JP2005058170A - パン用酵母およびその製造方法 - Google Patents

パン用酵母およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005058170A
JP2005058170A JP2003296115A JP2003296115A JP2005058170A JP 2005058170 A JP2005058170 A JP 2005058170A JP 2003296115 A JP2003296115 A JP 2003296115A JP 2003296115 A JP2003296115 A JP 2003296115A JP 2005058170 A JP2005058170 A JP 2005058170A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yeast
wheat flour
bread
weight
dough
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003296115A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuo Hirose
三男 廣瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MITSU KK
Original Assignee
MITSU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MITSU KK filed Critical MITSU KK
Priority to JP2003296115A priority Critical patent/JP2005058170A/ja
Publication of JP2005058170A publication Critical patent/JP2005058170A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

【目的】パン生地を冷凍したり、大きな物理的な衝撃を与えても、良好に酵母として作用し、優れたパンとすることができ、パンの大量生産に適したパン用酵母及びその製造方法を提供する。
【構成】25℃、2日間、好気性雰囲気で培養した場合の生菌数が1.4±10%×10個/gであるサッカロミセス.セレビシェー属の酵母菌株と、30℃、2日間、嫌気性雰囲気で培養した場合の乳酸菌株の生菌数が1.2±10%×10個/gであるラクトバシラス SP.属の乳酸菌株とを含むパン用酵母及びその製造方法である。

