JP2008155812A - インパネリインホースメント - Google Patents

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Abstract

【課題】ワイヤーハーネスの保護と、ワイヤーハーネス配置の省スペース化を図ると共に、リサイクル性を改善したインパネリインホースメントを得る。
【解決手段】車両の左右ピラー間に架設されるクロスビーム2は、長尺状のプレス成形されたビーム本体4と、プレス成形され運転席側のビーム本体4に重ね合わされる補強部材6とを備える。また、クロスビーム2は、クロスビーム2の長手方向全長にわたってワイヤーハーネス14を収納可能に開口形成した凹部12を備える。凹部12は、ビーム本体4に形成されると共に、凹部は、上方に開口されて形成された。更に、補強部材6にステアリングサポート部46,48を形成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両のインストルメントパネル(通称インパネ)の内側で左右ピラー間に架設されるインパネリインホースメントに関する。
従来より、車両の左右ピラー間には、車幅方向に沿ってインパネリインホースメントが設けられている。インパネリインホースメントは、車両の衝突時のインストルメントパネルの変形を抑制すると共に、ステアリング装置、エアバック装置等を支持し、更に、電装部品に接続するためのワイヤーハーネスが保持される。
インパネリインホースメントに、各種の電装部品に接続される配線が結束されたワイヤーハーネスを、クロスビームの外側に沿って配置すると、インパネリインホースメントには、各種のブラケット等が取り付けられるため、ワイヤーハーネスを傷付けないように、エッジ等に対する仕上げ加工が必要であり、また、ワイヤーハーネスを保護するために、スパイラルチューブ等の保護材により保護する必要があり、更に、クロスビームに沿ってワイヤーハーネスを配置しているので、ワイヤーハーネスを配置するためのスペースを確保しなければならない。
そこで、特許文献1にあるように、ワイヤーハーネスの保護と、ワイヤーハーネス配置の省スペース化を図ったインパネリインホースメントとして、車両の左右ピラー間に架設されるクロスビームの内部にワイヤーハーネスを収納したものが提案されている。
特開2003−182472号公報
しかしながら、こうした従来のものでは、ワイヤーハーネスをクロスビーム内に収納する際、ワイヤーハーネスをクロスビーム内に閉じ込めてしまい、リサイクル時に、ワイヤーハーネスをクロスビームから簡単に外すことができず、リサイクル性が阻害されるという問題があった。
本発明の課題は、ワイヤーハーネスの保護と、ワイヤーハーネス配置の省スペース化を図ると共に、リサイクル性を改善したインパネリインホースメントを提供することにある。
かかる課題を達成すべく、本発明は課題を解決するため次の手段を取った。即ち、
クロスビームが車両の左右ピラー間に架設されるインパネリインホースメントにおいて、
前記クロスビームは、長尺状のプレス成形されたビーム本体と、プレス成形され運転席側の前記ビーム本体に重ね合わされる補強部材とを備え、かつ、前記クロスビームの長手方向全長にわたってワイヤーハーネスを収納可能に開口形成した凹部を備えたことを特徴とするインパネリインホースメントがそれである。
前記凹部は、前記ビーム本体に形成された構成としてもよい。その際、前記凹部は、上方に開口された構成としてもよい。また、前記凹部は、前記補強部材と助手席側の前記ビーム本体とに形成された構成としてもよい。その際、前記凹部は、下方に開口された構成としてもよい。更に、前記補強部材にステアリングサポート部を形成した構成としてもよい。
本発明のインパネリインホースメントは、クロスビームにワイヤーハーネスを収納できる凹部を開口形成したので、ワイヤーハーネスの保護と、ワイヤーハーネス配置の省スペース化を図ると共に、リサイクル性を改善できるという効果を奏する。
以下本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1、図2に示すように、1はインパネリインホースメントで、インパネリインホースメント1はクロスビーム2を備えている。クロスビーム2は、ビーム本体4と補強部材6とを備えている。
ビーム本体4は、プレス成形により形成されており、図示しない車両の左右ピラー間に架設される長さに、車両の左右方向に長尺状に形成されている。ビーム本体4の両端側には、左右ピラーに取り付けるためのフランジ部8,10が形成されている。
