JP2005060147A - 複合酸化物前駆体水溶液及びNOx吸蔵材の担持方法 - Google Patents

複合酸化物前駆体水溶液及びNOx吸蔵材の担持方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安定性を向上させ、NOx 吸蔵材を微細で高分散に担持する。
【解決手段】アルカリ金属,アルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれる少なくとも一種の元素を含む第1化合物と、第3族元素,第4族元素及び遷移金属から選ばれる少なくとも一種の元素を含む第2化合物と、多座配位子を有する第3化合物と、からなる複合酸化物前駆体水溶液に、さらに過酸化水素を添加した。
第2化合物と第3化合物とで形成される錯体に過酸化水素が配位することによって、錯体と第1化合物のイオンとの反応が抑制されると考えられ、ゲル化の進行が抑制される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、三元触媒あるいはNOx 吸蔵還元型触媒などの製造に用いられる複合酸化物前駆体水溶液と、その複合酸化物前駆体水溶液を用いてNOx 吸蔵材を担持する方法に関する。
リーンバーンエンジンにおいて、常時は酸素過剰の燃料リーン条件で燃焼させ、間欠的に燃料ストイキ〜リッチ条件とすることにより排ガスを還元雰囲気としてNOx を還元浄化するシステムが開発され、実用化されている。そしてこのシステムに最適な触媒として、リーン雰囲気でNOx を吸蔵し、ストイキ〜リッチ雰囲気で吸蔵されたNOx を放出するBaなどのNOx 吸蔵材を用いたNOx 吸蔵還元型の排ガス浄化用触媒が開発されている。
例えば特開平05−317652号公報には、Baなどのアルカリ土類金属とPtをアルミナなどの多孔質酸化物担体に担持したNOx 吸蔵還元型触媒が提案されている。また特開平06−031139号公報には、Kなどのアルカリ金属とPtをアルミナなどの多孔質酸化物担体に担持したNOx 吸蔵還元型触媒が提案されている。さらに特開平05−168860号公報には、Laなどの希土類元素とPtをアルミナなどの多孔質酸化物担体に担持したNOx 吸蔵還元型触媒が提案されている。
このNOx 吸蔵還元型触媒を用いれば、空燃比をリーン側からパルス状にストイキ〜リッチ側となるように制御することにより、排ガスもリーン雰囲気からパルス状にストイキ〜リッチ雰囲気となる。したがって、リーン側ではNOx がNOx 吸蔵材に吸蔵され、それがストイキ又はリッチ側で放出されてHCやCOなどの還元性成分と反応して浄化されるため、リーンバーンエンジンからの排ガスであってもNOx を効率良く浄化することができる。また排ガス中のHC及びCOは、貴金属により酸化されるとともにNOx の還元にも消費されるので、HC及びCOも効率よく浄化される。
ところが排ガス中には、燃料中に含まれる硫黄(S)が燃焼して生成したSOx が含まれ、それがリーン雰囲気の排ガス中で貴金属により酸化されてSO3 となる。そしてそれがやはり排ガス中に含まれる水蒸気により容易に硫酸となり、これらがNOx 吸蔵材と反応して亜硫酸塩や硫酸塩が生成し、これによりNOx 吸蔵材が被毒劣化することが明らかとなった。また、アルミナなどの多孔質酸化物担体はSOx を吸着しやすいという性質があることから、上記硫黄被毒が促進されるという問題がある。
そして、このようにNOx 吸蔵材が亜硫酸塩や硫酸塩となって被毒劣化すると、もはやNOx を吸蔵することができなくなり、その結果上記触媒では、耐久後のNOx の浄化性能が低下するという不具合があった。
そこで特開平08−099034号公報などには、チタニアなどの酸性酸化物を担体として用いることが提案されている。酸性酸化物を担体とすることで、酸性の硫黄酸化物の近接が抑制されるため硫黄被毒を抑制することができる。また、NOx 吸蔵材とチタンなどの複合酸化物を用いても、同様に硫黄被毒を抑制することができる。
