JP2005051880A - 電気接続箱の取付構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両走行中の振動や衝撃によっては破断せず、電気接続箱の脱落を防止することができ、他方、車両解体時には、取付部のみを破断させて、ほぼ完全な形で電気接続箱を回収することができる電気接続箱の取付構造を提供する。
【解決手段】ジョイントコネクタブロック12の壁部に突設され、締結ボルトにより車体パネルに固定される取付ブラケット32に、締結ボルトを挿通させるための挿通孔36と、挿通孔36の孔縁から半径方向外側に延びる複数の放射リブ37とを設け、取付ブラケット32の根本側で、かつ締結ボルトの頭部の外側位置に、放射リブ37の分断された部分であり、かつ破断の起源となる切欠部38a,38bと、切欠部38a,38bに生じた亀裂を規制させつつ進展させる孔部38cとからなる破断誘発部38を設ける。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車の車体パネルなどに取り付けられる電気接続箱の取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両の車体パネル等をリサイクルに供すべく行われる一時解体の際は、異種金属がパネル材料に混入することを未然に防止するために、異種金属を含む自動車部品の取り外しが行われている。自動車鋼板は、合金元素の種類と量が厳しく管理されており、殊に、電線やバスバー等の構成材料となる銅は、プレス成形性等の加工性に悪影響を及ぼすものとされているため、残らず回収することが望まれている。
【0003】
図4は、電気接続箱の取付構造に関する従来の一例を示したものである。この従来例は、電気接続箱としてのジャンクションブロック50がワイヤハーネス56を介して、両側の車体パネル54a,54bに固定されたものである。ワイヤハーネス56は、インストルメントパネル53のリインホース53aに沿って配索されている。
【0004】
自動車をリサイクルするために行う一次解体の際には、配索されているワイヤハーネス56がJフック55で上方に引っ張られることで、ジャンクションブロック50の回収が行われるようになっている。
【0005】
しかし、ジャンクションブロック50は、車両走行中の振動などにより外れないように締結ボルトにより強固に固定されているため、Jフック55を引っ張った際に、ワイヤハーネス56が断線したり、ジャンクションブロック50に接続されているコネクタが抜けたりして、ジャンクションブロック50だけが車体パネル54a,54bに取り残されることがある。
【0006】
ジャンクションブロック50が取り残されると、ジャンクションブロック50の取付ブラケット51,52に挿通された締結ボルトをインパクトレンチ等で緩めなければならず、別途に取り外す工数が増えて、自動車の解体作業性が悪くなるという問題がある。
【0007】
そこで、係る問題を解決すべく、車体パネル等に固定されたジャンクションブロックを容易に回収することができる電気接続箱の取付構造が、本出願人により提案されている(特許文献1)。
【0008】
図5に示すように、このジャンクションブロックは、ヒューズやリレーなどが内部に収容された本体60(一部のみを図示する)と、本体60に設けられて車体パネル等に固定される取付ブラケット61とからなっている。取付ブラケット61は、舌片形状をなし、本体60の側面に突出形成されていて、締結ボルトにより車体パネルに固定されるようになっている。
【0009】
取付ブラケット61に形成された破断誘発部62は、切欠部62aとこの切欠部62aと同一線L上に位置する破断用孔62bとが形成された部分であり、破断誘発部62の横断面積を他の部分よりも小さくすることで、応力の集中を生じせしめて、取付ブラケット61から破断分離させるようにしたものである。
【0010】
このような構成によれば、ジャンクションブロックに外力が作用すると、取付ブラケット61の破断誘発部62に亀裂が優先的に生成し、切欠部62aと破断用孔62bとを結ぶ線L上を亀裂が進展し、本体60を破損させることなく、本体60を回収することができるようになっている。
【0011】
しかしながら、この電気接続箱の取付構造では、解決すべき以下の問題点がある。
取付ブラケット61の縁部には、切欠部62aが形成されているから、取付ブラケット61の強度が弱くなり、車両走行中の振動や衝撃等の外力により、取付ブラケット61が不用意に破断するおそれがある。取付ブラケット61が不用意に破断すると、ジャンクションブロックが車体パネルから外れて宙ぶらりんとなり、ジャンクションブロックからコネクタが抜けて非通電状態となったり、ワイヤハーネスが断線したり、ジャンクションブロックそのもの自体が車体パネルに衝突して破損したりして、自動車のアクチュエータ類が動作しなくなり、走行不良になることとなる。
