JP2003312296A - 4輪駆動車の駆動力配分制御装置及び駆動力配分方法 - Google Patents

4輪駆動車の駆動力配分制御装置及び駆動力配分方法

Info

Publication number
JP2003312296A
JP2003312296A JP2002126226A JP2002126226A JP2003312296A JP 2003312296 A JP2003312296 A JP 2003312296A JP 2002126226 A JP2002126226 A JP 2002126226A JP 2002126226 A JP2002126226 A JP 2002126226A JP 2003312296 A JP2003312296 A JP 2003312296A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
driving force
wheel drive
drive
force distribution
lateral acceleration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002126226A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryohei Shigeta
良平 繁田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyoda Koki KK
Original Assignee
Toyoda Koki KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyoda Koki KK filed Critical Toyoda Koki KK
Priority to JP2002126226A priority Critical patent/JP2003312296A/ja
Publication of JP2003312296A publication Critical patent/JP2003312296A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 4輪駆動車に加わる横方向への加速度に応じ
て駆動力配分率を精度よく可変制御できる4輪駆動車の
駆動力配分制御装置及び駆動力配分方法を提供する。 【解決手段】 駆動力配分用ECU21は、CPU2
2、ROM23、RAM24及び入出力回路25を備え
る。駆動力配分用ECU21には、4輪駆動車に加わる
横方向への加速度を検出する横加速度センサ34が接続
され、駆動力配分用ECU21はその横加速度センサ3
4の検出結果に基づき、4輪駆動車の駆動モードを4輪
駆動傾向モードと2輪駆動傾向モードとに切り換える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4輪駆動車の駆動
力配分制御装置及び駆動力配分方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、4輪駆動車には、4輪駆動と
2輪駆動とを適宜切り換えるパートタイム方式、常時4
輪を駆動するフルタイム方式が知られている。
【0003】また、前記パートタイム方式、フルタイム
方式以外のものとしてスタンバイ方式の4輪駆動車も知
られている。前記スタンバイ方式は、必要に応じて4輪
駆動状態と2輪駆動状態を遷移するものである。即ち、
このスタンバイ方式は、原動機に直結された主駆動輪
と、駆動力伝達装置を介して原動機に接続された副駆動
輪(従動輪ともいう)とからなり、副駆動輪側へ駆動力
配分を路面状況や走行状態などに応じて駆動力伝達装置
の締結力(係合力)を変化させることにより最適になる
よう調整している。
【0004】上記のようなスタンバイ方式を実現させる
前記駆動力伝達装置の一例として、特開平6−2884
15に示す駆動力伝達装置(以下、第1駆動力伝達装置
という)が知られている。
【0005】この第1駆動力伝達装置は、ハウジングと
回転軸との間で差動回転が生じた際に、その差動回転に
応じて前記ハウジング内のシリコンオイルが回転部材の
ブレードによりせん断されることで、シリコンオイルの
粘性摩擦作用により圧力発生部に内圧が発生する。そし
て、その内圧に応じてピストンにより多板クラッチを摩
擦係合させて、ハウジングと回転軸とを駆動連結するも
のである。そして、ハウジングと回転軸とが駆動連結す