Description

本発明はパン用酵母およびその製造方法に関する。
従来、パンを製造するときのパン生地を製造する場合、強力粉、砂糖、塩、油脂、酵母溶液を混合し、攪拌したものを予備発酵させて製造している。そして、このパン生地を分割、成形した後、ホイロで発酵させ、焼成しパンを製造していた。
このようなパン用酵母として、健康上などの観点より、自然素材を利用して培養した酵母、いわゆる自然酵母、たとえばリンゴ、イチジク、ブドウなどの果実から培養した酵母を使用することが多くなってきている。
しかしながら、このような自然酵母は、1.糖分、油脂、卵などがリッチなパン生地、2.国内産の小麦粉のように低蛋白の素材より製造した酵母生地には使用できないという欠点があった。このようなパン生地に酵母として自然酵母を使用する場合に、酵母が糖分などを消費してしまったり、蛋白質が少なすぎるため、パンが膨らまなくなり、良好なパンを焼くことができない。
さらに、保存性を良好にするために、パン生地を冷凍することも行われている。この場合、上述のようなリッチなパン生地、低蛋白のパン生地以外の場合でも、自然酵母を使用すると、冷凍すると酵母が死滅してしまうという難点を有していた。また、パンを大量生産する場合、機械を使用してパン生地を計量し、分割し、まるめることになるが、この機械使用を行う場合に酵母生地に損傷が生じ、同様に良好なパンを製造することが困難であるという欠点があった。
特開2003−116453公報
本発明は上述の点に鑑みなされたものであり、ほぼいかなるパン生地であっても、良好にパンを製造可能な、化学薬品などを添加していない自然酵母およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記問題点を解決するため、本発明によるパン用酵母は、25℃、2日間、好気性雰囲気で培養した場合の生菌数が1.4±10%×10個/gであるサッカロミセス.セレビシェー属の酵母菌株と、30℃、2日間、嫌気性雰囲気で培養した場合の乳酸菌株の生菌数が1.2±10%×10個/gであるラクトバシラス SP.属の乳酸菌株とを含むことを特徴とする。
本発明による冷凍パン用酵母の製造方法は、ビール、小麦粉分および小麦粉分以外のでんぷん質分を混合し熟成し、第1の酵母生地を形成する工程、前記第1の酵母生地に水、小麦粉分および小麦粉分以外のでんぷん質分を混合し熟成し、第2の酵母生地とする工程、第2の酵母生地に、さらに水、小麦粉分および小麦粉分以外のでんぷん質分を混合し熟成することを特徴とする。
本発明によれば、サッカロミセス.セレビシェー属の酵母菌株とラクトバシラス SP.属の乳酸菌株とを含むことを大きな特徴としている。このため乳酸菌株が酵母菌株を保護し、酵母の活性を維持するものと考えられる。このためパン生地の種類によらず良好なパンを焼くことが可能となり、さらにパン生地を冷凍したり、大きな物理的な衝撃を与えても、良好に酵母として作用し、優れたパンとすることができるという利点がある。このため、パンの大量生産に適しているという利点を生じる。
本発明によるパン用酵母によれば、基本的にサッカロミセス.セレビシェー属の酵母菌株とラクトバシラス SP.属の乳酸菌株とを含んでいる。一般にパンを作成するために使用される酵母は、酵母菌株単独である場合が一般的であるが、本発明においてはラクトバシラス SP.属の乳酸菌株を含んでおり、この乳酸菌株が酵母菌株を保護するため、パン生地の種類によらず良好なパンを焼くことが可能となり、さらにパン生地を冷凍したり、大きな物理的な衝撃を与えても、良好に酵母として作用し、優れたパンとすることができるようになると考えられる。
この酵母菌株と乳酸菌株の割合は、25℃、2日間、好気性雰囲気で培養した場合の生菌数1.4±10%×10個/g:30℃、2日間、嫌気性雰囲気で培養した場合の生菌数1.2±10%×10個/gである。酵母菌株が少なすぎると、良好な発酵が望めず、逆に多すぎると、乳酸菌株の保護作用が脆弱で、従来の自然酵母と同様にパンを製造するうえでの制約が多くなるからである。
このような本発明のパン用酵母の製造方法は、下記の工程を含んでいる。
1.第1の酵母生地の作成
まず、ビール、小麦粉分および小麦粉分以外のでんぷん質分を混合し熟成する。
本発明は基本的に化学物質を使用することのない天然材料を使用した酵母ないしパンを製造することを目的としている。このためビールとしては、基本的に付加的な化学物質を添加していないものを用いる。さらに、好ましくはろ過を行わず、かつ加熱処理をしていないものが好ましい。ビール酵母を良好に育成させるためである。
このようなビールに小麦粉分および小麦粉分以外のでんぷん質分を添加混合する。このように種類の異なるでんぷん質分を混合することによって、酵母の発酵が促進されるからである。小麦粉分としては、通常の小麦粉のほか小麦粉の全粒紛をあげることができる。小麦粉以外のでんぷん質分としては、ライ麦紛、米粉などをあげることができる。
小麦粉分および小麦粉分以外のでんぷん質分の混合割合は小麦粉分100重量部に対し、30〜70重量部であるのがよい。30重量部未満であると、小麦粉本来が持つ酵素の活性が充分に行われず、一方70重量部を越えると、小麦粉本来が持つ酵素の活性が妨げられる。
小麦粉分は、好ましくは小麦粉と小麦粉全粒紛を混合したものを用いる。この小麦粉と小麦全粒紛との割合は、小麦粉100重量部に対し80〜120重量部であるのがよい。80重量部未満であると、小麦粉胚芽部分に有する灰分、及びカリウム、マグネシウムの働きが期待できず、ビール酵母の発育に必要な養分が不足する。一方120重量部を越えると、ビール酵母発育に必要な養分が過多になり、適切なビール酵母の発育が期待できない。
