JPH09112552A - 直動案内軸受装置 - Google Patents

直動案内軸受装置

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JPH09112552A
JPH09112552A JP7265347A JP26534795A JPH09112552A JP H09112552 A JPH09112552 A JP H09112552A JP 7265347 A JP7265347 A JP 7265347A JP 26534795 A JP26534795 A JP 26534795A JP H09112552 A JPH09112552 A JP H09112552A
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JP
Japan
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lubricant
containing member
guide rail
slider
rolling element
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JP7265347A
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English (en)
Inventor
Toru Tsukada
徹 塚田
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】長期間に渡って転動体に潤滑剤を安定的に供給
できるようにする。 【解決手段】エンドキャップ2Bの外面側に、エンドキ
ャップ2Bに近い側から、補強板10,潤滑剤含有部材
11及びサイドシール12を重ね合わせた状態で固定す
る。補強板10はエンドキャップ2Bの外形に合わせた
ほぼコ字形状の鋼板であり、案内レール1とは非接触で
ある。サイドシール12は、エンドキャップ2Bの外形
に合わせたほぼコ字形状の鋼板と、この鋼板と相似の形
状を有してその外面に一体的に成形されたグリース含有
ポリウレタンゴムとから構成され、内周部にリップ部1
3を有する。潤滑剤含有部材11は、エンドキャップ2
Bの外形に合わせたほぼコ字形状に形成され、その表面
には凹部を取り囲むようにほぼコ字形に連続した凹溝3
0が形成されていて、その凹溝30内には、開口側が若
干狭まるようなコ字形状の弾性体31を嵌め込んでい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、直動案内軸受装
置に関し、特に、長期間に渡って転動体に潤滑剤を安定
的に供給できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】この種の従来の技術としては、本出願人
が先に提案した特開平6−346919号公報に開示さ
れたもの(第1従来例)や、同じく本出願人が先に提案
した特開平7−35146号公報に開示されたもの(第
2従来例)等がある。即ち、第1従来例にあっては、案
内レール外面と、その案内レールに沿って移動するスラ
イダ内面との間に、潤滑剤含有のゴム又は合成樹脂によ
り形成されたシールリップ部を有するシール装置を介在
させていて、そのシールリップ部が案内レールの外面と
接触して、スライダ内面と案内レール外面との間のすき
間の開口をシールするようにしている。そして、シール
装置のシールリップ部が潤滑剤含有のゴム又は合成樹脂
から形成されて、そのシールリップ部が自己潤滑性を有
しているため、シール自体に含有されている潤滑剤が徐
々にしみ出てシール摩擦面に自動的に供給され、シール
リップ部の磨耗が抑制される、という作用効果を得るこ
とができる。
【0003】また、第2従来例にあっては、ゴム又は合
成樹脂の層と、潤滑剤含有のゴム又は合成樹脂の層と
を、少なくとも部分的に重ねて一体的に接合するととも
に、それら二種類の層のうち少なくとも潤滑剤含有のゴ
ム又は合成樹脂の層には、案内レールの外面と接触して
スライダ内面と案内レール外面との間のすき間の開口を
シールするシールリップ部を形成している。そして、こ
の第2従来例にあっても、シールリップ部は自己潤滑性
を有しているため、シール自体に含有されている潤滑剤
が徐々にしみ出てシール摩擦面に自動的に供給され、シ
ールリップ部の磨耗が抑制される、という作用効果が得
られる。しかも、上述のような層を重ね合わせた構造で
あるため、各層の重ね数や厚みを適宜選定することによ
り、シールリップ部の強度を用途等に応じて自由に設定
できる、という利点もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】確かに、上記第1従来
例や第2従来例の構成であれば、シールリップ部が自己
潤滑性を有しているため、上記のようにシールリップ部
の磨耗を抑制できるという作用効果は得られるが、潤滑
剤含有のゴム又は合成樹脂からしみ出る潤滑剤だけで
は、特に耐久性を要求される場合の直動案内軸受装置の
スライダの移動を案内するボールやころ等の転動体の滑
らかな転がり運動までをも維持するには不十分であると
いう未解決の課題があった。
【0005】また、上記第1従来例や第2従来例の潤滑
