JP2005051197A - ステージ制御方法及び装置、ステージ制御プログラム、露光装置、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

ステージ制御方法及び装置、ステージ制御プログラム、露光装置、並びにデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高いロバスト性を確保しつつステージの同期精度及びスループットの向上を実現することができるステージ制御方法及び装置等を提供する。
【解決手段】 ウエハステージWS及びレチクル微動ステージRFSに対してコントローラ54,59及びFFコントローラ56,61からなる制御部51を設ける。制御部51はウエハステージWS及びレチクル微動ステージRFSの目標位置を示す基準信号RS1,RS2と実際のステージの位置との差である偏差信号ES1,ES2に基づいて、推力を示す制御信号CS1,DS1、CS2,DS2を生成する。演算部62はウエハステージWS及びレチクル微動ステージRFSの同期誤差SS1を算出し、補償器63は偏差信号ES1,ES2、同期誤差SS1、及び同期誤差SS1の時間積分値の全てを所定値に収束させるための補償信号MS1,MS2を生成する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、マスク(レチクル)、ウエハ等の移動対象物を載置した状態で移動可能に構成されたステージの動作を制御するステージ制御方法及び装置、ステージ制御プログラム、当該方法及びプログラムを用い、当該装置を備える露光装置、並びに当該露光装置を用いてデバイスを製造するデバイス製造方法に関する。
液晶ディスプレイ及び半導体デバイス等のマイクロデバイスの製造工程の1つとして設けられるフォトリソグラフィ工程では、マスク又はレチクルに形成された回路パターンを、投影光学系を介してフォトレジストが塗布されたガラスプレート又はウエハ等の基板に投影する露光装置が用いられている。従来から各種の露光装置が案出されているが、近年においては、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(ステッパー)及びステップ・アンド・スキャン方式の露光装置が用いられることが多くなっている。
ステッパーは、レチクルに形成されたパターンを基板上に設定された各ショット領域に一括して縮小投影するようにした露光装置であり、ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置は、レチクルにスリット状の照明光を照射してレチクルと基板とを同期移動させつつレチクルに形成されたパターンを順次基板に転写する露光装置である。
従来のステップ・アンド・スキャン方式の露光装置は、ウエハを載置するウエハステージとレチクルを載置するレチクルステージとの同期を取るために、ウエハステージの位置情報を用いてレチクルステージを制御する所謂マスター・スレーブのステージ制御装置を備えている。また、レチクルステージを、レチクル粗動ステージとレチクル微動ステージから構成して同期精度の向上を図ったものも案出されている。ここで、従来のステージ制御装置について簡単に説明する。
図12は、ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置に設けられる従来のステージ制御装置の構成例を示すブロック図である。ここでは、ウエハステージ及びレチクルステージの各々には、アンプモデルとリニアモータ等の駆動機構とが含まれているものとする。また、各ステージに関して、PID(Proportional Integral Derivative:比例積分微分)タイプコントローラを用いた負帰還回路が形成されている。図12において、ウエハステージ103に関しては、演算部101、ウエハコントローラ102、ウエハステージ103、及びレーザ干渉計104から負帰還回路が生成されている。
また、レチクル粗動ステージ108に関しては、演算部106、RC(Reticle Coarse)コントローラ107、レチクル粗動ステージ108、及びレーザ干渉計109から負帰還回路が形成されている。更に、レチクル微動ステージ113に関しては、演算部111、RF(Reticle Fine)コントローラ112、レチクル微動ステージ113、レーザ干渉計114、及び演算部115から負帰還回路が形成されている。
目標位置発生器100はウエハステージ103の目標位置を示す目標位置信号を出力する。演算部101は目標位置発生器100から出力される目標位置信号とレーザ干渉計104から出力される帰還信号との偏差を求めて偏差信号として出力する。ウエハコントローラ102は、演算部101から出力される偏差信号に基づいて、ウエハステージ103に与える推力を示す制御信号を出力する。この制御信号は図示しないアンプで増幅されてウエハステージ103の各駆動機構に供給される。レーザ干渉計104はウエハステージ103の位置を計測し、その計測結果を帰還信号として出力する。
また、目標位置発生器100からの目標位置信号は、変換回路105に入力されてレチクル粗動ステージ108の目標位置を示す目標位置信号に変換される。図12に示した例では、不図示の投影光学系の投影倍率が1/4に設定されているため、変換回路105は目標位置発生器100からの目標位置信号を4倍する回路に設定される。つまり、投影光学系の投影倍率が1/4のときに、ウエハステージ103とレチクルステージ(レチクル粗動ステージ108及びレチクル微動ステージ113)とを同期させて移動させるためには、レチクルステージの移動量をウエハステージ103の移動量の4倍にする必要があるため変換回路105は目標位置発生器100からの目標位置信号を4倍する回路に設定される。
変換回路105から出力された目標位置信号は演算部106へ入力されてレーザ干渉計109から出力される帰還信号との偏差が求められる。RCコントローラ107は演算部106から出力される偏差信号に基づいて、ウエハステージ103に与える推力を示す制御信号を出力する。この制御信号は図示しないアンプで増幅されてレチクル粗動ステージ108の各駆動機構に供給される。レーザ干渉計109はレチクル粗動ステージ108の位置を計測し、その計測結果を帰還信号として出力する。
また、レーザ干渉計104から出力される帰還信号は、変換回路110に入力されてレチクル微動ステージ113の目標位置を示す目標位置信号に変換される。ここで、変換回路110はレーザ干渉計104からの帰還信号を4倍する回路に設定される。変換回路110からの目標位置信号は演算部111に入力される。演算部111は、変換回路110からの目標位置信号と演算部115からの帰還信号との偏差を求めて偏差信号として出力する。RFコントローラ112は、演算部111から出力される偏差信号に基づいてレチクル微動ステージ113に与える推力を示す制御信号を出力する。この制御信号はアンプで増幅されてレチクル微動ステージ113の各駆動機構に供給される。レーザ干渉計114はレチクル微動ステージ113の位置を計測する。演算部115はレーザ干渉計114とレーザ干渉計109との計測結果を演算し、帰還信号として出力する。
以上の構成のステージ制御装置は、目標位置発生器100から出力される目標位置信号に基づいてウエハコントローラ102がウエハステージ103の動作を制御し、目標位置発生器100から出力される目標位置信号を変換回路105で変換して得られた目標位置信号に基づいて、RCコントローラ107がレチクル粗動ステージ108の動作を制御している。レチクル微動ステージ113に関しては、RFコントローラ112がウエハステージ103に関する帰還回路の帰還信号を変換した目標位置信号に基づいて、レチクル微動ステージ113の動作を制御しており、ウエハステージ103に対してレチクル微動ステージ113を追従させる所謂マスター・スレーブの制御系が構成されている。尚、マスター・スレーブの制御装置の詳細については、例えば以下の特許文献1,2を参照されたい。
特開2000−347741号公報 特開平10−125594号公報
ところで、前述したマスター・スレーブの制御装置を備えるステップ・アンド・スキャン方式の露光装置においては、マスタ側にあるウエハステージ103に加わる外乱による位置誤差がスレーブ側にあるレチクル微動ステージ113にそのまま伝わるため、レチクル微動ステージ113の整定時間(加速が終了してからレチクル微動ステージ113の振動が収まって一定の速度になるまでの時間)が長くなってしまうという問題がある。また、レチクルのパターンをウエハ上に転写している間にウエハステージ103に外乱が加わると、ウエハステージ103とレチクル微動ステージ113との同期誤差も増大してしまうという問題がある。
露光装置は通常クリーンルーム内に設置されるが、その設置環境は様々であるため、ウエハステージ103等に加わる外乱は設置環境に応じて様々な原因に起因して生ずる。このため、露光装置が備えるステージ制御装置の設計においては、設置環境に余り左右されず、各制御装置のモデリング誤差等に対して高いロバスト性(制御対象の特性がある程度変化しても安定動作が補償されること)を有するステージ制御装置を設計する必要がある。また、近年においては、スループット、即ち単位時間に露光処理を行うことができるウエハの枚数を向上させることの向上が要求されており、この要求にも応える必要がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、高いロバスト性を確保しつつステージの同期精度及びスループットの向上を実現することができるステージ制御方法及び装置、ステージ制御プログラム、当該方法及びプログラムを用い、当該装置を備える露光装置、並びに当該露光装置を用いてデバイスを製造するデバイス製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のステージ制御方法は、第1ステージ(WS)と第2ステージ(RFS)とを同期をとりつつ移動制御するステージ制御方法において、前記第1ステージの目標値(RS1)に対する前記第1ステージの追従誤差(ES1)を算出する第1追従誤差算出ステップと、前記第2ステージの目標値(RS2)に対する前記第2ステージの追従誤差(ES2)を算出する第2追従誤差算出ステップと、前記第1,第2追従誤差算出ステップで得られた追従誤差から前記第1ステージと前記第2ステージとの同期誤差(SS1)を算出する同期誤差算出ステップと、前記追従誤差、前記同期誤差、及び前記同期誤差の時間積分値の全てが所定値に収束するよう前記第1,第2ステージを制御する制御ステップとを含むことを特徴としている。
