JPH09105416A - リニアガイド装置のシール装置 - Google Patents
リニアガイド装置のシール装置Info
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- JPH09105416A JPH09105416A JP26332395A JP26332395A JPH09105416A JP H09105416 A JPH09105416 A JP H09105416A JP 26332395 A JP26332395 A JP 26332395A JP 26332395 A JP26332395 A JP 26332395A JP H09105416 A JPH09105416 A JP H09105416A
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- rolling element
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Abstract
(57)【要約】
【課題】リニアガイド装置のスライダに装着して用いら
れる、案内レールの被シール面に対するシール性と自己
潤滑性とを兼ね備えたシール装置を提供する。 【解決手段】シール装置を、予め潤滑剤を含有せしめた
ポリオレフィン系ポリマを材料とする成形品とし、被シ
ール面である案内レールの上面、側面及び転動体転動溝
に対向する内面40aの少なくとも一部に、前記案内レ
ールの被シール面に対してマイナスすき間(即ち締め
代)を有して案内レール被シール面の形状に沿わせた屈
曲自在の連続した突起部42を形成した。スライダの往
復相対移動に際して当該突起部42が屈曲変形してシー
ルの締め代を確保すると共に、含有潤滑剤が突起部42
から案内レールの被シール面にしみ出して潤滑する。
れる、案内レールの被シール面に対するシール性と自己
潤滑性とを兼ね備えたシール装置を提供する。 【解決手段】シール装置を、予め潤滑剤を含有せしめた
ポリオレフィン系ポリマを材料とする成形品とし、被シ
ール面である案内レールの上面、側面及び転動体転動溝
に対向する内面40aの少なくとも一部に、前記案内レ
ールの被シール面に対してマイナスすき間(即ち締め
代)を有して案内レール被シール面の形状に沿わせた屈
曲自在の連続した突起部42を形成した。スライダの往
復相対移動に際して当該突起部42が屈曲変形してシー
ルの締め代を確保すると共に、含有潤滑剤が突起部42
から案内レールの被シール面にしみ出して潤滑する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械,産業機
械等に用いられるリニアガイド装置のシール装置の改良
に関する。
械等に用いられるリニアガイド装置のシール装置の改良
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的に使用されるリニアガイド
装置としては、例えば図15に示すように、外面に転動
体転動溝3を有して軸方向に延びる案内レール1と、そ
の案内レール1を跨いで組み付けられたスライダ2を備
えたものが知られている。スライダ2はスライダ本体2
Aとその両端部に取り付けられたエンドキャップ2Bと
からなり、スライダ本体2Aは両袖部4の内側面に案内
レール1の転動体転動溝3に対向する図示されない転動
体転動溝を有するとともに、袖部の肉厚部分を軸方向に
貫通する図外の転動体戻し路を有している。一方、エン
ドキャップ2Bは、スライダ本体2Aの転動体転動溝と
これに平行な転動体戻し路とを連通させる図示されない
湾曲路を有しており、それらの転動体転動溝と転動体戻
し路と両端の湾曲路とで転動体の循環回路が形成されて
いる。その転動体の循環回路内には例えば鋼球からなる
多数の転動体が装填されている。
装置としては、例えば図15に示すように、外面に転動
体転動溝3を有して軸方向に延びる案内レール1と、そ
の案内レール1を跨いで組み付けられたスライダ2を備
えたものが知られている。スライダ2はスライダ本体2
Aとその両端部に取り付けられたエンドキャップ2Bと
からなり、スライダ本体2Aは両袖部4の内側面に案内
レール1の転動体転動溝3に対向する図示されない転動
体転動溝を有するとともに、袖部の肉厚部分を軸方向に
貫通する図外の転動体戻し路を有している。一方、エン
ドキャップ2Bは、スライダ本体2Aの転動体転動溝と
これに平行な転動体戻し路とを連通させる図示されない
湾曲路を有しており、それらの転動体転動溝と転動体戻
し路と両端の湾曲路とで転動体の循環回路が形成されて
いる。その転動体の循環回路内には例えば鋼球からなる
多数の転動体が装填されている。
【0003】案内レール1に組み付けたスライダ2は、
対向する両転動体転動溝内の転動体の転動を介して案内
レールに沿い滑らかに移動し、その移動中、転動体はス
ライダ内の転動体循環路を無限循環する。前記のスライ
ダ2には、案内レール1との間のすき間の開口をシール
する防塵用シール装置として、図16に示すように両端
(各エンドキャップ2Bの端面)にシール装置であるサ
イドシール5、下面にアンダーシール6が装着されてい
る。これら従来のシールは、一般的にはNBR(アクリ
ロニトリルブタジエンゴム)などのゴム製のものが用い
られている。
対向する両転動体転動溝内の転動体の転動を介して案内
レールに沿い滑らかに移動し、その移動中、転動体はス
ライダ内の転動体循環路を無限循環する。前記のスライ
ダ2には、案内レール1との間のすき間の開口をシール
する防塵用シール装置として、図16に示すように両端
(各エンドキャップ2Bの端面)にシール装置であるサ
イドシール5、下面にアンダーシール6が装着されてい
る。これら従来のシールは、一般的にはNBR(アクリ
ロニトリルブタジエンゴム)などのゴム製のものが用い
られている。
【0004】ところで、このような従来のリニアガイド
装置の潤滑に関しては、通常、スライダ2に取り付けた
グリースニップル7からグリースや潤滑油が転動体の循
環回路に供給され、転動する転動体の潤滑が行われてい
た。しかしながら、このように潤滑油またはグリースを
そのまま直接に用いる潤滑方式のリニアガイド装置で
は、特に高温環境で使用されるような場合に、スライダ
内に充填されているそれら潤滑剤が流動して外部に流出
してしまうため消耗が早く、短期間に補給を繰り返さな
ければならない。この点を改善するため、本出願人は先
に、潤滑剤含有ポリマ部材からなるシール装置について
出願した(特開平6−346919号)。このものは、
リニアガイド装置のスライダに装着するサイドシールや
アンダーシール等のシール部材を潤滑剤含有のゴムまた
は合成樹脂により形成して自己潤滑性を付与したもので
あり、そのシール部材(潤滑油含有ポリマ部材)から長
期間にわたって連続的にしみだす潤滑剤が自動的にスラ
イダの転動体循環回路に供給されるものである。
装置の潤滑に関しては、通常、スライダ2に取り付けた
グリースニップル7からグリースや潤滑油が転動体の循
環回路に供給され、転動する転動体の潤滑が行われてい
た。しかしながら、このように潤滑油またはグリースを
そのまま直接に用いる潤滑方式のリニアガイド装置で
は、特に高温環境で使用されるような場合に、スライダ
内に充填されているそれら潤滑剤が流動して外部に流出
してしまうため消耗が早く、短期間に補給を繰り返さな
ければならない。この点を改善するため、本出願人は先
に、潤滑剤含有ポリマ部材からなるシール装置について
出願した(特開平6−346919号)。このものは、
リニアガイド装置のスライダに装着するサイドシールや
アンダーシール等のシール部材を潤滑剤含有のゴムまた
は合成樹脂により形成して自己潤滑性を付与したもので
あり、そのシール部材(潤滑油含有ポリマ部材)から長
期間にわたって連続的にしみだす潤滑剤が自動的にスラ
イダの転動体循環回路に供給されるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の自己潤滑性を有するシール装置であっても、
なお以下のような未解決の課題がある。 特に、シール部材を潤滑剤含有の合成樹脂で形成した
場合は、ゴムなどと違ってそれ自体の弾性率が高いの
で、シール装置に必要とされる「案内レールとのすき間
ゼロ」を実現するためには、案内レールの被シール面
と、これに接触するシール装置の内周面との間隔をゼロ
にする、換言すれば、シール装置の内周面を案内レール
の被シール面と同一形状・寸法に形成する必要があっ
た。これはしかし、実際問題としては非常に難しい。因
みに、ゴム材は弾性率が低いので、シール装置のシール
部材を潤滑剤含有のゴムを用いて形成した場合には、被
シール面に対しシールリップに締め代を設けて(すなわ
ちマイナスすき間にして)もシールリップは自由に変形
