JPWO2011024732A1 - ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents
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- 0 CC(C)(c(cc1)ccc1O*)c(cc1)ccc1OC(C)=O Chemical compound CC(C)(c(cc1)ccc1O*)c(cc1)ccc1OC(C)=O 0.000 description 1
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Abstract
本発明は、着色が無く、高純度、高品質のポリカーボネートを、ホスゲン等の毒性の化合物を用いることなく比較的短い時間でかつ簡単なプロセスで製造できる方法を提供する。本発明は、ルイス酸触媒の存在下に、化合物(1)〜(3)から選ばれる含フッ素カーボネートとジオールとのエステル交換反応によってポリカーボネートを得るポリカーボネートの製造方法に関する。[化1]R1はCX1Y1R4;R2はHまたはCX2Y2R5;R3はHまたはCX3Y3R6;R7はC1〜5のパーフルオロアルキレン基;X1〜X3はH、FまたはRf;Y1〜Y3はFまたはRf;R4〜R6はF、RfまたはORf等;Rfは、C1〜4のフルオロアルキル基。
Description
本発明は、ポリカーボネートの製造方法に関する。
ポリカーボネートは、耐熱性、耐衝撃性、透明性等に優れたエンジニアリングプラスチックスとして多くの分野に幅広く用いられている。
芳香族ポリカーボネートの製造方法としては、たとえば、下記の方法が知られている。
(i)ビスフェノールAとホスゲンとを塩基触媒存在下に界面重縮合させる方法(ホスゲン法)。
(ii)ビスフェノールAとジフェニルカーボネートとを溶融重縮合させる方法(エステル交換法)。
(i)ビスフェノールAとホスゲンとを塩基触媒存在下に界面重縮合させる方法(ホスゲン法)。
(ii)ビスフェノールAとジフェニルカーボネートとを溶融重縮合させる方法(エステル交換法)。
(i)の方法では、低温で反応が進行することから、無色透明なポリカーボネートを得ることができる。しかし、有毒なホスゲンを用いる;反応により副生する塩化ナトリウム等の無機塩を洗浄除去しなければならない;塩化メチレン等の溶媒を用いるため、反応後のポリマー精製、溶媒の回収等の複雑なプロセスが必要となる等の問題がある。
(ii)の方法では、溶媒を用いる必要がないため、反応系からのポリカーボネートの分離が容易である。しかし、ビスフェノールAとジフェニルカーボネートとのエステル交換反応は反応速度が遅く、高温で長時間重縮合を行う必要がある;エステル交換反応によって分離するフェノールの沸点が高く、除去するために高温が必要となる;高温によって重縮合中に副反応等が起こり、ポリカーボネートが着色する等の問題がある。
(ii)の方法の問題を改善する方法としては、下記の方法が知られている。
(iii)ビスフェノール−Aとジフェニルカーボネートや他のジアルキルカーボネートを反応して合成したプレポリマーを、ジフェニルカーボネートと反応させる方法(特許文献1、2参照)。
しかし、(iii)の方法における反応形態や重縮合反応性は、通常の(ii)の方法と変わらないため、(i)の方法で製造したポリカーボネートと同等の特性を得ることは困難である。
(iii)ビスフェノール−Aとジフェニルカーボネートや他のジアルキルカーボネートを反応して合成したプレポリマーを、ジフェニルカーボネートと反応させる方法(特許文献1、2参照)。
しかし、(iii)の方法における反応形態や重縮合反応性は、通常の(ii)の方法と変わらないため、(i)の方法で製造したポリカーボネートと同等の特性を得ることは困難である。
脂肪族ポリカーボネートは、ポリウレタンを構成する主原料として比較的低分子量のものが広く用いられている。そのため、分子量が1000程度〜10000程度の脂肪族ポリカーボネートジオールが工業的に有用である。
脂肪族ポリカーボネートジオールの製造方法としては、下記の方法が知られている。
(iv)ジアルキルカーボネートと脂肪族ジオールとをエステル交換反応させる方法(特許文献3参照)。
しかし、(iv)の方法においても、(ii)の方法と同様に反応速度が遅いため、高温で長時間の反応が必要である。
(iv)ジアルキルカーボネートと脂肪族ジオールとをエステル交換反応させる方法(特許文献3参照)。
しかし、(iv)の方法においても、(ii)の方法と同様に反応速度が遅いため、高温で長時間の反応が必要である。
また、ポリカーボネートの製造方法として、下記の方法が知られている。
(v)塩基の存在下に、炭酸ビス(β−フルオロアルキル)と2価フェノールとを反応させる方法(特許文献4参照)。
(v)塩基の存在下に、炭酸ビス(β−フルオロアルキル)と2価フェノールとを反応させる方法(特許文献4参照)。
ポリカーボネートの製造においては、通常、反応後に触媒を除去する工程がない。そのため、(v)の方法のように、触媒として塩基金属、塩基土類金属、これらの水酸化物等の塩基触媒を用いた場合、製品として得られるポリカーボネートの品質劣化が懸念される。また、塩基触媒を用いた場合、フリース転位等の副反応が起こりやすく、着色や分岐によるポリカーボネート品質への影響が懸念される。
本発明は、着色が無く、高純度かつ高品質のポリカーボネートを、ホスゲン等の毒性の化合物を用いることなく比較的短い時間で、かつ簡単なプロセスで製造できる方法を提供する。
本発明のポリカーボネートの製造方法は、ルイス酸触媒の存在下に、下式(1)で表される化合物、下式(2)で表される化合物、および下式(3)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の含フッ素カーボネートと、ジオールとのエステル交換反応によってポリカーボネートを得ることを特徴とする。
ただし、R1は、CX1Y1R4で表される基であり、2つのR1は同一であっても異なってもよく、
R2は、水素原子またはCX2Y2R5で表される基であり、2つのR2は同一であっても異なってもよく、
R3は、水素原子またはCX3Y3R6で表される基であり、2つのR3は同一であっても異なってもよく、
X1〜X3は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子またはRfであり、
Y1〜Y3は、それぞれ独立にフッ素原子またはRfであり、
R4〜R6は、それぞれ独立にフッ素原子、Rf、ORfまたは炭素数1〜6のアルキル基であり、
Rfは、炭素数1〜4のフルオロアルキル基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい)であり、Rfが複数存在する場合、複数のRfは互いに同一であっても異なってもよい。
R2は、水素原子またはCX2Y2R5で表される基であり、2つのR2は同一であっても異なってもよく、
R3は、水素原子またはCX3Y3R6で表される基であり、2つのR3は同一であっても異なってもよく、
X1〜X3は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子またはRfであり、
Y1〜Y3は、それぞれ独立にフッ素原子またはRfであり、
R4〜R6は、それぞれ独立にフッ素原子、Rf、ORfまたは炭素数1〜6のアルキル基であり、
Rfは、炭素数1〜4のフルオロアルキル基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい)であり、Rfが複数存在する場合、複数のRfは互いに同一であっても異なってもよい。
ただし、R1は、CX1Y1R4で表される基であり、
R2は、水素原子またはCX2Y2R5で表される基であり、
R3は、水素原子またはCX3Y3R6で表される基であり、
R7は、炭素数1〜5のパーフルオロアルキレン基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい)であり、
X1〜X3は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子またはRfであり、
