JP2005047774A - 複合酸化物粒子の製造方法及び複合酸化物粒子 - Google Patents

複合酸化物粒子の製造方法及び複合酸化物粒子 Download PDF

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Abstract

【課題】 管状という新規な粒子形状を持つMgAl24、MgSiO3、Mg2TiO4、MgFe24等のマグネシウムを含有する複合酸化物粒子及びその製造方法の提供。
【解決手段】 塩基性炭酸マグネシウムの薄片状微細結晶からなる管状凝集粒子の表面を金属酸化物により覆われたもの、あるいは該管状凝集粒子の内部に他の粒子を内包した前駆体を焼成することにより、マグネシウムと他の元素とを含有し、その粒子形状が管状である複合酸化物粒子を製造する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規かつ特異な粒子形状の複合酸化物粒子の製造方法及び複合酸化物粒子に関する。
具体的には、管状という粒子形状を有し、MgAl24、MgSiO3、Mg2TiO4、又はMgFe24等のマグネシウムを含有する複合酸化物粒子の製造方法及び複合酸化物粒子に関する。
技術背景
マグネシウムを含有する複合酸化物としては、MgAl24、MgSiO3、Mg2TiO4、又はMgFe24などが工業用素材として利用されている。
例えば、MgAl24は、耐火物や焼結助剤などに、Mg2SiO4は蓄熱材料や絶縁材料に、Mg2TiO4は誘電材料として高周波キャパシタや積層チップキャパシタなどに利用されている。
その他にも、(Mg、Mn)Fe24は軟磁性材料としてコイルや磁心などに、BaMg2Fe1627は硬磁性材料として永久磁石などに、(Zr、Mg)O2はイオン導電性材料として酸素センサーなどに、BaMgAl1017:Eu2+は蛍光材料などに、Pb−Zr−Nb−Mg系複合酸化物は圧電材料として発振子や共振子などに用いられている。
これらマグネシウムを含有する複合酸化物に関しては数多くの検討がなされてきており、その中でも該複合酸化物の粒子形状や粉体物性に着目したものも幾つかある。
特に粒子形状に注目したものとしては、下記特許文献1の特定条件下で調製されたアルミニウム塩とマグネシウム化合物とが混合された粘稠物質を繊維化、加熱して得られる、繊維状であることを特徴とする耐食性及び耐熱性に優れたアルミン酸マグネシウム繊維、あるいは特許文献2の特定組成の合金粉末をノズルから噴出させ酸素雰囲気下で焼成させることにより得られる、0.02〜0.30μmの直径を有する粒子が85重量%以上で、粒子の短軸と長軸の比が1.0〜1.3であることを特徴とするスピネルやフォルステライトなどの球状複合金属酸化物粒子が挙げられる。
その他にも提案があり、特許文献3においては、金属塩を溶解又は懸濁させたW/O型エマルジョンを噴霧燃焼することにより得られ、中空室を区画する皮殻を持ち該皮殻の厚みが20nm以下であることを特徴とするスピネル等の中空状酸化物粉末粒子が提案されている。
また、特許文献4においては、集積回路の封止材あるいは回路基板の絶縁材として好適に使用でき、粒子形状が球形であることを特徴とするコーディエライト(Mg2Al4Si518)、フォルステライト(Mg2SiO4)等のマグネシウム含有酸化物粒子からなる粉末が提案されている。
粉体物性に注目したものとしては、特許文献5のアルミニウム酸塩等と塩基性アルカリ土類金属含有組成物との混合物を焼成することを特徴とする、高い比表面積とアトリッション耐性とを併せもつMgAl24などのアルミニウム含有スピネル組成物の製造方法や、特許文献6の水酸化物原料を用いて合成し焼成することにより得られる、平均粒子径が3〜20μmで比表面積が80m2/g以上であることを特徴とするMgAl24スピネル粉末が挙げられる。
さらに、そのほかに特許文献7においては、化学式Mg1-X2+ XO(M2+:Mn2+、Fe2+、Co2+など)で表されBET比表面積が4m2/g以下であり、熱伝導性酸化物として樹脂やゴムなどに配合される酸化マグネシウム系固溶体が提案されている。
[先行技術文献]
特開昭62−41318号公報 特開昭63−185803号公報 特開2000−203810号公報 特開2003−2640号公報 特公平5−66889号公報 特開2001−48529号公報 特許第2937602号公報
前述の通り、マグネシウムを含有する複合酸化物については種々の検討がなされてきているが、該複合酸化物のさらなる高性能化、高機能化、新規機能付与などに対応可能な新規な形状を有するマグネシウムを含有する複合酸化物が求められている。
特に金属酸化物などの無機粒子の場合、その粒子形状や粒子径などを制御することによって粒子特性が大きく変化することがあり、新規形状とすることによって高性能化、高機能化、新規機能付与が期待できる。
本発明者らは、マグネシウムを含有する複合酸化物の原料のひとつとして使用することができる塩基性炭酸マグネシウムについて検討を進めてきており、薄片状微細結晶からなる管状凝集粒子という新規かつ独特な形状の塩基性炭酸マグネシウムを開発するに至り、既に特許出願している(特願2002−179462、特願2002−220768)。
また、本発明者らは、この塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子の改質等について検討した結果、金属酸化物により表面被覆された塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子(特願2002−376709)や、塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子内部に他の微粒子が固定された微粒子内包複合管状塩基性炭酸マグネシウムを開発し、これらについても既に特許出願を行っている(特願2003−136851)。
さらに本発明者らは、前記した塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子及びその改質物等を利用した酸化物粒子の製造について鋭意検討を進めた結果、開発に成功したのが本発明である。
したがって、本発明は、新規な形状を示し、この形状に由来して種々の優れた特性を発現するマグネシウムを含有する複合酸化物粒子の製造方法及び複合酸化物粒子を提供することを解決すべき課題とするものである。
すなわち、本発明は、新規な形状を示し、この形状に由来して種々の優れた特性を発現するマグネシウムを含有する複合酸化物粒子の製造方法及び複合酸化物粒子を提供することを目的とするものである。
本発明は、前記課題を解決するために、管状という新規かつ独特な形状のマグネシウムを含有する複合酸化物粒子の製造方法及び複合酸化物粒子を提供するものである。
本発明の粒子形状が管状である複合酸化物粒子の製造方法は、塩基性炭酸マグネシウムの薄片状微細結晶からなる管状凝集粒子と他成分とから構成される粒子を前駆体とし、該前駆体を焼成することを特徴とするものである。
また、本発明の管状複合酸化物粒子は、マグネシウム及び他の元素を含有する酸化物で、その粒子形状が管状であり、好ましくは外径が1〜20μm、内径が0.5〜5μm、長さが5〜200μm、長さ/外径の比が2〜50である。
本発明の管状複合酸化物粒子は、本発明者らが最近開発した薄片状微細結晶からなる管状凝集粒子の塩基性炭酸マグネシウムを利用することにより製造できるものであり、該塩基性炭酸マグネシウムの懸濁液に金属化合物を析出するために必要な1種又は2種以上の物質を添加し、塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子表面を金属酸化物で被覆させるか、又は金属化合物の懸濁液中に該塩基性炭酸マグネシウムを浸漬、もしくは該塩基性炭酸マグネシウムの合成過程において金属化合物粒子を添加することにより、塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子内部に金属化合物微粒子を内包させ、ついでそれらを焼成することにより製造できるものであるから、その製造方法は比較的簡便なものである。
そして、製造された複合酸化物粒子は、管状という新規かつ独特な形状の粒子で、好ましくは外径が1〜20μm、内径が0.5〜5μm、長さが5〜200μm、長さ/外径の比が2〜50であり、この形状に由来して種々の優れた特性を発現するものである。
具体的には、管状という形状に由来して多孔質の粒子となるため、高い吸着特性や吸収特性を発揮するほか、粉体としてのかさ密度が低くなるので、配合する製品の軽量化、遮音、断熱性能などの向上にも効果がある。
