレンなどのプラ
スチックや、金(Au)、銀(Ag)、鉛(Pb)、錫
(Sn)、インジウム(In)、亜鉛(Zn)などの軟
質金属や、この他、酸化鉛(PbO)、ふっ化カルシウ
ム(CaF2)などを挙げることができる。
【0004】また、固体潤滑は、固体潤滑剤の内部滑り
が重要な役割を担っており、例えば広く使用されている
二硫化モリブデンやグラファイトは、層状の結晶構造を
しているが、この層間に働いているファン・デル・ワー
ルス力が金属結合力に比べて小さいため、摩擦により層
間に滑りが発生する。固体潤滑は、このような機構によ
って摩擦面の摩擦や摩耗を低減するように作用するもの
であり、実際、二硫化モリブデンの摩擦係数は0.1程
度と非常に小さい値を示している。
【0005】このような固体潤滑を上記ボールネジなど
に適用するものとしては、従来から多くの提案なされて
おり、例えば特開平6−17898号公報、特開昭63
−1852号公報、特開平4−236845号公報、特
開昭63−99062号公報、特開平10−14146
6号公報などにおいて各種の固体潤滑方法が開示されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記固
体潤滑剤はいずれも流体潤滑剤の流動性がなく、脱落し
た場合にはすぐに修復できないので、ボールネジなどに
使用した場合にはその寿命が短くなってしまうという問
題点があった。例えば、特開平3−149448号公報
に開示されているボールネジように、ボール表面に固体
潤滑剤をコーティングした場合であっても、フレーキン
グや摩耗などによって固体潤滑剤のコーティング膜が剥
がれて下地の金属が露出してしまうため、ボールに焼き
付きが発生し、短時間で寿命に達することになる。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、請求項1にかかる転がり摩擦を利用した機械要素
は、金属製の転動体を対向する軌道面の間に配置すると
共に当該転動体と軌道面の間に固体潤滑剤を介在させ、
前記転動体が転動することで軌道面が相対運動しうるボ
ールネジ、リニアガイド、ベアリングその他の転がり摩
擦を利用した機械要素において、前記転動体または軌道
面の表面に、固体潤滑剤の下地としてセラミックス膜ま
たは硬質カーボン膜を設けたものである。
【0008】固体潤滑では、固体潤滑剤を押し付けて転
移する手法や固体潤滑膜を蒸着する手法などによって転
動体(ボールおよびころ)や軌道面の表面に固体潤滑剤
をコーティングするが、この固体潤滑剤の剥離によって
金属面が露出すると、金属に焼き付きが生じて短時間で
寿命に達する。そこで、固体潤滑膜の下地に耐熱性、耐
摩耗性の高いセラミックス膜または硬質カーボン膜を設
けるようにした。これにより、金属面の焼き付きが防止
され、また、このセラミックスなどの硬い下地が表面の
固体潤滑膜の変形を抑制し、固体潤滑膜を剥離しにくく
する。この結果、ボールネジなどの寿命を長くすること
ができる。
【0009】なお、前記転がり摩擦を利用した機械要素
は、上記したように、ボールネジ、リニアガイドおよび
ベアリングの総称を意味するものとする。また、ボール
ネジを例に挙げれば、セラミックス膜または硬質カーボ
ン膜は、ナット、軸および転動体の少なくともいずれか
一つに設ければよいことになる。
【0010】また、請求項2にかかる転がり摩擦を利用
した機械要素は、上記転がり摩擦を利用した機械要素に
おいて、さらに、前記セラミックスにTiNまたはCr
Nを用いたものである。下地に用いるセラミックスは非
常に硬いものであるが、この中でもTiNおよびCrN
は高い靭性を有する。このため、転がり摩擦によっても
セラミックス膜が割れにくくなるから、ボールネジなど
の寿命をさらに長くすることができる。
【0011】また、請求項3に係る転がり摩擦を利用し
た機械要素は、上記転がり摩擦を利用した機械要素にお
いて、さらに、対向する軌道面の間に形成される空間で
あって軌道面と転動体が接触する部分以外に固体潤滑剤
を配置し、この固体潤滑剤を転動体に押し付けることで
当該転動体の表面に固体潤滑剤の転移膜を形成するよう
にしたものである。
【0012】軌道面のうち、転動体が接触していない部
分に固体潤滑剤を配置することで、従来(例えば実開昭
63−99062号公報)のように外部に固体潤滑剤を
封入した構造体を設ける必要がなくなる。このため、ボ
ールネジなどをコンパクトにすることができる。ボール
ネジを例に挙げれば、固体潤滑をナットおよび軸の谷底