Y1〜Y3は、それぞれ独立にフッ素原子またはRfであり、
R4〜R6は、それぞれ独立にフッ素原子、Rf、ORfまたは炭素数1〜6のアルキル基であり、
Rfは、炭素数1〜4のフルオロアルキル基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい)であり、Rfが複数存在する場合、複数のRfは互いに同一であっても異なってもよい。
R2は、水素原子またはCX2Y2R5で表される基であり、
R3は、水素原子またはCX3Y3R6で表される基であり、
R7は、炭素数1〜5のパーフルオロアルキレン基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい)であり、
X1〜X3は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子またはRfであり、
Y1〜Y3は、それぞれ独立にフッ素原子またはRfであり、
R4〜R6は、それぞれ独立にフッ素原子、Rf、ORfまたは炭素数1〜6のアルキル基であり、
Rfは、炭素数1〜4のフルオロアルキル基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい)であり、Rfが複数存在する場合、複数のRfは互いに同一であっても異なってもよい。
ただし、R7は、炭素数1〜5のパーフルオロアルキレン基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい)であり、2つのR7は同一であっても異なってもよい。
前記ルイス酸触媒は、下式(7)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種、または下式(8)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
Mi+(R8Xj−)m(Yk−)n ・・・(7)
ただし、i=j×m+k×nであり、
i、jは、それぞれ1以上の整数であり、
kは、2以上の整数であり、
m、nは、それぞれ0〜4の整数であり、
Mは、金属元素または半金属元素であり、
Xj−は、有機酸基の共役塩基であり、
R8は、水素原子、官能基を有してもよい炭素数1〜10の炭化水素基、または官能基を有してもよい炭素数1〜10のポリフルオロアルキル基であり、
Yk−は、ハロゲンイオンを除く無機陰イオンである。
Mi+(R8Xj−)m(Yk−)n ・・・(7)
ただし、i=j×m+k×nであり、
i、jは、それぞれ1以上の整数であり、
kは、2以上の整数であり、
m、nは、それぞれ0〜4の整数であり、
Mは、金属元素または半金属元素であり、
Xj−は、有機酸基の共役塩基であり、
R8は、水素原子、官能基を有してもよい炭素数1〜10の炭化水素基、または官能基を有してもよい炭素数1〜10のポリフルオロアルキル基であり、
Yk−は、ハロゲンイオンを除く無機陰イオンである。
前記式(7)におけるXj−は、COO−、SO3 −、OSO3 −、OPO3 2−、またはO−であることが好ましい。
Mp+ s(R8Xq−)t(Yr−)u ・・・(8)
ただし、p×s=q×t+r×uであり、
p、qは、それぞれ1以上の整数であり、
rは、2以上の整数であり、
sは、2以上の整数であり、
t、uは、それぞれ0〜4の整数であり、
Mは、金属元素または半金属元素であり、
Xq−は、有機酸基の共役塩基であり、
R8は、水素原子、官能基を有してもよい炭素数1〜10の炭化水素基、または官能基を有してもよい炭素数1〜10のポリフルオロアルキル基であり、
Yr−は、ハロゲンイオンを除く無機陰イオンである。
ただし、p×s=q×t+r×uであり、
p、qは、それぞれ1以上の整数であり、
rは、2以上の整数であり、
sは、2以上の整数であり、
t、uは、それぞれ0〜4の整数であり、
Mは、金属元素または半金属元素であり、
Xq−は、有機酸基の共役塩基であり、
R8は、水素原子、官能基を有してもよい炭素数1〜10の炭化水素基、または官能基を有してもよい炭素数1〜10のポリフルオロアルキル基であり、
Yr−は、ハロゲンイオンを除く無機陰イオンである。
前記式(8)におけるXq−は、COO−、SO3 −、OSO3 −、OPO3 2−、またはO−であることが好ましい。
前記ルイス酸触媒は、金属アルコキシド化合物、金属トリフラート化合物または金属酸化物であることが好ましい。
前記金属アルコキシド化合物は、Ti、Zr、SiおよびSnから選ばれる金属のアルコキシド化合物であることが好ましい。
前記金属トリフラート化合物は、Ce、Hf、La、Nd、Sc、Tm、YbおよびYから選ばれる金属のトリフラート化合物であることが好ましい。
前記金属酸化物は、Al、Zn、Sn、Pbから選ばれる金属の酸化物であることが好ましい。
前記ルイス酸触媒は、金属アルコキシド化合物、金属トリフラート化合物または金属酸化物であることが好ましい。
前記金属アルコキシド化合物は、Ti、Zr、SiおよびSnから選ばれる金属のアルコキシド化合物であることが好ましい。
前記金属トリフラート化合物は、Ce、Hf、La、Nd、Sc、Tm、YbおよびYから選ばれる金属のトリフラート化合物であることが好ましい。
前記金属酸化物は、Al、Zn、Sn、Pbから選ばれる金属の酸化物であることが好ましい。
前記含フッ素カーボネートは、下式(4)で表される化合物および下式(5)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の含フッ素アルコールを出発物質として用いる反応によって得られることが好ましい。
ただし、R1は、CX1Y1R4で表される基であり、
R2は、水素原子またはCX2Y2R5で表される基であり、
R3は、水素原子またはCX3Y3R6で表される基であり、
R7は、炭素数1〜5のパーフルオロアルキレン基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい)であり、
X1〜X3は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子またはRfであり、
Y1〜Y3は、それぞれ独立にフッ素原子またはRfであり、
R4〜R6は、それぞれ独立にフッ素原子、Rf、ORfまたは炭素数1〜6のアルキル基であり、
Rfは、炭素数1〜4のフルオロアルキル基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい)であり、Rfが複数存在する場合、複数のRfは互いに同一であっても異なってもよい。
R2は、水素原子またはCX2Y2R5で表される基であり、
R3は、水素原子またはCX3Y3R6で表される基であり、
R7は、炭素数1〜5のパーフルオロアルキレン基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい)であり、
X1〜X3は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子またはRfであり、
Y1〜Y3は、それぞれ独立にフッ素原子またはRfであり、
R4〜R6は、それぞれ独立にフッ素原子、Rf、ORfまたは炭素数1〜6のアルキル基であり、
Rfは、炭素数1〜4のフルオロアルキル基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい)であり、Rfが複数存在する場合、複数のRfは互いに同一であっても異なってもよい。
前記含フッ素アルコールの炭素数は、2〜10であることが好ましい。
前記式(4)におけるR2は、CX2Y2R5で表される基であることが好ましい。
前記含フッ素アルコールのpKaは、15未満であるであることが好ましく、10未満であることがより好ましい。
前記含フッ素アルコールは、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、パーフルオロ(t−ブチル)アルコール、および2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロシクロヘキサノールからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
