JP2005049108A - 圧電振動ジャイロセンサと角速度検出装置 - Google Patents

圧電振動ジャイロセンサと角速度検出装置 Download PDF

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Yoshiaki Tanaka
良明 田中
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Abstract

【課題】コリオリ力を利用した圧電振動ジャイロセンサにおいて、検出感度にすぐれ小型化、量産化できる圧電振動ジャイロセンサを提供することを目的とする。
【解決手段】二つの角柱状アーム部と前記アーム部の下端を支持する基底部とが一体となった音叉型振動体と、前記角柱状アーム部に形成した一次電極と、前記アーム部に形成した弾性表面波用IDT(二次電極)とを備える圧電振動ジャイロセンサにおいて、前記二つの弾性表面波用IDT電極を発振素子として利用し、前記弾性表面波用IDT電極にそれぞれ生成される発振信号の周波数差成分を検出部においてデジタル処理し、前記周波数差成分を駆動信号の半周期の時間において周波数をカウントするようにしたことを特徴とする圧電振動ジャイロセンサ。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コリオリ力を利用した圧電振動ジャイロセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
物体の回転を検出するセンサーとして、コリオリ力を応用した圧電振動ジャイロセンサが良く使われている。圧電振動ジャイロセンサは構造が簡単で小型化しやすいため、カメラの手振防止やカーナビゲーションシステム用としても利用価値が大変高い。
【0003】
コリオリ力を応用した圧電振動ジャイロセンサには、振動体の材料や構造、電極の配置、或いは回転の検出方法等含めて様々なタイプが存在する。(例えば、特開平11―37761号公報には4つのタイプの圧電振動ジャイロセンサが開示されている。)
ところで、本発明者は検出用電極に弾性表面波用IDTと、これに適した電極配置構造とを備えた音叉型の圧電振動ジャイロセンサを考案し、特願2002−260777号として出願した。
【0004】
図4は特願2002−260777号における従来の圧電振動ジャイロセンサ本体の外観図である。
図4において、圧電振動ジャイロセンサ本体は二本のアーム部(アーム部1a、1b)と基底部2とが一体になった水晶を用いた音叉型振動体3と、前記アーム部1a、1bそれぞれの表裏面に対向するように平行に配置された長方形状の駆動電極4a、4b(一次電極)と、前記アーム部1a、1bの片面下端に前記駆動電極4a、4bの間にそれぞれ配置された弾性表面波素子用IDT電極5a、5b(二次電極)とを備えている。ここで、アーム部1a、1bの長軸方向は水晶結晶軸のY方向に一致している。
【0005】
図5は従来の圧電振動ジャイロセンサ本体とその周辺回路を示したものである。
図5において、音叉振動体3のアーム部1a、1bの対向する表裏面それぞれに2本ずつ、合計8本の駆動電極4a、4bが配置されている。このうち各4本ずつが互いに図5に図示されない配線パターンによって接続されており、4本ずつペアになった電極間に駆動信号源6が接続され駆動信号が与えられている。またアーム部1a、1bの一方の面に形成した弾性表面波用IDT電極5a、5bが、それぞれ発振回路7a、7bに接続され、前記発振回路7a、7bの発振素子として機能している。
ここで、前記発振回路7a、7bの発振周波数がそれぞれ異なる周波数となるように、それぞれの発振周波数に応じて弾性表面波用IDT電極5a、5bが形成されている。
【0006】
さらに、前記発振回路7a、7bの出力する発振信号A、Bは、前記駆動信号と共に検出部8に供給される。また、前記検出部8は周波数混合部9と周波数検波部10と同期検波部11とを備え、ここで回転速度に比例した直流電圧を生成し検出信号として出力するようになっている。
【0007】
図5に示した従来の圧電振動ジャイロセンサは以下のように動作する。
まず、Y軸周りの回転がない状態を考える。駆動電極4a、4bに駆動信号を印加すると、アーム部1a、1bはそれぞれZ軸方向に屈曲振動を起こす。
このとき、アーム部1a、1bの屈曲状態に対応して、弾性表面波用IDT電極5a、5bの電極間隔が微妙に変化するので、発振信号A、Bの発振周波数が変化する。