に配置することで固体潤滑剤の供給が可能になる。ま
た、ベアリングの場合には、例えば保持器に配置するこ
とができる。
【0013】また、ボールネジおよびリニアガイドで
は、リターンチューブ内に固体潤滑剤を配置したものが
あるが、これでは固体潤滑剤を転動体に押し付けること
が困難である。これに対し、軌道面から構成する空間に
設けるようにすれば、予圧や押付構造などによって固体
潤滑剤を転動体に押し付けることが可能になる。このた
め、ボールネジなどをコンパクトにできると共に寿命を
延ばすことができる。
【0014】また、請求項4にかかる転がり摩擦を利用
した機械要素は、上記転がり摩擦を利用した機械要素に
おいて、さらに、前記固体潤滑剤を転動体に対して押し
付ける固体潤滑剤押付手段を設けたものである。
【0015】固体潤滑剤は転動体などに供給することに
より消耗し、当該固体潤滑剤の押付圧が低下するため、
固体潤滑剤を転動体に対して押し付けるようにした。押
付手段は、当業者が押し付け機能を有するものとして通
常設計できる構造のものを用いることができる。例え
ば、転動面の外側から螺子によって押し込むようにして
もよいし、バネによって押圧するようにしてもよい。か
かる構成にすることにより、固体潤滑剤を安定的に供給
することができる。
【0016】また、請求項5にかかる転がり摩擦を利用
した機械要素は、上記転がり摩擦を利用した機械要素に
おいて、さらに、前記セラミックスにTiNまたはCr
Nを用いたものである。固体潤滑膜の寿命を向上させる
には、転動体の基材とセラミックスとの密着性が重要で
ある。TiNまたはCrNは、被膜が剥がれる臨界荷重
が大きいため、当該TiNまたはCrNを用いることに
よりボールネジなどの寿命を延ばすことが可能になる。
【0017】また、請求項6にかかる転がり摩擦を利用
した機械要素の転動体は、ボールネジ、リニアガイド、
ベアリングその他の転がり摩擦を利用した機械要素を構
成すると共に、表面に固体潤滑剤をコーティングした転
動体において、この転動体の表面に、固体潤滑剤の下地
としてセラミックス膜または硬質カーボン膜を設けたも
のである。
【0018】上記したように、転動体にコーティングす
る固体潤滑剤の下地としてセラミックス膜などを設ける
ことで、固体潤滑膜の変形を小さくすると共に当該固体
潤滑膜が剥離したときの金属の焼き付きを抑制すること
ができる。このため、ボールネジなどの寿命を延ばすこ
とができるようになる。
【0019】また、請求項7にかかる転がり摩擦を利用
した機械要素の転動体は、ボールネジ、リニアガイド、
ベアリングその他の転がり摩擦を利用した機械要素を構
成すると共に、表面に固体潤滑膜を付着し得る多孔質セ
ラミックスの球またはころによって構成したものであ
る。多孔質セラミックスを用いることにより、固体潤滑
剤を保持しやすくなる。このため、固体潤滑膜が剥がれ
にくくなり、転動体の寿命を延ばすことができるように
なる。
【0020】また、請求項8にかかる転がり摩擦を利用
した機械要素の転動体は、ボールネジ、リニアガイド、
ベアリングその他の転がり摩擦を利用した機械要素を構
成すると共に、表面に固体潤滑膜を付着し得るディンプ
ル形状を有する球またはころによって構成したものであ
る。
【0021】転動体の表面をディンプル形状にすること
で、固体潤滑剤を保持しやすくなる。このため、固体潤
滑膜が剥がれにくくなり、転動体の寿命を延ばすことが
できるようになる。なお、この転動体は、セラミックス
製であってもよいし、金属製であってもよい。金属製の
場合には、上記同様、固体潤滑膜の下地としてセラミッ
クス膜または硬質カーボン膜を形成するのが好ましい。
【0022】また、請求項9にかかる転がり摩擦を利用
した機械要素は、上記転動体を用いたものであるから、
固体潤滑剤の保持力が向上し、機械要素の寿命が延びる
ことになる。また、請求項10にかかる転がり摩擦を利
用した機械要素は、前記軌道面に設けるセラミックス膜
を多孔質にしたものであり、請求項11にかかる転がり
摩擦を利用した機械要素は、軌道面に設けるセラミック
ス膜の表面をディンプル形状にしたものであるから、前
記同様に、固体潤滑剤の保持力を増して寿命を延ばすこ
とができる。
【0023】また、請求項12にかかる真空用直進導入
機構は、底付の筒状導入軸の開放側をボールネジのナッ
トに結合すると共に当該導入軸内にボールネジのネジ軸
が位置し、前記ネジ軸の一端を外筒の一端部から気密に
貫通させて回動自在に支持し、他方、外筒の他端部で前
記導入軸を軸方向に摺動可能かつ気密に受けた真空用直
