JP5907161B2 - 新規パン酵母 - Google Patents

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Description

本発明は、新規なパン酵母及びこれを利用したパン生地、さらにはそれらの製造方法に関する。
製パンに際し通常使用されるパン酵母所謂イーストは、湿菌体状態で水分が概ね60〜70%の生イーストと称される形態と、乾燥菌体状態で水分が10%以下のドライイーストと称される形態、あるいは菌体の水懸濁液状態のクリームイーストと称される形態に大別される。このうち、生イーストは製パン初期の発酵が極めてスムーズな点や、一般的な冷蔵設備での保存が容易な点などから、非常に使い易く最も広く使用されている形態である。イーストはまさしく生き物であり、最も自然な状態で圧搾し固形状にしているだけの生イースト、あるいはクリームイーストの発酵機能を安定維持するためには、冷蔵保存が必要となるが、冷蔵と言えども保存が長期になると発酵機能の低下は明らかであり、賞味期限を概ね3週間から4週間までにする事で一般的に使用管理されてきた。
一方、どうしても長期保存が必要な場合は、ドライイーストを使用する必要があるが、分散性の問題や冷水との接触を極力避ける必要がある。また、乾燥工程を必要とするドライイーストはコスト面でも生イーストに劣るのが現状である。
長期冷蔵保存後の生イーストの発酵機能についても、高糖濃度生地や冷凍生地における長期保存での機能低下が著しく、これまでは生イースト状態で冷蔵保存日数が4週間を超える長期保存中に於いて発酵機能が安定維持される、即ち発酵力保存安定性を有する菌株は報告されてこなかった。
個々のパン酵母に特徴的な発酵力は、複数の遺伝子が様々な関連性を持って発現する総合的な機能であり、ガス発生量においても菌株間機能差が存在する。例えば、マルトース資化関連遺伝子の発現は無糖生地発酵との関連性が高く、インベルターゼ活性関連遺伝子の発現は高糖生地発酵との関連性が高く、それぞれは別形質として捕らえられてきた。また、パン生地冷凍後の発酵の強さも非冷凍での発酵力とは全く別の冷凍生地発酵力、所謂耐冷凍発酵力として考えられ、多くの遺伝子の関与が示唆されてきた。こういった中で、各々の形質を強化したパン酵母が開発されてきたものの、生イースト状態での長期冷蔵保存後の発酵力に着目した菌株開発はない。
例えば、30重量部(対粉)を超える糖配合領域で発酵力の高い酵母として、40重量部(対粉)程度の糖配合で製パン可能なパン酵母(特許文献1)、或いはストレート法と中種法での耐砂糖性と耐浸透圧性の高いパン酵母(特許文献2)が示されているが、何れも長期冷蔵保存後の発酵力、所謂発酵力保存安定性に関しては示されておらず示唆もない。加えて、発酵力保存安定性の高い生イーストを長期冷蔵保存した後、高糖生地よりもストレス強度が強いと考えられる冷凍生地に使用した場合の解凍後の発酵力に関しては示されておらず、高糖生地発酵力と耐冷凍発酵力を併せ持つパン酵母(特許文献2、特許文献3)も示されてきたが、その機能が長期冷蔵保存中に於いて安定維持される、所謂発酵力保存安定性を有する菌株は示されていない。
特開2000−262275号公報 国際公開第01/021763号 特開2000−279165号公報
発酵力保存安定性を有するパン酵母、特には高糖生地発酵力及び耐冷凍発酵力の発酵力保存安定性を大幅に改善したパン酵母が、パンの製造工程だけでなくデリバリーシステムや原材料在庫管理を容易にし、高品質のパンを安定生産できるパン酵母として望まれている。また、該パン酵母は、強いストレス環境に高い耐性を獲得させる為に、他の機能性の低下を来す事があってはならず、さらには1つのパン酵母で無糖生地や低糖生地における充分な発酵機能も併せ持ち、いろいろなパン生地において使用可能であることが望ましい。
そこで本発明の目的は、生イースト状態で長期冷蔵保存しても、低糖域から高糖域までの広い糖域の生地において高い発酵力を有し、さらに長期冷蔵保存した菌体を冷凍生地に使用した場合に於いても解凍後の発酵力が高いこと、即ち発酵力保存安定性の高いパン酵母、該パン酵母を用いてなるパン生地及び該生地を焼成してなるパンを提供することである。
