JP2005058856A - 炭化水素油の脱硫剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】炭化水素油中の硫黄分、特にオレフィンを含むガソリンの基材となる炭化水素油中に含まれる硫黄分を低減することが可能で、しかも再生処理により繰り返し使用できるな脱硫剤を提供する。
【解決手段】ボリア−アルミナ複合酸化物担体上に銀を担持し、還元処理を施すことにより調製された脱硫剤であり、担体中のボリア含有量が3mass%〜30mass%であり、銀の担持量が脱硫剤の5mass%〜30mass%である炭化水素油の脱硫剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、炭化水素油中の硫黄化合物を吸着し、その濃度を低減するために用いられる脱硫剤に関する。
原油の蒸留や分解によって得られる各油留分は、一般に、硫黄化合物を含み、これらの油を燃料として使用する場合には、この硫黄化合物に起因する硫黄酸化物等の大気汚染物質が大気中に放出される。
特に、自動車からの排ガスによる大気汚染が深刻化しており、その燃料面からの対策として、ガソリンの硫黄分の低減が強く要望されている。
通常、ガソリンは、原油を蒸留して得られるブタンやナフサの他、アルキレーション装置、改質装置、流動接触分解装置(FCC)などの生成油を基材とし、これらを配合したものを製品としている。これらの基材のうち、一般に、FCC装置の生成油(FCCガソリン)やナフサは、硫黄分が高いため、ガソリンの硫黄分を低減するためには、FCCガソリンやナフサの硫黄分を低減することが最も重要である。
上記のガソリンの基材となる炭化水素油の硫黄分の低減化技術としては、通常、水素化脱硫法が上げられる。しかし、この方法では、脱硫反応だけでなく、オレフィンの水素化反応も進行するため、オレフィンを多く含むFCCガソリンを水素化脱硫した場合、オクタン価が低下するといった問題点がある。しかも、水素化脱硫は一般に、高温、高圧の条件下、大量の水素を使用するため、精製コストが高いといった欠点を有している。
これに対し、吸着脱硫による炭化水素油中の硫黄濃度低減方法として、装置内で脱硫剤を再生し、連続的に硫黄分を低減する流動床のプロセスとして、例えば、特許文献1(米国特許第5914292号明細書)に記載の技術もある。しかし、本技術では、上記の水素化脱硫法よりは低いレベルではあるものの、吸着時には水素存在下・高温・高圧の条件を必要とするため、場合によっては生成油のオクタン価が低下することがある。そのため、より常温、常圧に近い穏和な条件で吸着脱硫可能なプロセスとできるよう、さらなる吸着剤の開発が求められている。
一方、吸着技術を利用した炭化水素油の脱硫に関する研究は多くなされており、常温、常圧に近い穏和な条件で使用可能な種々の脱硫剤も報告されている。例えば、特許文献2(特開2002−249787号公報)や特許文献3(特開2002−316043号公報)では、担体に銀などの金属成分を担持した脱硫剤が報告されている。しかし、脱硫剤の容量、装置規模を考慮した場合、更に高い吸着能を有することが脱硫剤に要求されると考えられる。また、これらの脱硫剤の多くは、吸着能の再生については考慮されていない。
以上のような状況から、炭化水素油、特にFCCガソリンに含まれるチオフェン類やベンゾチオフェン類などの硫黄分を低減することが可能な、より高い吸着能を有し、かつ再生可能な脱硫剤の開発が求められている。
米国特許第5914292号明細書 特開2002−249787号公報 特開2002−316043号公報
本発明の目的は、炭化水素油中の硫黄分、特にオレフィンを含むガソリンの基材となる炭化水素油中に含まれる硫黄分を低減することが可能で、再生処理により繰り返し使用できる脱硫剤を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するため検討を重ねた結果、特定組成を持った脱硫剤を用いて炭化水素油と接触させることにより硫黄化合物を吸着除去できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、上記目的は、下記の構成の脱硫剤により達成される。