進導入機構において、前記ボールネジに、請求項1〜
5、9〜11のうちいずれか一つの転がり摩擦を利用し
た機械要素に含まれるボールネジを用いたものである。
【0024】この真空用直進導入機構は、ボールネジを
外筒内に気密に封入し、当該ボールネジのネジ軸に設け
た導入軸を外筒に対して摺動させるようにしている。こ
のボールネジに上記セラミックスをコーティングしたも
のを使用することで、ボールネジ自体の寿命が長くなる
から、その分、真空用直進導入機構の寿命が延びること
になる。また、ボールネジを交換して使用する場合に
は、その交換を頻繁に行わずに済むので、メンテナンス
が楽である。
【0025】また、請求項13にかかる真空用直進導入
機構は、上記真空用直進導入機構において、さらに、前
記外筒内に、蒸着またはスパッタリングによってネジ軸
に対して固体潤滑剤を成膜する成膜機構を設けたもので
ある。
【0026】蒸着またはスパッタリングによりネジ軸に
成膜すると、セラミックス・コーティングとの相乗効果
により固体潤滑を効果的に行うことができるから、それ
だけ、真空用直進導入機構の寿命を延ばすことができ
る。また、固体潤滑剤の補充を簡単に行うことができ
る。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、この発明につき図面を参照
しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこ
の発明が限定されるものではない。
【0028】(実施の形態1)図1は、この発明の実施
の形態1にかかるボールネジを示す構成図である。図2
は、このボールネジの構成部品に対するコーティング状
態を示す概念図である。このボールネジ100は、ネジ
溝1a、1bのついたネジ軸2とナット3との間に多数
のボール4を介在させた構造である。また、ナット3の
端部間はリターンチューブ5で連結されており、ネジ軸
2の回転によりリターンチューブ5内を通ってボール4
が循環する。
【0029】使用するボール4は、高炭素クロム軸受
鋼、Ni−Cr−Mo鋼やCr−Mo鋼のはだ焼き鋼、
ステンレス鋼などの金属製である。また、ボール4の表
面には、図2の(a)に示すように、セラミックス膜4
1がコーティングしてある。このセラミックス膜41に
は、例えばTiN、CrN、Si34、TiC、SiC
などを用いることができる。また、セラミックス膜41
のコーティング手法としては、寸法安定性に優れた物理
蒸着法(PVD)を用いる。特に、前記セラミックス膜
41には、TiNやCrNを用いるのが好ましい。これ
らは、靭性が高く割れにくいからである。
【0030】また、ボール4のみならず、ネジ軸2(同
図(b))やナット3(同図(c))の軌道面1a、1
bにセラミックス膜41をコーティングするようにして
もよい。なお、セラミックス膜41は、ボール4、ネジ
軸2およびナット3の少なくともいずれか一つに設けれ
ば、ボールネジ100の寿命を延ばすことが可能であ
る。
【0031】さらに、このセラミックス膜41の表面に
固体潤滑膜42を形成する。図3は、固体潤滑剤の配置
状態を示す説明図である。ボール4とネジ溝1との軌道
面は、当該ネジ溝の谷斜面1cとなり、谷底1dはボー
ル4と接触せず空間を形成できるから、この谷底1dに
固体潤滑剤6を設けるようにする。固体潤滑剤6には、
上記したようにMoS2、PTFE、Ag、Pbなどを
用いる。また、この固体潤滑剤6は、スプレーや刷毛塗
りなどによってコーティングする。また、薄板状に成形
した固体潤滑剤6を接着するようにしてもよい。
【0032】固体潤滑剤6は、ネジ溝1をボール4が循
環することによりボール4に転移する。この転移膜(固
体潤滑剤膜42)は、ボール4に設けた高硬度のセラミ
ックス膜41の表面に形成されるから、ネジ溝1の軌道
面との接触による固体潤滑膜42の変形が抑制される。
また、セラミックス膜41を設けることにより、固体潤
滑膜42が剥離した場合でも金属基材が直接露出しな
い。このセラミックス膜41は基材との密着性が重要で
あり、好ましいセラミックスとしてはTiN、CrNを
挙げることができる。これにより、ボール4などの摩擦
・摩耗を低減してボールネジ100の寿命を延ばすこと
が可能になる。
【0033】また、前記固体潤滑剤6を、押付手段によ
ってボールに押し付けるような構成にしてもよい。図4
は、そのような固体潤滑剤の押付構造を持つボールネジ
のネジ溝付近を示す説明図である。図5は、押付構造の