また、酸化物触媒などとして利用する場合には、比表面積が高いことにより、触媒効率の向上が期待される。さらに、該複合酸化物粒子は、マグネシウムと他の元素が酸化された複合体であることから、単独元素の酸化物とは異なる両元素の存在に由来する特性を発現することも期待できる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明は、それによって何等限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるものであることはいうまでもない。
本発明の製造方法は、塩基性炭酸マグネシウムの薄片状微細結晶からなる管状凝集粒子と他の成分とから構成される粒子を前駆体とし、該前駆体を焼成することにより、マグネシウム及び他の元素を含有する酸化物であり、その粒子形状が管状である複合酸化物粒子を製造することを特徴とするものである。
本発明において使用される前駆体は上記の通りであるが、具体的には以下に示す(1)及び(2)の2つの形態のものが好適に使用できる。
(1)塩基性炭酸マグネシウムの薄片状微細結晶からなる管状凝集粒子の表面が金属酸化物により覆われたもの。
(2)塩基性炭酸マグネシウムの薄片状微細結晶からなる管状凝集粒子内部に金属化合物の微粒子が内包されたもの。
前記(1)の前駆体については、塩基性炭酸マグネシウムの薄片状微細結晶からなる管状凝集粒子を調製した後、特定の改質処理を施すことにより得ることができる。
前記(2)の前駆体は、(1)と同様塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子に特定の改質処理を施すか、あるいは塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子を調製する過程において、特定の処理を行うことにより得ることができる。
そこで、先ず本発明の複合酸化物粒子の原料となる塩基性炭酸マグネシウムの薄片状微細結晶からなる管状凝集粒子の調製方法について説明する。
該管状凝集粒子を得る方法としては、本発明者らが特許出願している特願2002−179462あるいは特願2002−220768の方法が好適である。
前者の特願2002−179462の製造方法とは、水溶液中にて水溶性マグネシウム塩と水溶性炭酸塩とを混合し、25〜55℃の温度で、径が0.5〜10μm、長さが5〜500μmの正炭酸マグネシウムの柱状粒子を生成させる第1ステップと、該正炭酸マグネシウムの柱状粒子の懸濁液を第1ステップで正炭酸マグネシウムを生成させた温度より高い温度であって、かつ35〜80℃の温度、9.5〜11.5のpHで加熱処理する第2ステップとにより薄片状微細結晶からなる管状凝集粒子の塩基性炭酸マグネシウムが製造できる。
この第1ステップにおいて使用される水溶性マグネシウム塩については、各種の水溶性マグネシウム塩が特に制限されることなく使用でき、それには塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウムあるいは酢酸マグネシウム等が例示できる。
水溶性炭酸塩についても、特に制限されることなく使用でき、それには炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム等が例示できるが、強アルカリの炭酸塩、具体的には炭酸ナトリウム、炭酸カリウムを用いることが、より効率よく塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子を調製することができ、好適である。
第1ステップにおいては、水溶液中にて上記したような水溶性マグネシウム塩と水溶性炭酸塩とを反応させ、正炭酸マグネシウムの柱状粒子を析出させるが、その方法としては、例えば、炭酸ナトリウム水溶液中に塩化マグネシウム水溶液を添加する方法、硫酸マグネシウム水溶液中に炭酸アンモニウムを添加する方法など、水溶性マグネシウム塩と水溶性炭酸塩とを溶液中において混合して、マグネシウムイオンと炭酸イオンとが反応する条件であればよい。
その際の反応には、反応の均一性を確保するために反応液の攪拌を行うのが好ましい。
第1ステップにおいて生成させる正炭酸マグネシウムの形状については、柱状で、その径が0.5〜10μm、長さが5〜500μmであることが望ましい。
その理由は、塩基性炭酸マグネシウムが正炭酸マグネシウムの柱状粒子表面から生成することによって、管状という独特の形状が形成されると推察しているからである。
すなわち、中間生成物である正炭酸マグネシウムの形状が、最終生成物である塩基性炭酸マグネシウムの形状に大きく影響するといえる。
したがって、目的とする塩基性炭酸マグネシウムの形状、特に径と長さに応じて、正炭酸マグネシウムの合成条件を調節して、適切な形状の正炭酸マグネシウムを得ることが重要である。
さらに、上記形状以外の正炭酸マグネシウムの場合には、第2ステップにおいて、塩基性炭酸マグネシウムを生成させる際、その生成に要する時間が極端に長くなり製造効率が低下したり、目的とする管状の粒子が得られないことがある。
そのようなことで、目的とする形状で、かつ第2ステップにおいて効率よく塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子を得ることができる正炭酸マグネシウムの柱状粒子を生成させるためには、水溶液中にて水溶性マグネシウム塩と水溶性炭酸塩とを反応させる温度を、望ましくは25〜55℃、より望ましくは28〜50℃の範囲とすることがよい。
その際の温度が25℃未満であると、中間生成物である正炭酸マグネシウムの生成速度が極端に遅くなり、製造効率が低下してしまい現実的でない。逆に55℃を越えと、目的とする形状の正炭酸マグネシウムが得られなかったり、後の第2ステップにおいて、塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子が得られない。
なお、第1ステップにおいて生成させる正炭酸マグネシウムとは、化学式MgCO3・nH2Oで表される炭酸マグネシウムの水和物であり、n=3のものが一般的であるが、n=3以外のものであっても、上記したような形状のものであれば制限されない。
また、第1ステップで生成させる正炭酸マグネシウムの形状を調節して、第2ステップで生成させる塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子の形状をコントロールしたい場合には、第1ステップの反応条件を適宜コントロールすることによって、正炭酸マグネシウムの形状を上記した範囲内で調節することもできる。
例えば、正炭酸マグネシウムの柱状粒子の径については、正炭酸マグネシウムを生成させる際の温度を比較的高くした方が、より径の小さな柱状粒子とすることができる。
pHについては、第1ステップにおいて正炭酸マグネシウムの生成が開始される際のpHがより高い方が、より径の小さな正炭酸マグネシウムの柱状粒子を生成させることができる。
このようにして第1ステップで得られる径が0.5〜10μm、長さが5〜500μmの範囲にある正炭酸マグネシウムの柱状粒子の懸濁液は、そのまま第2ステップに供しても差し支えないが、不純分として懸濁液中に溶解している可溶性マグネシウム塩の陰イオン成分あるいは可溶性炭酸塩の陽イオン成分を回収したい場合や、これら不純分が最終生成物である塩基性炭酸マグネシウム中に残存することが好ましくない場合は、液を水などで置換し、不純分の除去を行ってもよい。
続いて、第2ステップにおいては、第1ステップで得られた正炭酸マグネシウムの柱状粒子の懸濁液を望ましくは40〜70℃、より望ましくは45〜65℃で、かつ第1ステップより高い温度で加熱処理して、塩基性炭酸マグネシウムを生成させる。
この第2ステップにおける加熱処理温度は、第1ステップで正炭酸マグネシウムを生成させる際の温度より高い温度とすることが重要となり、第1ステップと第2ステップとの温度差を、望ましくは2〜35℃、より望ましくは2〜25℃、さらに望ましくは2〜20℃とすることがよい。
この温度差に関しては、第1ステップで正炭酸マグネシウムの柱状粒子を生成させる温度と、第2ステップで正炭酸マグネシウムを加熱処理する際のpHとによって、より適切な範囲がある。
例えば、第2ステップのpHを10.5とする場合、第1ステップが25〜35℃の際には温度差を20〜35℃、第1ステップが35〜45℃の際には温度差を5〜25℃、第1ステップの温度が45〜55℃の際には温度差を2〜15℃とすることが好適である。
第1ステップよりも低い温度あるいは40℃未満の温度であると、目的とする塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子が得られなかったり、反応時間が極端に長くなって製造効率が低下し現実的でない。
70℃を越える温度では、生成する塩基性炭酸マグネシウム粒子の均一性が悪くなり、不定形〜球状の凝集粒子の混入が顕著になる。