剤含有のシール装置は、シール自体の弾性力のみによっ
てシールリップ部が案内レールに対して押圧されている
ので、シールとしては十分な押圧力が得られるが、潤滑
剤を供給する装置としては十分な押圧力が得られない場
合がある。この発明は、このような従来の技術が有する
未解決の課題に着目してなされたものであって、転動体
の滑らかな転がり運動を維持することができる潤滑剤
を、恒常的に供給することができる直動案内軸受装置を
提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、外面に転動体転動溝を有し
て軸方向に延びる案内レールにスライダが遊嵌され、該
スライダは前記案内レールの転動体転動溝に対向する負
荷転動体転動溝及びこの負荷転動体転動溝の両端部に湾
曲路を介して連結された転動体戻し路からなる転動体循
環路を備え、該転動体循環路に前記案内レールに沿って
前記スライダを相対移動させる多数の転動体が装填され
た直動案内軸受装置において、潤滑剤含有のゴム又は合
成樹脂からなり且つ前記案内レールを跨ぐほぼコ字形の
潤滑剤含有部材を、前記スライダの端部に、該スライダ
の端面と板状部材との間に挟み込み且つ前記潤滑剤含有
部材の少なくとも一部が前記案内レールに接触した状態
で取り付けるとともに、前記潤滑剤含有部材のコ字形の
両袖部には前記スライダに前記潤滑剤含有部材を固定す
るための孔又は切欠きを形成し、該孔又は切欠きに中空
のリング状部材を挿入し、且つ、前記潤滑剤含有部材
に、前記潤滑剤含有部材のコ字形の両袖部内側面を前記
案内レールに押し付ける弾性力を発生させる弾性体を嵌
め込んだ。
【0007】また、請求項2に係る発明は、上記請求項
1に係る発明である直動案内軸受装置において、前記ス
ライダの端面と前記潤滑剤含有部材との間に、他の板状
部材を挟み込んだ。そして、請求項3に係る発明は、上
記請求項1又は請求項2に係る発明である直動案内軸受
装置において、前記リング状部材の厚さを、前記潤滑剤
含有部材の厚さより厚くした。
【0008】さらに、請求項4に係る発明は、上記請求
項1乃至請求項3に係る発明である直動案内軸受装置に
おいて、前記潤滑剤含有部材に外力を与えていない状態
で、その潤滑剤含有部材のコ字形の凹部内底面を、袖部
側よりも中央部が突き出る円弧形状とした。請求項1に
係る発明にあっては、潤滑剤含有部材は、スライダ端面
と板状部材との間に挟み込まれ且つ案内レールに接触し
た状態で配設されているため、スライダと一体に案内レ
ールに沿って移動すると、潤滑剤含有部材から経時的に
徐々にしみ出す潤滑剤は、確実に案内レールに供給さ
れ、案内レールに供給された潤滑剤は、その案内レール
の表面や転動体転動溝を介して転動体に供給される。
【0009】また、潤滑剤含有部材そのものを、スライ
ダ端面と板状部材との間に挟み込む構造であるため、シ
ールリップ部に潤滑剤を含有させるのとは異なり、転動
体の転がりを長期間維持するのに十分な量の潤滑剤を含
有させ得る大きさとすることが容易であるし、潤滑剤含
有部材を鋼板等に接着する手間も不要であるから、組み
立てが容易である。
【0010】そして、案内レールを跨ぐ潤滑剤含有部材
から潤滑剤がしみ出ると、潤滑剤含有部材自体が自己収
縮するから、潤滑剤含有部材のコ字形の両袖部間の距離
が縮まるようになるとともに、潤滑剤含有部材に嵌め込
まれている弾性体の弾性力によって、潤滑剤含有部材の
コ字形の両袖部内側面(案内レールの側面に対向する
面)を案内レールに押し付ける付勢力が発生するため、
その潤滑剤含有部材は案内レールに常時接触するように
なる。また、このような両袖部を案内レールに押し付け
る付勢力が発生すれば、潤滑剤含有部材に多少の製造誤
差等があっても、案内レールと潤滑剤含有部材との間に
すき間は生じない。よって、潤滑剤含有部材からしみ出
た潤滑剤は、安定的に案内レールに供給されるようにな
る。
【0011】なお、潤滑剤含有部材は、両袖部の孔又は
切欠きに挿入された中空のリング状部材内を挿通するネ
ジ等によってスライダに固定される。請求項2に係る発
明にあっては、潤滑剤含有部材とスライダ端面との間に
他の板状部材を挟み込んでいるため、その潤滑剤含有部
材は、二枚の板状部材に挟み込まれた状態でスライダ端
面に取り付けられていることになる。そして、かかる構
造であっても、上記請求項1に係る発明と同様の作用が
得られる。
【0012】請求項3に係る発明にあっては、リング状
部材の端部が潤滑剤含有部材の表面又は裏面から突出す
るから、潤滑剤含有部材の両袖部は、スライダ端面及び
板状部材に挟まれているにも関わらず、それらとの間の
摩擦が小さくなっている。このため、上述した潤滑剤含
有部材の両袖部が案内レールに接触する動作はスムーズ
に行われるから、潤滑剤含有部材を常に確実に案内レー
ルに接触させることが可能となる。
【0013】請求項4に係る発明にあっては、潤滑剤含
有部材のコ字形の凹部内底面を所定の円弧形状としてい
るため、弾性体の弾性力により、潤滑剤含有部材が、そ
の両袖部が案内レールに押し付けられる方向に変形して
も、その円弧形状は逆に水平状態に近づくから、潤滑剤
含有部材は案内レールに安定的に接触する。以下、本発
明の潤滑剤含有部材の材料について詳細に説明する。
【0014】先ず、ゴムに潤滑剤を含有させてなる潤滑