このとき、発振信号A、Bは屈曲状態に応じて、周波数が高い状態から低い状態へと変化する周波数変調を受ける。ところが、アーム部1a、1bは互いに同期してZ軸方向に屈曲振動し瞬時の屈曲状態がほぼ同じになるので、発振信号A、Bそれぞれには駆動信号に同期した周波数変調がかかっているものの、発振信号A、Bの周波数差はほぼ一定となっている。
【0008】
従って、この状態(非回転時)で発振信号Aと発振信号Bとを周波数混合部9で混合し両者の周波数差成分を取り出すと、ほぼ一定周波数の成分が得られる。そこで、前記周波数差成分を周波数検波部10で復調するとその復調出力にはほとんど出力信号(駆動信号と同じ周波数成分)は現れない。従って、前記復調出力を前記駆動信号で同期検波しても、検出出力にはほとんど出力信号(直流成分)が現れない。
【0009】
ここで、圧電振動ジャイロセンサにY軸周りの回転が加わると、アーム部1a、1bにはX軸方向に回転速度に比例したコリオリ力が働き、アーム部1はX軸方向にも屈曲振動を起こす。アーム部1a、1bに働くコリオリ力は互いに逆向きに働き、弾性表面波用IDT電極5a、5bの電極間隔が大きく変化する。
このとき、アーム部1a、1bは同期して動くが、一方のアームがX軸+方向に動くとき他方はX軸−方向に動くので、二つの弾性表面波用IDT電極5a、5bそれぞれの電極間隔の変化は逆向きとなる。
【0010】
従って、発振信号A、Bには周波数変調がかかりその最大周波数偏移は回転速度に比例する。また、一方の周波数が高い方向に変化するとき他方は低い方向に変化するため、発振信号A、Bの瞬時周波数には差が生じる。従って、発振信号A、Bを周波数混合部9にて混合し、二つの信号の周波数差成分をとりだすと周波数変調信号が得られる。そして、これを周波数検波部10で復調すると駆動信号と同期した復調信号が出力される。さらに同期検波部11において、前記復調信号を駆動信号にて同期検波すると、復調信号の振幅に比例した検出電圧(直流電圧)が出力される。
【特許文献1】特開平11―37761号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来例を含め、コリオリ力を応用した一般の圧電振動ジャイロセンサには、以下のような問題があった。
すなわち、圧電振動ジャイロセンサの検出部は複雑なアナログ回路で形成しているため、検出部を含めた振動ジャイロセンサ全体の小型化が困難という問題があった。更に、回転速度に対する検出電圧の特性が様々な要因でばらつくので、一定の特性に合わせ込むのが困難であった。例えば、音叉振動体3の寸法ばらつきや一次電極と2次電極の寸法ばらつき、或いは検出部の製造のばらつき等、これらの要因がすべて検出電圧の特性に直接影響し、検出感度がばらついたり、或いは検出電圧全体にオフセット電圧が重畳したりするので、これら全ての製造誤差を極力小さくしたり、或いは個々に所望の特性のものを選別したりといったことが必要になり、検出電圧の特性を所望の特性に合わせ込むのが困難であった。また、これらの製造ばらつきに応じてジャイロセンサの出力側で個別に合わせ込むといった煩雑な調整を必要とする場合もあり量産性に問題を抱えていた。
【0012】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、優れた検出感度を有する一次、二次電極配置構造を持ち、加工方法にも制限が少ない、小型化と量産性に優れた圧電振動ジャイロセンサを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決する為に本発明に係わる請求項1記載の発明は二つの角柱状アーム部と前記アーム部の下端を支持する基底部とが一体となった音叉型振動体と、前記二つの角柱状アーム部に形成した駆動電極(一次電極)と、前記二つのアーム部にそれぞれ形成した第1、第2の弾性表面波用IDT電極(二次電極)とを有する圧電振動ジャイロセンサ本体の出力信号を入力とする角速度検出装置であって、該角速度検出装置は前記第1の弾性表面波用IDT電極を共振素子とする第1の発振部と、前記第2の弾性表面波用IDT電極を共振素子とする第2の発振部と、前記駆動電極に駆動信号を供給する駆動源と、前記第1の発振部の出力信号(第1の発振信号)と前記第2の発振回路の出力信号(第2の発振信号)とを混合し第1の発振信号と第2の発振信号の周波数差成分を出力する周波数混合部と、前記周波数混合部が出力する信号の周波数を前記駆動信号の半周期の時間においてカウントしカウント値として出力する計測手段と、前記計測手段の出力するカウント値を所定回数繰り返して加算する加算手段と、前記加算手段が出力するカウント加算値から所定のオフセット値を加減算するオフセット調整手段と、前記オフセット調整手段が出力する加減算後のカウント加算値を入力し所定の係数を乗算して出力する乗算手段を備えたものである。