なお、第2ステップにおいても、第1ステップの場合と同様に、反応の均一性を確保するため反応液の撹拌を行う方が好ましい。
また、加熱処理する際の正炭酸マグネシウム懸濁液のpHについては、望ましくは9.5〜11.5、より望ましくは10.0〜11.5とすることがよい。
それは、pHが9.5未満であると正炭酸マグネシウムから塩基性炭酸マグネシウムが生成する速度が遅くなり、製造効率が低下するばかりでなく、最終生成物中に正炭酸マグネシウムが残留することがあるからでもある。
逆にpHが11.5を越えると、最終生成物の粒子の均一性が損なわれ、不定形ないし球状の粒子が混入しやすくなる。
この範囲にpHを調節するためには、第1ステップにおける水溶性マグネシウム塩と水溶性炭酸塩との量比を調節するか、あるいは第2ステップにおいて酸性物質又はアルカリ性物質を添加し調節すればよい。
前者の場合、水溶性マグネシウム塩の量を増やせば酸性側に、逆に水溶性炭酸塩の量を増やせばアルカリ性側に調節することができる。後者の場合、添加する酸性物質としては塩酸、硫酸、硝酸などが、アルカリ性物質としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水などが利用可能である。
第2ステップにおいては、塩基性炭酸マグネシウムの生成が終了するまで、加熱撹拌を継続させることが好ましい。塩基性炭酸マグネシウムの生成の終了に関しては、懸濁液のpHや導電率などを計測することによって判定することができる。
例えば、pHについてみると、塩基性炭酸マグネシウムの生成が継続している時点では、懸濁液のpHは少しずつ減少していくのに対して、生成が終了すればpHはほぼ一定で推移する。
そして、後者の特願2002−220768の製造方法は、水酸化マグネシウム懸濁液に二酸化炭素含有ガスを導入することによって炭酸水素マグネシウム溶液を調製する第1ステップと、該炭酸水素マグネシウム溶液をpH7.5〜11.0に調節して正炭酸マグネシウムの柱状粒子を生成させる第2ステップと、該正炭酸マグネシウムの柱状粒子の懸濁液をpH9.0〜12.0、かつ温度30〜75℃に調節した後、前記温度範囲を維持することにより塩基性炭酸マグネシウムを生成させる第3ステップとを有することを特徴とするものである。
その第1ステップは、水酸化マグネシウムの懸濁液に二酸化炭素含有ガスを導入して炭酸水素マグネシウム溶液を調製する工程であり、ここで使用する原料の水酸化マグネシウムについては、特に制限されることはなく、海水に水酸化カルシウムを添加して水酸化マグネシウムを沈殿させる、いわゆる海水法により製造される水酸化マグネシウムが利用できるほか各種のものが利用できる。
さらに、二酸化炭素含有ガスに関しても特段の制約はなく、ボンベ等から供給される二酸化炭素やそれを空気等で希釈したもの、燃焼排ガスなどの二酸化炭素を含有するものが利用できる。
また、その第1ステップにおいては、原料とする水酸化マグネシウムの90%以上、望ましくは全量が炭酸水素マグネシウムに変化するのがよい。
その理由は、炭酸水素マグネシウムに変化していない水酸化マグネシウム量が多い場合、後の第2ステップ及び第3ステップにおいて、均一な反応が阻害され、最終生成物である塩基性炭酸マグネシウムの管状の凝集粒子の粒子形状の均一性が悪化することがあるからである。
水酸化マグネシウムから炭酸水素マグネシウムへの変化に関しては、液のpHや導電率などを計測することによって確認することができる。
例えば、液のpHについては、二酸化炭素含有ガスを導入する前の水酸化マグネシウムの懸濁液のpHが9〜11程度であるのに対して、水酸化マグネシウムの全量が炭酸水素マグネシウムに変化すれば、液のpHはほぼ中性となる。
第1ステップにおいては、液のpHが8以下になるまで二酸化炭素含有ガスを導入することが望ましく、pHが7.5以下となるまで導入することがより望ましい。
水酸化マグネシウム懸濁液に二酸化炭素含有ガスを導入する際の液温についても特段の制約はないが、液温が高すぎると、炭酸水素マグネシウムの溶解度が低下してしまい、その結果として調製される炭酸水素マグネシウム溶液中に残存する未反応の水酸化マグネシウム量が多くなるばかりでなく、第1ステップの反応が完了する前に炭酸水素マグネシウムが分解してしまう現象も認められる。
したがって、水酸化マグネシウム懸濁液に二酸化炭素含有ガスを導入させる際には、液温を35℃以下に保持することが望ましく、30℃以下に保持することがより望ましい。
また、水酸化マグネシウムの懸濁液に二酸化炭素含有ガスを導入した後、未反応の水酸化マグネシウムやその他の不純分などの不溶解残渣を除去することがより好ましく、そうすることによって、不純分の少ない炭酸水素マグネシウム溶液を調製することができ、後の第3ステップにおいて、純度が高くかつ粒子の均一性の高い塩基性炭酸マグネシウムを得ることができる。
続く第2ステップにおいては、第1ステップで調製された炭酸水素マグネシウム溶液を、pH7.5〜11.0に調節して正炭酸マグネシウムの柱状粒子を生成させる。この第2ステップにおいても、第1ステップの場合と同様に反応の均一性を確保するため反応液の撹拌を行うのが好ましい。
この第2ステップにおいては第1ステップにおいて中性域に移行したpHをアルカリ側にpH調節することが必要であり、そのために第1ステップで調製した炭酸水素マグネシウム溶液に、適当量のアルカリ性物質を添加することによってpH調節する。
また、調節後は、pHが7.5〜11.0の範囲にあることが必要である。
その第2ステップにおいて、pHを前記のとおり調整する必要があるのは、pHが7.5未満であると、後の第3ステップにおいて塩基性炭酸マグネシウムの管状の凝集粒子が得られないためである。
逆に、pHが11.0を超えると、正炭酸マグネシウムが不安定になり、正炭酸マグネシウムの生成が完了する前に塩基性炭酸マグネシウムが生成してしまったり、また炭酸水素マグネシウムから直接塩基性炭酸マグネシウムが生成してしまい、最終生成物の塩基性炭酸マグネシウムの粒子の均一性が著しく悪化するばかりでなく、pH調節のために使用するアルカリ性物質の必要量が多くなり、経済的にも芳しくない。
第2ステップにおいて正炭酸マグネシウムの柱状粒子を生成させるには、第1ステップにおいて調製した炭酸水素マグネシウム溶液をpH7.5〜11.0に調節した後、正炭酸マグネシウムの生成が終了するまで反応を継続させることが好ましい。
正炭酸マグネシウムの生成の終了については、液のpHあるいは導電率を計測し、その値が安定化したことを観測することにより確認できる。
さらに、その際の温度については、20〜55℃にすることが望ましく、30〜55℃にすることがより望ましい。
20℃未満であると後の第3ステップにおいて、塩基性炭酸マグネシウムの管状の凝集粒子のほかに、不定形の凝集粒子が混入しやすくなる。
逆に55℃を超える温度の場合においても、第3ステップにおいて粒子の均一性が悪化する傾向がある。
第2ステップでは、前記したとおりにpHを調節し、望ましくは温度も前記したとおりに調節して、正炭酸マグネシウムの生成が終了するまで反応を継続させ、正炭酸マグネシウムの柱状粒子を生成させるわけだが、その柱状粒子の形状としては、径が0.5〜10μm、長さが5〜500μmのものが望ましい。
特に柱状粒子の径については、0.5μm未満あるいは10μmを超える場合、後の第3ステップにおいて、本発明の目的とする塩基性炭酸マグネシウムの管状の凝集粒子が得られないことがある。
また、第3ステップで製造される塩基性炭酸マグネシウムの管状の凝集粒子の形状、特に径と長さは、第2ステップで生成させる正炭酸マグネシウムの柱状粒子の径と長さに影響されており、製造目的である塩基性炭酸マグネシウムの管状の凝集粒子の形状に応じて、第2ステップで生成させる正炭酸マグネシウムの径と長さを調節することが望ましい。
正炭酸マグネシウムの柱状粒子の径と長さとを調節するには、第2ステップにおいて、正炭酸マグネシウムを生成させる際のpH及び温度を適切にコントロールすればよい。
例えば、第2ステップにおけるpHについては、前記した範囲内で、より高いpHとすることにより径の小さな正炭酸マグネシウムの柱状粒子を得ることができ、逆により低いpHとすることにより径の大きな正炭酸マグネシウムの柱状粒子を得ることができる。
さらに、第2ステップにおける温度に関しては、前記した範囲内で、より高い温度とすることにより径の小さな正炭酸マグネシウムの柱状粒子を得ることができ、逆により低い温度とすることにより径の大きな正炭酸マグネシウムの柱状粒子を得ることができる。
なお、生成させた正炭酸マグネシウムの柱状粒子については、一旦濾別、洗浄してもよく、そうすることによって、第2ステップで添加したアルカリ性物質を除去することができ、製品中に含有される不純分をより一層低減できる点で好適である。