また、本発明は、パンの製造工程だけでなくデリバリーシステムや原材料在庫管理を容易にし、高品質のパンをより容易に安定生産できるシステムを構築可能とするパン酵母の提供も目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、自然界より分離した菌株や交雑により作製した育種菌株を適宜培養し、生イースト状態に脱水せしめた後、所定の虐待保存試験により菌株選択を実施して得られたイーストは、生イースト状態で長期冷蔵保存しても無糖生地及び高糖生地において高い発酵力を有し、さらに長期冷蔵保存した菌体を含有する生地を冷凍保存してから製パンに使用した場合に於いても、解凍後の発酵力が高いことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第一は、サッカロミセス・セレビシエ KCY1217(NITE B P−1058)又はサッカロミセス・セレビシエ KCY1222(NITE BP−1 059)であるパン酵母に関する。
好ましい実施態様は、前記パン酵母が交雑、変異処理、または細胞融合されたパン酵母 であって、生イースト状態で6週間冷蔵保存した当該パン酵母を使用して下記表1の配合 に従って作製した無糖及び高糖のパン生地の38℃で2時間測定する発酵力が、無糖生地 で40mL以上、かつ高糖生地Aで40mL以上になり、更には生イースト状態で6週間 冷蔵保存した当該パン酵母を使用して下記表2の配合に従って作製し、30℃で90分間 前発酵した後2週間冷凍保存した高糖生地Bを、25℃で30分間解凍処理した後、38 ℃で2時間測定する発酵力が145mL以上になる、パン酵母に関する。
Figure 0005907161
Figure 0005907161
本発明の第二は、上記記載のパン酵母を有する生地に関する。
本発明の第三は、上記記載の生地から焼成して得られるパンに関する。
本発明の第四は、以下の工程を含むことを特徴とするパン酵母のスクリーニング方法に 関する。
サッカロミセス・セレビシエに属するパン酵母を、生イースト状態で6週間冷蔵保存し た後、前記表1の配合で、無糖及び高糖のパン生地を作製し、38℃で2時間測定する発 酵力が、無糖生地で40mL以上、かつ高糖生地Aで40mL以上になり、更には前記パ ン酵母を生イースト状態で6週間冷蔵保存した後、前記表2の配合で高糖のパン生地を作 製し、30℃で90分間前発酵した後2週間冷凍保存した高糖生地Bを、25℃で30分 間解凍処理した後、38℃で2時間測定する発酵力が145mL以上になるパン酵母を選 択する。
前記サッカロミセス・セレビシエに属するパン酵母は、交雑、変異処理、または細胞融 合したパン酵母を含む。
好ましい実施態様は、前記パン酵母のスクリーニング方法が以下の工程を含むことであ る。
サッカロミセス・セレビジエに属する長期冷蔵保存前の生イースト状態のパン酵母を用 いて前記表1の配合で高糖生地Aを作製し、38℃で2時間測定する発酵力が57mL以 上であることを指標に選択して得られる菌株から作製した胞子株と、サッカロミセス・セ レビジエに属する長期冷蔵保存前の生イースト状態のパン酵母を用いて前記表2の配合で 高糖生地Bを作製し、30℃で90分間前発酵した後2週間冷凍保存した生地を、25℃ で30分間解凍処理した後、38℃で2時間測定する発酵力が147mL以上であること を指標に選択して得られる菌株から作製した胞子株とを交雑して第一世代交雑株を作製し
前記第一世代交雑株を生イースト状態のまま30℃の雰囲気下で24時間放置し、前記 表1の配合で無糖生地及び高糖生地Aを作製し、38℃で2時間測定する生地発酵力が無 糖生地で45mL以上かつ高糖生地Aで45mL以上となることを指標に菌株を選抜した 後、該菌株を用いて前記表2の配合で高糖生地Bを作製し、30℃で90分間前発酵した 後冷凍し、2週間冷凍保存した生地を、25℃で30分間解凍処理した後、38℃で2時 間測定する生地発酵力が155mL以上であることを指標に菌株を選抜して一次スクリー ニングを実施し、第一世代交雑株から複数株を選択し、