【0012】
【特許文献1】
特開2000−350331号公報(第2−3頁、第3図)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した点に鑑み、車両走行中の振動や衝撃等の外力によっては破断せず、電気接続箱の脱落を防止することができ、他方、車両解体時には、取付部のみを破断させて、ほぼ完全な形で電気接続箱を回収することができる電気接続箱の取付構造を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の電気接続箱の取付構造は、箱本体に突設され、締結部材により車体側に固定される取付部が、解体の際に引っ張られて破断分離されるものである電気接続箱の取付構造において、前記取付部に、前記締結部材を挿通させるための挿通孔と、該挿通孔の孔縁から半径方向外側に延びる複数の放射リブとが設けられ、該取付部の根本側に、破断の起源となる亀裂生成部と、該亀裂生成部に続く亀裂進展部とからなる破断誘発部が設けられたことを特徴とする。
上記構成によれば、電気接続箱には挿通孔を有する取付部が形成されているから、挿通孔に締結部材を挿通させ、締結部材を締め付けることにより、取付部が締結部材の頭部に押圧されて車体側に固定される。また、取付部には複数の放射リブが形成されているから、薄肉である取付部の強度が向上し、変形や破損などが防止される。
また、取付部の根本側には、亀裂生成部と亀裂進展部とからなる破断誘発部が形成されているから、解体時に箱本体を所定の力で引っ張ると、先ず亀裂生成部に応力が集中し、応力が取付部の引張強さを越えた時に亀裂が生成し、続いてこの亀裂が亀裂進展部に進展して取付部が破断する。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電気接続箱の取付構造において、前記亀裂生成部が、前記放射リブの分断された切欠部であることを特徴とする。
上記構成によれば、切欠きのないものより応力が集中し易くなり、破断が誘発されやすくなる。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の電気接続箱の取付構造において、前記亀裂進展部が孔部であることを特徴とする。
上記構成によれば、亀裂進展部が孔部であるから、孔部の縁に応力が集中し、生成した亀裂が孔部の方に導かれる。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気接続箱の取付構造において、前記亀裂生成部及び前記亀裂進展部が、前記締結部材の頭部の外側に位置することを特徴とする。
上記構成によれば、亀裂生成部及び亀裂進展部が挿通孔の周囲に形成されることとなり、挿通孔の半径方向に作用する引張応力によって亀裂が生成し、生成した亀裂が締結部材の頭部に沿って略弧状に進展する。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気接続箱の取付構造において、前記取付部が一対の補強リブを介して前記箱本体に連結されたことを特徴とする。
上記構成によれば、取付部が一対の補強リブを介して箱本体に連結されているから、取付部の強度が向上し、電気接続箱を車体側に堅固に固定することができる。
【0019】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の電気接続箱の取付構造において、前記破断誘発部が前記一対の補強リブを迂回するように形成されたことを特徴とする。
上記構成によれば、破断誘発部は、一対の補強リブを迂回するように形成されているから、亀裂は補強リブによってその進展が妨げられることなく進行する。
【0020】
また、請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気接続箱の取付構造において、前記破断誘発部が主応力の存する位置に設けられたことを特徴とする。
上記構成によれば、破断誘発部が主応力の存する位置に設けられているから、破断誘発部に集中する応力値が高くなり、破断誘発部が優先的に破断する。ここで、主応力とは、電線を引っ張ったときに取付部に生ずる曲げ応力と剪断応力の合成された最大垂直応力(最大引張応力)をいうものとする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態の具体例を図面を用いて説明する。
