JP2005060355A - オレフィンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ジメチルエーテルを原料として、パラフィンや芳香族炭化水素等の副生を抑制し、オレフィンの収率を向上させることができるオレフィンの製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】 ゼオライト触媒が、稀土類元素を担持したアルミノシリケートであり、かつ希土類元素の担持量がゼオライト中のアルミニウムに対し原子比で1.5〜30の範囲であることを特徴とするオレフィンの製造方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ジメチルエーテルをゼオライト触媒と接触させ、オレフィンを製造する方法に関するものである。
エチレン、プロピレン等の軽質オレフィンは、化学工業の基礎原料として広く用いられている。
これらの製造方法としては、主にナフサ等の飽和炭化水素の熱分解反応又は重質炭化水素の接触分解反応が工業的に実施されている。
一方、メタン等の天然ガスをリフォーミングして合成ガス(水素と一酸化炭素の混合ガス)とし、この合成ガスから製造されるメタノールをゼオライト触媒の存在下、脱水縮合反応させることによりオレフィンを製造する方法も知られている。
天然ガスは液化して輸送することが困難であるが、メタノールやジメチルエーテルのような化合物に変換し、液体として輸送することや移動体(自動車等)の燃料として用いることができる。
ジメチルエーテルは、メタノールより毒性が低く、移動体の燃料として安全性の面からメタノールに比べ好ましい。
天然ガスは、石油系資源と比較して世界中に広く分布していることから、天然ガスの誘導体を経由したオレフィンの製造方法が種々検討されてきている。
また、軽質オレフィンのうち、エチレンはエタンの熱分解反応によって効率的に製造することができるが、プロピレンは熱分解反応では収率が低いため、プロピレンがより多く生成する製造方法の開発が望まれている。
メタノールを原料としてオレフィンを製造する方法は、下記のように数多くの報告がなされている。
酸抽出したシリコアルミノフォスフエートモレキュラーシーブ触媒を用いる、メタノールからのオレフィンの製造方法が開示されているが、エチレンの収率向上のみが記載されており、プロピレンの収率については不明である。(例えば、特許文献1)
ゼオライト骨格内に、希土類元素をアルミニウム原子に対し0.01〜1.0倍量の割合で含有し、かつZSM−5及びZSM−11の共晶構造を有する希土類含有アルミノシリケートゼオライトを触媒とする、メタノールからのオレフィンの製造方法が開示されており、エチレンが約17%及びプロピレンが55%の収率で得られている。(例えば、特許文献2)
アルカリ土類金属を含有するシリコアルミノフォスフエート類を触媒とするメタノールからのオレフィンの製造方法が開示されており、エチレン収率50〜67%、プロピレン収率20〜35%が記載されている。(例えば、特許文献3)
0.05〜20重量%のリンを含むZSM−5及び/又はZSM−11を触媒とするメタノールからのオレフィンの製造方法が開示されており、メタノールの転化率100%でエチレンが約60%の収率で得られているが、プロピレンの収率については明確な記載がない。また、比較例(実施例5)には、40重量%のZSM−5、30重量%のシリカ及び30重量%のカオリンからなる微小球に、4.9重量%のランタン〔SiO2/Al23=450(モル比)、ゼオライト中のAlに対するランタンの原子比=約12〕を担持した触媒を用いるメタノールの転化反応が記載されており、実施例の触媒と比較してメタノールの転化率は2%と非常に活性が低い。(例えば、特許文献4)
SAPO−34(シリコアルミノフォスフェート)ゼオライトを含むミクロ球状触媒を用いたメタノールからのオレフインの製造方法も開示されている。(例えば、特許文献5)
一方、ジメチルエーテルは、上記のように、メタノールより毒性が低く、安全性の面からメタノールに比べ原料として好ましいが、ジメチルエーテルのみを原料としたオレフィンの製造方法の検討は比較的少ない。
t−ブチルメチルエーテル等のアルキルエーテルを、アルカリ土類金属を含むゼオライト(ホージャサイト)と接触させるオレフィン(イソブチレン)の製造方法が開示されており、副生成物としてジメチルエーテルが生成することが記載されているが、ジメチルエーテルの反応性については明らかにされていない。(例えば、特許文献6)