前記選択された複数の第一世代交雑株を胞子形成させて交雑して得られる第二世代交雑 株から前記スクリーニング方法を用いてパン酵母を選択する。
本発明の第五は、前記パン酵母から、交雑、変異処理、または細胞融合されたパン酵母 を、以下のスクリーニング工程にかけて、特定のパン酵母を選択することを特徴とするパ ン酵母の製造方法に関する。
前記パン酵母を生イースト状態で6週間冷蔵保存した後、前記表1の配合で、無糖及び 高糖のパン生地を作製し、38℃で2時間測定する発酵力が、無糖生地で40mL以上、 かつ高糖生地Aで40mL以上、更には前記表2の配合で高糖のパン生地を作製し、30 ℃で90分間前発酵した後2週間冷凍保存した高糖生地Bを、25℃で30分間解凍処理 した後、38℃で2時間測定する発酵力が145mL以上であることを指標に選択する。
好ましい実施態様は、前記パン酵母の製造方法が、(1)サッカロミセス・セレビジエに属する長期冷蔵保存前の生イースト状態のパン酵母を用いて前記表1の配合で高糖生地Aを作製し、38℃で2時間測定する発酵力が57mL以上であることを指標に選択して得られる菌株から作製した胞子株と、サッカロミセス・セレビジエに属する長期冷蔵保存前の生イースト状態のパン酵母を用いて前記表2の配合で高糖生地Bを作製し、30℃で90分間前発酵した後2週間冷凍保存した生地を、25℃で30分間解凍処理した後、38℃で2時間測定する発酵力が147mL以上であることを指標に選択して得られる菌株から作製した胞子株と、を交雑して第一世代交雑株を作製する工程、(2)前記第一世代交雑株を生イースト状態のまま30℃の雰囲気下で24時間放置し、前記表1の配合で無糖生地及び高糖生地Aを作製し、38℃で2時間測定する生地発酵力が無糖生地で45mL以上かつ高糖生地Aで45mL以上となることを指標に菌株を選抜した後、該菌株を用いて前記表2の配合で高糖生地Bを作製し、30℃で90分間前発酵した後冷凍し、2週間冷凍保存した生地を、25℃で30分間解凍処理した後、38℃で2時間測定する生地発酵力が155mL以上であることを指標に菌株を選抜して一次スクリーニングを実施し、第一世代交雑株から複数株を選択する工程、(3)前記工程で選択された複数の第一世代交雑株を胞子形成させ、交雑して第二世代交雑株を作製する工程、(4)前記第二世代交雑株を生イースト状態で6週間冷蔵保存した後、前記表1の配合で無糖生地及び高糖生地Aを作製し、38℃で二時間測定する発酵力が、無糖生地で40mL以上、かつ高糖生地Aで40mL以上、さらには前記表2の配合で高糖生地Bを作製し、30℃で90分間前発酵したあと2週間冷凍保存した生地を、25℃で30分間解凍処理した後、38℃で2時間測定する発酵力が145mL以上であることを指標に菌株を選抜する二次スクリーニングを実施する工程を含むことである。
本発明に従えば、生イースト状態で長期冷蔵保存しても、低糖域から高糖域までの広い糖域の生地において高い発酵力を有し、さらに長期冷蔵保存した菌体を冷凍生地に使用した場合に於いても解凍後の発酵力が高いこと、即ち発酵力保存安定性の高いパン酵母を提供することができる。またさらに、パンの製造工程だけでなくデリバリーシステムや原材料在庫管理を容易にし、高品質のパンをより容易に安定生産できるシステムを構築可能とするパン酵母を提供できる。
また、前記パン酵母を用いることで、冷蔵保存又は冷凍保存した後でも十分な発酵力があり、パンを作製するのに好適な生地を提供できる。
また、本発明に従えば、前記特徴を有するパン酵母を効率よく得ることができる。
また、本発明に従えば、前記生地を用いることで、冷蔵保存、冷凍保存などの保存状態に関わらず、ボリュームが十分にある高品質のパンを製造することができる。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明のパン酵母は、特定の指標を基に選択して得られ、サッカロミセス・セレビシエに属し、生イースト状態で長期冷蔵保存しても、広糖域の生地において高い発酵力を有し、さらに長期冷蔵保存した菌体を含有する生地を冷凍保存してから製パンに用いた場合に於いても解凍後の発酵力が高い、即ち発酵力保存安定性が高い。