可能であるから、「案内レールとのすき間ゼロ」は容易
に実現する。
うな従来の自己潤滑性を有するシール装置であっても、
なお以下のような未解決の課題がある。 特に、シール部材を潤滑剤含有の合成樹脂で形成した
場合は、ゴムなどと違ってそれ自体の弾性率が高いの
で、シール装置に必要とされる「案内レールとのすき間
ゼロ」を実現するためには、案内レールの被シール面
と、これに接触するシール装置の内周面との間隔をゼロ
にする、換言すれば、シール装置の内周面を案内レール
の被シール面と同一形状・寸法に形成する必要があっ
た。これはしかし、実際問題としては非常に難しい。因
みに、ゴム材は弾性率が低いので、シール装置のシール
部材を潤滑剤含有のゴムを用いて形成した場合には、被
シール面に対しシールリップに締め代を設けて(すなわ
ちマイナスすき間にして)もシールリップは自由に変形
可能であるから、「案内レールとのすき間ゼロ」は容易
に実現する。
【0006】また、仮に「案内レールとのすき間ゼ
ロ」の潤滑剤含有合成樹脂製のシール装置を形成できた
としても、リニアガイド装置の作動に伴って含有の潤滑
剤が徐々に滲みだすとシール装置自体に収縮が生じて、
初めはすき間ゼロに形成されていても使用時間の経過と
ともに次第にすき間を生じるようになるから、その結果
シール性能が低下してしまう。
ロ」の潤滑剤含有合成樹脂製のシール装置を形成できた
としても、リニアガイド装置の作動に伴って含有の潤滑
剤が徐々に滲みだすとシール装置自体に収縮が生じて、
初めはすき間ゼロに形成されていても使用時間の経過と
ともに次第にすき間を生じるようになるから、その結果
シール性能が低下してしまう。
【0007】そこで、本発明は、上記従来の未解決の課
題に着目してなされたものであり、案内レールの被シー
ル面に接触する潤滑材含有材料からなるシール装置の内
周面の少なくとも一部に、当該被シール面に対してマイ
ナスすき間になるような連続した突起部を設けることに
より、シール性を向上させたリニアガイド装置のシール
装置を提供することを目的とする。
題に着目してなされたものであり、案内レールの被シー
ル面に接触する潤滑材含有材料からなるシール装置の内
周面の少なくとも一部に、当該被シール面に対してマイ
ナスすき間になるような連続した突起部を設けることに
より、シール性を向上させたリニアガイド装置のシール
装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明は、軸方向の転動体転動溝を有する案内レールと、
該案内レールの転動体転動溝に対向する転動体転動溝を
有しかつこの溝に平行な転動体戻り通路及びこの通路と
前記溝とを連通させる湾曲路を有し前記対向する転動体
転動溝内を転動する多数の転動体の転動により前記案内
レールに案内されて相対移動するスライダよりなるリニ
アガイド装置の前記スライダに取付けられ、スライダ内
面と案内レールの外面との間のすき間をシールするリニ
アガイド装置のシール装置において、前記シール装置
は、予め潤滑剤を含有せしめたポリオレフィン系ポリマ
からなり、前記案内レールの外面と対向する内面の少な
くとも一部に、前記案内レール外面に対してマイナスす
き間を有して案内レール外面形状に沿う屈曲自在の連続
した突起部を備えていることを特徴とする。
発明は、軸方向の転動体転動溝を有する案内レールと、
該案内レールの転動体転動溝に対向する転動体転動溝を
有しかつこの溝に平行な転動体戻り通路及びこの通路と
前記溝とを連通させる湾曲路を有し前記対向する転動体
転動溝内を転動する多数の転動体の転動により前記案内
レールに案内されて相対移動するスライダよりなるリニ
アガイド装置の前記スライダに取付けられ、スライダ内
面と案内レールの外面との間のすき間をシールするリニ
アガイド装置のシール装置において、前記シール装置
は、予め潤滑剤を含有せしめたポリオレフィン系ポリマ
からなり、前記案内レールの外面と対向する内面の少な
くとも一部に、前記案内レール外面に対してマイナスす
き間を有して案内レール外面形状に沿う屈曲自在の連続
した突起部を備えていることを特徴とする。
【0009】本発明のリニアガイド装置のシール装置
は、案内レールの被シール面に接触した潤滑剤含有ポリ
マ部材からなる内周面の前記突起部から潤滑剤が経時的
に徐々にしみ出して、案内レールを介して自動的に転動
体の面に均一に供給される。そのため、長期間にわたっ
て安定した潤滑が行われる。また、前記シール装置の内
面に備えた連続する突起部は、当該内面の厚み方向に少
なくとも一条以上形成されているが、細くてスライダの
相対移動方向に屈曲自在であり、かつ案内レールの被シ
ール外面に対してマイナスすき間になっていることか
ら、その突起部が「案内レールとのすき間ゼロ」になる
ように適当に屈曲してシール性を維持する。したがっ
て、長期間の走行後もなお、シール装置自体の収縮分を
も補って良好なシール性能を保つことができるのであ
る。
は、案内レールの被シール面に接触した潤滑剤含有ポリ
マ部材からなる内周面の前記突起部から潤滑剤が経時的
に徐々にしみ出して、案内レールを介して自動的に転動
体の面に均一に供給される。そのため、長期間にわたっ
て安定した潤滑が行われる。また、前記シール装置の内
面に備えた連続する突起部は、当該内面の厚み方向に少
なくとも一条以上形成されているが、細くてスライダの
相対移動方向に屈曲自在であり、かつ案内レールの被シ
ール外面に対してマイナスすき間になっていることか
ら、その突起部が「案内レールとのすき間ゼロ」になる
ように適当に屈曲してシール性を維持する。したがっ
て、長期間の走行後もなお、シール装置自体の収縮分を
も補って良好なシール性能を保つことができるのであ
る。
【0010】以下に、本発明のリニアガイド装置のシー
ル装置の材料について詳しく説明する。本発明のシール
装置に使用する潤滑剤含有ポリマ部材は、ポリエチレ
ン,ポリプロピレン,ポリブチレン,ポリメチルペンテ
ン等の基本的に同じ化学構造を有するポリオレフィン系
ポリマーの群から選定したポリマに、潤滑剤としてポリ
α−オレフィン油のようなパラフィン系炭化水素油、ナ
フテン系炭化水素油、鉱油、ジアルキルジフェニルエー
テル油のようなエーテル油、フタル酸エステル,トリメ
リット酸エステルのようなエステル油等の何れかを混合
して射出成形機で成形したものであり、予め酸化防止
剤,錆止め剤,摩耗防止剤,あわ消し剤,極圧剤,紫外
線吸収剤等の各種の添加剤を加えたものでもよい。
ル装置の材料について詳しく説明する。本発明のシール
装置に使用する潤滑剤含有ポリマ部材は、ポリエチレ
ン,ポリプロピレン,ポリブチレン,ポリメチルペンテ
ン等の基本的に同じ化学構造を有するポリオレフィン系
ポリマーの群から選定したポリマに、潤滑剤としてポリ
α−オレフィン油のようなパラフィン系炭化水素油、ナ
フテン系炭化水素油、鉱油、ジアルキルジフェニルエー
テル油のようなエーテル油、フタル酸エステル,トリメ
リット酸エステルのようなエステル油等の何れかを混合
して射出成形機で成形したものであり、予め酸化防止
剤,錆止め剤,摩耗防止剤,あわ消し剤,極圧剤,紫外
線吸収剤等の各種の添加剤を加えたものでもよい。
【0011】上記潤滑剤含有ポリマ部材の組成比は、全
重量に対してポリオレフィン系ポリマー20〜90重量
%、潤滑剤80〜10重量%である。ポリオレフィン系
ポリマーが20重量%未満の場合は、シールとして必要
な硬さ・強度等が得られない。また、ポリオレフィン系
ポリマーが90重量%を越える場合(潤滑剤が10重量
%未満の場合)は、潤滑剤の供給が少なくなり、リニア
ガイド装置自体の潤滑不良が生じる。
重量に対してポリオレフィン系ポリマー20〜90重量
%、潤滑剤80〜10重量%である。ポリオレフィン系
ポリマーが20重量%未満の場合は、シールとして必要
な硬さ・強度等が得られない。また、ポリオレフィン系
ポリマーが90重量%を越える場合(潤滑剤が10重量
%未満の場合)は、潤滑剤の供給が少なくなり、リニア
ガイド装置自体の潤滑不良が生じる。
【0012】上記ポリマーの群は、基本構造は同じでそ
の平均分子量が異なっており、1×103 〜5×106
の範囲におよんでいる。その中で、平均分子量1×10
3 〜1×106 という比較的低分子量のものと、1×1
06 〜5×106 という超高分子量のものとを、単独も
しくは必要に応じて混合して用いる。本発明の潤滑剤含
有ポリマ部材の機械的強度を向上させるため、上述のポ
リオレフィン系ポリマーに、以下のような熱可塑性樹脂
および熱硬化性樹脂を添加したものでもよい。
の平均分子量が異なっており、1×103 〜5×106
の範囲におよんでいる。その中で、平均分子量1×10
3 〜1×106 という比較的低分子量のものと、1×1
06 〜5×106 という超高分子量のものとを、単独も
しくは必要に応じて混合して用いる。本発明の潤滑剤含