ることにより、原動機が発生する駆動力を副駆動輪へ伝
達するように構成されている。従って、第1駆動力伝達
装置は主駆動輪又は副駆動輪がスリップすると、機械的
に4輪駆動状態となる。
【0006】また、スタンバイ方式を実現させる駆動力
伝達装置として、次に示すような駆動力伝達装置(以
下、第2駆動力伝達装置という)も知られている。この
第2駆動力伝達装置は、電磁クラッチ機構を備え、クラ
ッチ機構に内蔵された電磁コイルを通電制御することに
より、各クラッチ板を互いに摩擦係合させてハウジング
と回転軸とを駆動連結し、原動機が発生する駆動力を副
駆動輪へ伝達させる。詳述すると、各駆動輪に設けられ
た車輪速センサに基づいて、主駆動輪の平均速度及び副
駆動輪の平均速度の差を求め、その差に基づいて電磁コ
イルの通電制御を行い、4輪駆動状態となるようにして
いる。従って、第2駆動力伝達装置は主駆動輪又は副駆
動輪がスリップすると、電子的な制御により4輪駆動状
態となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記第1駆
動力伝達装置又は上記第2駆動力伝達装置を有する4輪
駆動車においては、カーブを高速で曲がる場合などによ
り、横方向への加速度が加わった際には次のような問題
があった。即ち、前記第1駆動力伝達装置又は前記第2
駆動力伝達装置を有する4輪駆動車は、主駆動輪又は副
駆動輪がスリップすることにより、初めて主駆動輪及び
副駆動輪を共に駆動させる4輪駆動状態とするものであ
った。
【0008】従って、駆動力配分に遅れが生じ、主駆動
輪と副駆動輪との間の駆動力配分率が適切でない場合が
あった。そして、不適切な駆動力の配分により、4輪駆
動車としての機能が十分に発揮されていなかった。
【0009】本発明は、前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、4輪駆動車に加わる横方向
への加速度に応じて駆動力配分率を精度よく可変制御で
きる4輪駆動車の駆動力配分制御装置及び駆動力配分方
法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、原動機が発生する駆動力
を駆動力伝達手段を介して前輪及び後輪に配分して伝達
し、4輪駆動車の走行状態に対応して前記駆動力伝達手
段を制御して前記前輪と前記後輪との間の駆動力配分率
を可変制御する4輪駆動車の駆動力配分制御装置におい
て、前記4輪駆動車の横方向への加速度を検出する横加
速度検出手段と、前記横加速度検出手段の検出結果に基
づいて、前記駆動力配分率を可変制御する制御手段とを
備えたことを要旨とする。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記制御手段は、前記横加速度検出手
段の検出結果が大きくなるほど前記前輪の駆動力と前記
後輪の駆動力との駆動力比を近づけるように前記駆動力
配分率を可変制御することを要旨とする。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、前記制御手段は、前記横加速度検出手
段の検出結果に基づいて2輪駆動傾向モードと4輪駆動
傾向モードのいずれか1つの駆動モードを選択する選択
手段と、前記2輪駆動傾向モードと前記4輪駆動傾向モ
ードのそれぞれに対応した駆動力配分率のマップデータ
を記憶する記憶手段とを備え、前記選択手段により選択
された前記駆動モードに基づいて、前記記憶手段の前記
マップデータを選択し、選択した前記マップデータに基
づいて前記駆動力配分率を可変制御することを要旨とす
る。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の発明において、前記制御手段は、前記横加速度検出手
段が所定閾値未満の検出値を検出している状態から所定
閾値以上の検出値を検出した際に、2輪駆動傾向の駆動
力配分から4輪駆動傾向の駆動力配分となるように前記
駆動力伝達手段の駆動力配分率を可変制御することを要
旨とする。
【0014】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の発明において、前記制御手段は、前記横加速度検出手
段が所定閾値以上の検出値を検出している状態から所定
閾値未満の検出値を検出した際に、4輪駆動傾向の駆動
力配分から2輪駆動傾向の駆動力配分となるように前記
駆動力伝達手段の駆動力配分率を可変制御することを要
旨とする。
【0015】請求項6に記載の発明は、原動機が発生す