しかしNOx 吸蔵材とチタンなどの複合酸化物を多孔質酸化物担体に担持する場合は、予め調製された複合酸化物を担持した場合には、その粒径が大きく表面積が小さいために、NOx 吸蔵能が低いという問題がある。この問題を解決するには、複数の金属元素を含む水溶液を多孔質酸化物担体に含浸させ、それを焼成することで複合酸化物を形成することが望ましい。
そこで例えば特開2003−071298号公報には、チタンアルコキシドとクエン酸を混合してチタンクエン酸錯体水溶液を調製し、それに酢酸バリウム水溶液を加えた複合酸化物前駆体水溶液を多孔質酸化物担体に含浸させ、焼成することでBa−Ti複合酸化物を担持する方法が開示されている。この方法によれば、多孔質酸化物担体に微細なBa−Ti複合酸化物を容易に担持することができる。
ところがこの方法では、複合酸化物前駆体水溶液のゲル化の進行が早く、安定性が低いという不具合があった。そのため複合酸化物前駆体水溶液を調製後、短時間の間に多孔質酸化物担体へ含浸させる必要があった。その調製後に時間が経過した複合酸化物前駆体水溶液を用いると、担持された複合酸化物の粒径が粗大化したり、分散性が低下するようになり、NOx 吸蔵能が低下するからである。
また容量の大きな触媒を調製する場合には、部分的にNOx 吸蔵材の粒径や分布が異なり易く、品質の安定化がきわめて困難である。
そして複合酸化物前駆体水溶液の保存が困難であるために、NOx 吸蔵材の担持工程の度に複合酸化物前駆体水溶液を調製する必要があり、工数が多大となっていた。
特開平05−317652号 特開平08−099034号 特開2003−071298号
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、複合酸化物前駆体水溶液の安定性を向上させることを主たる課題とする。
上記課題を解決する本発明の複合酸化物前駆体水溶液の特徴は、アルカリ金属,アルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれる少なくとも一種の元素を含む第1化合物と、第3族元素,第4族元素及び遷移金属から選ばれる少なくとも一種の元素を含む第2化合物と、多座配位子を有する第3化合物と、過酸化水素と、が水に溶解してなることにある。
第1化合物はBaを含むことが望ましく、第2化合物はTiを含むことが望ましい。また第3化合物はクエン酸を含むことが望ましく、第2化合物に対してモル比で3以上含まれていることが望ましい。
過酸化水素は、第2化合物に対してモル比で1/2以上含まれていることが好ましく、第2化合物に対してモル比で1〜2の範囲で含まれていることがさらに望ましい。
そして本発明のNOx 吸蔵材の担持方法の特徴は、本発明の複合酸化物前駆体水溶液を多孔質酸化物に含浸させ焼成することにある。
本発明の複合酸化物前駆体水溶液によれば、ゲル化の進行が抑制されているため安定性が高い。したがって例えば2週間程度以上の長期間保存しても調製初期と同等の特性を有し、それを用いて多孔質酸化物に担持すれば、微細な複合酸化物を高分散で担持することができる。これにより本発明のNOx 吸蔵材の担持方法によれば、複合酸化物からなるNOx 吸蔵材を微細に、かつ高分散で担持でき、高いNOx 浄化性能と耐硫黄被毒性を有する触媒を調製することができる。また担持工程の度に複合酸化物前駆体水溶液を調製する手間を省くことができ、工数が大きく低減される。
従来の複合酸化物前駆体水溶液によるゲル化の進行は、チタンクエン酸錯体とBaイオンとの反応に起因している。そこで本発明の複合酸化物前駆体水溶液では、アルカリ金属,アルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれる少なくとも一種の元素を含む第1化合物と、第3族元素,第4族元素及び遷移金属から選ばれる少なくとも一種の元素を含む第2化合物と、多座配位子を有する第3化合物とに加えて、さらに過酸化水素を用いている。第2化合物と第3化合物とで形成される錯体に過酸化水素が配位することによって、錯体と第1化合物のイオンとの反応が抑制されると考えられ、ゲル化の進行が抑制される。