まず、本明細書において使用される用語については、以下に特に説明する場合を除いて、当分野で通常使用される用語の意味と同一である。本明細書において、糖配合割合を含め、製パン主副原料の配合割合(対粉、重量部)は、全生地中の小麦粉量100重量部に対する配合量(重量部)であり、該配合量を製パン主副原料の配合割合(重量部)とする。
本発明において、長期冷蔵保存とは、具体的には約5℃に保たれた冷蔵庫で6週間保存された状態を示し、生イースト状態で長期冷蔵保存しても、広糖域の生地において高い発酵力を有するパン酵母は、0℃〜10℃の温度域で4週間を超える保存後においても広糖域の生地において高い発酵力を有する。
また、本発明において、冷凍保存とは、具体的には約−20℃に保たれた冷凍庫で保存された状態を示す。
本発明において、始発菌体とは長期冷蔵保存前の生イースト状態の菌体であり、製造後3日以内の菌体を言う。
本発明のパン酵母は、生イースト状態で6週間冷蔵保存した後、前記表1の配合で糖0重量部のパン生地(無糖生地)及び糖40重量部のパン生地(高糖生地A)を作製し、38℃で2時間測定する発酵力が、無糖生地で40mL以上且つ高糖生地Aで40mL以上であることが好ましい。より好ましくは、無糖生地で45mL以上且つ高糖生地Aで45mL以上である。
また該パン酵母は、生イースト状態で6週間冷蔵保存した後、前記表2の配合で糖25重量部のパン生地(高糖生地B)を作製し、30℃で90分間前発酵した後冷凍し、2週間冷凍保存した生地を、25℃で30分解凍処理した後、38℃で2時間測定する発酵力が145mL以上であることが好ましく、より好ましくは、155mL以上である。
なお生イースト状態とは、湿菌体状態で水分が概ね60〜70重量%のパン酵母のことを言う。
無糖生地や高糖生地Aで一定量以上の発酵力があれば、広糖域のパン生地において高い発酵力を有していると言え、高糖生地Bを2週間冷凍後も一定量以上の発酵力があれば、高糖生地での耐冷凍発酵力があると言える。
なお、本発明における発酵力は、ファーモグラフ(登録商標)II(アト−株式会社製)を用いて、38℃で2時間測定する生地20gのガス発生量を発酵力とする。冷凍生地では、前記と同様にして、冷凍生地20gを25℃で30分解凍した後、38℃で2時間測定する生地20gのガス発生量を発酵力とする。
一般に、生地発酵力を培養条件などで高め過ぎた菌株は、作製時点の菌体活性が高い為、そのような状態の菌体は、様々なストレスに対して耐性が低く、また保存中の活性、所謂発酵力や保存安定性についても低下しやすい。特に、ストレス強度の高い高糖生地や冷凍生地において、発酵力を長期にわたって維持するパン酵母を開発することは容易ではないが、生地発酵力だけが長期に安定であっても発酵力保存安定性を有するパン酵母としては充分と言えず、冷凍生地に使用される場合においても強い発酵力を示すことが好ましい。
本発明の発酵力保存安定性を有するパン酵母は、自然界や交雑株のサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cereviciae)からのスクリーニング(選択)及びパン酵母の育種技術である交雑、変異処理、細胞融合などの手法によって得ることができる。
上記手法の内、例えば以下の方法により得ることができる。交雑には、自然界の土壌、河川、果実などから単離したサッカロマイセス・セレビシエ保存菌株から胞子株を取得し、数々の組み合わせで交雑株を作製し、該交雑株をスクリーニング用菌体とする。
なお、前記保存菌株の単離には一般的な真菌用寒天培地を用いる。また、前記胞子株は、単離された保存菌株から常法に従って胞子形成培地を用いて形成させる。また、前記交雑株は、常法に従って前記胞子株から出芽した一倍体の胞子同士をランダムに接合させることで得る。