る駆動力を駆動力伝達手段を介して前輪及び後輪に配分
して伝達し、4輪駆動車の走行状態に対応して前記駆動
力伝達手段を制御して前記前輪と前記後輪との間の駆動
力配分率を可変制御する4輪駆動車の駆動力配分方法に
おいて、前記4輪駆動車に対して横方向への加速度が加
わった際に、前記前輪の駆動力と前記後輪の駆動力との
駆動力比を近づけるように制御することを要旨とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明をスタンバイ方式の
前輪駆動ベースの4輪駆動車に具体化した一実施形態を
図1〜図3に従って説明する。
【0017】図1は、本実施形態における4輪駆動車の
概略構成図を示す。図1において、4輪駆動車1は、原
動機であるエンジン2及びトランスアクスル3を備えて
いる。トランスアクスル3は、トランスミッション3
a、フロントディファレンシャル3b及びトランスファ
3c等を有している。前記フロントディファレンシャル
3bは左右一対のフロントアクスル4a,4bと連結さ
れ、その一対のフロントアクスル4a,4bにはそれぞ
れ左側及び右側の前輪5a,5bがそれぞれ連結されて
いる。従って、エンジン2の駆動力は、トランスミッシ
ョン3a、フロントディファレンシャル3b及び左右一
対のフロントアクスル4a,4bを介して左側及び右側
の前輪5a,5bにそれぞれ伝達される。
【0018】又、前記トランスファ3cはプロペラシャ
フト6に連結され、そのプロペラシャフト6は駆動力伝
達手段としての駆動力伝達装置7に駆動連結されてい
る。従って、エンジン2の駆動力は、トランスミッショ
ン3a、トランスファ3c及びプロペラシャフト6を介
して駆動力伝達装置7に伝達される。駆動力伝達装置7
はドライブピニオンシャフト8を介してリアディファレ
ンシャル9に連結され、そのリアディファレンシャル9
は左右一対のリアアクスル10a,10bに連結されて
いる。そして、左右一対のリアアクスル10a,10b
には、それぞれ左側及び右側の後輪11a,11bが連
結されている。
【0019】駆動力伝達装置7は、湿式多板式の電磁ク
ラッチ機構を備え、同電磁クラッチ機構には電磁コイル
7a(図2参照)と互いに接離可能な複数のクラッチ板
を有している。そして、電磁コイル7aに後記する駆動
力配分用電子制御装置(以下、駆動力配分用ECU21
という)からの制御信号(指令値)に基づいて給電され
る電流値に応じて各クラッチ板は互いに摩擦係合し、ド
ライブピニオンシャフト8にプロペラシャフト6の駆動
力が伝達される。
【0020】詳述すると、プロペラシャフト6(エンジ
ン2)からドライブピニオンシャフト8(左側及び右側
の後輪11a,11b)に伝達される駆動力は、クラッ
チ板の摩擦係合力によって決まり、摩擦係合力が大きい
ほど大きい。そして、その摩擦係合力は電磁コイル7a
に供給する電流値によって決まる。つまり、駆動力伝達
装置7は、摩擦係合力を制御することによって、前輪5
a,5bと後輪11a,11bとの間の駆動力配分率を
制御する。
【0021】次に、駆動力伝達装置7を駆動制御する駆
動力伝達制御回路の電気的構成について説明する。図2
に示すように、駆動力伝達制御回路は、制御手段として
の駆動力配分用ECU21を備えている。駆動力配分用
ECU21は、選択手段としてのCPU22、記憶手段
としてのROM23、RAM24及び入出力回路25を
備えている。CPU22は、ROM23に記憶された各
種プログラムにしたがって駆動力伝達装置7を駆動制
御、すなわち、電磁コイル7aを通電制御するための各
種演算処理を実行する。ROM23は、駆動力伝達装置
7の電磁コイル7aを通電制御するための各種プログラ
ム、各種のデータ及び各種のマップデータを格納してい
る。RAM24は、前記CPU22の演算処理結果を一
時記憶したり、各種データを記憶する。
【0022】前記ROM23に格納される各種プログラ
ムには、基本制御プログラム、モード切換プログラム等
がある。基本制御プログラムは、4輪駆動傾向モードと
2輪駆動傾向モードの2種類のモードにおいて、その時
の走行状態に対する前記電磁コイル7aに供給する電流
値を算出し、その算出した電流値で電磁コイル7aを入
出力回路25を介して通電制御するプログラムである。
【0023】また、モード切換プログラムは、一定時間
毎に4輪駆動車1に対して加わる横方向への加速度が所
定以上の加速度か否かを判定し判定結果に基づいて前記
4輪駆動傾向モードと前記2輪駆動傾向モードとを切り
換えるプログラムである。
