JP2005060261A - ビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネートおよびその製造方法、および非水系電解液 - Google Patents

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Abstract

【課題】極性の高い電解質に対して高い溶解能を有する非プロトン性極性溶媒として使用できる新規な化合物の提供。
【解決手段】ビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネート。3級アミンの存在下、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブタノールと、ホスゲン、トリクロロメチルクロロホルメート、またはビストリクロロメチルカーボネートとを反応させるビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネートの製造方法。電解質と非水系極性溶媒とにより構成される電解液であって、電解液中にビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネートが5質量%以上含まれる非水系電解液。
【選択図】なし

Description

本発明は、電解液の溶媒として使用できるフッ素原子含有の新規なカーボネート化合物に関する。
一般に、電解液の溶媒に求められる特性としては、電解質に対する溶解力が大きいこと、電極表面における耐酸化還元性が高いことがある。さらに近年では、より安全性を高くするという観点から、不燃性または引火点が十分に高く、かつ高温でも分解しないという特性が求められている。
従来、非水系の電池用電解液の溶媒としては、酸化還元に対する安定性が高く、金属塩等の電解質の溶解度が高いことから、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート等の炭化水素系のカーボネートが使用されている。しかし、炭化水素系のカーボネートは引火点が低く可燃性であるため、保護回路等を設置する等、安全を確保するための手段を必要としていた。
近年、引火点の高い電解液の溶媒の提供を課題とする開発が行われ、含フッ素化合物を不燃化剤として添加する技術開発が行われており、電解液にフッ素原子含有のアルキル炭酸エステルを含有させる方法(特許文献1参照。)、電解液の溶媒としてビスヘキサフルオロイソプロピルカーボネートを用いる方法(特許文献2参照。)等が試みられている。
また、このようなフッ素原子含有のアルキル炭酸エステルの製造方法としては、塩基性触媒存在下にアルキル炭酸エステルと含フッ素アルコールとをエステル交換反応させる方法(特許文献3参照。)、含フッ素アルコールと、トリクロロメチルクロロホルメートやビストリクロロメチルカーボネートとを反応させる方法(特許文献2参照。)が知られている。
しかし、電解液にフッ素原子含有のアルキル炭酸エステルを含有させる場合、フッ素原子の含有量が多くなると、電解液の電解質として用いられるLiPF等の極性化合物の溶解性が著しく悪くなるという問題がある。一方、フッ素原子の含有量を少なくすると、難燃性にできるという効果が全くなくなるという問題があった。
また、特許文献3に記載のエステル交換反応は平衡反応であることから、2置換体の収率を上げることが困難であり、反応時間が長時間必要であるという問題がある。一方、特許文献2に記載される反応は、特定の構造を有する化合物でのみ実施されてているものであり、活性水素等反応性の部位を持つ化合物についても適用できるかどうかは不明である。
特許第3294400号公報(請求項2) 特開2000−319230号公報(段落0004) 特開平6−219992号公報(段落0016)
本発明は、難燃性を有し、かつ、極性の高い電解質に対して高い溶解能を有する非プロトン性極性溶媒として使用できる新規な化合物の提供を目的とする。
本発明はビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネートを提供する。この化合物を構造式で表すと式1となる。
(CFCHFCFCHO)C=O ・・・式1。
また、本発明は、3級アミンの存在下、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブタノールと、ホスゲン、トリクロロメチルクロロホルメート、またはビストリクロロメチルカーボネートとを反応させることを特徴とするビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネートの製造方法を提供する。
また、本発明は、電解質と非水系極性溶媒とにより構成される電解液であって、電解液中にビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネートが5質量%以上含まれることを特徴とする非水系電解液を提供する。
本発明者らは、式1で表されるような新規構造を有するビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネートが、電解液としての特性と安全性を改良するための好適な物質となることを見いだし本発明に至ったものである。
本発明の新規な化合物であるビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネートは、新規の含フッ素カーボネートであり、特に電池物性を改良する電解液の溶媒として好適である。本発明の非水系電解液は、電解質を高い濃度で含有でき、かつ、高い難燃性を有するという優れた利点を有する
本発明により新規に提供されるビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネートは、工業的に容易に製造でき、入手が可能な2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブタノールをホスゲンまたはホスゲンの前駆体と反応させる方法(以下、第1の方法という。)、または、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブタノールと炭酸エステルとのエステル交換反応(以下、第2の方法という。)により合成できる。