ビーム本体4には、車両の左右方向に沿って、長手方向全長にわたって凹部12が形成されている。本実施形態では、凹部12は底面12aと両側面12b,12cからなる断面形状がほぼコ字状で(図3参照)、上方に開口して形成されて、長手方向全長にわたってほぼ同じ断面形状に形成されている。上方とは、インパネリインホースメント1が車両に搭載された際の、重力方向の上方である。
凹部12は、ワイヤーハーネス14を収納可能な大きさに形成されており、凹部12の底面には、所定間隔で複数の貫通孔16が形成されている。ワイヤーハーネス14は、所定間隔で結束具18により結束されると共に、結束具18には矢印状の係止部20が設けられており、貫通孔16に係止部20を挿入することにより、ワイヤーハーネス14を係止・固定できる。
ワイヤーハーネス14の両端には、コネクタ22,24が取り付けられており、凹部12の底面12aには、コネクタ22,24を挿通可能な挿通孔26,28が形成されている。尚、各コネクタ22,24は、1個に限らず、複数個取り付けてもよく、挿通孔26,28はコネクタ22,24に合わせて形成すればよい。
ビーム本体4の助手席側には、図3に示すように、凹部12の底面12aとほぼ平行な平坦部30,32が凹部12の上縁に連接して車両の前後側に形成されている。更に、両平坦部30,32からは、縁部34,36が車両の下側に折り曲げて形成されている。
ビーム本体4の運転席側には、図4に示すように、助手席側から続く平坦部30,32が設けられ、両平坦部30,32から車両の下側に側壁部38,40が折り曲げて形成されている。両側壁部38,40の下縁に連接して車両の前後側に縁部42,44が形成されている。これにより、ビーム本体4の運転席側は、助手席側よりも車両の前後方向に張り出して形成されている。
一方、補強部材6は、プレス成形により形成されており、車両の下側に突き出され、車両の前後方向に沿って延びたステアリングサポート部46,48が2列に形成されている。各ステアリングサポート部46,48にはそれぞれ複数のボルト50,52が溶接により固定されて、ボルト50,52が各ステアリングサポート部46,48を貫通して下方に向かって突き出されている。補強部材6には、ステアリングサポート部46,48からさらにビーム本体4よりも車両の前方に突き出したアーム部54が設けられている。
補強部材6には、ビーム本体4の縁部42,44に対応して、ビーム本体4の縁部42,44に重ね合わされる縁部56,58が形成されている。ビーム本体4の縁部42,44と補強部材6の縁部56,58とが重ね合わされて、溶接により固定されている。その際、ビーム本体4と補強部材6との間には、中空部60が形成されるように、重ね合わされている(図4参照)。
補強部材6は、ビーム本体4の右側フランジ部10に向かって延出され、補強部材6の端は右側フランジ部10に溶接により固定されている。補強部材6はビーム本体4に沿って、右側フランジ部10に延出される際、図5に示すように、補強部材6はビーム本体4から徐々に離間して隙間ができるように形成されている。
補強部材6には、ビーム本体4の貫通孔28に対応して、貫通孔59が形成されており、貫通孔59はワイヤーハーネス14がコネクタ24に通されてから、図示しない別のワイヤーハーネスを結線できる大きさに形成されている。
補強部材6のアーム部54とビーム本体4とに跨って図示しない車体に取り付けられるブラケット62が溶接により固定されており、ブラケット62もプレス成形により形成されている。更に、図示しない車体の床に取り付けられるブレース64が補強部材6に、溶接により固定されている。ブレース64もプレス成形により形成されている。ブラケット62及びブレース64を取り付ける際には、凹部12の開口を塞がないように形成されている。
次に、本実施形態のインパネリインホースメントの作動について説明する。
ビーム本体4の凹部12に、ワイヤーハーネス14が収納され、結束具18の係止部20が貫通孔16に挿入されて、ワイヤーハーネス14がビーム本体4に固定される。また、ワイヤーハーネス14のコネクタ22,24が、挿通孔26,28にそれぞれ通される。ワイヤーハーネス14は、凹部12に挿入すればよく、取付が容易であると共に、凹部12にワイヤーハーネス14を収納するのでスペースを有効に利用できる。
更に、ビーム本体4の両端のフランジ部8,10がそれぞれ左右のピラーに固定され、ステアリングサポート部46,48には、図示しないステアリングが取り付けられる。また、ブラケット62が車体に固定されると共に、ブレース64が床に固定される。