【0024】又、前記ROM23に格納される各種マッ
プデータは、2輪駆動傾向モードと4輪駆動傾向モード
のためのマップデータが格納されている。両マップデー
タは、その時の走行状態に対して最適な駆動力配分率と
するための摩擦係合力(目標摩擦係合力)を得るための
電磁コイル7aを通電するためのデューティ比のマップ
データである。
【0025】走行状態は、本実施形態では、図1に示す
左右一対の前輪5a,5bの平均回転速度と左右一対の
後輪11a,11bの平均回転速度の差動回転数、スロ
ットルバルブのスロットル開度、及び、速度をパラメー
タとした走行状態である。
【0026】4輪駆動傾向モードのマップデータと2輪
駆動傾向モードのマップデータとの相違は、各走行状態
において、4輪駆動傾向モードが2輪駆動傾向モードよ
り摩擦係合力が大きくなるように各マップデータが形成
されている。即ち、4輪駆動傾向モードで駆動力伝達装
置7を制御すると、2輪駆動傾向モードで駆動力伝達装
置7を制御したときよりも、前輪5a,5bの駆動力と
後輪11a,11bの駆動力との駆動力比が近づくよう
になる。従って、駆動力伝達装置7が4輪駆動傾向モー
ドで制御されている場合と2輪駆動傾向モードで制御さ
れている場合とでは、トランスアクスル3のトランスフ
ァ3cにかかる負荷は、駆動力配分率が小さくなる分だ
け2輪駆動傾向モードほうが小さくなる。
【0027】CPU22は、入出力回路25を介してス
ロットル開度センサ32と接続され、同スロットル開度
センサ32からスロットル開度信号を入力する。スロッ
トル開度センサ32は、スロットルバルブに設けられ同
バルブの開度を検出する。CPU22は、スロットル開
度センサ32からの検出信号に基づいてその時々のスロ
ットルバルブの開度(スロットル開度)を算出する。
【0028】さらに、CPU22は、スロットル開度閾
値T1を設定する。具体的には、まず、車速Vを演算す
る。この車速Vは、スリップの少ない従動輪である左右
の後輪11a,11bにおける車輪速度の平均値を算出
することにより得る。次に、車速Vとスロットル開度
(%)とからなる2次元マップ(閾値設定マップ)を参
照して、現在の車速Vに対応するスロットル開度閾値T
1を選定する。前記マップはROM23に予め記憶され
ている。
【0029】CPU22は、入出力回路25を介して各
前後輪5a,5b,11a,11bの車輪の回転を検出
する車輪速センサ33a〜33dと接続されている。C
PU22は車輪速センサ33a〜33dからの検出信号
を入力し、各検出信号に基づいてその時々の各前後輪5
a,5b,11a,11bの車輪速VFL,VFR,V
RL,VRRを算出する。
【0030】又、CPU22は、左右の前輪5a,5b
の両車輪速VFL,VFRから前輪平均車輪速VFN
(=(VFL+VFR)/2)を求めるとともに、左右
の後輪11a,11bの両車輪速VRL,VRRから後
輪平均車輪速VRN(=(VRL+VRR)/2)を算
出する。すなわち、後輪平均車輪速VRN=前記車速V
である。さらに、CPU22は、前輪平均車輪速VFN
と後輪平均車輪速VRNとから差動回転速度ΔN(=|
VFN−VRN|)を算出するようになっている。
【0031】CPU22は、入出力回路25を介して4
輪駆動車1における横方向への加速度を検出する横加速
度検出手段としての横加速度センサ34が接続されてい
る。CPU22は横加速度センサ34からの検出信号を
入力し、同検出信号に基づいてその時々の4輪駆動車1
に加わる横方向への加速度を算出するようになってい
る。
【0032】前記駆動力配分用ECU21及び横加速度
センサ34により「4輪駆動車の駆動力配分制御装置」
としての駆動力配分制御装置Cが構成されている。CP
U22は、入出力回路25を介して駆動力伝達装置7の
電磁コイル7aに電流を給電する駆動回路35に接続さ
れている。CPU22は、駆動回路35に同CPU22
が算出した電流値を電磁コイル7aに給電するためのデ
ューティ比制御信号を出力する。駆動回路35は、デュ
ーティ比制御信号に基づいて駆動し、CPU22が算出
した電流値を電磁コイル7aに給電する。
【0033】つまり、CPU22は、4輪駆動傾向モー
ド又は2輪駆動傾向モードのための前記データを使って
前記算出したスロットル開度、差動回転速度ΔN及び車
速Vに対する電磁コイル7aに給電する目標電流値をデ
ューティ比として求める。そして、CPU22は、その
求めたデューティ比に対するデューティ比制御信号を入
出力回路25を介して駆動回路35に出力する。