有ポリマ部材の機械的強度を向上させるため、上述のポ
リオレフィン系ポリマーに、以下のような熱可塑性樹脂
および熱硬化性樹脂を添加したものでもよい。
【0013】熱可塑性樹脂としては、ポリアミド,ポリ
カーボネート,ポリブチレンテレフタレート,ポリフェ
ニレンサルファイド,ポリエーテルスルホン,ポリエー
テルエーテルケトン,ポリアミドイミド,ポリスチレ
ン,ABS樹脂等の各樹脂を使用することができる。熱
硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂,尿素樹
脂,メラミン樹脂,フェノール樹脂,ポリイミド樹脂,
エポキシ樹脂等の各樹脂を使用することができる。
カーボネート,ポリブチレンテレフタレート,ポリフェ
ニレンサルファイド,ポリエーテルスルホン,ポリエー
テルエーテルケトン,ポリアミドイミド,ポリスチレ
ン,ABS樹脂等の各樹脂を使用することができる。熱
硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂,尿素樹
脂,メラミン樹脂,フェノール樹脂,ポリイミド樹脂,
エポキシ樹脂等の各樹脂を使用することができる。
【0014】これらの樹脂は、単独または混合して用い
ても良い。更に、ポリオレフィン系ポリマーとそれ以外
の樹脂とを、より均一な状態で分散させるために、必要
に応じて適当な相溶化剤を加えてあっても良い。
ても良い。更に、ポリオレフィン系ポリマーとそれ以外
の樹脂とを、より均一な状態で分散させるために、必要
に応じて適当な相溶化剤を加えてあっても良い。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面を参照して説明する。なお、従来と同一部分には同一
の符号を付してある。図1は本発明のシール装置40を
装着したリニアガイド装置の全体斜視図、図2はそのエ
ンドキャップ2Bを取り外して示す正面図、図3はエン
ドキャップ2Bの背面図である。
面を参照して説明する。なお、従来と同一部分には同一
の符号を付してある。図1は本発明のシール装置40を
装着したリニアガイド装置の全体斜視図、図2はそのエ
ンドキャップ2Bを取り外して示す正面図、図3はエン
ドキャップ2Bの背面図である。
【0016】図に示すように、角形の案内レール1上に
横断面形状がほぼコ字形のスライダ2が軸方向に相対移
動可能に跨架されている。スライダ2の本体2Aの軸方
向の両端部にはエンドキャップ2Bが着脱可能に固着さ
れている。この実施例の場合、案内レール1の上面1a
と両側面1bが交叉する稜線部に、断面ほぼ1/4円弧
形状の軸方向の凹溝からなる一方の転動体転動溝13が
形成されると共に、案内レールの両側面1b中間位置に
断面ほぼ半円形の他方の転動体転動溝3が形成されてい
る。転動体転動溝3の溝底には、スライダ2を案内レー
ル1に組み付けない状態での転動体Bの脱落を防ぐ保持
器14の逃げ溝16が形成されている。
横断面形状がほぼコ字形のスライダ2が軸方向に相対移
動可能に跨架されている。スライダ2の本体2Aの軸方
向の両端部にはエンドキャップ2Bが着脱可能に固着さ
れている。この実施例の場合、案内レール1の上面1a
と両側面1bが交叉する稜線部に、断面ほぼ1/4円弧
形状の軸方向の凹溝からなる一方の転動体転動溝13が
形成されると共に、案内レールの両側面1b中間位置に
断面ほぼ半円形の他方の転動体転動溝3が形成されてい
る。転動体転動溝3の溝底には、スライダ2を案内レー
ル1に組み付けない状態での転動体Bの脱落を防ぐ保持
器14の逃げ溝16が形成されている。
【0017】これに対して、スライダ2の本体2Aの両
袖部4の内側のコーナ部に、案内レール1の一方の転動
体転動溝13に対向する断面ほぼ半円形の負荷転動体転
動溝18が形成され、スライダ袖部4の内側面の中央部
に案内レール1の他方の転動体転動溝3に対向する断面
ほぼ半円形の負荷転動体転動溝19が形成されている。
上記の案内レールの転動体転動溝13とスライダの負荷
転動体転動溝18とで負荷転動体転動路21が構成さ
れ、案内レールの転動体転動溝3とスライダの負荷転動
体転動溝19とで負荷転動体転動路22が構成されてい
る。
袖部4の内側のコーナ部に、案内レール1の一方の転動
体転動溝13に対向する断面ほぼ半円形の負荷転動体転
動溝18が形成され、スライダ袖部4の内側面の中央部
に案内レール1の他方の転動体転動溝3に対向する断面
ほぼ半円形の負荷転動体転動溝19が形成されている。
上記の案内レールの転動体転動溝13とスライダの負荷
転動体転動溝18とで負荷転動体転動路21が構成さ
れ、案内レールの転動体転動溝3とスライダの負荷転動
体転動溝19とで負荷転動体転動路22が構成されてい
る。
【0018】また、スライダ本体2Aの肉厚の袖部4の
上部には、負荷転動体転動溝18に平行な軸方向の断面
円形の貫通孔からなる転動体戻し路23が形成され、袖
部4の下部に、転動体転動溝3に平行する同様の軸方向
貫通孔からなる転動体戻し路24が形成されている。2
5はエンドキャップ2B取付け用のねじ穴である。エン
ドキャップ2Bは、合成樹脂材の射出成形品で、断面ほ
ぼコ字状に形成されている。そして、スライダ本体2A
との当接面(裏面)2Bb には、図3に示すように、両
袖部分に斜めに傾斜した半円状の上凹部31と下凹部3
2が上下に形成されるとともに、各半円状の凹部31,
32の中心部を横断して半円柱状の凹溝33が設けてあ
る。その半円柱状の凹溝33に、図示しない半円筒状の
リターンガイドを嵌合することにより、エンドキャップ
2Bの裏面には半ドーナツ状の湾曲路が上下二段に形成
される。なお、34はサイドシール取付け用ネジB1の
貫通孔である。そのエンドキャップ2Bをスライダ本体
2Aに取り付け、前記半ドーナツ状の湾曲路で、スライ
ダ本体2Aの負荷転動体転動溝18と転動体戻し路23
とを連通させる。下段の負荷転動体転動溝19と転動体
戻し路24も同様に連通させる。
上部には、負荷転動体転動溝18に平行な軸方向の断面
円形の貫通孔からなる転動体戻し路23が形成され、袖
部4の下部に、転動体転動溝3に平行する同様の軸方向
貫通孔からなる転動体戻し路24が形成されている。2
5はエンドキャップ2B取付け用のねじ穴である。エン
ドキャップ2Bは、合成樹脂材の射出成形品で、断面ほ
ぼコ字状に形成されている。そして、スライダ本体2A
との当接面(裏面)2Bb には、図3に示すように、両
袖部分に斜めに傾斜した半円状の上凹部31と下凹部3
2が上下に形成されるとともに、各半円状の凹部31,
32の中心部を横断して半円柱状の凹溝33が設けてあ
る。その半円柱状の凹溝33に、図示しない半円筒状の
リターンガイドを嵌合することにより、エンドキャップ
2Bの裏面には半ドーナツ状の湾曲路が上下二段に形成
される。なお、34はサイドシール取付け用ネジB1の
貫通孔である。そのエンドキャップ2Bをスライダ本体
2Aに取り付け、前記半ドーナツ状の湾曲路で、スライ
ダ本体2Aの負荷転動体転動溝18と転動体戻し路23
とを連通させる。下段の負荷転動体転動溝19と転動体
戻し路24も同様に連通させる。
【0019】上記の負荷転動体転動溝18(19),転
動体戻し路23(24)及びその両端の湾曲路で転動体
無限循環経路が構成され、その経路内に多数の転動体B
が転動自在に挿入されている。続いて、上記のリニアガ
イド装置のスライダ2と案内レール1との間のすき間の
前後両サイドの開口をシールするシール装置について述
べる。
動体戻し路23(24)及びその両端の湾曲路で転動体
無限循環経路が構成され、その経路内に多数の転動体B
が転動自在に挿入されている。続いて、上記のリニアガ
イド装置のスライダ2と案内レール1との間のすき間の
前後両サイドの開口をシールするシール装置について述
べる。
【0020】図4ないし図7はそのシール装置であるサ
イドシールの第1の実施の形態を示すもので、図4は正
面図、図5は背面(スライダ2への取付け面)図、図6
は図4のVI−VI線断面図、図7はサイドシールの取付け
態様を示す分解斜視図である。本実施の形態のサイドシ
ール40は、低分子量ポリエチレン(三菱油化製,PZ
50U)21重量%と超高分子量ポリエチレン(三井石
油化学製,ミペロンXM220)9重量%からなるポリ
エチレンに、潤滑剤としてパラフィン系鉱油(日本石油
製,FBK RO100)70重量%を含有させたもの
を原料とし、これを射出成形機を用い一度可塑化(溶
解)させた後、所定の金型に注入して加圧しつつ冷却固
化させて成形されたものである。
イドシールの第1の実施の形態を示すもので、図4は正
面図、図5は背面(スライダ2への取付け面)図、図6
は図4のVI−VI線断面図、図7はサイドシールの取付け
態様を示す分解斜視図である。本実施の形態のサイドシ
ール40は、低分子量ポリエチレン(三菱油化製,PZ