図1及び2は、本発明に係る電気接続箱の取付構造の一実施形態を示す図である。
【0022】
電気接続箱としてのジョイントボックス10は、バッテリと電装品との間に位置し、バッテリからの電源をアクチュエータ類やメータ類などの電装品に供給するためのものであり、自動車等のエンジン室の車体パネル(車体側)やタイヤケースやインストルメントパネル等に、締結ボルトやねじ等の締結部材を用いて固着される自動車部品である。
【0023】
図1に示すように、ジョイントボックス10は、ジョイントコネクタブロック(箱本体)12と、ジョイントコネクタ25とで構成されている。ジョイントコネクタブロック12は、絶縁樹脂性のケース13と、ケース13内に下側(図2)から挿入される複数の端子付きのバスバー(図示せず)と、バスバーの抜け落ちを防止する絶縁樹脂製のカバー20と、係止用スペーサ21とで構成されている。ジョイントコネクタ25は、ハウジング26と、電線28端部に接続された端子(図示せず)とから構成され、ケース13に嵌入されるようになっている。
【0024】
この実施形態のジョイントボックス10は、車両使用中は破断せず、車両解体時に破断しやすい易解体構造の一対の取付ブラケット(取付部)32,32を備え、車体パネル30などをリサイクルに供すべく行われる一時解体の際に、銅を構成材料とするバスバー及び端子を含むジョイントコネクタブロック12を容易に回収することができるようにしたものであり、ジョイントコネクタブロック12の壁部に突設され、締結ボルト(締結部材)42により車体パネル30に固定される取付ブラケット32に、締結ボルト42を挿通させるための挿通孔36と、挿通孔36の孔縁から半径方向外側に延びる複数の放射リブ37とを設け、取付ブラケット32の根本側で、かつ締結ボルト42の頭部42aの外側位置に、放射リブ37の分断された部分であり、かつ破断の起源となる切欠部(亀裂生成部)38a,38bと、切欠部38a,38bに生じた亀裂を規制させつつ進展させる孔部38cとからなる破断誘発部38を設けたことを特徴とするものである。
【0025】
また、取付ブラケット32を一対の補強リブ34,34を介してジョイントコネクタブロック12の壁部に連結し、破断誘発部38を、一対の補強リブ34,34を迂回するように形成したことを有効とするものである。
また、破断の起源となる切欠部38a,38bを、後述する有限要素法を用いた応力解析の結果に基づいて、主応力の存する位置に設けたことを有効とするものである。
【0026】
以下に、ジョイントボックス10の主要構成部分及びその作用について詳細に説明する。
なお、ジョイントボックス10の説明の都合上、前後方向、左右方向、上下方向の概念を以下のように定めることとする。前後方向とは、一対の取付ブラケット32,32が対向する方向と定め、左右方向とは、一対の係止用スペーサ21,21が並ぶ方向と定め、上下方向とは、ワイヤハーネス29の引張方向又はジョイントコネクタ25の挿入方向と定めることとする。なお、上下方向の上とはワイヤハーネス29の位置する側とし、下とはカバー20の位置する側とする。
【0027】
ジョイントコネクタブロック12を形成するケース13は、上半部にコネクタ嵌合部17、下半部にカバー20で覆われるバスバー収容部18(図2)をそれぞれ背中合わせに有し、前後方向に車体パネル30に締結固定される一対のブラケット32,32を有している。
【0028】
コネクタ嵌合部17は、スロット状のコネクタ嵌合室17aを複数並列に有し、各コネクタ嵌合室17aは、前後左右の壁で囲まれた枠内において、垂直な隔壁17bで等ピッチに区画形成されている。各コネクタ嵌合室17aは、上部が開口形成されている。狭幅の左右の壁は、ケース13の相対向する左右の側壁14a,14bであり、広幅の前後の壁は、隔壁17b又は前壁15a又は後壁15bである。
【0029】
バスバー収容部18は、ケース13の内側に形成され、前後方向に延びる複数の隔壁18aにより区画形成された縦溝18bと、複数の隔壁18aに形成された切欠部を縦溝18aに直交する方向に連ねた横溝18cとから構成されている。
【0030】
図示しないバスバーは、バスバー収容部18の縦溝18bに収容される縦バスバーと、横溝18cに収容される横バスバーであり、導電性基板を打ち抜き、必要に応じて折り曲げ加工されて形成されている。縦バスバーと横バスバーとが任意の位置で交差することにより、ジョイント回路が形成されるようになっている。なお、ジョイント回路を形成する縦バスバー及び横バスバーの回路構造については、既に出願済みであり、本明細書での詳細な説明は省略する。
【0031】