このようにして、第2ステップでは、炭酸水素マグネシウム溶液から、正炭酸マグネシウムの柱状粒子を生成させる。
第2ステップに続く、最後のステップである第3ステップにおいては、第2ステップで得られた正炭酸マグネシウムの柱状粒子の懸濁液からpH9.0〜12.0、温度30〜75℃の下において塩基性炭酸マグネシウムを生成させる。
この第3ステップにおいても、第1ステップ及び第2ステップの場合と同様に、反応の均一性を確保するため反応液の撹拌を行うのが好ましい。
その第3ステップにおける塩基性炭酸マグネシウムを生成させる際の温度については、30〜75℃であることが必要かつ重要である。
30℃未満の温度であると、目的とする管状の塩基性炭酸マグネシウムが得られなかったり、反応時間が極端に長くなって製造効率が低下し現実的でない。
逆に75℃を越える温度では、生成する塩基性炭酸マグネシウム粒子の均一性が悪くなり、不定形〜球状の凝集粒子の混入が顕著になる。
該ステップにおけるpHについては、9.0〜12.0とすることが必要である。その理由は、pHが9.0未満であると正炭酸マグネシウムから塩基性炭酸マグネシウムが生成する速度が遅くなり製造効率が低下するばかりでなく、最終生成物中に正炭酸マグネシウムが残留することがあるからである。
逆にpHが12.0を越えると、最終生成物の粒子の均一性が損なわれ、不定形ないし球状の粒子が混入しやすくなる。
さらに、第3ステップにおけるpHは、第2ステップにおいて正炭酸マグネシウムの柱状粒子を生成させる際のpHよりも高くすることが望ましく、より望ましくは0.3以上高くすることがよい。
そうすることにより、均一性が高く、かつ種々の粉体物性に優れる塩基性炭酸マグネシウムの管状の凝集粒子を、より効率よく製造することが可能となる。
この範囲にpHを調節するためには、第3ステップにおいて酸性物質またはアルカリ性物質を添加し調節すればよい。
なお、第3ステップにおける温度及びpHは、第2ステップで生成させた正炭酸マグネシウムの形状、特に径と長さに応じて調節することが望ましく、そうすることによって、より均一な形状の塩基性炭酸マグネシウムの管状の凝集粒子を得ることができる。
具体的には、正炭酸マグネシウムの径が小さい場合、第3ステップでのpH及び温度は低い方が好ましく、逆に正炭酸マグネシウムの径が大きい場合、第3ステップでのpH及び温度は高い方が好ましい。
第3ステップにおいては、塩基性炭酸マグネシウムの生成が終了するまで、前記した範囲の温度を保持しながら、撹拌を継続させることが好ましい。
その際には、温度30〜75℃に調節した直後の温度を継続して維持している必要はなく前記温度範囲では変動してもよいが、変動は可能な限り少ない方が好適である。
なお、その塩基性炭酸マグネシウムの生成の終了に関しては、懸濁液のpHや導電率などを計測することによって確認することができる。
例えばpHについては、塩基性炭酸マグネシウムの生成が継続している時点では、懸濁液のpHは低下していくのに対して、生成が終了すればpHはほぼ一定で推移する。
このようにして調製された塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子に特定の改質処理を施すことによって、本発明で使用される前記前駆体(1)又は(2)で示したものを得ることができる。
前記(1)で示した塩基性炭酸マグネシウムの薄片状微細結晶からなる管状凝集粒子表面が金属酸化物により被覆された形態の前駆体は、本発明者らが既に特許出願した特願2002−376709の方法により調製することが好適である。
この方法は、薄片状微細結晶からなる塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子の懸濁液に金属酸化物を析出するために必要な1種又は2種以上の物質を添加し、塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子の外表面及び/又は内表面を金属酸化物で被覆するものである。
なお、ここでいう金属酸化物とは、純粋な酸化物のほか、水和物や水酸化物といった含水酸化物も含まれる。
表面処理にあたっては、調製された塩基性炭酸マグネシウムの懸濁液をそのままあるいは適切に濃度調整してもよいし、また一旦乾燥させた塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子を水等の溶媒に分散させた懸濁液を用いてもよい。
表面処理を水系にて行う場合には、上記どちらの方法でもよいが、水系以外、例えばアルコール系などにて表面処理する場合には、後者の一旦乾燥させたものを再び溶媒に分散させた懸濁液を用いる必要がある。
塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子の懸濁液濃度については、製造したい表面処理塩基性炭酸マグネシウムの量を勘案して適宜調節すればよいが、濃度が薄すぎると1回の処理で得られる表面処理塩基性炭酸マグネシウムの量が少なく製造効率が悪くなり、また濃度が濃すぎると均一な表面処理ができなくなる傾向にあることから、望ましくは塩基性炭酸マグネシウムの懸濁液濃度を5〜50g/Lとすることがよい。
この塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子の懸濁液に、金属酸化物を析出させるために必要な1種又は2種以上の物質を添加することにより、塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子表面に、金属酸化物を析出させる。
金属酸化物を析出させるために必要な1種または2種以上の添加する物質については、塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子表面に被覆する金属酸化物の種類及びそれを析出させる反応に応じて適宜選択すればよい。
特に加水分解反応により金属酸化物を析出させる方法が好適であり、この場合には、塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子の懸濁液に添加することにより加水分解し金属酸化物を析出する物質、具体的にはケイ酸ナトリウムやアルミン酸ナトリウム等のアルカリ塩や、金属アルコキシド等の有機金属化合物などが使用できる。
なお、ケイ酸ナトリウムの場合はシリカ、アルミン酸ナトリウムの場合はアルミナ、金属アルコキシドの場合はその金属酸化物がそれぞれ析出する。
塩基性炭酸マグネシウムの懸濁液に添加しただけでは加水分解しない物質の場合には、塩基性炭酸マグネシウムの懸濁液にアルカリ性物質又は酸性物質を添加して、加水分解反応が起こるpH域に調節したり、あるいは加水分解を促進するような物質を添加することにより、加水分解反応を起こし金属酸化物を析出させることもできる。
この析出反応において重要な点は、金属酸化物の析出が、塩基性炭酸マグネシウムの表面で起こるようにすることである。
塩基性炭酸マグネシウムの表面以外の場所で析出反応が起こると、塩基性炭酸マグネシウム表面の被覆が効率よくできなくなるほか、生成物は塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子と、金属酸化物の粒子との単なる混合物となってしまう。
したがって、金属酸化物の析出が、塩基性炭酸マグネシウムの表面で起こるように、反応条件を適切に調節することが必要となる。
その反応条件については、析出させる金属酸化物の種類とそれを析出させる反応の種類によって変わってくるものであり一義的に定義はできないが、傾向としては析出反応を遅くするような条件が好ましい。
加水分解による金属酸化物の析出については、添加されるアルミン酸アルカリやケイ酸アルカリなどの添加速度を遅くすれば析出反応も遅くなり、反応時の温度を低くすれば析出反応も遅くなるのが一般的である。
1種又は2種以上の物質を添加させることにより析出させる金属酸化物としては、本発明の製造目的である複合酸化物粒子の組成に応じて適宜調節すればよく、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、マンガン酸化物、鉄酸化物、コバルト酸化物、亜鉛酸化物、ジルコニア、イットリア、ニオブ酸化物、希土類酸化物などがある。
この際、シリカにより表面処理すればマグネシウム−ケイ素複合酸化物が、アルミナではマグネシウム−アルミニウム複合酸化物が、鉄酸化物ではマグネシウム−鉄複合酸化物が得られる。
