JP2005053414A - 4輪駆動車における駆動力配分方法及び駆動力配分制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】4輪駆動車の前輪と後輪とに対する駆動力の配分の適正化を向上する。
【解決手段】駆動力配分制御装置22には第1の閾値マップM1及び第2の閾値マップM2が記憶されている。閾値マップM1,M2における縦軸の方向に関して閾値線m1,m2よりも下側の領域は、2輪駆動モードの領域であり、縦軸の方向に関して閾値線m1,m2よりも上となる領域及び閾値線m1,m2上は、4輪駆動モードの領域である。駆動力配分制御装置22は、第1及び第2の閾値マップM1,M2を用いて4輪駆動モードか否かの判定を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、4輪駆動車における駆動力配分方法及び駆動力配分制御装置に関するものである。
従来、車速及び加速操作量(ガソリンエンジン車においては例えばスロットル開度)に基づいて駆動力伝達装置の駆動力伝達割合を可変制御し、これにより前輪側と後輪側との駆動力配分を可変制御するようにした4輪駆動車の駆動力配分制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、車速及び加速操作量(スロットル開度)に応じた駆動力(伝達トルク)を所定のトルク特性マップを参照して求め、駆動力配分制御装置は、求められたトルクに応じて駆動力伝達装置を構成する電磁クラッチの摩擦係合力を制御する。このトルク特性マップは、車速と加速操作量とを変数とした伝達トルクのマップであり、車両モデルによる実験データ及び周知の理論計算によって予め求められたものである。
特開2001−333713号
スロットル開度が零であってもエンジン回転数が高回転である状況がある。例えば、エンジン回転数が高回転であるときにアクセルペダルから足を離してしまうと、エンジン回転数が高回転であるにも関わらずスロットル開度が零になる。このような状況ではエンジンの駆動力を従動輪に伝達する(つまり、4輪駆動モードにする)方がよい場合がある。車速と加速操作量とを変数とする前記したトルク特性マップでは、加速操作量(スロットル開度)が零のときには伝達トルクを零とするのが一般的である。そうすると、車速と加速操作量とを変数とする前記したトルク特性マップを用いた制御では、スロットル開度が零であってもエンジン回転数が高回転である状況に応じて4輪駆動モードにすることができない。
本発明は、4輪駆動車の前輪と後輪とに対する駆動力の配分の適正化を向上することを目的とする。
請求項1の発明は、前輪と後輪とに対するエンジンからの駆動力の配分を変更可能な駆動力伝達装置を備え、前記駆動力伝達装置における駆動力伝達割合を制御して前輪と後輪とに対する駆動力の配分を制御する4輪駆動車における駆動力配分方法において、検出された車速と検出された加速操作量と検出されたエンジン回転数との検出組と、車速と加速操作量とエンジン回転数とからなる閾値マップとの比較に基づいて、4輪駆動モードと2輪駆動モードとのいずれであるかを判定し、この判定結果に基づいて前輪と後輪とに対する駆動力の配分を制御することを特徴とする。
請求項2の発明は、前輪と後輪とに対するエンジンからの駆動力の配分を変更可能な駆動力伝達装置を備え、前記駆動力伝達装置における駆動力伝達割合を制御して前輪と後輪とに対する駆動力の配分を制御する4輪駆動車における駆動力配分制御装置において、車速を検出する車速検出手段と、加速操作量を検出するための加速操作量検出手段と、車両のエンジン回転数を検出するためのエンジン回転数検出手段と、検出された車速と検出された加速操作量と検出されたエンジン回転数との検出組と、車速と加速操作量とエンジン回転数とからなる閾値マップとの比較に基づいて、2輪駆動モードと4輪駆動モードとの間での切り替えを制御する制御手段とを備えていることを特徴とする。
