JP3428299B2 - 直動装置のシール装置 - Google Patents

直動装置のシール装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直動装置のシール
装置に係り、特に、真空中で使用可能な自己潤滑性を有
するシール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的に使用される直動装置の代
表的なものとしては、直動案内装置として用いられるリ
ニアガイド装置や直動駆動装置として用いられるボール
ねじ等がある。リニアガイド装置は例えば図5に示すよ
うに、外面に転動体転動溝3を有して軸方向に延びる案
内レール1と、その案内レール1を跨いで組み付けられ
たスライダ2を備えたものが知られている。スライダ2
はスライダ本体2Aとその両端部に取り付けられたエン
ドキャップ2Bとからなり、スライダ本体2Aは両袖部
4の内側面に案内レール1の転動体転動溝3に対向する
図示されない転動体転動溝を有するとともに、袖部の肉
厚部分を軸方向に貫通する図外の転動体戻し路を有して
いる。一方、エンドキャップ2Bは、スライダ本体2A
の転動体転動溝とこれに平行な転動体戻し路とを連通さ
せる図示されない湾曲路を有しており、それらの転動体
転動溝と転動体戻し路と両端の湾曲路とで転動体の循環
回路が形成されている。その転動体の循環回路内には例
えば鋼球からなる多数の転動体が装填されている。
【0003】案内レール1に組み付けたスライダ2は、
対向する両転動体転動溝内の転動体の転動を介して案内
レールに沿い滑らかに移動し、その移動中、転動体はス
ライダ内の転動体循環路を転動しつつ循環する。転動す
る転動体の潤滑は、スライダ2の内面に予め塗布された
グリースによって行われていた。
【0004】スライダ2には、案内レール1との間のす
き間の開口をシールするシール装置として、図6に示す
ように、各エンドキャップ2Bの端面にサイドシール
5、下面にアンダーシール6が装着され、外部からの異
物の侵入や内部の潤滑剤の外部への拡散を防止してい
る。これら従来のシールには、一般的にはNBR(アク
リロニトリルブタジエンゴム)などのゴムシールが用い
られている。
【0005】一方、直動駆動装置であるボールねじにあ
っても、図示は省くが、ボールねじナットの両端にシー
ル装置として例えばプラスチックシールを装着して、外
部からの異物の侵入や内部の潤滑剤の外部への拡散を防
止することが行われている。
【0006】ボールねじの場合は、ねじ軸の外周面に設
けた螺旋状のねじ溝と、ボールねじナットの内周面に設
けた螺旋状のねじ溝との間に装填された複数のボールを
介して、ねじ軸(又はボールねじナット)の回転をボー
ルねじナット(又はねじ軸)の軸方向の変位に変換する
構造であり、ボールねじナットの端部にシール装置が装
着される。当該シール装置は、一般にポリアセタール樹
脂等の樹脂材でリング状に形成され、その内周面にねじ
軸のねじ溝に嵌合する凸部を有すると共に、そのリング
を切断する径方向の切欠き(切割)が設けてある。そし
て、その切割を開きリングを拡開させてねじ軸に嵌め合
わせた後、ボールねじナットの端部外周面からシール取
付けねじをねじ込み、シール装置の外径面を内側に圧迫
することにより固定されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、NBR
シール装置を装着したリニアガイド装置を真空環境下で
使用すると、NBR中の揮発成分、例えば可塑剤として
使用されているDOP〔ジ−(2−エチルヘキシル)フ
タレート〕などの揮発成分が蒸発して真空度劣化を招く
ので、ゴムシール装置は取りつけない状態で使用せざる
を得なかった。
【0008】そのため、リニアガイド装置の往復運動に
伴い、その両端部から潤滑剤が徐々に吐き出されること
となり、潤滑剤の消耗が早くて短時間で潤滑不良が発生
するという問題点があった。
【0009】このような潤滑不良の問題を改善するた
め、本出願人は先に、潤滑剤含有ポリマ部材からなるシ
ール装置について出願している(特開平6−34691
9号)。このものは、リニアガイド装置のスライダに装
着するサイドシールやアンダーシール等のシール装置を
潤滑剤含有のゴムまたは合成樹脂により形成し、そのシ
ール装置から長期間にわたって連続的にしみだす潤滑剤