剤含有部材の場合には、例えば、グリースを含有した状
態で硬化したポリウレタンゴムが適用できる。ポリウレ
タンゴムは、ポリイソシアネートと活性水素化合物との
反応により生成する化合物であり、ポリイソシアネート
としては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネート等を使用できる。
【0015】活性水素化合物としては、ポリブタジエン
等の炭化水素、ポリオキシプロピレン等のポリエーテ
ル、ひまし油、ポリエステル、ポリカーボネート等の長
鎖活性水素化合物、水、エチレングリコール等のポリヒ
ドロキシ化合物、アミノアルコール、ポリアミノ化合物
等の短鎖活性水素化合物を使用できる。グリースとして
は、鉱油リチウム石鹸グリース等の通常のグリースが使
用できる。
【0016】次に、合成樹脂に潤滑剤を含有させて潤滑
剤含有部材を生成する場合、その潤滑剤含有部材は、ポ
リエチレン,ポリプロピレン,ポリブチレン,ポリメチ
ルペンテン等の基本的に同じ化学構造を有するポリオレ
フィン系樹脂の群から選定した合成樹脂に、潤滑剤とし
てポリα−オレフィン油のようなパラフィン系炭化水素
油、ナフテン系炭化水素油、鉱油、ジアルキルジフェニ
ルエーテル油のようなエーテル油、フタル酸エステルの
ようなエステル油等の何れかを単独若しくは混合油の形
で混ぜて調整した原料を、射出成形により成形したもの
が適用でき、潤滑剤の中に予め酸化防止剤,錆止め剤,
摩耗防止剤,あわ消し剤,極圧剤等の各種添加剤を加え
たものでもよい。
【0017】上記潤滑剤含有部材の組成比は、全重量に
対してポリオレフィン系樹脂20〜80重量%、潤滑剤
80〜20重量%である。ポリオレフィン系樹脂が20
重量%未満の場合は、あるレベル以上の硬さ・強度等が
得られない。また、ポリオレフィン系樹脂が80重量%
を越える場合(つまり、潤滑剤が20重量%未満の場
合)は、潤滑剤の供給が少なくなり、シール装置のリッ
プ部の磨耗低減効果が少なくなる。
【0018】上記合成樹脂の群は、基本構造は同じでそ
の平均分子量が異なっており、1×103 〜5×106
の範囲におよんでいる。その中で、平均分子量1×10
3 〜1×106 という比較的低分子量のものと、1×1
6 〜5×106 という超高分子量のものとを、単独も
しくは必要に応じて混合して用いる。本発明の潤滑剤含
有部材の機械的強度を向上させるため、上述のポリオレ
フィン系樹脂に、以下のような熱可塑性樹脂および熱硬
化性樹脂を添加したものでもよい。
【0019】熱可塑性樹脂としては、ポリアミド,ポリ
カーボネート,ポリブチレンテレフタレート,ポリフェ
ニレンサルファイド,ポリエーテルスルホン,ポリエー
テルエーテルケトン,ポリアミドイミド,ポリスチレ
ン,ABS樹脂等の各樹脂を使用することができる。熱
硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂,尿素樹
脂,メラミン樹脂,フェノール樹脂,ポリイミド樹脂,
エポキシ樹脂等の各樹脂を使用することができる。
【0020】これらの樹脂は、単独または混合して用い
ても良い。更に、ポリオレフィン系樹脂とそれ以外の樹
脂とを、より均一な状態で分散させるために、必要に応
じて適当な相溶化剤を加えてあっても良い。また、機械
的強度を向上させるために、充填材を添加してもよい。
例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、チタン酸
カリウムウィスカーやホウ酸アルミニウムウィスカー等
の無機ウィスカー類、或いはガラス繊維やアスベスト、
金属繊維等の無機繊維類及びこれらを布状に編組したも
の、また有機化合物では、カーボンブラック、黒鉛粉
末、カーボン繊維、アラミド繊維やポリエステル繊維等
を添加してもよい。
【0021】更に、ポリオレフィン系樹脂の熱による劣
化を防止する目的で、N,N' −ジフェニル−P−フェ
ニレンジアミン、2,2' −メチレンビス(4−エチル
−6−t−ブチルフェノール)等の老化防止剤、また光
による劣化を防止する目的で、2−ヒドロキシ−4−n
−オクトキシベンゾフェノン、2−(2' −ヒドロキシ
−3' −第三−ブチル−5' −メチル−フェニル)−5
−クロロベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤を添加し
てもよい。
【0022】以上の全ての添加剤(ポリフレフィン+油
以外)の添加量としては、添加剤全体として、成形原料
全量の20重量%以下であることが、潤滑剤の供給能力
を維持する上で好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1乃至図9は、本発明の第1
の実施の形態を示す図である。先ず、構成を説明する
と、本実施の形態の直動案内軸受装置は、その斜視図で
ある図1に示すように、外面に転動体転動溝3A,3B
を有して軸方向に延びる案内レール1と、その案内レー
ル1を跨いで組み付けられたスライダ2と、を備えてい
る。
【0024】具体的には、案内レール1の上面1aと両
側面1bが交叉する稜線部に、断面ほぼ1/4円弧形状
の軸方向の凹溝からなる一方の転動体転動溝3Aが形成
されるとともに、案内レールの両側面1b中間位置に断