請求項1及び請求項2における閾値マップとは、車速と加速操作量とエンジン回転数との組に対して予め設定された閾値を表しているマップのことである。この閾値は、2輪駆動を行うのがよい前記組と、4輪駆動を行うのがよい前記組とに区分けするものである。請求項1及び請求項2における発明では、車速と加速操作量とエンジン回転数とからなる閾値マップを参照して駆動力の配分が制御される。そのため、車速と加速操作量との閾値マップのみでは適正な駆動力の配分制御を行えないような車速とエンジン回転数との組においても、適切なトルク配分率を設定することができる。又、車速とエンジン回転数との閾値マップのみでは適正な駆動力の配分制御を行えないような車速と加速操作量との組においても、適切なトルク配分率を設定することができる。例えば、スロットル開度が零であってもエンジン回転数が高回転である場合や、エンジン回転数が低回転であっても加速操作量が大きい場合にも、エンジンの駆動力の配分を適正に行うことができる。
請求項3の発明は、請求項2において、前記閾値マップは、車速とエンジン回転数とからなる第1の閾値マップと、車速と加速操作量とからなる第2の閾値マップとであることを特徴とする。
車速と加速操作量という2つの変数からなる閾値マップと、車速とエンジン回転数という2つの変数からなる閾値マップとは、車速と加速操作量とエンジン回転数という3つの変数からなる1つの閾値マップよりも作成し易い。
請求項4の発明は、請求項3において、前記制御手段は、検出された車速と検出された加速操作量との第1の検出組が第1の閾値マップにおける4輪駆動モード領域にある場合、又は検出された車速と検出されたエンジン回転数との第2の検出組が第2の閾値マップにおける4輪駆動モード領域にある場合には、4輪駆動モードとの判定を行うことを特徴とする。
4輪駆動を行う方がよい状況になりそうな場合には、2輪駆動から4輪駆動への移行を早めに行うのがよい。4輪駆動モードの判定を第1の閾値マップと第2の閾値マップとで互いに独立して行う構成は、2輪駆動から4輪駆動への早めの移行を行う上で有効である。
本発明によれば、エンジンの駆動力の配分の適正化を向上することができる。
以下、本発明を前輪駆動ベースの4輪駆動車の駆動力配分制御装置に具体化した一実施形態を図1〜図3に従って説明する。
図1(a)に示すように、4輪駆動車11は、内燃機関としてのエンジン12及びトランスアクスル13を備えている。トランスアクスル13は、トランスミッション及びトランスファ等を有している。トランスアクスル13には一対のフロントアクスル14及びプロペラシャフト15が連結されている。両フロントアクスル14にはそれぞれ前輪16が連結されている。プロペラシャフト15には駆動力伝達装置17が連結されており、駆動力伝達装置17にはドライブピニオンシャフト(図示略)を介してリヤディファレンシャル18が連結されている。リヤディファレンシャル18には一対のリヤアクスル19を介して後輪20が連結されている。
エンジン12の駆動力は、トランスアクスル13及び一対のフロントアクスル14を介して一対の前輪16に伝達される。また、プロペラシャフト15と前記ドライブピニオンシャフトとが駆動力伝達装置17によりトルク伝達可能に連結された場合、エンジン12の駆動力は、プロペラシャフト15、ドライブピニオンシャフト、リヤディファレンシャル18及び一対のリヤアクスル19を介して一対の後輪20伝達される。前輪16は、駆動輪であり、後輪20は、従動輪である。