一方、車両のリサイクル時には、コネクタ22,24を挿通孔26,28を通して引き出し、係止部20の係合を外して、ワイヤーハーネス14を凹部12から引き出す。ワイヤーハーネス14は凹部12から引き出せばよく、ワイヤーハーネス14を簡単に取り外すことができ、リサイクルが容易になる。
次に、前述した実施形態と異なる第2実施形態のインパネリインホースメントについて、図6〜図10によって説明する。
図6、図7に示すように、前述した実施形態と同様に、101はインパネリインホースメントで、インパネリインホースメント101はクロスビーム102を備えている。クロスビーム102は、ビーム本体104と補強部材106とを備えている。
ビーム本体104は、プレス成形により形成されており、図示しない車両の左右ピラー間に架設される長さに、車両の左右方向に長尺状に形成されている。ビーム本体104の一方の端には、左ピラーに取り付けるための左側のフランジ部108が形成されている。
ビーム本体104の助手席側には、車両の左右方向に沿って、図8に示すように、凹部112が形成されている。本実施形態では、凹部112は天井面112aと両側面112b,112cからなる断面形状がほぼコ字状で、下方に開口して形成されて、長手方向にほぼ同じ断面形状に形成されている。下方とは、インパネリインホースメント1が車両に搭載された際に、重力方向の下方である。
凹部112は、ワイヤーハーネス114を収納可能な大きさに形成されており、凹部112の天井面112aには、所定間隔で複数の貫通孔116が形成されている。ワイヤーハーネス114は、所定間隔で結束具118により結束されると共に、結束具118には貫通孔116に挿入・係止可能な矢印状の係止部120が設けられている。
ビーム本体104の助手席側には、図8に示すように、凹部112の天井面112aとほぼ平行な平坦部130,132が凹部112の下縁に連接して車両の前後側に形成されている。更に、両平坦部130,132からは、縁部134,135が車両の上側に折り曲げて形成されている。
ビーム本体104の運転席側では、凹部112に連接されて徐々に拡大されるテーパ凹部136が形成されており、テーパ凹部136に連接して、拡張部137が形成されている。また、拡張部137に連接して接続部138が形成されており、接続部138の端には小フランジ部140が形成されている。拡張部137と接続部138とは、共に、凹部112の断面形状よりも大きな断面形状に形成されている。
また、テーパ凹部136と拡張部137と接続部138とには、図9に示すように、助手席側から続く平坦部130,132が設けられ、テーパ凹部136と拡張部137とには、両平坦部130,132から車両の上側に縁部142,144が折り曲げて形成されている。ビーム本体104の運転席側は、助手席側よりも車両の前後方向に張り出して形成されている。
一方、補強部材106は、プレス成形により形成されており、車両の左右方向に沿って、補強部材106に断面形状がほぼコ字状の凹部113が補強部材106の全長にわたって形成されている。凹部113の大きさは、ワイヤーハーネス114を収納可能な、また、ビーム本体104の凹部112とほぼ同じ大きさに形成されている。ビーム本体104の凹部112と同様に、車両の下方に開口して形成されている。補強部材106の凹部113の天井面113aには、結束具118の係止部120が挿入・係止可能な貫通孔158が形成されている。
補強部材106には、車両の下側に突き出され、凹部113を間にして、車両の前後側にステアリングサポート部146,148が2列に形成されている。各ステアリングサポート部146,148にはそれぞれ複数のボルト150,152が溶接により固定されて、ボルト150,152が各ステアリングサポート部146,148を貫通して下方に向かって突き出されている。補強部材106には、ビーム本体104よりも車両の前方に突き出したアーム部154が設けられており、前側のステアリングサポート部146,148がアーム部154に形成されている。
補強部材106には、ビーム本体104の平坦部130,132に対応して、ビーム本体104の平坦部130,132に重ね合わされる縁部156,158が形成されている。ビーム本体104の平坦部130,132と補強部材106の縁部156,158とが重ね合わされて、溶接により固定されている。
その際、ビーム本体104と補強部材106との間には、中空部160が形成されるように重ね合わされ、補強部材106の凹部113がビーム本体104のテーパ凹部136、拡張部137、接続部138内に収納されると共に、ビーム本体104の凹部112と補強部材106の凹部113とが一直線上に配置されるように形成されている。