50U)21重量%と超高分子量ポリエチレン(三井石
油化学製,ミペロンXM220)9重量%からなるポリ
エチレンに、潤滑剤としてパラフィン系鉱油(日本石油
製,FBK RO100)70重量%を含有させたもの
を原料とし、これを射出成形機を用い一度可塑化(溶
解)させた後、所定の金型に注入して加圧しつつ冷却固
化させて成形されたものである。
【0021】図示のサイドシール40は、エンドキャッ
プ2Bの外形に合わせた略コ字形状で所定の厚みを有
し、その凹部の内面40aの形状は案内レール1の横断
面の外形形状に一致している。すなわち、凹部の内面4
0aは、案内レール1の上面1a及び及び側面1bに沿
う形状に形成されるとともに、案内レール1の上の転動
体転動溝13に対応する突部41a、下の転動体転動溝
3に対応する突部41b及び保持器逃げ溝16に対応す
る突部41cがそれぞれ形成されて、案内レール1の横
断面外形形状に整合させてある。
プ2Bの外形に合わせた略コ字形状で所定の厚みを有
し、その凹部の内面40aの形状は案内レール1の横断
面の外形形状に一致している。すなわち、凹部の内面4
0aは、案内レール1の上面1a及び及び側面1bに沿
う形状に形成されるとともに、案内レール1の上の転動
体転動溝13に対応する突部41a、下の転動体転動溝
3に対応する突部41b及び保持器逃げ溝16に対応す
る突部41cがそれぞれ形成されて、案内レール1の横
断面外形形状に整合させてある。
【0022】このような形状の内面40aは、図6の断
面図に示すように、サイドシールの厚み方向に大部分が
平坦面とされ、当該内面平坦面と前記レール外形面との
間には大きさ0〜0.5mmの範囲すき間が設定されて
いる。そして、平坦な内面40aのサイドシール40の
表面40b側の端縁には、断面三角形の突起部42が内
方に突き出して前記レール外面と摺接可能に突設されて
いる。
面図に示すように、サイドシールの厚み方向に大部分が
平坦面とされ、当該内面平坦面と前記レール外形面との
間には大きさ0〜0.5mmの範囲すき間が設定されて
いる。そして、平坦な内面40aのサイドシール40の
表面40b側の端縁には、断面三角形の突起部42が内
方に突き出して前記レール外面と摺接可能に突設されて
いる。
【0023】上記三角形の突起部42の断面形状は、図
6に示すように先端が尖った三角形が好ましい。その先
端角度αの大きさは30°以上120°以下、好ましく
は45°以上90°以下である。αが30°未満では、
突起根元の強度が弱くなり、リニアガイド装置の作動に
より破損し易い。一方、αが120°を越えると先端部
が自在に屈曲しにくくなって作動性が悪くなる。この第
1の実施の形態では、α=60°に設定した。
6に示すように先端が尖った三角形が好ましい。その先
端角度αの大きさは30°以上120°以下、好ましく
は45°以上90°以下である。αが30°未満では、
突起根元の強度が弱くなり、リニアガイド装置の作動に
より破損し易い。一方、αが120°を越えると先端部
が自在に屈曲しにくくなって作動性が悪くなる。この第
1の実施の形態では、α=60°に設定した。
【0024】いま、突起部42の先端から内面40aの
平坦面まで距離(すなわち突起部42の長さ)をy、該
平坦面と案内レール1の外面との距離(すき間)をxと
すると、すき間xの大きさは次の範囲に設定するのが良
い。 0≦x≦0.5 [ mm ] これはサイドシール40から案内レール外面への潤滑剤
の供給能力を考慮したものであり、xが0.5mmを越
える場合は潤滑剤供給量が不足し、スライダ2の内部に
グリース等の潤滑剤が充填されていない場合はリニアガ
イド装置が潤滑不良になる。この第1の実施の形態では
すき間x=0.1mmに設定した。
平坦面まで距離(すなわち突起部42の長さ)をy、該
平坦面と案内レール1の外面との距離(すき間)をxと
すると、すき間xの大きさは次の範囲に設定するのが良
い。 0≦x≦0.5 [ mm ] これはサイドシール40から案内レール外面への潤滑剤
の供給能力を考慮したものであり、xが0.5mmを越
える場合は潤滑剤供給量が不足し、スライダ2の内部に
グリース等の潤滑剤が充填されていない場合はリニアガ
イド装置が潤滑不良になる。この第1の実施の形態では
すき間x=0.1mmに設定した。
【0025】また、上記突起部42の長さyは、xに対
する比率を次のような範囲に設定するのが良い。 1.1≦y/x≦5 y/xの値が1.1未満であると締め代が不足し、シー
ル性が低下する。一方、y/xの値が5を越えると締め
代が過大となり、作動性が悪くなる。この第1の実施の
形態では、突起部42の長さy=0.4 mmであり、した
がってy/xは0.4 /0.1 =4 である。このように、サ
イドシール40の内面40aの平坦面と案内レール1の
外面とのすき間xに対する突起部42の長さyの比率y
/xを1.1以上に設定したことにより、突起部42は
案内レール外面に対してマイナスすき間(締め代)を有
して案内レール外面形状に沿う屈曲自在の連続したもの
となる。
する比率を次のような範囲に設定するのが良い。 1.1≦y/x≦5 y/xの値が1.1未満であると締め代が不足し、シー
ル性が低下する。一方、y/xの値が5を越えると締め
代が過大となり、作動性が悪くなる。この第1の実施の
形態では、突起部42の長さy=0.4 mmであり、した
がってy/xは0.4 /0.1 =4 である。このように、サ
イドシール40の内面40aの平坦面と案内レール1の
外面とのすき間xに対する突起部42の長さyの比率y
/xを1.1以上に設定したことにより、突起部42は
案内レール外面に対してマイナスすき間(締め代)を有
して案内レール外面形状に沿う屈曲自在の連続したもの
となる。
【0026】以上のように、サイドシール40の内面4
0aの形状・寸法を規定することにより、突起部42は
自在に屈曲して変形可能となり、その結果、高弾性率の
ポリオレフィン系ポリマを用いて締め代を有する「案内
レールとのすき間ゼロ」を実現できるシール装置を容易
に形成することが可能になった。なお、以上のような内
面形状を有するサイドシール40には、その両袖部43
A,43Bに、スライダのエンドキャップ2Bへの取付
ネジの貫通用の貫通孔44A,44Bが形成されるとと
もに、それら両袖部43A,43Bを連結する連結部4
3Cには、グリースニップル用の貫通孔44Cが形成さ
れている。それらの貫通孔44A,44Bのそれぞれは
袖部43A,43Bの外側面側に開放しており、貫通孔
44Cは連結部43Cの上面側に開放している。
0aの形状・寸法を規定することにより、突起部42は
自在に屈曲して変形可能となり、その結果、高弾性率の
ポリオレフィン系ポリマを用いて締め代を有する「案内
レールとのすき間ゼロ」を実現できるシール装置を容易
に形成することが可能になった。なお、以上のような内
面形状を有するサイドシール40には、その両袖部43
A,43Bに、スライダのエンドキャップ2Bへの取付
ネジの貫通用の貫通孔44A,44Bが形成されるとと
もに、それら両袖部43A,43Bを連結する連結部4
3Cには、グリースニップル用の貫通孔44Cが形成さ
れている。それらの貫通孔44A,44Bのそれぞれは
袖部43A,43Bの外側面側に開放しており、貫通孔
44Cは連結部43Cの上面側に開放している。
【0027】そして、サイドシール40の両袖部43
A,43Bに形成された貫通孔44A,44Bのそれぞ
れには、図7に示すように、リング状スリーブ部材45
A,45Bが嵌め込まれるようになっている。このリン
グ状スリーブ部材45A,45Bは短い円筒形状の部材
であり、その外径は、貫通孔44A,44Bに容易に嵌
め込める程度の寸法となっている。
A,43Bに形成された貫通孔44A,44Bのそれぞ
れには、図7に示すように、リング状スリーブ部材45
A,45Bが嵌め込まれるようになっている。このリン
グ状スリーブ部材45A,45Bは短い円筒形状の部材
であり、その外径は、貫通孔44A,44Bに容易に嵌
め込める程度の寸法となっている。
【0028】また、サイドシール40の連結部43Cに
形成された貫通孔44Cにも、同じくリング状(又は中
実円柱状)部材46が嵌め込まれるようになっている。
この部材46も、短い円筒形状の部材であるが、その外
径が貫通孔44Cの内径よりも大きくされて付勢手段と
して嵌め込まれる。この付勢手段としての部材46が、
サイドシール40を案内レール1を跨がせた状態で、貫
通孔44cを左右に押し広げることにより、袖部43A
及び43Bを案内レール1に押し付ける付勢力が発生す
る。このため、サイドシール40の寸法に若干の製造誤
差があっても、またサイドシール40が多少磨耗した
り、或いは潤滑剤のしみ出しで収縮しても、サイドシー
ル40をより確実に案内レール1の被シール面に常時密