【0014】
本発明に係わる請求項2記載の発明は、請求項1において前記オフセット調整手段のオフセット値と、前記加算手段の加算回数と、前記乗算手段の係数とのいずれかを設定可能としたものである。
【0015】
本発明に係わる請求項3記載の発明は、二つの角柱状アーム部と前記アーム部の下端を支持する基底部とが一体となった音叉型振動体と、前記二つの角柱状アーム部に形成した駆動電極(一次電極)と、前記二つのアーム部に形成した第1、第2の弾性表面波用IDT電極(二次電極)とを有する圧電振動ジャイロセンサ本体と、請求項1或いは請求項2いずれか記載の角速度検出装置とを備えたものである。
【0016】
本発明に係わる請求項4記載の発明は、請求項3において前記圧電振動ジャイロセンサ本体は、前記角柱状アーム部の対向する二つの表面それぞれに前記駆動電極を前記長軸方向に沿って所定間隔離して並列配置し、前記角柱状アーム部の一方の表面に前記駆動電極と共に前記弾性表面波用IDT電極を形成したものであって、前記弾性表面波用IDT電極を該角柱状アーム部下端の前記駆動電極の間に配置したものである。
【0017】
本発明に係わる請求項5記載の発明は、請求項3または請求項4において、前記圧電振動ジャイロセンサ本体の素材をXカットの水晶とし、前記角柱状アーム部の長軸方向を水晶結晶軸のY方向としたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図示した実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は本発明に係わる圧電振動ジャイロセンサの検出部とその周辺ブロックを示したものである。ここで、圧電振動ジャイロセンサの本体となる音叉型振動体については図4に示した従来例と同じなので説明を省略する。
図1において圧電振動ジャイロセンサは、図示しない音叉型振動体3(圧電振動ジャイロセンサ本体)と、検出部12と、前記音叉型振動体3に供給する駆動信号を生成するための音叉駆動用共振子13とを備えている。そして、前記検出部12は、弾性表面波用IDT電極5a、5bに接続して発振回路を形成する発振用増幅部14a、14bと、前記発振用増幅部14a、14bの発振出力信号を増幅すると共に後段への影響を緩衝するバッファアンプ15a、15bと、前記バッファアンプ15a、15bの出力を混合し周波数差成分信号を出力する周波数混合部16と、前記音叉駆動用共振子13に接続されて発振回路を形成し駆動信号として出力すると共にこれを駆動電極4a、4bに供給する発振増幅部14cと、前記発振増幅部14cの出力する駆動信号を増幅すると共に後段への影響を緩衝するバッファアンプ15cと、前記バッファアンプ15cの出力信号の位相を所定量移相しタイミング補正したゲートパルスを出力する移相器17と、前記移相器17の出力するゲートパルスによって前記周波数混合部16の出力する周波数差成分信号の周波数をカウントするインターバルカウンタ18(計数手段)と、前記インターバルカウンタ18の出力するカウント値を所定回数加算しカウント加算値として出力する加算器19と、前記加算器19の出力するカウント加算値に対して所定のオフセット値を与える減算器20と、前記減算器20が出力するカウント値に対し所定の係数を乗算し検出感度の調整をするための乗算器21と、前記移相器17の移相量と前記加算器19の加算回数と前記減算器20のオフセット値と前記乗算器21の係数を設定するための記憶手段22とを備えている。なお、この例では音叉型振動体3に形成された前記弾性表面波用IDT電極5a、5bはそれぞれ中心周波数205MHz、195MHzの発振素子として機能するものとし、発振用増幅部14a、14bと一体になってそれぞれ、発振周波数205MHz、195MHzの発振回路を形成している。また、前記音叉駆動用共振子12は共振周波数が30kHzの発振素子として機能し、発振用増幅器14cと一体になって発振周波数が30kHzの発振回路を形成し駆動電極4a、4bに駆動信号を供給している。
【0019】
図1に示した圧電振動ジャイロセンサは以下のように動作する。
まず、圧電振動ジャイロセンサが回転していない状態を考える。図示しない駆動電極4a、4bへ駆動信号を印加すると、アーム部1a、1bはそれぞれ図4に示したZ軸方向に駆動周波数30kHzの屈曲振動を起こす。