減圧下、ペンタシル型のアルミノシリケートに、メタノール/ジメチルエーテル/スチーム混合物を接触させるオレフィンの製造方法が開示されており、反応時の発熱を抑制するため、予備反応器において、ある程度のメタノールをジメチルエーテルに変換した後、メタノール/ジメチルエーテル/スチーム混合物として反応器に供給することが記載されているが、ジメチルエーテルのみの反応については明らかにされていない。(例えば、特許文献7)
メタノールを原料としてゼオライト触媒に接触させ、オレフィンに変換する反応では、反応の初期に、ジメチルエーテルが多量に生成することが報告されており(例えば、非特許文献1及び2)、メタノール転化率の上昇に伴ってパラフィンや芳香族炭化水素等の望ましくない副生成物が増大するため、メタノールの転化率を70%以下に抑制するとこれらの副生成物は減少することが記載されている。(例えば、非特許文献2)
しかしながら、ジメチルエーテルは、メタノールを経由する反応の中間体であるため、ジメチルエーテルそのものを原料とした場合には、生成物の炭素数が増加し易く、しかも副生成物も増大し易い。
反応原料中のジメチルエーテル/メタノール比を増大させると、エチレンよりも炭素数の大きいプロピレン等の化合物が生成し易いことも記載されている。(例えば、非特許文献3)。
特表平8−502026号公報 特表平10−501515号公報 特表2000−508235号公報 特表2002−510660号公報 特開平2002−534487公報 特表平8−504838号公報 特開平4−217928号公報 S.A.Tabak and S.Yurchak,Catalysis Today,Vo1.6,p307−327(1990) T−Y.Park and G.F.Froment,Ind.Eng.Chem.Res.,Vo1.40,p4187−4196(2001) G.J.Hutchings and R.Hunter,Catalysis Today,Vo1.6,p279−306(1990)
以上より、ジメチルエーテルのみを原料として用いオレフィンを製造する場合には、副反応のパラフィン及び芳香族炭化水素の生成を抑制する必要があるが、副生成物を抑制してオレフィン収率を向上させる方法については明らかになっていない。
本発明は、ジメチルエーテルを原料として、ゼオライト触媒と接触させてオレフィンを製造する際に、パラフィンや芳香族炭化水素等の副生を抑制し、オレフィンの収率を向上することができるオレフィンの製造方法を提供することを課題とするものである。
本発明者らは、上記問題点を解消すべく鋭意研究を進めた結果、ゼオライト触媒として、特定量の希土類元素を担持したアルミノシリケートを用いると、ジメチルエーテルからのエチレン、プロピレン等のオレフィンの収率が向上し、しかもパラフィンや芳香族炭化水素等の副生成物が少ないことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
(1)ゼオライト触媒にジメチルエーテルを接触させるオレフィンの製造方法であって、該ゼオライト触媒が、稀土類元素を担持したアルミノシリケートであり、かつ希土類元素の担持量がゼオライト中のアルミニウムに対し原子比で1.5〜30の範囲であることを特徴とするオレフィンの製造方法、
(2)アルミノシリケートが、ペンタシル型構造のゼオライトであることを特徴とする上記1記載のオレフィンの製造方法、
(3)ペンタシル型構造のゼオライトが、ZSM−5及び/またはZSM−11であることを特徴とする上記1又は2記載のオレフィンの製造方法、
(4)希土類元素が、酸化物及び/又はリン酸塩として担持されていることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載のオレフィンの製造方法、
(5)アルミノシリケートが、アルカリ土類金属を含むことを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載のオレフィンの製造方法
に関するものである。
本発明によれば、メタノールよりも毒性が小さく、環境に負荷の少ないジメチルエーテルを原料として、パラフィンや芳香族炭化水素等の副生を抑制しつつ、エチレン及びプロピレン等のオレフィンを効率よく製造することができる。
本発明における原料ジメチルエーテルは、メタン等の天然ガスから合成ガス(水素と一酸化炭素の混合ガス)を経由して合成されたもの、又はメタノールの脱水反応により合成されたもの等を用いることができる。
ジメチルエーテルは、高純度(純度99%以上)のものを用いることもできるが、メタノール、アルカン類等の炭化水素化合物及び水分等を含んでいてもよい。
原料ジメチルエーテル中のメタノール量については、特に制限はないが、通常メタノールの含有量は50質量%以下、好ましくは20質量%以下である。