が自動的にスライダの転動体循環回路に供給されるよう
にしたものである。しかし、この場合も、真空環境への
対応にたいしては特に考慮はされていなかった。
【0010】一方、ボールねじの場合は、リング状のシ
ール装置を止めねじによってボールねじナットに固定し
ているので、ねじ軸のねじ溝とシール装置の凸部との嵌
合すき間は、ねじ軸とシール装置との寸法関係に依存す
ることになり、このため、嵌合すき間は常にゼロになる
とは限らず、ボールねじの使用条件によっては十分なシ
ール性が得られないという不都合があった。
【0011】この点を解決するために、本出願人は、ボ
ールねじのシール装置に潤滑剤含有ポリマ部材を適用し
たものを出願している(実開平7−4952号)。この
ものは、ボールねじナットにねじ軸のねじ溝と摺接可能
に潤滑剤含有ポリマからなるシール装置を取り付けて、
長期にわたり安定して潤滑油が自動的に供給されるよう
にしたものである。しかしこの場合にも、真空環境への
対応にたいしては特に配慮はされていなかった。
【0012】そこで、本発明は、上記従来のリニアガイ
ド装置をはじめとする直動案内装置及びボールねじ装置
をはじめとする直動駆動装置(一括して直動装置とい
う)におけるシール装置の問題点に着目してなされたも
のであり、真空環境下で使用しても成分が蒸発すること
がなく、かつ自らも潤滑剤供給機能をもつ自己潤滑性を
備えた直動装置のシール装置を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明に係る直動装置のシール装置は、25℃で10-5
orr以下の蒸気圧を有する真空ポンプ油を10〜80
重量%含有するポリオレフィン系合成樹脂を成形してな
るものである。
【0014】ここで、前記真空ポンプ油は、ヘキサデシ
ルジフェニルエーテル,オクタデシルジフェニルエーテ
ル,エイコシルナフタレン,モノアルキルテトラフェニ
ルエーテル及びジアルキルテトラフェニルエーテルの少
なくとも一種類からなるものとすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本発明に係る直動装置のシール装置は、予め潤滑
剤を含有し、自らも潤滑剤供給機能をもつ自己潤滑性を
備えたものである。先ず、その成分組成について述べ
る。
【0016】本発明のシール装置に使用する潤滑剤とし
ては、蒸気圧が25℃で10-5Torr以下の真空ポン
プ油、具体的には例えばヘキサデシルジフェニルエーテ
ル,オクタデシルジフェニルエーテル,エイコシルナフ
タレン,モノアルキルテトラフェニルエーテル〔下記構
造式(1)〕及びジアルキルテトラフェニルエーテル
〔下記構造式(2)〕等が好適であり、これらを単独又
は混合して用いることができる。
【0017】
【化1】
【0018】
【化2】
【0019】25℃で10-5Torr以下の蒸気圧を有
する真空ポンプ油としては、上記の他に、ペンタフェニ
ルエーテル等のポリフェニルエーテルや、パーフルオロ
ポリエーテル等のフッ素油、或いはテトラメチルテトラ
フェニルトリシロキサン等のメチルフェニルシリコーン
油もあるが、これらはポリオレフィン系合成樹脂との相
溶性が悪いので、本発明に係るシール装置におけるよう
な高含油量の成形体を得ることができない。たとえでき
たとしても、ポリオレフィン系合成樹脂との相溶性が悪
いので、油の滲出が早くて、早期に油洩れが発生する。
【0020】本発明に係る直動装置のシール装置に使用
できるポリオレフィン系合成樹脂としては、ポリエチレ
ン,ポリプロピレン,ポリメチルペンテン等が適当であ
る。ポリエチレンは、数平均分子量10000〜100
0000未満の低〜中分子量のものと、数平均分子量1
000000〜6000000の超高分子量のものとを
単独または必要に応じて混合して用いる。そのうちの超
高分子量ポリエチレンは、溶解時の流動性が悪いので、
射出成形で成形することを前提とする。その場合、全組
成分中に10重量%以下が適当であり、5重量%以上添
加すれば必要にして十分な機械的強度が得られる。
【0021】ポリプロピレンは、数平均分子量1000
00〜400000のものを用いることができるが、本
発明の組成物のような高い含油量であると、単独では機
械的強度が低くなり過ぎるので、その向上を目的として
超高分子量ポリエチレンを添加しても良い。また、ポリ