【0034】次に、上記のように構成した駆動力伝達装
置7を駆動制御する駆動力伝達制御回路の作用を説明す
る。CPU22は、4輪駆動傾向モード又は2輪駆動傾
向モードで駆動力伝達装置7を制御している時、予め定
めた周期で図3に示すフローチャートに従ったモード切
換制御のための処理動作を実行する。
【0035】図3において、ステップ101(以下、ス
テップをSという)では、CPU22は、車輪速センサ
33a〜33d及びスロットル開度センサ32からの検
出信号を入力し、差動回転速度ΔN及びスロットル開度
閾値T1を算出する。
【0036】続いて、S102では、CPU22はRO
M23に予め記憶された差動回転速度閾値T2及び所定
閾値としての横加速度閾値T3を読み込む。S103で
は、スロットル開度センサ32にて検出した現在のスロ
ットル開度がスロットル開度閾値T1以上か否かを判定
する。すなわち、このS103では、ドライバがアクセ
ルペダルを踏み込んでいないかを判定する。これは、ド
ライバがアクセルペダルを急激に踏み込むことにより、
主駆動輪である前輪5a,5bをスピンさせてしまうこ
とを防ぐためのものである。スロットル開度がスロット
ル開度閾値T1以上のときアクセルペダルが踏み込まれ
ていると判定しS107へ移り、スロットル開度がスロ
ットル開度閾値T1未満のときアクセルペダルが踏み込
まれていないと判定しS104へ移る。
【0037】S104では、S101で算出した差動回
転速度ΔNが差動回転速度閾値T2以上か否かを判定す
る。すなわち、この差動回転速度閾値T2は差動回転速
度ΔNが差動回転速度閾値T2以上になると、4輪駆動
車1がスリップを生じていると判定するための値であ
る。前記差動回転速度閾値T2は、予め試験又は理論的
に求めた値であって、ROM23に記憶されている。差
動回転速度ΔNが差動回転速度閾値T2以上のときS1
07へ移り、差動回転速度ΔNが差動回転速度閾値T2
未満のときS105へ移る。
【0038】S105では、横加速度センサ34にて検
出した現在の4輪駆動車1に加わる横方向への加速度
(以下、横加速度Gという)が横加速度閾値T3以上か
否かを判定する。すなわち、このS105では、カーブ
を高速で曲がる場合などにより4輪駆動車1に対して横
方向への加速度が所定以上加わっていないかを判定す
る。これは、カーブを高速で曲がる場合などにより、各
前後輪5a,5b,11a,11bをスピンさせてしま
うことを防ぐためのものである。横加速度Gが横加速度
閾値T3以上のとき4輪駆動車1に対して横方向への加
速度が所定以上加わっていると判定しS107へ移る。
一方、横加速度Gが横加速度閾値T3未満のとき4輪駆
動車1に対して加わっている横方向への加速度が所定未
満と判定しS106へ移る。
【0039】S106において、CPU22は、駆動モ
ードを2輪駆動傾向モードに設定する。すなわち、CP
U22は、以後、2輪駆動傾向モードのマップデータを
使って2輪駆動傾向モードに基づく駆動力配分率制御す
ることになる。
【0040】一方、S107において、CPU22は、
駆動モードを4輪駆動傾向モードに設定する。すなわ
ち、CPU22は、以後、4輪駆動傾向モードのマップ
データを使って4輪駆動傾向モードに基づく駆動力配分
率制御することになる。その結果、路面と前後輪5a,
5b,11a,11bとの間のトラクションが高くな
り、4輪駆動車1はスリップを生じることなく安定した
走行を確保することができる。
【0041】従って、本実施形態の4輪駆動車1によれ
ば、以下のような効果を得ることができる。 (1)本実施形態では、CPU22は横加速度センサ3
4の検出結果に基づいて、4輪駆動車1の駆動力配分率
を可変制御するようにした。従って、4輪駆動車1に加
わる横方向への加速度に応じて駆動力配分率を精度よく
可変制御できる。
【0042】(2)本実施形態では、CPU22は横加
速度センサ34の検出結果が大きくなると、前輪5a,
5bの駆動力と後輪11a,11bの駆動力との駆動力
比を近づけるように駆動力配分率を可変制御するように
した。従って、4輪駆動車1に対して横方向への加速度
が大きく加わった際に、前輪5a,5bの駆動力と後輪
11a,11bの駆動力との駆動力比が近づき4輪駆動
車1を安定した状態で走行させることができる。
【0043】(3)本実施形態では、CPU22は横加
速度センサ34の検出結果に基づいて、4輪駆動車1の
駆動力配分を4輪駆動傾向又は2輪駆動傾向となるよう
に駆動力伝達装置7の電磁コイル7aを可変制御した。
従って、駆動力配分制御装置Cは、4輪駆動車1に対し