アルミナを被覆する場合について具体的に反応条件を述べると、塩基性炭酸マグネシウムの水性懸濁液にアルミン酸ナトリウムやアルミン酸カリウムといったアルミン酸アルカリを添加し、アルミン酸アルカリの加水分解反応によりアルミナを塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子の表面に析出させる方法が、最も簡便でかつ効果的に塩基性炭酸マグネシウムの表面処理ができ望ましい方法である。
この場合塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子の懸濁液は、5〜50g/Lの濃度とすることが望ましい。
5g/L以下であると、1回の処理で得られる表面処理塩基性炭酸マグネシウムの量が少なくなり製造効率が悪くなる。
逆に50g/Lを超える濃度であると、懸濁液の粘度が高くなりアルミナの被覆が均一にできなくなる傾向にある。
また、アルミン酸アルカリの添加前の懸濁液pHは、7.0〜9.5であることが望ましい。
pHが7.0未満であるとアルミン酸アルカリからのアルミナの析出速度が速くなりすぎ、塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子の表面以外のところで、アルミナ粒子が生成しやすくなる。
逆にpHが9.5を超えると、均一な表面被覆がなされなくなる傾向にある。
塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子の懸濁液のpHは、通常10.5〜12程度のので、適当量の酸を加えることによりpHを7.0〜9.5に調節することが望ましい。
なお、調製直後の塩基性炭酸マグネシウムの懸濁液を直接使用すれば、塩基性炭酸マグネシウムの生成反応により発生する炭酸が懸濁液中に溶存した状態であり、そのため炭酸の影響でpHは低くなり、上記したpH7.0〜9.5の範囲内にあるのが普通である。 したがって、調製直後の塩基性炭酸マグネシウムの懸濁液をそのまま用いることが、酸の添加が不要となる点で望ましい方法である。
塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子の水性懸濁液に添加されるアルミン酸アルカリは、水溶液の形態で、その濃度が0.5〜10g/Lであることが望ましい。
この範囲よりも低い濃度であると所定量のアルミナを析出させるのに必要な時間が長くなり製造効率が悪くなる。
逆に10g/Lを超える濃度であると、均一な表面被覆ができなくなる傾向にある。
アルミン酸アルカリの添加量については、本発明の製造目的である複合酸化物粒子の組成に応じて適宜調節すればよい。
例えば、マグネシウムとアルミニウムの複合酸化物として、MgAl24を製造したい場合には、MgとAlの比が1:2となるよう、またMg4Al27を製造したい場合にはMgとAlの比が2:1となるよう、アルミン酸アルカリの添加量を調節する。
塩基性炭酸マグネシウムの懸濁液にアルミン酸アルカリ溶液を添加する速度については、アルミン酸アルカリの添加量や溶液濃度に応じて適宜調節すればよく、望ましくは表面処理される塩基性炭酸マグネシウム中のMgO重量100gに対して、アルミン酸アルカリ溶液の添加速度をAl23換算で、0.2〜10g/minとすることがよい。
懸濁液の温度については、アルミン酸アルカリの添加量や溶液濃度、添加速度に応じて適宜調節すればよく、望ましくは25〜70℃とすることがよい。
この範囲とすることによって、アルミナの表面被覆状態を緻密化することができ、その結果効果的に複合酸化物粒子を得ることができる。
なお、アルミン酸アルカリの添加が完了した後は、アルミン酸アルカリからのアルミナの析出が完了するまで、撹拌を続けることが好ましい。
アルミナの析出が継続している場合、懸濁液のpHは徐々に上昇するが、析出が終わるとpHはほぼ一定で推移するので、析出の完了は懸濁液のpHを観測することによって判断できる。
続いてシリカを被覆する方法について述べる。
この方法においては、塩基性炭酸マグネシウムの水性懸濁液にケイ酸ナトリウムやケイ酸カリウムといったケイ酸アルカリを添加し、ケイ酸アルカリの加水分解反応によりシリカを塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子の表面に析出させる方法が、最も簡便でかつ効果的に塩基性炭酸マグネシウムの表面処理ができ望ましい方法である。
この場合、塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子の懸濁液は、5〜50g/Lの濃度とすることが望ましい。
5g/L以下であると、1回の処理で得られる表面処理塩基性炭酸マグネシウムの量が少なくなり製造効率が悪くなる。
逆に50g/Lを超える濃度であると、懸濁液の粘度が高くなりシリカの被覆が均一にできなくなる傾向にある。
ケイ酸アルカリの添加前の懸濁液pHについては、7.5〜10.5であることが望ましい。
pHが7.5未満であるとケイ酸アルカリからのシリカの析出速度が速くなりすぎ、塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子の表面以外で、シリカ粒子が生成しやすくなる。
逆にpHが10.5を超えると、均一な表面被覆がなされなくなる傾向にある。
なお、塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子の懸濁液のpHは、通常10.5〜12程度であるから、適当量の酸を加えることによりpHを7.5〜10.5に調節することが望ましい。
また、調製直後の塩基性炭酸マグネシウムの懸濁液を直接使用すれば、前記したとおり塩基性炭酸マグネシウムの生成反応により発生する炭酸が懸濁液中に溶存した状態で、その炭酸の影響でpHは低くなり、上記したpH7.5〜10.5の範囲内にあるのが普通である。
したがって、調製直後の塩基性炭酸マグネシウムの懸濁液をそのまま用いることが、酸の添加が不要となる点で、望ましい方法である。
塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子の水性懸濁液に添加されるケイ酸アルカリについては、水溶液の形態で、その濃度が0.5〜10g/Lであることが望ましい。
この範囲よりも低い濃度であると所定量のシリカを析出させるのに必要な時間が長くなり製造効率が悪くなる。逆に10g/Lを超える濃度であると、均一な表面被覆ができなくなる傾向にある。
また、その添加量については、本発明の製造目的である複合酸化物粒子の組成に応じて適宜調節すればよい。
例えば、複合酸化物としてMgSiO3を製造したい場合には、Mg:Siが1:1となるよう、またMg2SiO4を製造したい場合には、Mg:Siが2:1となるよう、ケイ酸アルカリの添加量を調節すればよい。
ケイ酸アルカリ水溶液の添加速度については、ケイ酸アルカリの添加量や溶液濃度に応じて適宜調節すればよく、望ましくは表面処理される塩基性炭酸マグネシウム中のMgO重量100gに対して、ケイ酸アルカリ溶液の添加速度をSiO2換算で、0.05〜10g/minとすることがよい。
この範囲とすることによって、シリカの表面被覆状態を緻密化することができ、その結果より効果的に複合酸化物粒子を得ることができる。
塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子の水性懸濁液の温度については、ケイ酸アルカリの添加量や溶液濃度、添加速度に応じて適宜調節すればよく、望ましくは5〜40℃とすることがよい。
この範囲とすることによってシリカの表面被覆状態を緻密化することができ、その結果効果的に表面処理塩基性炭酸マグネシウムのpHを9.5以下にすることが可能となる。 なお、ケイ酸アルカリの添加中は、均一な表面被覆を行うために、該懸濁液を撹拌することが好適である。
ケイ酸アルカリの添加が完了した後は、ケイ酸アルカリからのシリカの析出が完了するまで撹拌を続けることが好ましい。
シリカの析出が継続している場合、懸濁液のpHは徐々に上昇するが、析出が終わるとpHはほぼ一定で推移するので、析出の完了は懸濁液のpHを測定することによって判断できる。
このようにして得られる表面処理塩基性炭酸マグネシウムは懸濁液の状態であるが、表面被覆の反応により副生する不純分を除去するために、脱水、洗浄し、副生する不純分を除去することが望ましい。
なお、副生する不純分としては、例えばアルミン酸ナトリウムによるアルミナ被覆においては、その加水分解反応により副生する水酸化ナトリウムであり、またケイ酸カリウムによるシリカ被覆においては水酸化カリウムであり、それらが製造された表面処理塩基性炭酸マグネシウムの懸濁液中に溶存したかたちとなる。
このため調製した表面処理塩基性炭酸マグネシウム中の不純分量が増加し製品としての価値を低下させることもある。
このようにして、前記(1)で述べた塩基性炭酸マグネシウムの薄片状微細結晶からなる管状凝集粒子表面が金属酸化物により被覆された形態の前駆体を調製することができる。