組立図である。ネジ溝1の谷底1dを深めに加工し、こ
の深溝1eに湾曲した板バネ7を複数設置する。そし
て、分割した固体潤滑板6を板バネ7上から深溝1eに
挿入し、板バネ7の腹と固体潤滑板6とを接着する。ま
た、ボール4を充填した状態で板バネ7が弾性変形し、
ボール4に予圧がかかるようにする。このようにしてボ
ールネジ100を組み立てれば、固体潤滑板6が消耗し
ても当該固体潤滑板6をボール4に押し付けることがで
きるから、固体潤滑膜42を連続的に転移することがで
きる。
【0034】また、ネジによって固体潤滑板をボールに
押し付けるようにしてもよい。図6は、そのようなネジ
式の押付構造を示す断面図である。固体潤滑板6を分割
して谷底1dに配置し、ナット3の外側から複数のネジ
穴8を穿設し、当該ネジ穴8に調整用ネジ9を入れる。
この調整用ネジ9は、固体潤滑板6に予圧を加えた状態
で固定しておくが、固体潤滑板6が消耗したときには調
整用ネジ9を送り、さらに固体潤滑板6をボール4に押
し付けるようにする。このようにすれば、ボール4に対
して固体潤滑剤6を連続的に転移することができる。
【0035】さらに、上記セラミックスに代えて硬質カ
ーボンを用いることもできる。硬質カーボンは、それ自
体に固体潤滑性があるため固体潤滑膜42を形成せずと
も使用できるが、さらにその表面あるいは摺動相手面に
固体潤滑膜42を形成しておくほうが摩擦係数の減少な
どの観点から好ましい。
【0036】また、上記実施の形態1ではボールネジ1
00を挙げて説明したが、リニアガイドであっても上記
同様の構成を採用することができる。図7は、そのよう
なリニアガイドを示す断面図である。このリニアガイド
110は、レール21と軌道台22との案内溝23の間
に複数のボール24を配置して当該ボール24を循環さ
せながら直動するものである。この金属製のボール24
表面に、図2の(a)に示したようなセラミックス膜4
1をコーティングする。また、ボール24と案内溝23
が接触する部分以外に溝25を設け、この溝25内に固
体潤滑剤26を配置する。固体潤滑剤26は、上記同様
にスプレーや刷毛塗りで設けるようにしてもよいし、固
体潤滑板を接着するようにしてもよい。また、固体潤滑
板を用いる場合には、図4〜図6で示したような押付構
造を適用することもできる。
【0037】(実施の形態2)図8は、この発明の実施
の形態2にかかるベアリングを示す構成図である。この
ベアリング200は、軌道溝31を有する外輪32と内
輪33の間に複数のボール34(または、ころ)を配置
し、このボール34を保持器35により保持した構成で
ある。当該ボール34の材料および製造方法は上記実施
の形態1の場合と同じであるからその説明を省略する。
また、このベアリング200の軌道溝31の表面、また
はボール34の表面には上記実施の形態1と同様のセラ
ミックス膜のコーティングが施されている(図示省
略)。また、セラミックス膜に代えて、硬質カーボン膜
を設けるようにしてもよい。
【0038】図9は、ベアリング200のボール34お
よびその保持器35を示す外観図である。固体潤滑剤3
6は保持器35の内側面に設けられており、この固体潤
滑剤36とボール34が接触することによりボール34
側に転移膜(固体潤滑膜)が形成される。また、保持器
35は、ボール34を両側から保持する構造であって、
その保持板35の間にピン37を貫通させ、これにバネ
38を通した構成である。このバネ38の弾性力によっ
てボール34の両側から保持板35が押し付けられるか
ら、固体潤滑剤を連続的に転移することができる。以上
の構成によれば、ベアリング200の寿命を延ばすこと
ができる。
【0039】(実施の形態3)図10は、この発明の実
施の形態3にかかるボールを示す断面図である。このボ
ール50は、多孔質セラミックス製であり、その表面に
固体潤滑膜51を形成するようにしたものである。ボー
ル50を多孔質セラミックス製にすることでボール表面
に微細孔が現れる。固体潤滑膜51を転移したとき、こ
の微細孔が固体潤滑膜51を強固に保持して剥がれにく
いように作用する。また、セラミックス製のボール50
を用いることで、ボール50に働く遠心力やジャイロモ
ーメントの軽減や、温度上昇の抑制などの効果が得られ
る。
【0040】セラミックス・ボール50の製造は、ま
ず、原料粉末を混合して球状に成形し、焼結によって焼
き固める。そして、研磨などの加工により表面を仕上げ
る。セラミックス・ボール50の多孔質組織は、原料粉
末の粒径を大きくすることや焼成温度あるいは圧力を下