そのため本発明の複合酸化物前駆体水溶液では、第1化合物の元素と第2化合物の元素とが原子レベルで均一に分散した状態が長期間維持される。したがってこの水溶液を多孔質酸化物に含浸させて焼成すれば、微細な複合酸化物を高分散で担持することができる。
第1化合物は、Li、Na、K、Csなどのアルカリ金属、Ba、Mg、Ca、Srなどのアルカリ土類金属及びSc、Y、La、Ce、Pr、Ndなどの希土類元素から選ばれる少なくとも一種の元素を含む化合物であり、水酸化物、酢酸塩、炭酸塩、硝酸塩など水溶性の化合物を用いることが望ましい。中でも酢酸バリウム、硝酸バリウムなどのBa化合物が特に好ましい。
第2化合物は、Al、Si、Pなどの第3族元素、Ti、Zrなどの第4族元素及びV、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Znなどの遷移金属から選ばれる少なくとも一種の元素を含む化合物であり、第1化合物と同様に水酸化物、硝酸塩などの水溶性の化合物を用いることができる。中でもTi化合物が望ましい。またアルコキシドを用いることも好ましい。アルコキシドを用いれば、多座配位子との錯体を容易に形成することができる。
第3化合物は、2個以上の配位基で配位し得る多座配位子を有する化合物であり、クエン酸、シュウ酸などの多価カルボン酸類、グリコール、ピナコールなどのジオール類などが挙げられる。このうち1種を単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いることもできる。中でもクエン酸が特に好ましい。
本発明の複合酸化物前駆体水溶液は、第1化合物、第2化合物、第3化合物及び過酸化水素が水に溶解してなる。水は、イオン交換水、蒸留水などの純水であることが望ましい。また各化合物の含有量は、水1000mlに対して、第1化合物の金属元素が 0.1〜 1.0モル、第2化合物の金属元素が 0.1〜 1.0モル、第3化合物が 0.3〜 5.0モルの範囲とすることが好ましい。各化合物の含有量がこの範囲を超えると、溶液濃度が高すぎて反応が均一に起こりにくくなる傾向にある。また各化合物の含有量がこの範囲より少ないと、溶液濃度が低すぎてNOx 吸蔵材の担持効率が低下するようになる。
第1化合物と第2化合物は、各々の金属元素のモル比が第2化合物/第1化合物= 0.5〜 1.5の範囲となるように配合することが好ましい。このように調製された水溶液を用いてNOx 吸蔵材を担持すれば、NOx 吸蔵能が著しく向上する。
第3化合物は、第2化合物に対してモル比で3以上含まれていることが望ましい。第3化合物の含有量がこれより少ないと、第2化合物との錯体の形成が困難となり、目的とする複合酸化物の形成が困難となる。なお第3化合物が第2化合物に対してモル比で10を超えて含まれると、第1化合物及び第2化合物の溶液中濃度が低下し担持効率が低下することになるので、第2化合物に対してモル比で10以下の範囲とすることが望ましい。
過酸化水素は、第2化合物に対してモル比で1/2以上とすることが望ましい。過酸化水素の含有量が第2化合物に対してモル比で1/2未満では、ゲル化の進行が早くなるため好ましくない。しかし3を超えて含有すると、過酸化水素の分解による溶液中の気泡の生成が多くなることや、第1化合物及び第2化合物の担持効率が低下することになるので、過酸化水素は第2化合物に対してモル比で3以下とするのが好ましい。
本発明の複合酸化物前駆体水溶液を調製するには、第1化合物と第2化合物及び第3化合物が水中で共存する前に過酸化水素が存在していることが望ましい。したがって第2化合物及び第3化合物と過酸化水素とを先ず水に溶解しておき、それを撹拌しながら第1化合物の水溶液を滴下することが望ましい。あるいは第2化合物及び第3化合物の水溶液を撹拌しながら、第1化合物と過酸化水素との混合水溶液を滴下してもよい。