この発明によれば、第1ステージの追従誤差及び第2ステージの追従誤差に加えて第1ステージと第2ステージとの同期誤差を算出し、追従誤差、同期誤差、及び同期誤差の時間積分値の全てが所定値に収束するよう前記第1,第2ステージを制御しているため、ロバスト性が改善されるとともに、ステージの同期精度を高めることができる。その結果として、スループットの向上を図ることができる。
また、本発明のステージ制御方法は、前記第1追従誤差算出ステップで得られた追従誤差に基づいて前記第1ステージの推力を示す第1制御信号(CS1、DS1)を生成する第1制御信号生成ステップと、前記第2追従誤差算出ステップで得られた追従誤差に基づいて前記第2ステージの推力を示す第2制御信号(CS2、DS2)を生成する第2制御信号生成ステップと、前記同期誤差に基づいて前記第1制御信号及び前記第2制御信号を補償する補償信号(MS1、MS2)を生成する補償信号生成ステップとを含むことを特徴としている。
この発明によれば、第1ステージの推力を示す第1制御信号及び第2ステージの推力を示す第2制御信号を第1ステージの追従誤差及び第2ステージの追従誤差に基づいてそれぞれ個別に生成し、第1ステージと第2ステージとの同期誤差に基づいて生成した第1制御信号及び第2制御信号を補償するようにしているため、従来のマスター・スレーブの制御方法を用いて制御した場合に比べて一方のステージに加わる外乱が他方のステージに大きく影響を与えることがない。このため、第1ステージ及び第2ステージの整定時間を短縮することができるとともに、追従精度及び同期精度を改善することができる。
また、本発明のステージ制御方法は、前記補償信号生成ステップが、最適LQ型制御により前記同期誤差の平均値を前記所定値に収束させる補償信号を生成することが好ましい。
或いは本発明のステージ制御方法は、前記補償信号生成ステップが、H∞外乱抑制型制御により前記同期誤差の周波数応答のピーク値を前記所定値に収束させる補償信号を生成することが好ましい。
ここで、本発明のステージ制御方法は、前記目標値が、前記第1,第2ステージの目標位置及び目標速度を含むことが好適である。
また、本発明のステージ制御方法は、前記第1ステージ(WS)及び/又は前記第2ステージ(RFS)に加わる外乱(d1,d2)を推定する外乱推定ステップと、前記外乱推定ステップで求められた推定外乱(dh1,dh2)に基づいて、前記第1ステージ及び/又は前記第2ステージへの入力制御信号(CS10,CS20)から推定外乱を補償した外乱補償制御信号(CS11,CS21)を生成する外乱補償信号生成ステップと、を含むことを特徴としている。
この発明によれば、第1及び第2ステージが高速移動する際の同期精度に大きく影響する外乱(例えば、配管配線のケーブルテンション、三相リニアモータの推力リップル、ステージの位置に依存する外乱、ステージ間の干渉)を抑えることができるので、更に高精度な同期制御を実現することができる。
上記目的を達成するために、本発明のステージ制御プログラムは、上記の何れかに記載のステージ制御方法を実行することを特徴としている。
この発明によれば、プログラムにより前記追従誤差、前記同期誤差、及び前記同期誤差の時間積分値の全てを所定値に収束させるようにしているため、収束させるアルゴリズム及びパラメータの変更を容易に行うことができ、保守性及び作業効率の向上を図ることができる。また、第1ステージ及び第2ステージの設計仕様の変更等が生じた場合でも、装置構成を大幅に変えることなくプログラムのパラメータ変更により対応することができるため、保守に要するコストの抑制及び保守に要する時間の短縮を図ることができる。
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点によるステージ制御装置は、第1ステージ(WS)と第2ステージ(RFS)とを同期をとりつつ移動制御するステージ制御装置(33)において、前記第1ステージの目標値(RS1)に対する前記第1ステージの追従誤差(ES1)、前記第2ステージの目標値(RS2)に対する前記第2ステージの追従誤差(ES2)、前記第1ステージと前記第2ステージとの同期誤差(SS1)、及び当該同期誤差の時間積分値の全てが所定値に収束するよう前記第1,第2ステージを制御する同期制御部(51)を備えることを特徴としている。
この発明によれば、第1ステージの追従誤差及び第2ステージの追従誤差並びに第1ステージと第2ステージとの同期誤差及びその時間積分値の全てが所定値に収束するよう第1,第2ステージを制御しているため、ロバスト性が改善されるとともに、ステージの同期精度を高めることができる。その結果として、スループットの向上を図ることができる。
また、本発明の第1の観点によるステージ制御装置は、前記同期制御部が、前記第1ステージの追従誤差に基づいて前記第1ステージの推力を示す第1制御信号(CS1、DS1)を生成する第1制御部(54,56)と、前記第2ステージの追従誤差に基づいて前記第2ステージの推力を示す第2制御信号(CS2、DS2)を生成する第2制御部(59、61)と、前記同期誤差に基づいて前記第1制御信号及び前記第2制御信号を補償する補償信号(MS1、MS2)を生成する補償部(63)とを備えることを特徴としている。
この発明によれば、第1ステージの追従誤差に基づいて第1制御部が第1ステージの推力を示す第1制御信号を生成し、第2ステージの追従誤差に基づいて第2制御部が第2ステージの推力を示す第2制御信号を生成し、第1ステージと第2ステージとの同期誤差に基づいて補償部が第1制御信号及び第2制御信号を補償する補償信号を生成しているため、第1制御部が生成する第1制御信号と第2制御部が生成する第2制御信号とが互いに干渉することがなく、従来のマスター・スレーブの制御方法を用いて制御した場合に比べて一方のステージに加わる外乱が他方のステージに大きく影響を与えることがない。このため、第1ステージ及び第2ステージの整定時間を短縮することができるとともに、追従精度及び同期精度を改善することができる。
上記課題を解決するため、本発明の第2の観点によるステージ制御装置は、第1ステージ(WS)と粗動ステージ(RCS)及び微動ステージ(RFS)からなる第2ステージとを同期をとりつつ移動制御するステージ制御装置(33)において、前記第1ステージの目標値(RS1)に対する前記第1ステージの追従誤差(ES1)に基づいて前記第1ステージの推力を示す第1制御信号(CD1、DS1)を生成する第1制御部(54)と、前記第2ステージの目標値(RS2,RS3)に対する前記微動ステージの追従誤差(ES2)に基づいて前記微動ステージの推力を示す第2制御信号(CS2、DS2)を生成する第2制御部(59)と、前記第2ステージの前記目標値に対する前記粗動ステージの追従誤差(ES3)に基づいて前記粗動ステージの推力を示す第3制御信号(CS3、DS3)を生成する第3制御部(66)と、前記第1ステージと前記微動ステージとの同期誤差(SS1)に基づいて前記第1制御信号及び前記第2制御信号を補償する補償信号(MS1、MS2)を生成する補償部(63)とを備え、前記第1ステージの追従誤差、前記微動ステージの追従誤差、前記同期誤差、及び前記同期誤差の時間積分値の全てが所定値に収束するよう前記第1,第2ステージを制御することを特徴としている。
この発明によれば、第2ステージを粗動ステージと微動ステージとから構成し、粗動ステージについては、第3制御部が第2ステージの目標値に対する粗動ステージの追従誤差に基づいて第3制御信号を生成してサーボ制御を行い、第1ステージ及び微動ステージについては、第1制御部及び第2制御部が第1ステージの追従誤差及び微動ステージの追従誤差に基づいてそれぞれ第1制御信号及び第2制御信号を生成するとともに、補償部が第1ステージと微動ステージとの同期誤差に基づいて第1制御信号及び第2制御信号を補償する補償信号を生成し、第1ステージの追従誤差、微動ステージの追従誤差、同期誤差、及び同期誤差の時間積分値の全てが所定値に収束するよう前記第1,第2ステージを制御している。このため、ロバスト性が改善されるとともに、ステージの同期精度を高めることができる。その結果として、スループットの向上を図ることができる。
また、本発明の第2の観点によるステージ装置は、前記第1制御部及び前記第2制御部が、前記目標値の各々から前記第1,第2ステージの推力信号を生成するフィードフォワード制御部(56、61、68)を含むことが好ましい。
また、本発明の第1の観点によるステージ装置は、前記第1ステージ(WS)及び/又は前記第2ステージ(RFS)に加わる外乱(d1,d2)を推定すると共に、求められた推定外乱(dh1,dh2)を補償して前記第1ステージ及び/又は前記第2ステージを制御する外乱補償制御部(70)を備えることを特徴としている。
この発明によれば、第1及び第2ステージが高速移動する際の同期精度に大きく影響する外乱(例えば、配管配線のケーブルテンション、三相リニアモータの推力リップル、ステージの位置に依存する外乱、ステージ間の干渉)を抑えることができるので、更に高精度な同期制御を実現することができる。
また、本発明の第2の観点によるステージ装置は、前記第1ステージ(WS)に加わる外乱(d1)を推定すると共に、求められた推定外乱(dh1)を補償して前記第1ステージを制御する第1外乱補償制御部(71)、前記微動ステージ(RFS)に加わる外乱(d2)を推定すると共に、求められた推定外乱(dh2)を補償して前記微動ステージを制御する第2外乱補償制御部(72)、及び前記粗動ステージ(RCS)に加わる外乱(d3)を推定すると共に、求められた推定外乱(dh3)を補償して前記粗動ステージを制御する第3外乱補償制御部(73)のうち何れか1つ以上を含むことを特徴としている。