着して接触させることができるのである。この場合、貫
通孔44Cの上面側を切り欠いて開放している構造は、
リング状部材による押し広げようとする力が袖部43A
及び43Bを案内レール1に押し付ける付勢力に変換さ
れる作用にとって、非常に有利となっている。
形成された貫通孔44Cにも、同じくリング状(又は中
実円柱状)部材46が嵌め込まれるようになっている。
この部材46も、短い円筒形状の部材であるが、その外
径が貫通孔44Cの内径よりも大きくされて付勢手段と
して嵌め込まれる。この付勢手段としての部材46が、
サイドシール40を案内レール1を跨がせた状態で、貫
通孔44cを左右に押し広げることにより、袖部43A
及び43Bを案内レール1に押し付ける付勢力が発生す
る。このため、サイドシール40の寸法に若干の製造誤
差があっても、またサイドシール40が多少磨耗した
り、或いは潤滑剤のしみ出しで収縮しても、サイドシー
ル40をより確実に案内レール1の被シール面に常時密
着して接触させることができるのである。この場合、貫
通孔44Cの上面側を切り欠いて開放している構造は、
リング状部材による押し広げようとする力が袖部43A
及び43Bを案内レール1に押し付ける付勢力に変換さ
れる作用にとって、非常に有利となっている。
【0029】さらに、上記リング状部スリーブ材及びリ
ング状部材の長さは、サイドシール40の厚さよりも、
若干(0.1 〜0.2 mm程度)長くなっている。つまり、
貫通孔44A〜44Cに嵌め込むと、それらのリング状
部材の端部がサイドシール40の表面又は裏面から僅か
に突出するようになっている。以上のように構成されて
いるサイドシール40は、図7に示すように補強板10
を重ねて補強され、スライダ2の端面に装着される。補
強板10は、エンドキャップ2Bの外形に合わせたほぼ
コ字形状の鋼板または合成樹脂板であり、その両袖部1
0A,10Bに取付ネジB1の貫通用の貫通孔10a,
10bが形成されるとともに、それら両袖部を連結する
連結部10Cには、グリースニップル7用の貫通孔10
cが形成されている。なお、この補強板10は、案内レ
ール1とは非接触である。
ング状部材の長さは、サイドシール40の厚さよりも、
若干(0.1 〜0.2 mm程度)長くなっている。つまり、
貫通孔44A〜44Cに嵌め込むと、それらのリング状
部材の端部がサイドシール40の表面又は裏面から僅か
に突出するようになっている。以上のように構成されて
いるサイドシール40は、図7に示すように補強板10
を重ねて補強され、スライダ2の端面に装着される。補
強板10は、エンドキャップ2Bの外形に合わせたほぼ
コ字形状の鋼板または合成樹脂板であり、その両袖部1
0A,10Bに取付ネジB1の貫通用の貫通孔10a,
10bが形成されるとともに、それら両袖部を連結する
連結部10Cには、グリースニップル7用の貫通孔10
cが形成されている。なお、この補強板10は、案内レ
ール1とは非接触である。
【0030】上記補強板10は、通常、サイドシール4
0の表面40b及び背面40cに重ねてサンドイッチ状
に挟むように組み付けるが、場合によっては、補強板を
サイドシール40の表面40bのみに重ね、サイドシー
ルの背面40cはエンドキャップ2Bの端面に直接当て
るようにしても良い。なおまた、サイドシール40の表
面40bに重ねる補強板に代えて、従来タイプのサイド
シール板5即ち鋼板に合成ゴム材を焼付け一体化したも
のを使用することもできる。
0の表面40b及び背面40cに重ねてサンドイッチ状
に挟むように組み付けるが、場合によっては、補強板を
サイドシール40の表面40bのみに重ね、サイドシー
ルの背面40cはエンドキャップ2Bの端面に直接当て
るようにしても良い。なおまた、サイドシール40の表
面40bに重ねる補強板に代えて、従来タイプのサイド
シール板5即ち鋼板に合成ゴム材を焼付け一体化したも
のを使用することもできる。
【0031】いずれにしても、これら補強板とサイドシ
ール40とは、エンドキャップ2Bのネジ貫通孔34を
貫通してスライダ本体2Aの取付用ネジ穴25に螺合す
る取付用ネジB1が、サイドシール40の貫通孔44
A,44B内側のリング状部材45A,45Bおよび補
強板10の貫通孔10a,10bを貫通することによ
り、エンドキャップ2Bと一体に重ねて本体2Aに固定
される。
ール40とは、エンドキャップ2Bのネジ貫通孔34を
貫通してスライダ本体2Aの取付用ネジ穴25に螺合す
る取付用ネジB1が、サイドシール40の貫通孔44
A,44B内側のリング状部材45A,45Bおよび補
強板10の貫通孔10a,10bを貫通することによ
り、エンドキャップ2Bと一体に重ねて本体2Aに固定
される。
【0032】次に、本実施の形態の作用を説明する。機
台に固定した案内レール1上をスライダ2が移動する
と、スライダ2内の転動体Bは負荷転動体転動路21,
22内を転動しつつスライダ2の移動方向にスライダ2
より遅い速度で移動し、一端側の湾曲路でUターンして
転動体戻し路23,24を逆方向に転動しつつ移動し、
他端側の湾曲路で逆Uターンして負荷転動体転動路2
1,22内に戻る循環を繰り返す。
台に固定した案内レール1上をスライダ2が移動する
と、スライダ2内の転動体Bは負荷転動体転動路21,
22内を転動しつつスライダ2の移動方向にスライダ2
より遅い速度で移動し、一端側の湾曲路でUターンして
転動体戻し路23,24を逆方向に転動しつつ移動し、
他端側の湾曲路で逆Uターンして負荷転動体転動路2
1,22内に戻る循環を繰り返す。
【0033】こうしてリニアガイド装置が駆動される
と、潤滑剤を含有せしめたポリオレフィン系ポリマから
なるサイドシール40も案内レール1に接触しつつ移動
し、その移動時の摩擦熱の影響も加わって、サイドシー
ル40から潤滑剤が経時的に徐々にしみ出す。そのしみ
出した潤滑剤は、案内レール1の特に転動体転動溝3,
13を介して、その転動体転動溝3,13内を転動する
転動体Bへ自動的に供給される。この自己潤滑性によ
り、長期間にわたり安定した滑らかな作動が行われる。
したがって、殊更に潤滑剤を外部からスライダ2に供給
しないでも低トルクで良好な運転を長時間続けることが
できる。
と、潤滑剤を含有せしめたポリオレフィン系ポリマから
なるサイドシール40も案内レール1に接触しつつ移動
し、その移動時の摩擦熱の影響も加わって、サイドシー
ル40から潤滑剤が経時的に徐々にしみ出す。そのしみ
出した潤滑剤は、案内レール1の特に転動体転動溝3,
13を介して、その転動体転動溝3,13内を転動する
転動体Bへ自動的に供給される。この自己潤滑性によ
り、長期間にわたり安定した滑らかな作動が行われる。
したがって、殊更に潤滑剤を外部からスライダ2に供給
しないでも低トルクで良好な運転を長時間続けることが
できる。
【0034】しかも、サイドシール40の凹部内面40
aの形状を、上述したように案内レール1の横断面形状
に整合させると共に、その内面40aに、案内レール1
の外面に対してマイナスすき間を有して、換言すれば締
め代を有して接触する屈曲自在の連続した突起部42を
設けているから、サイドシール40は案内レール1の上
面1a,側面1b及び転動体転動溝3,13の溝面に密
着することができる。且つまた、サイドシール40から
潤滑剤がしみ出すにつれて、サイドシール40自体が自
己収縮しても、突起部42が案内レール1とのすき間を
無くするように動き案内レール1の被シール面に常時密
着して、「案内レールとのすき間ゼロ」を保ちシール性
を維持する。すなわち、長期間の走行後もなお、シール
装置自体の収縮分をも補って良好なシール機能と潤滑機
能を果たすことができるのである。
aの形状を、上述したように案内レール1の横断面形状
に整合させると共に、その内面40aに、案内レール1
の外面に対してマイナスすき間を有して、換言すれば締
め代を有して接触する屈曲自在の連続した突起部42を
設けているから、サイドシール40は案内レール1の上
面1a,側面1b及び転動体転動溝3,13の溝面に密
着することができる。且つまた、サイドシール40から
潤滑剤がしみ出すにつれて、サイドシール40自体が自
己収縮しても、突起部42が案内レール1とのすき間を
無くするように動き案内レール1の被シール面に常時密
着して、「案内レールとのすき間ゼロ」を保ちシール性
を維持する。すなわち、長期間の走行後もなお、シール
装置自体の収縮分をも補って良好なシール機能と潤滑機
能を果たすことができるのである。
【0035】また、特に、本実施の形態では、サイドシ
ール40の連結部43Cに形成される貫通孔44Cの上
面側を切り欠いて開放しているため、袖部43A及び4
3Bを容易に左右に押し広げることができるから、サイ
ドシール40を案内レール1を跨がせて取り付ける作業
も容易に行える。したがって、サイドシール40の交換