面ほぼ半円形の他方の転動体転動溝3Bが形成されてい
る。転動体転動溝3Bの溝底には、スライダ2を案内レ
ール1に組み付けない状態での転動体の脱落を防ぐ保持
器の逃げ溝3aが形成されている。
【0025】一方、スライダ2は、スライダ本体2Aと
その両端部に取り付けられたエンドキャップ2Bとから
なり、スライダ本体2Aは両袖部4の内側面に案内レー
ル1の転動体転動溝3A,3Bに対向する図示されない
負荷転動体転動溝を有するとともに、袖部の肉厚部分を
軸方向に貫通する転動体戻し路を有している。一方、エ
ンドキャップ2Bは、スライダ本体2Aの転動体転動溝
とこれに平行な転動体戻し路とを連通させる図示されな
い湾曲路を有しており、それらの転動体転動溝と転動体
戻し路と両端の湾曲路とで転動体循環回路が形成されて
いる。その転動体循環回路内には例えば鋼球からなる多
数の転動体が装填されている。
【0026】エンドキャップ2Bは、合成樹脂材の射出
成形品で、断面ほぼコ字形に形成されている。そして、
スライダ2の端部の組み立て状態を示す斜視図である図
2にも示すように、両エンドキャップ2Bのそれぞれの
外面側には、エンドキャップ2Bに近い側から、板状部
材としての補強板10,潤滑剤含有部材11及び板状部
材としてのサイドシール12が、重ね合わされた状態で
固定されている。
【0027】これらのうち、補強板10は、エンドキャ
ップ2Bの外形に合わせたほぼコ字形状の鋼板であり、
連結部10Cを介して連結された両袖部10A,10B
には、取付ネジ貫通用の貫通孔10a,10bが形成さ
れている。なお、この補強板10は、案内レール1とは
非接触である。また、サイドシール12は、エンドキャ
ップ2Bの外形に合わせたほぼコ字形状の鋼板と、この
鋼板と相似の形状を有してその外面に一体的に成形され
たグリースを含有したポリウレタンゴムとから構成され
ている。
【0028】かかるサイドシール12の案内レール1と
接触するリップ部13は、その内側の面は、スライダ2
と案内レール1との間のすき間をシールできるように、
その案内レール1の断面形状に合わせて案内レール1の
上面1a及び外側面1bに摺接可能な形状、より具体的
には、転動体転動溝3A,3Bや逃げ溝3aにも摺接可
能な形状に成形されている。なお、このサイドシール1
2の連結部12Cを介して連結された両袖部12A,1
2Bにも、取付ネジ貫通用の貫通孔12a,12bが形
成されている。
【0029】そして、これらサイドシール12及び補強
板10間に挟まれている潤滑剤含有部材11は、エンド
キャップ2Bの外形に合わせたほぼコ字形状に形成され
ていて、そのコ字形状の内側の面は、テーパ状ではなく
平坦な形状であって、リップ部13の内面と同様に、案
内レール1の断面形状に合わせて案内レール1の上面1
a及び転動体転動溝3A,3Bを含む外側面1bに摺接
可能な形状となっている。
【0030】また、潤滑剤含有部材11の正面図である
図3(a)及び側面図である図3(b)にも示すよう
に、この潤滑剤含有部材11の連結部11Cを介して連
結された両袖部11A,11Bにも、取付ネジ貫通用の
貫通孔11a,11bが形成されるとともに、貫通孔1
1a,11bのそれぞれは袖部11A,11Bの外側面
側に開放している。なお、これら貫通孔11a,11b
は、袖部11A,11Bの外側面側及び先端側の両方に
開放させて、実質的に切欠きとしてもよい。
【0031】この潤滑剤含有部材11の凹部は、その内
面が案内レール1の上面1a及び転動体転動溝3A,3
Bを含む外側面1bに摺接するような寸法に形成される
とともに、その凹部内面の案内レール1の転動体転動溝
3A,3B及び逃げ溝3aに対向する部分には、それら
各溝3A,3B及び3aの内面に摺接するように凸部1
1f,11g,11d及び11eが形成されている。さ
らに、潤滑剤含有部材11の凹部内面のうち、案内レー
ル1の上面1aに摺接する内底面11hは、この潤滑剤
含有部材11に外部から力を与えていない状態で、袖部
11A,11Bに近い端部側よりも中央部側が下方に突
き出るように、曲率半径Rの円弧形状となっている。
【0032】そして、潤滑剤含有部材11の両袖部11
A,11Bに形成された貫通孔11a,11bのそれぞ
れには、リング状部材15A,15Bが嵌め込まれるよ
うになっている。このリング状部材15A,15Bは、
その正面図である図4(a)及び側面図である図4
(b)に示すような短い円筒形状の部材であり、その外
径は、貫通孔11a,11bに容易に嵌め込める程度の
寸法となっている。
【0033】さらに、リング状部材15A及び15Bの
厚さVは、潤滑剤含有部材11の厚さWよりも、若干
(例えば、0.2 mm程度)厚くなっている。つまり、リ
ング状部材15A及び15Bを貫通孔11a,11bに
嵌め込むと、図5に示すように、そのリング状部材15
A及び15Bの端部が、潤滑剤含有部材11の表面又は
裏面から突出するようになっている。
【0034】また、潤滑剤含有部材11のサイドシール
12側の表面には、潤滑剤含有部材11の凹部を取り囲
むようにほぼコ字形に連続した凹溝30が形成されてい
て、その凹溝30内には、正面図である図6(a)及び
底面図である同(b)に示すような弾性体31を嵌め込
んでいる。弾性体31は、鋼製,合成樹脂製或いは硬質
ゴム製の弾性変形可能な部材であって、凹溝30の形状