<交雑育種>
前記サッカロミセス・セレビシエに属する自然界の土壌、河川、果実などから単離した保存菌株から胞子株を取得し、これら胞子株を使用して数々の組み合わせで交雑株を作製する。作製した数々の交雑株を下記のスクリーニング用菌体作製法により培養する。
<スクリーニング用菌体作製>
・バッチ培養
表3の組成の培地を大型試験管に5mL、500mL坂口フラスコに50mL分注し、オートクレーブ殺菌した後、培養に使用する。育種株1白金耳を大型試験管に全量植菌し、30℃、1日間振とう培養後500mL坂口フラスコに継植して、さらに30℃、1日間振とう培養により作製したバッチ培養菌体を以下の5Lジャーの種母培養に供する。なお、培地の調製の際に、糖は糖蜜を使用し、糖濃度4%(重量/体積)分になるよう調整する。
Figure 0005907161
・5Lジャー種母培養
5Lジャーに表4の組成の培地2Lを入れて、オートクレーブ殺菌後、500mL坂口フラスコ5本分の菌体を植菌し表5の条件で種母培養を行う。なお、培地の調製の際に、糖は糖蜜を使用し、糖濃度4%(W/V)分になるよう調整する。
Figure 0005907161
Figure 0005907161
・5Lジャー本培養
始発液量を表6の培地組成で、5Lジャーで培養した種母菌体を湿菌体として50g添加し、表7の条件で本培養を行う。具体的には13時間培養を行い、糖は分割添加する。
5Lジャー培養菌体は、培養終了後直ちに遠心分離し、吸引脱水し湿菌体を作製し、以下のスクリーニングに使用する。
なお、本発明でのスクリーニングにおいて発酵力を測定する際には、各生地のパン酵母規定量で作製したパン生地からのガス発生量を測定し、その値を該湿菌体の発酵力とする。ここで、本発明におけるパン酵母規定量の数値は、65%湿菌体の使用量として記載しており、実際に水分含量が違うパン酵母(湿菌体)を用いる際には、パン酵母の純分量があうように使用し、水の量は実際の湿菌体の水分含量にあわせて添加量を調整する。
Figure 0005907161
Figure 0005907161
<スクリーニング>
一次スクリーニングとして、まず最初に、前記湿菌体を生イースト状態のまま30℃の雰囲気下で24時間放置し、前記表1の配合で無糖生地及び高糖生地Aを作製し、38℃で2時間測定する生地発酵力が無糖生地で45mL以上且つ高糖生地Aで45mL以上となる株を選抜した後、前記表2の配合で高糖生地Bを作製し、30℃で90分間前発酵した後−20℃で冷凍し、2週間冷凍保存した生地を、25℃で30分間解凍処理した後、38℃で2時間測定する生地発酵力が155mL以上であることを指標に一次スクリーニング株を選択する。選択された一次スクリーニング株から、生イースト状態で6週間冷蔵保存した後、前記表1の配合で無糖生地及び高糖生地Aを作製し、38℃で2時間測定する生地発酵力が、無糖生地で40mL以上且つ高糖生地Aで40mL以上、且つ6週間冷蔵保存の後、前記表2の配合で高糖生地Bを作製し、30℃で90分間前発酵した後−20℃で冷凍し、2週間冷凍保存した生地を、25℃で30分間解凍処理した後、38℃で2時間測定する生地発酵力が145mL以上であることを指標に選抜して二次スクリーニング株が得られる。
本発明のパン酵母として、上記方法により選択して得られたサッカロミセス・セレビシエ KCY1217は受託番号「NITE BP−1058」、サッカロミセス・セレビシエ KCY1222は受託番号「NITE BP−1059」として、独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター(日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2丁目5番地8)に2011年2月21日(原寄託日)付けで寄託されている。
前記で得られたパン酵母は、常法に従って、ドライイーストの形態に調整しても良い。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。また菌株としては、本発明による菌株と、対照菌株として株式会社カネカから市販されているパン酵母2株(SG、GA)と、オリエンタル酵母工業から市販されているパン酵母1株(US)を用いた。