次いで、前記(2)で示した塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子の管状構造内部に金属化合物の微粒子が内包された形態の前駆体の作製方法について述べる。
この前駆体については、本発明者らが既に出願した特願2003−124883の方法、具体的には塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子と金属化合物微粒子を含有する液とを接触させることにより調製することができる。
より具体的には、この前駆体(2)は該金属化合物微粒子が含有された懸濁液、望ましくは機械的分散処理や超音波照射により分散処理が施された懸濁液と、塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子の粉体あるいはスラリーとを混合し、全体が均一になるよう撹拌した後乾燥させることにより調製することができる。
ここで用いる金属化合物微粒子としては、本発明の製造目的である複合酸化物の組成に応じて適宜選択することができる。
それには、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、ジルコニア、二酸化マンガンその他の金属酸化物等の酸化物微粒子や、水酸化アルミニウム、水酸化バリウム、水酸化イットリウム等の水酸化物、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、炭酸イットリウム、炭酸亜鉛、炭酸銅、炭酸マンガン、炭酸ジルコニル、炭酸カドミウム、炭酸コバルト、炭酸セリウム、炭酸ニッケル等の炭酸塩微粒子、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム、塩化銀等のハロゲン化物微粒子が使用可能である。
さらに、硫化亜鉛、硫化カドミウム、硫化銀、硫化鉄、硫化銅等の硫化物微粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、コバルト酸ニッケル、マンガン酸ランタン、アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、フェライト等の複酸化物微粒子、金、銀、白金、パラジウムなどの金属微粒子、スメクタイト、セリサイト、ゼオライト、クリストバライト、アパタイト等の鉱物微粒子など種々の微粒子も使用可能である。
この前駆体の調製処理操作においては、塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子の内部に、金属化合物微粒子を含有する懸濁液を充分に浸透させることが望ましく、真空ポンプやアスピレーターなどによって減圧状態とし、塩基性炭酸マグネシウムの管状構造内部を脱気しておくことがよい。
こうすることによって、塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子内部に、多くの金属化合物微粒子を均一に内包させることができ、結果的に後の焼成において効率よく複合酸化物を得ることができ、かつ複合酸化物粒子の組成のばらつきを低減することができる。
このようにして、前記(2)で示した形態の前駆体を得ることができる。
また、前記(2)の形態の前駆体については、本発明者らが既に出願した特願2003−136851の方法、具体的には塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子を調製する過程において、特定の金属化合物の微粒子を添加することによっても得ることができる。
特願2003−136851の方法とは、上記した通りの塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子が生成する過程において、1種又は2種以上の微粒子を添加等で混合することにより、塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子の内部に金属化合物の微粒子が内包された形態の前駆体を調製するものである。
内包する微粒子としては、特願2003−124883の方法の場合と同様に本発明の複合酸化物粒子の組成に応じて適宜選択すればよく、該方法において例示されたものが同様に使用可能である。
これら内包したい微粒子を、前記した塩基性炭酸マグネシウムの薄片状微再結晶からなる管状凝集粒子の生成過程において、添加することによって、塩基性炭酸マグネシウムの薄片状微再結晶からなる管状凝集粒子内部に、微粒子が内包された形態の前駆体を得ることができる。
微粒子の添加時期については、既に述べたように塩基性炭酸マグネシウムが生成する過程、つまり塩基性炭酸マグネシウムの生成が完了する以前であればよい。
前記のとおりではあるが、混合時期は、望ましくは中間生成物である正炭酸マグネシウムから塩基性炭酸マグネシウムの生成が開始する以前、より望ましくは正炭酸マグネシウムの生成が開始される以前とするのがよい。
このような混合時期とすることにより、混合した微粒子を、より効率よく塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子の内部に複合化させることができる。
混合される微粒子の量については、特段の制約はなく、本発明の複合酸化物粒子の組成に応じて、適宜調節することができる。
混合する際の微粒子の形態については、粉末の状態であっても、適当な溶媒に分散させた懸濁液の状態であってもよい。
特に、微粒子を分散させた状態で塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子内部に内包させることが、後の焼成時の反応効率の面で好ましい。
そうしたい場合には、懸濁液の状態で添加することがよく、望ましくは機械的分散処理、超音波照射処理や分散剤使用などにより微粒子を充分分散させた状態の懸濁液を用いることがよい。
勿論、微粒子ゾル等の液状のものの場合は、そのままあるいは適宜希釈した状態で添加することができる。
以上のようにして、塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子の生成過程において、1種又は2種以上の微粒子を添加等で混合することによって、塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子の内部に微粒子が固定された形態の前駆体を調製することができる。
上記してきた通りの方法等によって、本発明の複合酸化物粒子の前駆体(1)又は(2)を調製することができる。
また、これら(1)又は(2)が重複した形態であってもよい。
例えば、シリカにより表面被覆された塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子内部にアルミナ粒子が内包されたものや、鉄酸化物により表面被覆された塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子内部に酸化バリウム粒子が内包されたものなども使用できる。ちなみにこれらを前駆体とすることによって、それぞれマグネシウム−ケイ素−アルミニウム複合酸化物、マグネシウム−鉄−バリウム複合酸化物を得ることができる。
前述の方法で調製した前駆体を焼成することにより、本発明の複合酸化物微粒子を製造することができる。
その焼成の条件については、前駆体を構成する塩基性炭酸マグネシウムと、その表面に被覆された金属酸化物あるいはその管状構造内部に内包された金属化合物微粒子とが反応し、製造目的とする複合酸化物が生成する条件とする必要がある。
焼成条件について具体例を挙げて説明すると、前駆体として塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子の表面がアルミナにより被覆されているものを使用し、複合酸化物としてスピネル(MgAl24)の管状粒子を製造する場合には、850℃以上の温度で焼成することが望ましい。
さらに、前駆体として塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子内部にシリカ微粒子が内包されたものを用い、複合酸化物としてフォルステライト(Mg2SiO4)の管状凝集粒子を製造するには、700℃以上の温度で焼成することがよい。
また、焼成温度を調節することによって、複合酸化物管状粒子の形態を変化させることもできる。
製造目的とする複合酸化物の生成温度下限付近の温度で焼成した場合、管状粒子の壁部は比較的多孔質となるのに対して、温度を高くしていくと比較的平滑な表面の壁部をもつ管状粒子になる傾向がある。