に合わせてほぼコ字形に形成されている。そして、外部
から力を与えていない状態で、そのコ字形の開口側が若
干狭まるような形状となっている。
【0035】そして、これら補強板10,潤滑剤含有部
材11及びサイドシール12は、エンドキャップ2Bの
貫通孔2a,2bを貫通して本体2Aに螺合する取付用
ネジ17A,17Bが、サイドシール12の貫通孔12
a,12b、潤滑剤含有部材11の貫通孔11a,11
b内側のリング状部材15A,15B及び補強板10の
貫通孔10a,10bを貫通することにより、エンドキ
ャップ2Bと一体に本体2Aに固定される。
【0036】次に、本実施の形態の作用を説明する。即
ち、機台に固定した案内レール1上をスライダ2が移動
すると、スライダ2内の転動体は転動体転動路内を転動
しつつスライダ2の移動方向にスライダ2より遅い速度
で移動し、一端側の湾曲路でUターンして転動体戻し路
を逆方向に転動しつつ移動し、他端側の湾曲路で逆Uタ
ーンして転動体転動路内に戻る循環を繰り返す。
【0037】こうして直動案内軸受装置が駆動される
と、潤滑剤含有部材11も案内レール1に接触しつつ移
動し、その移動時の摩擦熱の影響も加わって、潤滑剤含
有部材11から潤滑剤が経時的に徐々にしみ出すが、そ
のしみ出した潤滑剤は、案内レール1の特に転動体転動
溝3A,3Bを介して、その転動体転動溝3A,3B内
を転動する転動体へ自動的に供給される。この自己潤滑
性により、長期間にわたり安定した滑らかな作動が行わ
れる。したがって、殊更に潤滑剤を外部からスライダ2
に供給しないでも低トルクで良好な運転を長時間続ける
ことができる。
【0038】また、潤滑剤含有部材11の凹部内面形状
を、上述したように案内レール1の横断面形状に整合さ
せているから、図7に示すように、潤滑剤含有部材11
は案内レール1の上面1a及び側面1bに密着すること
ができるし、潤滑剤含有部材11から潤滑剤がしみ出す
につれて、潤滑剤含有部材11自体が自己収縮するか
ら、その潤滑剤含有部材11は、その収縮力により案内
レール1の被シール面に常時密着して接触し、シール機
能と潤滑機能を果たすという作用も得られる。
【0039】本実施の形態の場合、潤滑剤含有部材11
の外側面の板状部材としてサイドシール12を用いてい
るので、よりシール性が向上する。特に、本実施の形態
では、潤滑剤含有部材11を案内レール1を跨がせた状
態では、凹溝30内の弾性体31の弾性力によって、図
8に示すように、潤滑剤含有部材11の袖部11A及び
11Bを案内レール1に押し付ける付勢力が発生する。
このため、潤滑剤含有部材11の寸法に若干の製造誤差
があっても、また潤滑剤含有部材11が多少磨耗して
も、図7に示したように、潤滑剤含有部材11をより確
実に案内レール1の被シール面に常時密着して接触させ
ることができるのである。
【0040】また、弾性体31を凹溝30内に嵌め込ん
でいれば、図9に示すように、潤滑剤含有部材11の取
付の際に袖部11A及び11Bを左右に押し広げても容
易に復元するため、この潤滑剤含有部材11を案内レー
ル1を跨がせて取り付ける作業も容易に行える。特に、
本実施の形態では、弾性体31の無負荷時の形状を、そ
の先端側の間隔が狭まるようにしたため、潤滑剤含有部
材11がある程度磨耗しても、袖部11A,11Bの内
面をより確実に案内レール1に押し付けることができる
し、付勢力を発生する弾性体31を、潤滑剤含有部材1
1の凹部を囲むように配設し、その弾性体31の先端部
を袖部11A,11Bの先端部近傍まで至らせているた
め、その弾性体による付勢力を、より確実に袖部11
A,11Bに伝えることができるという利点がある。
【0041】しかも、リング状部材15A及び15Bの
厚さVを、潤滑剤含有部材11の厚さWよりも大きくし
て、リング状部材15A及び15Bの端部を潤滑剤含有
部材11の表面又は裏面から突出させるように潤滑剤含
有部材11の取付手段を構成しているから、潤滑剤含有
部材11は、補強板10及びサイドシール12に挟まれ
ているにも関わらず、それらとの間の摩擦が小さくなっ
ている。このため、上述した自己収縮や付勢力による潤
滑剤含有部材11の案内レール1の軸方向と直角な方向
への変形がスムーズに行われるから、潤滑剤含有部材1
1を常に確実に案内レール1に密着させることができ
る。
【0042】さらに、潤滑剤含有部材11の凹部の内底
面11hを上述のような円弧形状としているため、上述
した自己収縮や付勢力によって潤滑剤含有部材11の袖
部11A及び11Bが案内レール1に押し付けられる方
向に変形すると、その内底面11hは水平状態に近づ
き、その内底面11hが案内レール1の上面1aに安定
的に接触するようになる。
【0043】また、潤滑剤含有部材11は、補強板10
及びサイドシール12間に挟み込んで配設される部材で
あるから、転動体の転がりを長期間維持するのに十分な
量の潤滑剤を含有させ得る大きさとすることが容易であ
る。しかも、潤滑剤含有部材11を鋼板等の他の部材に
固着する構造ではないから、消耗品である潤滑剤含有部
材11の部品コストを低減することができるし、配設の
際の手間も簡単であるという利点がある。
【0044】そして、潤滑剤含有部材11を、補強板1
0及びサイドシール12との間に挟み込んで配設してい