げることにより実現できる。セラミックスには、炭化ケ
イ素、窒化ケイ素、アルミナ、ジルコニアなどのエンジ
ニアリング・セラミックスを使用することができる。ま
た、好ましい粒径は1μm〜100μm、焼成温度は9
00℃〜1500℃、圧力は1MPa〜147MPaで
ある。このようなボール50を用いることにより、ボー
ルネジ、リニアガイド、ベアリングなどの寿命を延ばす
ことができる。
【0041】また、ボールネジの軌道面にコーティング
するセラミックスを多孔質組織にすることもできる。こ
のようにすれば、さらに固体潤滑剤の保持力が向上する
から、ボールネジの寿命を更に延ばすことができる(図
示省略)。
【0042】また、ボールの表面をディンプル形状にす
ることもできる。図11に、そのようなボールの断面図
を示す。ボール60の表面をディンプル形状にすること
で固体潤滑膜61の保持力を向上させることができる。
ボール60は、セラミックス製であっても金属製であっ
てもよい。セラミックス製の場合は、通常のセラミック
ス・ボールか或いは上記多孔質セラミックスボールを用
いることができる。また、金属製ボールを用いるとき
は、実施の形態1に示したようなセラミックス或いは硬
質カーボンのコーティングを施すようにする。
【0043】ディンプル形状のセラミックス・ボール6
0は、複数の凸部を有する型により原料粉末をプレス加
工して成形し、これを焼結後、仕上加工することにより
形成する。また、金属製のボールは、溶解した材料を内
部に複数の凸部を有する鋳型で鋳込むことで製造でき
る。また、金属製ボールをプレス加工してその表面に複
数のディンプルを形成することもできる。金属製ボール
の表面には、PVDによってセラミックス・コーティン
グを施すことにより、ディンプル形状を残すことができ
る。このようなボール60を用いることにより、ボール
ネジ、リニアガイド、ベアリングなどの寿命を延ばすこ
とができる。
【0044】また、ボールネジの軌道面にコーティング
するセラミックス或いは硬質カーボンの表面をディンプ
ル形状にすることもできる(図示省略)。このようにす
れば、さらに固体潤滑剤の保持力が向上するから、ボー
ルネジの寿命を更に延ばすことができる。
【0045】(実施の形態4)図12は、この発明の実
施の形態4にかかる真空用直進導入機構を示す断面図で
ある。この真空用直進導入機構300は、外筒301内
にネジ軸302を配置すると共に外筒301の一端部に
モータ303を設けた構成であり、このモータ303と
外筒301との間には磁性流体シール304が施されて
いる。また、外筒301の他端部には、導入軸305を
受けるラジアル軸受306が設けられている。導入軸3
05は、底付構造で開放側がナット307のフランジに
連結されている。また、ラジアル軸受306の内側に
は、Oリング又はUパッキンなどのシール308が施さ
れている。外筒301内をシールして外部と遮断するこ
とで、腐食性ガスの侵入を防止できるから、当該真空用
直進導入機構300の寿命を保つことが可能になる。ま
た、ボールネジで発生する廃塵が真空容器内などに放出
されるのを防止できる。前記ネジ軸302はナット30
7に螺合しており、このネジ軸302とナット307の
ネジ溝309の間には、複数のボール310が充填され
ている。
【0046】また、図示しないが、導入軸305には回
転止めの突条が設けられている。外筒301にはガス導
入口311が設けられており、このガス導入口311か
らアルゴン、ヘリウム、窒素などの不活性ガスを導入す
る。導入軸305の表面には、耐食性のコーティングが
施されている。耐食性コーティングとしては、Niメッ
キ、Crメッキ、TiN膜、CrN膜などを用いること
ができる。これにより、腐食性ガスを使用する真空容器
にも使用可能となる。また、ラジアル軸受306の外周
に円環状のスプリングを設けるようにしてもよい(図示
省略)。このようにすれば、ラジアル軸受306が磨耗
しても導入軸305との接触を保ってシール性を維持で
きる。外筒301の他端部には外向フランジ312が設
けられており、当該外向フランジ312により例えばプ
ラズマCVD装置やスパッタリング装置などの真空容器
に取り付ける。
【0047】つぎに、ボールネジ(302、307)
は、上記実施の形態1に記載のものを用いる。すなわ
ち、軌道溝1やボール4表面にセラミックス膜41或い
は硬質カーボン膜がコーティングしてあり、軌道溝1の
谷底1dに固体潤滑剤6を配置したボールネジ100を
用いるようにする。また、前記ボール310には、上記
