JP2005048707A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 位相変化機構への作用力により駆動軸に対する従動軸の回転位相が変動することを防止するバルブタイミング調整装置を提供する。
【解決手段】 駆動軸と同期して回転する第一回転部材11、従動軸と同期して回転する第二回転部材16、第一回転部材11と回り対偶により連繋する第一腕部材28、並びに第二回転部材16及び第一腕部材28と回り対偶により連繋する第二腕部材29から位相変化機構10を構成する。位相変化機構10は、制御手段の制御に従う第一腕部材28及び第二腕部材29の運動を第一回転部材11に対する第二回転部材16の相対回転運動に変換することで、駆動軸に対する従動軸の回転位相を変化させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、吸気弁及び排気弁の少なくとも一方の弁の開閉タイミング(以下、バルブタイミングという)を調整する内燃機関(以下、エンジンという)のバルブタイミング調整装置に関する。
従来、バルブタイミング調整装置は、エンジンにおいて吸気弁及び排気弁の少なくとも一方の弁を開閉駆動する従動軸に駆動軸の駆動トルクを伝達する伝達系に設けられ、駆動軸に対する従動軸の回転位相を変化させることでバルブタイミングを調整する。
特許文献1に開示のバルブタイミング調整装置は、駆動軸と同期して回転するスプロケットと、従動軸と同期して回転するレバー部材とをリンクアームで連繋してなる位相変化機構を備えている。位相変化機構は、作動機構により制御されるリンクアームの運動をスプロケットに対するレバー部材の相対回転運動に変換することで、駆動軸に対する従動軸の回転位相を変化させる。
特開2002−227616号公報
しかし特許文献1の位相変化機構では、リンクアームに設けた可動操作部材に保持されるガイドボールがスプロケットの摺動用溝に対し相対滑り可能に嵌合している。そのためリンクアームの可動操作部材は、エンジンの変動トルク等といった位相変化機構への作用力によって、摺動用溝の長手方向に傾斜するようにして当該溝を相対滑りすることがある。この場合には、可動操作部材が相対滑りした分、駆動軸に対する従動軸の回転位相に変動が生じてしまう。
本発明の目的は、位相変化機構への作用力により駆動軸に対する従動軸の回転位相が変動することを防止するバルブタイミング調整装置を提供することにある。
請求項1〜10に記載の発明によると、位相変化機構は、駆動軸と同期して回転する第一回転部材、従動軸と同期して回転する第二回転部材、第一腕部材並びに第二腕部材を組み合わせて構成される。この位相変化機構において、第一腕部材は第一回転部材と回り対偶により連繋し、また第二腕部材は第二回転部材及び第一腕部材と回り対偶により連繋している。即ち位相変化機構を構成する部材同士が回り対偶により連繋している。そのため、エンジンの変動トルクといった大きな力が位相変化機構に作用しても、回り対偶をなす二部材の一方が他方に対して実質的に相対滑りしないので、駆動軸に対する従動軸の回転位相の変動が防止される。
請求項2に記載の発明によると、第一回転部材及び第一腕部材がなす回り対偶、第二回転部材及び第二腕部材がなす回り対偶、並びに第一腕部材及び第二腕部材がなす回り対偶のうち少なくとも一つは、その回り対偶をなす二部材にそれぞれ設けられた孔部が共通の軸体と嵌合することによって構成される。これにより、位相変化機構を構成する各部材の形成が容易になる。尚、この発明において回り対偶をなす二部材は、軸体が嵌合する孔部の周囲において互いに接触していてもよいし、互いに接触していなくてもよい。
請求項3に記載の発明によると、第一回転部材及び第一腕部材がなす回り対偶、第二回転部材及び第二腕部材がなす回り対偶、並びに第一腕部材及び第二腕部材がなす回り対偶のうち少なくとも一つは、その回り対偶をなす二部材の一方と他方とにそれぞれ設けられた軸部と孔部との嵌合によって構成される。これにより、部品点数の削減が可能になる。
請求項4に記載の発明によると、第一回転部材に対し第二回転部材が遅角する方向(以下、単に遅角方向という)において、第二回転部材及び第二腕部材がなす回り対偶、第一回転部材及び第一腕部材がなす回り対偶、並びに第一腕部材及び第二腕部材がなす回り対偶は、この順に又はこの逆順に並ぶ。請求項5に記載の発明によると、遅角方向において、第一回転部材及び第一腕部材がなす回り対偶、第二回転部材及び第二腕部材がなす回り対偶、並びに第一腕部材及び第二腕部材がなす回り対偶は、この順に又はこの逆順に並ぶ。このような請求項4及び5に記載の発明によれば、位相変化機構の小型化が可能となる。
尚、請求項6に記載の発明のように、遅角方向において、第一回転部材及び第一腕部材がなす回り対偶、第一腕部材及び第二腕部材がなす回り対偶、並びに第二回転部材及び第二腕部材がなす回り対偶が、この順に又はこの逆順に並ぶようにしてもよい。