前記ビールと小麦粉分および小麦粉分以外のでんぷん質分との混合比は、前記ビール1に対し小麦粉分および小麦粉分以外のでんぷん質分0.8〜1.2(重量比)であるのがよい。0.8未満であると、ビールに含まれる酵母の充分な発育が保たれない。一方1.2を越えると、発育が過多になり、過度の熟成状態になってしまう。
このようなビールと小麦粉分および小麦粉分以外のでんぷん質分との混合物を熟成させる。熟成は、まず28〜35℃の温度で1〜5時間行う。28℃未満であると、十分発酵しない恐れがあり、一方35℃を越えると菌株が死滅する恐れがあるからである。
また、熟成時間が1時間未満であると、十分に発酵しない恐れがあり、一方5時間を越えると、発酵が促進しすぎて、pHが変化する恐れを生じるからである。
このように、第1の熟成を行った後、8〜12℃の温度で、17〜25時間熟成を行う。8℃未満であると、充分な熟成が行われない。一方、12℃以上であると、過度の熟成状態になり、適したPHが得られない。さらに第2の熟成時間が17時間未満であると、最適な熟成状態に達し得ない。また25時間を越えると、発酵が促進しすぎて、pHが変化する恐れを生じるからである。
2.第2の酵母生地の作成
前記第1の酵母生地に水、小麦粉分および小麦粉分以外のでんぷん質分を混合し熟成し、第2の酵母生地とする。
本発明は基本的に化学物質を使用することのない天然材料を使用した酵母ないしパンを製造することを目的としている。このため水としては、基本的に付加的な化学物質を添加されていない湧水などの天然水を用いるのが好ましい。この水は好ましくは弱アルカリ性であるのがよい。特にpH7.8〜8.2の水が好ましく使用される。アルカリ性が弱いと、酸性状態への加速が増加する。一方pH8.2を越える強アルカリになると、酵母菌、乳酸菌が死滅するという恐れを生じるからである。
前記小麦粉分および小麦粉分以外のでんぷん質分の種類、混合割合などは、第1の酵母生地作成の場合と同様であり、繰り返さない。
前記水と小麦粉分および小麦粉分以外のでんぷん質分との混合比は、前記水1に対し小麦粉分および小麦粉分以外のでんぷん質分0.8〜1.2(重量比)であるのがよい。0.8未満であると、酵母が発育する上で、充分で適正な熟成が期待できない。一方1.2を越えると、酵母発育が急加速し、熟成状況も過度になる。
このように前記水および小麦粉分および小麦粉分以外のでんぷん質分との混合した混合物を前記第1の酵母生地に混合し、熟成する。この混合物の混合比は、第1の酵母生地100重量部に対し、80〜120重量部であるのがよい。80重量部未満であると、混合後の生地が醗酵生地になりえない。一方、120重量部を越えると、混合後の生地が醗酵過多を起し、強度の酸性、過度の熟成状態を起す。
このような混合物を熟成させる。熟成は、まず28〜35℃の温度で1〜5時間行う。さらに、この第1の熟成を行った後、8〜12℃の温度で、17〜25時間熟成を行う。この熟成温度、熟成時間の上限下限の理由は第1の酵母生地生成の場合と同様である。
3.第3の酵母生地の作成
このように作成された第2の酵母生地に、さらに水、小麦粉分および小麦粉分以外のでんぷん質分を混合し熟成する。
この場合、水、小麦粉分および小麦粉分以外のでんぷん質分の種類、混合比は第2の酵母生地を製造する場合と同様である。水、小麦粉分および小麦粉分以外のでんぷん質分の混合物と第2の酵母生地の混合割合も前記第2の作成工程で示されたものと同様で、第2の酵母生地100重量部に対し、前記混合物を80〜120重量部添加する。理由は第2の酵母生地を作成する場合に記載したので繰り返さない。
このような混合物を熟成させる。熟成は、まず28〜35℃の温度で1〜5時間行う。さらに、この第1の熟成を行った後、8〜12℃の温度で、17〜25時間熟成を行う。この熟成温度、熟成時間の上限下限の理由は第1および第2の酵母生地生成の場合と同様である。
4.第4の酵母生地の作成
このように作成された第3の酵母生地に、さらに水、大根おろし、ニンジンおろし、小麦粉分および小麦粉分以外のでんぷん質分を混合し熟成する。この工程は必ずしも必要ではないが、酵母の安定性を向上させるために行うのが好ましい。水および小麦粉分および小麦粉分以外のでんぷん質分の種類は第2から第3の酵母生地の作成時と同様である。
大根おろし、ニンジンおろしは酵母菌株および乳酸菌株の安定を促進するために添加される。大根のジアスターゼ、ニンジンのカロチンなどの酵素が酵母菌株および乳酸菌株の安定に寄与するものと考えられる。大根おろし、ニンジンおろしは、それぞれ水80重量部に対し、8〜12重量部添加される。この範囲を逸脱すると、安定効果が損なわれるからである。
このような水+大根おろし+ニンジンおろし100重量部に対し、小麦粉分および小麦粉分以外のでんぷん質分を80〜120重量部添加して混合する。この混合割合および混合の理由は第2および第3の酵母生地の製造の場合と同様である。
さらにこの混合物を第3の酵母生地に混合する。この混合物の第3の酵母生地への混合割合および混合理由も第2および第3の酵母生地の製造の場合と同様である。すなわち第3の酵母生地100重量部に対し、前記混合物を80〜120重量部添加する。
次いで、このような混合物を熟成させる。熟成は、まず28〜35℃の温度で1〜5時間行う。さらに、この第1の熟成を行った後、8〜12℃の温度で、17〜25時間熟成を行う。この熟成温度、熟成時間の上限下限の理由は第1、第2、第3の酵母生地生成の場合と同様である。
以下実施例について説明する。
下記の配合及び工程でパン用酵母を作成した。
1.第1の酵母生地の作成
ビール 100重量部
小麦粉 33重量部
小麦粉全粒紛 33重量部
ライ麦紛 33重量部