前記式(4)におけるR2は、CX2Y2R5で表される基であることが好ましい。
前記含フッ素アルコールのpKaは、15未満であるであることが好ましく、10未満であることがより好ましい。
前記含フッ素アルコールは、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、パーフルオロ(t−ブチル)アルコール、および2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロシクロヘキサノールからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
前記ジオールは、脂肪族ジオールまたは芳香族ジオールであることが好ましい。
前記芳香族ジオールは、ビスフェノールAであることが好ましい。
前記脂肪族ジオールは、炭素数2〜10の脂肪族ジオールであることが好ましい。
前記脂肪族ジオールは、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−プロパンジオールおよび1,4−ブタンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
前記芳香族ジオールは、ビスフェノールAであることが好ましい。
前記脂肪族ジオールは、炭素数2〜10の脂肪族ジオールであることが好ましい。
前記脂肪族ジオールは、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−プロパンジオールおよび1,4−ブタンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明のポリカーボネートの製造方法によれば、着色が無く、高純度かつ高品質のポリカーボネートを、ホスゲン等の毒性の化合物を用いることなく比較的短い時間で、かつ簡単なプロセスで製造できる。
本明細書においては、式(1)で表される化合物を化合物(1)と記す。他の式で表される化合物も同様に記す。
<ポリカーボネートの製造方法>
本発明のポリカーボネートの製造方法は、ルイス酸触媒の存在下に、特定の含フッ素カーボネートと、ジオールとのエステル交換反応によってポリカーボネートを得る方法である。
本発明のポリカーボネートの製造方法は、ルイス酸触媒の存在下に、特定の含フッ素カーボネートと、ジオールとのエステル交換反応によってポリカーボネートを得る方法である。
(含フッ素カーボネート)
含フッ素カーボネートは、化合物(1)、化合物(2)および化合物(3)からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
含フッ素カーボネートは、化合物(1)、化合物(2)および化合物(3)からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
ただし、R1は、CX1Y1R4で表される基であり、2つのR1は同一であっても異なってもよく、R2は、水素原子またはCX2Y2R5で表される基であり、2つのR2は同一であっても異なってもよく、R3は、水素原子またはCX3Y3R6で表される基であり、2つのR3は同一であっても異なってもよく、X1〜X3は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子またはRfであり、Y1〜Y3は、それぞれ独立にフッ素原子またはRfであり、R4〜R6は、それぞれ独立にフッ素原子、Rf、ORfまたは炭素数1〜6のアルキル基であり、Rfは、炭素数1〜4のフルオロアルキル基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい)であり、Rfが複数存在する場合、複数のRfは互いに同一であっても異なってもよい。
ただし、R1は、CX1Y1R4で表される基であり、R2は、水素原子またはCX2Y2R5で表される基であり、R3は、水素原子またはCX3Y3R6で表される基であり、R7は、炭素数1〜5のパーフルオロアルキレン基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい)であり、X1〜X3は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子またはRfであり、Y1〜Y3は、それぞれ独立にフッ素原子またはRfであり、R4〜R6は、それぞれ独立にフッ素原子、Rf、ORfまたは炭素数1〜6のアルキル基であり、Rfは、炭素数1〜4のフルオロアルキル基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい)であり、Rfが複数存在する場合、複数のRfは互いに同一であっても異なってもよい。
ただし、R7は、炭素数1〜5のパーフルオロアルキレン基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい)であり、2つのR7は同一であっても異なってもよい。
含フッ素カーボネートは、常温で低粘性の液体のものが多く、重縮合反応を行う際に有利である。また、沸点が80〜250℃の範囲のものが多く、熱安定性も高いため、蒸留精製により高純度の含フッ素カーボネートを得ることが容易であり、品質の高いポリカーボネートを製造する上で有利である。
(含フッ素カーボネートの製造方法)
含フッ素カーボネートは、化合物(4)および化合物(5)からなる群から選ばれる少なくとも1種の含フッ素アルコールを出発物質として用いる反応によって得ることができる。
含フッ素カーボネートは、化合物(4)および化合物(5)からなる群から選ばれる少なくとも1種の含フッ素アルコールを出発物質として用いる反応によって得ることができる。
ただし、R1は、CX1Y1R4で表される基であり、R2は、水素原子またはCX2Y2R5で表される基であり、R3は、水素原子またはCX3Y3R6で表される基であり、R7は、炭素数1〜5のパーフルオロアルキレン基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい)であり、X1〜X3は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子またはRfであり、Y1〜Y3は、それぞれ独立にフッ素原子またはRfであり、R4〜R6は、それぞれ独立にフッ素原子、Rf、ORfまたは炭素数1〜6のアルキル基であり、Rfは、炭素数1〜4のフルオロアルキル基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい)であり、Rfが複数存在する場合、複数のRfは互いに同一であっても異なってもよい。
含フッ素アルコールとしては、エステル交換反応速度を向上させる点から、酸解離度が、ジオールの酸解離度よりも高いものが好ましい。よって、水酸基のα位の炭素原子(以下、α炭素とも記す)にフルオロアルキル基が直接結合した化合物が好ましい。ただし、α炭素に直接フッ素原子が結合したアルコールは、脱HF反応による分解反応が起こりやすいため、好ましくない。
酸解離度の尺度としては、含フッ素アルコールのpKaを用いることができる。
ジオールが芳香族ジオールの場合の含フッ素アルコールのpKaは、フェノール類のpKaがおよそ10であることから、10未満が好ましい。
ジオールが脂肪族ジオールの場合の含フッ素アルコールのpKaは、脂肪族アルコール類のpKaがおよそ15から16であることから、15未満が好ましい。
ジオールが芳香族ジオールの場合の含フッ素アルコールのpKaは、フェノール類のpKaがおよそ10であることから、10未満が好ましい。
ジオールが脂肪族ジオールの場合の含フッ素アルコールのpKaは、脂肪族アルコール類のpKaがおよそ15から16であることから、15未満が好ましい。
化合物(4)としては、α炭素に結合するフルオロアルキル基が多いほど含フッ素アルコールの酸解離度が高くなることから、R2がCX2Y2R5で表される基である、すなわち2級または3級の含フッ素アルコールであることが好ましく、R2およびR3がそれぞれCX2Y2R5で表される基およびCX3Y3R6で表される基である、すなわち3級の含フッ素アルコールであることがより好ましい。