1.ボリア−アルミナ複合酸化物担体上に銀を担持し、還元処理を施すことにより調製された脱硫剤であり、担体中のボリア含有量が3mass%〜30mass%であり、銀の担持量が脱硫剤の5mass%〜30mass%であることを特徴とする炭化水素油の脱硫剤。
2.担体上に担持されている銀が実質的に0価に還元されており、還元後のX線回折法による測定から求められる金属銀の平均結晶子径が100Å以下であることを特徴とする上記1に記載の脱硫剤。
3.炭化水素油が沸点範囲20〜380℃の留分であることを特徴とする上記1または2に記載の脱硫剤。
4.炭化水素油が、流動接触分解装置から生成する沸点範囲20〜250℃の留分であることを特徴とする上記3に記載の脱硫剤。
5.炭化水素油中の硫黄化合物を吸着後に250℃〜500℃の水素気流中で硫黄化合物を脱着させることにより、吸着能の再生が可能であることを特徴とする上記1または2に記載の脱硫剤。
本発明の脱硫剤は、炭化水素油中の硫黄分、特にオレフィンを含むガソリンの基材となる炭化水素油中に含まれる硫黄分を低減することが可能であり、しかも再生処理により繰り返し使用できる。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明の炭化水素油中の硫黄化合物の脱硫剤は、ボリア−アルミナ複合酸化物担体上に銀を担持し、還元処理を施すことにより調製された脱硫剤である。
本発明で使用する脱硫剤のボリア−アルミナ複合酸化物担体中のボリア含有量は3mass%〜30mass%、より好ましくは5mass%〜25mass%である。ボリアの含有量が3mass%より少ない場合、ボリアの添加の効果がなく、硫黄化合物の吸着能は低く、ボリアの含有量が30mass%より多い場合は、担体強度が低く、脱硫剤の担体としては適さない。
銀の担持量は、脱硫剤の5mass%〜30mass%、より好ましくは8mass%〜28mass%、さらに好ましくは8mass%〜25mass%である。銀担持量が少ないと、吸着活性点の数が少なくなるため、硫黄化合物の吸着能が低く、逆に多すぎても担持金属即ち吸着活性点の分散性が低下し、担持した金属が無駄になるばかりでなく、比表面積、細孔直径が低下するなど物性の面へも悪影響を与える。
このように、本発明の脱硫剤は、ボリア含有量が3mass%〜30mass%のボリア−アルミナ複合酸化物を担体とする要件、これに銀を5mass%〜30mass%坦持する要件、還元処理して調製する要件が結合して構成されており、これら要件が結合した結果、本発明の脱硫剤はオレフィンを含むガソリンの基材となる炭化水素油中に含まれる硫黄分を効率良く低減することができ、しかも再使用のための再生処理を行っても脱硫能は維持される。
担体に銀を担持する方法としては、金属塩を用いる含浸法、混練法など公知の方法を用いることができ、特に含浸法が好ましい。担体に担持させる金属の出発物質としては、金属の硝酸塩、塩化物塩、硫酸塩、炭酸塩、水酸化物塩等の水溶液を用いることが出来るが、溶解度、焼成後の不純物の残留を考慮した場合特に硝酸塩が好ましい。
金属を担持した後、還元操作を行い脱硫剤が形成される。還元操作前に予め、乾燥、焼成等の工程を行うことができる。この操作の内のどちらかを省いても問題はない。乾燥工程は、90〜150℃の温度で行うことが好ましく、焼成工程は、酸素の存在する雰囲気で250〜500℃の温度で3時間以上焼成することが好ましい。
還元方法は、気相還元、液相還元などの公知の方法を用いることが可能であるが、気相による水素還元が好ましく、水素雰囲気で200〜500℃の温度で行うことが好ましい。還元温度が上記範囲であることにより、脱硫剤の比表面積が適切な範囲に維持され、吸着能が好適に発現し、好ましい結果が得られる。