こうして調製された本発明の複合酸化物前駆体水溶液は、例えば2週間以上の長期間保存しても調製初期と同等の特性を有し、ゲル化の進行が抑制され安定性が高い。したがってそれを用いて多孔質酸化物担体に担持すれば、例えばBa−Ti複合酸化物などを微細な状態で高分散に担持することができる。
そこで本発明のNOx 吸蔵材の担持方法では、本発明の複合酸化物前駆体水溶液を多孔質酸化物に含浸させ焼成することで、多孔質酸化物を担体としてNOx 吸蔵材を担持している。この場合に用いる複合酸化物前駆体水溶液においては、第2化合物としてTiなど酸化物が酸性を呈する元素を含む化合物を用いることが望ましい。このようにすれば、担持されたNOx 吸蔵材の耐硫黄被毒性が向上する。
多孔質酸化物としては、 Al2O3、TiO2、ZrO2、SiO2、CeO2、 MgO、これらから選ばれる複数種からなる複合酸化物、ゼオライトなどが挙げられる。これらの一種を単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いることもできる。
本発明の複合酸化物前駆体水溶液を用いて多孔質酸化物にNOx 吸蔵材を担持するには、多孔質酸化物粉末に複合酸化物前駆体水溶液を含浸させ、乾燥・焼成してもよいし、ハニカム基材などに多孔質酸化物粉末からなるコート層を形成しておき、そのコート層に複合酸化物前駆体水溶液を含浸させ、乾燥・焼成することもできる。乾燥・焼成時に過酸化水素が先ず分解することで、錯体とBaイオンなどとの反応が一気に進行してゲル化し、微細な複合酸化物を高分散で担持することができる。
焼成条件は複合酸化物が生成する条件であれば特に制限がないが、例えば大気中で、好ましくは 300〜 600℃、より好ましくは 300〜 500℃に加熱する。また加熱時間は加熱温度によって異なるが、例えば1〜3時間行えば十分である。
なお、上記方法でNOx 吸蔵材を担持した後に、あるいは上記方法でNOx 吸蔵材を担持する前に、Ptなどの貴金属触媒を含浸担持法など公知の担持法を用いて担持すれば、NOx 吸蔵還元型触媒を製造することができる。自動車排ガス用のNOx 吸蔵還元型触媒とする場合には、NOx 吸蔵材の担持量は触媒体積1Lあたり0.01〜 0.5モル程度が好ましい。NOx 吸蔵材の担持量の調整は、複合酸化物前駆体水溶液の濃度を調整して行うこともできるが、複合酸化物前駆体水溶液濃度が高すぎると上記反応が均一に起こりにくくなるので、上記担持工程の回数で調整することが望ましい。
そして本発明の担持方法で担持されたNOx 吸蔵材は、きわめて微細で高分散であるために高いNOx 吸蔵能が発現される。そして第2化合物の金属元素が複合化されているので、硫黄被毒が抑制され、耐久後も高いNOx 吸蔵能を維持することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
クエン酸(和光純薬工業製) 1.5モルをイオン交換水 280mlに溶解し、75℃に加熱した。この溶液にチタンイソプロポキシド(和光純薬工業製) 0.3モルを加え、溶解後に室温まで冷却して、チタンクエン酸錯体水溶液(0.57モル/L)を調製した。この溶液6.15mlを採取し、30%H2O2水溶液 0.6mlを加え、これを撹拌しながら濃度2.14モル/Lの酢酸バリウム水溶液1.63mlを滴下して撹拌し、本実施例の複合酸化物前駆体水溶液を調製した。複合酸化物前駆体水溶液中のモル比(Ti/Ba)は 1.0である。
(比較例1)
30%H2O2水溶液を加えなかったこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の複合酸化物前駆体水溶液を調製した。
<試験・評価>
実施例1及び比較例1の複合酸化物前駆体水溶液7mlを10ccの容器にそれぞれ採取し、室温にて放置して状態を観察し、沈殿の生成が開始されるまでの時間を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2005060147