含フッ素アルコールの炭素数は、2〜10が好ましい。含フッ素アルコールの炭素数が2以上であれば、水酸基のα位に直接フッ素原子が結合していない安定な含フッ素アルコールを選択できる。含フッ素アルコールの炭素数が10以下であれば、含フッ素アルコールの沸点が、エステル交換反応時に解離する含フッ素アルコールを蒸留留去する際穏和な条件で容易除去できる沸点となるため、エステル交換反応時に高い温度をかける必要がなく、品質の高いポリカーボネートを製造できる。
含フッ素アルコールの具体例としては、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2−フルオロプロパノール、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブタノール、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンタノール、パーフルオロ(t−ブチル)アルコール、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロシクロペンタノール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロシクロヘキサノール等が挙げられる。酸解離度の点から、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、パーフルオロ(t−ブチル)アルコール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロシクロヘキサノールから選ばれる含フッ素アルコールが特に好ましい。
含フッ素アルコールを出発物質として用いる反応によって含フッ素カーボネートを得る具体的な方法としては、下記の(a)〜(c)の方法が挙げられ、ホスゲン等の毒性の化合物を用いることなく、収率が高い点から、(c)の方法が好ましい。
(a)ホスゲンと含フッ素アルコールとを反応させて、含フッ素カーボネートを得る方法。
(b)ジアルキルカーボネートと含フッ素アルコールとのエステル交換反応によって、含フッ素カーボネートを得る方法。
(c)触媒の存在下、化合物(6)と含フッ素アルコールとを反応させて、含フッ素カーボネートを得る方法。
(a)ホスゲンと含フッ素アルコールとを反応させて、含フッ素カーボネートを得る方法。
(b)ジアルキルカーボネートと含フッ素アルコールとのエステル交換反応によって、含フッ素カーボネートを得る方法。
(c)触媒の存在下、化合物(6)と含フッ素アルコールとを反応させて、含フッ素カーボネートを得る方法。
ただし、X11〜X13は、それぞれ独立に水素原子またはハロゲン原子であり、X11〜X13のうち少なくとも1つはハロゲン原子であり、X14〜X16は、それぞれ独立に水素原子またはハロゲン原子であり、X14〜X16のうち少なくとも1つはハロゲン原子である。
X11〜X16は、すべてハロゲン原子であることが好ましく、フッ素原子または塩素原子がより好ましく、副生物としてクロロホルムが得られる点から、すべて塩素原子であることが最も好ましい。
X11〜X16は、すべてハロゲン原子であることが好ましく、フッ素原子または塩素原子がより好ましく、副生物としてクロロホルムが得られる点から、すべて塩素原子であることが最も好ましい。
化合物(6)の具体例としては、ヘキサクロロアセトン、ペンタクロロアセトン、1,1,3,3−テトラクロロアセトン、1,1,3−トリクロロアセトン、ヘキサフルオロアセトン、ペンタフルオロアセトン、1,1,3,3−テトラフルオロアセトン、1,1,3−トリフルオロアセトン、1,1,3,3−テトラクロロ−1,3−ジフルオロアセトン、1,1,1−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロアセトン、1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトラフルオロアセトン、1,1,3,3−テトラブロモアセトン、ペンタブロモアセトン、ヘキサブロモアセトン等が挙げられる。工業的に有用なクロロホルムを高収率で併産できる点から、ヘキサクロロアセトンが好ましい。
化合物(6)のうち、クロロアセトン類は、日本国特公昭60−52741号公報、日本国特公昭61−16255号公報に記載された、アセトンを塩素化する方法により容易に製造できる。また、米国特許第6235950号明細書に記載された、クロロアセトン類をフッ化水素によってフッ素化する方法によって、容易に部分フッ素化化合物を製造できる。
含フッ素アルコールの最初の仕込みのモル数と、化合物(6)の最初の仕込みのモル数との比(含フッ素アルコール/化合物(6))は、含フッ素カーボネートの収率を向上させる点から、2超が好ましく、2.5以上がより好ましく、3以上が特に好ましい。
(c)の方法で用いる触媒としては、アルカリ金属;アルカリ土類金属;アルカリ金属水素化物;アルカリ土類金属水素化物;アルカリ金属水酸化物;アルカリ土類金属水酸化物;相間移動触媒;アルカリ金属ハロゲン化物;アルカリ土類金属ハロゲン化物;アンモニアのハロゲン化物;イオン交換樹脂;Sn、Ti、Al、W、Mo、ZrおよびZnからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属の化合物または酸化物;エステル交換反応触媒等が挙げられる。
(c)の方法で用いられる触媒の量は、触媒によって種々選択されるが、基質に対して0.01〜30質量%が好ましく、反応活性および反応後の触媒除去工程を考慮すると、0.1〜10質量%がより好ましい。
(c)の方法においては、反応を促進させる目的で、溶媒を用いてもよい。ただし、反応器の容積効率、溶媒分離工程時の目的物のロスを考えると、可能であれば無溶剤で反応を実施することが好ましい。
(c)の方法における反応温度は、40〜200℃が好ましい。
(c)の方法における反応圧力は、通常は大気圧である。
(c)の方法における反応温度は、40〜200℃が好ましい。
(c)の方法における反応圧力は、通常は大気圧である。
(ジオール)
ジオールとしては、脂肪族ジオール、芳香族ジオールが挙げられる。
ジオールとしては、脂肪族ジオール、芳香族ジオールが挙げられる。
脂肪族ジオールの具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、3−クロロ−1,2−プロパンジオール、2−クロロ−1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール(ヘキシレングリコール)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、含フッ素ジオール(3,3,3−トリフルオロ−1,2−プロパンジオール等)等が挙げられる。
脂肪族ジオールとしては、ポリウレタン等の原料として用いられる脂肪族ポリカーボネートジオールの有用性の点から、炭素数2〜10の脂肪族ジオールがより好ましく、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−プロパンジオールおよび1,4−ブタンジオールから選ばれる脂肪族ジオールが特に好ましい。
芳香族ジオールの具体例としては、レゾルシノール、カテコール、ハイドロキノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔別名:ビスフェノールA〕、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン〔別名:ビスフェノールAF〕、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシビフェニル)エーテル、ジヒドロキシナフタレン、フロログリシノール、フェノール類の縮合物等が挙げられ、原料の入手の容易性やポリカーボネートの有用性の点から、ビスフェノールAが好ましい。
(ルイス酸触媒)