この還元操作により脱硫剤の担体上に担持されている銀は実質的に0価に還元されており、その時にX線回折法による測定(XRD測定)から求められる金属銀の平均結晶子径が100Å以下、好ましくは80Å以下である。
還元操作により脱硫剤の吸着能が向上する。還元操作後の銀のXRD測定から、酸化銀(Ag2O)に帰属されるピーク(2θ=32.789°)は無く、銀(Ag)に帰属されるピーク(2θ=38.115°,44.276°,64.423°)のみである。従って、銀が0価に還元されることにより、硫黄化合物の脱硫に好適な結果が得られる。
金属銀の平均結晶子径はCuKα1線を用いたX線回折法(XRD法)から求められ、下記のScherrerの式から算出される値である。
Scherrerの式
Figure 2005058856
上記式中;
hkl:面指数(hkl)の結晶子径(Å)
K:定数(0.9)
λ:測定に用いたX線の波長(Å)(CuKα1線の波長:1.540562Å)
B:試料と装置の光学系によるピークの半値幅2θ(ラジアン)
b:装置の光学系によるピークの半値幅2θ(ラジアン)
θ:回折線のブラッグ角(ラジアン)
金属銀の平均結晶子径が100Å以下であることは、銀の分散度が高く、硫黄化合物が吸着する銀表面の表面積が大きくなり、担持に用いた銀が有効に用いられることを意味し、好ましい結果が得られる。
このような、ボリア−アルミナ担体上に担持されている銀は実質的に0価に還元されており、その時にXRD測定から求められる金属銀の平均結晶子径が100Å以下である脱硫剤の調製は、含浸法、混練法等の手段により調製が可能であり、銀の担持量(mass%)をボリア−アルミナ担体の比表面積(m2/g)で割った数値が0.1以下となるようにすることが好ましく、より好ましくは0.08以下である。
金属を担持した後の脱硫剤の比表面積は200m2/g以上、より好ましくは230m2/g以上が良い。比表面積が200m2/g以上であれば、硫黄化合物を吸着する活性点の数が多くなり十分な吸着能力が得られ、好ましい。
また、脱硫剤の平均細孔直径は、特に限定されないが、硫黄化合物の細孔内への拡散が阻害されて吸着能力が低下するのを防ぐ観点から、1nm以上が好ましい。脱硫剤の細孔容積は、特に限定されないが、通常0.2〜1.0cm3/gの範囲にある。
脱硫剤形状は、特に限定されず、通常、この種の脱硫剤に用いられている種々の形状、例えば、球形、円柱状、四葉型等を採用することができる。
脱硫剤の大きさは、通常、直径あるいは長さが0.1〜5mm程度のものが好ましい。
本発明の脱硫剤を用いて炭化水素油の脱硫を行うには、通常、吸着槽に脱硫剤を充填し、吸着槽で炭化水素油を脱硫剤と接触することにより脱硫が行われる。
本発明で用いる吸着槽の形状は特に問わないが、円筒型を有する塔状のものが好ましい。なお、以下の記載では説明の便宜上「吸着槽」に代え適宜「吸着塔」の語を用いることとする。
炭化水素油と脱硫剤を接触させる方法としては、一般的には、固定床式脱硫剤床を吸着塔内に形成し、原料油を吸着塔の下部に導入し、固定床の下から上に通過させ、吸着塔の上部から生成油を流出させることが好ましい。
脱硫剤と炭化水素油を接触させる際、炭化水素油の線速度が大きすぎると、脱硫剤床をすり抜けて除去されない硫黄化合物が増加し、吸着塔から流出する炭化水素油の硫黄化合物濃度を低く保つことができなくなる。また、線速度が小さいと吸着塔のサイズが大きくなるため、設備の建設コストが高くなるなどで不利となる。従って、炭化水素油は、線速度が50cm/min以下、より好ましくは0.5〜40cm/min、更に好ましくは1〜30cm/minとなるように導入されるのが好ましい。尚、線速度は以下の式により計算される。
線速度(cm/min)=原料油の導入量(cm3/min)÷脱硫剤床の断面積(cm2