この発明によれば、各ステージに加わる外乱を抑えることができるので、確実に高精度な同期制御を実現することができる。
本発明の第1の観点による露光装置は、光学系(14)を介してマスク(R)のパターンを基板(W)上に露光する露光手段と、前記マスクを移動させるマスクステージ(RCS、RFS)と、前記基板を移動させる基板ステージ(WS)とを備える露光装置であって、前記基板ステージ及び前記マスクステージは、上記の何れかに記載のステージ制御方法を用いて前記第1ステージ及び前記第2ステージとしてそれぞれ制御されることを特徴としている。
本発明の第2の観点による露光装置は、光学系(14)を介してマスク(R)のパターンを基板(W)上に露光する露光手段と、前記マスクを移動させるマスクステージ(RCS、RFS)と、前記基板を移動させる基板ステージ(WS)とを備える露光装置であって、前記基板ステージを前記第1ステージとして制御し、前記マスクステージを前記第2ステージとして制御する上記の何れかに記載のステージ制御装置(33)を備えることを特徴としている。
本発明のデバイス製造方法は、リソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法であって、前記リソグラフィ工程において上記の露光装置を用いて露光を行う露光工程(S26)を含むことを特徴としている。
本発明によれば以下の効果を得ることができる。
本発明によれば、第1ステージの追従誤差及び第2ステージの追従誤差に加えて第1ステージと第2ステージとの同期誤差を算出し、追従誤差、同期誤差、及び同期誤差の時間積分値の全てが所定値に収束するよう前記第1,第2ステージを制御しているため、ロバスト性が改善されるとともに、ステージの同期精度を高めることができるという効果がある。その結果として、スループットの向上を図ることができるという効果がある。
また、本発明によれば、第1ステージの推力を示す第1制御信号及び第2ステージの推力を示す第2制御信号を第1ステージの追従誤差及び第2ステージの追従誤差に基づいてそれぞれ個別に生成し、第1ステージと第2ステージとの同期誤差に基づいて生成した第1制御信号及び第2制御信号を補償するようにしているため、従来のマスター・スレーブの制御方法を用いて制御した場合に比べて一方のステージに加わる外乱が他方のステージに大きく影響を与えることがないという効果がある。このため、第1ステージ及び第2ステージの整定時間を短縮することができるとともに、追従精度及び同期精度を改善することができるという効果がある。
更に、本発明によれば、各ステージに加わる外乱を推定し且つ補償する外乱補償制御部が設けられるので、更に第1ステージ及び第2ステージの追従精度及び同期精度を改善することができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態によるステージ制御方法及び装置、ステージ制御プログラム、露光装置、並びにデバイス製造方法について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態による露光装置の構成を示す正面図である。図1に示す露光装置は、ウエハWとレチクルRとを同期移動させつつ、レチクルRに形成されたパターンを逐次ウエハW上に転写するステップ・アンド・スキャン方式の縮小投影型の露光装置である。
尚、以下の説明においては、図1中に示したようにXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。XYZ直交座標系は、Y軸及びZ軸が紙面に対して平行となるよう設定され、X軸が紙面に対して垂直となる方向に設定されている。図中のXYZ座標系は、実際にはXY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方向に設定される。
図1において、設置面11の上に4つ(図1では2つのみを図示)の防振装置(除振機構)12を介してベース部材(ベース又は定盤)13が設けられている。防振装置12は、ベース部材13の4隅付近にそれぞれ配置されており、特に限定はされないが、例えば空気式ダンパやダンピング液中に圧縮コイルバネを入れた機械式ダンパ等からなるパッシブ型のもの、ベース部材に設けられた不図示の振動検出器による検出信号に基づいて該振動を抑制するように変位されるアクチュエータを備えたアクティブ型のもの、あるいはこれらの双方を備えたもの等が用いられる。ベース部材13は、石、セラミックスあるいは鉄等の高剛性の部材から構成される。
ベース部材13の上には、その上部に投影光学系14を保持した第1コラム15が設けられており、第1コラム15の上には第2コラム(ベース又は定盤)16が設けられている。第2コラム16上には回路パターンが形成されたマスクとしてのレチクルRを移動するための粗動ステージとしてのレチクル粗動ステージRCS及び微動ステージとしてのレチクル微動ステージRFSが設けられている。
また、ベース部材13上には、基板としてのウエハWを移動するための第1ステージとしてのウエハステージWSが設けられている。これにより、レチクルR及びウエハWは、投影光学系14の光軸に沿う方向(図1中のZ方向)の位置が互いに異なる面であって、この光軸に直交する面内で2次元方向(X方向及びY方向)に移動可能となっている。
本実施形態では露光装置の走査方向はY方向に設定してあるため、主としてレチクルR及びウエハWのY方向に関する駆動制御について説明する。レチクルR及びウエハWのX方向の位置決め制御並びにZ軸回りの回転方向(θ方向)及びXY平面に対する傾斜角の調節については通常通り容易に実施することができるので、その説明は省略する。
ウエハステージWSは、固定子17と、固定子17に対してY方向に移動可能な移動子18と、移動子18上に取り付けられたステージ(ウエハホルダ)19とを備えている。固定子17及びこれと協働する移動子18は、リニアモータにより提供され得る。特に、本実施形態では、固定子17はエアベアリング等によるスライド機構20によってベース部材13上でY方向に移動可能に設けられている。固定子17はベース部材13上に固定されていても良い。上面に感光剤が塗布されたウエハWは、例えばその裏面全体を吸引吸着されることによりステージ19上に保持される。尚、図1においては、移動子18及びステージ19が別の部材として図示されているが、これらは共通の部材により提供されても良い。
レチクル粗動ステージRCSは、固定子21と、固定子21に対してY方向に移動可能な移動子22と、移動子22上に取り付けられたステージ23とを備えている。固定子21及びこれと協働する移動子22は、リニアモータによって提供され得る。特に、この実施形態では、固定子21は、エアベアリング等を有するスライド機構24によって第2コラム16上でY方向に移動可能に設けられている。固定子21は第2コラム16上に固定されていても良い。尚、図1においては、移動子22及びステージ23が別部材として図示されているが、これらは共通の部材により提供されても良い。
レチクル微動ステージRFSは、レチクル粗動ステージRCSのステージ23上に設けられている。レチクル微動ステージRFSは、固定子25と、固定子25に対してY方向に移動可能に設けられた移動子26と、移動子26上に取り付けられたステージ(レチクルホルダ)27とを備えている。固定子25及びこれと協働する移動子26はリニアモータによって提供され得る。この実施形態では、固定子25はステージ23上に固定されている。
また、図1においては、移動子26及びステージ27が別部材として図示されているが、これらは共通の部材により提供されても良い。ステージ27は、その表面に転写すべきパターンが形成されたレチクルRをそのパターン形成面を下に向けた状態でその周辺部近傍を吸着保持する機能を有している。尚、上記レチクル粗動ステージRCS及びレチクル微動ステージRFSは、本発明にいうマスクステージ及び第2ステージに相当する。
第2コラム16上には第3コラム29が設けられており、第3コラム29には、不図示のエキシマレーザ等の光源から射出された光を所定の照明光に変換してレチクルRに導くための照明光学系30が取り付けられている。
ウエハWを保持するステージ19上の一端には移動鏡31が取り付けられており、第1コラム15には移動鏡31に対応するように位置検出装置であるレーザ干渉計32が設けられている。レーザ干渉計32及び移動鏡31によってステージ19のY方向の位置が所定の分解能(例えば0.001μm程度)で計測される。その計測値はコンピュータのハードウェア及びソフトウェアによって提供され得る制御装置33に供給されて、計測値に基づいてウエハステージWSが制御されることにより、ステージ19の加速、減速、及び走査に際しての移動並びに位置決めが実行される。
レチクル微動ステージRFSのためのステージ23上には移動鏡34が取り付けられており、第3コラム29には移動鏡34に対応するように位置検出装置であるレーザ干渉計35が取り付けられている。レーザ干渉計35及び移動鏡34によってステージ23のY方向の位置が所定の分解能(例えば0.001μm程度)で計測される。その計測値は制御装置33に供給されて、計測値に基づいてレチクル粗動ステージRCSが制御されることにより、ステージ23の加速、減速、及び走査に際しての移動並びに位置決めが実行される。
レチクルRを保持するステージ27上には移動鏡36が取り付けらてれおり、第3コラム29には移動鏡36に対応するように位置検出装置であるレーザ干渉計37が設けられている。レーザ干渉計37及び移動鏡36によってステージ27のY方向の位置が所定の分解能(例えば0.001μm程度)で計測される。その計測値は制御装置33に供給されて、計測値に基づいてレチクル微動ステージRFSが制御されることにより、ステージ27の加速、減速、及び走査に際しての移動並びに位置決めが実行される。