ルイス酸触媒とは、反応系の何れかの原料物質の電子対を受容することで反応性を高める物質である。
ルイス酸触媒としては、エステル交換反応性を促進させる効果が大きく、かつ合成されるポリマーの着色を抑制できるという点から、化合物(7)から選ばれる少なくとも1種、または下式(8)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
Mi+(R8Xj−)m(Yk−)n ・・・(7)
ただし、i=j×m+k×nであり、i、jは、それぞれ1以上の整数であり、kは、2以上の整数であり、m、nは、それぞれ0〜4の整数である。
Mp+ s(R8Xq−)t(Yr−)u ・・・(8)
ただし、p×s=q×t+r×uであり、p、qは、それぞれ1以上の整数であり、rは、2以上の整数であり、sは、2以上の整数であり、t、uは、それぞれ0〜4の整数である。
ルイス酸触媒とは、反応系の何れかの原料物質の電子対を受容することで反応性を高める物質である。
ルイス酸触媒としては、エステル交換反応性を促進させる効果が大きく、かつ合成されるポリマーの着色を抑制できるという点から、化合物(7)から選ばれる少なくとも1種、または下式(8)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
Mi+(R8Xj−)m(Yk−)n ・・・(7)
ただし、i=j×m+k×nであり、i、jは、それぞれ1以上の整数であり、kは、2以上の整数であり、m、nは、それぞれ0〜4の整数である。
Mp+ s(R8Xq−)t(Yr−)u ・・・(8)
ただし、p×s=q×t+r×uであり、p、qは、それぞれ1以上の整数であり、rは、2以上の整数であり、sは、2以上の整数であり、t、uは、それぞれ0〜4の整数である。
化合物(7)及び化合物(8)におけるMは、金属元素または半金属元素である。金属元素としては、Li、Be、Na、Mg、Al、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi等が挙げられる。半金属元素としては、B、Si、Ge、As、Sb、Te、Po等が挙げられる。
化合物(7)におけるXj−及び化合物(8)におけるXq−は、有機酸基の共役塩基である。有機酸基の共役塩基としては、COO−、SO3 −、OSO3 −、OPO3 2−、O−、CO−、SCO−、ONOO−、CONH−、CHNO−、SO−、NHCOO−、S−、NO−等が挙げられ、熱安定性、反応活性の点から、COO−、SO3 −、OSO3 −、OPO3 2−、またはO−が好ましい。
化合物(7)及び化合物(8)におけるR8は、水素原子、官能基を有してもよい炭素数1〜10の炭化水素基、または官能基を有してもよい炭素数1〜10のポリフルオロアルキル基である。
化合物(7)におけるYk−及び化合物(8)におけるYr−は、ハロゲンイオンを除く無機陰イオンである。Yk−及びYr−としては、O2−、S2−、N3−、P3−等が挙げられる。
化合物(7)におけるYk−及び化合物(8)におけるYr−は、ハロゲンイオンを除く無機陰イオンである。Yk−及びYr−としては、O2−、S2−、N3−、P3−等が挙げられる。
ルイス酸触媒としては、反応活性、合成ポリマーの着色度の点から、金属アルコキシド化合物、金属トリフラート化合物、または金属酸化物が好ましい。
金属アルコキシド化合物としては、反応活性、低毒性の点から、Ti、Zr、SiおよびSnから選ばれる金属のアルコキシド化合物が好ましい。
金属アルコキシド化合物の具体例としては、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン、テトラtert−ブトキシチタン、テトラsec−ブトキシチタン、テトラペントキシチタン、テトラヘキトキシチタン、テトラヘプトキシチタン、テトラオクトキシチタン、テトラノニノキシチタン、テトラデシロキシチタン、テトラウンデシロキシチタン、テトララウリロキシチタン、テトラミリストキシチタン、テトラパルミトキシチタン、テトラステアロキシチタン、テトラシクロプロポシキチタン、テトラシクロブトキシチタン、テトラシクロペントキシチタン、テトラシクロヘキソキシチタン、テトラシクロヘプトキシチタン、テトラシクロオクトキシチタン、テトラシクロノノキシチタン、テトラシクロデシロキシチタン、テトラシクロウンデシロキシチタン、テトラシクロドデシロキシチタン、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラプロポキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラn−ブトキシジルコニウム、テトラtert−ブトキシジルコニウム、テトラsec−ブトキシジルコニウム、テトラペントキシジルコニウム、テトラヘキトキシジルコニウム、テトラヘプトキシジルコニウム、テトラオクトキシジルコニウム、テトラノニノキシジルコニウム、テトラデシロキシジルコニウム、テトラウンデシロキシジルコニウム、テトララウリロキシジルコニウム、テトラミリストキシジルコニウム、テトラパルミトキシジルコニウム、テトラステアロキシジルコニウム、テトラシクロプロポシキジルコニウム、テトラシクロブトキシジルコニウム、テトラシクロペントキシジルコニウム、テトラシクロヘキソキシジルコニウム、テトラシクロヘプトキシジルコニウム、テトラシクロオクトキシジルコニウム、テトラシクロノノキシジルコニウム、テトラシクロデシロキシジルコニウム、テトラシクロウンデシロキシジルコニウム、テトラシクロドデシロキシジルコニウム、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラtert−ブトキシシラン、テトラsec−ブトキシシラン、テトラペントキシシラン、テトラヘキトキシシラン、テトラヘプトキシシラン、テトラオクトキシシラン、テトラノニノキシシラン、テトラデシロキシシラン、テトラウンデシロキシシラン、テトララウリロキシシラン、テトラミリストキシシラン、テトラパルミトキシシラン、テトラステアロキシシラン、テトラシクロプロポシキシラン、テトラシクロブトキシシラン、テトラシクロペントキシシラン、テトラシクロヘキソキシシラン、テトラシクロヘプトキシシラン、テトラシクロオクトキシシラン、テトラシクロノノキシシラン、テトラシクロデシロキシシラン、テトラシクロウンデシロキシシラン、テトラシクロドデシロキシシラン、テトラメトキシスズ、テトラエトキシスズ、テトラプロポキシスズ、テトライソプロポキシスズ、テトラn−ブトキシスズ、テトラtert−ブトキシスズ、テトラsec−ブトキシスズ、テトラペントキシスズ、テトラヘキトキシスズ、テトラヘプトキシスズ、テトラオクトキシスズ、テトラノニノキシスズ、テトラデシロキシスズ、テトラウンデシロキシスズ、テトララウリロキシスズ、テトラミリストキシスズ、テトラパルミトキシスズ、テトラステアロキシスズ、テトラシクロプロポシキスズ、テトラシクロブトキシスズ、テトラシクロペントキシスズ、テトラシクロヘキソキシスズ、テトラシクロヘプトキシスズ、テトラシクロオクトキシスズ、テトラシクロノノキシスズ、テトラシクロデシロキシスズ、テトラシクロウンデシロキシスズ、テトラシクロドデシロキシスズ等が挙げられる。