上記第1の方法としては、3級アミンの存在下、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブタノールと、ホスゲン、トリクロロメチルクロロホルメート、またはビストリクロロメチルカーボネートとを反応させる方法が挙げられる。
上記方法において、3級アミンは副生する塩化水素を捕捉して、反応の進行を速やかにする目的で使用される。3級アミンとしては、具体的にはトリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリイソブチルアミン等の脂肪族アミン、ピリジン、ピコリン、キノリン等の芳香族アミン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン等の脂環式アミンが挙げられる。3級アミンの添加量は、通常、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブタノールの1.0〜3.0倍モルとし、好ましくは1.0〜1.5倍モルとする。1級アミンまたは2級アミンはホスゲンと反応するおそれがあるので好ましくない。
第1の方法においては、原料としてホスゲンまたはホスゲンの前駆体を用いる。ホスゲンそのものを反応系内に添加してもよいが、ホスゲンの前駆体であるトリクロロメチルクロロホルメートまたはビストリクロロメチルカーボネートを、反応系内に添加した後、反応系内でホスゲンを発生させてもよい。
ホスゲンまたはホスゲンの前駆体の添加量は、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブタノールに対し、通常0.3倍モル以上0.5倍モル以下とし、特には0.4倍モル以上0.5倍モル以下とするのが好ましい。ホスゲンの添加量が上記範囲である場合は、目的生成物であるビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネートを高反応率、高選択率で効率よく得ることができる。
第1の方法において、反応温度は0〜100℃、特には0〜50℃とするのが好ましい。反応温度が低すぎる場合は反応速度が遅くなり、反応時間が長くなる。また、高すぎる場合は、ホスゲンが系外に出る可能性が出てくる。また、反応圧力は、ゲージ圧で0〜0.2MPa、特には0〜0.05MPaとするのが好ましい。反応圧力は高いほうがホスゲンの溶解度が高く反応速度は上昇するが、高すぎる場合は耐圧反応器を要すること等から経済的には好ましくない。
第1の方法においては、溶媒は必須ではないが、反応の進行に従い3級アミンの塩酸塩が析出するので、反応液の効率的な混合状態を得るためには溶媒を使用することが有効である。溶媒は、原料である2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブタノールやホスゲン、目的生成物であるビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネートに対して十分な溶解性を有し、かつ不活性であり、3級アミンの塩酸塩の溶解度が低く、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブタノールやビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネートと十分な沸点差を有するものが好ましい。
このような溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン、クロロベンゼン等の芳香族化合物、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール等のエーテル化合物、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等の塩素化炭化水素化合物、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル等のエステル化合物が挙げられる。
溶媒の添加量は、効率的な混合が得られる量であれば十分であり、多すぎる使用は反応器の容積効率の低下や、溶媒回収に過大な装置や費用が必要になるので好ましくない。通常は2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブタノール1容量に対して0.5〜5.0倍の容量とし、特には1.0〜3.0倍の容量とするのが好ましい。
一方、第2の方法としては、ナトリウムメトキシド、水酸化ナトリウム等の塩基性触媒存在下に、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブタノールと、炭酸ジメチル等の炭酸ジアルキルとを原料としたエステル交換反応が挙げられる。
このようにして得られる本発明のビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネートは、非水系電解液の溶媒として有効に用いられる。
本発明の非水系電解液は、電解質と非水系極性溶媒とにより構成される電解液であって、非水系極性溶媒中に式2で表されるビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネートが5質量%以上含まれる。
本発明の非水系電解液は、リチウム二次電池、リチウムイオン二次電池等の電池の電解液や電気二重層キャパシタの電解液として用いることができる。上記電池としては、負極剤として金属リチウム、リチウム合金、各種炭素素材および金属硫化物を用い、正極剤としてMoS、TiS、MnO、V、LiCoO、LiMnO、LiMn、LiNiO等を用いる電池が挙げられる。
本発明の非水系電解液をリチウム二次電池やリチウムイオン二次電池等の電池に使用する場合は、電解質としてリチウム塩を含有させる。具体的には、LiPF,LiBF、LiClO、LiSOCF、LiN(SOCF)、LiN(SOCFCF)、LiC(SOCFCF、LiC(SOCF、LiI、LiCl、LiF、LiPF(SOCF)、LiPF(SOCF等が電解質として使用される。