等の保守作業も楽に行える。
ール40の連結部43Cに形成される貫通孔44Cの上
面側を切り欠いて開放しているため、袖部43A及び4
3Bを容易に左右に押し広げることができるから、サイ
ドシール40を案内レール1を跨がせて取り付ける作業
も容易に行える。したがって、サイドシール40の交換
等の保守作業も楽に行える。
【0036】しかも、サイドシール40の各貫通孔44
A〜44Cには、サイドシール40の厚さよりも若干長
くしたリング状部材45A,45B,46を通してサイ
ドシール40の取付手段を構成しているから、サイドシ
ール40をネジ止めしてスライダのエンドキャップ2B
に装着する際に、ネジの締め付けがたとえ強すぎてもサ
イドシール40自体を変形させるおそれがない。更に、
ネジの締め付けが強いために、サイドシール40とエン
ドキャップ2Bとの間の摩擦が大きくなって、その結
果、上述した自己収縮によるサイドシール40の案内レ
ール1の軸方向と直角な方向へのスムーズな変形が行わ
れなくなくなり、サイドシール40を常に確実に案内レ
ール1に密着させることができなくなるという現象をも
確実に防止することができる。
A〜44Cには、サイドシール40の厚さよりも若干長
くしたリング状部材45A,45B,46を通してサイ
ドシール40の取付手段を構成しているから、サイドシ
ール40をネジ止めしてスライダのエンドキャップ2B
に装着する際に、ネジの締め付けがたとえ強すぎてもサ
イドシール40自体を変形させるおそれがない。更に、
ネジの締め付けが強いために、サイドシール40とエン
ドキャップ2Bとの間の摩擦が大きくなって、その結
果、上述した自己収縮によるサイドシール40の案内レ
ール1の軸方向と直角な方向へのスムーズな変形が行わ
れなくなくなり、サイドシール40を常に確実に案内レ
ール1に密着させることができなくなるという現象をも
確実に防止することができる。
【0037】また、本実施の形態のサイドシール40
は、従来のサイドシール5のように補強鋼板と固着して
一体化されてはおらず、補強板等で挟み込んで配設され
る部材であるから、例えば使用時であっても、複数枚の
サイドシール40を重ねれば、転動体の転がりを長期間
維持するのに十分な量の潤滑剤を含有させ得る大きさ
(厚さ)とすることが容易である。しかも、サイドシー
ル40を鋼板等の他の部材に固着する構造ではないか
ら、消耗品であるサイドシール40の部品コストを低減
することができるし、配設の際の手間も簡単であるとい
う利点がある。
は、従来のサイドシール5のように補強鋼板と固着して
一体化されてはおらず、補強板等で挟み込んで配設され
る部材であるから、例えば使用時であっても、複数枚の
サイドシール40を重ねれば、転動体の転がりを長期間
維持するのに十分な量の潤滑剤を含有させ得る大きさ
(厚さ)とすることが容易である。しかも、サイドシー
ル40を鋼板等の他の部材に固着する構造ではないか
ら、消耗品であるサイドシール40の部品コストを低減
することができるし、配設の際の手間も簡単であるとい
う利点がある。
【0038】かくして、サイドシール40により案内レ
ール1とスライダ2の対向面のすき間の前後の開口を長
期にわたり完全にシールするから、スライダ2の前後か
らの塵埃の侵入を完全に阻止することができ、しかも、
サイドシール40の摺動面は自己潤滑性が与えられてい
るから、接触シールであってもその摺動抵抗は極めて低
く、摩耗も少ない。
ール1とスライダ2の対向面のすき間の前後の開口を長
期にわたり完全にシールするから、スライダ2の前後か
らの塵埃の侵入を完全に阻止することができ、しかも、
サイドシール40の摺動面は自己潤滑性が与えられてい
るから、接触シールであってもその摺動抵抗は極めて低
く、摩耗も少ない。
【0039】なお、本実施の形態のような構造であれ
ば、サイドシール40から転動体用の潤滑剤が恒常的に
供給されるため、グリースニップル取付孔は盲プラグで
塞いでも良いが、必要に応じて適時にここを開けてグリ
ース等の潤滑剤をスライダ内に供給するようにしても良
い。図8ないし図10に第2の実施の形態を示す。
ば、サイドシール40から転動体用の潤滑剤が恒常的に
供給されるため、グリースニップル取付孔は盲プラグで
塞いでも良いが、必要に応じて適時にここを開けてグリ
ース等の潤滑剤をスライダ内に供給するようにしても良
い。図8ないし図10に第2の実施の形態を示す。
【0040】図8はサイドシール40’の正面図、図9
は背面図、図10は図7のIX−IX線断面図である。この
ものは、二条の突起部42を内面40aの正面側及び背
面側の両端縁に形成した点が前記第1の実施の形態とは
異なっている。これによりサイドシール40のシール機
能と潤滑機能とが、一層向上する利点がある。
は背面図、図10は図7のIX−IX線断面図である。この
ものは、二条の突起部42を内面40aの正面側及び背
面側の両端縁に形成した点が前記第1の実施の形態とは
異なっている。これによりサイドシール40のシール機
能と潤滑機能とが、一層向上する利点がある。
【0041】その他の構成および作用効果は第1の実施
の形態のものと同様である。図11に第3の実施の形態
を示す。このサイドシール40”の正面図及び背面図は
前記第2の実施の形態と同じのため省略し、前記図10
に対応する断面図のみ示す。その断面図11から明らか
なように、このものは、三条の突起部42を内面40a
の正面側及び背面側の両端縁と、その中間位置とに形成
した点が前記第1,第2の各実施の形態とは異なってい
る。突起部42の数を増やしたことにより、サイドシー
ル40のシール機能と潤滑機能とが、より一層向上する
利点がある。
の形態のものと同様である。図11に第3の実施の形態
を示す。このサイドシール40”の正面図及び背面図は
前記第2の実施の形態と同じのため省略し、前記図10
に対応する断面図のみ示す。その断面図11から明らか
なように、このものは、三条の突起部42を内面40a
の正面側及び背面側の両端縁と、その中間位置とに形成
した点が前記第1,第2の各実施の形態とは異なってい
る。突起部42の数を増やしたことにより、サイドシー
ル40のシール機能と潤滑機能とが、より一層向上する
利点がある。
【0042】その他の構成および作用効果は第1の実施
の形態のものと同様である。図12ないし図14に、突
起部42の他の実施の形態を示す。図12は、第4の実
施の形態の要部断面図で、上記サイドシール40”の三
条の各突起部42の断面形状を四角形としたものであ
る。案内レールの被シール面との接触面積を三角形のも
のより大きくとれるから、突起部42からしみ出る潤滑
剤の量を多くすることができる利点がある。そのため、
例えば木屑などのような潤滑剤を吸い取り易い塵埃が多
い場合に適用すると非常に有効である。その他の作用効
果は上記第3の実施の形態のものと同様である。
の形態のものと同様である。図12ないし図14に、突
起部42の他の実施の形態を示す。図12は、第4の実
施の形態の要部断面図で、上記サイドシール40”の三
条の各突起部42の断面形状を四角形としたものであ
る。案内レールの被シール面との接触面積を三角形のも
のより大きくとれるから、突起部42からしみ出る潤滑
剤の量を多くすることができる利点がある。そのため、
例えば木屑などのような潤滑剤を吸い取り易い塵埃が多
い場合に適用すると非常に有効である。その他の作用効
果は上記第3の実施の形態のものと同様である。
【0043】図13は、第5の実施の形態の要部断面図
で、上記サイドシール40”の三条の各突起部42の断
面形状を半円状,1 /4 円状などのように曲面としたも
のである。案内レールの被シール面との接触が滑らか
で、例えば案内レールの上面1aを摺動するときレール
取付けボルト孔を繰り返し通過しても突起部42の先端
部が損傷を受けにくいという利点がある。その他の作用
効果は上記第3の実施の形態のものと同様である。
で、上記サイドシール40”の三条の各突起部42の断
面形状を半円状,1 /4 円状などのように曲面としたも
のである。案内レールの被シール面との接触が滑らか
で、例えば案内レールの上面1aを摺動するときレール
取付けボルト孔を繰り返し通過しても突起部42の先端
部が損傷を受けにくいという利点がある。その他の作用
効果は上記第3の実施の形態のものと同様である。
【0044】図14は、第6の実施の形態の要部断面図
で、断面形状を四角形とした各突起部42の被シール面
との接触面に、切り込み47を入れたものである。その
切り込み47を形成することによって突起部42の先端
が分割され、作動方向に屈曲し易くなるので、案内レー
ル1の外面形状に倣いやすく、作動性がよくなる利点が
ある。また、切り込み47によって突起部42の先端に
凹溝が形成されて潤滑剤の保持空間を大きくすることが
でき、潤滑剤の保持能力が向上する利点がある。この結