アミド,ポリカーボネート,ポリブチレンテレフタレー
ト,ポリフェニレンサルファイド,ポリエーテルスルホ
ン,ポリエーテルエーテルケトン,ポリアミドイミド,
ポリスチレン,ABS樹脂等の熱可塑性樹脂をを使用す
ることができる。または、不飽和ポリエステル樹脂,尿
素樹脂,メラミン樹脂,フェノール樹脂,ポリイミド樹
脂,エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を使用することもで
きる。
【0022】ポリメチルペンテンとしては、数平均分子
量600000〜2000000のものを用いると好適
である。本発明の直動装置のシール装置の含油量は10
〜80重量%であり、より好ましくは30〜70重量%
が適当である。含油量10重量%未満の場合は潤滑油の
滲出量が少なく、直動装置の被潤滑部材の間に潤滑不良
が発生し、シール装置の摩耗等が起こる。また、80重
量%を越える場合には、シール装置として必要な機械的
強度が得られない。
【0023】以上のような成分組成を有する本発明の直
動装置のシール装置は、25℃で10-5Torr以下の
蒸気圧を有する真空ポンプ油と、ポリオレフィン系合成
樹脂とからなっているから、真空中で使用してもシール
自体から油等の揮発が生じることがない。したがって、
使用雰囲気の真空度を劣化させることなく、シールとし
ての機能を長期間維持することができる。
【0024】また、シール内部に保持されている真空ポ
ンプ油が徐々に滲出して、直動装置の被潤滑部材である
リニアガイド装置の案内レール或いはボールねじのねじ
軸と転動体との接触面に油膜を形成し、シール装置自体
の自己潤滑性を発現させると同時に、案内レールあるい
はねじ軸を介して転動体に油分を供給する潤滑剤供給装
置としても機能する。そのため、真空雰囲気下で使用さ
れる直動装置に対して、長期間にわたって安定した潤滑
が行われる。
【0025】次に、本発明のシール装置の実施例を説明
する。 (実施例1)この実施例は、直動装置としてのリニアガ
イド装置のシール装置に適用した例である。
【0026】下記〜の成分を混合してなるペースト
状混合物を射出成形材料として、図1に示す形状のリニ
アガイド装置のシール装置としてのサイドシール10を
射出成形した。なお、その形状,寸法はエンドキャップ
2Bとほぼ同じとした。すなわち、ほぼコ字形の外形を
有すると共に一対の取付けねじ挿通孔11を有する。ま
た、凹部の内側面には案内レール1の転動体転動溝3に
密着する突出部12を備えている。
【0027】低・中分子量ポリエチレン:PZ50U
〔三菱油化(株)製〕、15重量% 超高分子量ポリエチレン:ミペロン(登録商標)XM
220〔三井石油化学(株)製〕、10重量% オクタデシルジフェニルエーテル:ネオバックSY
〔(株)村松石油研究所製〕、75重量% (実施例2)この実施例も、直動装置としてのリニアガ
イド装置のシール装置に適用した例である。
【0028】上記の超高分子量ポリエチレン10重量
%に下記,の成分を混合してなるペースト状混合物
を射出成形材料として、図1に示す形状のリニアガイド
装置のサイドシール10を射出成形した。
【0029】ポリメチルペンテン:TPX(登録商
標)DX−845〔三井石油化学(株)〕、20重量% ジアルキルテトラフェニルエーテル〔構造式
(2)〕:S−3230〔(株)村松石油研究所製〕、
70重量% (比較例1)上記実施例1,実施例2に対する比較例で
ある。
【0030】上記,と同じ成分に、下記の成分を
混合してなるペースト状混合物を射出成形材料として、
図1に示す形状のリニアガイド装置のサイドシール10
を射出成形した。
【0031】低・中分子量ポリエチレン:PZ50U
〔三菱油化(株)製〕、15重量% 超高分子量ポリエチレン:ミペロン(登録商標)XM
220〔三井石油化学(株)製〕、10重量% パラフィン系鉱油:FBKRO100〔日本石油
(株)製〕、75重量% A:真空中での放置試験 上記実施例1,実施例2及び比較例1の組成をもつ各サ
イドシール10を試料に用いて、以下の条件下に真空中
での放置試験を行って比較した。
【0032】温度;25℃ 真空度;10-2Torr 時間;10時間 結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】10時間放置後の各試料の重量減少率は、
比較例1が際立って多いことが認められた。シール構成