また、本発明の非水系電解液を電気二重層キャパシタに使用する場合は、電解質として第4級オニウム塩を含有させるのが好ましい。具体的には、(CHCHNBF、(CNPF、(CNClO、(CPBF、(CPPF、(CPClO、(CHPBF、(CHPPF、(CHPClO、(CHCHCHPBF、(CHCHCHPPF、(CPClO、(CNBF、(CNPF、(CNClO、(CHNBF、(CHNPF、(CHNClO、(CPBF、(CPPF、(CPClO、(CNBF、(CNPF、(CNClO,(CNSOCF、(CNN(SOCF、(CNSO、(CNB(C等が電解質として使用される。
電解液の電気伝導度を高めるためには、電解質の濃度が高い方が好ましいが、濃度が高すぎると粘度が高くなり、取り扱いにくくなるので、電解質の濃度は0.1〜3モル/Lとするのが好ましく、特には0.5〜1.5モル/Lとするのが好ましい。
本発明の非水系電解液は、電解液中に、ビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネートを5質量%以上含有することにより引火点が高くなり難燃性となる。難燃性の観点からは、上記ビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネートの含有割合は高い方が好ましいが、あまり高い場合は電解質の溶解度が低下したり、電解液の濃度が高くなったりする場合があるので5〜80質量%の範囲とするのが好ましく、特には10〜60質量%の範囲とするのが好ましい。
また、電解液の非水系極性溶媒として含有される、ビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネート以外の組成物としては、一般に非水系電解液の溶媒として用いられているものが使用できる。具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の環状および鎖状の炭酸エステル、ジメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライム、1,3−ジオキソラン、テトラハイドロフラン、2−メチルテトラハイドロフラン等の鎖状または環状のエーテル、γ−ブチロラクトン、スルホラン、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等が使用できる。
また、本発明のビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネートの原料である2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブタノールは、工業的にはヘキサフルオロプロペンとメタノールをラジカル開始剤存在下に反応させることにより製造されるが、この反応においては、目的物である2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブタノールの他に、異性体である2−(ジフルオロメチル)−2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールを10%程度副生する場合がある。
この異性体は蒸留によって分離することもできるが、蒸留を行わず、この異性体を含有するビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネートをそのまま反応させた場合に得られる、ビス[2−(ジフルオロメチル)−2,3,3,3−テトラフルオロプロピル]カーボネートを含有するビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネートは、電解液の溶媒として問題なく用いることができる。このことから、電解液の非水系極性溶媒としてビス[2−(ジフルオロメチル)−2,3,3,3−テトラフルオロプロピル]カーボネートを含有するものは、製造コストの観点からは好ましいものであると考えられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、かかる実施例は本発明を限定するものではない。
<ビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネートの合成>
[例1]
2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブタノール 182g(1.0モル)とビストリクロロメチルカーボネート47.5g(0.16モル)を塩化メチレン500mLに溶解し、これを氷浴にて冷却しながらピリジン95g(1.2モル)を滴下した。滴下終了後、氷浴をはずしてさらに2時間撹拌した。析出したピリジン塩酸塩を減圧濾過にて除去し、濾液をロータリーエバポレータにより濃縮した。得られた濃縮液を減圧蒸留し、目的生成物であるビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネートの液体を回収した(5.3kPaにおける沸点:103℃)。得られた液体の収量は180g(0.46モル)であり、ガスクロマトグラフィーにより分析した純分は99.4%であった。収率は92%であった。
次いで、得られた液体をGC−Mass(EI)および、NMR(19F、H)にて分析し、目的生成物であるビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネートであることを確認した。
19F−NMR(282.7MHz,CDCl,δ ppm from CClF)
−74.60(m,3F,−CF
−116(dm,1F,J=286Hz,−CF−)
−121(dm,1F,J=286Hz,−CF−)
−213(dm,1F,J=43Hz,−CHF−)
H−NMR(300.4MHz,CDCl,δ ppm from TMS)
4.53〜4.64(m,2H,−CH−)
4.98(dm,1H,J=43Hz,−CHF−)
Mass (EI method)
m/z:371,351,289,239,209,195,165,125,95,77,69,51,31
(Calculated exact mass of C12:390.01)。
[例2]