請求項7〜10に記載の発明によると、第一腕部材及び第二腕部材の少なくとも一方である制御対象部材の運動を制御する制御手段は、可動体、案内部材並びにアクチュエータを有している。ここで可動体は、制御対象部材に回り対偶により嵌合している。また、滑り回り対偶により可動体が嵌合する案内部材は、アクチュエータからの制御トルクの伝達により第一回転部材に対し相対回転することで可動体を滑り方向に案内する。このような構成によれば、案内部材の案内による可動体の運動に従って正確に制御対象部材を運動させることができる。
請求項8に記載の発明によると、アクチュエータは、制御トルクを発生する電動機を具備する。これにより、アクチュエータの構成を簡素化しつつ、制御トルクを確実に発生させることができる。
請求項9に記載の発明によると、案内部材は、径方向軸線に対し傾斜して延伸すると共に回転中心線からの径方向距離が変化する案内路を形成し、その案内路の幅方向両側から可動体に嵌合している。これにより、アクチュエータから案内部材に制御トルクを伝達してその案内部材を第一回転部材に対し相対回転させることで、可動体を案内部材に対して容易に相対滑りさせることができる。
請求項10に記載の発明によると、可動体が案内部材に対し案内路の延伸方向に相対滑りしつつ制御対象部材を動かすことによって、第一回転部材に対する第二回転部材の回転位相が第一回転部材に対する案内部材の回転位相に比例して変化する。そのため、第一回転部材に対する案内部材の回転位相を制御することで、第一回転部材に対する第二回転部材の回転位相ひいては駆動軸に対する従動軸の回転位相を精密に調整できる。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置を図2に示す。第一実施形態のバルブタイミング調整装置1は、エンジンにおいて駆動軸としてのクランクシャフトの駆動トルクを従動軸としてのカムシャフト2に伝達する伝達系に設けられている。バルブタイミング調整装置1は、クランクシャフトに対するカムシャフト2の回転位相を変化させることで、エンジンの吸気弁もしくは排気弁のバルブタイミングを調整する。
図1及び図2に示す位相変化機構10は、スプロケット11、出力軸16、腕部材28,29を組み合わせて構成され、クランクシャフトに対するカムシャフト2の回転位相を変化させる。尚、図1及び後に説明する図4、図7及び図8では、断面を表すハッチングを省略している。
スプロケット11は、支持筒部12、支持筒部12より大径の入力筒部13、支持筒部12と入力筒部13との間を階段状に繋ぐリンク部14を一体に有している。支持筒部12は、出力軸16の外周壁により回転中心線O周りに相対回転可能に支持されている。入力筒部13に形成された複数の歯13aとクランクシャフトに形成された複数の歯とにチェーンベルトが掛け渡される。クランクシャフトの駆動トルクがチェーンベルトを通じて入力筒部13に入力されるとき、スプロケット11はクランクシャフトに対する回転位相を保ちつつ回転中心線Oの周りに図1の時計方向に回転する。即ちスプロケット11は、クランクシャフトと同期して回転する第一回転部材である。
出力軸16は、固定部17及びリンク部18を一体に有している。固定部17の一端部にカムシャフト2の一端部が同心上にボルト固定されており、出力軸16はカムシャフト2に対する回転位相を保ちつつ回転中心線O周りに回転する。即ち出力軸16は、カムシャフト2と同期して回転する第二回転部材である。この同期回転によりスプロケット11に対する出力軸16の回転位相は、クランクシャフトに対するカムシャフト2の回転位相と実質的に一致する。
腕部材28,29は、入力筒部13に固定のカバー15とリンク部14とによって、リンク部18、案内部材25、可動体26、並びに減速機20の遊星歯車22及び伝達部材24と共に挟持されている。腕部材28はリンク部14と回り対偶により連繋し、腕部材29はリンク部18及び腕部材28と回り対偶により連繋している。かかる連繋構造により出力軸16は、クランクシャフトの回転に伴ってスプロケット11と同じ図1の時計方向に回転する。また、かかる連繋構造により出力軸16は、スプロケット11に対して遅角する方向である遅角方向Yと、スプロケット11に対して進角する方向である進角方向Xとに相対回転可能となっている。腕部材28,29はさらに、回り対偶によって可動体26に嵌合し連繋している。そのため位相変化機構10では、可動体26の動きに応じて腕部材28,29が運動し、その腕部材28,29の運動がスプロケット11に対する出力軸16の相対回転運動に変換される。
図2〜図4に示す案内部材25は円形平板状を呈し、両板面25a,25bが回転中心線Oの平行線に垂直となる形態で配設されている。案内部材25には、板面25bから突出する固定部材60が一体に形成されている。固定部材60に伝達部材24が嵌合固定されているので、案内部材25及び伝達部材24は回転中心線O周りに一体回転可能となっている。案内部材25は、可動体26を案内する案内孔部62を回転中心線Oを挟む二箇所に有している。各案内孔部62は案内部材25の両板面25a,25bに開口し、互いに180°の回転対称となるように配設されている。各案内孔部62は、その互いに向き合う内壁部62a,62b間に案内路64を形成している。各案内孔部62が形成する案内路64は、案内部材25の径方向軸線に対し傾斜して延伸すると共に回転中心線Oからの径方向距離が変化する形状を呈している。特に本実施形態の案内路64は、回転中心線Oから離れるに従って遅角方向Yに傾斜する直線状に延伸している。