実施の形態3に記載した多孔質セラミックス・ボール5
0やディンプル形状のボール60を用いることができ
る。このようにすれば、ボールネジ(302、307)
の寿命が向上するから、真空用直進導入機構300の寿
命が延びるし、ボールネジ(302、307)を交換し
て用いる場合には、その交換頻度が少なくなるのでメン
テナンスが容易である。
【0048】また、上記真空用直進導入機構300で
は、軌道溝309の谷底に固体潤滑剤を設けて転移膜を
形成するようにしているが、タングステンのヒーターに
Ag線を巻き付けたものを外筒内下方に配置し、ネジ軸
の表面に固体潤滑剤(Ag)を蒸着させるようにしても
よい(図示省略)。さらに、固体潤滑剤をターゲットと
したスパッタリング機構を配置して、ネジ軸表面に固体
潤滑膜を形成するようにしてもよい(図示省略)。この
ように、外筒301内に成膜機構を設けることにより、
固体潤滑剤の補充を簡単に行うことができるようにな
る。
【0049】[スクラッチ試験]つぎに、固体潤滑膜の
寿命を向上させるために施工する上記セラミックスおよ
び硬質カーボンのコーティングには、潤滑性よりも基材
との高い密着性が第一に要求される。そこで、寸法安定
性に優れるPVDにより以下のセラミックスを成膜し、
ダイヤモンドスタイラスで荷重を次第に増加させながら
スクラッチし、固体潤滑膜が剥がれる荷重を臨界荷重と
して評価した。また、硬質カーボンについても同様の条
件でスクラッチ試験を行った。その結果を以下の表1に
示す。
【0050】
【表1】
【0051】この結果、TiN、CrNが適当な硬度を
もって大きな臨界荷重(60N)を得ることができた。
また、硬質カーボンについてもその臨界荷重が40Nと
なって比較的良好な結果を得た。これにより、TiN、
CrNおよび硬質カーボンをコーティングすることによ
り、固体潤滑膜の寿命を延ばすのに適していることが判
った。
【0052】[ボールネジ寿命試験]つぎに、ボールネ
ジのネジ軸とボールにコーティングを施して、ボールネ
ジの寿命を測定した。軸径はいずれも12mmでリード
を4とし、表面仕上げはRy0.2μmとした。試験条
件として、軸荷重を500N、回転速度を300rpm
に設定し、寿命に達するまでのナット往復回数(1往復
で20回転)を測定した。その結果を以下の表2に示
す。なお、比較例として、セラミックスまたは硬質カー
ボンのコーティングを施さず、固体潤滑剤の材料(Ag
メッキ、PTFE、MoS2)と膜厚(0.5μm、
3.0μm)を変えたものを用意した。実施例1には、
ネジ軸に2μmのTiN膜をコーティングしたもの、実
施例2には、ボールに1μmの固体潤滑剤と兼用した硬
質カーボンをコーティングしたものを用意した。
【0053】
【表2】
【0054】この結果、セラミックスコーティングを施
した実施例1については、比較例1および2の10倍以
上、比較例3の5倍以上という極めて長い寿命を得るこ
とができた。また、実施例2については、硬質カーボン
をコーティングしたものについても、実施例1と略同じ
程度の延命効果があることが判った。一方、比較例1お
よび2については寿命に達する時間が3時間程度と非常
に短命に終わった。なお、この試験は、ナットおよびリ
ターンチューブについて行っていないが、少なくともナ
ットに用いることにより同様の効果が得られるものと思
われる。また、この試験はボールネジについて行ったも
のであるが、リニアガイドについても同様の結果を期待
することができる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の転がり
摩擦を利用した機械要素(請求項1)では、ベアリング
その他の転がり摩擦を利用した機械要素において、転動
体または軌道面の表面にコーティングする固体潤滑剤の
下地として、セラミックス膜を設けたので、ボールネジ
などの寿命を長くすることができる。
【0056】また、この発明の転がり摩擦を利用した機
械要素(請求項2)では、セラミックスにTiNまたは
CrNを用いるから、ボールネジなどの寿命を更に延ば
すことができる。
【0057】また、この発明の転がり摩擦を利用した機
械要素(請求項3)では、対向する軌道面の間に形成さ
れる空間であって軌道面と転動体が接触する部分以外に
固体潤滑剤を配置し、この固体潤滑剤を転動体に押し付
けることで当該転動体の表面に固体潤滑剤の転移膜を形
成するようにしたので、ボールネジなどをコンパクトに
できると共に寿命を延ばすことができる。