ジョイントコネクタブロック12の外壁のコーナ部には、係止用スペーサ21の腕部21bを受け入れる囲い枠19が形成されている。係止用スペーサ21の腕部21bが囲い枠19の筒内に挿入されることで、腕部21bが囲い枠19によって保護され、外部干渉等により腕部21bが不用意に外れることが防止されている。
【0032】
ケース13の前壁15a又は後壁15bには、取付ブラケット32が一体に形成されている。取付ブラケット32は、L字状をなし、一対の補強リブ33,34と、補強リブ33,34に交差して続く固定部35とから構成されている。
【0033】
各補強リブ33,34は、略三角形板状をなし、一方の端部が前壁15a及び後壁15bの左右両側に連結され、他方の端部が固定部35に連結されている。補強リブ33,34と固定部35の連結部分は太くなっているため、断面性能が向上し、応力集中により連結部分に亀裂などが生ずることが防止されている。このため、ジョイントボックス10が車体パネル30に堅固に固定され、車両走行中の振動や衝撃等の外力により落下することが防止されている。
【0034】
固定部35は、舌片状をなし、水平に形成されている。固定部35の中央部には、挿通孔36が形成されており、この挿通孔36に締結ボルト42を挿通させ、締結ボルト42を締め付けることで、固定部35が車体パネル30に締結固定されるようになっている。
【0035】
挿通孔36の周囲には、半径方向に延びる複数の放射リブ37が形成されている(図2)。この放射リブ37は、薄肉である取付ブラケット32の強度を向上させ、変形や破損などを防止するものである。本実施形態では、7本の放射リブ37が周方向に不等ピッチで形成されており、固定部35の先端側でピッチが狭く、固定部35の根本側でピッチが広くなっている。このため、固定部35の根本側は強度が弱くなっており、車両解体時に、ジョイントボックス10が上方に引張力を受けると、固定部35は根本側から優先的に破断されるようになっている。
【0036】
また、根本側の2本の放射リブ37には、切欠部38a,38bが形成されている。切欠部38a,38bは、放射リブ37の略中間ないしは締結ボルト42の頭部42aの外側の位置で分断された部分である。この切欠部38a,38bは、固定部35に形成された破断用の孔部38cに連続している。孔部38cは、締結ボルト42の頭部42aの外側の位置で、頭部42aの外周に沿い、繋ぎ部39を残して複数形成されている。切欠部38a,38bと孔部38cとにより、破断を誘発させるとともに、かつ破壊(亀裂)の進行方向を規制する破断誘発部38が構成されている。切欠部38a,38bは2箇所に形成されており、いずれか一方の切欠部38aに亀裂が生じた後、他方の切欠部38bに亀裂が生じるようになっている。破断の進行過程については後述する。
【0037】
複数の孔部38cを連ねた弧状の仮想線Q(図3)は、締結ボルト42の頭部42aの略半周の長さに等しく、仮想線Qの両端は一対の補強リブ33,34の先端まで延びている。すなわち、弧状の仮想線Qは、一対の補強リブ33,34に干渉せずに迂回して延びている。このため、固定部35が破断する際は、主として挿通孔36の半径方向に作用する引張応力により、亀裂が生成し、生成した亀裂が補強リブ33,34によってその進展が妨げられることなく仮想線Qに沿うように弧状に進行するようになっている。
【0038】
係止用スペーサ21は、絶縁樹脂材を構成材料とし、長形をなし、水平方向に真直に延びる連結部21aと、連結部21aの両端に直交して連なる一対の腕部21b,21bと、連結部21aの一側に直交して連なる垂壁21cとから構成されている。連結部21aの裏面は平坦に形成されていて、複数のジョイントコネクタ25の端部に宛がわれるようになっている。
【0039】
腕部21bの先端側の内面には、内向きに突出する係止爪(図示せず)が形成されている。係止用スペーサ21をケース13の側壁14a,14bに対向させ、係止用スペーサ21をケース13の側壁14a,14b上端部に宛がうと、腕部21bが囲い枠19の筒内に挿入され、係止爪が筒内の突起(図示せず)に係合して、係止用スペーサ21が係止されるようになっている。このようにすれば、連結部21aが複数のジョイントコネクタ25の端部に宛がわれ、複数のジョイントコネクタ25が一括して係止され、ジョイントコネクタ25が確実に固定される。なお、係止用スペーサ21についても、既に出願済みであり、本明細書での詳細な説明は省略する。
【0040】
カバー20は、バスバーがバスバー収容部18に装着された後に、バスバー収容部18に下側から宛がわれて、バスバーの抜け落ちを防止するためのものである。ケース13の両側の側壁14a,14bに係止突起(図示せず)を形成し、カバー20内面に係合部(図示せず)を形成して、ケース13にカバー20を被せた際に、係合部と係止突起とが係合して、カバー20が取り付けられるようになっている。