上記の成分を混合し、28〜35℃で3時間、10℃で21時間放置し熟成させ第1の酵母生地を作成した。
2.第2の酵母生地の製造
第1の酵母生地 100重量部
小麦粉 33重量部
小麦粉全粒紛 33重量部
ライ麦紛 33重量部
天然水 100重量部
上記の成分を混合し、28〜35℃で3時間、10℃で21時間放置し熟成させ第2の酵母生地を作成した。
3.第3の酵母生地の製造(パン用酵母の作成)
第2の酵母生地 100重量部
小麦粉 33重量部
小麦粉全粒紛 33重量部
ライ麦紛 33重量部
天然水 100重量部
上記の成分を混合し、28〜35℃で3時間、10℃で21時間放置し熟成させ第3の酵母生地を作成した。
4.第4の酵母生地の製造(パン用酵母の安定化)
第3の酵母生地 100重量部
小麦粉 33重量部
小麦粉全粒紛 33重量部
ライ麦紛 33重量部
天然水 80重量部
大根おろし 10重量部
ニンジンおろし 10重量部
上記の成分を混合し、28〜35℃で3時間、10℃で21時間放置し熟成させ第4の酵母生地を作成した。
このように作成されたパン用酵母(第4の酵母生地:検体)から優勢に分離される微生物の同定を行った。検体の乳酸菌数および酵母菌数を測定した後、培養平板状に優勢に成育した集落をそれぞれ釣菌して分離細菌、分離酵母とした。分離細菌については携帯観測および生理的性状試験を行い属を同定した。
この結果、分離細菌はラクトバシラス(Lactobacillus sp:乳酸桿菌)属であり、酵母菌はサッカロミセス.セレビシェー属であることがわかった。サッカロミセス.セレビシェー属の酵母菌株は25℃、2日間、好気性雰囲気で培養した場合の生菌数が1.4×10個/gであり、ラクトバシラス SP.属の乳酸菌株は30℃、2日間、嫌気性雰囲気で培養した場合の生菌数が1.2±10%×10個/gであった。
この結果より、本発明によるパン用酵母は、酵母菌株と乳酸菌株の混合であることがわかる。
表1および表2に酵母菌株と乳酸菌株の性状を記載した。
Figure 2005058170
Figure 2005058170
このように製造されたパン用酵母を使用してパンを製造した。小麦粉100に対し前記実施例1のパン用酵母20(重量比)、砂糖20(重量比)、卵15(重量比)、バター20(重量比)および適当量の水および塩を入れ、発酵させたリッチなパン生地を用い、このパン生地を分割し、焼いて、パンを製造した。この場合良好なパンが製造可能であった。
従来の自然酵母においては、多糖生地、及び鶏卵、油脂の多いものはパンとして成しえないといわれてきた。
従来 本発明の酵母
糖分 10%が限界 対粉30%位まで可能
鶏卵 10%が限界 対粉25%位まで可能
油脂 5%が限界 対粉35%位まで可能
「成しえない理由」としては、
糖分の場合―――10%を超えた配合だと、パン生地の酸化が進みすぎ小麦蛋白質のガス保有力を弱体化させる、
鶏卵の場合―――卵黄に多く含まれるレシチンが、使用料が10%を超えるパン生地においては、小麦粉が本来持つ酵素の活性を阻害する、
油脂の場合――――5%を超える場合、パン生地と馴染まないだけでなく酵素によるブドウ糖生成力が無くなり、期待されるアルコール成分ができない。(パン自体のボリュームも出ず、旨みも出てない)、などがあげられる。
自然酵母使用のパン生地は冷凍によるオーバーナイトは不可能といわれてきた。しかし今般の研究は冷凍により死滅しやすい酵母菌を、乳酸菌の菌体成分が酵母の蘇生に有益な働きをする、という仮説の元に実証を積み上げた。
配合例としては
国内産小麦粉 100(重量部、以下同じ)
三温糖 8
塩 1.6
バター 25
全卵 40
牛乳 20
本発明酵母 35
をあげることができる。上記の配合は生地冷凍、成型冷凍、最終醗酵後冷凍を可能にする一例である。
上記のようなパン生地を−20℃で冷凍した後、数日後、前記の冷凍パン生地を1日放置して解凍した後、パンを焼いたところ、良好なパンが製造できた。
国内産小麦粉は蛋白質の含有量が少なく、蛋白分の含有量に比べ灰分が多いというのが特徴である。従って製パン性を考えた場合蛋白分の量が少ないと、二酸化炭素及びアルコール分の発生が弱くパンには適さない。しかし灰分にはカリウム、マグネシウムなども多く含まれ、健康には欠かせない。その反面、灰分は有効な酵素の活性を阻害することも事実である。本発明の酵母はそれらの弊害、阻害を補う働きがある。
国内産小麦粉 100重量部(以下同じ)
水 48
塩 1.5
本発明酵母 25
上記の配合でパン生地を作製し、熟成し、前記パン生地を焼いてパンを作製した所良好なパンを製造可能であった。
結論として、従来の自然酵母を使用した場合:
従来の自然酵母はサッカロマイセス セルビシエ菌の単体構造であり、乳酸菌群は添加したものであるが、本発明によるパン用酵母は酵母菌と乳酸菌が適切な割合で共存している。したがって、従来の自然酵母には見られない働き、即ち、
1) 低蛋白小麦粉の活用
2) リッチなパン生地による新商品
3) 生地玉冷凍、成型冷凍、最終醗酵(ホイロ)後冷凍
4) ライン製造による量産化(パン生地の機械損傷を修復する働きを有する)があり、パン用の酵母として良好な作用を示すことが明らかになった。
以上説明したように、本発明によれば、サッカロミセス.セレビシェー属の酵母菌株とラクトバシラス SP.属の乳酸菌株とを含むことを大きな特徴としている。このため乳酸菌株が酵母菌株を保護し、酵母の活性を維持するものと考えられる。このためパン生地の種類によらず良好なパンを焼くことが可能となり、さらにパン生地を冷凍したり、大きな物理的な衝撃を与えても、良好に酵母として作用し、優れたパンとすることができるという利点がある。このため、パンの大量生産に適しているという利点を生じる。