表1から明らかなように、比較例1では1時間で沈殿の生成が観察されたのに対し、実施例1の複合酸化物前駆体水溶液では14日経過後にようやく沈殿の生成が観察された。すなわち過酸化水素の添加によって、沈殿の生成が抑制されたことが明らかである。
(実施例2)
アルミナ粉末 100重量部、チタニア−ジルコニア複合酸化物粉末 100重量部、Rhを 0.5g/50g担持したジルコニア粉末50重量部、セリアジルコニア複合酸化物粉末20重量部を含むスラリーを調製し、直径30mm、長さ50mmのコージェライト製ハニカム基材(六角セル)にウオッシュコートし、乾燥・焼成してコート層を形成した。コート量は、ハニカム基材1Lあたり 270gである。
このコート層をもつハニカム基材に対して、所定濃度のジニトロジアンミン白金硝酸溶液を用いてPtを選択吸着担持し、大気中にて 300℃で3時間焼成してPt担持触媒を調製した。Ptの担持量は、触媒1Lあたり2gである。
次に、このPt担持触媒に実施例1で調製され室温で1時間保存された複合酸化物前駆体水溶液の所定量を吸水含浸させ、大気中にて 300℃で3時間焼成してBa−Ti複合酸化物を担持した。触媒1Lあたり、Ba及びTiはそれぞれ 0.2モル担持された。その後、所定濃度の酢酸カリウム及び酢酸リチウム混合水溶液の所定量を吸水含浸させ、大気中にて 300℃で3時間焼成してK及びLiを担持した。触媒1Lあたり、Kは0.15モル、Liは 0.1モル担持された。こうしてNOx 吸蔵還元型触媒を調製した。
(実施例3)
モル比(Ti/Ba)が0.76となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして調製され室温で1時間保存された複合酸化物前駆体水溶液を用いたこと以外は実施例2と同様にして、NOx 吸蔵還元型触媒を調製した。
(実施例4)
モル比(Ti/Ba)が 1.3となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして調製され室温で1時間保存された複合酸化物前駆体水溶液を用いたこと以外は実施例2と同様にして、NOx 吸蔵還元型触媒を調製した。
(比較例2)
比較例1と同様にして調製され室温で10分間保存された複合酸化物前駆体水溶液を用いたこと以外は実施例2と同様にして、NOx 吸蔵還元型触媒を調製した。
(比較例3)
複合酸化物前駆体水溶液に代えて、所定濃度の酢酸バリウム水溶液を用いたこと以外は実施例2と同様にして、NOx 吸蔵還元型触媒を調製した。Baの担持量は実施例2で調製されたNOx 吸蔵還元型触媒と同様である。
<試験・評価>
実施例2〜4及び比較例2〜3の触媒に対して、 750℃の空気を1L/分の流量で5時間流通させる耐久試験を行った。続いて、各触媒をそれぞれ評価装置に配置し、直噴ガソリンエンジンのスタート触媒の下流の排気組成を模擬したモデルガス評価法によって硫黄脱離性を評価した。
Figure 2005060147
すなわち表2に示すモデルガスを用い、図1に示すパターンに従って前処理、S被毒処理及び再生処理を行った。前処理は、表2に示すモデルガスを用い、 650℃で10分間行った。S被毒処理は、表2に示すモデルガスを用い、リーン/リッチを 120秒/3秒で交互に繰り返しながら 400℃で41分間行った。また再生処理は、表2に示すモデルガスを用い、 650℃にてリーンガスで5分間処理した後、 650℃にてリッチガスで10分間処理した。
Figure 2005060147
これらの処理後、表3に示すモデルガスを用い、SV=51400h-1の条件下、リーン/リッチを 120秒/3秒で交互に繰り返しながら、 250℃、 300℃、 400℃、 500℃、 600℃、 650℃のそれぞれの温度にて触媒出ガス中のNOx 濃度を算出した。