金属アルコキシド化合物の具体例としては、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン、テトラtert−ブトキシチタン、テトラsec−ブトキシチタン、テトラペントキシチタン、テトラヘキトキシチタン、テトラヘプトキシチタン、テトラオクトキシチタン、テトラノニノキシチタン、テトラデシロキシチタン、テトラウンデシロキシチタン、テトララウリロキシチタン、テトラミリストキシチタン、テトラパルミトキシチタン、テトラステアロキシチタン、テトラシクロプロポシキチタン、テトラシクロブトキシチタン、テトラシクロペントキシチタン、テトラシクロヘキソキシチタン、テトラシクロヘプトキシチタン、テトラシクロオクトキシチタン、テトラシクロノノキシチタン、テトラシクロデシロキシチタン、テトラシクロウンデシロキシチタン、テトラシクロドデシロキシチタン、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラプロポキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラn−ブトキシジルコニウム、テトラtert−ブトキシジルコニウム、テトラsec−ブトキシジルコニウム、テトラペントキシジルコニウム、テトラヘキトキシジルコニウム、テトラヘプトキシジルコニウム、テトラオクトキシジルコニウム、テトラノニノキシジルコニウム、テトラデシロキシジルコニウム、テトラウンデシロキシジルコニウム、テトララウリロキシジルコニウム、テトラミリストキシジルコニウム、テトラパルミトキシジルコニウム、テトラステアロキシジルコニウム、テトラシクロプロポシキジルコニウム、テトラシクロブトキシジルコニウム、テトラシクロペントキシジルコニウム、テトラシクロヘキソキシジルコニウム、テトラシクロヘプトキシジルコニウム、テトラシクロオクトキシジルコニウム、テトラシクロノノキシジルコニウム、テトラシクロデシロキシジルコニウム、テトラシクロウンデシロキシジルコニウム、テトラシクロドデシロキシジルコニウム、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラtert−ブトキシシラン、テトラsec−ブトキシシラン、テトラペントキシシラン、テトラヘキトキシシラン、テトラヘプトキシシラン、テトラオクトキシシラン、テトラノニノキシシラン、テトラデシロキシシラン、テトラウンデシロキシシラン、テトララウリロキシシラン、テトラミリストキシシラン、テトラパルミトキシシラン、テトラステアロキシシラン、テトラシクロプロポシキシラン、テトラシクロブトキシシラン、テトラシクロペントキシシラン、テトラシクロヘキソキシシラン、テトラシクロヘプトキシシラン、テトラシクロオクトキシシラン、テトラシクロノノキシシラン、テトラシクロデシロキシシラン、テトラシクロウンデシロキシシラン、テトラシクロドデシロキシシラン、テトラメトキシスズ、テトラエトキシスズ、テトラプロポキシスズ、テトライソプロポキシスズ、テトラn−ブトキシスズ、テトラtert−ブトキシスズ、テトラsec−ブトキシスズ、テトラペントキシスズ、テトラヘキトキシスズ、テトラヘプトキシスズ、テトラオクトキシスズ、テトラノニノキシスズ、テトラデシロキシスズ、テトラウンデシロキシスズ、テトララウリロキシスズ、テトラミリストキシスズ、テトラパルミトキシスズ、テトラステアロキシスズ、テトラシクロプロポシキスズ、テトラシクロブトキシスズ、テトラシクロペントキシスズ、テトラシクロヘキソキシスズ、テトラシクロヘプトキシスズ、テトラシクロオクトキシスズ、テトラシクロノノキシスズ、テトラシクロデシロキシスズ、テトラシクロウンデシロキシスズ、テトラシクロドデシロキシスズ等が挙げられる。
金属トリフラート化合物としては、反応活性の点から、Ce、Hf、La、Nd、Sc、Tm、YbおよびYから選ばれる金属のトリフラート化合物が好ましい。
金属トリフラート化合物の具体例としては、トリフルオロメタンスルホン酸セリウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸銅(I)ベンゼン、トリフルオロメタンスルホン酸銅(II)、トリフルオロメタンスルホン酸ハフニウム(IV)、トリフルオロメタンスルホン酸ランタン(III)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウム、トリフルオロメタンスルホン酸ネオジム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸カリウム、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム、トリフルオロメタンスルホン酸ツリウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸スズ(II)、トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸イットリウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸亜鉛(II)等が挙げられる。
金属トリフラート化合物の具体例としては、トリフルオロメタンスルホン酸セリウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸銅(I)ベンゼン、トリフルオロメタンスルホン酸銅(II)、トリフルオロメタンスルホン酸ハフニウム(IV)、トリフルオロメタンスルホン酸ランタン(III)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウム、トリフルオロメタンスルホン酸ネオジム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸カリウム、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム、トリフルオロメタンスルホン酸ツリウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸スズ(II)、トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸イットリウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸亜鉛(II)等が挙げられる。
金属酸化物としては、反応性の点から、Al、Zn、Sn、Pbから選ばれる金属の酸化物が好ましい。
(エステル交換反応)
ルイス酸触媒の存在下に、含フッ素カーボネートとジオールとをエステル交換反応させて、ポリカーボネートを得る具体的な方法としては、下記の(A)または(B)の方法が挙げられ、簡単なプロセスで製造できる点から、(A)の方法が好ましい。
(A)ルイス酸触媒の存在下に、含フッ素カーボネートとジオールとを溶融重縮合させる方法。
(B)ルイス酸触媒の存在下に、含フッ素カーボネートとジオールとを溶液重縮合させる方法。
ルイス酸触媒の存在下に、含フッ素カーボネートとジオールとをエステル交換反応させて、ポリカーボネートを得る具体的な方法としては、下記の(A)または(B)の方法が挙げられ、簡単なプロセスで製造できる点から、(A)の方法が好ましい。
(A)ルイス酸触媒の存在下に、含フッ素カーボネートとジオールとを溶融重縮合させる方法。
(B)ルイス酸触媒の存在下に、含フッ素カーボネートとジオールとを溶液重縮合させる方法。
(A)の方法における反応温度は、反応初期においてはジオールの融点以上が好ましく、反応後期においてはポリカーボネートの融点以上が好ましい。また、(A)の方法における反応温度は、ポリカーボネートの着色を抑える点から、300℃以下が好ましい。
含フッ素カーボネートの最初の仕込みのモル数と、ジオールの最初の仕込みのモル数との比(含フッ素カーボネート/ジオール)は、ポリカーボネートの目的の分子量に応じて適宜選択すればよい。
脂肪族又は芳香族ポリカーボネートジオールを得る場合の含フッ素カーボネート/ジオール比(モル比)は、分子量が1000程度〜100000程度の脂肪族又は芳香族ポリカーボネートジオールが得られる点から、0.90〜1.30が好ましい。
脂肪族又は芳香族ポリカーボネートジオールを得る場合の含フッ素カーボネート/ジオール比(モル比)は、分子量が1000程度〜100000程度の脂肪族又は芳香族ポリカーボネートジオールが得られる点から、0.90〜1.30が好ましい。
以上説明した本発明のポリカーボネートの製造方法にあっては、酸解離度が比較的高い含フッ素アルコールに由来する特定の含フッ素カーボネートと、ジオールとをエステル交換反応させているため、ホスゲン等の毒性の化合物を用いることなく、重合反応速度が速く着色が無い、高純度のポリカーボネートを簡単なプロセスで製造できる。
すなわち、本発明における含フッ素カーボネート化合物は、フッ素原子による電子吸引性の効果でエステル部位の解離度が高く、芳香族ジオールや脂肪族ジオールとのエステル交換反応が容易であるため、該含フッ素カーボネート化合物を用いる本発明のポリカーボネートの製造方法は、従来のエステル交換法によるポリカーボネートの製造方法の課題であった高温で長時間反応させることによる着色等の問題を解決できる、優れた製造方法である。