脱硫剤と炭化水素油を接触させる際、吸着能が低下したり、炭化水素の分解などの不要な反応を引き起こすことを避ける観点から、好ましくは0〜150℃、より好ましくは0〜100℃の温度範囲で接触させる。
吸着工程の圧力は、特に制限しないが、一般的には0〜5MPa、好ましくは0〜3MPaの範囲である。
脱硫の対象となる炭化水素油としては、ガソリンやナフサ、灯油、軽油などが挙げられるが、炭化水素油が沸点範囲20〜380℃の留分に適しており、特に適しているものは、流動接触分解装置から留出する生成油(FCCガソリン)で、沸点範囲が20〜250℃のものである。
これらの炭化水素油は、一般に、数十ppm〜数百ppmの硫黄を含んでいる。また、含まれる硫黄化合物としては、チオフェン類、ベンゾチオフェン類が主である。ここで、チオフェン類とは、チオフェンと、メチルチオフェン、ジメチルチオフェン、エチルチオフェンなどのようなチオフェンにアルキル基が置換したアルキルチオフェン類のことである。また、ベンゾチオフェン類とは、ベンゾチオフェンと、メチルベンゾチオフェン、ジメチルベンゾチオフェン、エチルベンゾチオフェンなどのようなベンゾチオフェンにアルキル基が置換したアルキルベンゾチオフェン類のことである。
本発明の脱硫剤を用いれば、生成油の硫黄濃度は、30ppm以下、より好ましくは10ppm以下に低減することができる。
尚、濃度の単位ppmは、炭化水素油中に含まれる硫黄原子の質量を表しており、1ppmとは炭化水素油1g中に硫黄原子が1×10-6g含まれていることを意味する。
脱硫剤に吸着した硫黄化合物は、250℃〜500℃、好ましくは280℃〜450℃の水素気流中で操作することにより、適度な脱着速度で、しかも脱硫剤の比表面積が低下して吸着能が低下することなく、脱着させることが可能である。
以下に、本発明を実施例に基づき、具体的に説明するが、これは例示であって、本発明を制限するものではない。
実施例1
ボリアを10mass%含有するボリア−アルミナ担体80gに、硝酸銀31.5gを溶解した64mlの水溶液を含浸させて銀を担持した。その後、真空乾燥により水分を除去した後、マッフル炉で450℃、3時間焼成した。得られた焼成物を、ステンレス管に充填し、水素気流中450℃、3時間還元することにより、銀を20mass%担持している脱硫剤Aを得た。
脱硫剤AについてXRD測定を行い、担持されている銀は0価になっており、その時の金属銀の平均結晶子径は約40Åであった。また、この時の銀の担持量(mass%)をボリア−アルミナ担体の比表面積(m2/g)で割った数値は0.06である。
実施例2
ボリアを10mass%含有するボリア−アルミナ担体90gに、硝酸銀15.8gを溶解した72mlの水溶液を含浸させて銀を担持した。その後、真空乾燥により水分を除去した後、マッフル炉で450℃、3時間焼成した。得られた焼成物を、ステンレス管に充填し、水素気流中450℃、3時間還元することにより、銀を10mass%担持している脱硫剤Bを得た。
実施例3
ボリアを20mass%含有するボリア−アルミナ担体80gに、硝酸銀31.5gを溶解した64mlの水溶液を含浸させて銀を担持した。その後、真空乾燥により水分を除去した後、マッフル炉で450℃、3時間焼成した。得られた焼成物を、ステンレス管に充填し、水素気流中450℃、3時間還元することにより、銀を20mass%担持している脱硫剤Cを得た。
比較例1
アルミナ担体80gに、硝酸銀31.5gを溶解した64mlの水溶液を含浸させて銀を担持した。その後、真空乾燥により水分を除去した後、マッフル炉で450℃、3時間焼成した。得られた焼成物を、ステンレス管に充填し、水素気流中450℃、3時間還元することにより、銀を20mass%担持している脱硫剤Dを得た。
比較例2