駆動力伝達装置17は、湿式多板式の電磁クラッチ機構21を備えており、電磁クラッチ機構21は、互いに摩擦係合又は離間する複数のクラッチ板(図示略)を有している。電磁クラッチ機構21に内蔵された電磁コイル(図示略)に対して所定の電流を供給すると、前記複数のクラッチ板は互いに摩擦係合する。この電磁クラッチ機構21の摩擦係合力がカム機構(図示略)により増幅されてメインクラッチ(図示略)の締結力となり、エンジン12の駆動力が後輪20へ伝達される。電磁クラッチ機構21の電磁コイルへの電流の供給を遮断すると、前記複数のクラッチ板は互いに離間し、後輪20へのトルクの伝達も遮断される。前記複数のクラッチ板における摩擦係合力は、電磁クラッチ機構21の電磁コイルへ供給する電流の量(電流の強さ)に応じて増減し、これに応じてメインクラッチの締結力も増減する。これにより後輪20に対する伝達トルクの大きさを任意に調整可能となっている。
4輪駆動車11は、制御手段としての駆動力配分制御装置22を備えている。駆動力配分制御装置22は、CPU(中央演算処理装置)、RAM(書込み読出し専用メモリ)、ROM(読出し専用メモリ)及び入出力インターフェイス等を備えたマイクロコンピュータを中心として構成されている。
ROMには駆動力配分制御装置22が実行する各種の制御プログラム、各種のマップ等が格納されている。RAMは、ROMに書き込まれた各種の制御プログラムを展開して駆動力配分制御装置22のCPUが各種の演算処理を実行するためのデータ作業領域である。
駆動力配分制御装置22の前記入出力インターフェイスの出力端子には駆動力伝達装置17及びエンジン制御装置(図示略)が電気接続されている。電磁クラッチ機構21の電磁コイルへの電流の供給、遮断及び電流供給量の調整は、駆動力配分制御装置22により制御される。即ち、駆動力配分制御装置22は、4輪駆動モード又は2輪駆動モードのいずれかを選択すると共に、4輪駆動モードにおいて前輪16と後輪20との間のトルク配分率(駆動力伝達割合)を制御する。トルク配分率は、前輪:後輪=100〜50:0〜50の間で可変とされており、電磁クラッチ機構21におけるトルク伝達が遮断された状態では前輪:後輪=100:0となる。即ち、4輪駆動モードでは前輪と後輪とに駆動力が配分される。
4輪駆動車11は、車速検出手段としての車速センサ23、加速操作量検出手段としてのスロットル開度センサ24、エンジン回転数検出手段としてのエンジン回転数センサ25を備えている。車速センサ23、スロットル開度センサ24及びエンジン回転数センサ25は、駆動力配分制御装置22の前記入出力インターフェイスの入力端子に電気接続されている。スロットル開度センサ24は、スロットルバルブ(図示略)の開度を検出する。スロットルバルブの開度は、運転者によるアクセルペダル(図示略)の踏み込み操作量に相当する加速操作量である。
駆動力配分制御装置22のROMには図1(b),(c)のグラフで示す第1の閾値マップM1及び第2の閾値マップM2が記憶されている。図1(b)では、車速Vを表す横軸と、加速操作量としてのスロットル開度θを表す縦軸と、閾値としての閾値線m1とで第1の閾値マップM1を構成して示している。又、図1(c)では、車速Vを表す横軸と、エンジン回転数Nを表す縦軸と、閾値としての閾値線m2とで第2の閾値マップM2を構成して示している。
第1の閾値マップM1における縦軸の方向に関して閾値線m1よりも下側の領域は、2輪駆動モードであることを指定する領域(以下、2輪駆動モード領域F2という)である。第1の閾値マップM1における縦軸の方向に関して閾値線m1よりも上となる領域及び閾値線m1上は、4輪駆動モードであることを指定する領域(以下、4輪駆動モード領域F4という)である。
第2の閾値マップM2における縦軸の方向に関して閾値線m2よりも下側の領域は、2輪駆動モードであることを指定する領域(以下、2輪駆動モード領域E2という)である。第2の閾値マップM2における縦軸の方向に関して閾値線m2よりも上となる領域及び閾値線m2上は、4輪駆動であることを指定する領域(以下、4輪駆動モード領域E4という)である。