成分であるパラフィン系鉱油の真空環境下での蒸発に起
因するものと考えられる。これに対し、実施例1,2と
もに、重量減少率は百分台と非常に僅かであった。
【0035】B:真空中でのリニアガイド装置の走行試
験 上記実施例1,実施例2及び比較例1の組成をもつ各サ
イドシール10を試料とし、それぞれリニアガイド装置
に装着して、以下の条件下に真空中で往復走行試験を行
い比較した。
【0036】なお、サイドシール10の装着に際して、
図2に示すように、補強用金属プレートであるプロテク
タ15を外側に配設し、エンドキャップ2Bへの取付け
孔11に金属製スリーブを間座として装着し、ねじ締め
つけによるサイドシール10の潰れを防止しつつスライ
ダ2のエンドキャップ端面にねじ止めして取りつけた。
【0037】リニアガイド装置;スライダの幅20m
m,長さ27mm,高さ10mm 走行ストローク長;20mm 送り速度;100mm/秒 潤滑;サイドシールから供給される潤滑油のみによる。
【0038】真空度;10-2Torr 結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】実施例1,2ともに、1000時間の走行
後もなお異常は認められなかった。これに対して、比較
例1の方は、50時間走行で潤滑不良により焼付を発生
した。
【0041】次に、本発明のシール装置を、直動装置と
してのボールねじ装置に適用した実施例を説明する。 (実施例3),の成分と下記の成分を混合してな
るペースト状混合物を射出成形材料として、図3,図4
に示すボールねじのシール装置としてのシール20を射
出成形した。その形状は軸方向の長さがやや長いリング
状であり、内周面にねじ軸21のねじ溝21aに嵌合す
る凸部20aを有すると共に、その側面にリングを切断
する切割22が1ヵ所設けてある。シール20の外周面
には、ガータスプリング23が嵌合される環状の周溝2
4が形成されている。更に、周溝24と干渉しない位置
に、円筒状の補強部材25が嵌着されている(1ヵ所の
み図示)。
【0042】このシール20は、切割22を開いてリン
グを拡開させてねじ軸21に嵌め合わせた後、ボールね
じナット26の端面の凹部27に嵌入され、ナット側面
からねじ込んだ取付けねじ28の先端を補強部材25に
係合させることにより固定されている。切割22で拡開
して取り付けたシール20を、ガータスプリング23で
弾性的に締めつけることにより、ねじ軸21のねじ溝2
1aとシール20の内周の凸部20aとの嵌合すき間が
ゼロ以下に保たれる。そして、ねじ軸21の外周面に設
けた螺旋状のねじ溝21aと、ボールねじナット26の
内周面に設けた螺旋状のねじ溝26aと、その両溝間に
装填された複数のボール28との接触面に、ボールシー
ル20から徐々に滲み出る潤滑剤が自動的に供給され
て、摩擦抵抗の増大を抑制している。シール取付けねじ
29の締付け力が直接シール20に加わることがないか
ら、多量の潤滑剤を含有させた軟らかい潤滑剤含有ポリ
マからなるシール20を使用することが可能である。
【0043】低・中分子量ポリエチレン:PZ50U
〔三菱油化(株)製〕、20重量% 超高分子量ポリエチレン:ミペロン(登録商標)XM
220〔三井石油化学(株)製〕、10重量% エイコシルナフタレン:ライオン拡散ポンプ油S〔ラ
イオン(株)製〕、70重量% (比較例2)上記実施例3に対する比較例である。
【0044】,と同じ成分に、下記の成分を混合
してなるペースト状混合物を射出成形材料として、図
3,図4に示す形状のボールねじのシール20を射出成
形した。
【0045】低・中分子量ポリエチレン:PZ50U
〔三菱油化(株)製〕、20重量% 超高分子量ポリエチレン:ミペロン(登録商標)XM
220〔三井石油化学(株)製〕、10重量% パラフィン系鉱油:FBKRO100〔日本石油
(株)製〕、70重量% C:真空中での放置試験 上記実施例3及び比較例2の組成をもつ各サイドシール
20を試料に用いて、以下の条件下に真空中での放置試
験を行って比較した。
【0046】温度;25℃ 真空度;10-2Torr 時間;10時間 結果を表3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】10時間放置後の各試料の重量減少率は、
比較例2が際立って多いことが認められた。シール構成