【0041】
ジョイントコネクタ25は、プレート状のハウジング26と、バスバーと接続する端子(図示せず)とから構成されている。複数の端子と、各端子に接続される電線28とでワイヤハーネス29が構成される。ハウジング26は、絶縁樹脂材からなり、フラットな基板と、基板に直交して起立する隔壁とを有している。隔壁の奥行きの略中間には、端子の抜け止め用の突起(図示せず)が突設されている。
【0042】
ハウジング26の隣接する隔壁の間には、細長い端子収容部が形成されており、端子が収容されるようになっている。収容された端子は、係止手段により係止され抜けないようになっている。端子は、通常の端子と同じものであり、導電性基板をプレスにて打ち抜き、折り曲げ加工を経て形成されている。一方には、箱状の電気接触部が形成され、他方には、電線接続部が形成されている。
【0043】
ジョイントコネクタ25から導出された電線28が束ねられたワイヤハーネス29は、ジョイントボックス10の回収時に引っ張られても、切れない強さを有している。逆に言うと、取付ブラケット32の破断強さが、ワイヤハーネス29の断線強さより弱くなっている。このため、ワイヤハーネス29が断線する前に、取付ブラケット32が破断されるようになっている。また、ワイヤハーネス29が引っ張られても、ジョイントコネクタ25は、コネクタ嵌合部17から抜け出さないようになっている。
【0044】
次に、有限要素法を用いた線形構造解析の結果について説明する。
線形構造解析は、3次元の解析モデルを用いて行われ、ジョイントボックス10から引き出されたワイヤハーネス29が引っ張られたときの、取付ブラケット32に作用する主応力値と、主応力の位置とが求められた。解析モデルには、解析結果の信頼性を高めるために、実際のジャンクションブロック10とほぼ同形状のモデルが使用されている。なお、図1、2と同一構成部分には同一符号を付して説明する。
【0045】
解析モデルは、一対の取付ブラケット32,32が回転及びいかなる移動もできないように完全拘束され、曲げモーメント及び3軸方向の反力が生ずるように固定されている。外力としての荷重は引張荷重とされ、荷重の作用位置Pは、ワイヤハーネス29が引張荷重を受ける位置であるジョイントボックス10の中央部に設定されている(図1)。引張荷重の作用方向は上下方向の上向きとされ、荷重の大きさは300Nに設定されている。材料物性値としては、ヤング率2.18GPa、ポアソン比0.45、比重1.144が与えられている。なお、樹脂成形された取付ブラケット32の引張強さは37.2MPa、剪断強さは36.7MPaである。
【0046】
図3は、解析モデルの一方の取付ブラケット32を裏側からみた拡大斜視図であり、取付ブラケット32が破断に至るまでの進行状態が示されている。
先ず(a)は、亀裂や破断が生ずる前の取付ブラケット32を示したものである。破断の起源となる切欠部38aは、予備解析の結果に基づいて、主応力が存する位置に設けられている。本解析の結果によると、主応力の位置は、一方の切欠部38aの位置となり、主応力値は切欠部38aを設けたことにより30MPaから67MPaに大きく上昇する結果となった。主応力値は、取付ブラケット32の引張強さ37.2MPaを大きく超えていることから、切欠部38aに亀裂が生じて、破断の起源になるものと予測された。亀裂は、時計方向に進展し、切欠部38aに隣接する孔部38cに繋がる。
【0047】
(b)は、一方の切欠部38aに亀裂が生じ、切欠部38aと孔部38cとの間に位置する部分が破断した後の取付ブラケット32を示したものである。主応力の位置は、隣り合う放射リブ37の間に位置する繋ぎ部39の位置であり、主応力値は56MPaであった。(a)に比べて主応力値が減少したのは、切欠部38aに亀裂が生じ、応力が開放されたためである。この場合も、主応力値は取付ブラケット32の引張強さ37.2MPaを超えているため、繋ぎ部39に亀裂が生じるものと予測された。亀裂は、時計方向に進展し、隣接する孔部38cに繋がる。
【0048】
(c)は、繋ぎ部39が切れた後の取付ブラケット32を示したものである。主応力の位置は、他方の切欠部38bの位置であり、主応力値は59MPaであった。(b)と同程度の応力値を示したのは、応力が局部的に集中したためである。また、主応力値は取付ブラケット32の引張強さを超えており、他方の切欠部38bに亀裂が生じるものと予測された。亀裂は、時計方向に進展し、隣接する孔部38cに繋がる。