て横方向への加速度が加わった際に、4輪駆動車1を4
輪駆動傾向の駆動力配分にでき、4輪駆動車1を安定し
た状態で走行させることができる。
【0044】(4)本実施形態では、CPU22は横加
速度センサ34の検出値である横加速度Gが、横加速度
閾値T3未満の状態から横加速度閾値T3以上となった
際に、4輪駆動車1の駆動力配分を2輪駆動傾向から4
輪駆動傾向となるように、電磁コイル7aを制御するよ
うにした。従って、横加速度閾値T3を適宜設定するこ
とにより、各前後輪5a,5b,11a,11bがスピ
ンする前に、4輪駆動車1の駆動力配分を2輪駆動傾向
から4輪駆動傾向に切り換えることができる。
【0045】(5)本実施形態では、CPU22は、ス
ロットル開度がスロットル開度閾値T1未満、差動回転
速度ΔNが差動回転速度閾値T2未満、横加速度Gが横
加速度閾値T3未満の3つの条件がそろったときに、2
輪駆動傾向モードの駆動力配分で4輪駆動車1を走行さ
せるようにした。即ち、急加速を起こさず、各前後輪5
a,5b,11a,11bの全輪がスピンを起こさず、
横方向への加速度が加わっていない際(以下、定常走行
という)には、2輪駆動傾向モードで4輪駆動車1を走
行させるようにした。従って、定常走行中の駆動力配分
を4輪駆動傾向ではなく2輪駆動傾向とすることによ
り、低燃費の走行が確保されるようになる。(他の実施
形態)なお、上記実施形態は以下のような他の実施形態
に変更して具体化してもよい。
【0046】・前記実施形態では、横加速度Gが横加速
度閾値T3以上のときに、4輪駆動車1の駆動力配分を
4輪駆動傾向とするようにしていたが、完全な4輪駆動
モードとしてもよい。
【0047】・前記実施形態では、横加速度Gが横加速
度閾値T3未満のときに、4輪駆動車1の駆動力配分を
2輪駆動傾向とするようにしていたが、完全な2輪駆動
モードとしてもよい。
【0048】・前記実施形態では、横加速度閾値T3を
境として4輪駆動車1の駆動力配分を4輪駆動傾向又は
2輪駆動傾向となるようにしていた。これに限らず、横
加速度センサ34にて検出した4輪駆動車1に加わる横
方向への加速度(横加速度G)の大きさに応じて、前輪
5a,5bと後輪11a,11bとの駆動力配分をリニ
アに可変制御するようにしてもよい。
【0049】・前記実施形態では、スタンバイ方式の4
輪駆動車1において、その4輪駆動車1に加わる横方向
への加速度に応じて駆動力配分を変更するようにしてい
た。これに限らず、次に示す4輪駆動車において、その
4輪駆動車に加わる横方向への加速度に応じて駆動力配
分を変更するようにしてもよい。即ち、この4輪駆動車
は、センタディファレンシャル(センタデフ)に電子制
御多板クラッチを備える。そして、4輪駆動車に加わる
横方向への加速度に応じて駆動力配分をセンタデフによ
って決まる所定の比から、多板クラッチが完全に摩擦係
合した前輪:後輪が50:50までの間で任意に設定可
能とする。
【0050】・前記実施形態では、前輪駆動ベースの4
輪駆動車、即ちFF(フロントエンジン・フロントドラ
イブ)方式の4輪駆動車に具体化したが、FR(フロン
トエンジン・リアドライブ)方式もしくはRR(リアエ
ンジン・リアドライブ)方式の4輪駆動車に具体化して
もよい。
【0051】・前記実施形態では、CPU22は図3に
示すフローチャートに従った処理動作を実行していた。
これに限らず、図3に示すフローチャートのうちS10
1、S103、S104の処理動作を省略してもよい。
【0052】・前記実施形態では、駆動力伝達装置7を
湿式多板式の電磁クラッチ機構を備えるようにしていた
が、湿式多板式の電磁クラッチ機構を乾式多板式の電磁
クラッチ機構に変更してもよい。
【0053】・前記実施形態では、駆動力伝達装置7の
電磁コイル7aへの通電量を変更することにより複数の
クラッチ板の摩擦係合力を変更する電磁クラッチ機構を
備えていた。これに限らず、駆動力伝達装置7を油圧ユ
ニットと多板クラッチとを備えた構成とする。そして、
4輪駆動車1に加わる横方向への加速度に応じて多板ク
ラッチに油圧ユニットからの油圧を供給し、油圧を制御
することで多板クラッチの摩擦係合力を制御するように
してもよい。
【0054】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
4輪駆動車に加わる横方向への加速度に応じて駆動力配
分率を精度よく可変制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態における4輪駆動車の概略構成