るため、サイドシール12の案内レール1と接触する部
分すなわちリップ部13は、スライダ2が往復移動して
もまくり上がりにくいから、スライダ2内部のグリース
が外部に漏れることも低減される。また、潤滑剤含有部
材11からしみ出た潤滑剤は、サイドシール12の案内
レール1と接触するリップ部13にも供給されるから、
そのリップ部13の磨耗を低減するのにも役立つし、特
に本実施の形態では、リップ部13をグリースを含有し
た状態で硬化したポリウレタンゴムから成形しているた
め、それ自身からも潤滑剤が供給され、より一層リップ
部13の磨耗が低減できる。すると、リップ部13の磨
耗が最小限に抑えられるから、リップ部13によるシー
ル性が長期間維持され、本体2A側への異物の侵入が防
止され、直動案内軸受装置自体の長寿命化も図れるとい
う利点がある。
【0045】ここで、本実施の形態では、サイドシール
12が板状部材に対応し、補強板10が他の板状部材に
対応する。図10は本発明の第2の実施の形態を示す図
であって、図10(a)は潤滑剤含有部材11の正面
図、図10(b)は同(a)のA−A線断面図である。
即ち、この第2の実施の形態の構成は、基本的には上記
第1の実施の形態と同様であって、異なるのは、潤滑剤
含有部材11の連結部11C上面に、上方に開放したほ
ぼ長方形の切欠き11Dを形成した点である。
【0046】このような切欠き11Dを形成すると、連
結部11Cの剛性が低くなるから、弾性体31の弾性力
が、有効に袖部11A及び11Bを案内レール1に押し
付ける付勢力に変換されるから、さらに確実に潤滑剤含
有部材11を案内レール1に密着させることができるよ
うになる。その他の作用効果は、上記第1の実施の形態
と同様である。
【0047】図11乃至図14は本発明の第3の実施の
形態を示す図である。なお、上記各実施の形態と同様の
部材及び部位には、同じ符号を付し、その重複する説明
は省略する。即ち、本実施の形態にあっては、潤滑剤含
有部材11の正面図である図11(a)及び側面図であ
る図11(b)に示すように、潤滑剤含有部材11の外
周面に、袖部11A,11Bの外側面及び連結部11C
の上面に連続する外周溝33を形成している。なお、外
周溝33の両端部には、両袖部11A,11Bの内側に
入り込む凹み33aを形成している。
【0048】そして、その外周溝33に、図12に示す
ような弾性体34が嵌め込まれるようになっている。な
お、弾性体34は、その寸法が大きくなっていること
と、先端部に凹み33aに嵌め込まれる凸部34aを有
することを除いては、上記第2の実施の形態で示した弾
性体31と同様の構成となっている。このような構成で
あっても、図13(a)に示すように、弾性体34が袖
部11A及び11Bを案内レール1に向けて付勢するか
ら、潤滑剤含有部材11を安定的に案内レール1に密着
させることができるし、図13(b)に示すように、リ
ング状部材15A,15Bは上記第1の実施の形態と同
様に潤滑剤含有部材11の表面から突出するため、潤滑
剤含有部材11の変形はスムーズに行えるようになって
いる。従って、この第3の実施の形態にあっても、上記
第1の実施の形態と同様の作用効果が得られる。
【0049】そして、本実施の形態の構成であれば、特
に図14に示すように、取付用ネジ17A,17Bを緩
めたり或いは取り外さなくても、弾性体34のみを着脱
することができる。このため、全ての部品を組み付けた
後に弾性体34を取り付けることができるから、潤滑剤
含有部材11を案内レール1に押し付ける必要の無いと
きには、弾性体34を取り外しておき、押し付ける必要
が生じたときのみ弾性体34を取り付けるという使い方
や、或いは、潤滑剤含有部材11の案内レール1への押
し付け力を変更したいときに弾性体34を交換するとい
う使い方ができるのである。
【0050】そこで、例えば、新たな潤滑剤含有部材1
1の使用開始した直後は、潤滑剤含有部材11には磨耗
がほとんど生じておらず、弾性体34を取り付けなくて
も十分に密着させることができる反面、弾性体34を取
り付けると潤滑剤のしみ出る量が多量となりすぎる可能
性があることから、弾性体34を取り外しておく。そし
て、磨耗が進んで密着性が低下したら、弾性体34を取
り付けて、十分に密着するようにし、場合によってはよ
り磨耗が進んだ場合には弾性力の強い弾性体34に交換
するようにすれば、使用開始直後から交換直前まで、潤
滑剤のしみ出し量を安定させることができる。
【0051】また、本実施の形態では、外周溝33の両
端に凹み33aを形成し、この凹み33aに嵌まり込む
凸部34aを弾性体34の端部に形成しているから、弾
性体34を外側から嵌め込む構成であっても、その弾性
体34が容易に脱落したり、抜け方向にずれてしまうよ
うなこともない。図15は本発明の第4の実施の形態を
示す図であって、潤滑剤含有部材11の正面図である。
【0052】即ち、この第4の実施の形態の構成は、基
本的には上記第3の実施の形態と同様であって、異なる
のは、潤滑剤含有部材11の連結部11C上面に、上方
に開放したほぼ長方形の切欠き11Dを形成した点であ
り、これにより、上記第2の実施の形態と同様の作用効
果が得られるようにしている。その他の作用効果は、上
記第3の実施の形態と同様である。
【0053】図16乃至図18は本発明の第5の実施の