触媒出ガス中のNOx 濃度は、リッチからリーンに切り替わった直後から図2に模式的に示すように徐々に増大する。リッチからリーンに切り替わった直後から時間t1が経過するまでに、触媒に流入したNOx 総量は図2のA+Bの面積で表され、触媒に吸蔵されたNOx 量はAの部分の面積で表される。そこでAの部分の面積がA+Bの面積の95%以上となるときの時間t1を測定し、Aの部分の面積に相当するNOx 量を算出して95%NOx 吸蔵量とした。実施例2、比較例2〜3で調製された触媒についての結果を図3に示す。
図3より、比較例2で調製された触媒は比較例3で調製された触媒に比べて95%NOx 吸蔵量が多いことがわかる。比較例2で調製された触媒は、過酸化水素を含まないけれども複合酸化物前駆体水溶液を用いてNOx 吸蔵材を担持している。したがってBaとTiとが複合酸化物として担持され、比較例3で調製された触媒に比べて耐硫黄被毒性が高いために耐久後の95%NOx 吸蔵量が多くなったと考えられる。
一方、実施例2で調製された触媒は比較例2で調製された触媒に比べて95%NOx 吸蔵量が多く、高いNOx 浄化性能を示している。これは過酸化水素を加えた効果であることが明らかであり、NOx 吸蔵材が微細で均一に高分散して担持された効果と考えられる。特に 300℃以上、 600℃未満でその効果が大きい。
そこで実施例2〜4及び比較例2で調製された触媒について、 400℃における95%NOx 吸蔵量を算出した結果を図4に示す。図4から、各実施例で調製された触媒は、いずれも比較例2で調製された触媒に比べて高い95%NOx 吸蔵量を示しているが、各実施例で調製された触媒の中でも差が認められる。この差はモル比(Ti/Ba)に起因し、実施例2で調製された触媒のようにモル比(Ti/Ba)が1近傍であることが特に望ましいことがわかる。
本発明の複合酸化物前駆体水溶液は、NOx 吸蔵材の担持用溶液として用いられる他、各種複合酸化物の供給源として種々の分野に応用することができる。そして本発明のNOx 吸蔵材の担持方法は、NOx 吸蔵還元型触媒ばかりでなく、NOx 吸蔵触媒、三元触媒などにも応用することができ、得られた触媒はNOx 吸蔵能に優れるとともに耐硫黄被毒性が向上する。
実施例における触媒の処理パターンを示すタイムチャートである。 NOx 浄化性能試験におけるNOx 濃度と時間との相関を概念的に示すグラフである。 実施例2、比較例2〜3で調製された触媒の温度と95%NOx 吸蔵量との関係を示すグラフである。 実施例2〜4及び比較例2で調製された触媒のモル比(Ti/Ba)と95%NOx 吸蔵量との関係を示すグラフである。

Claims (7)

  1. アルカリ金属,アルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれる少なくとも一種の元素を含む第1化合物と、第3族元素,第4族元素及び遷移金属から選ばれる少なくとも一種の元素を含む第2化合物と、多座配位子を有する第3化合物と、過酸化水素と、が水に溶解してなることを特徴とする複合酸化物前駆体水溶液。
  2. 前記第1化合物はBaを含む請求項1に記載の複合酸化物前駆体水溶液。
  3. 前記第2化合物はTiを含む請求項1又は請求項2に記載の複合酸化物前駆体水溶液。
  4. 前記第3化合物はクエン酸を含む請求項1〜3のいずれかに記載の複合酸化物前駆体水溶液。
  5. 前記第3化合物は前記第2化合物に対してモル比で3以上含まれている請求項4に記載の複合酸化物前駆体水溶液。
  6. 前記過酸化水素は、前記第2化合物に対してモル比で1/2以上含まれている請求項1に記載の複合酸化物前駆体水溶液。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の複合酸化物前駆体水溶液を多孔質酸化物に含浸させ焼成することを特徴とするNOx 吸蔵材の担持方法。
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