照明光学系30は、レチクルRの矩形のパターン領域を、走査露光時の走査方向(Y方向)と直交した方向(X方向)に断面スリット状(矩形状)に伸びた照明光で上から照射する。このX方向に直線的なスリット状照明光のレチクルR上での照明領域は、投影光学系14の光軸と垂直な物体面側の円形視野の中央に位置し、所定の縮小倍率β(本実施形態では1/4)の投影光学系14を介して、その照明領域内のレチクルRのパターンの一部の像が、所定の解像度でウエハW上に投影される。この投影光学系14としては、レチクルRのパターン面に形成されたパターンの縮小倒立像をウエハW上に投影するものが用いられる。
走査露光時においては、制御装置33からウエハステージWS、レチクル粗動ステージRCS、及びレチクル微動ステージRFSに露光開始のコマンドが送出され、これに応じてレチクルRは+Y方向に速度Vmで走査移動させられると共に、これと同期して、ウエハWは−Y方向に速度Vw(=β・Vm)で走査移動させられる。尚、同様の速度比でレチクルRを−Y方向に移動させると共にウエハWを+Y方向に移動させても良い。
このとき、レチクル粗動ステージRCSに着目すると、移動子22及びステージ23の加速又は減速に伴い、その反力が固定子21に作用し、固定子21はこの実施形態ではスライド機構24により第2コラム16に対して移動可能にされているので、固定子21は移動子22の移動方向に対して反対方向に移動しようとする。それにより生じる反力の影響を防止するために、リアクションフレーム機構が採用されている。
リアクションフレーム機構は、第2コラム16(従って、ベース部材13)とは独立して設けられたリアクションフレーム38と、リアクションフレーム38に配設されステージ23の移動により固定子21に作用する反力を相殺する力を発生する反力装置とを備えている。特にこの実施形態では、パッシブ型のリアクションフレーム機構が採用され、反力装置は、固定子21とリアクションフレーム28とを接続する弾性体あるいは剛体からなるリアクションバー39によって提供されている。
これにより、ステージ23の加速又は減速に伴う反力はリアクションバー39及びリアクションフレーム38を介して設置面11に逃がされ、一定の露光精度が確保されるようになっている。尚、リアクションバー39の途中にその伸縮を電気的に制御可能なアクチュエータを設ける等によりアクティブ型のリアクションフレーム機構を構成しても良い。また、同様にして、ウエハステージWSにリアクションフレーム機構を適用しても良い。
図2は、図1に示した露光装置に適用可能なリニアモータの断面図である。このリニアモータは固定子Sと固定子Sに対して移動する移動子Mとを有している。このリニアモータがレチクル粗動ステージRCS(図1参照)に適用される場合には、固定子Sは図1に示した固定子21の一部を構成し、移動子Mは図1に示した移動子22の一部を構成する。固定子Sは、フレーム40と、フレーム40に対して固定されたコイル41と、フレーム40に固定されコイル41を覆う金属板からなるカバー42とを備えている。移動子Mはコイル41と協働して推力を得るための永久磁石を含んでいる。
ウエハステージWSの駆動力及びレチクル粗動ステージRCSの駆動力は図2に示したほぼ同様の構成のリニアモータによって提供される。本実施形態では、かかる同様の特性を有するリニアモータの特徴を考慮して制御装置33がウエハステージWSとレチクル粗動ステージRCS及びレチクル微動ステージRFSとの同期誤差を迅速且つ高精度に解消する制御を行っている。
次に、本発明の一実施形態によるステージ制御装置としての制御装置33について説明する。図3は、本発明の一実施形態によるステージ制御装置の主要部をなす制御装置33の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、制御装置33は、ウエハW又はウエハステージWSのステージ19(図1参照)の目標位置を与える基準信号RS1を発生する目標位置発生器50と、目標位置発生器50から出力される基準信号RS1に基づいてウエハステージWSとレチクル微動ステージRFSとを同期を取りつつ駆動する同期コントローラ51と、基準信号RS1を用いてレチクル粗動ステージRCSを駆動する第3制御部としてのレチクル粗動ステージ制御部52とを含んで構成される。
同期コントローラ51は、演算部53、コントローラ54、演算部55、及びFF(Feed-Forward)コントローラ56からなるウエハステージ制御部と、変換部57、演算部58、コントローラ59、演算部60、及びFFコントローラ61からなるレチクル微動ステージ制御部と、演算部62及び補償器63からなる補償部とを含んで構成される。
上記ウエハステージ制御部の一部をなす演算部53は、目標位置発生器50から出力される基準信号RS1と、レーザ干渉計32から出力される帰還信号FS1との差分に応じた偏差信号ES1を出力する。ここで、偏差信号ES1は、目標位置に対するウエハステージWSの実際の位置のずれ量であるため、ウエハステージWSの追従誤差であるということができる。尚、ウエハステージWSに含まれるステージ19の位置はレーザ干渉計32(図1参照)により検出され、その結果が帰還信号FS1としてレーザ干渉計32から出力される。
コントローラ54は、入力される偏差信号ES1に基づいてウエハステージWSの推力に関する第1制御信号としての制御信号CS1を生成する。コントローラ54は、P(比例)制御、I(積分)制御、及びD(微分)制御の何れか一つ又は複数を組み合わせた制御を行う。FFコントローラ56は、目標位置発生器50から出力される基準信号RS1に基づいて、ウエハステージWSの推力に関する制御信号DS1を出力してフィードフォワード制御する。ここで、FFコントローラ56を用いてフィードフォワード制御するのは、ウエハステージWSの位置決めに要する時間及び設定速度に達する時間を仕様で定められた時間内に収めるため、及び同期精度を仕様で定められた同期精度内に収めるためである。
また、上記レチクル微動ステージ制御部の一部をなす変換部57は、基準信号RS1を所定の規則に従って変換して基準信号RS2を出力する。例えば、変換部57は、投影光学系14(図1参照)の投影倍率の逆数に応じた4倍の比例演算を提供する。演算部58は、変換部57から出力される基準信号RS2と、演算部69から出力される帰還信号FS4との差分に応じた偏差信号ES2を出力する。ここで、偏差信号ES2は、目標位置に対するレチクル微動ステージRFSの実際の位置のずれ量であるため、レチクル微動ステージRFSの追従誤差であるということができる。
尚、演算部69は、レーザ干渉計37(図1参照)により検出したレチクル微動ステージRFSのステージ27の位置を示す帰還信号FS2と、レーザ干渉計35(図1参照)により検出したレチクル粗動ステージRCSのステージ23の位置を示す帰還信号FS3とを演算して帰還信号FS4を求める。
コントローラ59は、演算部58から出力される偏差信号ES2に応じた制御信号CS2を出力してレチクル微動ステージRFSの駆動制御を行う。コントローラ59は、コントローラ54と同様に、P(比例)制御、I(積分)制御、及びD(微分)制御の何れか一つ又は複数を組み合わせた制御を行う。FFコントローラ61は、変換部57から出力される基準信号RS2に基づいて、ウエハステージWSの推力に関する制御信号DS2を出力してフィードフォワード制御する。ここで、FFコントローラ61を設ける理由は、FFコントローラ56を設ける理由と同様の理由である。
演算部62は、目標位置としての基準信号RS1に対するウエハステージWSの追従誤差を示す偏差信号ES1と、目標位置としての基準信号RS2に対するレチクル微動ステージRFSの追従誤差を示す偏差信号ES2との差、即ちウエハステージWSとレチクル微動ステージRFSとの同期誤差を求めて同期誤差信号SS1を出力する。補償器63は、演算部62から出力される同期誤差信号SS1に基づいて、ウエハステージWSとレチクル微動ステージRFSとの同期誤差を所定値(例えば、零)に収束させる補償信号MS1,MS2をそれぞれ出力する。
補償器63から出力される補償信号MS1はウエハステージ制御部の一部をなす演算部55に入力され、補償信号MS2はレチクル微動ステージ制御部の一部をなす演算部60に入力される。演算部55は、コントローラ54から出力される制御信号CS1、FFコントローラ56から出力される制御信号DS1、及び補償信号MS1を加算してウエハステージWSに与える推力に関する制御信号CS10を出力する。
同様に、演算部60は、コントローラ59から出力される制御信号CS2、FFコントローラ61から出力される制御信号DS2、及び補償信号MS2を加算してレチクル微動ステージRFSに与える推力に関する制御信号CS20を出力する。つまり、本実施形態ではウエハステージWSに与える制御信号CS1,DS1を補償信号MS1で補償し、レチクル微動ステージRFSに与える制御信号CS2,DS2を補償信号MS2で補償している。
以上説明したように、同期コントローラ51はウエハステージWS及びレチクル微動ステージRFSの制御を行っているが、その制御方法は従来のマスター・スレーブ方式ではなく、ウエハステージ制御部でウエハステージWSを制御し、レチクル微動ステージ制御部でレチクル微動ステージRFSを制御する、いわば並列方式である。これに加えて、本実施形態ではウエハステージWSとレチクル微動ステージRFSとの同期誤差を補償する補償部(演算部62、補償器63)を設け、ウエハステージ制御部で生成された制御信号及びレチクル微動ステージ制御部で生成された制御信号を補償することで、ウエハステージWSの追従誤差、レチクル微動ステージRFSの追従誤差、並びにウエハステージWSとレチクル微動ステージRFSとの同期誤差及びその時間積分値の全てが所定値(例えば、零)に収束するよう制御している。
