JP2005048707A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 駆動軸と同期して回転する第一回転部材11、従動軸と同期して回転する第二回転部材16、第一回転部材11と回り対偶により連繋する第一腕部材28、並びに第二回転部材16及び第一腕部材28と回り対偶により連繋する第二腕部材29から位相変化機構10を構成する。位相変化機構10は、制御手段の制御に従う第一腕部材28及び第二腕部材29の運動を第一回転部材11に対する第二回転部材16の相対回転運動に変換することで、駆動軸に対する従動軸の回転位相を変化させる。
【選択図】 図1
Description
特許文献1に開示のバルブタイミング調整装置は、駆動軸と同期して回転するスプロケットと、従動軸と同期して回転するレバー部材とをリンクアームで連繋してなる位相変化機構を備えている。位相変化機構は、作動機構により制御されるリンクアームの運動をスプロケットに対するレバー部材の相対回転運動に変換することで、駆動軸に対する従動軸の回転位相を変化させる。
本発明の目的は、位相変化機構への作用力により駆動軸に対する従動軸の回転位相が変動することを防止するバルブタイミング調整装置を提供することにある。
尚、請求項6に記載の発明のように、遅角方向において、第一回転部材及び第一腕部材がなす回り対偶、第一腕部材及び第二腕部材がなす回り対偶、並びに第二回転部材及び第二腕部材がなす回り対偶が、この順に又はこの逆順に並ぶようにしてもよい。
請求項8に記載の発明によると、アクチュエータは、制御トルクを発生する電動機を具備する。これにより、アクチュエータの構成を簡素化しつつ、制御トルクを確実に発生させることができる。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置を図2に示す。第一実施形態のバルブタイミング調整装置1は、エンジンにおいて駆動軸としてのクランクシャフトの駆動トルクを従動軸としてのカムシャフト2に伝達する伝達系に設けられている。バルブタイミング調整装置1は、クランクシャフトに対するカムシャフト2の回転位相を変化させることで、エンジンの吸気弁もしくは排気弁のバルブタイミングを調整する。
ハウジング31はステー35を介してエンジンに固定されている。ハウジング31には二つの軸受32及びステータ34が収容固定されている。
リングギア21は入力筒部13の内周壁に同心上に固定されている。リングギア21は、歯先曲面が歯底曲面の内周側にある内歯車で構成されている。リングギア21はスプロケット11と一体となって回転中心線O周りに図6の時計方向に回転する。
遊星歯車22は、歯先曲面が歯底曲面の外周側にある外歯車で構成されている。遊星歯車22の歯先曲面の曲率半径はリングギア21の歯底曲面の曲率半径よりも小さく、遊星歯車22の歯数はリングギア21の歯数よりも1つ少ない。遊星歯車22は、複数の歯の一部をリングギア21の複数の歯の一部に噛み合わせる形態でリングギア21の内周側に遊星運動可能に配設されている。遊星歯車22には円筒孔22bが同心上に形成されており、偏心軸19の一端部がベアリング23を介して円筒孔22bに相対回転可能に嵌合されている。この嵌合により偏心軸19及び回転軸33がスプロケット11に対して進角方向X及び遅角方向Yに相対回転可能となっている。
以上、制御トルクを発生する電動機30及び制御トルクを案内部材25に伝達する減速機20からなるアクチュエータ、案内部材25、並びに可動体26を有する制御手段を装置1は備えている。
尚、腕部材28の長さを腕部材29の長さよりも長く設定することで、回り対偶80、回り対偶82及び回り対偶84が遅角方向Yにおいて常にこの順に並ぶようにしてもよい。
本発明の第二実施形態によるバルブタイミング調整装置を図12に示す。第二実施形態は第一実施形態の変形例であり、第一実施形態と実質的に同一の構成部分には同一符号を付す。
第二実施形態の位相変化機構100では、第一実施形態と同様な腕部材28,29の長さ及び角θを採用しているが、回り対偶82、回り対偶80及び回り対偶84が遅角方向Yにおいて常にこの逆順に並ぶようにして位相変化機構10の小型化を図っている。
尚、腕部材28の長さを腕部材29の長さよりも長く設定することで、回り対偶80、回り対偶82及び回り対偶84が遅角方向Yにおいて常にこの逆順に並ぶようにしてもよい。
本発明の第三実施形態によるバルブタイミング調整装置を図13に示す。第三実施形態は第一実施形態の変形例であり、第一実施形態と実質的に同一の構成部分には同一符号を付す。
第三実施形態の位相変化機構150では、第一実施形態と同様な腕部材28,29の長さを採用しているが、位相変化機構10の任意の作動状態において90°<θ<180°を満たす角θを採用している。これにより、回り対偶82、回り対偶84及び回り対偶80が遅角方向Yにおいて常にこの順に並ぶ。
このように作動する位相変化機構150を備えた第三実施形態のバルブタイミング調整装置は吸気弁もしくは排気弁のバルブタイミングを調整するものであり、第一実施形態と同様な作用効果を発揮できる。
本発明の第四実施形態によるバルブタイミング調整装置を図15に示す。第四実施形態は第一実施形態の変形例であり、第一実施形態と実質的に同一の構成部分には同一符号を付す。
第四実施形態では、各可動体26の芯部材70が、対応腕部材29において有底円筒形状を呈する孔部57の底壁200と伝達部材24との間に挟持されている。そのため、芯部材70の部分70bの外周壁は対応腕部材29の孔部57のみに回り対偶により嵌合し、腕部材28の孔部53には嵌合していない。その代わりに、孔部57と同心の円柱状に板面29bから突出する軸部210が各腕部材29に一体形成され、各腕部材29の軸部210が対応する腕部材28の孔部53に相対回転可能に同心嵌合している。以上、第四実施形態において腕部材28と腕部材29とがなす回り対偶84は、それら部材28,29に形成された孔部53と軸部210との嵌合により構成されている。このような第四実施形態では、第一実施形態と同様に作動し、また第一実施形態と同様な作用効果が得られる。