なお、焼成温度が高くなりすぎ、複合酸化物の融点付近あるいはそれ以上の温度となると、管状粒子同士が融着を起こしたり、管状構造が維持できなくなりやすいので、目的とする複合酸化物の融点付近あるいはそれ以上の温度での焼成は避けた方が好ましい。
焼成の方法としては、複合酸化物の生成温度を確保できる各種の加熱炉や焼成炉などが適用可能であり特段の制約はない。焼成の雰囲気については、製造目的とする複合酸化物が生成しやすい雰囲気に調節し、製造効率を向上させることもできる。
以上のようにして得られる本発明の複合酸化物粒子は、マグネシウム及び他の元素を含有する酸化物であり、その粒子形状が管状であることを特徴とするものである。
複合酸化物に含有されるマグネシウム以外の元素としては、本発明の複合酸化物粒子の用途や利用形態に応じて適宜選択することができる。
特に、アルミニウム、ケイ素、チタン、マンガン、鉄、亜鉛、ストロンチウム、バリウム、ジルコニウム、ニオブ、鉛は、マグネシウムとの複合酸化物を効率よく得るために好適であるほか、得られるマグネシウムとの複合酸化物の特性として、耐熱性、誘電性、圧電性、軟磁性などの特性を有する複合酸化物粒子が得られる。
そして、前記元素等の中から選択される1種又は2種以上の元素とマグネシウムとを含有する酸化物が、本発明の複合酸化物である。
例えば、マグネシウムとアルミニウムとの複合酸化物であるスピネル(MgAl24)等のアルミン酸マグネシウム、マグネシウムとケイ素との複合酸化物であるフォルステライト(Mg2SiO4)やステアタイト(MgSiO3)等のケイ酸マグネシウム、マグネシウムとチタンとの複合酸化物であるMg2TiO4やMgTiO3等のチタン酸マグネシウムなどがある。
また、マグネシウム以外の元素が2種以上であってもよく、例えばマグネシウムとアルミニウムとケイ素との複合酸化物であるコーディエライト(Mg2Al4Si518)や、マグネシウムとバリウムと鉄の複合酸化物であるBaMg2Fe1627、マグネシウムとバリウムとアルミニウムの複合酸化物でユーロピウムがドープされたBaMgAl1017:Eu2+なども本発明の複合酸化物粒子に含まれる。
上記した複合酸化物が、管状という新規かつ独特な形状をもつ粒子であることが本発明の特徴である。
管状粒子の形状については、外径が1〜20μm、内径が0.5〜5μm、長さが5〜200μm、長さ/外径の比が2〜50であることが望ましい。
さらに、水銀圧入法により測定される細孔分布において、細孔径0.01〜100μmの細孔容積(A)と、細孔径0.5〜5μmの細孔容積(B)との比である(B/A)が0.45〜0.85であることがより望ましい。
このような粒子寸法さらには細孔分布とすることにより、管状という粒子形状に由来した特性により優れたものとすることができる。
また、管状粒子の詳細な形態については、以下の通りである。
すなわち、管状粒子はそれよりも微細な粒子の集合体であり、その微細粒子の形状及び粒子径については、複合酸化物の種類や、前述した製造条件等によって調節することができる。
例えば、複合酸化物の種類にスピネル(MgAl24)を選択した場合、微細粒子は数nm〜数μmの粒状あるいは短柱状粒子である。また、フォルステライト(Mg2SiO4)の場合、管状粒子を構成する微細粒子は、数10nm〜数μmの若干丸みを帯びた粒状粒子である。
管状粒子を構成する微細粒子の形状及び粒子径は、本発明の複合酸化物粒子の特性に影響を及ぼすことが多々ある。
比較的大きな粒子の集合体であれば、管状粒子表面の凹凸は少なくなり、逆に小さな粒子であれば凹凸が多く多孔質の表面となる。
したがって、本発明の複合酸化物粒子の用途や利用形態に応じて、適宜製造条件等を調節し、適切なものとすることが好適である。
この微細粒子が管状に集合している態様については、精確なところは明らかでないが、微細粒子同士が、溶着あるいは固着しているか、何らかの物理化学的結合力により集合し、管状形状を維持しているものと推察している。
このような形態の本発明の複合酸化物粒子は、該複合粒子のもつ特性のほかに、管状という独特な形状に由来して種々の優れた特長を有するものである。
例えば、管状という形状に由来して多孔質の粒子となるため、高い吸着特性や吸収特性を発揮するほか、粉体としてのかさ密度が低くなるので、配合する製品の軽量化、遮音、断熱性などの向上にも効果がある。
また、酸化物触媒などとして利用する場合には、比表面積が高いことにより、触媒効率の向上が期待される。
[実施例及び比較例]
以下において、本発明の実施例及び比較例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明は、これら実施例によって何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲によって特定されるものであることはいうまでもない。
[塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子の調製]
水酸化マグネシウムの懸濁液(30g/L)2.0Lに、その温度を20℃に保持して撹拌しながら、二酸化炭素25容量%と空気75容量%とからなる二酸化炭素含有ガスを8.0L/分の速度で30分間導入した後、不溶解残渣を除去して、炭酸水素マグネシウム溶液(pH7.3)を調製した(第1ステップ)。
このステップに続いて、炭酸水素マグネシウム溶液に、適量の水酸化ナトリウム水溶液を添加して液のpHを9.0に調節するとともに、加熱して液温を35℃にまで上昇させ、その後も同温度に保持しながら60分間撹拌して、正炭酸マグネシウムの懸濁液を調製した(第2ステップ)。
この正炭酸マグネシウムをSEMにて観察したところ、径1〜3μm、長さ20〜50μmの柱状粒子であった。
引き続き、正炭酸マグネシウムの柱状粒子の懸濁液に、適量の水酸化ナトリウム水溶液を添加して液のpHを10.5に調節するとともに、加熱して液温を50℃にまで上昇させ、その後も同温度に保持しながら120分間撹拌して、塩基性炭酸マグネシウムを調製した(第3ステップ)。
この塩基性炭酸マグネシウムをSEMにて観察したところ、厚さ0.01〜0.05μm、径0.2〜1μmの薄片状微細結晶からなる、内径1〜2μm、外径2〜3μm、長さ5〜30μmの管状凝集粒子であった。
[前駆体の調製]
上記で調製した塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子の懸濁液(濃度30g/L)2.0Lを、温度20℃に維持、撹拌しながら、それに試薬ケイ酸ナトリウム溶液(関東化学製、鹿一級、SiO2含有量35重量%)をイオン交換水にて10倍に希釈した溶液200mLをチューブポンプにて5mL/分の速度で添加し、添加終了後15分間撹拌を続けた(塩基性炭酸マグネシウム中のMgO重量100gに対して、ケイ酸ナトリウムの添加量はSiO2換算で20.5g)。
その後、生成物の懸濁液を濾別、10Lの水で洗浄、1Lのメチルアルコールで洗浄後、105℃で乾燥させ、表面処理塩基性炭酸マグネシウムを得た。
生成物をSEMにて観察したところ、塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子を形成する薄片状微細結晶がシリカの平滑膜で被覆されており、塩基性炭酸マグネシウムの薄片状微細結晶の表面の全てが覆われている状態であった。
[複合酸化物粒子の製造]
上記で得られた前駆体(シリカにより表面被覆された塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子)を、マッフル炉にて800℃で2時間焼成した。
生成物を粉末X線回折により分析したところ、フォルステライト(Mg2SiO4)であることが確認された。
またSEMにより観察したところ、内径1〜2μm、外形2〜3μm、長さ5〜30μmの管状粒子であった。
[塩基性炭酸マグネシウム及び前駆体の調製]
水酸化マグネシウムの懸濁液(30g/L)2.0Lを、その温度を20℃に保持、撹拌しながら、それに二酸化炭素25容量%と空気75容量%とからなる二酸化炭素含有ガスを8.0L/minの速度で30分間導入した後、不溶解残渣を濾別して、炭酸水素マグネシウム溶液(pH7.3)を調製した。
その後、炭酸水素マグネシウム溶液に、適量の水酸化ナトリウム水溶液を添加して液のpHを9.5に調節した。
続いて、この液にルチル型酸化チタン(石原産業社製CR−60、アルミナ表面処理品)10gを200mLのイオン交換水に超音波分散させた懸濁液を添加するとともに、加熱して液温を35℃にまで上昇させ、その後も同温度に保持しながら60分間撹拌して、正炭酸マグネシウムの懸濁液を調製した。
この正炭酸マグネシウムを走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察したところ、径1〜2μm、長さ20〜50μmの柱状粒子であり、その表面に粒子径0.21μmの酸化チタン粒子が付着している状態であった。