補強部材106は、図7に示すように、車両の右側ピラーに向かって延出され、補強部材106の端には右側のフランジ部161が形成されている。このフランジ部161の裏側にビーム本体104の小フランジ部140が取り付けられている。補強部材106はビーム本体104に沿って延出される際、図10に示すように、補強部材106はビーム本体104から徐々に離間して隙間ができるように形成されている。
補強部材106のアーム部154とビーム本体104とに跨って図示しない車体に取り付けられるブラケット162が溶接により固定されており、ブラケット162もプレス成形により形成されている。更に、図示しない車体の床に取り付けられるブレース164が補強部材106に溶接により固定されている。ブレース164もプレス成形により形成されている。ブラケット162及びブレース164を取り付ける際には、凹部112の開口を塞がないように形成されている。
次に、本第2実施形態のインパネリインホースメントの作動について説明する。
ビーム本体104の凹部112及び補強部材106の凹部113に、ワイヤーハーネス114が収納され、結束具118の係止部120が貫通孔116,158に挿入されて、ワイヤーハーネス114がクロスビーム102に固定される。ワイヤーハーネス114は、凹部112,113に挿入すればよく、取付が容易であると共に、凹部112,113にワイヤーハーネス114を収納するのでスペースを有効に利用できる。
更に、クロスビーム102の両端のフランジ部108,161がそれぞれ左右のピラーに固定され、ステアリングサポート部146,148には、図示しないステアリングが取り付けられる。また、ブラケット162が車体に固定されると共に、ブレース164が床に固定される。
一方、車両のリサイクル時には、係止部120の係合を外して、ワイヤーハーネス114を凹部112から引き出す。ワイヤーハーネス114は凹部112から引き出せばよく、簡単に取り外すことができ、リサイクルが容易になる。
以上本発明はこの様な実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
本発明の一実施形態としてのインパネリインホースメントの斜視図である。 本実施形態のインパネリインホースメントの分解斜視図である。 図1のAA拡大断面図である。 図1のBB拡大断面図である。 図1のCC拡大断面図である。 本発明の第2実施形態としてのインパネリインホースメントの斜視図である。 本第2実施形態のインパネリインホースメントの分解斜視図である。 図6のDD拡大断面図である。 図6のEE拡大断面図である。 図6のFF拡大断面図である。
符号の説明
1,101…インパネリインホースメント
2,102…クロスビーム 4,104…ビーム本体
6,106…補強部材
8,10,108,161…フランジ部
12,112,113…凹部
14,114…ワイヤーハーネス
18,118…結束具 20,120…係止部
22,24…コネクタ
30,32,130,132…平坦部
46,48,146,148…ステアリングサポート部
60,160…中空部 62,162…ブラケット
64,164…ブレース

Claims (6)

  1. クロスビームが車両の左右ピラー間に架設されるインパネリインホースメントにおいて、
    前記クロスビームは、長尺状のプレス成形されたビーム本体と、プレス成形され運転席側の前記ビーム本体に重ね合わされる補強部材とを備え、かつ、前記クロスビームの長手方向全長にわたってワイヤーハーネスを収納可能に開口形成した凹部を備えたことを特徴とするインパネリインホースメント。
  2. 前記凹部は、前記ビーム本体に形成されたことを特徴とする請求項1記載のインパネリインホースメント。
  3. 前記凹部は、上方に開口されたことを特徴とする請求項2記載のインパネリインホースメント。
  4. 前記凹部は、前記補強部材と助手席側の前記ビーム本体とに形成されたことを特徴とする請求項1記載のインパネリインホースメント。
  5. 前記凹部は、下方に開口されたことを特徴とする請求項4記載のインパネリインホースメント。
  6. 前記補強部材にステアリングサポート部を形成したことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のインパネリインホースメント。
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