第1の閾値マップM1は、車速Vとスロットル開度θとの組(V,θ)に対して予め設定された閾値(閾値線m1)を表すマップのことである。第2の閾値マップM2は、車速Vとエンジン回転数Nとの組(V,N)に対して予め設定された閾値(閾値線m2)を表すマップのことである。第1の閾値線m1は、2輪駆動を行うのがよい車速Vとスロットル開度θとの組(V,θ)(つまり、2輪駆動モード領域F2)と、4輪駆動を行うのがよい車速Vとスロットル開度θとの組(V,θ)(つまり、4輪駆動モード領域F4)とに区分けするものである。第2の閾値線m2は、2輪駆動を行うのがよい車速Vとエンジン回転数Nとの組(V,N)(つまり、2輪駆動モード領域E2)と、4輪駆動を行うのがよい車速Vとエンジン回転数Nとの組(V,N)(つまり、4輪駆動モード領域E4)とに区分けするものである。
駆動力配分制御装置22のROMにはトルク配分率マップ(図示略)が記憶されている。トルク配分率マップは、車速とスロットル開度とを変数としたトルク配分率(駆動力配分割合)を表すマップである。
図2及び図3に示すフローチャートは、前記したROMに格納された駆動力配分制御プログラムを表す。この駆動力配分制御プログラムは、所定の制御周期(サンプリング周期)毎に繰り返される。以下において図2及び図3に示すフローチャートに基づいて駆動力配分制御を説明する。
駆動力配分制御装置22は、検出された車速Vx、検出されたスロットル開度θx、及び検出されたエンジン回転数Nxを読み込む(ステップS1)。この読み込み後、駆動力配分制御装置22は、検出された車速Vxと検出されたスロットル開度θxとの検出組(Vx,θx)が第1の閾値マップM1の4輪駆動モード領域F4内にあるか否かを判定する(ステップS2)。検出組(Vx,θx)が第1の閾値マップM1の4輪駆動モード領域F4内にある場合(ステップS2においてYES)、駆動力配分制御装置22は、後述する〔4輪駆動モード〕を記憶しているか否かを判定する。つまり、駆動力配分制御装置22は、前回の制御周期が4輪駆動の制御モードであったか否かを判定する(ステップS3)。
ステップS2において、検出組(Vx,θx)が第1の閾値マップM1の4輪駆動モード領域F4内にない場合(ステップS2においてNO)、駆動力配分制御装置22は、ステップS10の処理へ移行する。ステップS10では、駆動力配分制御装置22は、検出された車速Vxと検出されたエンジン回転数Nxとの検出組(Vx,Nx)が第2の閾値マップM2の4輪駆動モード領域E4内にあるか否かを判定する。検出組(Vx,Nx)が第2の閾値マップM2の4輪駆動モード領域E4内にある場合(ステップS10においてYES)、駆動力配分制御装置22は、〔4輪駆動モード〕を記憶しているか否かを判定する。つまり、駆動力配分制御装置22は、前回の制御周期が4輪駆動の制御モードであったか否かを判定する(ステップS3)。
前回の制御周期が4輪駆動の制御モードでなかった場合(ステップS3においてNO)、駆動力配分制御装置22は、後述する第2の計時値と予め設定された時間閾値tとの大小比較を行う(ステップS4)。第2の計時値が時間閾値t以上の場合(ステップS4においてYES)には、駆動力配分制御装置22は、第2の計時値をクリアする(ステップS5)。そして、駆動力配分制御装置22は、今回の制御周期が4輪駆動モードであること(〔4輪駆動モード〕と記す)を記憶(ステップS6)し、4輪駆動の制御を行う(ステップS7)。
4輪駆動の制御では、駆動力配分制御装置22は、検出された車速Vxと検出されたスロットル開度θxとの検出組(Vx,θx)と、車速とスロットル開度とを変数とするトルク配分率マップとを用いてトルク配分率を算出する。駆動力配分制御装置22は、算出されたトルク配分率となるように、駆動力伝達装置17の電磁クラッチ機構21における摩擦係合力を制御する。
駆動力配分制御装置22は、ステップS7から次の制御周期のステップS1に移行する。
ステップS3において、前回の制御周期が4輪駆動の制御モードであった場合(ステップS3においてYES)、駆動力配分制御装置22は、〔4輪駆動モード〕を記憶(ステップS6)し、4輪駆動の制御を行う(ステップS7)。そして、駆動力配分制御装置22は、ステップS7から次の制御周期のステップS1に移行する。