引き続き、正炭酸マグネシウムの懸濁液に、適量の水酸化ナトリウム水溶液を添加して液のpHを10.5に調節するとともに、加熱して液温を45℃にまで上昇させ、その後も同温度を保持しながら180分間撹拌して前駆体を得た。
この前駆体を透過型電子顕微鏡(TEM)及びSEMにて観察したところ、内径1〜2μm、外径2〜3μm、長さ5〜30μmの塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子の内部に粒子径0.2μmの酸化チタン粒子が内包されている形態であることが確認された。
[複合酸化物粒子の製造]
上記で得られた前駆体(酸化チタン微粒子が内包された塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子)を、マッフル炉にて800℃で2時間焼成した。
生成物を粉末X線回折により分析したところ、Mg2TiO4であることが確認された。 また、SEMにより観察したところ、内径1〜2μm、外形2〜3μm、長さ5〜30μmの管状粒子であった。
[塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子の調製]
水酸化マグネシウムの懸濁液(30g/L)2.0Lを、その温度を20℃に保持して撹拌しながら、それに二酸化炭素25容量%と空気75容量%とからなる二酸化炭素含有ガスを8.0L/分の速度で30分間導入した後、不溶解残渣を除去して、炭酸水素マグネシウム溶液(pH7.3)を調製した(第1ステップ)。
このステップに続いて、炭酸水素マグネシウム溶液に、適量の水酸化ナトリウム水溶液を添加して液のpHを8.0に調節するとともに、加熱して液温を35℃にまで上昇させ、その後も同温度に保持しながら60分間撹拌して、正炭酸マグネシウムの懸濁液を調製した(第2ステップ)。
この正炭酸マグネシウムをSEMにて観察したところ、径5〜10μm、長さ30〜100μmの柱状粒子であった。
引き続き、正炭酸マグネシウムの柱状粒子の懸濁液に、適量の水酸化ナトリウム水溶液を添加して液のpHを10.5に調節するとともに、加熱して液温を55℃にまで上昇させ、その後も同温度に保持しながら120分間撹拌して、塩基性炭酸マグネシウムを調製した(第3ステップ)。
この塩基性炭酸マグネシウムをSEMにて観察したところ、厚さ0.02〜0.1μm、径1〜2μmの薄片状微細結晶からなる、内径2〜5μm、外径5〜10μm、長さ20〜50μmの管状凝集粒子であった。
[前駆体の調製]
上記で調製した塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子の懸濁液(濃度20g/L)2.0Lを、その温度を30℃に維持、撹拌しながら、それに試薬アルミン酸ナトリウム溶液(関東化学製、鹿一級、Al23含有量35重量%)溶液(濃度40g/L)1.0Lをチューブポンプにて5mL/分の速度で添加し、添加終了後15分間撹拌を続けた(アルミン酸ナトリウムの添加量は、塩基性炭酸マグネシウム中のMgO重量100gに対してAl23換算で82g)。
その後、生成物の懸濁液を濾別、10Lの水で洗浄、1Lのメチルアルコールで洗浄後、105℃で乾燥させ、アルミナ表面処理塩基性炭酸マグネシウムを得た。
生成物をSEMにて観察したところ、塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子を形成する薄片状微細結晶がアルミナの微粒子膜で被覆されており、塩基性炭酸マグネシウムの薄片状微細結晶の表面の全てが覆われている状態であった。
[複合酸化物粒子の製造]
上記で得られた前駆体(アルミナにより表面被覆された塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子)を、マッフル炉にて1000℃で2時間焼成した。
生成物を粉末X線回折により分析したところスピネル(MgAl24)が確認された。
また、SEMにより観察したところ、内径2〜5μm、外形5〜12μm、長さ20〜50μmの管状粒子であった。
[塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子及び前駆体の調製]
水酸化マグネシウムの懸濁液(30g/L)2.0Lを、その温度を20℃に保持して撹拌しながら、それに二酸化炭素25容量%と空気75容量%とからなる二酸化炭素含有ガスを8.0L/分の速度で30分間導入した後、不溶解残渣を除去して、炭酸水素マグネシウム溶液(pH7.3)を調製した(第1ステップ)。
このステップに続いて、炭酸水素マグネシウム溶液に、マグネタイト(平均粒子径0.3μm)60gを500mLのイオン交換水に超音波分散させた懸濁液を添加した後、適量の水酸化ナトリウム水溶液を添加して液のpHを8.0に調節するとともに、加熱して液温を35℃にまで上昇させ、その後も同温度に保持しながら60分間撹拌して、正炭酸マグネシウムの懸濁液を調製した(第2ステップ)。
この正炭酸マグネシウムをSEMにて観察したところ、径5〜10μm、長さ30〜100μmの柱状粒子であり、その表面にはマグネタイト粒子が付着していることが確認された。
引き続き、マグネタイト粒子が付着した正炭酸マグネシウムの柱状粒子の懸濁液に、適量の水酸化ナトリウム水溶液を添加して液のpHを10.5に調節するとともに、加熱して液温を60℃にまで上昇させ、その後も同温度に保持しながら120分間撹拌して、塩基性炭酸マグネシウムを調製した(第3ステップ)。
この塩基性炭酸マグネシウムをSEMにて観察したところ、厚さ0.02〜0.1μm、径1〜2μmの薄片状微細結晶からなる、内径2〜5μm、外径5〜10μm、長さ20〜50μmの管状凝集粒子であり、その内部にはマグネタイト粒子が固定されていることが確認された。
[複合酸化物粒子の製造]
上記で得られた前駆体(マグネタイト粒子が内包された塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子)を、マッフル炉にて1000℃で2時間焼成した。生成物を粉末X線回折により分析したところ、マグネシウム−鉄複合酸化物(MgFe24)が確認された。
また、SEMにより観察したところ、内径2〜5μm、外形5〜12μm、長さ20〜50μmの管状粒子であった。
[比較例1]
工業用塩基性炭酸マグネシウム(不定形)50gとシリカゲル25gとを、ボールミルにて混合粉砕した後マッフル炉にて800℃で2時間焼成した。
生成物を粉末X線回折により分析したところ、フォルステライト(Mg2SiO4)であることが確認された。
また、SEMにより観察したところ径5〜10μmの不定形粒子であった。
実施例1で得られた複合酸化物粒子(フォルステライト、Mg2SiO4)の粒子形状を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。

Claims (8)

  1. 塩基性炭酸マグネシウムの薄片状微細結晶からなる管状凝集粒子と他成分とから構成される粒子を前駆体とし、該前駆体を焼成することを特徴とする、マグネシウム及び他の元素を含有する酸化物であり、その粒子形状が管状である複合酸化物粒子の製造方法。
  2. 前駆体が、塩基性炭酸マグネシウムの薄片状微細結晶からなる管状凝集粒子の表面を金属酸化物により覆われたものである、請求項1に記載の複合酸化物粒子の製造方法。
  3. 前駆体が、塩基性炭酸マグネシウムの薄片状微細結晶からなる管状凝集粒子の内部に他の粒子を内包したものである、請求項1に記載の複合酸化物粒子の製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法により製造される、マグネシウム及び他の元素を含有する酸化物であり、その粒子形状が管状であることを特徴とする複合酸化物粒子。
  5. マグネシウム及び他の元素を含有する酸化物であり、その粒子形状が管状であることを特徴とする管状複合酸化物粒子。
  6. 外径が1〜20μm、内径が0.5〜5μm、長さが5〜200μm、長さ/外径の比が2〜50である請求項5に記載の管状複合酸化物粒子。
  7. 水銀圧入法により測定される細孔分布において、細孔径0.01〜100μmの細孔容積(A)と、細孔径0.5〜5μmの細孔容積(B)との比(B/A)が0.45〜0.85である、請求項5又は6に記載の管状複合酸化物粒子。
  8. 他の元素が、アルミニウム、ケイ素、チタン、マンガン、鉄、亜鉛、ストロンチウム、バリウム、ジルコニウム、ニオブ、鉛のなかから選択される1種又は2種以上である請求項5、6又は7に記載の複合酸化物粒子。
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