形態を示す図である。なお、上記各実施の形態と同様の
部材及び部位には、同じ符号を付し、その重複する説明
は省略する。即ち、本実施の形態にあっては、潤滑剤含
有部材11の正面図である図16に示すように、潤滑剤
含有部材11の連結部11Cに、その潤滑剤含有部材1
1の幅方向に延びる直線状の凹溝37を形成している。
そして、その凹溝37に、正面図である図17(a)及
び底面図である図17(b)に示すような弾性体38を
嵌め込むようになっている。
【0054】弾性体38は、若干ヘ字形に湾曲した鋼
製,合成樹脂製或いは硬質ゴム製の細い角柱状の弾性体
であり、正面図である図18(a)及び側面図である図
18(b)に示すように、その形状を逆方向に湾曲させ
た状態で、凹溝37に嵌め込まれるようになっている。
このような構成であっても、弾性体38の弾性復元力に
よって潤滑剤含有部材11の連結部11Cが内側に湾曲
されようとするから、袖部11A,11Bを案内レール
1に押し付ける付勢力が発生する。よって、上記第1の
実施の形態と同様の作用効果が得られる。
【0055】図19乃至図21は本発明の第6の実施の
形態を示す図である。なお、上記各実施の形態と同様の
部材及び部位には、同じ符号を付し、その重複する説明
は省略する。即ち、本実施の形態にあっては、潤滑剤含
有部材11の正面図である図19に示すように、潤滑剤
含有部材11の連結部11Cに、左右方向に長い長方形
の貫通孔39を形成している。なお、潤滑剤含有部材1
1の上部側には、この貫通孔39に通じるように切欠き
11Eを形成している。
【0056】そして、正面図である図20(a)及び側
面図である図20(b)に示すような弾性体としてのコ
イルスプリング40が、その伸縮方向を左右方向に向け
且つ若干圧縮した状態で、正面図である図21(a)及
び一部破断側面図である図21(b)に示すように、貫
通孔39内に収容される。このような構成であっても、
切欠き11Eにより連結部11Cの左右方向の剛性が小
さくなっているとともに、コイルスプリング40の弾性
復元力によって潤滑剤含有部材11Cの連結部11Cが
左右に押し広げられようとするから、袖部11A,11
Bを案内レール1に押し付ける付勢力が発生する。よっ
て、上記第1の実施の形態と同様の作用効果が得られ
る。
【0057】図22は本発明の第7の実施の形態を示す
図であって、図22(a)は正面図、図22(b)は一
部破断側面図である。なお、上記各実施の形態と同様の
部材及び部位には、同じ符号を付し、その重複する説明
は省略する。即ち、本実施の形態にあっては、潤滑剤含
有部材11の袖部11A,11B内に、上下方向に延び
て袖部11A,11B先端側に開放するスリット41
A,41Bを形成するとともに、そのスリッ41A,4
1Bの途中に、左右方向に長い長方形の貫通孔42A,
42Bを形成し、その貫通孔42A,42B内に、伸縮
方向を左右方向に向け且つ若干圧縮した状態の弾性体と
してのコイルスプリング43A,43Bを収容してい
る。
【0058】このような構成であっても、スリット41
A,41Bにより連結部11Cの左右方向の剛性が小さ
くなっているとともに、コイルスプリング43A,43
Bの弾性復元力がそのまま袖部11A,11Bを案内レ
ール1に押し付ける付勢力となるから、上記第1の実施
の形態と同様の作用効果を得ることができる。なお、上
記実施の形態では、リップ部13を潤滑剤を含有したゴ
ムから成形した場合について説明しているが、潤滑剤含
有部材11からリップ部13に潤滑剤が供給されるた
め、リップ部13は、潤滑剤を含有しないNBR(アク
リロニトリルブタジデンゴム)であってもよい。
【0059】また、上記各実施の形態の構成において、
補強板10を省略し、潤滑剤含有部材11をエンドキャ
ップ2Bとサイドシール12との間に挟み込んで配設し
てもよいし、潤滑剤含有部材11は実質的にシール装置
としても機能するから、サイドシール12の代わりに補
強板10と同様の鋼板を補強板又はプロテクターとして
配設してもよい。場合によっては、潤滑剤含有部材11
とエンドキャップ2Bとの間に、補強板10に代えてサ
イドシール12を配設してもよい。
【0060】さらにまた、上記各実施の形態では、リン
グ状部材15A,15Bの厚さVを潤滑剤含有部材11
の厚さWよりも厚くしたが、厚さVが厚さWと等しいか
或いは多少小さくても良い。要は、潤滑剤含有部材11
を取付用ネジ17A,17Bを締め込んで固定したとき
にネジ17A,17Bが締め込まれ過ぎて潤滑剤含有部
材11の案内レール1の軸方向と直角な方向への変形が
妨げられない厚さVと厚さWの関係になっていれば良
い。
【0061】そして、本発明が適用できる直動案内軸受
装置は、上述した実施の形態のタイプに限定されるもの
ではなく、例えば負荷転動体転動溝が片側二条以外のも
のでもよいし、転動体がボールではなく例えばころであ
ってもよい。なお、上記実施の形態では、グリースニッ
プルを設けないこととしているが、例えば補強板10,
潤滑剤含有部材11,サイドシール12のそれぞれの連
結部10C,11C,12Cにグリースニップル取付孔
を形成し、通常はグリースニップル取付孔は盲プラグで
塞ぎ、必要に応じて適時にここを開けてグリース等の潤