ここで、同期コントローラ51に含まれるコントローラ54,59は、上述したように、その設計段階において何れの制御を行うかは固定されていない。これは、同期コントローラ51が、コントローラ54,59及び補償器63等を含めて1つの制御系とみなして上記の追従誤差、同期誤差、及びその時間積分値が所定値に収束するように設計されるためである。従って、ウエハステージWS及びレチクル微動ステージRFSの特性に応じて、例えばコントローラ54がPID制御を行うように設計され、又はD制御のみを行うように設計されることがあり得る。尚、同期コントローラ51の設計手法の詳細については後述する。
また、上記レチクル粗動ステージ制御部52は、変換部64、演算部65、コントローラ66、演算部67、及びFFコントローラ68を含んで構成される。変換部64は目標位置発生器50から出力される基準信号RS1を所定の規則に従って変換して基準信号RS3を出力する。例えば、変換部64は、投影光学系14(図1参照)の投影倍率に応じた4倍の比例演算を提供する。演算部65は、変換部64から出力される基準信号RS3と、レーザ干渉計35から出力される帰還信号FS3との差分に応じた偏差信号ES3を出力する。
ここで、基準信号RS2,RS3は目標位置発生器50から出力される基準信号RS1を同様の変換規則に基づいて変換したものであって等価であるため、レチクル粗動ステージRCSの目標値とレチクル微動ステージRFSの目標値とは同じ値となる。このため、偏差信号ES3は、レチクル粗動ステージRCS及びレチクル微動ステージRFSを含めたレチクルステージの目標位置に対するレチクル粗動ステージRCSの実際の位置のずれ量であり、レチクル粗動ステージRCSの追従誤差であるということができる。尚、レチクル粗動ステージRCSのステージ23の位置はレーザ干渉計35(図1参照)により検出され、その結果として帰還信号FS2が生成される。
コントローラ66は、入力される偏差信号ES3に基づいて、レチクル粗動ステージRCSの推力に関する制御信号CS3を生成する。ここで、コントローラ66は、特定の制御方式(例えばPID制御)に固定しても良い。FFコントローラ68は、変換部64から出力される基準信号RS3に基づいて、レチクル粗動ステージRCSの推力に関する制御信号DS3を出力してフィードフォワード制御する。
ここで、FFコントローラ68を用いてフィードフォワード制御するのは、FFコントローラ56を設ける理由と同様である。演算部67は、コントローラ66から出力される制御信号CS3とFFコントローラ68から出力される制御信号DS3とを加算してレチクル粗動ステージRCSに与える推力に関する制御信号CS30を出力する。このように、レチクル粗動ステージRCSに関しては従来と同様な構成を有するレチクル粗動ステージ制御部52で制御を行っている。
つまり、本実施形態においては、レチクル粗動ステージRCSについては従来通り、目標位置発生器50から出力される基準信号RS1を所定の変換規則に基づいて変換して得られる基準信号RS3を目標値としてサーボ制御を行い、ウエハステージWS及びレチクル微動ステージRFSについては基準信号RS1,RD2にそれぞれ追従させながら、補償器63によってこれらのステージの追従誤差、ウエハステージWSとレチクル微動ステージRFSとの同期誤差及びその時間積分値の全てが所定値(例えば、零)に収束するよう制御を行っている。
以上の制御を行うためには、同期コントローラ51及びレチクル粗動ステージ制御部52がその制御方法に応じた設計がなされている必要がある。以下、本実施形態の特徴部分である同期コントローラ51の設計手法について説明する。いま、ウエハステージWSに対する目標位置及び目標速度をそれぞれ以下の(1)式で表す。尚、目標速度は、目標位置r(t)を時間微分したものである。
Figure 2005051197
また、ウエハステージWSの位置及び速度、並びにレチクル微動ステージRFSの位置及び速度をそれぞれ以下の(2),(3)式で表す。尚、ウエハステージWSの速度はウエハステージWSの位置yを時間微分したものであり、レチクル微動ステージRFSの速度はレチクル微動ステージRFSの位置yを時間微分したものである。
Figure 2005051197
Figure 2005051197
このとき、ウエハステージWSに関する位置及び速度の追従誤差は以下の(4)式で表され、レチクル微動ステージRFSに関する位置及び速度の追従誤差は以下の(5)式で表される。尚、ウエハステージWSに関する速度の追従誤差はウエハステージWSに関する位置の追従誤差eの時間微分であり、レチクル微動RFSに関する速度の追従誤差はレチクル微動RFSに関する位置の追従誤差eの時間微分である。
Figure 2005051197
Figure 2005051197
また、ウエハステージWSとレチクル微動ステージRFSとの追従誤差e及びその積分値xは以下の(6),(7)式でそれぞれ表される。尚、以下の(6),(7)式中における変数kは、投影光学系14の投影倍率に応じたスケーリング係数である。本実施形態では、スケーリング係数kの値は「1/4」である。
Figure 2005051197
Figure 2005051197
本実施形態においては、追従誤差及び同期誤差をフィードバックしてウエハステージWS及びレチクル微動ステージRFSを制御し、上記(4),(5)式で表される同期誤差並びに上記(6)式で表される追従誤差e及び上記(7)式で表される追従誤差の積分値xの全てを所定値(例えば、零)に収束させるように同期コントローラ51は設計されている。具体的に、同期コントローラ51は最適LQ型制御又はH∞外乱抑制型制御を行って上記の値の全てを所定値に収束させるように設計されている。以下、これらの制御の設計方法について説明する。
[最適LQ型制御]
本実施形態において、最適LQ型制御を用いて同期コントローラ51を設計する場合には、コントローラ54,59及び補償器63等を含めて同期コントローラ51を1つの制御系とみなし、以下の(8)式で表される制御評価関数Jを設定し、この制御評価関数Jが最小となるような設計を行っている。
Figure 2005051197
但し、上記(8)式において、eは上記(4),(5)式に示した追従誤差並びに(6)式に示した同期誤差e及びその積分値xからなる誤差ベクトルであり、uはウエハステージWS及びレチクル微動ステージRFSの制御入力(ベクトル)である。また、上記(8)式中のQ.Rは重み行列であり、これらの行列の値を調整することにより、応答特性の改善と同期性能及び追従性能への重み付けを調整している。上記(8)式が意味するとことは、時刻0〜時刻Tの間での追従誤差、同期誤差等の平均値を最小にすることである。尚、(8)式中におけるe,uは、それぞれ誤差ベクトルe、制御入力uの転置行列である。
[H∞外乱抑制型制御]
本実施形態において、H∞外乱抑制型制御を用いて同期コントローラ51を設計する場合には、コントローラ54,59及び補償器63等を含めて同期コントローラ51を1つの制御系とみなし、上記の制御評価関数Jに代えて以下の(9)式で表される評価関数J∞を設定し、この評価関数J∞が最小となるような設計を行っている。
Figure 2005051197
但し、上記(9)式において、dは等価外乱であり、εは上記の追従誤差等を含めた評価信号である。上記(9)式が意味するところは、最悪の外乱が印加されたときにおける評価関数の値J∞を最小にすること、つまり同期誤差の周波数応答のピーク値又は同期誤差の外乱に対する感度関数のピーク値を最小値(所定値)に収束させることである。H∞外乱抑制型制御を行う場合には、状態値を直接利用することができるときの状態フィードバックH∞制御及び出力値のみを利用することができる出力フィードバックH∞制御の何れをも用いることができる。
以上の(8)式又は(9)式を最小とする解(行列の値)を求め、この解に基づいてコントローラ54,59、FFコントローラ56,61、及び補償器63を設計することで、同期コントローラ51の設計が完了する。ここで、以上の方法を用いて設計された制御装置33のシミュレーション結果について説明する。図4は、最適LQ型制御を行う同期コントローラ51を備える制御装置33のシミュレーション結果であり、図5は、H∞外乱抑制型制御を行う同期コントローラ51を備える制御装置33のシミュレーション結果である。また、図6は、従来のマスター・スレーブ方式の制御装置のシミュレーション結果である。
尚、図4〜図6において、(a)はウエハステージWSの追従誤差である誤差信号ES1の時間変化を示すシミュレーション結果であり、(b)はレチクル微動ステージRFSの追従誤差である誤差信号ES2の時間変化を示すシミュレーション結果である。また、図4〜図6において、(c)はウエハステージWSとレチクル微動ステージRFSの同期誤差SS1の時間変化を示すシミュレーション結果であり、(d)は(c)中の期間Tにおける同期誤差SS1の移動平均を示すシミュレーション結果である。
また、図4〜図6において、期間TはウエハステージWS及びレチクル微動ステージRFSを加速する期間を示し、期間Tは各々のステージの整定期間(振動が収まって一定の速度に収束するまでの期間)を示している。また、期間TはウエハステージWSとレチクル微動ステージRFSが同期移動する期間であり、レチクルRのパターンが投影光学系14を介してウエハWに転写される期間である。更に、期間Tは各々のステージを減速する期間を示している。
まず、ウエハステージWSの追従誤差である誤差信号ES1の時間変化を示すシミュレーション結果について考察する。図6(a)を参照すると、ウエハステージWSの加速期間Tの終了時点において誤差信号ES1がオーバーシュートしているため、誤差信号ES1が一定速度に収束する整定時間が長くなっていることが分かる。これに対し、図4(a)及び図5(a)を参照すると、ウエハステージWSの加速期間Tの終了時点において、誤差信号ES1は殆ど変化しておらず、ほぼ一定の値(例えば、0)になっていることが分かる。このため、本実施形態の制御装置33を用いると整定時間が短縮されることが分かる。