2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブタノールを用いる代わりに、10モル%の2−(ジフルオロメチル)−2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールを含有する2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブタノールを用いた以外は例1と同様にして反応を行い、粗生成物を得た。得られた粗生成物を減圧蒸留し、ビス[2−(ジフルオロメチル)−2,3,3,3−テトラフルオロプロピル]カーボネートとビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネートの混合物を得た。
得られた混合物の収量は180g(0.46モル)であり、ガスクロマトグラフィーにより分析した混合物としての純分は99.0%、混合物におけるビス[2−(ジフルオロメチル)−2,3,3,3−テトラフルオロプロピル]カーボネートとビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネートとの比率は、モル比で、ビス[2−(ジフルオロメチル)−2,3,3,3−テトラフルオロプロピル]カーボネート/ビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネート=1/9であった。収率は92%であった。
得られた混合物をさらに精密蒸留し、ビス[2−(ジフルオロメチル)−2,3,3,3−テトラフルオロプロピル]カーボネート10g(純分99%)の液体を得た。得られた液体は、GC−Mass(EI)および、NMR(19F、H)にて分析することにより、ビス[2−(ジフルオロメチル)−2,3,3,3−テトラフルオロプロピル]カーボネートであることを確認した。
19F−NMR(282.7MHz,CDCl,δ ppm from CClF)
−76.20(ABパターン,3F,−CF
−134.3(dm,2F,J=53Hz,−CHF
−190.4(m,1F,−CF−)
H−NMR(300.4MHz,CDCl,δ ppm from TMS)
4.49〜4.64(m,2H,−CH−)
6.12(td,1H,J=53Hz,J=4.8Hz,−CHF
Mass (EI method)
m/z:371,289,239,209,195,165,113,95,77,69,51,31,29
(Calculated exact mass of C12:390.01)。
<電導度の測定>
市販のエチレンカーボネート(LBG用:キシダ化学社製)とジエチルカーボネート(LBG用:キシダ化学社製)との混合溶液A(重量比で、エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=3/7)に、LiPFを1M(mol/L)の濃度になるように溶解して、電解液Aを作成した。さらにこの電解液Aと例1で合成したビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネートとを混合し、ビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネートの含有割合が5質量%となるように調整した電解液B、10質量%となるように調整した電解液Cを作成した。また、電解液Aと例2で合成したビス[2−(ジフルオロメチル)−2,3,3,3−テトラフルオロプロピル]カーボネートを含有するビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネートとを混合し、該ビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネートの含有割合が5質量%となるように調整した電解液D、10質量%となるように調整した電解液Eを作製した。電導度計(TOADKK製WM−22EP型)を用い、アルゴン雰囲気下、25℃にて電解液A〜Eの電導度を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2005060261
<引火点の測定>
市販のエチレンカーボネート(LBG用:キシダ化学社製)、ジエチルカーボネート(LBG用:キシダ化学社製)、プロピレンカーボネート(LBG用:キシダ化学社製)と、例1で合成したビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネート(HFB−CB1と略記する。)および例2で合成したビス[2−(ジフルオロメチル)−2,3,3,3−テトラフルオロプロピル]カーボネートを含有するビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネート(HFB−CB2と略記する。)について、JIS−K2265に記載の引火点試験方法に従って、引火点が90℃以下のものについてはタグ密閉式試験方法で、91℃以上のものについてはクリーブランド開放式試験方法で引火点を測定した。測定結果を表2に示す。
Figure 2005060261
本発明の新規化合物は、極性の高い電解質を溶解するのに好適なカーボネート構造と、不燃化に有効なフッ素原子をバランスよく分子内に有する化合物であり、電池等に用いられる非水系電解液として有用であると考えられる。

Claims (3)

  1. ビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネート。
  2. 3級アミンの存在下、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブタノールと、ホスゲン、トリクロロメチルクロロホルメート、またはビストリクロロメチルカーボネートとを反応させることを特徴とするビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネートの製造方法。
  3. 電解質と非水系極性溶媒とにより構成される電解液であって、電解液中にビス(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル)カーボネートが5質量%以上含まれることを特徴とする非水系電解液。
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