滑剤をスライダ内に供給するようにしても良い。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜3に係
る発明によれば、潤滑剤含有部材から経時的に徐々にし
み出す潤滑剤を、案内レールを介して転動体に供給する
ことができるから、転動体の滑らかな転がりを維持でき
るという効果がある。この場合、板状部材としてサイド
シールを用いたものにあっては、潤滑剤含有部材からの
潤滑剤によってサイドシールの案内レールとの接触面の
磨耗を低減でき、異物の転動体転動溝への進入が防止で
きて直動案内軸受装置の寿命をより増加させることがで
きる。
【0063】しかも、潤滑剤含有部材を案内レールに常
時接触させることができるから、潤滑剤含有部材からし
み出た潤滑剤を、安定的に案内レールを介して転動体に
供給することができ、転動体の滑らかな転がりをより確
実に維持できるという効果がある。請求項4に係る発明
によれば、潤滑剤含有部材は案内レールに安定的に接触
させることができるから、さらに安定的に潤滑剤を案内
レールを介して転動体に供給することができるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の直動案内軸受装置
の斜視図である。
【図2】直動案内軸受装置端部の各部材の取り付け状態
を示す斜視図である。
【図3】第1の実施の形態の潤滑剤含有部材の構成を示
す図である。
【図4】リング状部材の構成を示す図である。
【図5】リング状部材を取り付けた状態での潤滑剤含有
部材の側面図である。
【図6】弾性体の構成を示す図である。
【図7】作用の説明図である。
【図8】作用の説明図である。
【図9】案内レールを跨いだ状態の潤滑剤含有部材の正
面図である。
【図10】第2の実施の形態の潤滑剤含有部材の構成を
示す図である。
【図11】第3の実施の形態の潤滑剤含有部材の構成を
示す図である。
【図12】第3の実施の形態の弾性体の構成を示す図で
ある。
【図13】第3の実施の形態の組み付け状態を説明する
図である。
【図14】第3の実施の形態の直動案内軸受装置の斜視
図である。
【図15】第4の実施の形態の潤滑剤含有部材を示す正
面図である。
【図16】第5の実施の形態の潤滑剤含有部材の構成を
示す図である。
【図17】第5の実施の形態の弾性体の構成を示す図で
ある。
【図18】第5の実施の形態の組み付け状態を説明する
図である。
【図19】第6の実施の形態の潤滑剤含有部材を示す正
面図である。
【図20】第6の実施の形態の弾性体の構成を示す図で
ある。
【図21】第6の実施の形態の組み付け状態を説明する
図である。
【図22】第7の実施の形態の構成を示す正面図であ
る。
【符号の説明】
1 案内レール 1a 上面 1b 側面 2 スライダ 2A 本体 2B エンドキャップ 3A,3B 転動体転動溝 10 補強板(板状部材) 11 潤滑剤含有部材 11A,11B 袖部 11C 連結部 11a,11b 貫通孔 12 サイドシール(板状部材) 13 リップ部 15A,15B リング状部材 17A,17B 取付用ネジ 20A,20B 切欠き 31,34,38 弾性体 40,43A,43B コイルスプリング(弾性体)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外面に転動体転動溝を有して軸方向に延
    びる案内レールにスライダが遊嵌され、該スライダは前
    記案内レールの転動体転動溝に対向する負荷転動体転動
    溝及びこの負荷転動体転動溝の両端部に湾曲路を介して
    連結された転動体戻し路からなる転動体循環路を備え、
    該転動体循環路に前記案内レールに沿って前記スライダ
    を相対移動させる多数の転動体が装填された直動案内軸
    受装置において、 潤滑剤含有のゴム又は合成樹脂からなり且つ前記案内レ
    ールを跨ぐほぼコ字形の潤滑剤含有部材を、前記スライ
    ダの端部に、該スライダの端面と板状部材との間に挟み
    込み且つ前記潤滑剤含有部材の少なくとも一部が前記案
    内レールに接触した状態で取り付けるとともに、前記潤
    滑剤含有部材のコ字形の両袖部には前記スライダに前記
    潤滑剤含有部材を固定するための孔又は切欠きを形成
    し、該孔又は切欠きに中空のリング状部材を挿入し、且
    つ、前記潤滑剤含有部材に、前記潤滑剤含有部材のコ字
    形の両袖部内側面を前記案内レールに押し付ける弾性力
    を発生させる弾性体を嵌め込んだことを特徴とする直動
    案内軸受装置。
  2. 【請求項2】 前記スライダの端面と前記潤滑剤含有部
    材との間に、他の板状部材を挟み込んだ請求項1記載の
    直動案内軸受装置。
  3. 【請求項3】 前記リング状部材の厚さを、前記潤滑剤
    含有部材の厚さより厚くしたことを特徴とする請求項1
    又は請求項2記載の直動案内軸受装置。
  4. 【請求項4】 前記潤滑剤含有部材に外力を与えていな
    い状態で、その潤滑剤含有部材のコ字形の凹部内底面
    を、袖部側よりも中央部が突き出る円弧形状とした請求
    項1乃至請求項3のいずれかに記載の直動案内軸受装
    置。
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