次に、レチクル微動ステージRFSの追従誤差である誤差信号ES2の時間変化を示すシミュレーション結果について考察する。図6(b)を参照すると、レチクル微動ステージRFSの加速期間T及び減速期間Tにおける誤差信号ES2が急激な変化を示しており、オーバーシュート量及びアンダーシュート量が大きいことが分かる。このため、加速期間T終了後の整定期間Tも長くなる。これに対し、図4(b)及び図5(b)を参照すると、レチクル微動ステージRFS加速期間T及び減速期間Tにおける誤差信号ES2は、ウエハステージWSの誤差信号ES1とほぼ同様の変化を示している。このため、仮にウエハステージWSに外乱が加わったとしても、その影響がレチクル微動ステージRFSに大きく加わることがないため、高いロバスト性を確保することができる。
かかる違いは、制御方式の違いを大きく反映したものであると考えられる。つまり、図6(b)ではウエハステージWSの帰還信号に基づいてレチクル微動ステージRFSを制御しているため、加速期間T及び減速期間Tにおける誤差信号ES2が急激な変化を示すのに対し、図4(b)及び図5(b)ではウエハステージWSとレチクル微動ステージWFSをいわば並列的に制御しているため、誤差信号ES2が誤差信号ES1と同様の変化を示すものと考えられる。また、誤差信号ES2が誤差信号ES1と同様の変化を示すため、レチクル微動ステージRFSについても、整定時間が短縮されていることが分かる。
次に、ウエハステージWSとレチクルステージRFSとの同期誤差SS1の時間変化を示すシミュレーション結果について考察する。図4(c)、図5(c)、図6(c)を比較すると、加速期間T及び減速期間Tにおける誤差信号SS1の時間変化が、図6(c)に示す従来のものよりも、図4(c)、図5(c)に示す本実施形態のものの方が急激である。しかしながら、ウエハステージWSとレチクル微動ステージRFSが同期移動する期間Tの時間平均を示す図4(d)、図5(d)、図6(d)を比較すると、図6(d)に示す従来のものよりも、図5(d)、図6(d)に示す本実施形態のものの方が全体的に小さくなっていることが分かる。
レチクルRに形成されたパターンをウエハW上に転写する場合には、加速期間及び減速期間TにおけるウエハステージWS及びレチクルステージRFSの挙動よりも、期間Tにおける同期精度が高いことが優先される。しかも、上述したように、本実施形態においては、ウエハステージWSの整定時間及びレチクル微動ステージRFSの整定時間が短縮されているため、ステージの同期精度向上とスループットの向上とを同時に達成することができる。
以上、本発明のステージ制御装置としての制御装置33の構成及びシミュレーション結果について説明したが、次に露光時の動作について簡単に説明する。露光開始のコマンドが送出されると、制御装置33に設けられた目標位置発生器50は、予め設定されたレシピに従った基準信号RS1を出力する。ここで、レシピとは露光装置の露光動作を規定する制御情報、例えば照明条件、使用するレチクルR、ウエハWの種類、ウエハW上に設定されたショット領域の配列等の情報を含むものである。
目標位置発生器50から基準信号RS1が出力されると、演算部52において基準信号RS1及び帰還信号RS1から誤差信号ES1が演算され(第1追従誤差算出ステップ)、この誤差信号ES1に基づいてコントローラ54が制御信号CS1を生成する(第1制御信号制御ステップ)。また、FFコントローラ56は基準信号RS1に基づいて制御信号DS1を生成する。
また、目標位置発生器50から出力された基準信号RS1は変換部57において4倍されて基準信号RS2とされ、演算部58において基準信号RS2及び帰還信号RS4から誤差信号ES2が演算され(第2追従誤差算出ステップ)、この誤差信号ES2に基づいてコントローラ59が制御信号CS2を生成する(第2制御信号制御ステップ)。また、FFコントローラ61は基準信号RS2に基づいて制御信号DS2を生成する。
また、演算部62は、誤差信号ES1,ES2から同期誤差信号SS1を演算し(同期誤差算出ステップ)、補償器63は同期誤差信号SS1に基づいて補償信号MS1,MS2を生成する(補償信号生成ステップ)。コントローラ54で生成された制御信号CS1、FFコントローラ56で生成された制御信号DS1、及び補償器63で生成された補償信号MS1は演算部55において演算され、制御信号CS10が生成される。
同様に、コントローラ59で生成された制御信号CS2、FFコントローラ61で生成された制御信号DS2、及び補償器63で生成された補償信号MS2は演算部60において演算され、制御信号CS20が生成される。生成された制御信号CS10,CS20はウエハステージWS及びレチクル微動ステージRFSにそれぞれ出力され、制御信号CS10,CS20に応じた推力がそれぞれ発生する。
尚、目標位置発生器50から出力された基準信号RS1は変換部64において4倍されて基準信号RS3とされ、演算部65において基準信号RS3及び帰還信号RS3から誤差信号ES3が演算され、この誤差信号ES3に基づいてコントローラ66が制御信号CS3を生成する。また、FFコントローラ68が基準信号RS3に基づいて制御信号DS3を生成する。演算部67は制御信号CS3と制御信号DS3とを演算して制御信号CS30を生成してレチクル粗動ステージRCSに出力し、制御信号CS30に応じた推力を発生させる。
ここで、補償器63は、上述した最適LQ型制御又はH∞外乱抑制型制御により、同期誤差の平均値又はピーク値を所定値(例えば、0)に収束するよう設計されており、同期コントローラ51は1つの制御系として追従誤差、同期誤差、及びその時間積分値が所定値(例えば、0)に収束するように設計されるため、ウエハステージWS及びレチクル微動ステージRFSはこれらが全て所定値に収束するよう制御される(制御ステップ)。
以上の処理が繰り返されつつ、ウエハステージWSは−Y方向に加速され、レチクル微動ステージRFS及びレチクル粗動ステージRCSは+Y方向に加速される。ウエハステージWS並びにレチクル微動ステージRFS及びレチクル粗動ステージRCSの加速が終了すると、図4及び図5に示した整定期間T内においてウエハステージWS及びレチクル微動ステージRFSの速度が一定の速度になる。整定時間Tが経過すると、スリット状の照明光をレチクルRに照射しつつ、ウエハステージWSを−Y方向に速度Vw(=β・Vm)で走査移動するとともに、レチクルステージユニットを+Y方向に速度Vmで走査移動しつつ、レチクルに形成されたパターンを、投影光学系14を介してウエハW上に設定されたショット領域に転写する。レチクルのパターンの転写が終了すると、制御装置33はウエハステージWS及びレチクルステージユニットを減速して停止させる。以上の動作はウエハW上の他のショットに対しても同様に行われる。
次に、制御装置33の変形例について説明する。図7は、制御装置33の変形例の構成を示すブロック図である。なお、図3における制御装置33の構成要素と同一のものは、同一の符号を付すと共にその説明を省略する。
図7に示すように、制御装置33は、同期コントローラ51に加えて、ウエハステージWS、レチクル微動ステージRFS、レチクル粗動ステージRCSのそれぞれに加わる外乱d1,d2,d3を補償する外乱補償制御部70を備える。
外乱補償制御部70は、ウエハステージWSに加わる外乱d1を推定し且つ補償する第1外乱補償制御部71と、レチクル微動ステージRFSに加わる外乱d2を推定し且つ補償する第2外乱補償制御部72と、レチクル粗動ステージRCSに加わる外乱d3を推定し且つ補償する第3外乱補償制御部73とから構成される。そして、第1外乱補償制御部71、第2外乱補償制御部72、第3外乱補償制御部73のそれぞれは、演算部74,75,76と、外乱推定器81,82,83と、ローパスフィルタ84,85,86とを含んで構成される。
外乱推定器81,82,83は、制御対象(ウエハステージWS,レチクル微動ステージRFS,レチクル粗動ステージRCS)に加わる外乱d1,d2,d3を、制御信号CS11,CS21,CS31と帰還信号FS1,FS2,FS3および制御対象の逆伝達関数モデルを用いて推定するものであり、一般に外乱オブザーバと呼ばれる。すなわち、レーザ干渉計32,35,37から出力される帰還信号FS1,FS2,FS3は、制御対象(WS,RFS,RCS)に制御信号CS11,CS21,CS31と外乱d1,d2,d3とが入力された結果であることから、制御対象(WS,RFS,RCS)の逆モデル(逆伝達関数)と制御信号CS11,CS21,CS31と帰還信号FS1,FS2,FS3とから外乱d1,d2,d3を求めることができる。つまり、外乱推定器81,82,83は、制御信号CS11,CS21,CS31と帰還信号FS1,FS2,FS3とから推定外乱dh1,dh2,dh3を生成する(外乱推定ステップ)。
そして、ローパスフィルタ84,85,86は、求めた推定外乱dh1,dh2,dh3を抑制したい周波数帯域でフィルタリングすることにより、制御系の安定性を確保するものである。
また、演算部74,75,76は、同期コントローラ51からの制御信号(入力制御信号)CS10,CS20,CS30と、外乱推定器81,82,83からの推定外乱dh1,dh2,dh3がローパスフィルタ84,85,86を経て出力された信号との差分、すなわち制御信号(外乱補償制御信号)CS11,CS21,CS31を生成する(外乱補償信号生成ステップ)。
そして、制御信号CS11,CS21,CS31が制御対象(ウエハステージWS,レチクル微動ステージRFS,レチクル粗動ステージRCS)に与えられることにより、各制御対象(ウエハステージWS,レチクル微動ステージRFS,レチクル粗動ステージRCS)に外乱d1,d2,d3が加わったとしても、制御信号CS11,CS21,CS31に含まれる推定外乱dh1,dh2,dh3が外乱d1,d2,d3と相殺されるので、あたかも外乱d1,d2,d3がなかったかのように、制御対象(ウエハステージWS,レチクル微動ステージRFS,レチクル粗動ステージRCS)を制御することが可能となる。