Claims (14)

  1. 25℃、2日間、好気性雰囲気で培養した場合の生菌数が1.4±10%×10個/gであるサッカロミセス.セレビシェー属の酵母菌株と、30℃、2日間、嫌気性雰囲気で培養した場合の乳酸菌株の生菌数が1.2±10%×10個/gであるラクトバシラス SP.属の乳酸菌株とを含むことを特徴とするパン用酵母。
  2. ビール、小麦粉分および小麦粉分以外のでんぷん質分を混合し熟成し、第1の酵母生地を形成する工程、前記第1の酵母生地に水、小麦粉分および小麦粉分以外のでんぷん質分を混合し熟成し、第2の酵母生地とする工程、第2の酵母生地に、さらに水、小麦粉分および小麦粉分以外のでんぷん質分を混合し熟成することを特徴とするパン用酵母の製造方法。
  3. 前記ビールに対し小麦粉分および小麦粉分以外のでんぷん質分は重量比でビール1に対し、小麦粉分および小麦粉分以外のでんぷん質分0.8〜1.2で混合することを特徴とする請求項2記載のパン用酵母の製造方法。
  4. 前記水に対し小麦粉分および小麦粉分以外のでんぷん質分は重量比で水1に対し、小麦粉分および小麦粉分以外のでんぷん質分0.8〜1.2で混合することを特徴とする請求項2または3記載のパン用酵母の製造方法。
  5. 第1の酵母生地100重量部に水、小麦粉分および小麦粉分以外のでんぷん質分を80〜120重量部混合することを特徴とする請求項2から4記載のいずれかのパン用酵母の製造方法。
  6. 第2の酵母生地100重量部に水、小麦粉分および小麦粉分以外のでんぷん質分を80〜120重量部混合することを特徴とする請求項2から5記載のいずれかのパン用酵母の製造方法。
  7. 前記熟成は28〜35℃の温度で1〜5時間、さらに8〜12℃の温度で、17〜25時間行うことを特徴とする請求項2から6記載のいずれかのパン用酵母の製造方法。
  8. 前記小麦粉分は小麦粉および小麦粉全粒紛より成り、小麦粉分以外のでんぷん質分はライ麦、米粉の両方あるいはいずれかであり、小麦粉分と小麦粉分以外のでんぷん質分の混合比は小麦粉分100重量部に対し、30〜70重量部であることを特徴とする請求項2〜7記載のいずれかのパン用酵母の製造方法。
  9. 前記小麦粉と小麦粉全粒紛の混合比は小麦粉100重量部に対し80〜120重量部であることを特徴とする請求項8記載のパン用酵母の製造方法。
  10. 前記水の水素イオン濃度はpH7.8〜8.2であることを特徴とする請求項2〜9記載のいずれかのパン用酵母の製造方法。
  11. 前記第3の酵母生地に、水、大根おろし、ニンジンおろし、小麦粉分および小麦粉分以外のでんぷん質分を混合し熟成することを特徴とする請求項2〜10記載のいずれかのパン用酵母の製造方法。
  12. 前記大根おろし、ニンジンおろしは水80重量部に対し、それぞれ8〜12重量部添加されることを特徴とする請求項11記載のパン用酵母の製造方法。
  13. 前記第3の酵母生地100重量部に、前記水、大根おろし、ニンジンおろしを80〜120重量部添加することを特徴とする請求項11または12記載のパン用酵母の製造方法。
  14. 熟成は、28〜35℃の温度で1〜5時間行い、さらに、8〜12℃の温度で、17〜25時間熟成を行うことを特徴とする請求項11〜13記載のパン用酵母の製造方法。
JP2003296115A 2003-08-20 2003-08-20 パン用酵母およびその製造方法 Pending JP2005058170A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003296115A JP2005058170A (ja) 2003-08-20 2003-08-20 パン用酵母およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003296115A JP2005058170A (ja) 2003-08-20 2003-08-20 パン用酵母およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005058170A true JP2005058170A (ja) 2005-03-10