ステップS4において、第2の計時値が時間閾値tに満たない場合(ステップS4においてNO)には、駆動力配分制御装置22は、第2の計時値をカウントアップする(ステップS8)。第2の計時値は、制御周期単位でカウントされて累積してゆく時間値である。ステップS8の処理後、駆動力配分制御装置22は、今回の制御周期が2輪駆動モードであること(〔2輪駆動モード〕と記す)を記憶(ステップS14)し、2輪駆動の制御を行う(ステップS9)。
2輪駆動の制御では、駆動力配分制御装置22は、前輪16:後輪20とのトルク配分率(駆動力配分割合)が100:0に近い駆動力配分制御を行う。つまり、駆動力配分制御装置22は、駆動力の大部分が前輪16に配分されるように、電磁クラッチ機構21への電流供給を停止する。
そして、駆動力配分制御装置22は、ステップS9から次の制御周期のステップS1に移行する。
ステップS1〜S4,S8,S14,S9の順、又はステップS1,S2,S10,S3,S4,S8,S14,S9の順に繰り返される処理は、ステップS13,S14,S9の処理順で行った2輪駆動の制御を時間閾値tにわたって継続させる処理である。
ステップS10において、検出組(Vx,Nx)が第2の閾値マップM2の4輪駆動モード領域E4内にない場合(ステップS10においてNO)、駆動力配分制御装置22は、〔2輪駆動モード〕を記憶しているか否かを判定する。つまり、駆動力配分制御装置22は、前回の制御周期が2輪駆動の制御モードであったか否かを判定する(ステップS11)。
前回の制御周期が2輪駆動の制御モードでなかった場合(ステップS11においてNO)、駆動力配分制御装置22は、後述する第1の計時値と予め設定された時間閾値tとの大小比較を行う(ステップS12)。第1の計時値が時間閾値t以上の場合(ステップS12においてYES)には、駆動力配分制御装置22は、第1の計時値をクリアする(ステップS13)。そして、駆動力配分制御装置22は、〔2輪駆動モード〕を記憶(ステップS14)し、2輪駆動の制御を行う(ステップS9)。
ステップS11において、前回の制御周期が2輪駆動の制御モードであった場合(ステップS11においてYES)、駆動力配分制御装置22は、〔2輪駆動モード〕を記憶(ステップS14)し、2輪駆動の制御を行う(ステップS9)。そして、駆動力配分制御装置22は、ステップS9から次の制御周期のステップS1に移行する。
ステップS12において、第1の計時値が時間閾値tに満たない場合(ステップS12においてNO)には、駆動力配分制御装置22は、第1の計時値をカウントアップする(ステップS15)。第1の計時値は、制御周期単位でカウントされて累積してゆく時間値である。ステップS15の処理後、駆動力配分制御装置22は、〔4輪駆動モード〕を記憶(ステップS6)し、4輪駆動の制御を行う(ステップS7)。
そして、駆動力配分制御装置22は、ステップS7から次の制御周期のステップS1に移行する。
ステップS1,S2,S10〜S12,S15,S6,S7の順に繰り返される処理は、ステップS5〜S7の処理順で行った4輪駆動の制御を時間閾値tにわたって継続させる処理である。
本実施形態では以下のような効果が得られる。
(1−1)エンジン回転数が高回転であるときにアクセルペダル(図示略)から足を離してしまうと、エンジン回転数Nxが高回転であるにも関わらずスロットル開度θxが零になる。このような状況ではエンジン12の駆動力を従動輪である後輪20に伝達する(つまり、4輪駆動モードにする)方がよい場合がある。エンジン回転数Nxが低回転であってもスロットル開度θが大きい場合(例えば、アクセルペダルを急激に踏み込んだような場合)には、前輪16と接地面との間でスリップを生じるおそれがある。このような状況ではエンジン12の駆動力を従動輪である後輪20に伝達する(つまり、4輪駆動モードにする)方がよい。