軸体としての可動体26は案内孔部62に対応して二つ設けられており、各可動体26は芯部材70及び殻部材72を組み合わせて構成されている。殻部材72は円筒状を呈し、円柱状を呈する芯部材70の一端部70aの外周壁に同心嵌合している。芯部材70及び殻部材72の各中心線が回転中心線Oに対し偏心する形態で、芯部材70が伝達部材24とリンク部14の間に挟持されると共に殻部材72が伝達部材24と腕部材29の間に挟持されている。殻部材72の外周壁には、対応する案内孔部62の内壁部62a,62bが案内路64の幅方向両側から嵌合している。この嵌合形態において殻部材72は案内孔部62に対して相対回転可能且つ案内路64の延伸方向に相対滑り可能となっている。即ち殻部材72は案内部材25に滑り回り対偶により嵌合している。
図2及び図5に示す電動機30は、ハウジング31、軸受32、回転軸33、ステータ34等から構成されている。
ハウジング31はステー35を介してエンジンに固定されている。ハウジング31には二つの軸受32及びステータ34が収容固定されている。
回転軸33は各軸受32により回転中心線O方向の二箇所を支持され、回転中心線O周りに回転可能である。回転軸33は、偏心軸19に軸継手36を介して連結固定されており、偏心軸19と一体となって図5の時計方向に回転する。回転軸33は、その本体33aから径方向外側に突出する円形板状のロータ部33bを有している。ロータ部33bの外周壁に複数の磁石37が埋設されている。磁石37は例えば希土類磁石等の永久磁石で構成され、回転中心線O周りに等間隔に並んでいる。
ステータ34は回転軸33の外周側に配置されており、円筒状の本体40、コア41及びコイル42を有している。コア41は複数枚の鉄片を積層して形成され、本体40の内周壁から回転軸33側に向かって突出している。コア41は、回転中心線O周りに等間隔に並ぶ形態で複数配設されている。各コア41にはコイル42が巻回しされている。ステータ34は、図示しない制御回路による各コイル42への通電状態に応じて回転軸33の外周側に磁界を形成する。ここで制御回路による各コイル42への通電は、各コイル42が形成する磁界によって遅角方向Yの制御トルクと進角方向Xの制御トルクとを回転軸33に付与するように実施される。具体的には、各コイル42が図5の反時計方向の回転磁界を回転軸33の外周側に形成するとき、その形成磁界内において各磁石37が吸引力と反発力とを受けることにより、遅角方向Yの制御トルクが回転軸33に付与される。また一方、各コイル42が図5の時計方向の回転磁界を回転軸33の外周側に形成するとき、その形成磁界内において回転軸33の各磁石37が吸引力と反発力とを受けることにより、進角方向Xの制御トルクが回転軸33に付与される。
図2及び図6に示す減速機20は、リングギア21、偏心軸19、遊星歯車22、ベアリング23、伝達部材24等から構成されている。
リングギア21は入力筒部13の内周壁に同心上に固定されている。リングギア21は、歯先曲面が歯底曲面の内周側にある内歯車で構成されている。リングギア21はスプロケット11と一体となって回転中心線O周りに図6の時計方向に回転する。
偏心軸19は、電動機30の回転軸33に連結固定されることで回転中心線Oに対し偏心して配設されている。図6においてPは偏心軸19の中心軸線を表している。
遊星歯車22は、歯先曲面が歯底曲面の外周側にある外歯車で構成されている。遊星歯車22の歯先曲面の曲率半径はリングギア21の歯底曲面の曲率半径よりも小さく、遊星歯車22の歯数はリングギア21の歯数よりも1つ少ない。遊星歯車22は、複数の歯の一部をリングギア21の複数の歯の一部に噛み合わせる形態でリングギア21の内周側に遊星運動可能に配設されている。遊星歯車22には円筒孔22bが同心上に形成されており、偏心軸19の一端部がベアリング23を介して円筒孔22bに相対回転可能に嵌合されている。この嵌合により偏心軸19及び回転軸33がスプロケット11に対して進角方向X及び遅角方向Yに相対回転可能となっている。
伝達部材24は円形平板状を呈し、両板面が回転中心線Oの平行線に垂直となる形態で配設されている。伝達部材24の複数箇所には円筒孔状の係合孔24aが形成されており、各係合孔24aは回転中心線O周りに等間隔に配設されている。伝達部材24の反案内部材側に配設された遊星歯車22は、各係合孔24aと向き合う箇所から円柱状に突出する係合突起22aを有している。各係合突起22aは偏心軸19の偏心軸線P周りに等間隔に配設されており、向かい合う係合孔24aに突入している。