【0058】また、この発明の転がり摩擦を利用した機
械要素(請求項4)では、固体潤滑剤を転動体に対して
押し付ける固体潤滑剤押付手段を設けたので、固体潤滑
剤を安定供給できる。このため、ボールネジなどの寿命
を延ばすことができる。
【0059】また、この発明の転がり摩擦を利用した機
械要素(請求項5)では、セラミックスにTiNまたは
CrNを用いたので、ボールネジなどの寿命を延ばすこ
とができる。
【0060】また、この発明の転がり摩擦を利用した機
械要素の転動体(請求項6)では、転動体の表面に、固
体潤滑剤の下地としてセラミックス膜または硬質カーボ
ン膜を設けたので、ボールネジなどの寿命を延ばすこと
ができる。
【0061】また、この発明の転がり摩擦を利用した機
械要素の転動体(請求項7)では、転動体を、表面に固
体潤滑膜を付着し得る多孔質セラミックスの球またはこ
ろによって構成したので、転動体の寿命を延ばすことが
できるようになる。
【0062】また、この発明の転がり摩擦を利用した機
械要素の転動体(請求項8)では、転動体の表面をディ
ンプル形状にすることで、転動体の寿命を延ばすことが
できるようになる。
【0063】また、この発明の転がり摩擦を利用した機
械要素(請求項9)では、上記転動体を用いたので、機
械要素の寿命を長くすることができる。
【0064】また、この発明の転がり摩擦を利用した機
械要素(請求項10)では、軌道面に設けるセラミック
ス膜を多孔質にした。また、この発明の転がり摩擦を利
用した機械要素(請求項11)では、軌道面に設けるセ
ラミックス膜の表面をディンプル形状にした。このた
め、固体潤滑剤の保持力が増して機械要素の寿命が長く
なる。
【0065】また、この発明の真空用直進導入機構(請
求項12)では、底付の筒状導入軸の開放側をボールネ
ジのナットに結合すると共に当該導入軸内にボールネジ
のネジ軸が位置し、前記ネジ軸の一端を外筒の一端部か
ら気密に貫通させて回動自在に支持し、他方、外筒の他
端部で前記導入軸を軸方向に摺動可能かつ気密に受け、
前記ボールネジに上記セラミックスコーティングを施し
たボールネジを用いたので、真空用直進導入機構の寿命
が延びると共にメンテナンスが楽になる。
【0066】また、この発明の真空用直進導入機構(請
求項13)では、外筒内に、蒸着またはスパッタリング
によってネジ軸に対して固体潤滑剤を成膜する成膜機構
を設けたので、真空用直進導入機構の寿命を延ばすこと
ができると共に固体潤滑剤の補充を簡単に行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1にかかるボールネジを
示す構成図である。
【図2】図1に示したボールネジの構成部品に対するコ
ーティング状態を示す概念図である。
【図3】固体潤滑剤の配置状態を示す説明図である。
【図4】固体潤滑剤の押付構造を持つボールネジのネジ
溝付近を示す説明図である。
【図5】図4に示した押付構造の組立図である。
【図6】ネジ式の押付構造を示す断面図である。
【図7】この発明の実施の形態にかかるリニアガイドを
示す断面図である。
【図8】この発明の実施の形態2にかかるベアリングを
示す構成図である。
【図9】ベアリングのボールおよびその保持器を示す外
観図である。
【図10】この発明の実施の形態3にかかるボールを示
す断面図である。
【図11】この発明の実施の形態3にかかるボールを示
す断面図である。
【図12】この発明の実施の形態4にかかる真空用直進
導入機構を示す断面図である。
【符号の説明】 100 ボールネジ 1 ネジ溝 1a、1b 軌道面 1e 深溝 1c 谷斜面 1d 谷底 2 ネジ軸 3 ナット 4 ボール 5 リターンチューブ 6 固体潤滑剤 7 板バネ 8 ネジ穴 9 調整用ネジ 41 セラミックス膜 42 固体潤滑剤膜 50 セラミックス・ボール 51 固体潤滑膜 60 セラミックス・ボール 61 固体潤滑膜 110 リニアガイド 200 ベアリング 300 真空用直進導入機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 25/24 F16H 25/24 J M // F16H 57/04 57/04 Q Fターム(参考) 3J063 AB70 BA11 BB01 BB14 BB16 CB41 CB60 CD02 CD04 XD01 XD72 XD73 XE11 3J101 AA02 AA12 AA44 AA52 AA64 BA10 BA70 DA05 EA03 EA06 EA41 EA53 FA31 3J104 AA02 BA03 BA05 CA01 CA11 CA22 DA05 EA10