このとき、アーム部1a、1bの屈曲状態に対応して、弾性表面波用IDT電極4a、4bの電極間隔が微妙に変化し、発振信号A、Bの発振周波数fa、fbがそれぞれ中心周波数205MHz、195MHzから変化する。
このとき、発振信号A、Bは屈曲状態に応じて、周波数が高い状態から低い状態へと変化する変調周波数30kHzの周波数変調を受ける。ところが、アーム部1a、1bは互いに同期してZ軸方向に屈曲振動し瞬時の屈曲状態がほぼ同じになるので、発振信号A、Bそれぞれには駆動信号に同期して変調周波数30kHzの周波数変調がかかっているものの、発振信号A、Bの周波数差(fa−fb)はほぼ10MHz一定となっている。
【0020】
従って、この状態において、発振増幅部14aの出力信号(発振信号A)と発振増幅部14bの出力信号(発振信号B)とをそれぞれバッファアンプ15a、15bを介してミキサ16で混合すると、その出力信号は周波数がほぼ10MHz一定のものとなり、これがインターバルカウンタ18に供給される。
一方、発振増幅部14cの出力する駆動信号をバッファアンプ15cを介して移相器17に供給する。移相器17は前記駆動信号の位相を予め設定されている所定量分シフトしてタイミングの補正及びデューティ比が1対1となるよう波形成形を施しゲートパルスとしてインターバルカウンタ18に供給する。
そこで、インターバルカウンタ18は前記ゲートパルスがHiになっている期間(駆動信号の半周期)において、前記周波数混合部16の出力信号の周波数(パルス数)をカウントし、駆動信号の一周期毎にその結果をカウント値として出力する。
【0021】
そこで、加算器19は前記インターバルカウンタ18の出力するカウント値を予め設定した所定回数分、駆動信号の一周期毎に加算していきこれをカウント加算値として保持すると共に、加算回数が前記所定回数に達するとカウント加算値として乗算器21に供給しこれをリセットする。
つぎに、減算器20は入力したカウント加算値に対し、これをゼロとするよう予め設定しておいたオフセット値で減算し、乗算器21へ供給する。
そして、前記減算器20の出力は乗算器21において予め設定された係数を乗算され、これをカウント補正値(検出出力)として出力する。ここで、回転がない状態における前記減算器20の出力がゼロとなるように前記減算器20のオフセット値が記憶手段22を介して設定されているので、前記乗算器21の出力(カウント補正値)はこの状態でゼロとなっている。
【0022】
次に圧電振動ジャイロセンサにおいて、図2に示すようなY軸周りの回転(回転方向1)が加えた状態を考える。回転時にアーム部に働くコリオリ力によって、図2のようにアーム部1aはX方向に、アーム部1bは−X方向にたわむ。このたわみによって、アーム部1aに配置された弾性表面波用IDT電極5aはその電極ピッチが縮まりその共振周波数(発振信号Aの発振周波数)が205MHzより高くなる。同時にアーム部1bにおいては弾性表面波用IDT電極5bの電極ピッチが広がることによって共振周波数(発振信号Bの発振周波数)が195MHzより低くなる。
従って、弾性表面波用IDT電極5a、5b(SAW共振子)それぞれの共振周波数の周波数差が10MHz以上に広がる。一方、回転方向が逆(回転方向▲2▼の状態)になると、アーム部1a、1bに働くコリオリ力がそれぞれ反転するので両者の周波数差が10MHz以下に縮まる。
【0023】
ここで、発振信号A、Bの発振周波数fa、fbの時間的変化について簡単に説明する。図3は振動ジャイロセンサに回転が加わってアーム部1a、1bにコリオリ力が働いた状態における、発振信号A、Bの発振周波数fa、fbの時間的変化を図示したものである。
【0024】
図3において、縦軸は周波数、横軸は時間を示している。図3において発振信号Aの周波数faは実線(回転方向1のとき)で示す様に中心周波数205MHz、変調周波数30kHzの周波数変調を受けた状態になっている。
一方、発振信号Bの周波数fbは実線(回転方向1のとき)で示すような中心周波数195MHz、変調周波数30kHzの周波数変調を受けた状態になっている。
ここで、発振信号Aと発振信号Bそれぞれは変調周波数30kHzの一周期において、半周期は周波数が中心周波数から増加する方向に変化し、残りの半周期は周波数が中心周波数から減少する方向に変化している。
しかしながら、前述したように一方が中心周波数から増加しているときには他方は中心周波数から減少する方向に変化し、更に、一方が中心周波数から減少しているときには他方は増加する方向に変化するので、発振信号AとBの周波数差(fa−fb)は常に変化し、図3の実線で示すように中心周波数10MHz、変調周波数30kHzの周波数変調を受けた信号となる。