メタノールの含有量が50質量%以下であると、ジメチルエーテルの転化率が上昇する利点がある。
また、反応系に水分が存在するとパラフィン及び芳香族炭化水素等の生成が抑制されるため、原料ジメチルエーテル中の水分量については特に制限はないが、通常、水分量は80質量%以下、好ましくは60質量%以下である。
水分量が80質量%以下であると、反応が効率的に進行する。
本発明で用いる触媒は、希土類元素を担持したゼオライトを主成分とするものである。
ゼオライトとしては、アルミノシリケートが挙げられ、アルミノシリケートとしては、高シリカ型のゼオライト、特にペンタシル型構造のゼオライトが好ましい。
更に、ペンタシル型構造のゼオライトとしては、特にZSM−5及び/又はZSM−11が好ましい。
ゼオライト中のSiO2/Al23のモル比は、好ましくは25〜800、より好ましくは50〜600、更に好ましくは100〜500である。
担持することのできる希土類元素は、特に制限はないが、好ましくは、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ガドリニウム及びジスプロシウム等を挙げることができ、より好ましくはランタン及びセリウムであり、更に好ましくはランタンである。
希土類元素は、それぞれを単独で担持しても、また、二種以上の希土類元素を混合して担持してもよい。
本発明で用いる触媒は、希土類元素の化合物、例えば、酢酸塩、ハロゲン化物、硫酸塩、炭酸塩、又はアルコキシ化合物、アセチルアセトン化合物等を溶解した水、エタノール等の溶液に、プロトン型のゼオライトを浸漬、乾燥、焼成することにより容易に調製することができる。
この際の乾燥温度は、通常、80〜200℃であり、焼成温度は、通常、300〜800℃である。
このような触媒の調製法により、希土類元素の一部はゼオライト細孔内に入り込み、一部はゼオライトのプロトンとイオン交換するが、大部分はゼオライト上に酸化物となって担持される。
希土類元素は、ゼオライトに担持されていることが重要であり、ゼオライトと希土類酸化物及び/又は燐酸塩(後記参照)を物理的に混合しただけでは本発明の効果は得られない。
当該触媒における希土類元素の担持量は、ゼオライト中のアルミニウムに対し原子比で1.5〜30、好ましくは2〜20、更に好ましくは2〜10である。
担持量が1.5以上であると、重質分(炭素数5以上のパラフィン及び芳香族炭化水素)の生成が減少する。
また、担持量が30以下であると、触媒活性が上昇するため、オレフィンの収率が増加する。
当該触媒に担持された希土類元素の作用については、必ずしも明らかではないが、ゼオライトの酸点が脱水縮合反応の活性点(非特許文献3参照)であると云われていることから、希土類元素(酸化物)は恐らくその塩基性により、生成したオレフィンのゼオライトからの脱離を促進し、その結果、重質分(炭素数5以上のパラフィン及び芳香族炭化水素)の生成が抑制されると考えられる。
当該触媒の形状については、特に限定はなく、粉末状、粒状又はペレット等の成型品のいずれの形状のものも用いることができる。
当該触媒には、ゼオライト及び希土類元素の他、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、貴金属、ハロゲン、リン更にバインダー等が含まれていてもよい。
これらの中、リンは希土類元素と耐熱性の高いリン酸塩を形成するため、触媒の耐久性向上に効果がある。
更に、シリカ、アルミナ、マグネシア又は石英砂等の充填剤と混合して用いることもできる。
上記リンを担持した触媒は、例えば、希土類元素を担持した触媒をリン酸水素二アンモニウム水溶液に浸漬、焼成することによって調製することができ、リンは希土類元素リン酸塩として担持される。
リンの担持量としては、希土類元素を担持した触媒に対して、0.1〜10質量%、好ましくは1〜7質量%、更に好ましくは2〜5質量%である。
また、アルカリ土類金属は、触媒の酸強度を調製して選択性を改善する効果がある。
担持することのできるアルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムが好ましく、マグネシウム及びカルシウムが更に好ましい。
カルシウムを担持させる場合、該カルシウムの担持量としては、希土類元素を担持した触媒に対して、0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜2質量%、より好ましくは0.2〜1質量%である。
本発明におけるジメチルエーテルの反応は、囲定床、流動床等の反応器に、当該触媒を充填し、触媒層へジメチルエーテルを供給することにより実施することができる。