<生地発酵力測定法>
実施例・比較例のパン酵母は、後述の所定の条件で保存した。前記表1に従って、小麦粉として日清製粉の強力粉「カメリヤ」(登録商標)を使用し、規定量の糖と水あるいは食塩を糖懸濁液として調製し、該パン酵母とともにホバート卓上ミキサーで生地をミキシングし、ミキシング後の本捏生地20gのガス発生量を、ファーモグラフ(登録商標)IIを用いて、38℃で2時間測定し、その積算ガス量を各パン酵母の生地発酵力とした。
<耐冷凍発酵力測定法>
実施例・比較例で得られたパン酵母は、生イースト状態で6週間冷蔵保存した。前記表2に従って、小麦粉として日清製粉の強力粉カメリヤを使用し、規定量の糖と水あるいは食塩を糖懸濁液として調製し、該パン酵母とともにホバート卓上ミキサーで生地をミキシングし、ミキシング後の本捏生地20gを30℃で90分間前発酵させた後−20℃で冷凍し、冷凍生地とした。該冷凍生地は、−20℃で2週間冷凍保存した後、25℃で30分間解凍した後、ファーモグラフ(登録商標)IIを用いて、38℃で2時間ガス発生量を測定し、その積算ガス量を各パン酵母の耐冷凍発酵力とした。
(実施例1〜3、比較例1〜3) 交雑育種と菌株選択
自然界より分離した菌株や交雑により作製した当社サッカロミセス・セレビシエ保存菌株(GA)より高糖生地発酵力の高い菌株、及び耐冷凍発酵力の高い菌株を元株として使用した。
前記GA同等以上の高糖生地発酵力の高い元株は、以下のようにして得た。
まず、長期冷蔵保存前の生イースト状態であるGAを用いて、前記表1の配合で高糖生地Aを作製し、38℃で2時間発酵させて発酵力を測定した(57mL)。
次に、土壌、池、川などの自然界より常法にしたがって分離しておいた多数のサッカロミセス・セレビジエに属するパン酵母をGAと同様にして高糖生地発酵力を測定し、前記GAの高糖生地発酵力と比べて同等かより高い数値を示した菌株を30株選択してこれを元株とした。
なお、自然界より分離したパン酵母は、以下の冷凍発酵力の高い菌株を選択する際にも使用した。
前記GA同等以上の耐冷凍発酵力の高い菌株は、以下のようにして得た。
まず、長期冷蔵保存前の生イースト状態であるGAを用いて、前記表2の高糖生地Bを作製し、30℃で90分間前発酵させた後、2週間冷凍保存した生地を、25℃で30分間解凍処理したあと、38℃で2時間発酵させて発酵力を測定した(147mL)。
次に、土壌、池、川などの自然界より常法にしたがって分離しておいた多数のサッカロミセス・セレビジエに属するパン酵母をGAと同様にして耐冷凍発酵力を測定し、前記GAの耐冷凍発酵力と比べて同等かより高い数値を示した菌株を30株選択してこれを元株とした。
これらの元株はいずれも2倍体であるため胞子形成培地(組成:酢酸カリウム0.3%,、寒天1.5%)で胞子を形成させ、次のステップで交雑育種と菌株選択を実施した。
(1)GA同等以上の高糖生地発酵力を示す菌株から作製した胞子株と、GA同等以上の耐冷凍発酵力を示す菌株から作製した胞子株を各々交雑し、多数の第一世代交雑株を作製した。
(2)第一世代交雑株からは、前記元株の場合と同様の評価に加え、生イースト状態のまま30℃の雰囲気下で24時間放置し、前記表1の配合で糖0重量部及び糖40重量部のパン生地(無糖生地及び高糖生地A)を作製し、38℃で2時間測定する生地発酵力が無糖生地で45mL以上且つ高糖生地Aで45mL以上となる株を選抜した後、前記表2の配合で糖25重量部のパン生地(高糖生地B)を作製し、30℃で90分間発酵した後冷凍し、−20℃で2週間冷凍保存した生地を、25℃で30分間解凍処理した後、38℃で2時間測定する生地発酵力が155mL以上であることを指標に一次スクリーニングを実施し、第一世代交雑株から20株を選択した。
(3)生地発酵力と耐冷凍発酵力そして保存発酵力の各々の向上を狙い、更に第一世代交雑株から再度胞子形成させ、胞子株を各々交雑して第二世代交雑株を作製した。