また、以上説明した本発明のポリカーボネートの製造方法にあっては、特定のルイス酸触媒を用いているため、より速い反応速度で高分子量体を得ることできる。そのため、従来の塩基触媒を用いる場合に見られるフリース転位等の副反応が起こりにくく、着色や分岐によるポリカーボネート品質への影響を抑制でき、高品質のポリカーボネートを製造できる。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(ガスクロマトグラフィー(GC)分析)
Agilent社製の6890シリーズを用いてGC分析を行った。
Agilent社製の6890シリーズを用いてGC分析を行った。
(ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)分析)
東ソー社製のHLC−8220GPCを用い、下記条件にて分析を行い、標準ポリスチレン換算により分子量を決定した。
カラム:TSK GUARDCOLUMN SUPERHZシリーズカラム(HZ−Lガードカラム、4000、3000、2500および2000)、
移動相:テトラヒドロフラン、
流速:0.35mL/min、
検出方法:RI検出、
カラム温度:40℃。
東ソー社製のHLC−8220GPCを用い、下記条件にて分析を行い、標準ポリスチレン換算により分子量を決定した。
カラム:TSK GUARDCOLUMN SUPERHZシリーズカラム(HZ−Lガードカラム、4000、3000、2500および2000)、
移動相:テトラヒドロフラン、
流速:0.35mL/min、
検出方法:RI検出、
カラム温度:40℃。
(合成例1)
ビス(2,2,3,3−テトラフルオロプロピル)カーボネート(化合物(11))の合成:
撹拌機、20℃の還流冷却器および留出ラインを備えた500mLのガラス製の反応器に、ヘキサクロロアセトンの201g(0.76mol)、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールの358g(2.71mol)、KFの10gを仕込んだ後、撹拌を行いながら、徐々に温度を上昇し、内温100℃で20時間反応を行った。反応終了後に、反応器内に存在する反応粗液の560gを回収した。回収液をGC分析した結果、化合物(11)が生成していることを確認した。
化合物(11)は、蒸留により精製し、以下のポリカーボネートの合成に使用した。
ビス(2,2,3,3−テトラフルオロプロピル)カーボネート(化合物(11))の合成:
撹拌機、20℃の還流冷却器および留出ラインを備えた500mLのガラス製の反応器に、ヘキサクロロアセトンの201g(0.76mol)、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールの358g(2.71mol)、KFの10gを仕込んだ後、撹拌を行いながら、徐々に温度を上昇し、内温100℃で20時間反応を行った。反応終了後に、反応器内に存在する反応粗液の560gを回収した。回収液をGC分析した結果、化合物(11)が生成していることを確認した。
化合物(11)は、蒸留により精製し、以下のポリカーボネートの合成に使用した。
(実施例1)
ポリカーボネートの合成1(テトラn−ブトキシチタン触媒):
300mLの溶融重合用装置の反応器に、ビスフェノールA(化合物(12))の87.3g(0.30mol)、化合物(11)の75.4g(0.33mol)、テトラn−ブトキシチタンの1.02g(3.0mmol)を仕込んだ。下記の脱酸素工程を3回繰り返した。
脱酸素工程:0℃にて反応器内の圧力が約1トルになるまで排気することによって酸素を抜いた後、再度反応器内に窒素を充填する。
ポリカーボネートの合成1(テトラn−ブトキシチタン触媒):
300mLの溶融重合用装置の反応器に、ビスフェノールA(化合物(12))の87.3g(0.30mol)、化合物(11)の75.4g(0.33mol)、テトラn−ブトキシチタンの1.02g(3.0mmol)を仕込んだ。下記の脱酸素工程を3回繰り返した。
脱酸素工程:0℃にて反応器内の圧力が約1トルになるまで排気することによって酸素を抜いた後、再度反応器内に窒素を充填する。
反応器を、180℃に予熱したオイルバス内に浸した。オイルバス温度180℃、撹拌速度200rpmで撹拌を行ったところ、10分後に熱的に平衡化されて固形物が完全に融解し、無色の均一な液体となった。その後、反応器内の圧力を740トル、反応器内の温度を180℃に保って5分間反応を続けた時点で2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールが反応容器から排気され、受けフラスコ中に留出し始めた。30分後、反応器内の温度を200℃に上げ、反応器内の圧力を740トルに保った。30分後、反応器内の温度を200℃に保ったまま、反応器内の圧力を500トルに下げ、さらに30分間維持した。2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールは、受けフラスコ中に留出し続けた。反応器内の温度を250℃に上げ、反応器内の圧力を100トルに下げた後、この条件を30分間維持した。その後、反応器内の温度を290℃に上げ、反応器内の1トルに下げると、溶融した物質の粘度が上昇し始めた。30分間維持した後、室温で冷却することで重合を終了し、下式(13)で表されるポリカーボネートを得た。
得られたポリカーボネートのGPC分析による質量平均分子量(Mw)は25,000であり、数平均分子量(Mn)は13,200であり、分散度(Mw/Mn)は1.89であった。該ポリカーボネートには着色がなく、高純度のものであると認められた。
(実施例2)
ポリカーボネートの合成2(トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(III)触媒):
触媒としてテトラn−ブトキシチタンの代わりにトリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(III)の1.48g(3.0mmol)を用いた以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネートを得た。
ポリカーボネートの合成2(トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(III)触媒):
触媒としてテトラn−ブトキシチタンの代わりにトリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(III)の1.48g(3.0mmol)を用いた以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネートを得た。
得られたポリカーボネートのGPC分析による質量平均分子量(Mw)は14,900であり、数平均分子量(Mn)は7,487であり、分散度(Mw/Mn)は1.99であった。該ポリカーボネートには着色がなく、高純度のものであると認められた。
本発明を詳細に、また特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、様々な変更や修正を加えることができることは、当業者にとって明らかである。
本出願は、2009年8月28日出願の日本国特許出願2009−198478に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本出願は、2009年8月28日出願の日本国特許出願2009−198478に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明の製造方法で得られた芳香族ポリカーボネートは、エンジニアリングプラスチックスとして有用である。本発明の製造方法で得られた脂肪族ポリカーボネートは、ポリウレタン、ポリオール、ポリエステル等の原料として有用である。
Claims (21)