原料ジメチルエーテルは、窒素、水素、ヘリウム又はスチーム等で希釈することもできる。
希釈剤の中で、特に、スチームは触媒の選択性を向上させる効果があり好ましい。
スチームの供給量は、原料ジメチルエーテルに対し、質量比で0.1〜5、好ましくは0.3〜2である。
反応温度は、通常、200〜700℃、好ましくは300〜600℃、より好ましくは350〜550℃である。
反応温度が200℃以上であると、充分な触媒活性が得られるため、オレフィンの収量が増加する。
また、反応温度が700℃以下であると、メタン及びコークス等の副生成物が急減する。
反応は、常圧、減圧又は加圧下のいずれでも行うことができる。
しかし、減圧の方が重質分(炭素数5以上のパラフィン+芳香族炭化水素)の生成が抑制されるため、通常は常圧からやや減圧条件が採用される。
次に、本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
ゼオライトとして、粉末状のプロトン型ZSM−5アルミノシリケート〔蛍光X線分析法で測定したSiO2/Al23(モル比)=300、N2吸着法で測定した比表面積=360m2/g)〕4gを、その10質量%に相当する0.4gのランタンを含む酢酸ランタン水溶液(0.9877gの酢酸ランタン1.5水和物〔La(CH3COO)3・1.5H2O〕を脱イオン水60mLに溶解させたもの)に浸漬し、40℃で1時間攪拌した。
生成したスラリーを減圧下、40〜60℃で攪拌しながら、2時間かけて水分を蒸発させ、白色の粉末を得た。
この粉末を空気中、120℃で8時間乾燥した後、マッフル炉内で4時間かけて600℃まで昇温し、600℃で5時間焼成した。
得られた白色固体を乳鉢で粉砕して、ふるい分けし、0.4〜1.2mmの粒子のものを触媒(10質量%La/ZSM−5)とした。
触媒中のLa/Alの原子比は6.5であった。
この触媒1gを内径10mm、長さ400mmのステンレス製反応管(外径3mmの熱電対用内挿管付き)に充填(触媒層長は30mm)し、触媒層の上下に2mmφのアルミナボールを充填した。
この反応管に、空気を40mL/min〔0℃、0.1MPa(1気圧)〕で供給しながら触媒層の温度を650℃まで昇温し、そのまま1時間前処理を行った。
前処理終了後、触媒層の温度を500℃とし、原料としてジメチルエーテルを3mL/min〔0℃、0.1MPa(1気圧)〕、スチームを0.5g/hr、内部標準として窒素を30mL/min〔0℃、0.1MPa(1気圧)〕で供給し、反応を行った。
反応開始1時間後、反応管出口の生成物(水分を除く)をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、ジメチルエーテルの転化率は100%であり、エチレンが22質量%、プロピレンが37質量%及びブテンが17質量%の収率で得られた(全オレフィン収率:76質量%)。
その他の重質分(炭素数5以上のパラフィン+芳香族炭化水素)の生成量は、18質量%であった。
尚、ジメチルエーテルの転化率及び各生成物の収率は、下記式によって算出した。
転化率(%)=〔1−(未反応ジメチルエーテル量/供給ジメチルエーテル量)〕×100
生成物の収率(質量%)=〔生成物質量/供給ジメチルエーテル中の(炭素+水素)質量〕×100
比較例1
実施例1と同様にして、粉末状のプロトン型ZSM−5アルミノシリケート〔蛍光X線分析法で測定したSiO2/Al23(モル比)=300、N2吸着法で測定した比表面積=360m2/g)〕に、その1質量%に相当するランタンを担持した、1質量%La/ZSM−5(La/Alの原子比=0.65)触媒を調製した。
この触媒1gを用い、実施制1と同様にしてジメチルエーテルの反応を行ない、反応管出口の生成物を分析したところ、ジメチルエーテルの転化率は100%であったが、エチレンの収率は16質量%、プロピレンの収率は25質量%及びブテンの収率は16質量%(全オレフィン収率:57質量%)と低かった。
また、重質分(炭素数5以上のパラフィン+芳香族炭化水素)の生成量が25質量%と多く、炭素数1〜3のパラフィンが12質量%も生成した。
実施例2
実施例1で調製した10質量%La/ZSM−5(La/Alの原子比=6.5)触媒2gを、その2質量%に相当する0.02gのリンを含むリン酸水素二アンモニウム水溶液(リン酸水素二アンモニウム0.1706gを脱イオン水20gに溶解させたもの)に浸漬し、40℃で1時間攪拌した。
生成したスラリーを減圧下、40〜60℃で攪拌しながら、約2時間かけて水分を蒸発させ、白色の粉末を得た。