本実施形態では、まず検出組(Vx,θx)が第1の閾値マップM1の2輪駆動モード領域F2と4輪駆動モード領域F4とのいずれにあるかが判定される。検出組(Vx,θx)が2輪駆動モード領域F2にある場合には、検出組(Vx,Nx)が第2の閾値マップM2の2輪駆動モード領域E2と4輪駆動モード領域E4とのいずれにあるかが判定される。駆動力配分制御装置22は、これらの判定に基づいて2輪駆動と4輪駆動との制御を行う。つまり、駆動力配分制御装置22は、第1の閾値マップM1と第2の閾値マップM2とを参照して駆動力の配分制御を行う。そのため、車速とスロットル開度との閾値マップのみでは適正な駆動力の配分制御を行えないような、車速とエンジン回転数との組(V,N)においても、適切なトルク配分率を設定することができる。又、車速とエンジン回転数との閾値マップのみでは適正な駆動力の配分制御を行えないような、車速とスロットル開度との組(V,θ)においても、適切なトルク配分率を設定することができる。その結果、例えば、スロットル開度が零であってもエンジン回転数が高回転である場合や、エンジン回転数が低回転であっても加速操作量が大きい場合にも、エンジンの駆動力の配分を適正に行うことができる。
(1−2)車速と加速操作量という2つの変数からなる第1の閾値マップM1と、車速とエンジン回転数という2つの変数からなる第2の閾値マップM2とは、車速と加速操作量とエンジン回転数という3つの変数からなる1つの閾値マップよりも作成し易い。
(1−3)4輪駆動を行う方がよい状況になりそうな場合には、2輪駆動から4輪駆動への移行を早めに行うのがよい。例えば、エンジン回転数Nxが低回転であるときにアクセルペダルを急激に踏み込んでスロットル開度θが大きくなったような場合には、前輪16と接地面との間でスリップを生じるおそれがある。このようなときには2輪駆動から4輪駆動へ早めに移行しておいた方がよい。
第1の検出組(Vx,θx)が第1の閾値マップM1における4輪駆動モード領域F4にある場合、又は第2の検出組(Vx,Nx)が第2の閾値マップM2における4輪駆動モード領域E4にある場合には、駆動力配分制御装置22は、4輪駆動モードであるとの判定を行う。4輪駆動モードの判定を第1の閾値マップM1と第2の閾値マップM2とで互いに独立して行う構成は、2輪駆動から4輪駆動への早めの移行を行う上で有効である。
(1−4)2輪駆動状態と4輪駆動状態とが短時間内で頻繁に切り替わると好ましくない。駆動力配分制御装置22は、第1の検出組(Vx,θx)の存在領域が第1の閾値マップM1における2輪駆動モード領域F2と4輪駆動モード領域F4との間で移行した場合には、この移行後の状態の保持が時間閾値tに達したときにのみ、2輪駆動と4輪駆動との間での切り替えを行う。又、駆動力配分制御装置22は、第2の検出組(Vx,Nx)の存在領域が第2の閾値マップM2における2輪駆動モード領域E2と4輪駆動モード領域E4との間で移行した場合には、この移行後の状態の保持が時間閾値tに達したときにのみ、2輪駆動と4輪駆動との間での切り替えを行う。時間閾値tを適正な大きさに設定すると、2輪駆動状態と4輪駆動状態とが短時間内で頻繁に切り替わるという好ましくない事態を回避することができる。
本発明では以下のような実施の形態も可能である。
(1)検出組(Vx、θx)が第1の閾値マップM1における4輪駆動モード領域F4にあり、かつ検出組(Vx、Nx)が第2の閾値マップM2における4輪駆動モード領域E4にあるときに、4輪駆動モードであるとの判定を行うようにしてもよい。
(2)後輪駆動ベースの4輪駆動車に本発明を適用してもよい。この4輪駆動車では、後輪が駆動輪となり、前輪が従動輪となる。
(3)加速操作量検出手段としてアクセルペダル踏み込み量検出手段を用い、加速操作量をアクセルペダル踏み込み量としてもよい。