【0049】
(d)は、他方の切欠部38bに亀裂が生じ、切欠部38bと孔部38cとの間に位置する部分が破断した後の取付ブラケット32を示したものである。主応力の位置は、一対の補強リブ33,34の先端部33a,34aの位置であり、主応力値は49MPaであった。応力値が減少したのは、応力の集中した箇所が2箇所になり、応力が分散したためである。この場合も、主応力値は取付ブラケット32の引張強さを超えているため、補強リブ33,34の先端部33a,34aのいずれか一方が先に破断し、続いて他方が破断するものと予測された。
【0050】
最後に(e)は、取付ブラケット32が破断した状態を示したものである。破壊は(a)〜(d)に従って固定部35の内側から外側に向かって順次進行し、一対の補強リブ33,34を迂回するように生じている。すなわち、破壊の進行が、切欠部38a,38bと孔部38cとからなる破断誘発部38により規制され、ジョイントコネクタブロック12の方に破壊が進行しないようになっている。
【0051】
なお、実際は、解析モデルと製品形状が微妙に異なること、一対の取付ブラケット32の拘束条件が異なることなどから、主応力値が変わるものと考察されるが、主応力値が存する位置については解析結果と同じ結果になるものと判断される。実際の試験結果では、約400Nの力でワイヤハーネス29を引っ張った際に、切欠部38aの位置で破壊が起こり、続いて繋ぎ部39、他方の切欠部38b、他方の補強リブ34の先端部34a、一方の補強リブ33の先端部33aの順に破壊が進行して、取付ブラケット32が破断することが判明している。主応力値を大きくするには、切欠部38a,38bや孔部38cの形状を工夫すればよいことも明らかになっている。
【0052】
このように本実施形態によれば、ジョイントボックス10には取付ブラケット32が形成されているから、車体パネル30に対するジョイントボックス10の取り付けを容易に行うことができる。また、取付ブラケット32には複数の放射リブ37が形成されているから、薄肉である取付ブラケット32の強度が向上し、変形や破損などが防止され、締結ボルト42を用いてジョイントボックス10を車体パネル30に強く締結固定することができる。取付ブラケット32の根本側には、切欠部38a,38bと孔部38cとからなる破断誘発部38が設けられているから、車両解体時に、ワイヤハーネス29を上向きに引っ張ると、取付ブラケット32が引張応力状態となり、一方の切欠部38aに応力が集中し、主として引張応力が取付ブラケット32の引張強さを越えた時に亀裂が生成し、続いてこの亀裂が孔部38c、他方の切欠部38bへと進展し、最後に一対の補強リブ33,34の先端部33a,34aが破断してジョイントボックス10がほぼ完全な形で回収される。ジョイントボックス10に取付ブラケット32が複数形成されている場合は、複数の取付ブラケット32が順次破断して、ジョイントボックス32が回収される。
【0053】
なお、本発明は、発明の骨子を逸脱しない範囲で以下のように変形して実施することも可能である。
(1)切欠部38a,38bを孔や薄肉部や溝に変更して構成する。このようにすれば、構成が簡単になり、成型性が向上する。
(2)孔部38cを切り欠きや薄肉部や溝に変更して構成する。このようにすれば、構成が簡単になり、成型性が向上する。
【0054】
また、この実施形態の構成から把握される請求項記載以外の発明の構成を以下に記載する。
取付ブラケット32の固定部35に、複数の放射リブ37を不等ピッチで設け、固定部35の根本側で隣り合う放射リブ37の間隔を前側で隣り合う放射リブ37の間隔より広く形成する。このようにすれば、固定部35の根本側の強度が弱くなり、根本側で破断が誘発されやすくなる。
【0055】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、取付部の根本側には、亀裂生成部と亀裂進展部とからなる破断誘発部が形成されているから、解体時に箱本体を所定の力で引っ張ると、先ず亀裂生成部に応力が集中し、主として引張応力が取付部の引張強さを越えた時に亀裂が生成し、続いてこの亀裂が亀裂進展部に進展し、取付部が破断する。したがって、車両走行中の振動や衝撃等の外力によっては破断することなく、電気接続箱の脱落を防止することができ、他方、車両解体時には取付部のみを破断させて、ほぼ完全な形で電気接続箱を回収することができ、車両のリサイクル性を向上することができる。
【0056】
請求項2に記載の発明によれば、亀裂生成部が切欠部であるから、切欠きのないものより応力が集中し易くなり、破断が誘発されやすくなる。したがって、箱本体から取付部を容易に破断させることができる。