果、突起部42の摺動性がより向上する。その他の作用
効果は上記第3の実施の形態のものと同様である。な
お、切り込み47は、断面形状が四角形の突起部42の
みとは限らず、その他の断面形状三角形や曲面形状の突
起部42に対しても適用可能である。
で、断面形状を四角形とした各突起部42の被シール面
との接触面に、切り込み47を入れたものである。その
切り込み47を形成することによって突起部42の先端
が分割され、作動方向に屈曲し易くなるので、案内レー
ル1の外面形状に倣いやすく、作動性がよくなる利点が
ある。また、切り込み47によって突起部42の先端に
凹溝が形成されて潤滑剤の保持空間を大きくすることが
でき、潤滑剤の保持能力が向上する利点がある。この結
果、突起部42の摺動性がより向上する。その他の作用
効果は上記第3の実施の形態のものと同様である。な
お、切り込み47は、断面形状が四角形の突起部42の
みとは限らず、その他の断面形状三角形や曲面形状の突
起部42に対しても適用可能である。
【0045】突起部42の形状に関する上記図12ない
し図14の実施の形態は、突起部42の条数の多少にか
かわらず適用可能である。なお、本願発明の実施の形態
では、サイドシール40の貫通孔44Cにリング状部材
46を嵌め込み袖部43A,43Bを案内レール1に押
し付ける構成としてあるためシール性が良いので、必ず
しもサイドシール40の内面の全周にわたって突起42
を設ける必要はなく、一部のみ(例えば案内レール1の
上面に接する部分)に突起42を設けるようにしても良
い。 (実施例)以下に、本発明のシール装置を二枚の補強板
で挟んでスライダのエンドキャップ2Bの端面に取り付
けたリニアガイド装置を用いて行った走行試験の結果を
示す。
し図14の実施の形態は、突起部42の条数の多少にか
かわらず適用可能である。なお、本願発明の実施の形態
では、サイドシール40の貫通孔44Cにリング状部材
46を嵌め込み袖部43A,43Bを案内レール1に押
し付ける構成としてあるためシール性が良いので、必ず
しもサイドシール40の内面の全周にわたって突起42
を設ける必要はなく、一部のみ(例えば案内レール1の
上面に接する部分)に突起42を設けるようにしても良
い。 (実施例)以下に、本発明のシール装置を二枚の補強板
で挟んでスライダのエンドキャップ2Bの端面に取り付
けたリニアガイド装置を用いて行った走行試験の結果を
示す。
【0046】試験条件は次の通りである。 走行速度:40m/分 ストローク長:80cm 潤滑状態:グリースなし。サイドシールから供給される
潤滑油のみ。 走行距離:各供試体毎に1000km。
潤滑油のみ。 走行距離:各供試体毎に1000km。
【0047】供試体:実施例1は、第1の実施の形態の
サイドシール40。実施例2は、第2の実施の形態のサ
イドシール40’。実施例3は、第3の実施の形態のサ
イドシール40”。比較例は、上記サイドシール40の
突起部42を除去したもの。試験結果を表1に示す。
サイドシール40。実施例2は、第2の実施の形態のサ
イドシール40’。実施例3は、第3の実施の形態のサ
イドシール40”。比較例は、上記サイドシール40の
突起部42を除去したもの。試験結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】表1の結果から、潤滑剤の供給能力を表す
「作動性」については各実施例と比較例とも顕著な差異
は認められなかったが、比較例の場合には「シール性」
の低下が認められた。これは、突起部42を有しないた
め、「案内レールとのすき間ゼロ」を実現するためのマ
イナスすき間即ち締め代が確保できなかったことによ
る。
「作動性」については各実施例と比較例とも顕著な差異
は認められなかったが、比較例の場合には「シール性」
の低下が認められた。これは、突起部42を有しないた
め、「案内レールとのすき間ゼロ」を実現するためのマ
イナスすき間即ち締め代が確保できなかったことによ
る。
【0050】以上の結果から明らかなように、本発明の
シール性と潤滑性とを兼ね備えたシール装置を付けたリ
ニアガイド装置によれば、長期間にわたり転動体の円滑
な転動が保証されて、たとえ外部からの潤滑剤の補給が
困難な状況下にあっても長寿命のリニアガイド装置を提
供することができる。なお、本発明のリニアガイド装置
としては、スライダが案内レールを跨いで装着されたタ
イプであればその形式は問わない。例えば上記実施の形
態ではボール転動溝3が片側二列のものについて説明し
たが、片側一列又は三列以上などであっても全く同様に
適用可能である。その場合は、サイドシール31の溝摺
動突起34a,34bもボール転動溝3に合わせて形成
することは勿論である。
シール性と潤滑性とを兼ね備えたシール装置を付けたリ
ニアガイド装置によれば、長期間にわたり転動体の円滑
な転動が保証されて、たとえ外部からの潤滑剤の補給が
困難な状況下にあっても長寿命のリニアガイド装置を提
供することができる。なお、本発明のリニアガイド装置
としては、スライダが案内レールを跨いで装着されたタ
イプであればその形式は問わない。例えば上記実施の形
態ではボール転動溝3が片側二列のものについて説明し
たが、片側一列又は三列以上などであっても全く同様に
適用可能である。その場合は、サイドシール31の溝摺
動突起34a,34bもボール転動溝3に合わせて形成
することは勿論である。
【0051】また、リニアガイド装置の転動体としてボ
ールを用いた場合を述べたが、ローラを用いたものに対
しても適用できる。また、上記実施の形態の各サイドシ
ールとは別に、従来のニトリルゴムやウレタンゴムを溶
着したサイドシールを併用して、両者を直列に配設し、
上記実施の形態のシール装置を従来のサイドシールのシ
ールリップ部及び転動体への潤滑剤供給装置として用い
ることもできる。
ールを用いた場合を述べたが、ローラを用いたものに対
しても適用できる。また、上記実施の形態の各サイドシ
ールとは別に、従来のニトリルゴムやウレタンゴムを溶
着したサイドシールを併用して、両者を直列に配設し、
上記実施の形態のシール装置を従来のサイドシールのシ
ールリップ部及び転動体への潤滑剤供給装置として用い
ることもできる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のリニアガ
イドのシール装置は、予め潤滑剤を含有せしめたポリオ
レフィン系ポリマからなり、案内レールの外面と対向す
る内面の少なくとも一部に、案内レールの被シール外面
に対してマイナスすき間を有して案内レール外面形状に
沿う屈曲自在の連続した突起部を備えている構成とした
ため、常時連続的にシール装置自体から潤滑剤がシール
部位に安定して供給され自己潤滑が行われ、そのため、
自己潤滑性を有しない従来のゴム製のシール装置のよう
な摩耗は殆ど発生しない。併せて、シール装置の内面の
突起部がスライダの相対往復作動に応じて屈曲しつつ案
内レールの被シール面とのすき間ゼロを確保し確実なシ
ール機能を発揮するので、従来の突起部を有しないシー
ル装置のように経時的使用によるすき間発生が抑制され
て長期間にわたりシール性能が維持できる。これらの結
果、本発明のシール装置によれば、塵埃汚染の厳しい環
境下でも、リニアガイド装置の良好な作動性及び防塵性
が長期間確保できるという効果を奏する。
イドのシール装置は、予め潤滑剤を含有せしめたポリオ
レフィン系ポリマからなり、案内レールの外面と対向す
る内面の少なくとも一部に、案内レールの被シール外面
に対してマイナスすき間を有して案内レール外面形状に
沿う屈曲自在の連続した突起部を備えている構成とした
ため、常時連続的にシール装置自体から潤滑剤がシール
部位に安定して供給され自己潤滑が行われ、そのため、
自己潤滑性を有しない従来のゴム製のシール装置のよう
な摩耗は殆ど発生しない。併せて、シール装置の内面の
突起部がスライダの相対往復作動に応じて屈曲しつつ案
内レールの被シール面とのすき間ゼロを確保し確実なシ
ール機能を発揮するので、従来の突起部を有しないシー
ル装置のように経時的使用によるすき間発生が抑制され
て長期間にわたりシール性能が維持できる。これらの結
果、本発明のシール装置によれば、塵埃汚染の厳しい環
境下でも、リニアガイド装置の良好な作動性及び防塵性
が長期間確保できるという効果を奏する。
【0053】また、従来のグリース封入のリニアガイド
装置ではグリースの一部しか有効に使えないのに対し
て、本発明の潤滑剤含有のシール装置の場合は含有する
殆ど全部の潤滑剤が使えて長期にわたり補給せずに済む
という効果がある。さらに、本発明のシール装置に含有
された潤滑剤は直接空気に触れないので酸化による劣化
がないという効果があり、この効果と前記の長期無補給
の効果とが相まってメンテナンス無しでリニアガイド装
置の長寿命化が達成される。
装置ではグリースの一部しか有効に使えないのに対し