- ルイス酸触媒の存在下に、下式(1)で表される化合物、下式(2)で表される化合物、および下式(3)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の含フッ素カーボネートと、ジオールとのエステル交換反応によってポリカーボネートを得る、ポリカーボネートの製造方法。
R2は、水素原子またはCX2Y2R5で表される基であり、2つのR2は同一であっても異なってもよく、
R3は、水素原子またはCX3Y3R6で表される基であり、2つのR3は同一であっても異なってもよく、
X1〜X3は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子またはRfであり、
Y1〜Y3は、それぞれ独立にフッ素原子またはRfであり、
R4〜R6は、それぞれ独立にフッ素原子、Rf、ORfまたは炭素数1〜6のアルキル基であり、
Rfは、炭素数1〜4のフルオロアルキル基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい)であり、Rfが複数存在する場合、複数のRfは互いに同一であっても異なってもよい。
R2は、水素原子またはCX2Y2R5で表される基であり、
R3は、水素原子またはCX3Y3R6で表される基であり、
R7は、炭素数1〜5のパーフルオロアルキレン基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい)であり、
X1〜X3は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子またはRfであり、
Y1〜Y3は、それぞれ独立にフッ素原子またはRfであり、
R4〜R6は、それぞれ独立にフッ素原子、Rf、ORfまたは炭素数1〜6のアルキル基であり、
Rfは、炭素数1〜4のフルオロアルキル基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい)であり、Rfが複数存在する場合、複数のRfは互いに同一であっても異なってもよい。
- 前記ルイス酸触媒が、下式(7)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載のポリカーボネートの製造方法。
Mi+(R8Xj−)m(Yk−)n ・・・(7)
ただし、i=j×m+k×nであり、
i、jは、それぞれ1以上の整数であり、
kは、2以上の整数であり、
m、nは、それぞれ0〜4の整数であり、
Mは、金属元素または半金属元素であり、
Xj−は、有機酸基の共役塩基であり、
R8は、水素原子、官能基を有してもよい炭素数1〜10の炭化水素基、または官能基を有してもよい炭素数1〜10のポリフルオロアルキル基であり、
Yk−は、ハロゲンイオンを除く無機陰イオンである。 - 前記式(7)におけるXj−が、COO−、SO3 −、OSO3 −、OPO3 2−、またはO−である、請求項2に記載のポリカーボネートの製造方法。
- 前記ルイス酸触媒が、下式(8)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載のポリカーボネートの製造方法。
Mp+ s(R8Xq−)t(Yr−)u ・・・(8)
ただし、p×s=q×t+r×uであり、
p、qは、それぞれ1以上の整数であり、
rは、2以上の整数であり、
sは、2以上の整数であり、
t、uは、それぞれ0〜4の整数であり、
Mは、金属元素または半金属元素であり、
Xq−は、有機酸基の共役塩基であり、
R8は、水素原子、官能基を有してもよい炭素数1〜10の炭化水素基、または官能基を有してもよい炭素数1〜10のポリフルオロアルキル基であり、
Yr−は、ハロゲンイオンを除く無機陰イオンである。 - 前記式(8)におけるXq−が、COO−、SO3 −、OSO3 −、OPO3 2−、またはO−である、請求項4に記載のポリカーボネートの製造方法。
- 前記ルイス酸触媒が、金属アルコキシド化合物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリカーボネートの製造方法。
- 前記金属アルコキシド化合物が、Ti、Zr、SiおよびSnから選ばれる金属のアルコキシド化合物である、請求項6に記載のポリカーボネートの製造方法。
- 前記ルイス酸触媒が、金属トリフラート化合物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリカーボネートの製造方法。
- 前記金属トリフラート化合物が、Ce、Hf、La、Nd、Sc、Tm、YbおよびYから選ばれる金属のトリフラート化合物である、請求項8に記載のポリカーボネートの製造方法。
- 前記ルイス酸触媒が、金属酸化物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリカーボネートの製造方法。
- 前記金属酸化物が、Al、Zn、Sn、Pbから選ばれる金属の酸化物である、請求項10に記載のポリカーボネートの製造方法。
- 前記含フッ素カーボネートが、下式(4)で表される化合物および下式(5)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の含フッ素アルコールを出発物質として用いる反応によって得られる、請求項1〜11のいずれか一項に記載のポリカーボネートの製造方法。
R2は、水素原子またはCX2Y2R5で表される基であり、
R3は、水素原子またはCX3Y3R6で表される基であり、
R7は、炭素数1〜5のパーフルオロアルキレン基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい)であり、
X1〜X3は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子またはRfであり、
Y1〜Y3は、それぞれ独立にフッ素原子またはRfであり、
R4〜R6は、それぞれ独立にフッ素原子、Rf、ORfまたは炭素数1〜6のアルキル基であり、
Rfは、炭素数1〜4のフルオロアルキル基(ただし、エーテル性酸素を含んでもよい)であり、Rfが複数存在する場合、複数のRfは互いに同一であっても異なってもよい。 - 前記含フッ素アルコールの炭素数が、2〜10である、請求項12に記載のポリカーボネートの製造方法。
- 前記式(4)におけるR2が、CX2Y2R5で表される基である、請求項12または13に記載のポリカーボネートの製造方法。
- 前記含フッ素アルコールのpKaが、15未満である、請求項12〜14のいずれか一項に記載のポリカーボネートの製造方法。
- 前記含フッ素アルコールのpKaが、10未満である、請求項12〜15のいずれか一項に記載のポリカーボネートの製造方法。
- 前記含フッ素アルコールが、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、パーフルオロ(t−ブチル)アルコール、および2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロシクロヘキサノールからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項12〜16のいずれか一項に記載のポリカーボネートの製造方法。
- 前記ジオールが、脂肪族ジオールまたは芳香族ジオールである、請求項1〜17のいずれか一項に記載のポリカーボネートの製造方法。
- 前記ジオールが、ビスフェノールAである、請求項1〜18のいずれか一項に記載のポリカーボネートの製造方法。
- 前記ジオールが、炭素数2〜10の脂肪族ジオールである、請求項1〜18のいずれか一項に記載のポリカーボネートの製造方法。
- 前記ジオールが、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−プロパンジオールおよび1,4−ブタンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜18または20のいずれか一項に記載のポリカーボネートの製造方法。
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