【0025】
一方、振動ジャイロセンサにおいて図2に示すようなY軸周りの回転(回転方向2)が加わると、アーム部1a、1bそれぞれに働くコリオリ力は回転方向1のときに働いたものとは反対向きになるので、これに応じて発振信号A、Bの発振周波数fa、fbの変化する方向がそれぞれ反転し、図3の点線のような周波数変化を示す。よって、発振信号AとBの周波数差(fa−fb)の変化する方向も同様に反転し、図3の点線のような変化を示す。
【0026】
そこで、回転方向1の状態を考える。図1において、発振信号A、Bの周波数差成分を周波数混合部16にて混合すると中心周波数10MHz、変調周波数30kHzの周波数変調信号が得られる。これを駆動信号の半周期においてインターバルカウンタ18でカウントすると平均周波数が10MHz以上の信号としてカウントされ、そのカウント値が加算器19に出力される。加算器19は前記カウント値を所定回数加算し、カウント加算値として減算器20へ供給する。そこで、減算器20は前記カウント加算値から予め設定されたオフセット値(無回転時のカウント加算値)を減算して出力する。ところが、前記インターバルカウンタ18でカウントする信号の平均周波数が10MHzを越えているので、前記減算器20でオフセット値を減算すると、無回転時に対する増加分としてそのカウント加算値(符合は+)が出力される。そして、前記減算器20の出力は乗算器21において一定係数を乗算された後カウント補正値(検出出力)として出力される。
【0027】
次に回転方向が逆(図2、回転方向2)の状態を考える。この場合、発振信号AとBの周波数差(fa−fb)は図3の点線で示すように変化し、駆動信号の半周期においてその平均周波数は10MHzより小さくなっている。
従って、減算器20でオフセット値を減算すると、無回転時に対する減少分としてそのカウント加算値(符合は−)が出力される。そして、これが乗算器21において一定係数を乗算された後カウント補正値(符合は−)として出力される。
このように、乗算器21の出力(カウント補正値)を検出出力とすれば、カウント補正値の絶対値で回転速度を判定し、またその符号で回転方向を区別することができる。
【0028】
なお、上述したように、移相器17の移相量、加算器19の加算回数、減算器20のオフセット量、及び乗算器21の係数は、いずれも記憶手段22において予め設定するようになっているが、検出部13全体を音叉型振動体3(圧電振動ジャイロセンサ本体)に接続した状態において、次のような手順で設定するのが望ましい。
まず、回転がない状態で乗算器21の出力がゼロとなるように減算器20のオフセット値を設定する。次に所定の回転角速度を音叉型振動体に与え、乗算器21の出力値を測定する。
【0029】
そこで、移相器17の移相量の設定値を変化させ前記乗算器21の出力が最大となるようにする。これは、駆動信号のタイミングと、アーム部1a、1bのコリオリ力に対する応答タイミングとのズレを補正し、検出感度を最大にすることを目的としている。最後に、乗算器21の出力が所定の値となるように係数を設定する。
なお、前記移相器17の移相量の設定後、オフセット値の調整が微妙にずれることが考えられるので、前記手順を2回繰り返すのが望ましい。
【0030】
以上の手順で、音叉型振動体と検出部を含め振動ジャイロセンサ全体の製造ばらつきを吸収し、回転角速度に対する検出感度を所望値に合わせこむことが可能となる。なお、量産時において以上の調整手順を全て自動化しておくことが望ましいことは言うまでもない。
【0031】
なお、本実施例において、振動ジャイロセンサの本体部分(音叉型振動体)の素材をXカットの水晶とし、角柱状アーム部の長軸方向を水晶結晶軸のY方向としたが本発明にあってはこれに限らず、音叉型振動体の素材を別の圧電体としてもよい。いずれの場合においても、音叉型振動体で弾性表面波用IDT電極を二つ(2対)備え、前記弾性表面波用IDT電極(SAW共振子)の共振周波数の差が、駆動信号の周波数より高くなる設定であれば、前記共振周波数の組み合わせはどのようなものであってもよい。本実施例においては、共振周波数の差を10MHzとし、駆動信号の周波数を30kHzとしたが、加算器19の加算回数を3000回とすると、角測度を検出するのに必要な時間は約3000/30kHz=0.1秒となる。
これらの設定値は要求仕様に応じて適切な値に設定することが可能である。
【0032】
【発明の効果】