このように、外乱補償制御部70よれば、配管配線のケーブルテンション、三相リニアモータの推力リップル、ステージの位置に依存する外乱、ステージ間の干渉等の外乱をシステムの状態の一部として推定し、この推定した外乱を制御的に相殺することができる。
上述したように、全ての制御対象(ウエハステージWS、レチクル微動ステージRFS、レチクル粗動ステージRCS)にそれぞれに、外乱補償制御部70(第1外乱補償制御部71,第2外乱補償制御部72,第3外乱補償制御部73)を設けることが好ましい。なお、いずれか1つの制御対象のみに設ける場合の他、任意の制御対象の組合せ(例えばウエハステージWSとレチクル微動ステージRFS)に設けてもよい。
次に、外乱補償制御部70を設けた場合の実験結果について説明する。
図8はウエハステージWSとレチクル微動ステージRFSのそれぞれに外乱補償制御部70(71,72)を設けた場合、図9はいずれにも外乱補償制御部70を設けなかった場合の実験結果を示す図である。
まず、図8(a),9(a)に示すように、ウエハステージWSとレチクル微動ステージRFSとの制御装置33には、それぞれ同一の入力(位置指令)信号が指令される。この入力信号は、ウエハステージWSとレチクル微動ステージRFSとを、約1.5秒経過時から約5秒経過時の間、一定速度で移動させて露光処理を行うための入力信号である。
この入力信号がウエハステージWSとレチクル微動ステージRFSとの制御装置33に指令されると、ウエハステージWSとレチクル微動ステージRFSのそれぞれには、図8(b),9(b)に示すように、加速時(約1.5秒経過時)及び減速時(約5秒経過時)に位置誤差が発生してしまう。この位置誤差は、外乱補償制御部70の有無に係わらず発生する。
しかしながら、図8(b),9(b)の2つの信号の差分、すなわちウエハステージWSとレチクル微動ステージRFSとの同期誤差を示す図8(c),9(c)によれば、外乱補償制御部70を設けた場合(図8(c))の方が、設けなかった場合(図9(c))に比べて、同期誤差が抑えられていることが分かる。特に、図8(c),9(c)における約1.5秒〜約5秒経過時のみを比較すると、明らかに外乱補償制御部70を設けることにより、ウエハステージWSとレチクル微動ステージRFSとの同期誤差が大幅に抑えられることが分かる(図8(d),9(d)参照)。
このように、ウエハステージWSとレチクル微動ステージRFSとの同期誤差、特に加速時(約1.5秒経過時)の同期誤差を抑えることができる。すなわち、加速時から一定速度に移行する際の残留振動、言い換えればウエハステージWSとレチクル微動ステージRFSに連結されるケーブル類の影響等が取り除かれ、ウエハステージWSとレチクル微動ステージRFSの同期精度、整定時間が更に向上する。
このように、外乱補償制御部70を設けることにより、更に高精度な同期制御が実現され、微細なパターンを良好に露光することが可能となる。
なお、第1〜第3外乱補償制御部71〜73のそれぞれの構成は、既知の様々な方式を採用することが可能である。例えば、ステージの制御方式がステージの目標位置に基づく位置制御方式であるか、或いはステージの目標速度に基づく速度制御方式であるか、等に応じて上述した逆伝達関数を適宜設定すればよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されず、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、レチクルステージがレチクル微動ステージRFSとレチクル粗動ステージRCSとからなる場合を例に挙げて説明したが、レチクルステージが1つのステージのみからなる場合についても本発明を適用することができる。
また、レチクルステージが1つのステージからなると共に、ウエハステージがウエハ微動ステージとウエハ粗動ステージの2つからなる場合や、レチクルステージとウエハステージの双方が微動ステージと粗動ステージからなる場合であっても、本発明を適用することができる。
また、光源としては、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)等のエキシマレーザに限らず、超高圧水銀ランプから射出されるg線(436nm)及びi線(365nm)、Fレーザ(157nm)から射出されるレーザ光、Krレーザ(146nm)から射出されるレーザ光、Arレーザ(126nm)から射出されるレーザ光、更には、X線や電子線などの荷電粒子線を用いることができる。
また、上記実施形態においては、露光装置に設けられる制御装置33を個別に設計する場合を例に挙げたが、複数の露光装置をオンラインで接続し、各々の露光装置に設けられた制御装置33のパラメータを、ステージの動作状況に応じて変更することができるようにすれば、実際の露光装置の設置条件に対応することができ、ロバスト性を高める上で好適となる。
更に、本発明は、図3,図7に示す制御装置33の機能をハードウェアで構成することも可能であり、ソフトウェアで実現することも可能である。ソフトウェアで実現する場合には、制御装置33のハードウェア構成を、CPU(中央処理装置)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、通信インタフェース、光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク等の外部記憶装置等から構成し、上述した制御を行うプログラムを通信回線を介して制御装置33に読み込ませ、又は記録媒体に記憶させたプログラムを外部記憶装置を用いて制御装置33に読み込ませる。
次に、本発明の実施形態による露光装置をリソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方法について簡単に説明する。図10は、マイクロデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートを示す図である。図10に示すように、まず、ステップS10(設計ステップ)において、マイクロデバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS11(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レチクル)を製作する。一方、ステップS12(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
次に、ステップS13(ウエハ処理ステップ)において、ステップS10〜ステップS12で用意したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS14(デバイス組立ステップ)において、ステップS13で処理されたウエハを用いてデバイス組立を行う。このステップS14には、ダイシング工程、ボンティング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。最後に、ステップS15(検査ステップ)において、ステップS14で作製されたマイクロデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にマイクロデバイスが完成し、これが出荷される。
図11は、半導体デバイスの場合における、図10のステップS13の詳細なフローの一例を示す図である。図11において、ステップS21(酸化ステップ)においてはウエハの表面を酸化させる。ステップS22(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップS23(電極形成ステップ)においてはウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップS24(イオン打込みステップ)においてはウエハにイオンを打ち込む。以上のステップS21〜ステップS24のそれぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS25(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップS26(露光工程)において、上で説明したリソグラフィシステム(露光装置)及び露光方法によってマスクの回路パターンをウエハに転写する。次に、ステップS27(現像工程)においては露光されたウエハを現像し、ステップS28(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS29(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
以上説明した本実施形態のマイクロデバイス製造方法を用いれば、露光工程(ステップS26)において上記の露光装置及び上で説明した露光方法が用いられ、真空紫外域の照明光により解像力の向上が可能となり、しかも露光量制御を高精度に行うことができるので、結果的に最小線幅が0.1μm程度の高集積度のデバイスを歩留まり良く生産することができる。
また、半導体素子等のマイクロデバイスだけではなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置等で使用されるレチクル又はマスクを製造するために、マザーレチクルからガラス基板やシリコンウエハ等ヘ回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(深紫外)やVUV(真空紫外)光等を用いる露光装置では、一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、蛍石、フッ化マグネシウム、又は水晶等が用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置や電子線露光装置等では、透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハ等が用いられる。なお、このような露光装置は、WO99/34255号、WO99/50712号、WO99/66370号、特開平11−194479号、特開2000−12453号、特開2000−29202号等に開示されている。