アルミナ担体90gに、硝酸銀15.8gを溶解した72mlの水溶液を含浸させて銀を担持した。その後、真空乾燥により水分を除去した後、マッフル炉で450℃、3時間焼成した。得られた焼成物を、ステンレス管に充填し、水素気流中450℃、3時間還元することにより、銀を10mass%担持している脱硫剤Eを得た。
比較例3
ボリアを2mass%含有するボリア−アルミナ担体80gに、硝酸銀31.5gを溶解した64mlの水溶液を含浸させて銀を担持した。その後、真空乾燥により水分を除去した後、マッフル炉で450℃、3時間焼成した。得られた焼成物を、ステンレス管に充填し、水素気流中450℃、3時間還元することにより、銀を20mass%担持している脱硫剤Fを得た。
比較例4
実施例1に使用しているボリアを10mass%含有するボリア−アルミナ担体をステンレス管に充填し、水素気流中450℃、3時間還元することにより、金属無坦持の脱硫剤Gを得た。
比較例5
ボリアを10mass%含有するボリア−アルミナ担体96gに、硝酸銀63.0gを溶解した48mlの水溶液を含浸させて銀を担持した。その後、真空乾燥により水分を除去した後、マッフル炉で450℃、3時間焼成した。得られた焼成物をステンレス管に充填し、水素気流中450℃、3時間還元することにより、銀を4mass%担持している脱硫剤Hを得た。
比較例6
ボリアを10mass%含有するボリア−アルミナ担体60gに、硝酸銀63.0gを溶解した48mlの水溶液を含浸させて銀を担持した。その後、真空乾燥により水分を除去した後、マッフル炉で450℃、3時間焼成した。得られた焼成物を、ステンレス管に充填し、水素気流中450℃、3時間還元することにより、銀を40mass%担持している脱硫剤Iを得た。
脱硫剤IについてXRD測定を行い、担持されている銀は0価になっており、金属銀の平均結晶子径は約400Åであった。また、この時の銀の担持量(mass%)をボリア−アルミナ担体の比表面積(m2/g)で割った数値は0.11である。
比較例7
ボリアを10mass%含有するボリア−アルミナ担体90gに、硝酸銅3水和物38.0gを溶解した72mlの水溶液を含浸させて銅を担持した。その後、真空乾燥により水分を除去した後、マッフル炉で450℃、3時間焼成した。得られた焼成物を、ステンレス管に充填し、水素気流中450℃、3時間還元することにより、銅を10mass%担持している脱硫剤Jを得た。
比較例8
ボリアを10mass%含有するボリア−アルミナ担体90gに、硝酸亜鉛6水和物45.5gを溶解した72mlの水溶液を含浸させて亜鉛を担持した。その後、真空乾燥により水分を除去した後、マッフル炉で450℃、3時間焼成した。得られた焼成物を、ステンレス管に充填し、水素気流中450℃、3時間還元することにより、亜鉛を10mass%担持している脱硫剤Kを得た。
比較例9
ボリアを10mass%含有するボリア−アルミナ担体90gに、硝酸コバルト6水和物49.4gを溶解した72mlの水溶液を含浸させてコバルトを担持した。その後、真空乾燥により水分を除去した後、マッフル炉で450℃、3時間焼成した。得られた焼成物を、ステンレス管に充填し、水素気流中450℃、3時間還元することにより、コバルトを10mass%担持している脱硫剤Lを得た。
比較例10
実施例1記載の脱硫剤Aの調製時に、還元を行っていないものを脱硫剤Mとした。
比較例11
チタニアを10mass%含有するチタニア−アルミナ担体80gに、硝酸銀31.5gを溶解した64mlの水溶液を含浸させて銀を担持した。その後、真空乾燥により水分を除去した後、マッフル炉で450℃、3時間焼成した。得られた焼成物を、ステンレス管に充填し、水素気流中450℃、3時間還元することにより、銀を20mass%担持している脱硫剤Nを得た。
比較例12
シリカを10mass%含有するシリカ−アルミナ担体80gに、硝酸銀31.5gを溶解した64mlの水溶液を含浸させて銀を担持した。その後、真空乾燥により水分を除去した後、マッフル炉で450℃、3時間焼成した。得られた焼成物を、ステンレス管に充填し、水素気流中450℃、3時間還元することにより、銀を20mass%担持している脱硫剤Oを得た。