本発明により、Xカット水晶を素材としたアーム部の対向する表裏面それぞれに駆動電極を並列配置し、アーム部下端において前記並列配列した駆動電極の間に弾性表面波素子用IDT電極を配置した音叉振動体を用い、前記二つの弾性表面波用IDT電極を異なる周波数の発振素子として利用し、前記弾性表面波用IDT電極にそれぞれ生成される発振信号の周波数差成分を検出部においてデジタル処理し、駆動信号の半周期の時間においてカウントするようにしたので、検出感度にすぐれ、小型化と量産化を図ることのできる振動ジャイロセンサを提供するのに著効を奏す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧電振動ジャイロセンサの検出部のブロック図。
【図2】本発明に係る圧電振動ジャイロセンサに働くコリオリ力を説明した図。
【図3】本発明に係る圧電振動ジャイロセンサの検出部に入力される信号の周波数変化を説明した図。
【図4】従来の圧電振動ジャイロセンサ本体の外観図。
【図5】従来の圧電振動ジャイロセンサの検出部のブロック図
【符号の説明】
1a、1b…アーム部
2…基底部
3…音叉型振動体
4a、4b…駆動電極(一次電極)
5a、5b…弾性表面波用IDT電極(二次電極)
6…駆動信号源
7a、7b…発振回路
8、12…検出部
9、16…周波数混合部
10…周波数検波部
11…同期検波部
13…音叉駆動用共振子
14a、14b、14c…発振用増幅部
15a、15b、15c…バッファアンプ
17…移相器
18…インターバルカウンタ
19…加算器
20…減算器
21…乗算器
22…記憶手段

Claims (5)

  1. 二つの角柱状アーム部と前記アーム部の下端を支持する基底部とが一体となった音叉型振動体と、前記二つの角柱状アーム部に形成した駆動電極(一次電極)と、前記二つのアーム部にそれぞれ形成した第1、第2の弾性表面波用IDT電極(二次電極)とを有する圧電振動ジャイロセンサ本体の出力信号を入力とする角速度検出装置であって、該角速度検出装置は前記第1の弾性表面波用IDT電極を共振素子とする第1の発振部と、前記第2の弾性表面波用IDT電極を共振素子とする第2の発振部と、前記駆動電極に駆動信号を供給する駆動源と、前記第1の発振部の出力信号(第1の発振信号)と前記第2の発振回路の出力信号(第2の発振信号)とを混合し第1の発振信号と第2の発振信号の周波数差成分を出力する周波数混合部と、前記周波数混合部が出力する信号の周波数を前記駆動信号の半周期の時間においてカウントしカウント値として出力する計数手段と、前記計数手段の出力するカウント値を所定回数繰り返して加算しカウント加算値として出力する加算手段と、前記加算手段が出力するカウント加算値から所定のオフセット値を加減算するオフセット調整手段と、前記オフセット調整手段が出力する加減算後のカウント加算値を入力し所定の係数を乗算して出力する乗算手段を備えたことを特徴とする角速度検出装置。
  2. 前記オフセット調整手段のオフセット値と、前記加算手段の加算回数と、前記乗算手段の係数とのいずれかを設定可能としたことを特徴とする請求項1記載の角速度検出装置。
  3. 二つの角柱状アーム部と前記アーム部の下端を支持する基底部とが一体となった音叉型振動体と、前記二つの角柱状アーム部に形成した駆動電極(一次電極)と、前記二つのアーム部に形成した第1、第2の弾性表面波素子用IDT電極(二次電極)とを有する圧電振動ジャイロセンサ本体と、請求項1或いは請求項2いずれか記載の角速度検出装置とを備えたことを特徴とする圧電振動ジャイロセンサ。
  4. 前記圧電振動ジャイロセンサ本体は、前記角柱状アーム部の対向する二つの表面それぞれに前記駆動電極を前記長軸方向に沿って所定間隔離して並列配置し、前記角柱状アーム部の一方の表面に前記駆動電極と共に前記弾性表面波素子用IDT電極を形成したものであって、前記弾性表面波素子用IDT電極を該角柱状アーム部下端の前記駆動電極の間に配置したことを特徴とする請求項3記載の圧電振動ジャイロセンサ。
  5. 前記圧電振動ジャイロセンサ本体の素材をXカットの水晶とし、前記角柱状アーム部の長軸方向を水晶結晶軸のY方向としたことを特徴とする請求項3または請求項4記載の圧電振動ジャイロセンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110879408A (zh) * 2019-11-19 2020-03-13 东软医疗系统股份有限公司 Ct旋转编码器、ct机及检测扫描架旋转角度的方法

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