て、本発明の潤滑剤含有のシール装置の場合は含有する
殆ど全部の潤滑剤が使えて長期にわたり補給せずに済む
という効果がある。さらに、本発明のシール装置に含有
された潤滑剤は直接空気に触れないので酸化による劣化
がないという効果があり、この効果と前記の長期無補給
の効果とが相まってメンテナンス無しでリニアガイド装
置の長寿命化が達成される。
【0054】また、本発明のシール装置の突起部を複数
条設けると、案内レールの被シール面との接触面積を大
きくとることができ、突起部からしみ出る潤滑剤の量を
多くすることができると共に、万一外側の突起部が損傷
しても内側の突起部でシール機能が確保できるから、こ
の結果、シール装置の自己潤滑性と防塵機能をより高め
ることができるという効果を奏する。
条設けると、案内レールの被シール面との接触面積を大
きくとることができ、突起部からしみ出る潤滑剤の量を
多くすることができると共に、万一外側の突起部が損傷
しても内側の突起部でシール機能が確保できるから、こ
の結果、シール装置の自己潤滑性と防塵機能をより高め
ることができるという効果を奏する。
【0055】また、突起部の先端に切り欠きを形成する
ことにより、その切り欠き部に凹溝が形成されて潤滑剤
の保持空間を大きくすることができ、この結果、シール
装置の摺動性の一層の向上を図ることができるという効
果を奏する。
ことにより、その切り欠き部に凹溝が形成されて潤滑剤
の保持空間を大きくすることができ、この結果、シール
装置の摺動性の一層の向上を図ることができるという効
果を奏する。
【図1】本発明の第1の実施の形態のシール装置を有す
るリニアガイド装置の全体斜視図である。
るリニアガイド装置の全体斜視図である。
【図2】図1にリニアガイド装置のエンドキャップを除
去して示す正面図である。
去して示す正面図である。
【図3】リニアガイド装置のエンドキャップの背面図で
ある。
ある。
【図4】本発明の第1の実施の形態のシール装置の正面
図である。
図である。
【図5】図4に示すシール装置の背面図である。
【図6】図4に示すもののVI−VI線断面図である。
【図7】図4に示すシール装置の取付け態様を示す分解
斜視図である。
斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態のシール装置の正面
図である。
図である。
【図9】図8に示すシール装置の背面図である。
【図10】図8に示すもののIX−IX線断面図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態のシール装置の、
図6及び図10に対応する断面図である。
図6及び図10に対応する断面図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態のシール装置の要
部の断面図である。
部の断面図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態のシール装置の要
部の断面図である。
部の断面図である。
【図14】本発明の第6の実施の形態のシール装置の要
部の断面図である。
部の断面図である。
【図15】従来のリニアガイド装置の全体斜視図であ
る。
る。
【図16】従来のリニアガイド装置のシール装置使用態
様を示す下面側の斜視図である。
様を示す下面側の斜視図である。
1 案内レール 2 スライダ 3 転動体転動溝(案内レールの) B 転動体 13 転動体転動溝(案内レールの) 18 転動体転動溝(スライダの) 19 転動体転動溝(スライダの) 23 転動体戻し路 24 転動体戻し路 40 シール装置(サイドシール) 40a 内面(シール装置の) 42 突起部 44A 貫通孔 44B 貫通孔 44C 貫通孔 46 切り欠き
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚田 徹 群馬県前橋市鳥羽町78番地 日本精工株式 会社内 (72)発明者 加藤 総一郎 群馬県前橋市鳥羽町78番地 日本精工株式 会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 軸方向の転動体転動溝を有する案内レー
ルと、該案内レールの転動体転動溝に対向する転動体転
動溝を有しかつこの溝に平行な転動体戻り通路及びこの
通路と前記溝とを連通させる湾曲路を有し前記対向する
転動体転動溝内を転動する多数の転動体の転動により前
記案内レールに案内されて相対移動するスライダよりな
るリニアガイド装置の前記スライダに取付けられ、スラ
イダ内面と案内レールの外面との間のすき間をシールす
るリニアガイド装置のシール装置において、 前記シール装置は、予め潤滑剤を含有せしめたポリオレ
フィン系ポリマからなり、前記案内レールの外面と対向
する内面の少なくとも一部に、前記案内レール外面に対
してマイナスすき間を有して案内レール外面形状に沿う
屈曲自在の連続した突起部を備えていることを特徴とす
るリニアガイド装置のシール装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26332395A JPH09105416A (ja) | 1995-10-11 | 1995-10-11 | リニアガイド装置のシール装置 |
US08/729,418 US5769543A (en) | 1995-07-11 | 1996-10-11 | Sealing device for linear guide apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26332395A JPH09105416A (ja) | 1995-10-11 | 1995-10-11 | リニアガイド装置のシール装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09105416A true JPH09105416A (ja) | 1997-04-22 |
Family
ID=17387886
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26332395A Pending JPH09105416A (ja) | 1995-07-11 | 1995-10-11 | リニアガイド装置のシール装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09105416A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012219838A (ja) * | 2011-04-04 | 2012-11-12 | Nsk Ltd | 直動案内装置 |
JP2014074478A (ja) * | 2012-10-05 | 2014-04-24 | Nsk Ltd | 直動案内装置 |
WO2015098082A1 (ja) * | 2013-12-26 | 2015-07-02 | 日本精工株式会社 | 直動案内装置 |
CN107339319A (zh) * | 2017-08-18 | 2017-11-10 | 山东赛尔机械导轨有限公司 | 一种便于拆装并兼有防尘和自润滑功能的直线导轨副 |
-
1995
- 1995-10-11 JP JP26332395A patent/JPH09105416A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012219838A (ja) * | 2011-04-04 | 2012-11-12 | Nsk Ltd | 直動案内装置 |
JP2014074478A (ja) * | 2012-10-05 | 2014-04-24 | Nsk Ltd | 直動案内装置 |
WO2015098082A1 (ja) * | 2013-12-26 | 2015-07-02 | 日本精工株式会社 | 直動案内装置 |
JPWO2015098082A1 (ja) * | 2013-12-26 | 2017-03-23 | 日本精工株式会社 | 直動案内装置 |
CN107339319A (zh) * | 2017-08-18 | 2017-11-10 | 山东赛尔机械导轨有限公司 | 一种便于拆装并兼有防尘和自润滑功能的直线导轨副 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20031225 |
|
A912 | Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Effective date: 20040326 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 |