この粉末を空気中、120℃で8時間乾燥した後、マッフル炉内で4時間かけて600℃まで昇温し、600℃で5時間焼成した。
得られた白色固体を乳鉢で粉砕して、ふるい分けし、0.4〜1.2mmの粒子のものを触媒(2質量%P−10質量%La/ZSM−5)とした。
触媒中のLa/Alの原子比は6.5であった。
この触媒1gを用い、実施制1と同様にしてジメチルエーテルの反応を行ない、反応管出口の生成物を分析したところ、ジメチルエーテルの転化率は100%であり、エチレンが18質量%、プロピレンが40質量%及びブテンが21質量%の収率で得られた(全オレフィン収率:79質量%)。
その他の重質分(炭素数5以上のパラフィン+芳香族炭化水素)の生成量は、14質量%であった。
実施例3
反応温度を450℃とした他は、案施例2と同様にしてジメチルエーテルの反応を行ったところ、ジメチルエーテルの転化率は100%であり、エチレンが14質量%、プロピレンが38質量%及びブテンが26質量%の収率で得られた(全オレフィン収率:78質量%)。
その他の重質分(炭素数5以上のパラフィン+芳香族炭化水素)の生成量は、10質量%であった。
実施例4
ゼオライトとして、粉末状のプロトン型ZSM−5アルミノシリケート〔蛍光X線分析法で測定したSiO2/Al23(モル比)=100、N2吸着法で測定した比表面積=360m2/g)〕4gを、硝酸カルシウム水和物を含む水溶液〔0.15gのCa(NO32・4H2Oを脱イオン水60mLに溶解させたもの〕に浸漬し、80℃で2時間攪拌した。
生成したスラリーを減圧下、水分を蒸発させ、白色の粉末を得た。
この粉末を空気中、120℃で8時間乾燥した後、マッフル炉内で4時間かけて600℃まで昇温し、600℃で5時間焼成した。
得られた粉末4gを、更にその10質量%に相当する0.4gのランタンを含む酢酸ランタン水溶液(0.9877gの酢酸ランタン1.5水和物〔La(CH3COO)3・1.5H2O〕を脱イオン水60mLに溶解させたもの)に浸漬し、40℃で1時間攪拌した。
生成したスラリーを減圧下、40〜60℃で攪拌しながら、2時間かけて水分を蒸発させ、白色の粉末を得た。
この粉末を空気中、120℃で8時間乾燥した後、マッフル炉内で4時間かけて600℃まで昇温し、600℃で5時間焼成した。
得られた白色固体(10質量%La−0.6質量%Ca/ZSM−5)を乳鉢で粉砕して粉末とし、この粉末2gを、その2質量%に相当する0.02gのリンを含むリン酸水素二アンモニウム水溶液(リン酸水素二アンモニウム0.1706gを脱イオン水20gに溶解させたもの)に浸漬し、40℃で1時間攪拌した。
生成したスラリーを減圧下、40〜60℃で攪拌しながら、約2時間かけて水分を蒸発させ、白色の粉末を得た。
この粉末を空気中、120℃で8時間乾燥した後、マッフル炉内で4時間かけて600℃まで昇温し、600℃で5時間焼成した。
得られた白色固体を乳鉢で粉砕して、ふるい分けし、0.4〜1.2mmの粒子のものを触媒(2質量%P−10質量%La−0.6質量%Ca/ZSM−5)とした。
触媒中のLa/Alの原子比は2.3であった。
この触媒1gを用い、実施制1と同様にしてジメチルエーテルの反応を行ない、反応管出口の生成物を分析したところ、ジメチルエーテルの転化率は100%であり、エチレンが10質量%、プロピレンが35質量%及びブテンが20質量%の収率で得られた(全オレフィン収率:65質量%)。
その他の重質分(炭素数5以上のパラフィン+芳香族炭化水素)の生成量は、19質量%であった。

Claims (5)

  1. ゼオライト触媒にジメチルエーテルを接触させるオレフィンの製造方法であって、該ゼオライト触媒が、稀土類元素を担持したアルミノシリケートであり、かつ希土類元素の担持量がゼオライト中のアルミニウムに対し原子比で1.5〜30の範囲であることを特徴とするオレフィンの製造方法。
  2. アルミノシリケートが、ペンタシル型構造のゼオライトであることを特徴とする請求項1記載のオレフィンの製造方法。
  3. ペンタシル型構造のゼオライトが、ZSM−5及び/またはZSM−11であることを特徴とする請求項1又は2記載のオレフィンの製造方法。
  4. 希土類元素が、酸化物及び/又はリン酸塩として担持されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のオレフィンの製造方法。
  5. アルミノシリケートが、アルカリ土類金属を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のオレフィンの製造方法。

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