回転軸33から偏心軸19に制御トルクが伝達されないとき、遊星歯車22は偏心軸19に対し相対回転しない。これにより遊星歯車22はクランクシャフトの回転に伴って、リングギア21に対する回転位相を崩すことなくリングギア21と噛み合いながらスプロケット11、偏心軸19及び回転軸33と一体に回転する。このとき係合突起22aが係合孔24aの内周壁を回転方向(ここでは進角方向X)に押圧するため、案内部材25と共に伝達部材24は、スプロケット11に対し回転位相を保ったまま回転中心線O周りに図6の時計方向へ回転する。案内部材25がスプロケット11に対し回転位相を保つとき可動体26は、案内部材25に対し相対滑りしないで回転中心線Oからの径方向距離を保ったまま案内部材25と一体に回転する。
回転軸33から偏心軸19に遅角方向Yの制御トルクが伝達されるとき、遊星歯車22は、偏心軸19周りのベアリング23により中心孔内壁を押圧されつつリングギア21の作用を受けて、偏心軸19に対し進角方向Xに相対回転する。それと同時に遊星歯車22は、リングギア21と部分的に噛み合いつつスプロケット11に対し進角方向Xに相対回転する。これにより係合突起22aが係合孔24aを進角方向Xに押圧する力が増大するため、案内部材25と共に伝達部材24はスプロケット11に対して進角方向Xに相対回転する。以上のようにして遅角方向Yの制御トルクは、減速機20の作用により向きを進角方向Xに変えて増大され、伝達部材24から案内部材25に伝達される。かかる制御トルクの伝達時に可動体26は、案内孔部62の案内作用により当該案内孔部62に対して案内路64の延伸方向遅角側に相対滑りし、例えば図4に示すように回転中心線Oからの径方向距離を拡大される。
回転軸33から偏心軸19に進角方向Xの制御トルクが伝達されるとき、偏心軸19周りのベアリング23で押圧されつつリングギア21の作用を受ける遊星歯車22は、偏心軸19に対し遅角方向Yに相対回転する。それと同時に遊星歯車22は、リングギア21と部分的に噛み合いつつスプロケット11に対し遅角方向Yに相対回転する。これにより係合突起22aが係合孔24aを遅角方向Yに押圧するようになるため、案内部材25と共に伝達部材24はスプロケット11に対して遅角方向Yに相対回転する。以上のようにして進角方向Xの制御トルクは、減速機20の作用により向きを遅角方向Yに変えて増大され、伝達部材24から案内部材25に伝達される。かかる制御トルクの伝達時に可動体26は、案内孔部62の案内作用により当該案内孔部62に対して案内路64の延伸方向進角側に相対滑りし、例えば図7に示すように回転中心線Oからの径方向距離を縮小される。
以上、制御トルクを発生する電動機30及び制御トルクを案内部材25に伝達する減速機20からなるアクチュエータ、案内部材25、並びに可動体26を有する制御手段を装置1は備えている。
次に、位相変化機構10について図1〜図3及び図8〜図11に基づき詳細に説明する。ここで図1は、スプロケット11に対する出力軸16の回転位相が最遅角位相となった状態を示し、図8は、スプロケット11に対する出力軸16の回転位相が最進角位相となった状態を示している。
図8〜図10に示すようにリンク部14は、板面14aが回転中心線Oの平行線に垂直となる板状に形成されている。リンク部14において回転中心線Oを挟む二箇所には、回転中心線Oに対し中心線が偏心する円筒孔状に孔部50が形成されている。軸体としての円柱状の軸部材51が各孔部50に対応して二つ設けられている。各軸部材51の一端部は、対応する孔部50に相対回転可能に同心嵌合している。腕部材28は小判形の平板状を呈し、各軸部材51に対応して二つ設けられている。各腕部材28は、両板面28a,28bが回転中心線Oの平行線に垂直となる形態で配設されている。各腕部材28の長手方向の一端部28cには、回転中心線Oに対し中心線が偏心する円筒孔状に孔部52が形成されている。各腕部材28の孔部52は、対応する軸部材51の他端部に相対回転可能に同心嵌合している。各腕部材28は、軸部材51が嵌合する孔部52の周囲において板面28aをリンク部14の板面14aに接触させている。以上、本実施形態においてリンク部14と腕部材28とがなす回り対偶80は、それら要素14,28に形成された孔部50,52と軸部材51との嵌合により構成されていると考えることができる。
図8、図9及び図11に示すように、リンク部18は二つ設けられ、それぞれ固定部17の回転中心線Oを挟む二箇所から互いに逆向きに突出している。各リンク部18は、両板面18a,18bが回転中心線Oの平行線に垂直となる矩形平板状に形成されており、板面18bをリンク部14の板面14aに接触させている。一方のリンク部18は、スプロケット11に対する出力軸16の回転位相が最遅角位相となる状態(図1参照)で、その遅角側に位置するリンク部14の遅角側ストッパ14cに当接し、当該回転位相が最進角位相となる状態(図8参照)で、その進角側に位置するリンク部14の進角側ストッパ14dに当接する。各リンク部18の突出先端部には、回転中心線Oに対し中心線が偏心する円筒孔状に孔部54が形成されている。軸体としての円柱状の軸部材55が各リンク部18の孔部54に対応して二つ設けられている。各軸部材55の一端部は、対応する孔部54に相対回転可能に同心嵌合している。