(4)第二世代交雑株からは、一次スクリーニングに加え、冷蔵庫(約5℃)で6週間の長期冷蔵保存後も、前記表1の配合で、無糖生地及び高糖生地Aを作製し、38℃で2時間測定する発酵力が、無糖生地で40mL以上、かつ高糖生地Aで40mL以上であり、かつ前記表2の配合で高糖生地Bを作製し、30℃で90分間前発酵した後−20℃で2週間冷凍保存した生地を、25℃で30分間解凍処理した後、38℃で2時間測定する発酵力が145mL以上であること、即ち発酵力保存安定性の有無を指標にした二次スクリーニングを実施し、前記のKCY1217株(実施例1)及びKCY1222株(実施例2)に加えて、サッカロミセス・セレビジエKCY1229株(実施例3)を取得した。それらの結果は、表8,9にまとめた。
Figure 0005907161
Figure 0005907161
(実施例4〜6,比較例4〜6) 製パン試験
表10に示す製パン配合処方により、冷蔵庫(約5℃)で6週間冷蔵保存の後の菌株の耐冷凍発酵力を評価した結果を、表11に示す。
表11の結果から、実施例4〜6で焼成して得られたパンは、1週間又は3ヶ月間冷凍した場合のいずれにおいても、比較例4〜6で焼成して得られたパンと比べて、ボリュームが有意に大きなものとなっていた。
したがって、本発明の酵母は、市販の酵母菌3株に比べると、長期冷蔵保存後の菌体を用いて作製したパン生地1週間から3ヶ月の長期間冷凍した場合においても、充分なパンボリュームとする機能性を示していることがわかる。
Figure 0005907161
Figure 0005907161

Claims (9)

  1. サッカロミセス・セレビシエ KCY1217(NITE BP−1058)又はサッ カロミセス・セレビシエ KCY1222(NITE BP−1059)であるパン酵母
  2. 請求項1に記載のパン酵母が交雑、変異処理、または細胞融合されたパン酵母であって
    生イースト状態で6週間冷蔵保存した当該パン酵母を使用して表1の配合に従って作製 した無糖及び高糖のパン生地の38℃で2時間測定する発酵力が、無糖生地で40mL以 上、かつ高糖生地Aで40mL以上になり、更には生イースト状態で6週間冷蔵保存した 当該パン酵母を使用して表2の配合に従って作製し、30℃で90分間前発酵した後2週 間冷凍保存した高糖生地Bを、25℃で30分間解凍処理した後、38℃で2時間測定す る発酵力が145mL以上になる、パン酵母。
    Figure 0005907161
    Figure 0005907161
  3. 請求項1または2に記載のパン酵母を有する生地。
  4. 請求項に記載の生地焼成されたパン。
  5. 以下の工程を含むことを特徴とするパン酵母のスクリーニング方法。
    サッカロミセス・セレビシエに属するパン酵母を、生イースト状態で6週間冷蔵保存し た後、請求項2に記載の表1の配合で、無糖及び高糖のパン生地を作製し、38℃で2時 間測定する発酵力が、無糖生地で40mL以上、かつ高糖生地Aで40mL以上になり、 更には前記パン酵母を生イースト状態で6週間冷蔵保存した後、請求項2に記載の表2の 配合で高糖のパン生地を作製し、30℃で90分間前発酵した後2週間冷凍保存した高糖 生地Bを、25℃で30分間解凍処理した後、38℃で2時間測定する発酵力が145m L以上になるパン酵母を選択する。
  6. 前記サッカロミセス・セレビシエに属するパン酵母が交雑、変異処理、または細胞融合 したパン酵母である請求項5に記載のパン酵母のスクリーニング方法。
  7. 以下の工程を含む、請求項5に記載のパン酵母のスクリーニング方法。
    サッカロミセス・セレビジエに属する長期冷蔵保存前の生イースト状態のパン酵母を用 いて前記表1の配合で高糖生地Aを作製し、38℃で2時間測定する発酵力が57mL以 上であることを指標に選択して得られる菌株から作製した胞子株と、サッカロミセス・セ レビジエに属する長期冷蔵保存前の生イースト状態のパン酵母を用いて前記表2の配合で 高糖生地Bを作製し、30℃で90分間前発酵した後2週間冷凍保存した生地を、25℃ で30分間解凍処理した後、38℃で2時間測定する発酵力が147mL以上であること を指標に選択して得られる菌株から作製した胞子株とを交雑して第一世代交雑株を作製し