成分であるパラフィン系鉱油の真空環境下での蒸発に起
因するものと考えられる。これに対し、実施例3は重量
減少率が百分台と非常に僅かであった。
【0049】D:真空中でのボールねじの駆動試験 上記実施例3及び比較例2の組成をもつ各サイドシール
20を試料とし、それぞれボールねじに装着して、以下
の条件下に真空中でボールねじナット26の往復駆動試
験を行い比較した。
【0050】ボールねじ;リード10mm、ねじ軸径1
5mm ナット走行長;500mm 送り速度; 50mm/秒 潤滑;シール20から供給される潤滑油のみによる。
【0051】真空度;10-2Torr 結果を表4に示す。
【0052】
【表4】
【0053】実施例3は1000時間の駆動後もなお異
常は認められなかった。これに対して、比較例2の方
は、80時間走行で潤滑不良により焼付が発生した。な
お、本発明の直動装置のシール装置は、リニアガイド装
置に限らず、その他、リニアボールスプライン装置やリ
ニアボールブッシング装置など、玉又はころを使用して
直線運動を行うタイプの直動案内装置に好適に適用でき
る。
【0054】また、リニアガイド装置も、実施例のタイ
プに限定されず、例えば負荷転動体転動溝が片側一条以
外のものでも良く、また転動体がボールではなくころで
あっても良い。
【0055】更に、本発明の直動装置のシール装置は、
実施例のボールねじの限らす、その他の種々のタイプの
ボールねじにも好適に適用できる。また、ボールねじに
適用するシール装置としては、切割付きに限らず、円周
方向に連続したシールでも良く、さらにシールの補強部
材の有無や補強部材の形状いかん等にかかわらず適用可
能である。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
に係る直動装置のシール装置によれば、蒸気圧が25℃
で10-5Torr以下と極めて低い真空ポンプ油をポリ
オレフィン系合成樹脂に混合して成形したものであるか
ら、これを直動装置に装着して真空環境下で使用しても
成分が蒸発することがない。かつ、その潤滑剤含有ポリ
マ部材自体から潤滑剤が経時的に徐々にしみ出し、直動
部材の接触移動面に自動的に供給され、油膜を形成して
自己潤滑性を発現する。その結果、高真空環境下におい
ても、長期間にわたり良好な潤滑が可能となって長寿命
の直動装置が提供できるという効果を奏する。
【0057】また、請求項2に係る発明によれば、上記
真空ポンプ油が、ヘキサデシルジフェニルエーテル,オ
クタデシルジフェニルエーテル,エイコシルナフタレ
ン,モノアルキルテトラフェニルエーテル及びジアルキ
ルテトラフェニルエーテルの少なくとも一種類からなる
ものとしたため、ポリオレフィン系合成樹脂との相溶性
が良好で高含油量のシール装置を成形することが可能で
あり、その結果長期間にわたり潤滑剤を供給できる長寿
命の直動装置を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシール装置の実施例の正面図であ
る。
【図2】図1のシール装置を取り付けたリニアガイド装
置の斜視図である。
【図3】本発明に係るシール装置の他の実施例の側面図
である。
【図4】図3のシール装置を取り付けたボールねじの半
断面で示す側面図である。
【図5】従来のリニアガイド装置の斜視図である。
【図6】図5のリニアガイド装置の下面側を示す斜視図
である。
【符号の説明】
1 案内レール 2 スライダ 3 転動体転動溝 10 シール装置 20 シール装置 21 ねじ軸 26 ボールねじナット

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 25℃で10-5Torr以下の蒸気圧を
    有する真空ポンプ油を10〜80重量%含有するポリオ
    レフィン系合成樹脂を成形してなる直動装置のシール装
    置。
  2. 【請求項2】 前記真空ポンプ油がヘキサデシルジフェ
    ニルエーテル,オクタデシルジフェニルエーテル,エイ
    コシルナフタレン,モノアルキルテトラフェニルエーテ
    ル及びジアルキルテトラフェニルエーテルの少なくとも
    一種類からなることを特徴とする請求項1記載の直動装
    置のシール装置。
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