腕部材29はC字形の平板状を呈し、各軸部材55に対応して二つ設けられている。各腕部材29は、両板面29a,29bが回転中心線Oの平行線に垂直となる形態で配設されており、板面29aを案内部材25の反伝達部材側の板面25aに接触させている。各腕部材29の長手方向の一端部29cには、回転中心線Oに対し中心線が偏心する円筒孔状に孔部56が形成されている。各腕部材29の孔部56は、対応する軸部材55の他端部に相対回転可能に同心嵌合している。各腕部材29は、軸部材55が嵌合する孔部56の周囲において板面29bを対応リンク部18の板面18aに接触させている。以上、本実施形態においてリンク部18と腕部材29とがなす回り対偶82は、それら要素18,29に形成された孔部54,56と軸部材55との嵌合により構成されていると考えることができる。
図1〜図3に示すように各腕部材28の長手方向の他端部28dには、回転中心線Oに対し中心線が偏心する円筒孔状に孔部53が形成されている。各腕部材29の長手方向の他端部29dには、回転中心線Oに対し中心線が偏心する円筒孔状に孔部57が形成されている。各可動体26の芯部材70において端部70aを除く部分70bの外周壁は、対応する組の腕部材28,29の孔部53,57に相対回転可能に同心嵌合している。各腕部材29は、芯部材70が嵌合する孔部57の周囲において板面29bを対応腕部材28の板面28bに接触させている。腕部材28の短手方向の幅については腕部材28の長手方向において腕部材29との連繋端部28dに近い箇所ほど小さくなっており、腕部材28,29の接触面積が小さくされて摩耗の低減が図られている。以上、本実施形態において腕部材28と腕部材29とがなす回り対偶84は、それら部材28,29に形成された孔部53,57と可動体26との嵌合により構成されていると考えることができる。
図1及び図8に示すように、腕部材28の長さは腕部材29の長さよりも短く設定されている。また、腕部材28の長手方向軸線Uに対し腕部材29の長手方向軸線Vが回り対偶84の近傍においてなす角θは、位相変化機構10の任意の作動状態において−90°<θ<90°を満たす。かかる長さ及び角θの採用により、リンク部18及び腕部材29がなす回り対偶82、リンク部14及び腕部材28がなす回り対偶80、並びに腕部材28,29がなす回り対偶84は、遅角方向Yにおいて常にこの順に並ぶ。これにより、位相変化機構10の小型化が図られている。
尚、腕部材28の長さを腕部材29の長さよりも長く設定することで、回り対偶80、回り対偶82及び回り対偶84が遅角方向Yにおいて常にこの順に並ぶようにしてもよい。
ここで、位相変化機構10の作動を図1及び図8を参照しつつ説明する。回転中心線Oからの可動体26の径方向距離が保持されるとき、腕部材28,29がなす回り対偶84、リンク部18及び腕部材29がなす回り対偶82、リンク部14及び腕部材28がなす回り対偶80の各位置は変化しない。これにより、出力軸16がスプロケット11に対する回転位相を保ちつつカムシャフト2と同期回転するので、クランクシャフトに対するカムシャフト2の回転位相(以下、シャフト位相という)が一定に保持される。
可動体26の径方向距離が拡大するとき腕部材28は、リンク部14及び腕部材29に対してそれぞれ軸部材51及び可動体26の中心線周りに相対回転しつつ、可動体26の動きに応じて回り対偶84の位置を回転中心線Oから離す。それと同時に腕部材29は、リンク部18に対して軸部材55の中心線周りに相対回転しつつ、可動体26の動きに応じて回り対偶82の位置を回り対偶80の位置に対して遅角方向Yに近づける。これにより出力軸16がスプロケット11に対して遅角方向Yに相対回転するので、シャフト位相が遅れる。
可動体26の径方向距離が縮小するとき腕部材28は、リンク部14及び腕部材29に対してそれぞれ軸部材51及び可動体26の中心線周りに相対回転しつつ、可動体26の動きに応じて回り対偶84の位置を回転中心線Oに近づける。それと同時に腕部材29は、リンク部18に対して軸部材55の中心線周りに相対回転しつつ、可動体26の動きに応じて回り対偶82の位置を回り対偶80の位置に対して進角方向Xに離す。これにより出力軸16がスプロケット11に対して進角方向Xに相対回転するので、シャフト位相が進む。
以上説明したように位相変化機構10では、制御手段の作動により腕部材28,29の運動を可動体26の動きに従うように制御することで、腕部材28,29の運動をスプロケット11に対する出力軸16の相対回転運動に変換してシャフト位相を変化させ得る。かかる位相変化機構10には、エンジンの変動トルクといった大きな力がカムシャフト4を通じて作用するため、この作用力に起因したシャフト位相の変動を防止することが重要である。位相変化機構10では、部材11,28同士、部材16,29同士並びに部材28,29同士のいずれも回り対偶により連繋しているので、連繋する二部材同士の相対滑りが実質的に生じない。そのため、位相変化機構10に大きな力が作用しても、連繋する二部材同士の相対滑りに起因したシャフト位相の変動は生じない。