図。
【図2】 本実施形態における4輪駆動車の駆動力伝達
装置を駆動制御する駆動力伝達制御回路図。
【図3】 本実施形態における走行時におけるモード切
換制御のフローチャート。
【符号の説明】
1…4輪駆動車、2…原動機としてのエンジン、 5a,5b…前輪、11a,11b…後輪、 7…駆動力伝達手段としての駆動力伝達装置、11a,
11b…後輪、 21…制御手段としての駆動力配分用電子制御装置(駆
動力配分用ECU)、 22…選択手段としてのCPU、23…記憶手段として
のROM、 34…横加速度検出手段としての横加速度センサ、 C…「4輪駆動車の駆動力配分制御装置」としての駆動
力配分制御装置、 T3…所定閾値としての横加速度閾値。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原動機が発生する駆動力を駆動力伝達手
    段を介して前輪及び後輪に配分して伝達し、4輪駆動車
    の走行状態に対応して前記駆動力伝達手段を制御して前
    記前輪と前記後輪との間の駆動力配分率を可変制御する
    4輪駆動車の駆動力配分制御装置において、 前記4輪駆動車の横方向への加速度を検出する横加速度
    検出手段と、 前記横加速度検出手段の検出結果に基づいて、前記駆動
    力配分率を可変制御する制御手段とを備えたことを特徴
    とする4輪駆動車の駆動力配分制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記横加速度検出手段
    の検出結果が大きくなるほど前記前輪の駆動力と前記後
    輪の駆動力との駆動力比を近づけるように前記駆動力配
    分率を可変制御することを特徴とする請求項1に記載の
    4輪駆動車の駆動力配分制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記横加速度検出手段
    の検出結果に基づいて2輪駆動傾向モードと4輪駆動傾
    向モードのいずれか1つの駆動モードを選択する選択手
    段と、前記2輪駆動傾向モードと前記4輪駆動傾向モー
    ドのそれぞれに対応した駆動力配分率のマップデータを
    記憶する記憶手段とを備え、 前記選択手段により選択された前記駆動モードに基づい
    て、前記記憶手段の前記マップデータを選択し、選択し
    た前記マップデータに基づいて前記駆動力配分率を可変
    制御することを特徴とする請求項2に記載の4輪駆動車
    の駆動力配分制御装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、前記横加速度検出手段
    が所定閾値未満の検出値を検出している状態から所定閾
    値以上の検出値を検出した際に、2輪駆動傾向の駆動力
    配分から4輪駆動傾向の駆動力配分となるように前記駆
    動力伝達手段の駆動力配分率を可変制御することを特徴
    とする請求項3に記載の4輪駆動車の駆動力配分制御装
    置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、前記横加速度検出手段
    が所定閾値以上の検出値を検出している状態から所定閾
    値未満の検出値を検出した際に、4輪駆動傾向の駆動力
    配分から2輪駆動傾向の駆動力配分となるように前記駆
    動力伝達手段の駆動力配分率を可変制御することを特徴
    とする請求項4に記載の4輪駆動車の駆動力配分制御装
    置。
  6. 【請求項6】 原動機が発生する駆動力を駆動力伝達手
    段を介して前輪及び後輪に配分して伝達し、4輪駆動車
    の走行状態に対応して前記駆動力伝達手段を制御して前
    記前輪と前記後輪との間の駆動力配分率を可変制御する
    4輪駆動車の駆動力配分方法において、 前記4輪駆動車に対して横方向への加速度が加わった際
    に、前記前輪の駆動力と前記後輪の駆動力との駆動力比
    を近づけるように制御することを特徴とする4輪駆動車
    の駆動力配分方法。