〔脱硫剤性能評価方法〕
実施例1〜3、比較例1〜12で得られた脱硫剤2.0gを硫黄濃度42ppmのFCCガソリンに入れ、35℃で3時間撹拌し、硫黄化合物を脱硫剤に平衡吸着させる。平衡吸着後のFCCガソリンの硫黄濃度を測定して脱硫率を求めた。結果を表1に示す。
脱硫率(%)=(42ppm−平衡吸着後濃度)×100/42ppm
Figure 2005058856
表1に示される結果より、ボリア含有量が3mass%〜30mass%のボリア−アルミナ複合酸化物を担体とする要件、これに銀を5mass%〜30mass%坦持する要件、還元処理して調製する要件が結合して構成された本発明の脱硫剤は、FCCガソリン含まれる硫黄分を効率良く低減することができることが分かる。
実施例4
炭化水素中に存在する代表的な硫黄化合物であるチオフェンを500volppm含有する窒素ガスを調製し、実施例1で調製した脱硫剤Aを0.2g充填したガラス管に50℃、常圧、GHSV(ガス空間速度)=15000h-1で、1時間流通させて吸着反応を行った。その際、脱硫剤に吸着されずに出てくるガラス管出口のチオフェンを質量分析計で測定した。吸着反応後は、チオフェン含有ガスから水素気流に切り替え、350℃に昇温して、常圧、GHSV(ガス空間速度)=15000h-1で、1時間吸着剤の再生を行った。その後、再度、上記の条件でチオフェンの吸着反応を実施したところ、初めの吸着量とほぼ同じ吸着量であった。
上記条件で吸着・再生の操作を4回繰り返した結果を図1に示す。この結果から、本発明の吸着剤(脱硫剤)は、繰り返し吸着・再生を行ってもチオフェンの吸着量の変化は非常に小さく、水素気流中で昇温処理することにより吸着能再生が可能であることがわかる。
なお、質量分析計のマスナンバー84のイオン強度はチオフェン濃度と比例することから、吸着反応の出口ガスのチオフェン濃度は、チオフェン濃度500volppmのガスのイオン強度測定値を基準にして、イオン強度測定値から算出した。
比較例13
比較例7で調製した脱硫剤Jを用いて実施例4と同様に評価を実施したが、図2に示されるように、初期に比較して吸着量は低下し、吸着能の再生率は低かった。
実施例4で行われた脱硫剤Aの再生試験の結果を示すグラフである。 比較例13で行われた脱硫剤Jの再生試験の結果を示すグラフである。

Claims (5)

  1. ボリア−アルミナ複合酸化物担体上に銀を担持し、還元処理を施すことにより調製された脱硫剤であり、担体中のボリア含有量が3mass%〜30mass%であり、銀の担持量が脱硫剤の5mass%〜30mass%であることを特徴とする炭化水素油の脱硫剤。
  2. 担体上に担持されている銀が実質的に0価に還元されており、還元後のX線回折法による測定から求められる金属銀の平均結晶子径が100Å以下であることを特徴とする請求項1に記載の脱硫剤。
  3. 炭化水素油が沸点範囲20〜380℃の留分であることを特徴とする請求項1または2に記載の脱硫剤。
  4. 炭化水素油が、流動接触分解装置から生成する沸点範囲20〜250℃の留分であることを特徴とする請求項3に記載の脱硫剤。
  5. 炭化水素油中の硫黄化合物を吸着後に250℃〜500℃の水素気流中で硫黄化合物を脱着させることにより、吸着能の再生が可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の脱硫剤。
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WO2022195734A1 (ja) * 2021-03-16 2022-09-22 パナソニックホールディングス株式会社 ガス捕捉材及び真空断熱部材製造用キット

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