(第二実施形態)
本発明の第二実施形態によるバルブタイミング調整装置を図12に示す。第二実施形態は第一実施形態の変形例であり、第一実施形態と実質的に同一の構成部分には同一符号を付す。
第二実施形態の位相変化機構100では、第一実施形態と同様な腕部材28,29の長さ及び角θを採用しているが、回り対偶82、回り対偶80及び回り対偶84が遅角方向Yにおいて常にこの逆順に並ぶようにして位相変化機構10の小型化を図っている。
ここで位相変化機構100の作動を説明する。回転中心線Oからの可動体26の径方向距離が拡大するときには、可動体26の動きに応じて腕部材28が回り対偶84の位置を回転中心線Oから離すと共に、可動体26の動きに応じて腕部材29が回り対偶82の位置を回り対偶80の位置に対し進角方向Xに近づける。これにより出力軸16がスプロケット11に対し進角方向Xに相対回転するので、シャフト位相が進む。また一方、可動体26の径方向距離が縮小するときには、可動体26の動きに応じて腕部材28が回り対偶84の位置を回転中心線Oに近づけると共に、可動体26の動きに応じて腕部材29が回り対偶82の位置を回り対偶80の位置に対し遅角方向Yに離す。これにより出力軸16がスプロケット11に対して遅角方向Yに相対回転するので、シャフト位相が遅れる。
このように作動する位相変化機構100を備えた第二実施形態のバルブタイミング調整装置はエンジンの吸気弁もしくは排気弁のバルブタイミングを調整するものであり、第一実施形態と同様な作用効果を発揮できる。
尚、腕部材28の長さを腕部材29の長さよりも長く設定することで、回り対偶80、回り対偶82及び回り対偶84が遅角方向Yにおいて常にこの逆順に並ぶようにしてもよい。
(第三実施形態)
本発明の第三実施形態によるバルブタイミング調整装置を図13に示す。第三実施形態は第一実施形態の変形例であり、第一実施形態と実質的に同一の構成部分には同一符号を付す。
第三実施形態の位相変化機構150では、第一実施形態と同様な腕部材28,29の長さを採用しているが、位相変化機構10の任意の作動状態において90°<θ<180°を満たす角θを採用している。これにより、回り対偶82、回り対偶84及び回り対偶80が遅角方向Yにおいて常にこの順に並ぶ。
ここで位相変化機構150の作動を説明する。回転中心線Oからの可動体26の径方向距離が拡大するときには、可動体26の動きに応じて腕部材28が回り対偶84の位置を回転中心線Oから離すと共に、可動体26の動きに応じて腕部材29が回り対偶82の位置を回り対偶80の位置に対し遅角方向Yに近づける。これにより出力軸16がスプロケット11に対して遅角方向Yに相対回転するので、シャフト位相が遅れる。また一方、可動体26の径方向距離が縮小するときには、可動体26の動きに応じて腕部材28が回り対偶84の位置を回転中心線Oに近づけると共に、可動体26の動きに応じて腕部材29が回り対偶82の位置を回り対偶80の位置に対し進角方向Xに離す。これにより出力軸16がスプロケット11に対して進角方向Xに相対回転するので、シャフト位相が進む。
このように作動する位相変化機構150を備えた第三実施形態のバルブタイミング調整装置は吸気弁もしくは排気弁のバルブタイミングを調整するものであり、第一実施形態と同様な作用効果を発揮できる。
尚、図14に示すように、回り対偶82、回り対偶84及び回り対偶80が遅角方向Yにおいて常にこの逆順に並ぶように位相変化機構150を構成してもよい。この場合、上記第二実施形態に準じた作動をする位相変化機構150によりバルブタイミング調整装置は吸気弁もしくは排気弁のバルブタイミングを調整し、第一実施形態と同様な作用効果を発揮できる。
(第四実施形態)
本発明の第四実施形態によるバルブタイミング調整装置を図15に示す。第四実施形態は第一実施形態の変形例であり、第一実施形態と実質的に同一の構成部分には同一符号を付す。
第四実施形態では、各可動体26の芯部材70が、対応腕部材29において有底円筒形状を呈する孔部57の底壁200と伝達部材24との間に挟持されている。そのため、芯部材70の部分70bの外周壁は対応腕部材29の孔部57のみに回り対偶により嵌合し、腕部材28の孔部53には嵌合していない。その代わりに、孔部57と同心の円柱状に板面29bから突出する軸部210が各腕部材29に一体形成され、各腕部材29の軸部210が対応する腕部材28の孔部53に相対回転可能に同心嵌合している。以上、第四実施形態において腕部材28と腕部材29とがなす回り対偶84は、それら部材28,29に形成された孔部53と軸部210との嵌合により構成されている。このような第四実施形態では、第一実施形態と同様に作動し、また第一実施形態と同様な作用効果が得られる。
尚、上述したように軸部210を腕部材29に一体形成することで第一実施形態に比べて部品点数が削減されるが、腕部材29とは別に形成した軸部210を腕部材29に圧入又は溶着して一体化するようにしてもよい。
(第五実施形態)
本発明の第五実施形態によるバルブタイミング調整装置を図16に示す。第五実施形態は第一実施形態の変形例であり、第一実施形態と実質的に同一の構成部分には同一符号を付す。