JP2002126226A 2002-04-26 2002-04-26 4輪駆動車の駆動力配分制御装置及び駆動力配分方法 Pending JP2003312296A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002126226A JP2003312296A (ja) 2002-04-26 2002-04-26 4輪駆動車の駆動力配分制御装置及び駆動力配分方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002126226A JP2003312296A (ja) 2002-04-26 2002-04-26 4輪駆動車の駆動力配分制御装置及び駆動力配分方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003312296A true JP2003312296A (ja) 2003-11-06

Family

ID=29540704

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002126226A Pending JP2003312296A (ja) 2002-04-26 2002-04-26 4輪駆動車の駆動力配分制御装置及び駆動力配分方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003312296A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007085405A (ja) * 2005-09-20 2007-04-05 Kobelco Cranes Co Ltd 油圧駆動式作業車両の走行安定装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007085405A (ja) * 2005-09-20 2007-04-05 Kobelco Cranes Co Ltd 油圧駆動式作業車両の走行安定装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3585798B2 (ja) 四輪駆動車両の駆動力制御装置
US7451850B2 (en) Drive control apparatus and method for vehicles
JP3857568B2 (ja) 4輪駆動車の駆動力配分制御装置
JP3863457B2 (ja) 4輪駆動車の駆動力配分制御装置及び駆動力配分方法
EP1495903B1 (en) Power distribution control apparatus of four-wheel drive vehicle
JP3871550B2 (ja) 4輪駆動車の駆動力配分制御装置
US7487028B2 (en) Device and method for evaluating low-μ road and power distribution control device for four-wheel drive vehicles
JP2003312296A (ja) 4輪駆動車の駆動力配分制御装置及び駆動力配分方法
JP2003312303A (ja) 4輪駆動車の駆動力配分制御装置及び駆動力配分方法
JP3892278B2 (ja) 4輪駆動車の駆動力配分制御装置
JP4137503B2 (ja) 4輪駆動車の駆動力配分制御装置
JP2004017721A (ja) 四輪駆動車の制御装置
US20100121544A1 (en) Driving power distribution control apparatus, differential limiting control apparatus, method for controlling torque coupling, and method for controlling differential apparatus
JP2003127690A (ja) 4輪駆動車の駆動力配分方法および配分制御装置
JP2003136989A (ja) 4輪駆動車の駆動力配分方法及び配分制御装置
WO2003091057A1 (fr) Dispositif et procede de commande de la distribution de la force motrice d'un vehicule a quatre roues
JP4281312B2 (ja) 四輪駆動車の駆動力配分制御装置
JP2005083464A (ja) 四輪駆動装置
JPH05286376A (ja) 車輪駆動トルク制御装置
JPS62253528A (ja) 車両用駆動系クラツチ制御装置
JP2005053414A (ja) 4輪駆動車における駆動力配分方法及び駆動力配分制御装置
JPS62255239A (ja) 車両用駆動系クラツチ制御装置