尚、上述したように軸部210を腕部材29に一体形成することで第一実施形態に比べて部品点数が削減されるが、腕部材29とは別に形成した軸部210を腕部材29に圧入又は溶着して一体化するようにしてもよい。
本発明の第五実施形態によるバルブタイミング調整装置を図16に示す。第五実施形態は第一実施形態の変形例であり、第一実施形態と実質的に同一の構成部分には同一符号を付す。
第五実施形態では、案内部材25の各案内孔部62が形成する案内路64の形状について、回転中心線O周りに曲率が漸次変化する渦巻形状を採用している。この渦巻形状は、案内部材25の径方向軸線に対し傾斜して延伸すると共に回転中心線Oからの径方向距離が変化する形状であり、特に本実施形態では回転中心線Oから離れるに従って遅角方向Yに傾斜する形状である。
さらに第一〜第五実施形態では、腕部材28,29において回り対偶84をなす端部28d,29dの孔部53,57に可動体26を嵌合している。これに対し、腕部材28,29において端部28d,29dを除く部分に可動体26を嵌合するようにしてもよい。
Claims (10)
- 内燃機関において吸気弁及び排気弁の少なくとも一方の弁を開閉駆動する従動軸に駆動軸の駆動トルクを伝達する伝達系に設けられ、前記少なくとも一方の弁の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、
前記駆動軸と同期して回転する第一回転部材、前記従動軸と同期して回転する第二回転部材、前記第一回転部材と回り対偶により連繋する第一腕部材、並びに前記第二回転部材及び前記第一腕部材と回り対偶により連繋する第二腕部材を組み合わせて構成される位相変化機構と、
前記第一腕部材及び前記第二腕部材の少なくとも一方である制御対象部材の運動を制御する制御手段と、
を備え、
前記位相変化機構は、前記制御手段の制御に従う前記制御対象部材の運動を前記第一回転部材に対する前記第二回転部材の相対回転運動に変換することで、前記駆動軸に対する前記従動軸の回転位相を変化させることを特徴とするバルブタイミング調整装置。 - 前記第一回転部材及び前記第一腕部材がなす回り対偶、前記第二回転部材及び前記第二腕部材がなす回り対偶、並びに前記第一腕部材及び前記第二腕部材がなす回り対偶のうち少なくとも一つは、その回り対偶をなす二部材にそれぞれ設けられた孔部が共通の軸体と嵌合することによって構成されることを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記第一回転部材及び前記第一腕部材がなす回り対偶、前記第二回転部材及び前記第二腕部材がなす回り対偶、並びに前記第一腕部材及び前記第二腕部材がなす回り対偶のうち少なくとも一つは、その回り対偶をなす二部材の一方と他方とにそれぞれ設けられた軸部と孔部との嵌合によって構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記第一回転部材に対し前記第二回転部材が遅角する方向において、前記第二回転部材及び前記第二腕部材がなす回り対偶、前記第一回転部材及び前記第一腕部材がなす回り対偶、並びに前記第一腕部材及び前記第二腕部材がなす回り対偶は、この順に又はこの逆順に並ぶことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記第一回転部材に対し前記第二回転部材が遅角する方向において、前記第一回転部材及び前記第一腕部材がなす回り対偶、前記第二回転部材及び前記第二腕部材がなす回り対偶、並びに前記第一腕部材及び前記第二腕部材がなす回り対偶は、この順に又はこの逆順に並ぶことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記第一回転部材に対し前記第二回転部材が遅角する方向において、前記第一回転部材及び前記第一腕部材がなす回り対偶、前記第一腕部材及び前記第二腕部材がなす回り対偶、並びに前記第二回転部材及び前記第二腕部材がなす回り対偶は、この順に又はこの逆順に並ぶことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記制御手段は、前記制御対象部材に回り対偶により嵌合する可動体、滑り回り対偶により前記可動体が嵌合する案内部材であって制御トルクの伝達により前記第一回転部材に対し相対回転することで前記可動体を滑り方向に案内する案内部材、並びに前記制御トルクを前記案内部材に伝達するアクチュエータを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記アクチュエータは、前記制御トルクを発生する電動機を具備することを特徴とする請求項7に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記案内部材は、径方向軸線に対し傾斜して延伸すると共に回転中心からの径方向距離が変化する案内路を形成し、前記案内路の幅方向両側から前記可動体に嵌合しており、
前記可動体は、前記案内部材に対し前記案内路の延伸方向に相対滑り可能であることを特徴とする請求項7又は8に記載のバルブタイミング調整装置。 - 前記可動体が前記案内部材に対し前記案内路の延伸方向に相対滑りしつつ前記制御対象部材を動かすことによって、前記第一回転部材に対する前記第二回転部材の回転位相が前記第一回転部材に対する前記案内部材の回転位相に比例して変化することを特徴とする請求項9に記載のバルブタイミング調整装置。
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