第五実施形態では、案内部材25の各案内孔部62が形成する案内路64の形状について、回転中心線O周りに曲率が漸次変化する渦巻形状を採用している。この渦巻形状は、案内部材25の径方向軸線に対し傾斜して延伸すると共に回転中心線Oからの径方向距離が変化する形状であり、特に本実施形態では回転中心線Oから離れるに従って遅角方向Yに傾斜する形状である。
位相変化機構10において、回転中心線Oを基準とした回り対偶84の位置の径方向距離に実質的に一致する可動体26の径方向距離と、シャフト位相に実質的に一致するスプロケット11に対する出力軸16の回転位相との相関関係は、例えば図17(A)に示すようになる。この場合において、スプロケット11に対する案内部材25の回転位相と回転中心線Oからの可動体26の径方向距離との相関関係が図17(B)に示すようになるよう、案内路64の渦巻形状の曲率変化について設定することで、スプロケット11に対する案内部材25の回転位相とスプロケット11に対する出力軸16の回転位相との相関関係を図17(C)に示す如き比例関係とすることができる。これにより、可動体26が案内部材25に対し案内路64の延伸方向に相対滑りしつつ位相変化機構10の腕部材28,29を動かすことによって、スプロケット11に対する出力軸16の回転位相をスプロケット11に対する案内部材25の回転位相に比例して変化させることができる。即ち案内部材25と出力軸16との間において減速比が一定になるので、正確なシャフト位相の制御を容易に実現可能となる。
尚、案内部材25が形成する案内路64の形状としては、案内部材25の径方向軸線に対し傾斜して延伸すると共に回転中心線Oからの径方向距離が変化する形状であれば、上述した直線状や渦巻形状以外の形状を採用できる。例えば図18に示すように、案内部材25の径方向外側に凸となる曲線状を案内路64の形状をして採用してもよい。
また、上述の第一〜第五実施形態では、可動体26が嵌合する案内部材25を位相変化機構10のスプロケット11に対し相対回転させることで、可動体26を案内部材25に対して相対滑りさせている。これに対し、可動体が嵌合する案内部材を位相変化機構に対して相対的に直線移動させることで、案内部材に対する可動体の相対滑りを実現してもよい。
さらに第一〜第五実施形態では、腕部材28,29において回り対偶84をなす端部28d,29dの孔部53,57に可動体26を嵌合している。これに対し、腕部材28,29において端部28d,29dを除く部分に可動体26を嵌合するようにしてもよい。
さらに、制御トルクを発生する電動機30については、第一〜第五実施形態で採用した構成以外にも、公知の電動機における構成を採用することができる。またさらに、クランクシャフトの駆動トルクを伝達されることで回転するブレーキ部材並びにブレーキ部材を磁気吸引するソレノイドを有し、ソレノイドに磁気吸引されたブレーキ部材に生じる制動トルクを制御トルクとして用いるように構成した装置を、電動機30の代わりに用いてもよい。
さらに、制御トルクを案内部材25に伝達する減速機20については、第一〜第五実施形態で採用した構成以外にも、公知の減速機における構成を採用することができる。またさらに、減速機20を設けないで、電動機30等で発生した制御トルクを案内部材25に直接に伝達するようにしてもよい。
本発明の第一実施形態を示す図であって、図2のI−I線断面図である。 本発明の第一実施形態を示す図であって、図1のII−II線断面図である。 図2の要部の拡大図である。 本発明の第一実施形態を示す図であって、図2のIV−IV線断面図である。 本発明の第一実施形態を示す図であって、図2のV−V線断面図である。 本発明の第一実施形態を示す図であって、図2のVI−VI線断面図である。 本発明の第一実施形態の一作動状態を示す図であって、図4に相当する断面図である。 本発明の第一実施形態の一作動状態を示す図であって、図1に相当する断面図である。 本発明の第一実施形態を示す図であって、図1のIX−IX線断面図である。 図9の要部の拡大図である。 図9の別の要部の拡大図である。 本発明の第二実施形態を示す図であって、図1に対応する断面図(A)及び図8に対応する断面図(B)である。 本発明の第三実施形態を示す図であって、図1に対応する断面図(A)及び図8に対応する断面図(B)である。 本発明の第三実施形態の変形例を示す図であって、図1に対応する断面図(A)及び図8に対応する断面図(B)である。 本発明の第四実施形態を示す図であって、図3に対応する拡大図である。 本発明の第五実施形態を示す図であって、図4に対応する断面図(A)及び(A)とは別の作動状態を示す断面図(B)である。 本発明の第五実施形態の特性を説明するための模式図である。 本発明の実施形態の変形例を示す模式図である。
符号の説明