(4)4輪駆動状態におけるトルク配分率を一定(例えば、前輪16:後輪20=50:50)とした4輪駆動車に本発明を適用してもよい。
(5)車速と加速操作量とエンジン回転数との3つを変数とする閾値マップを用いてもよい。
(6)車速とエンジン回転数とを変数とするトルク配分率マップを用いてもよい。
前記した実施の形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
〔1〕前記制御手段は、前記第1の検出組の存在領域が第1の閾値マップにおける2輪駆動モード領域と4輪駆動モード領域との間で移行した場合、又は前記第2の検出組の存在領域が第2の閾値マップにおける2輪駆動モード領域と4輪駆動モード領域との間で移行した場合には、これらの移行後の状態の保持が予め設定された時間閾値に達したときにのみ、2輪駆動と4輪駆動との間での切り替えを行う請求項3及び請求項4のいずれか1項に記載の4輪駆動車における駆動力配分制御装置。
一実施形態を示し、(a)は4輪駆動車の概略構成図。(b)は、第1の閾値マップM1を示すグラフ。(c)は、第2の閾値マップM2とを示すグラフ。 駆動力配分制御プログラムを表すフローチャート。 駆動力配分制御プログラムを表すフローチャート。
符号の説明
11…4輪駆動車。12…エンジン。16…前輪。17…駆動力伝達装置。20…後輪。22…制御装置としての駆動力配分制御装置。23…車速検出手段としての車速センサ。24…加速操作量検出手段としてのスロットル開度センサ。25…エンジン回転数検出手段としてのエンジン回転数センサ。M1…第1の閾値マップ。M2…第2の閾値マップ。F2,E2…2輪駆動モード領域。F4,E4…4輪駆動モード領域。Vx…検出された車速。θx…検出されたスロットル開度。Nx…検出されたエンジン回転数。

Claims (4)

  1. 前輪と後輪とに対するエンジンからの駆動力の配分を変更可能な駆動力伝達装置を備え、前記駆動力伝達装置における駆動力伝達割合を制御して前輪と後輪とに対する駆動力の配分を制御する4輪駆動車における駆動力配分方法において、
    検出された車速と検出された加速操作量と検出されたエンジン回転数との検出組と、車速と加速操作量とエンジン回転数とからなる閾値マップとの比較に基づいて、4輪駆動モードと2輪駆動モードとのいずれであるかを判定し、この判定結果に基づいて前輪と後輪とに対する駆動力の配分を制御する4輪駆動車における駆動力配分方法。
  2. 前輪と後輪とに対するエンジンからの駆動力の配分を変更可能な駆動力伝達装置を備え、前記駆動力伝達装置における駆動力伝達割合を制御して前輪と後輪とに対する駆動力の配分を制御する4輪駆動車における駆動力配分制御装置において、
    車速を検出する車速検出手段と、
    加速操作量を検出するための加速操作量検出手段と、
    車両のエンジン回転数を検出するためのエンジン回転数検出手段と、
    検出された車速と検出された加速操作量と検出されたエンジン回転数との検出組と、車速と加速操作量とエンジン回転数とからなる閾値マップとの比較に基づいて、2輪駆動モードと4輪駆動モードとの間での切り替えを制御する制御手段とを備えた4輪駆動車における駆動力配分制御装置。
  3. 前記閾値マップは、車速とエンジン回転数とからなる第1の閾値マップと、車速と加速操作量とからなる第2の閾値マップとである請求項2に記載の4輪駆動車における駆動力配分制御装置。
  4. 前記制御手段は、検出された車速と検出された加速操作量との第1の検出組が第1の閾値マップにおける4輪駆動モード領域にある場合、又は検出された車速と検出されたエンジン回転数との第2の検出組が第2の閾値マップにおける4輪駆動モード領域にある場合には、4輪駆動モードとの判定を行う請求項3に記載の4輪駆動車における駆動力配分制御装置。
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