本発明の一実施形態による露光装置の構成を示す正面図である。 図1に示した露光装置に適用可能なリニアモータの断面図である。 本発明の一実施形態によるステージ制御装置の主要部をなす制御装置33の構成を示すブロック図である。 最適LQ型制御を行う同期コントローラ51を備える制御装置33のシミュレーション結果である。 H∞外乱抑制型制御を行う同期コントローラ51を備える制御装置33のシミュレーション結果である。 従来のマスター・スレーブ方式の制御装置のシミュレーション結果である。 制御装置33の変形例の構成を示すブロック図である。 ウエハステージWSとレチクル微動ステージRFSのそれぞれに外乱補償制御部70を設けた場合の実験結果を示す図である。 ウエハステージWSとレチクル微動ステージRFSのいずれにも外乱補償制御部70を設けなかった場合の実験結果を示す図である。 マイクロデバイスの製造工程の一例を示すフローチャートである。 半導体デバイスの場合における、図7のステップS13の詳細なフローの一例を示す図である。 ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置に設けられる従来のステージ制御装置の構成例を示すブロック図である。
符号の説明
14 投影光学系(光学系)
33 ステージ制御装置
51 同期コントローラ(同期制御部)
54 コントローラ(第1制御部)
56 FFコントローラ(第1制御部、フィードフォワード制御部)
59 コントローラ(第2制御部)
61 FFコントローラ(第2制御部、フィードフォワード制御部)
62 演算部(補償部)
63 補償器(補償部)
66 コントローラ(第3制御部)
68 FFコントローラ(フィードフォワード制御部)
70 外乱補償制御部
71 第1外乱補償制御部
72 第2外乱補償制御部
73 第3外乱補償制御部
CS1 制御信号(第1制御信号)
CS2 制御信号(第2制御信号)
CS3 制御信号(第3制御信号)
CS10,CS20,CS30 制御信号(入力制御信号)
CS11,CS21,CS31 制御信号(外乱補償制御信号)
DS1 制御信号(第1制御信号)
DS2 制御信号(第2制御信号)
DS3 制御信号(第3制御信号)
ES1 偏差信号(第1ステージの追従誤差)
ES2 偏差信号(第2ステージの追従誤差)
MS1,MS2 補償信号
R レチクル(マスク)
RCS レチクル粗動ステージ(第2ステージ、粗動ステージ、マスクステージ)
RFS レチクル微動ステージ(第2ステージ、微動ステージ、マスクステージ)
RS1 基準信号(第1ステージの目標値)
RS2 基準信号(第2ステージの目標値)
SS1 同期誤差信号(同期誤差)
W ウエハ(基板)
WS ウエハステージ(第1ステージ、基板ステージ)
d1,d2,d3 外乱
dh1,dh2,dh3 推定外乱


Claims (16)

  1. 第1ステージと第2ステージとを同期をとりつつ移動制御するステージ制御方法において、
    前記第1ステージの目標値に対する前記第1ステージの追従誤差を算出する第1追従誤差算出ステップと、
    前記第2ステージの目標値に対する前記第2ステージの追従誤差を算出する第2追従誤差算出ステップと、
    前記第1,第2追従誤差算出ステップで得られた追従誤差から前記第1ステージと前記第2ステージとの同期誤差を算出する同期誤差算出ステップと、
    前記追従誤差、前記同期誤差、及び前記同期誤差の時間積分値の全てが所定値に収束するよう前記第1,第2ステージを制御する制御ステップと
    を含むことを特徴とするステージ制御方法。
  2. 前記第1追従誤差算出ステップで得られた追従誤差に基づいて前記第1ステージの推力を示す第1制御信号を生成する第1制御信号生成ステップと、
    前記第2追従誤差算出ステップで得られた追従誤差に基づいて前記第2ステージの推力を示す第2制御信号を生成する第2制御信号生成ステップと、
    前記同期誤差に基づいて前記第1制御信号及び前記第2制御信号を補償する補償信号を生成する補償信号生成ステップと
    を含むことを特徴とする請求項1記載のステージ制御方法。
  3. 前記補償信号生成ステップは、最適LQ型制御により前記同期誤差の平均値を前記所定値に収束させる補償信号を生成することを特徴とする請求項2記載のステージ制御方法。
  4. 前記補償信号生成ステップは、H∞外乱抑制型制御により前記同期誤差の周波数応答のピーク値を前記所定値に収束させる補償信号を生成することを特徴とする請求項2記載のステージ制御方法。
  5. 前記目標値は、前記第1,第2ステージの目標位置及び目標速度を含むことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載のステージ制御方法。
  6. 前記第1ステージ及び/又は前記第2ステージに加わる外乱を推定する外乱推定ステップと、
    前記外乱推定ステップで求められた推定外乱に基づいて、前記第1ステージ及び/又は前記第2ステージへの入力制御信号から前記推定外乱を補償した外乱補償制御信号を生成する外乱補償信号生成ステップと、
    を含むことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載のステージ制御方法。
  7. 請求項1から請求項6の何れか一項に記載のステージ制御方法を実行することを特徴とするステージ制御プログラム。
  8. 第1ステージと第2ステージとを同期をとりつつ移動制御するステージ制御装置において、
    前記第1ステージの目標値に対する前記第1ステージの追従誤差、前記第2ステージの目標値に対する前記第2ステージの追従誤差、前記第1ステージと前記第2ステージとの同期誤差、及び当該同期誤差の時間積分値の全てが所定値に収束するよう前記第1,第2ステージを制御する同期制御部を備えることを特徴とするステージ制御装置。
  9. 前記同期制御部は、前記第1ステージの追従誤差に基づいて前記第1ステージの推力を示す第1制御信号を生成する第1制御部と、
    前記第2ステージの追従誤差に基づいて前記第2ステージの推力を示す第2制御信号を生成する第2制御部と、
    前記同期誤差に基づいて前記第1制御信号及び前記第2制御信号を補償する補償信号を生成する補償部と
    を備えることを特徴とする請求項8記載のステージ制御装置。
  10. 第1ステージと粗動ステージ及び微動ステージからなる第2ステージとを同期をとりつつ移動制御するステージ制御装置において、
    前記第1ステージの目標値に対する前記第1ステージの追従誤差に基づいて前記第1ステージの推力を示す第1制御信号を生成する第1制御部と、
    前記第2ステージの目標値に対する前記微動ステージの追従誤差に基づいて前記微動ステージの推力を示す第2制御信号を生成する第2制御部と、
    前記第2ステージの前記目標値に対する前記粗動ステージの追従誤差に基づいて前記粗動ステージの推力を示す第3制御信号を生成する第3制御部と、
    前記第1ステージと前記微動ステージとの同期誤差に基づいて前記第1制御信号及び前記第2制御信号を補償する補償信号を生成する補償部とを備え、
    前記第1ステージの追従誤差、前記微動ステージの追従誤差、前記同期誤差、及び前記同期誤差の時間積分値の全てが所定値に収束するよう前記第1,第2ステージを制御することを特徴とするステージ制御装置。
  11. 前記第1制御部及び前記第2制御部は、前記目標値の各々から前記第1,第2ステージの推力信号を生成するフィードフォワード制御部を含むことを特徴とする請求項9又は請求項11の何れか一項に記載の記載のステージ制御装置。
  12. 前記第1ステージ及び/又は前記第2ステージに加わる外乱を推定すると共に、求められた推定外乱を補償して前記第1ステージ及び/又は前記第2ステージを制御する外乱補償制御部を備えることを特徴とする請求項8から請求項11の何れか一項に記載のステージ制御装置。
  13. 前記第1ステージに加わる外乱を推定すると共に、求められた推定外乱を補償して前記第1ステージを制御する第1外乱補償制御部、
    前記微動ステージに加わる外乱を推定すると共に、求められた推定外乱を補償して前記微動ステージを制御する第2外乱補償制御部、及び
    前記粗動ステージに加わる外乱を推定すると共に、求められた推定外乱を補償して前記粗動ステージを制御する第3外乱補償制御部、
    のうち何れか1つ以上を含むことを特徴とする請求項10に記載のステージ制御装置。
  14. 光学系を介してマスクのパターンを基板上に露光する露光手段と、前記マスクを移動させるマスクステージと、前記基板を移動させる基板ステージとを備える露光装置であって、
    前記基板ステージ及び前記マスクステージは、請求項1から請求項6の何れか一項に記載のステージ制御方法を用いて前記第1ステージ及び前記第2ステージとしてそれぞれ制御されることを特徴とする露光装置。
  15. 光学系を介してマスクのパターンを基板上に露光する露光手段と、前記マスクを移動させるマスクステージと、前記基板を移動させる基板ステージとを備える露光装置であって、
    前記基板ステージを前記第1ステージとして制御し、前記マスクステージを前記第2ステージとして制御する請求項8から請求項13の何れか一項に記載のステージ制御装置を備えることを特徴とする露光装置。
  16. リソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法であって、
    前記リソグラフィ工程において請求項15又は請求項16記載の露光装置を用いて露光を行う露光工程を含むことを特徴とするデバイス製造方法。


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