Family

ID=34372127

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003296115A Pending JP2005058170A (ja) 2003-08-20 2003-08-20 パン用酵母およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005058170A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11576387B2 (en) Method for the preparation of bread by compounding natural yeast
JP2010042029A (ja) サワードゥパン種
CN113388535B (zh) 一种主食发酵剂及其制备方法和应用
RU2235467C2 (ru) Готовая к применению закваска длительного хранения, способ ее получения и дрожжевой хлеб
US3963835A (en) Fermented flour and method of preparation
JP4014167B2 (ja) 新規パン酵母及びそれを用いたパン
CN108813324B (zh) 一种旧金山乳杆菌馒头及其制备方法
KR20140043988A (ko) 제빵용 천연발효종의 제조방법
Jenson Bread and baker’s yeast
JP4749341B2 (ja) 生地中の高糖度および弱有機酸の存在に耐性のある新規なパン酵母
JP5907161B2 (ja) 新規パン酵母
JP2019511241A (ja) 凍結防止性酵母及びその用途
JP4565789B2 (ja) 新規パン酵母および該酵母を含有する生地
JP2006166716A (ja) パン用酵母製造用種およびパン用酵母の製造方法
JPH02238876A (ja) 新規パン酵母
HU230751B1 (hu) Folyékony élesztőkészítmények
KR102232144B1 (ko) 포도발효액을 이용한 증편 제조방법
JP2005058170A (ja) パン用酵母およびその製造方法
Poitrenaud Baker’s yeast
RU2543538C2 (ru) Сбраживаемое тесто для хлебобулочных изделий, устойчивое при расстойке
JP6388860B2 (ja) 製パン用活性ドライイーストの活性化方法
RU2016124201A (ru) Способ получения опары для выпечки пшеничных хлебопекарных продуктов с использованием возвратного хлеба на основе пшеницы
JPWO2010119874A1 (ja) ラクトバチルス属菌株および防黴性を有する食品
JP2000189041A (ja) サワーブレッドの製造方法
BG1446U1 (bg) Стартерна култура за хлебни продукти

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060811

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20071228

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20071228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091020

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091215

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100119