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製の転動体を対向する軌道面の間に
    配置すると共に当該転動体と軌道面の間に固体潤滑剤を
    介在させ、前記転動体が転動することで軌道面が相対運
    動しうるボールネジ、リニアガイド、ベアリングその他
    の転がり摩擦を利用した機械要素において、 前記転動体または軌道面の表面に、固体潤滑剤の下地と
    してセラミックス膜または硬質カーボン膜を設けたこと
    を特徴とする転がり摩擦を利用した機械要素。
  2. 【請求項2】 さらに、前記セラミックスは、TiNま
    たはCrNであることを特徴とする請求項1に記載の転
    がり摩擦を利用した機械要素。
  3. 【請求項3】 さらに、対向する軌道面の間に形成され
    る空間であって軌道面と転動体が接触する部分以外に固
    体潤滑剤を配置し、この固体潤滑剤を転動体に押し付け
    ることで当該転動体の表面に固体潤滑剤の転移膜を形成
    するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記
    載の転がり摩擦を利用した機械要素。
  4. 【請求項4】 さらに、前記固体潤滑剤を転動体に対し
    て押し付ける固体潤滑剤押付手段を設けたことを特徴と
    する請求項3に記載の転がり摩擦を利用した機械要素。
  5. 【請求項5】 さらに、前記セラミックスは、TiNま
    たはCrNであることを特徴とする請求項1、3または
    4に記載の転がり摩擦を利用した機械要素。
  6. 【請求項6】 ボールネジ、リニアガイド、ベアリング
    その他の転がり摩擦を利用した機械要素を構成すると共
    に、表面に固体潤滑剤をコーティングした転動体におい
    て、 この転動体の表面に、固体潤滑剤の下地としてセラミッ
    クス膜または硬質カーボン膜を設けたことを特徴とする
    転がり摩擦を利用した機械要素の転動体。
  7. 【請求項7】 ボールネジ、リニアガイド、ベアリング
    その他の転がり摩擦を利用した機械要素を構成すると共
    に、表面に固体潤滑膜を付着し得る多孔質セラミックス
    の球またはころによって構成したことを特徴とする転が
    り摩擦を利用した機械要素の転動体。
  8. 【請求項8】 ボールネジ、リニアガイド、ベアリング
    その他の転がり摩擦を利用した機械要素を構成すると共
    に、表面に固体潤滑膜を付着し得るディンプル形状を有
    する球またはころによって構成したことを特徴とする転
    がり摩擦を利用した機械要素の転動体。
  9. 【請求項9】 前記請求項7または8の転動体を用いた
    ことを特徴とするボールネジ、リニアガイド、ベアリン
    グその他の転がり摩擦を利用した機械要素。
  10. 【請求項10】 前記軌道面に設けるセラミックス膜を
    多孔質にしたことを特徴とする請求項1から5のいずれ
    か一つに記載のボールネジ、リニアガイド、ベアリング
    その他の転がり摩擦を利用した機械要素。
  11. 【請求項11】 前記軌道面に設けるセラミックス膜の
    表面をディンプル形状にしたことを特徴とする請求項1
    から5のいずれか一つに記載のボールネジ、リニアガイ
    ド、ベアリングその他の転がり摩擦を利用した機械要
    素。
  12. 【請求項12】 底付の筒状導入軸の開放側をボールネ
    ジのナットに結合すると共に当該導入軸内にボールネジ
    のネジ軸が位置し、前記ネジ軸の一端を外筒の一端部か
    ら気密に貫通させて回動自在に支持し、他方、外筒の他
    端部で前記導入軸を軸方向に摺動可能かつ気密に受けた
    真空用直進導入機構において、 前記ボールネジに、請求項1〜5、9〜11のうちいず
    れか一つの転がり摩擦を利用した機械要素に含まれるボ
    ールネジを用いたことを特徴とする真空用直進導入機
    構。
  13. 【請求項13】 さらに、前記外筒内に、蒸着またはス
    パッタリングによってネジ軸に対して固体潤滑剤を成膜
    する成膜機構を設けたことを特徴とする請求項12に記
    載の真空用直進導入機構。
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