    前記第一世代交雑株を生イースト状態のまま30℃の雰囲気下で24時間放置し、前記 表1の配合で無糖生地及び高糖生地Aを作製し、38℃で2時間測定する生地発酵力が無 糖生地で45mL以上かつ高糖生地Aで45mL以上となることを指標に菌株を選抜した 後、該菌株を用いて前記表2の配合で高糖生地Bを作製し、30℃で90分間前発酵した 後冷凍し、2週間冷凍保存した生地を、25℃で30分間解凍処理した後、38℃で2時 間測定する生地発酵力が155mL以上であることを指標に菌株を選抜して一次スクリー ニングを実施し、第一世代交雑株から複数株を選択し、
    前記選択された複数の第一世代交雑株を胞子形成させて交雑して得られる第二世代交雑 株から請求項5に記載のスクリーニング方法を用いてパン酵母を選択する。
  8. 請求項1または2に記載のパン酵母から、交雑、変異処理、または細胞融合されたパン 酵母を、以下のスクリーニング工程にかけて、特定のパン酵母を選択することを特徴とす るパン酵母の製造方法。
    前記パン酵母を生イースト状態で6週間冷蔵保存した後、請求項2に記載の表1の配合 で、無糖及び高糖のパン生地を作製し、38℃で2時間測定する発酵力が、無糖生地で4 0mL以上、かつ高糖生地Aで40mL以上、更には請求項2に記載の表2の配合で高糖 のパン生地を作製し、30℃で90分間前発酵した後2週間冷凍保存した高糖生地Bを、 25℃で30分間解凍処理した後、38℃で2時間測定する発酵力が145mL以上であ ることを指標に選択する。
  9. 請求項に記載のパン酵母の製造方法であって、以下の(1)〜(5)の工程を含むことを特徴とするパン酵母の製造方法。
    (1)サッカロミセス・セレビジエに属する長期冷蔵保存前の生イースト状態のパン酵母を用いて請求項2に記載の表1の配合で高糖生地Aを作製し、38℃で2時間測定する発酵力が57mL以上であることを指標に選択して得られる菌株から作製した胞子株と、
    サッカロミセス・セレビジエに属する長期冷蔵保存前の生イースト状態のパン酵母を用いて請求項2に記載の表2の配合で高糖生地Bを作製し、30℃で90分間前発酵した後2週間冷凍保存した生地を、25℃で30分間解凍処理した後、38℃で2時間測定する発酵力が147mL以上であることを指標に選択して得られる菌株から作製した胞子株と、
    を交雑して第一世代交雑株を作製する工程
    (2)前記第一世代交雑株を生イースト状態のまま30℃の雰囲気下で24時間放置し、前記表1の配合で無糖生地及び高糖生地Aを作製し、38℃で2時間測定する生地発酵力が無糖生地で45mL以上かつ高糖生地Aで45mL以上となることを指標に菌株を選抜した後、該菌株を用いて前記表2の配合で高糖生地Bを作製し、30℃で90分間前発酵した後冷凍し、2週間冷凍保存した生地を、25℃で30分間解凍処理した後、38℃で2時間測定する生地発酵力が155mL以上であることを指標に菌株を選抜して一次スクリーニングを実施し、第一世代交雑株から複数株を選択する工程
    (3)前記工程で選択された複数の第一世代交雑株を胞子形成させ、交雑して第二世代交雑株を作製する工程
    (4)前記第二世代交雑株を生イースト状態で6週間冷蔵保存した後、前記表1の配合で無糖生地及び高糖生地Aを作製し、38℃で二時間測定する発酵力が、無糖生地で40mL以上、かつ高糖生地Aで40mL以上、さらには前記表2の配合で高糖生地Bを作製し、30℃で90分間前発酵したあと2週間冷凍保存した生地を、25℃で30分間解凍処理した後、38℃で2時間測定する発酵力が145mL以上であることを指標に菌株を選抜する二次スクリーニングを実施する工程
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