【0057】
請求項3に記載の発明によれば、亀裂進展部が孔部であるから、孔部の縁に応力が集中し、生成した亀裂が孔部の方に導かれる。したがって、亀裂が箱本体側に進展することが防止され、破断誘発部が確実に破断する。
【0058】
請求項4に記載の発明によれば、亀裂生成部及び亀裂進展部が、締結部材の頭部の外側に位置するから、亀裂生成部及び亀裂進展部が挿通孔の周囲に形成されることとなり、主として挿通孔の半径方向に作用する引張応力によって亀裂が生成し、生成した亀裂が締結部材の頭部に沿って略弧状に進展する。したがって、亀裂の進展する方向が規制され、亀裂が箱本体側に進展することが確実に防止される。
【0059】
請求項5に記載の発明によれば、取付部が一対の補強リブを介して箱本体に連結されているから、取付部の強度が向上し、電気接続箱が車体側に堅固に固定される。したがって、車両走行中の振動や衝撃などの外力により、電気接続箱が落下することが防止される。
【0060】
請求項6に記載の発明によれば、破断誘発部は、一対の補強リブを迂回して形成されているから、亀裂は補強リブによってその進展が妨げられることなく進行する。したがって、取付部が補強された場合であっても、車両解体時に取付部を破断させることができる。
【0061】
請求項7に記載の発明によれば、破断誘発部が主応力の存する位置に設けられているから、破断誘発部に集中する応力値が高くなる。したがって、破断誘発部を優先的に破断させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るジョイントボックスの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示すジョイントボックスのカバーを外し、裏側からみた斜視図である。
【図3】同じくジョイントボックスの解析モデルの取付ブラケットを裏側からみた拡大斜視図であり、(a)は亀裂や破断が生ずる前の取付ブラケットを示し、(b)は破断の起源となる一方の切欠部に亀裂が生じた後の取付ブラケットを示し、(c)は隣り合う放射リブの間に位置する繋ぎ部に亀裂が生じた後の取付ブラケットを示し、(d)は他方の切欠部に亀裂が生じた後の取付ブラケットを示し、(e)は取付ブラケットが破断した状態を示す斜視図である。
【図4】電気接続箱の取付構造の従来の一例であり、Jフックにかけた引張力により、ワイヤハーネスが断線した状態を示す斜視図である。
【図5】電気接続箱の取付構造の従来の他の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
10 ジョイントボックス(電気接続箱)
12 ジョイントコネクタブロック(箱本体)
30 車体パネル(車体側)
32 取付ブラケット(取付部)
33,34 補強リブ
36 挿通孔
37 放射リブ
38 破断誘発部
38a,38b 切欠部(亀裂生成部)
38c 孔部(亀裂進展部)

Claims (7)

  1. 箱本体に突設され、締結部材により車体側に固定される取付部が、解体の際に引っ張られて破断分離されるものである電気接続箱の取付構造において、
    前記取付部に、前記締結部材を挿通させるための挿通孔と、該挿通孔の孔縁から半径方向外側に延びる複数の放射リブとが設けられ、該取付部の根本側に、破断の起源となる亀裂生成部と、該亀裂生成部に続く亀裂進展部とからなる破断誘発部が設けられたことを特徴とする電気接続箱の取付構造。
  2. 前記亀裂生成部が、前記放射リブの分断された切欠部であることを特徴とする請求項1記載の電気接続箱の取付構造。
  3. 前記亀裂進展部が孔部であることを特徴とする請求項1又は2記載の電気接続箱の取付構造。
  4. 前記亀裂生成部及び前記亀裂進展部が、前記締結部材の頭部の外側に位置することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気接続箱の取付構造。
  5. 前記取付部が、一対の補強リブを介して前記箱本体に連結されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気接続箱の取付構造。
  6. 前記破断誘発部が前記一対の補強リブを迂回するように形成されたことを特徴とする請求項5記載の電気接続箱の取付構造。
  7. 前記破断誘発部が主応力の存する位置に設けられたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気接続箱の取付構造。
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