1 バルブタイミング調整装置、2 カムシャフト(従動軸)、10,100,150 位相変化機構、11 スプロケット(第一回転部材)、14,18 リンク部、16 出力軸(第二回転部材)、20 減速機(制御手段、アクチュエータ)、25 案内部材(制御手段)、26 可動体(制御手段、軸体)、28 腕部材(第一腕部材)、29 腕部材(第二腕部材)、30 電動機(制御手段、アクチュエータ)、50,52,53,54,56,57 孔部、51,55 軸部材(軸体)、62 案内孔部、64 案内路、210 軸部、O 回転中心線

Claims (10)

  1. 内燃機関において吸気弁及び排気弁の少なくとも一方の弁を開閉駆動する従動軸に駆動軸の駆動トルクを伝達する伝達系に設けられ、前記少なくとも一方の弁の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、
    前記駆動軸と同期して回転する第一回転部材、前記従動軸と同期して回転する第二回転部材、前記第一回転部材と回り対偶により連繋する第一腕部材、並びに前記第二回転部材及び前記第一腕部材と回り対偶により連繋する第二腕部材を組み合わせて構成される位相変化機構と、
    前記第一腕部材及び前記第二腕部材の少なくとも一方である制御対象部材の運動を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記位相変化機構は、前記制御手段の制御に従う前記制御対象部材の運動を前記第一回転部材に対する前記第二回転部材の相対回転運動に変換することで、前記駆動軸に対する前記従動軸の回転位相を変化させることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 前記第一回転部材及び前記第一腕部材がなす回り対偶、前記第二回転部材及び前記第二腕部材がなす回り対偶、並びに前記第一腕部材及び前記第二腕部材がなす回り対偶のうち少なくとも一つは、その回り対偶をなす二部材にそれぞれ設けられた孔部が共通の軸体と嵌合することによって構成されることを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 前記第一回転部材及び前記第一腕部材がなす回り対偶、前記第二回転部材及び前記第二腕部材がなす回り対偶、並びに前記第一腕部材及び前記第二腕部材がなす回り対偶のうち少なくとも一つは、その回り対偶をなす二部材の一方と他方とにそれぞれ設けられた軸部と孔部との嵌合によって構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 前記第一回転部材に対し前記第二回転部材が遅角する方向において、前記第二回転部材及び前記第二腕部材がなす回り対偶、前記第一回転部材及び前記第一腕部材がなす回り対偶、並びに前記第一腕部材及び前記第二腕部材がなす回り対偶は、この順に又はこの逆順に並ぶことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 前記第一回転部材に対し前記第二回転部材が遅角する方向において、前記第一回転部材及び前記第一腕部材がなす回り対偶、前記第二回転部材及び前記第二腕部材がなす回り対偶、並びに前記第一腕部材及び前記第二腕部材がなす回り対偶は、この順に又はこの逆順に並ぶことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  6. 前記第一回転部材に対し前記第二回転部材が遅角する方向において、前記第一回転部材及び前記第一腕部材がなす回り対偶、前記第一腕部材及び前記第二腕部材がなす回り対偶、並びに前記第二回転部材及び前記第二腕部材がなす回り対偶は、この順に又はこの逆順に並ぶことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  7. 前記制御手段は、前記制御対象部材に回り対偶により嵌合する可動体、滑り回り対偶により前記可動体が嵌合する案内部材であって制御トルクの伝達により前記第一回転部材に対し相対回転することで前記可動体を滑り方向に案内する案内部材、並びに前記制御トルクを前記案内部材に伝達するアクチュエータを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  8. 前記アクチュエータは、前記制御トルクを発生する電動機を具備することを特徴とする請求項7に記載のバルブタイミング調整装置。
  9. 前記案内部材は、径方向軸線に対し傾斜して延伸すると共に回転中心からの径方向距離が変化する案内路を形成し、前記案内路の幅方向両側から前記可動体に嵌合しており、
    前記可動体は、前記案内部材に対し前記案内路の延伸方向に相対滑り可能であることを特徴とする請求項7又は8に記載のバルブタイミング調整装置。
  10. 前記可動体が前記案内部材に対し前記案内路の延伸方向に相対滑りしつつ前記制御対象部材を動かすことによって、前記第一回転部材に対する前記第二回転部材の回転位相が前記第一回転部材に対する前記案内部材の回転位相に比例して変化することを特徴とする請求項9に記載のバルブタイミング調整装置。
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